(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6824100
(24)【登録日】2021年1月14日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】異なる融点の材料を使用した静電3D現像装置
(51)【国際特許分類】
B29C 64/205 20170101AFI20210121BHJP
G03G 15/22 20060101ALI20210121BHJP
B29C 64/218 20170101ALI20210121BHJP
B29C 64/232 20170101ALI20210121BHJP
B29C 64/236 20170101ALI20210121BHJP
B29C 64/245 20170101ALI20210121BHJP
B29C 64/379 20170101ALI20210121BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20210121BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20210121BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20210121BHJP
B29C 64/40 20170101ALI20210121BHJP
B29C 64/188 20170101ALI20210121BHJP
【FI】
B29C64/205
G03G15/22 101Z
G03G15/22 103Z
B29C64/218
B29C64/232
B29C64/236
B29C64/245
B29C64/379
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/106
B29C64/40
B29C64/188
【請求項の数】18
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-84589(P2017-84589)
(22)【出願日】2017年4月21日
(65)【公開番号】特開2017-202682(P2017-202682A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2020年3月24日
(31)【優先権主張番号】15/152,659
(32)【優先日】2016年5月12日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール・エフ・サウィキ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ダブリュ・フェルプス
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・イー・ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・アール・ウチャル
【審査官】
田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05088047(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/205
B29C 64/106
B29C 64/188
B29C 64/218
B29C 64/232
B29C 64/236
B29C 64/245
B29C 64/379
B29C 64/40
B33Y 10/00
B33Y 30/00
G03G 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元(3-D)プリンタにおいて、
中間転写面と、
造形材料を前記中間転写面に静電的に転写するように配置された造形材料現像ステーションと、
支持材料を前記中間転写面に静電的に転写するように配置された支持材料現像ステーションであって、前記造形材料が、前記支持材料よりも高い融点を有し、前記造形材料現像ステーション及び前記支持材料現像ステーションが、より高い前記融点を有したままの前記造形材料及び前記支持材料の層を前記中間転写面に転写する支持材料現像ステーションと、
前記中間転写面に隣接している転写定着ステーションであって、前記中間転写面が前記転写定着ステーションを通過するのにともない前記層を受けるように配置された転写定着ステーションと、
前記中間転写面に対して移動するプラテンであって、前記プラテン上の前記層の独立した積層を連続的に形成するように前記転写定着ステーションにおいて前記中間転写面上の前記層の1つに前記プラテンが接触するたびに、前記中間転写面が前記造形材料及び前記支持材料の層を前記プラテンに転写するプラテンと、
前記層を互いに硬化させるために、UV光を前記層の全体に印加するように配置される硬化ステーションと、
前記支持材料の融点よりも高いが前記造形材料の融点よりも低い温度まで前記独立した積層を加熱し、前記造形材料のみからなる3-D構造を残すように構成され配置された支持材料除去ステーションと、
を備え、
前記プラテンが、前記中間転写面に近づくように前記中間転写面に向かって移動した後、前記中間転写面と同じ速さ及び同じ方向に移動し、その後、前記中間転写面から離れる、3-Dプリンタ。
【請求項2】
さらに、前記転写定着ステーションにおいて直接加熱するように配置された表面ヒータを備え、前記表面ヒータが、前記転写定着ステーションにおいて前記中間転写面及び前記プラテンを加熱する、請求項1に記載の3-Dプリンタ。
【請求項3】
前記層が前記熱にさらされた後に粘着性を有し、前記中間転写面から前記プラテン上の前記層への前記層の転写を促進する、請求項2に記載の3-Dプリンタ。
【請求項4】
前記造形材料現像ステーション、前記支持材料現像ステーション及び前記転写定着ステーションは、前記中間転写面がプロセス方向に移動しているときに、前記中間転写面上の点が前記造形材料現像ステーション及び前記支持材料現像ステーションを最初に通過した後に前記転写定着ステーションを通過するように、前記中間転写面に対して配置される、請求項1に記載の3-Dプリンタ。
