(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
帯状の容器フィルムに対し、当該容器フィルムに形成されたポケット部を塞ぐようにして帯状のカバーフィルムを取着することで帯状のブリスタフィルムとし、当該ブリスタフィルムをシート単位に打ち抜くことによりブリスタシートを製造するブリスタ包装機であって、
前記容器フィルムの搬送経路に設けられ、所定の粘着テープにより、搬送中の前記容器フィルムの終端部、及び、次に搬送される前記容器フィルムの始端部を接続するフィルム継ぎ手段と、
前記フィルム継ぎ手段よりも下流に設けられ、前記ブリスタフィルムをシート単位に打抜く打抜手段と、
所定の裁断刃を有するとともに、前記打抜手段よりも下流に設けられ、前記裁断刃の動作により、前記打抜手段を経た後の前記ブリスタフィルムであるスクラップ部を裁断する裁断手段と、
前記裁断手段へと前記スクラップ部を搬送するスクラップ部搬送手段と、
前記容器フィルムの長手方向に沿った前記粘着テープの位置を検出するテープ位置検出手段とを備え、
前記裁断刃及び前記スクラップ部搬送手段は、互いに独立して動作可能に構成されており、
前記裁断刃の動作を制御することで、前記裁断刃による、前記スクラップ部の長手方向に沿った前記スクラップ部の裁断位置を調節可能な裁断制御手段を有し、
前記裁断制御手段は、前記テープ位置検出手段による検出結果に基づき、前記スクラップ部の裁断位置が、前記粘着テープを避けた位置となるように、前記裁断刃の動作を制御することを特徴とするブリスタ包装機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、装置の小型化などの面を考慮して、裁断手段における前記裁断刃とスクラップ部搬送手段とを、共通の1の駆動源(モータ)によって動作するように構成することが考えらえる。しかしながら、この場合には、必然的に、裁断刃がスクラップ部搬送手段に連動して動作することになる。そのため、以下に挙げるような不具合が生じてしまうおそれがある。
【0009】
すなわち、裁断刃によって、スクラップ部における容器フィルム同士の接続部位、すなわち、スクラップ部における粘着テープの貼付された部位が切断されるといったことが起こり得る。裁断刃により粘着テープが切断されてしまうと、裁断刃に接着剤等の粘着物が付着してしまうおそれがある。そして、粘着物が裁断刃に付着した状態のままで裁断処理を続けてしまうと、結果的に、裁断刃の寿命が短くなってしまう可能性がある。一方、裁断刃の寿命低下を防止すべく、裁断刃から粘着物を定期的に除去することが考えられるが、この場合には、メンテナンスに手間がかかり、ひいては生産性の低下を招いてしまうおそれがある。
【0010】
また、スクラップ部搬送手段によってスクラップ部が一定の短距離だけ搬送される度に裁断処理が行われてしまい、結果的に、スクラップ部の裁断処理が必要以上に頻繁に行われてしまうおそれがある。裁断処理が頻繁に行われてしまうと、裁断刃の摩耗が進みやすくなってしまい、裁断刃の寿命が短くなってしまう。その結果、裁断刃を比較的短期間で交換する必要が生じ、メンテナンスに係るコストの増大を招いてしまうおそれがある。
【0011】
さらに、サンプルフィルムの作製が難しくなるおそれがある。具体的に説明すると、ブリスタシートの生産者は、ポケット部が適切に成形されているか、容器フィルムに対しカバーフィルムが適切に取着されているかなどを確認すべく、ブリスタシートの生産前などに、ブリスタ包装機によって、内容物が充填されておらず、かつ、打抜や裁断がなされていないブリスタフィルムであるサンプルフィルムを作製することがある。サンプルフィルムの作製にあたり、スクラップ部搬送手段によってサンプルフィルムが裁断手段側へと送られるように設定してしまうと、裁断刃がスクラップ部搬送手段と連動して動作するため、裁断刃によってサンプルフィルムが切断されてしまい、適当なサンプルフィルムを得ることができない。そこで、サンプルフィルムの作製時には、サンプルフィルムの搬送経路を通常のブリスタフィルムの搬送経路から変更し、裁断手段側へとサンプルフィルムが送られないようにした上で、スクラップ部搬送手段に代えて、人手によりサンプルフィルムを引っ張って搬送するといった手法が採られ得る。しかし、人手によってサンプルフィルムを適切に搬送することは困難であり、サンプルフィルムの作製に慣れない作業者にとっては、取扱いが難しく、適当なサンプルフィルムを容易に作製することはできない。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記各種不具合の解消を図ることができるブリスタ包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0014】