【請求項5】
さらに、前記プラテンに隣接してヒータを備え、前記プラテンは、前記転写定着ステーションから前記ヒータへと移動して、前記層を加熱して前記層のそれぞれを一体に接合し、
さらに、前記ヒータに隣接して加圧ローラーを備え、前記プラテンは、前記加圧ローラーに移動して、前記層のそれぞれを一体に押圧する、請求項1に記載の3-Dプリンタ。
【請求項6】
前記造形材料及び前記支持材料は、ポリマーを含み、前記硬化ステーションが、前記造形材料及び前記支持材料内の前記ポリマーを結合させるように配置される、請求項1に記載の3-Dプリンタ。
【請求項7】
中間転写ベルト(ITB)と、
造形材料を前記ITBに静電的に転写するように配置された造形材料現像ステーションと、
支持材料を前記造形材料が前記ITB上に位置する前記ITBの位置に静電的に転写するように配置された支持材料現像ステーションであって、前記造形材料が、前記支持材料よりも高い融点を有し、前記造形材料現像ステーション及び前記支持材料現像ステーションが、より高い前記融点を有したままの前記造形材料及び前記支持材料の層を前記ITBに転写し、前記層のそれぞれが前記ITBの別個の領域上にあり、パターン化される支持材料現像ステーションと、
前記ITBに隣接している転写定着ステーションであって、前記ITBを支持する前記ITBの第1の側にローラーを備え、前記ITBが前記転写定着ステーションを通過するのにともない前記層を受けるように配置された転写定着ステーションと、
前記ITBに対して移動するプラテンであって、前記プラテン上の前記層の独立した積層を連続的に形成するように前記転写定着ステーションにおいて前記ITBの前記第1の側と対向する第2の側上の前記層の1つに前記プラテンが接触するたびに、前記ITBが前記造形材料及び前記支持材料の層を前記プラテンに転写するプラテンと、
前記支持材料の融点よりも高いが前記造形材料の融点よりも低い温度まで前記独立した積層を加熱し、前記造形材料のみからなる3-D構造を残すように構成され配置された支持材料除去ステーションと、
前記層を互いに硬化させるために、UV光を前記層の全体に印加するように配置される硬化ステーションと、を備え、
前記プラテンが、中間転写面に近づくように前記中間転写面に向かって移動した後、前記中間転写面と同じ速さ及び同じ方向に移動し、その後、前記中間転写面から離れる、3-Dプリンタ。
【請求項8】
さらに、前記転写定着ステーションにおいて直接加熱するように配置された表面ヒータを備え、前記表面ヒータが、前記転写定着ステーションにおいて前記ITB及び前記プラテンを加熱する、請求項7に記載の3-Dプリンタ。
【請求項9】
前記層が前記熱にさらされた後に粘着性を有し、前記ITBから前記プラテン上の前記層への前記層の転写を促進する、請求項8に記載の3-Dプリンタ。
【請求項10】
前記造形材料現像ステーション、前記支持材料現像ステーション及び前記転写定着ステーションは、前記ITBがプロセス方向に移動しているときに、前記ITB上の点が前記造形材料現像ステーション及び前記支持材料現像ステーションを最初に通過した後に前記転写定着ステーションを通過するように、前記ITBに対して配置される、請求項7に記載の3-Dプリンタ。
【請求項11】
さらに、前記プラテンに隣接してヒータを備え、前記プラテンは、前記転写定着ステーションから前記ヒータへと移動して、前記層を加熱して前記層のそれぞれを一体に接合し、
さらに、前記ヒータに隣接して加圧ローラーを備え、前記プラテンは、前記加圧ローラーに移動して、前記層のそれぞれを一体に押圧する、請求項7に記載の3-Dプリンタ。
【請求項12】
前記造形材料及び前記支持材料は、ポリマーを含み、前記硬化ステーションが、前記造形材料及び前記支持材料内の前記ポリマーを結合させるように配置される、請求項7に記載の3-Dプリンタ。
【請求項13】
3次元(3-D)プリンタにおいて、
中間転写面と、
造形材料のみを処理するよう専用に指定され、前記造形材料のみを前記中間転写面に静電的に転写するように配置された造形材料現像ステーションと、
支持材料のみを処理するよう専用に指定され、前記支持材料のみを前記中間転写面に静電的に転写するように配置された支持材料現像ステーションであって、前記造形材料が、前記支持材料よりも高い融点を有し、前記造形材料現像ステーション及び前記支持材料現像ステーションが、より高い前記融点を有したままの前記造形材料及び前記支持材料の層を前記中間転写面に転写する支持材料現像ステーションと、
前記中間転写面に隣接している転写定着ステーションであって、前記中間転写面が前記転写定着ステーションを通過するのにともない前記層を受けるように配置された転写定着ステーションと、
前記中間転写面に対して移動するプラテンであって、前記プラテン上の前記層の独立した積層を連続的に形成するように前記転写定着ステーションにおいて前記中間転写面上の前記層の1つに前記プラテンが接触するたびに、前記中間転写面が前記造形材料及び前記支持材料の層を前記プラテンに転写するプラテンと、
前記層を互いに硬化させるために、UV光を前記層の全体に印加するように配置される硬化ステーションと、
前記支持材料の融点よりも高いが前記造形材料の融点よりも低い温度まで前記独立した積層を加熱し、前記造形材料のみからなる3-D構造を残すように構成され配置された支持材料除去ステーションと、
を備え、
前記プラテンが、前記中間転写面に近づくように前記中間転写面に向かって移動した後、前記中間転写面と同じ速さ及び同じ方向に移動し、その後、前記中間転写面から離れる、3-Dプリンタ。
【請求項14】
さらに、前記転写定着ステーションにおいて直接加熱するように配置された表面ヒータを備え、前記表面ヒータが、前記転写定着ステーションにおいて前記中間転写面及び前記プラテンを加熱する、請求項13に記載の3-Dプリンタ。
【請求項15】
前記層が前記熱にさらされた後に粘着性を有し、前記中間転写面から前記プラテン上の前記層への前記層の転写を促進する、請求項14に記載の3-Dプリンタ。
【請求項16】