手段1.帯状の容器フィルムに対し、当該容器フィルムに形成されたポケット部を塞ぐようにして帯状のカバーフィルムを取着することで帯状のブリスタフィルムとし、当該ブリスタフィルムをシート単位に打ち抜くことによりブリスタシートを製造するブリスタ包装機であって、
前記容器フィルムの搬送経路に設けられ、所定の粘着テープにより、搬送中の前記容器フィルムの終端部、及び、次に搬送される前記容器フィルムの始端部を接続するフィルム継ぎ手段と、
前記フィルム継ぎ手段よりも下流に設けられ、前記ブリスタフィルムをシート単位に打抜く打抜手段と、
所定の裁断刃を有するとともに、前記打抜手段よりも下流に設けられ、前記裁断刃の動作により、前記打抜手段を経た後の前記ブリスタフィルムであるスクラップ部を裁断する裁断手段と、
前記裁断手段へと前記スクラップ部を搬送するスクラップ部搬送手段と、
前記容器フィルムの長手方向に沿った前記粘着テープの位置を検出するテープ位置検出手段とを備え、
前記裁断刃及び前記スクラップ部搬送手段は、互いに独立して動作可能に構成されており、
前記裁断刃の動作を制御することで、前記裁断刃による、前記スクラップ部の長手方向に沿った前記スクラップ部の裁断位置を調節可能な裁断制御手段を有し、
前記裁断制御手段は、前記テープ位置検出手段による検出結果に基づき、前記スクラップ部の裁断位置が、前記粘着テープを避けた位置となるように、前記裁断刃の動作を制御することを特徴とするブリスタ包装機。
【0015】
尚、「スクラップ部」とあるのは、打抜手段による打抜処理が行われた上で、裁断手段へと搬送されるもののみならず、打抜処理が行われずに、そのまま裁断手段へと搬送されるものも含む(以下、同様)。後者のスクラップ部には、ポケット部が残存した状態となる。
【0016】
上記手段1によれば、裁断制御手段によって、裁断刃の動作が制御されることから、スクラップ部における粘着テープが貼付された部位以外の部位を裁断することができる。従って、裁断刃に対し、粘着テープの粘着物が付着してしまうことをより確実に防止できる。これにより、裁断刃から粘着物を定期的に除去する必要がなくなり、メンテナンスに係る手間を軽減することができる。その結果、生産性の向上を図ることができる。また、粘着物の影響による裁断刃の寿命低下を防止することができ、裁断刃の寿命をより延ばすことが可能となる。これにより、メンテナンスに係るコストの低減を図ることができる。
【0017】
手段2.前記打抜手段は、前記ブリスタフィルムのうち前記ブリスタシートに対応する部位であるシート対応部を打抜くように構成され、
前記ブリスタフィルムの搬送方向に沿って隣り合う前記シート対応部のそれぞれの中心間の距離を1シート分長さとしたとき、
前記裁断制御手段は、前記1シート分長さを最小単位として、前記スクラップ部の裁断位置の間隔を調節可能に構成され
、
裁断位置が前記粘着テープに対応する位置となる場合、裁断処理を行わないことにより、前記スクラップ部の裁断位置が、前記粘着テープを避けた位置となるように、前記裁断刃の動作を制御することを特徴とする手段1に記載のブリスタ包装機。
【0018】
上記手段2によれば、1シート分長さを最小単位として、スクラップ部の裁断位置の間隔を調節することができる。例えば、裁断位置の間隔を2シート分長さや3シート分長さとすることで、スクラップ部が2シート分長さや3シート分長さだけ搬送される度に、裁断処理を行うといったことができる。従って、裁断処理が必要以上に頻繁に行われてしまうことをより確実に防止でき、裁断刃の摩耗抑制を図ることができる。その結果、裁断刃の寿命をより延ばすことができ、メンテナンスに係るコストをより低減させることができる。
【0019】
ところで、ブリスタフィルムに何らかの異常がある場合などには、打抜手段による打抜処理が行われず、スクラップ部にポケット部が残存するといったことがある。ここで、スクラップ部におけるポケット部の存在位置を裁断位置としてしまうと、ポケット部に裁断刃が噛み込んでスクラップ部の裁断に支障が生じてしまったり、裁断刃に損傷が生じやすくなり、裁断刃の寿命低下を招いてしまったりするおそれがある。
【0020】
この点、上記手段2によれば、裁断位置がスクラップ部におけるポケット部を避けた位置となるように初期の設定を行えば、その後、裁断位置の間隔を調節したとしても、スクラップ部におけるポケット部を避けた位置を裁断位置とすることができる。従って、裁断時には、スクラップ部におけるポケット部以外の部位を確実に裁断することができる。これにより、裁断処理をより確実に行うことができ、装置の安定的な動作を図ることができる。また、裁断刃の摩耗抑制をより確実に図ることができ、裁断刃の更なる長寿命化を図ることができる。その結果、メンテナンスに係るコストを一層低減させることができる。
【0021】
手段3.前記打抜手段の動作を制御可能な打抜制御手段と、
情報を入力するための入力手段とを有し、
少なくとも前記ブリスタシートを製造するための通常モード、及び、前記ブリスタフィルムのサンプルフィルムを作製するためのサンプル作製モードのうちいずれかのモードで動作可能であり、
前記入力手段に対し前記サンプル作製モードで動作する旨の情報が入力された場合、前記打抜制御手段により前記打抜手段の動作が停止されるとともに、前記裁断制御手段により前記裁断刃の動作が停止され、前記スクラップ部搬送手段によって、前記裁断手段の下流に対し、打抜及び裁断の行われていない前記スクラップ部が前記サンプルフィルムとして送られるように構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のブリスタ包装機。
【0022】
上記手段3によれば、入力手段に対しサンプル作製モードで動作する旨の情報が入力されることで、打抜手段及び裁断手段の動作がそれぞれ停止される。そして、スクラップ部搬送手段によって、裁断手段の下流へと打抜及び裁断の行われていないサンプルフィルムが搬送される。そのため、裁断手段へとサンプルフィルムが送られないように、サンプルフィルムの搬送経路を変更した上で、人手によりサンプルフィルムを引っ張って搬送するといった手法を採用せずとも、適当なサンプルフィルムを自動的に得ることができる。従って、サンプルフィルムの作製に慣れていない作業者であっても、取扱いが容易となり、適当なサンプルフィルムを容易に作製することができる。これにより、利便性や生産性の向上を図ることができる。また、作業者にとっての安全性を高めることも可能となる。
【0023】
手段4.前記打抜手段の動作を制御可能な打抜制御手段を有し、
前記テープ位置検出手段は、前記打抜手段よりも上流側に設けられ、
前記打抜制御手段は、前記テープ位置検出手段による検出結果に基づき、前記ブリスタフィルムにおける前記粘着テープの被貼付部位を打抜かないように前記打抜手段を制御することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のブリスタ包装機。
【0024】
尚、上記手段3及び上記手段4における打抜制御手段はそれぞれ同じものを意味し、上記手段3に従属する上記手段4において、打抜制御手段が複数存在することを意図するものではない。
【0025】
上記手段4によれば、ブリスタフィルムにおける粘着テープの被貼付部位が打抜かれないように打抜手段が制御される。従って、打抜手段(例えば、打抜用の刃)に対し、接着剤等の粘着物が付着してしまうことを防止できる。これにより、打抜手段のメンテナンスに係る手間やコストを軽減することができ、生産性の向上を一層図ることができる。
【0026】
また、テープ位置検出手段を、裁断手段の制御と打抜手段の制御とで共通に利用することができる。従って、装置の簡素化を図ることができ、装置の製造等に係るコストを低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、ブリスタシートとしてのPTPシート1の構成について説明する。
【0033】
図1及び
図2に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には、錠剤5が1つずつ収容されている。
【0034】
容器フィルム3は、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の熱可塑性樹脂材料やアルミ箔等によって形成されている。本実施形態において、容器フィルム3は、透明又は半透明とされている。一方、カバーフィルム4は、例えばポリプロピレン樹脂等からなるシーラントが表面に塗布された不透明材料(例えば、アルミニウム箔等)により構成されている。
【0035】
PTPシート1は、帯状の容器フィルム3に対し帯状のカバーフィルム4が取着されてなる帯状のPTPフィルム6(
図3参照)がシート状に打抜かれることにより製造される。詳述すると、
図4に示すように、PTPフィルム6のうちPTPシート1に対応する部位であるシート対応部7が打抜かれる。本実施形態では、PTPフィルム6がブリスタフィルムに相当する。
【0036】
以下においては、PTPフィルム6の長手方向に沿って隣り合うシート対応部7のそれぞれの中心CP間の距離を1シート分長さLという。本実施形態において、1シート分長さLは、PTPシート1の幅W(
図1参照)と同一となっている。また、PTPシート1の製造時に、PTPフィルム6は、その長手方向に沿って搬送されるため、PTPフィルム6の長手方向は、PTPフィルム6の搬送方向と同義であるといえる。
【0037】
次に、PTPシート1を製造するためのブリスタ包装機としてのPTP包装機10の概略構成について説明する。
【0038】