前記造形材料現像ステーション、前記支持材料現像ステーション及び前記転写定着ステーションは、前記中間転写面がプロセス方向に移動しているときに、前記中間転写面上の点が前記造形材料現像ステーション及び前記支持材料現像ステーションを最初に通過した後に前記転写定着ステーションを通過するように、前記中間転写面に対して配置される、請求項13に記載の3-Dプリンタ。
【請求項17】
さらに、前記プラテンに隣接してヒータを備え、前記プラテンは、前記転写定着ステーションから前記ヒータへと移動して、前記層を加熱して前記層のそれぞれを一体に接合し、
さらに、前記ヒータに隣接して加圧ローラーを備え、前記プラテンは、前記加圧ローラーに移動して、前記層のそれぞれを一体に押圧する、請求項13に記載の3-Dプリンタ。
【請求項18】
前記造形材料及び前記支持材料は、ポリマーを含み、前記硬化ステーションが、前記造形材料及び前記支持材料内の前記ポリマーを結合させるように配置される、請求項13に記載の3-Dプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書におけるシステム及び方法は、一般に、静電印刷プロセスを使用する3次元(3D)印刷プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
3次元印刷は、例えば、インクジェット又は静電プリンタを使用して物体を生成することができる。1つの例示的な3段階プロセスにおいて、粉末材料が薄層に印刷され、UV硬化性液体が粉末材料上に印刷され、最後に各層がUV光源を使用して硬化される。これらのステップは、層毎に繰り返される。支持材料は、一般に、3D印刷が完了した後に造形材料から選択的にすすがれることができる酸性、塩基性又は水溶性ポリマーを含む。
【0003】
静電(電子写真)プロセスは、材料を中間表面(感光体ベルト又はドラムなど)上に転写する2次元ディジタル画像を生成する周知の手段である。電子写真画像が転写される方法における進歩は、印刷システムの速度、効率及びディジタル特性を活用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な3次元(3D)プリンタは、他の要素のうち、中間転写ベルト(ITB)又はドラムなどの中間転写面と、造形材料(例えば、紫外線(UV)硬化性造形材料)をITBに静電的に転写するように配置された造形材料現像ステーションと、支持材料をUV硬化性造形材料がITB上に位置するITBの位置に静電的に転写するように配置された支持材料現像ステーションとを含む。造形材料は、支持材料よりも高い融点を有する。造形材料現像ステーション及び支持材料現像ステーションは、UV硬化性造形材料及び支持材料の層をプラテンに転写し、各層は、ITBの別個の領域上にあり、パターン化される。
【0005】
また、転写定着ステーションがITBに隣接している。転写定着ステーションは、ITBを支持するITBの第1の側にローラーを含む。転写定着ステーションは、ITBが転写定着ステーションを通過するのにともない層を受けるように配置されている。より具体的には、造形材料現像ステーション、支持材料現像ステーション及び転写定着ステーションは、ITBがプロセス方向に移動しているときに、ITB上の点が造形材料及び支持材料現像ステーションを最初に通過した後に転写定着ステーションを通過するように、ITBに対して配置されている。
【0006】
さらに、プラテンは、ITBに対して移動する。ITBは、プラテン上の層の独立した積層を連続的に形成するように転写定着ステーションにおいてITBの第2の側(第1の側の反対側)の層の1つにプラテンが接触するたびに、UV硬化性造形材料及び支持材料の層をプラテンに転写する。
【0007】
そのような構造はまた、プラテンに隣接してヒータを含むことができる。プラテンは、層を加熱して各層を一体に接合するように必要に応じて転写定着ステーションからヒータへと移動することができる。加圧ローラーはまた、ヒータに隣接して配置されることができる。それゆえに、プラテンは、各層を一体に押圧するように加圧ローラーを移動させることができる。さらに、層を互いに硬化させるために3D構造にUV光を印加するように硬化ステーションが配置されることができる。また、異なる構成において、プラテンは、層のそれぞれが転写定着ニップにおいてプラテンに転写された後又は予め確立された数の層が転写定着ニップにおいてプラテンに転写された後、転写定着ニップからヒータ、加圧ローラー及び硬化ステーションへと移動することができる。
【0008】
そのような構造はまた、プラテン上に3D構造を受けるように配置された支持材料除去ステーションを含むことができる。支持材料除去ステーションは、支持材料の融点よりも高いが造形材料の融点よりも低い温度まで積層を加熱し、UV硬化性造形材料のみからなる3D構造を残す。
【0009】
本願明細書における様々な方法は、上述した構造によって動作し、造形材料現像ステーションを使用して造形材料を中間転写面に静電的に転写し、支持材料現像ステーションを使用して支持材料を中間転写面に静電的に転写する。造形及び支持材料を静電的に転写するプロセスは、造形材料及び支持材料の層を中間転写面に転写し、各層は、ITBの別個の領域上にあり且つパターン化される。
【0010】
そして、そのような方法は、転写定着ステーションへと中間転写面を移動させ、中間転写面上の層の1つにプラテンを接触させるように中間転写面に対してプラテンを移動させる。中間転写面は、プラテン上の造形及び支持材料の層の独立した積層を連続的に形成するように転写定着ステーションにおいて中間転写面の層にプラテンが接触するたびに、造形材料及び支持材料の層をプラテンに転写する。
【0011】
そのような方法は、必要に応じて、層を加熱して各層を一体に接合するように転写定着ステーションからヒータへとプラテンを移動させることができ、各層を一体に押圧するように加圧ローラーまでプラテンを移動させることができる。異なる構成において、これらの方法は、層のそれぞれが転写定着ニップにおいてプラテンに転写された後又は予め確立された数の層が転写定着ニップにおいてプラテンに転写された後、転写定着ニップからヒータ、加圧ローラー及び/又は硬化ステーションへとプラテンを移動させることができる。
【0012】
そのような方法はまた、支持材料の融点よりも高いが造形材料の融点よりも低い温度まで積層を加熱するように配置された支持材料除去ステーションへとプラテンを移動させることができ、UV硬化性造形材料のみからなる3D構造を残す。
【0013】
これらの及び他の特徴は、以下の詳細な説明に記載されているか又はそれから明らかである。
【0014】
添付図面を参照して様々な例示的なシステム及び方法が以下に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図8】
図8は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図9】
図9は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図10】
図10は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図11】
図11は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図12】
図12は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図13】
図13は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図14】
図14は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略断面図である。
【
図15】
図15は、本願明細書における印刷装置を示す概略図である。
【
図16】
図16は、本願明細書における印刷装置を部分的に示す概略図である。
【
図17】
図17は、本願明細書における現像装置を示す概略図である。
【
図18】
図18は、本願明細書における動作を示すフロー図である。
【
図19】
図19は、本願明細書における装置を示す拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上述したように、静電印刷プロセスは、2次元(2D)ディジタル画像を生成する周知の手段であり、本願明細書における方法及び装置は、3D物品(3D印刷用)の製造のためにそのようなプロセスを使用する。しかしながら、静電プロセス(特にITBを使用するもの)を使用して3次元印刷を行う場合、造形材料から支持材料を除去するプロセスは、高価で潜在的に危険な溶媒の使用をともなうことがある。本願明細書に記載された方法及び装置は、異なる融点を有する造形及び支持材料を利用することによってそのような溶媒の使用を低減又は回避する。
【0017】
例えば、
図1に示されるように、本願明細書における例示的な3次元(3D)プリンタは、他の要素のうち、ローラー112上に支持された中間転写ベルト110(ITB)と、第1の印刷要素(例えば、現像装置116)と、第2の印刷要素(例えば、現像装置114)とを含む。それゆえに、
図1に示されるように、第1の印刷要素116は、((例えば、電荷発生器128によって発生された)ベルトと転写される材料との電荷差によって)(潜在的に乾燥した)粉末ポリマー−ワックス材料(例えば、帯電した3Dトナー)などの第1の材料104である造形材料をITB110に静電的に転写するように配置されている。(例えば、感光体とすることもできる)第2の印刷要素114はまた、第2の材料105(例えば、同様に粉末ポリマー−ワックス材料(例えば、帯電した3Dトナー)などの支持材料)を第1の材料104がITB110上に位置するITB110の位置に静電的に転写するように配置されている。
【0018】
造形材料104は、完全な3D物品が完成した後に印刷された3D構造104が支持材料105から分離されるのを可能とするように支持材料105よりも高い融点を有する。例えば、任意の温度(室温(20℃)又は氷の融点(0℃)など)に対して、造形材料の融点は、支持材料の融点よりも25%、50%、75%高いなどとすることができるか、又は、支持材料の融点の2倍、5倍、10倍などとすることができる。したがって、1つの例において、支持材料は、100℃で溶融する一方で、造形材料は、約200℃で溶融することができる。さらに、造形及び支持材料は、そのような材料が現在知られているか又は将来開発されるかどうかにかかわらず、静電印刷プロセスによって処理されることができる任意の物質から構成されることができる。例えば、造形及び支持材料は、ポリマー、プラスチック、金属、セラミック、シリコン系材料、炭素系材料、糖などとすることができる。
【0019】
図面において、造形材料104及び支持材料105の組み合わせは、要素102として示されており、時には「現像層」と称することがある。造形材料104及び支持材料105の現像層102は、ITB110の別個の領域上にあり、その層(及びその関連する支持要素)における3D構造の要素に対応してパターン化され、現像層102毎に3D構造が構築される。
【0020】
さらに、(表面又はベルトとすることができる)プラテン118は、ITB110に隣接している。この例において、プラテン118は、真空ベルトである。造形及び支持材料のパターン化された層102は、現像装置114、116から中間転写ベルト110に転写され、最終的には転写定着ステーション130においてプラテン118に転写される。
【0021】
図1に示されるように、転写定着ステーション130は、ITB110に隣接している。転写定着ステーション130は、ITB110の一方側に、ITB110を支持するローラー112を含む。転写定着ステーション130は、ITB110が転写定着ステーション130へと移動するのにともない層102を受けるように配置されている。より具体的には、造形材料現像ステーション116、支持材料現像ステーション114及び転写定着ステーション130は、ITB110がプロセス方向に移動しているとき、ITB110上の層102が造形材料及び支持材料現像ステーション114、116を最初に通過した後に転写定着ステーション130を通過するようにITB110に対して配置されている。