図5に示すように、PTP包装機10は、搬送される容器フィルム3やPTPフィルム6等に対し各種加工や処理を行うための各種装置と、これら装置を制御するための制御装置81とを備えている。
【0039】
まず、PTP包装機10における容器フィルム3の搬送経路における最上流側には、容器フィルム3を下流側の各装置に対し連続的に供給するためのフィルム供給装置51が設けられている。詳しくは後述するが、フィルム供給装置51では、不透明(例えば、黒色)の粘着テープ65a(
図7参照)を用いて容器フィルム3が接続され、この粘着テープ65aにより接続された容器フィルム3がフィルム供給装置51から下流の装置へと供給される。フィルム供給装置51の構成については後に説明する。
【0040】
フィルム供給装置51から供給された容器フィルム3は、ガイドロール11に案内されている。容器フィルム3は、ガイドロール11の下流側において間欠送りロール12に掛装されている。間欠送りロール12は、間欠的に回転するモータに連結されており、容器フィルム3を間欠的に搬送する。
【0041】
また、ガイドロール11に対応して、ガイドロール11の回転角度を検知するためのエンコーダ13が設けられている。当該エンコーダ13は、ガイドロール11の回転角度に関する情報を制御装置81へと出力可能に構成されている。
【0042】
ガイドロール11と間欠送りロール12との間には、テープ検出センサ14が設けられている。テープ検出センサ14は、容器フィルム3に取着された粘着テープ65aを検出するためのものである。
【0043】
テープ検出センサ14は、例えば、容器フィルム3を間に置く状態で配置された投光器及び受光器を備えてなる透過型の光電センサにより構成されている。前記投光器は、容器フィルム3側へと光を照射し、前記受光器は、容器フィルム3を透過した前記投光器からの光を受ける。テープ検出センサ14は、受光器での受光態様に変化が生じた場合に、粘着テープ65aを検出した旨の情報を制御装置81へと出力する。
【0044】
さらに、テープ検出センサ14の下流であって、ガイドロール11と間欠送りロール12との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、ポケット部成形手段としての加熱装置15及びポケット部成形装置16が順に配設されている。ポケット部成形装置16は、ポケット部2の形状とおよそ相似的で小さいプラグ(図示略)を有した上型と、ポケット部2の形状に対応した成形凹部を有した下型とを備えている。
【0045】
ポケット部2を成形する際には、まず、容器フィルム3が加熱装置15により加熱され比較的柔軟になった状態において、前記上型及び前記下型が互いに接近する方向へ相対移動する。続いて、前記上型から前記プラグが突出し、容器フィルム3に対し、ポケット部2の大まかな形状を形成する。最後に上型から容器フィルム3へとガスを吹き付け、容器フィルム3を下型の前記成形凹部に押し付けることで、容器フィルム3の所定位置に、ポケット部2が成形される。ポケット部2の成形は、間欠送りロール12による容器フィルム3の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0046】
また、ポケット部成形装置16の動作は、制御装置81によって制御されるようになっている。制御装置81から所定の通常動作信号を入力されたポケット部成形装置16は、通常深さのポケット部2を成形するように動作する。一方、制御装置81から所定の特殊動作信号を入力されたポケット部成形装置16は、前記プラグの突出量やガスの吹き付けを調節し、通常深さよりも浅いポケット部2を成形するように動作する。
【0047】
間欠送りロール12から送り出された容器フィルム3は、テンションロール18、ガイドロール19及びフィルム受けロール20の順に掛装されている。フィルム受けロール20は、一定回転するモータに連結されているため、容器フィルム3を連続的に且つ一定速度で搬送する。テンションロール18は、容器フィルム3を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール12とフィルム受けロール20との搬送動作の相違による容器フィルム3の弛みを防止して容器フィルム3を常時緊張状態に保持する。
【0048】
ガイドロール19とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、錠剤充填装置21が配設されている。錠剤充填装置21は、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する充填手段としての機能を有する。錠剤充填装置21は、所定のシャッタを開くことで錠剤5を落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部2に錠剤5が充填される。