【0022】
さらに
図1に示されるように、そのような構造は、ヒータ120、126及び結合ステーション122、124を含むことができる。結合ステーション122、124は、光源124を使用して光(例えば、UV光)を及び/又はヒータ122を使用して熱を印加するように配置されている。本構造はまた、以下に記載される支持材料除去ステーション148を含むことができる。
【0023】
図2における垂直矢印によって示されるように、プラテン118は、プラテン118をITB110に接触させるように((一般に物品118によって全て示される)モータ、歯車、プーリ、ケーブル、ガイドなどを使用して)ITB110に向かって移動する。現像層102及びITB110は、必要に応じて、現像層102を転写定着前に「粘着性」状態にするのにさらに役立つようにヒータ120によって局所的に加熱されることができる。1つの例において、現像層102は、支持材料(及び潜在的に造形材料)が粘着性になるのを可能とするように、ガラス転移温度(Tg)よりも高いが支持材料の融点又は溶融温度(Tm)よりも低い温度まで加熱されることができる。
【0024】
プラテン118はまた、必要に応じて、ヒータ120によってほぼ同じ温度まで加熱された後、ITB−プラテンニップ(転写定着ニップ130)を通って平行移動する際に粘着層102と同期して接触されることができる。それにより、ITB110は、プラテン118上に造形材料104及び支持材料105の現像層102を連続的に形成するように、プラテン118がITB110に接触するたびに、造形材料104及び支持材料105の現像層102のうちの1つをプラテン118に転写する。
【0025】
したがって、各別個の現像装置114、116によってITB上に所定パターンで静電的に印刷される造形及び支持材料は、所定長を有する特定のパターンを表すように現像層102においてともに結合される。それゆえに、
図2に示されるように、現像層102のそれぞれは、(ITB110の隣にある矢印によって表される)ITB110が移動しているプロセス方向に向かって配向された前縁134と、前縁134に対向する後縁136とを有する。
【0026】
より具体的には、
図2に示されるように、転写定着ニップ130において、転写定着ニップ130内の現像層102の前縁134は、プラテン118の対応位置に転写され始める。それゆえに、
図2において、プラテン118は、現像層102の前縁134が転写定着ニップ130のローラーの最低位置にある位置においてITB110上の現像層102に接触するように移動する。それゆえに、この例において、現像層102の後縁136は、まだ転写定着ニップ130に到達しておらず、したがってプラテン118にまだ転写されていない。
【0027】
図3に示されるように、プラテン118は、現像層102が汚れなくプラテン118に清浄に転写するのを可能とするように、プラテン真空ベルトを移動又は回転させることによってITB110と同期して移動する(ITB110と同じ速度及び同じ方向に移動する)。
図3において、現像層102の後縁136は、まだ転写定着ニップ130に到達しておらず、したがってプラテン118に転写されていない唯一の部分である。そして、ITB110がプロセス方向に移動するのにともない、プラテン118は、現像層102の後縁136が転写定着ニップ130のローラーの底部に到達するまで、ITB110と同じ速度及び同じ方向に移動し、その時点で、プラテン118は、
図4に示されるように、ITB110から離れ、ヒータ126へと移動する。ヒータ126は、非接触型(例えば、赤外線(IR)ヒータ、又は層102を造形及び支持材料の融点よりも低い温度に加熱する定着ローラーなどの加圧ヒータ)とすることができる。
【0028】
図4及び
図5に示されるように、ヒータ126が加圧ローラーである場合、プラテン118は、ローラーの回転に同期して移動し、現像層102をプラテン118に溶融するように(同様に、造形及び支持材料の融点よりも低い温度に)加熱及び加圧する。このプラテン118とITB110(及びヒータローラー126)との間の同期移動は、現像装置116、114によって印刷された支持及び造形材料のパターン(102)を歪み又は汚れなしでITB110からプラテン118に正確に転写させる。
【0029】
プラテン118は、現像層102のそれぞれを独立して加熱し、現像層102のそれぞれをプラテン118及び任意の以前にプラテン118上に転写された現像層102に連続的に接合するように、ITB110が現像層102のそれぞれをプラテン118に転写した後に、ヒータ126へと移動することができる。他の代替例において、プラテン118は、複数の現像層102がプラテン118に且つ互いに同時に定着されるのを可能とするように、特定数(例えば、2、3、4など)の現像層102がプラテン118上に配置された後にのみ、ヒータ126へと移動することができる。
【0030】
それゆえに、
図2〜
図5における処理は、
図6に示されるように、複数の現像層102を積層106に定着するように繰り返される。現像層102の積層106が成長すると、
図6に示されるように、追加の現像層102が積層106の上部に形成され、そのような追加の現像層102は、
図7に示されるように、積層106内の全ての現像層102を一体に定着するようにヒータ126によって加圧加熱される。
【0031】
図8に示されるように、結合ステーション122、124は、独立した積層106において現像層102をプラテン118上で互いに結合するように、3D構造に光及び/又は熱を印加するように構成されている。ヒータ、光、及び結合ステーションの他の要素122、124の選択的使用は、現像層102の化学的構成に応じて変化する。
【0032】
1つの例において、造形材料104及び支持材料105は、UV硬化性トナーとすることができる。したがって、