【0049】
また、錠剤充填装置21の動作は、制御装置81によって制御されるようになっている。制御装置81から所定のシャッタ開放信号が入力された錠剤充填装置21は、シャッタを開放し、ポケット部2へと錠剤5を充填する。一方、制御装置81から所定のシャッタ閉鎖信号が入力された錠剤充填装置21は、シャッタを閉鎖した状態で維持する。これにより、ポケット部2に対し錠剤5が充填されないことになる。このように錠剤充填装置21は、ポケット部2に対し錠剤5を選択的に充填可能となっている。
【0050】
錠剤充填装置21とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、第一検査装置22が配設されている。第一検査装置22は、例えば錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、錠剤5の異常の有無、ポケット部2への異物混入の有無など、主として錠剤5の良否に関する検査を行うためのものである。
【0051】
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4の原反は、最上流側においてロール状に巻回されている。
【0052】
ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、ガイドロール24によって加熱ロール25の方へと案内されている。加熱ロール25は、前記フィルム受けロール20に圧接可能となっており、両ロール20,25間に容器フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、容器フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール20,25間を加熱圧接状態で通過することにより、容器フィルム3にカバーフィルム4が貼着され、ポケット部2がカバーフィルム4で塞がれる。これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造される。
【0053】
フィルム受けロール20から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール27及び間欠送りロール28の順に掛装されている。
【0054】
間欠送りロール28は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール27は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記フィルム受けロール20と間欠送りロール28との搬送動作の相違によるPTPフィルム6の弛みを防止してPTPフィルム6を常時緊張状態に保持する。
【0055】
フィルム受けロール20とテンションロール27との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、第二検査装置29が配設されている。第二検査装置29は、主としてカバーフィルム4における亀裂や破断等の破損についての検査を行うものである。
【0056】
間欠送りロール28から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール31及び間欠送りロール32の順に掛装されている。
【0057】
間欠送りロール32は、間欠的に回転するモータ32Aに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。本実施形態において、モータ32Aは、制御装置81によって制御されており、モータ32Aの1動作により間欠送りロール32が1回動作することで、PTPフィルム6が前記1シート分長さLだけ搬送される。テンションロール31は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール28,32間でのPTPフィルム6の弛みを防止する。
【0058】
間欠送りロール28とテンションロール31との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、スリット・刻印装置33が配設されている。スリット・刻印装置33は、PTPフィルム6の所定位置に切離用のスリットを形成する機能、及び、PTPフィルム6の所定位置(例えばタグ部)に刻印を付す機能を有する。
【0059】
間欠送りロール32から送り出されたPTPフィルム6は、打抜手段としての打抜装置37に案内される。打抜装置37に対しては、間欠送りロール32が1回動作する度に、1シート分長さLのPTPフィルム6が搬送される。
【0060】