図8に示されるように、1つの例において、結合ステーション122、124は、それらのガラス転移温度とそれらの融点との間の温度まで材料102を加熱した後に、UV光を照射して材料102内のポリマーを架橋することによってそのような材料102を結合することができ、それにより、剛性構造を形成する。当業者は、他の造形材料及び支持材料は他の結合処理及び結合要素を利用し、前述したものは1つの限定された例として提示されているにすぎず、本願明細書における装置及び方法は、現在知られているか又は将来開発されるかにかかわらず、そのような結合方法及び要素の全てに適用可能であることを理解するであろう。
【0033】
1つの例において、結合ステーション122、124は、ITB110が現像層102のそれぞれをプラテン118に転写するたびに、又は、1回のみなどのより少ない頻度で(例えば、積層106が完全に形成されるとき)、そのような光及び/又は熱を潜在的に印加することができる。さらに、
図8は、独立した積層106の堆積中内の支持材料105及び造形材料104の部分を示すオーバーレイを示している。そのようなものは、視認可能であってもなくてもよく、そのような造形及び支持材料が配置されることができる1つの例示的な方法を示すために例示されているにすぎない。
【0034】
独立した積層106の3D構造は、外部加熱浴を使用して支持材料105を手動で除去するのを可能とするように出力することができ;又は、
図9〜
図11に示されるように処理を進めることができる。より具体的には、
図9において、支持材料除去ステーション148は、プラテン118上で現在結合された3Dの独立した積層106を受けるように配置される。支持材料除去ステーション148は、支持材料105の融点よりも高いが造形材料104の融点よりも低い温度まで積層106の温度を上昇させるように(例えば、加熱空気、加熱水、加熱溶媒、赤外線熱などの形態の)熱156を印加する。これは、造形材料104に影響を及ぼすことなく、支持材料105を融解するのを可能とする。
【0035】
例えば、
図9に示される熱156は、(溶媒であってもよい)加熱液体、加熱ガス、赤外線加熱などとすることができる。同様に、上述したように、利用される熱156は、造形材料104及び支持材料105の化学的構成に依存する。
図10は、約半分の支持材料105が残っており且つ造形材料104の一部が支持材料105の残りの積層から突出している処理を示している。
図11は、支持材料除去ステーション148が全ての支持材料105を溶融させるのに十分な熱156を印加した後の処理を示しており、造形材料104のみを残し、造形材料104のみからなる完成した3D構造を残す。
【0036】
図12〜
図13は、
図1に示される転写定着ニップ130の代わりに平面転写定着ステーション138を含む、本願明細書における代替の3D静電印刷構造を示している。
図12に示されるように、平面転写定着ステーション138は、ローラー112間にあり且つプラテン118に平行なITB110の平面部分である。
図13に示されるように、この構造により、平面転写定着ステーション138に接触するようにプラテン118が移動すると、現像層102の全ては、プラテン118又は部分的に形成された積層106に同時に転写され、
図2及び
図3に示される回転転写定着処理を回避する。
【0037】
同様に、
図14に示されるように、ドラム158は、ITB110の代わりに使用されることができ、全ての他の要素は、本願明細書において記載されるように動作する。それゆえに、ドラム158は、上述したように、現像ステーション114、116からの材料を受ける中間転写面とすることができ、又は、感光体とすることができ、帯電潜像を維持して現像装置254から材料を受けることによって以下に記載される感光体256として動作することができる。
【0038】
図15は、本願明細書における3Dプリンタ構造204の多くの要素を示している。3D印刷装置204は、コントローラ/有形プロセッサ224と、有形プロセッサ224及び印刷装置204の外部のコンピュータ化ネットワークに動作可能に接続された通信ポート(入力/出力)214とを含む。また、印刷装置204は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)アセンブリ212などの少なくとも1つのアクセサリ機能要素を含む。ユーザは、グラフィカルユーザインターフェース又はコントロールパネル212から、メッセージ、命令及びメニューオプションを受信し、グラフィカルユーザインターフェース又はコントロールパネル212を介して命令を入力することができる。
【0039】
入力/出力装置214は、3D印刷装置204との間の通信に使用され、(現在知られているか又は将来開発されるかにかかわらず、任意の形態の)有線装置又は無線装置を備える。有形プロセッサ224は、印刷装置204の様々な動作を制御する。(光、磁気、コンデンサベースなどとすることができ、一時的信号とは異なる)持続性有形コンピュータ記憶媒体装置210は、有形プロセッサ224によって読み取り可能であり、コンピュータ化装置が本願明細書に記載されたものなどの様々な機能を実行するのを可能とするように有形プロセッサ224が実行する命令を記憶する。それゆえに、
図15に示されるように、本体ハウジングは、電源218によって交流(AC)電源220から供給される電力で動作する1つ以上の機能部品を有する。電源218は、一般的な電力変換ユニット、電力貯蔵素子(例えば、電池など)などを含むことができる。
【0040】
3D印刷装置204は、上述したようにプラテン上に造形及び支持材料の連続層を堆積させる少なくとも1つのマーキング装置(印刷エンジン)240を含み、専用画像プロセッサ224(すなわち、画像データの処理に特化されていることから汎用コンピュータとは異なる)に動作可能に接続されている。また、印刷装置204は、(電源218を介して)外部電源220から供給される電力において同様に動作する(スキャナ232などの)少なくとも1つのアクセサリ機能要素を含むことができる。
【0041】
1つ以上の印刷エンジン240は、現在知られているか又は将来開発されるかにかかわらず、造形及び支持材料(トナーなど)を塗布する任意のマーキング装置を示すように意図されており、例えば、(
図16に示されるような)中間転写ベルト110を使用する装置を含むことができる。
【0042】
それゆえに、
図16に示されるように、
図15に示される印刷エンジン240のそれぞれは、1つ以上の潜在的に異なる(例えば、異なる色、異なる材料など)造形材料現像ステーション116、1つ以上の潜在的に異なる(例えば、異なる色、異なる材料など)支持材料現像ステーション114などを利用することができる。現像ステーション114、116は、個々の静電マーキングステーション、個々のインクジェットステーション、個々のドライインクステーションなど、現在知られているか又は将来開発される任意の形態の現像ステーションとすることができる。現像ステーション114、116のそれぞれは、(中間転写ベルト110の状態とは潜在的に無関係に)単一ベルト回転の間に連続して中間転写ベルト110の同じ位置に材料のパターンを転写し、それにより、十分且つ完全な画像が中間転写ベルト110に転写される前に中間転写ベルト110が通過しなければならない回数を低減させる。
図16は、回転ベルト(110)に隣接又は接触する5つの現像ステーションを示しているが、当業者によって理解されるように、そのような装置は、任意数のマーキングステーション(例えば、2、3、5、8、11など)を使用することができる。
【0043】
中間転写ベルト110に隣接して(又は潜在的に接触して)配置された1つの例示的な個々の静電現像ステーション114、116が
図17に示されている。個々の静電現像ステーション114、116のそれぞれは、内部感光体256上に均一な電荷を形成する独自の帯電ステーション258と、帯電潜像に均一な電荷をパターン形成する内部露光装置260と、帯電潜像に適合するパターンで感光体256に造形又は支持材料を転写する内部現像装置254とを含む。そして、造形又は支持材料のパターンは、造形又は支持材料の電荷に対する中間転写ベルト110の逆電荷、すなわち中間転写ベルト110の反対側において電荷発生器128によって通常生成される電荷によって感光体256から中間転写ベルト110へと引き込まれる。
【0044】
図18は、本願明細書において実行される方法の処理を示すフローチャートである。より具体的には、そのような処理は、項目170において開始し、これらの方法は、造形材料及び支持材料現像ステーションを使用して造形及び支持材料を中間転写面に静電的に転写する。これらの処理は、造形材料及び支持材料の層を中間転写面に転写し、各層は、ITBの別個の領域上にあり、パターン化される。
【0045】
項目172において、現像層及び以前に転写された層は、必要に応じて、層の粘着性を促進するために加熱されることができる。そして、そのような方法は、項目174において、中間転写面に転写定着ステーションを通過させ、中間転写面上の層の1つにプラテンを接触させるように中間転写面に対してプラテンを移動させる。中間転写面は、プラテン上に造形材料及び支持材料の層の独立した積層を連続的に形成するように、項目174においてプラテンが転写定着ステーションにおいて中間転写面上の層に接触するたびに、造形材料及び支持材料の層をプラテンに転写する。任意の熱は、項目174において、中間転写面からプラテン上の層への層の転写を促進する。
【0046】
そのような方法は、必要に応じて、項目176において層を加熱して各層を一体に結合するように転写定着ステーションからヒータへとプラテンを移動させることができる。同様に、項目176において、これらの方法は、各層を一体に押圧するように加圧ローラーへとプラテンを移動させることができる。
【0047】
項目178は、これらの方法が硬化ステーションを使用して現像層の積層を硬化させることを示している。異なる構成において、これらの方法は、各層が転写定着ニップにおいてプラテンに転写された後に又は以前に確立された数の層が転写定着ニップにおいてプラテンに転写された後に、ヒータ又は加圧ローラー(176)を使用して層を結合し及び/又は硬化ステーション(178)を使用して層を硬化させる。したがって、現像層の群(潜在的に全て)は、同時に結合(176)及び/又は硬化(178)されることができるか、又は、そのような結合及び硬化は、層毎に実行されることができ、
図18に示される動作順序に厳密に従わない。
【0048】
項目180に示されるように、そのような方法はまた、支持材料を溶融するために支持材料の融点よりも高いが造形材料の融点よりも低い温度まで積層を加熱して造形材料のみから構成された3D構造を残すように配置された支持材料除去ステーションへとプラテンを移動させることもできる。
【0049】
図19は、どのように現像層102が造形材料104の一部及び支持材料105の一部を含むのか、どのように最下位の現像層102がプラテン118に接合されるのか、どのようにプラテン118上に現像層102の積層106を形成するために各連続現像層102が下方にある直前の隣接する現像層102に接触して接合されるのかを示す拡大図である。上述したように、(識別番号102を使用して、
図19において(縮尺どおりに描かれていない)粒子として示される)現像層102内の造形材料104及び支持材料105の粒子は、粘着性の上部現像層102に接合する粉末の粘着性粒子である。
【0050】
いくつかの例示的な構造が添付図面に示されているが、当業者は、図面は簡略化された概略図であり、以下に提示される特許請求の範囲は図示されていない(又は潜在的に多くはない)がそのような装置及びシステムとともに一般的に利用されるより多くの特徴を包含することを理解するであろう。したがって、特許出願人は、以下に提示される特許請求の範囲が添付図面によって限定されることを意図しておらず、代わりに、添付図面は、特許請求された特徴が実施されることができるいくつかの方法を例示するために提供されるにすぎない。
【0051】
米国特許第8,488,994号明細書に示されるように、電子写真法を使用した3D部品を印刷するための積層造形システムが知られている。このシステムは、表面を有する感光体要素と、感光体要素の表面上に材料の層を現像するように構成された現像ステーションとを含む。このシステムはまた、回転可能な感光体要素の表面から現像層を受けるように構成された転写媒体と、受けた層の少なくとも一部から3D部品を印刷するために層毎に転写要素から現像層を受けるように構成されるプラテンとを含む。