打抜装置37は、PTPフィルム6におけるシート対応部7を打抜くことで、PTPシート1を得るためのものである。本実施形態において、打抜装置37は、上下方向に往復移動可能な打抜パンチ37Aを備えており、当該打抜パンチ37Aの下部には、シート対応部7を打抜くための打抜刃37Bが設けられている。本実施形態では、打抜パンチ37Aにおける1回の往復動作、つまり、1回の打抜動作により、PTPフィルム6から1枚のPTPシート1が打抜かれるようになっている。
【0061】
また、打抜装置37の動作は、制御装置81によって制御されるようになっている。制御装置81から所定の打抜実行信号が入力された打抜装置37は、打抜パンチ37Aを上下動させ、PTPフィルム6からシート対応部7を打抜く。一方、制御装置81から所定の打抜不実行信号を入力された打抜装置37は、打抜パンチ37Aを静止状態で維持する。これにより、PTPフィルム6が打抜かれないことになる。このように打抜装置37は、PTPフィルム6を打抜くか否かを切換可能になっている。
【0062】
打抜装置37によって打抜かれたPTPシート1は、取出しコンベア39によって搬送され、完成品用ホッパ40に一旦貯留される。尚、上記各検査装置22,29によって不良品と判定されたPTPシート1は、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0063】
一方、PTPフィルム6のうち打抜装置37を経た後の帯状をなすスクラップ部8は、打抜装置37の下流側において、ガイドロール35及びスクラップ部搬送手段としての間欠送りロール36の順に掛装されている。スクラップ部8は、基本的にはPTPフィルム6のうち打抜装置37による打抜き後に帯状に残った部分であり、通常、シート対応部7を備えていないものである。但し、打抜処理が行われない場合、スクラップ部8は、シート対応部7を備えている。つまり、スクラップ部8は、ポケット部2を備えていることがある。
【0064】
間欠送りロール36は、間欠的に回転するモータ36Aに連結されており、スクラップ部8を間欠的に搬送する。間欠送りロール36には従動ロールが圧接されており、スクラップ部8を挟持しながら搬送動作を行う。また、本実施形態において、モータ36Aは、制御装置81によって制御されており、モータ36Aの1動作により間欠送りロール36が1回動作することで、スクラップ部8が前記1シート分長さLだけ搬送される。尚、間欠送りロール36によるスクラップ部8の送り動作と、間欠送りロール32によるPTPフィルム6の送り動作とは、同期するように構成されている。
【0065】
間欠送りロール36から送り出されたスクラップ部8は、裁断手段としての裁断装置41に案内される。裁断装置41は、スクラップ部8を所定寸法に裁断しスクラップ処理する機能を有する。
【0066】
裁断装置41は、スクラップ部8を挟むようにして配置された裁断刃41A,41Bを備えている。裁断刃41Aは、固定刃であり、裁断刃41Bは、裁断刃41Aに対し接近及び離間する方向に往復移動可能な可動刃である。そして、スクラップ部8が一時停止した状態において、裁断刃41Aに対し裁断刃41Bが接近することにより、スクラップ部8が裁断される。裁断されたスクラップ部8は、スクラップ用ホッパ43に貯留された後、別途廃棄処理される。
【0067】
尚、本実施形態では、スクラップ部8の搬送方向に沿った裁断装置41の位置が調節されることで、裁断装置41は、シート対応部7の中心CPを通る裁断予定位置CT(
図4参照)にてスクラップ部8を裁断するように初期設定されている。裁断予定位置CTにて裁断を行うことで、仮にスクラップ部8にポケット部2が残存していたとしても、ポケット部2を避けた位置にてスクラップ部8の裁断を行うことができる。
【0068】
また、裁断刃41Bは、所定のサーボモータ41Cによって駆動する。サーボモータ41Cは、モータ36Aとは別に独立して設けられている。従って、サーボモータ41C及びモータ36Aを個別に動作させることができ、ひいては間欠送りロール36と裁断装置41とを互いに独立して動作させることができるようになっている。そのため、モータ36Aを駆動させてスクラップ部8を搬送する一方、サーボモータ41Cを動作させず、スクラップ部8の裁断を行わないといったことが可能である。例えば、打抜装置37や裁断装置41へとPTPフィルム6やスクラップ部8が複数回間欠搬送される度に、スクラップ部8の裁断を1回のみ行うといったことが可能である。
【0069】
さらに、裁断装置41(特にサーボモータ41C)の動作は、制御装置81によって制御されるようになっている。制御装置81から所定の裁断実行信号が入力されたサーボモータ41Cは、所定動作を行うことで裁断刃41Bを移動させ、スクラップ部8の裁断処理を行う。一方、制御装置81から所定の裁断不実行信号を入力されたサーボモータ41Cは、静止状態で維持されるため、裁断処理は実行されない。