【0052】
米国特許第7,250,238号明細書に開示されるようなUV硬化性トナーに関して、印刷プロセスにおいてUV硬化性トナー組成物を利用する方法と同様にUV硬化性トナー組成物を提供することが知られている。米国特許第7,250,238号明細書は、実施形態において約100nmから約400nmのUV光などのUV放射線にさらすことによって硬化可能なトナーの生成を可能とする様々なトナーエマルジョン凝集プロセスを開示している。米国特許第7,250,238号明細書において、生成されたトナー組成物は、温度感受性包装及びホイルシールの製造などの様々な印刷用途において利用されることができる。米国特許第7,250,238号明細書において、実施形態は、任意の着色剤、任意のワックス、スチレンから生成されるポリマー、並びに、ブチルアクリレート、カルボキシエチルアクリレート及びUV光硬化性アクリレートオリゴマーからなる群から選択されるアクリレートを含むUV硬化性トナー組成物に関する。さらに、これらの態様は、顔料、任意のワックス、及びUV硬化性脂環式エポキシドから生成されたポリマーなどの着色剤からなるトナー組成物に関する。
【0053】
さらに、米国特許第7,250,238号明細書は、スチレン、ブチルアクリレート、カルボキシエチルアクリレート、及びUV硬化アクリレートから形成されるポリマーを含有するラテックスを着色剤及びワックスと混合することと、必要に応じて第2の混合物に分散されたトナー前駆体粒子の凝集及び形成を引き起こすようにこの混合物に凝集剤を添加することと、トナー粒子を形成するためにポリマーのガラス転移温度(Tg)以上の温度までトナー前駆体粒子を加熱することと、必要に応じてトナー粒子を洗浄することと、必要に応じてトナー粒子を乾燥させることとを含むUV硬化性トナー組成物を形成する方法を開示している。さらなる態様は、この方法によって製造されたトナー粒子に関する。
【0054】
いくつかの例示的な構造が添付図面に示されているが、当業者は、図面は簡略化された概略図であり、以下に提示される特許請求の範囲は図示されていない(又は潜在的に多くはない)がそのような装置及びシステムとともに一般的に利用されるより多くの特徴を包含することを理解するであろう。したがって、特許出願人は、以下に提示される特許請求の範囲が添付図面によって限定されることを意図しておらず、代わりに、添付図面は、特許請求された特徴が実施されることができるいくつかの方法を例示するために提供されるにすぎない。
【0055】
多くのコンピュータ化された装置が上述されている。チップベースの中央処理装置(CPU)と、(グラフィックユーザインターフェース(GUI)、メモリ、コンパレータ、有形プロセッサなどを含む)入力/出力装置とを含むコンピュータ化装置は、米国テキサス州ラウンドロックのデルコンピュータ及び米国カリフォルニア州クパチーノのアップルコンピュータ社などの製造業者によって製造された周知且つ容易に入手可能な装置である。そのようなコンピュータ化装置は、一般に、入力/出力装置、電源、有形プロセッサ、電子記憶メモリ、配線などを含み、読者が本願明細書に記載されるシステム及び方法の顕著な態様にフォーカスするのを可能とするように、その詳細は本願明細書から省略されている。同様に、プリンタ、複写機、スキャナ及び他の類似の周辺機器は、米国コネチカット州ノーウォークのゼロックス社から入手可能であり、そのような装置の詳細は、簡潔性及び読者のフォーカスの目的のために本願明細書においては記載されない。
【0056】
本願明細書において使用されるプリンタ又は印刷装置という用語は、任意の目的のために印刷出力機能を実行するディジタル複写機、製本機、ファクシミリ装置、複合機などの任意の装置を包含する。プリンタや印刷エンジンなどの詳細は周知であり、提示された顕著な特徴にフォーカスされた本開示を維持するために本願明細書においては詳細に記載されない。本願明細書におけるシステム及び方法は、カラー、モノクロで印刷する又はカラー若しくはモノクロ画像データを処理するシステム及び方法を包含することができる。全ての上述したシステム及び方法は、静電及び/又は電子写真装置及び/又はプロセスに特に適用可能である。
【0057】
本発明の目的のために、定着という用語は、乾燥、硬化、重合、架橋、結合、又は付加反応若しくはコーティングの他の反応を意味する。さらに、本願明細書において使用される「右(right)」、「左(left)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「下方(under)」、「下(below)」、「下層(underlying)」、「上(over)」、「上層(overlying)」、「平行(parallel)」、「垂直(perpendicular)」などの用語は、(特に断らない限り)それらが図面において配向及び図示されるように相対的位置であると理解される。「接触(touching)」、「上(on)」、「直接接触(in direct contact)」、「当接(abutting)」、「直接隣接(directly adjacent to)」などの用語は、少なくとも1つの要素が(記載された要素を分離する他の要素なしで)他の要素に物理的に接触することを意味する。さらに、自動化又は自動的にという用語は、(機械又はユーザによって)処理が開始されると、1つ以上の機械がユーザからのさらなる入力なしで処理を行うことを意味する。本願明細書における図面において、同一の識別符号は、同一又は類似の項目を識別する。
【0058】
上記開示された及び他の特徴及び機能又はその代替例は、多くの他の異なるシステム又は用途に望ましくは組み合わせることができることが理解されるであろう。様々な現在予見できない又は予測されない代替例、変更例、変形例又は改良は、当業者によって後に行われることができ、以下の特許請求の範囲に包含されるようにも意図される。特定の請求項自体に具体的に定義されない限り、本願明細書におけるシステム及び方法のステップ又は構成要素は、任意の特定の順序、数、位置、大きさ、形状、角度、色又は材料に対する限定として任意の上記例から暗示又は取り込まれることはできない。