【0070】
尚、上記各ロール12,19,20,28,31,32などは、そのロール表面とポケット部2とが対向する位置関係となっているが、各ロール12等の表面には、ポケット部2が収容される凹部が形成されているため、ポケット部2が潰れてしまうことがない。また、ポケット部2が各ロール12等の凹部に収容されながら送り動作が行われることで、間欠送り動作や連続送り動作が確実に行われる。
【0071】
次いで、フィルム供給装置51について説明する。フィルム供給装置51は、
図6に示すように、ロールセット部52,53と、フィルム継ぎ手段としてのフィルム自動継ぎ装置61と、繰出ロール54と、収納ボックス55とを備えている。
【0072】
ロールセット部52,53は、帯状の容器フィルム3がロール状に巻回されてなる容器フィルム原反9がセットされる部位であり、例えば、容器フィルム原反9を回転可能な状態で支持するための軸部などを備えている。尚、本実施形態においては、2つのロールセット部52,53を備えることとしているが、3つ以上のロールセット部を備えることとしてもよい。
【0073】
フィルム自動継ぎ装置61は、一方のロールセット部52(53)にセットされ容器フィルム原反9の容器フィルム3が消費されたときに、当該容器フィルム3の終端部と、他方のロールセット部53(52)にセットされた容器フィルム原反9の容器フィルム3の始端部とを接続する。フィルム自動継ぎ装置61については後に説明する。
【0074】
繰出ロール54は、フィルム自動継ぎ装置61の下流側において、押圧ロール56との間で容器フィルム3を挟み込むように配置されている。そして、図示しない繰出モータの駆動により繰出ロール54が回転することで、容器フィルム原反9から容器フィルム3が繰出される。尚、繰出ロール54の下流側においては、容器フィルム3が弛むように構成されている。
【0075】
また、繰出ロール54の回転量や回転速度は、制御装置81によって制御される。本実施形態では、後述する消費検出機構66により供給中の容器フィルム3の終端が検知されると、制御装置81によって繰出ロール54が制御され、所定位置まで移送した段階で、供給中の容器フィルム3が停止される。
【0076】
収納ボックス55は、繰出ロール54の下流に配置されており、容器フィルム3の弛み部分を収容する。容器フィルム3を弛ませておくことで、フィルム自動継ぎ装置61により容器フィルム3の接続を行っているときであっても、下流側へと容器フィルム3を連続的に供給することが可能となっている。
【0077】
次いで、フィルム自動継ぎ装置61について説明する。フィルム自動継ぎ装置61は、
図7に示すように、保持機構62と、カッタ機構63と、突合せ機構64と、テープ貼着機構65と、消費検出機構66とを備えている。
【0078】
保持機構62は、一方のロールセット部52(53)から供給されている最中の容器フィルム3の終端側部分を保持する第一保持部62aと、他方のロールセット部53(52)にセットされた、次に使用される容器フィルム原反9における容器フィルム3の始端側部分を保持する第二保持部62bとを備えている。本実施形態において、両保持部62a,bは、それぞれ容器フィルム3を吸着保持するように構成されている。但し、その他の手法により容器フィルム3を保持するものであってもよい。例えば、容器フィルム3を挟持することで容器フィルム3を保持するように構成してもよい。
【0079】
第一保持部62aは、制御装置81により前記繰出ロール54が制御され、容器フィルム3が停止されたときに吸着動作を実行することで、容器フィルム3の終端側部分を吸着保持する。本実施形態において、容器フィルム3は、その終端が第一保持部62aよりも上流側に僅かに突出した状態で第一保持部62aにより保持される。
【0080】
第二保持部62bは、次に使用される容器フィルム3の始端が自身よりも下流側に僅かに突出した状態で、当該容器フィルム3を吸着保持する。次に使用される容器フィルム3の始端は、供給中の容器フィルム3が移送されているときに予め繰出される。
【0081】
カッタ機構63は、回転可能に支持されたロータリーカッタ63a,63bを備えており、容器フィルム3の幅方向に沿って移動可能とされている。カッタ機構63は、両保持部62a,62bにより両容器フィルム3が保持された状態で、容器フィルム3の幅方向に沿って移動することにより、両容器フィルム3のそれぞれの端部を切断する。その結果、供給中の容器フィルム3の終端縁と、次に使用される容器フィルム3の始端縁とが平行な状態とされる。
【0082】
突合せ機構64は、第一保持部62a及び第二保持部62bを容器フィルム3の移送方向に沿って接離移動させるものである。本実施形態において、突合せ機構64は、第一保持部62aに固定されたラック64aと、第二保持部62bに固定されたラック64bと、両ラック64a,64bの間に配置され、両者に噛合されたピニオン64cとを備えている。ピニオン64cの回転に伴い、両保持部62a,62bを接離移動させることが可能である。そして、カッタ機構63による両容器フィルム3の切断後に、これら容器フィルム3を保持する両保持部62a,62bを接近移動させることで、両容器フィルム3の端部を平行な状態で突き合せることができるようになっている。尚、突合せ機構は、両保持部62a,62bを接離移動可能とするものであればよく、突合せ機構の構成は適宜変更可能である。
【0083】
テープ貼着機構65は、容器フィルム3を接続するための粘着テープ65aと、当該粘着テープ65aを引き出すためのチャック65bと、粘着テープ65aを切断するためのカッタ65cとを備えている。テープ貼着機構65は、両保持部62a,62bを接近させ、両容器フィルム3の端部同士を突き合わせた状態で、供給中の容器フィルム3の終端部と次に使用される容器フィルム3の始端部とに跨って粘着テープ65aを貼付ける。これにより、両容器フィルム3の端部同士が接続される。また、両容器フィルム3の接続後、カッタ65cによって粘着テープ65aが所定位置にて切断される。
【0084】
消費検出機構66は、所定の物体検出用のセンサ(図示せず)を備えており、供給中の容器フィルム3における終端を検知する機能を有する。
【0085】
次いで、制御装置81について説明する。制御装置81は、上記の通り、PTP包装機10を構成する各種装置の動作を制御するものであり、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM、演算データ等を長期記憶するハードディスクなどを備えている。制御装置81には、
図8に示すように、キーボードやタッチパネル等により構成された入力手段としての入力装置91が接続されている。
【0086】
入力装置91は、制御装置81へと各種情報を入力するためのものであり、入力装置91に対し情報を入力することで、制御装置81に対し新たな情報を記憶させたり、記憶された情報の変更を行ったりすることができる。本実施形態では、入力装置91を用いて、後述する裁断間隔値や、動作モードに関する情報などの入力や変更が可能である。動作モードとしては、通常モード及びサンプル作製モードのいずれかが選択可能となっている。
【0087】
通常モードとは、PTPシート1を実際に製造する際のモードである。一方、サンプル作製モードとは、PTPシート1を作製せず、PTPフィルム6のサンプルフィルム100(
図13参照)を作製する際のモードである。
【0088】
サンプルフィルム100とは、錠剤5が充填されておらず、かつ、打抜や裁断がなされていないPTPフィルム6であり、PTPシート1の生産前などに、ポケット部2が適切に成形されているか、容器フィルム3に対しカバーフィルム4が適切に取着されているかなどを確認するために作製される。
【0089】
制御装置81は、モード情報記憶部82、制御用情報記憶部83、フィルム送出量演算部84、テープ位置演算部85、ポケット部成形制御部86、充填制御部87、打抜制御手段としての打抜制御部88、及び、裁断制御手段としての裁断制御部89を備えている。
【0090】
モード情報記憶部82は、入力装置91に対し入力された動作モードを記憶する。より具体的には、モード情報記憶部82には、所定のモード判別フラグが設定されている。そして、入力装置91に対し通常モードで動作する旨の情報が入力されると、モード判別フラグが0に設定される。一方、入力装置91に対しサンプル作製モードで動作する旨の情報が入力されると、モード判別フラグが1に設定される。
【0091】
制御用情報記憶部83は、装置の制御に係る各種情報を記憶するものである。本実施形態では、制御用情報記憶部83に対し、容器フィルム3の搬送経路に沿った、テープ検出センサ14から、ポケット部成形装置16、錠剤充填装置21、打抜装置37、及び、裁断装置41までの各距離が、所定値から所定値までの数値範囲といった形で記憶されている。
【0092】
また、制御用情報記憶部83には、裁断の実行間隔に関する数値情報(裁断間隔値)が記憶されている。裁断間隔値は、所定の最小数(本実施形態では1)から所定の最大数までの範囲の整数で設定可能である。裁断間隔値は、入力装置91を用いて変更可能となっている。
【0093】
フィルム送出量演算部84は、エンコーダ13から入力された回転角度に関する情報に基づき、フィルム供給装置51からの容器フィルム3の送り量を把握する。フィルム送出量演算部84により把握される容器フィルム3の送り量は、エンコーダ13から情報が入力される度に更新される。
【0094】
テープ位置演算部85は、容器フィルム3の送り量やテープ検出センサ14による粘着テープ65aの検出情報に基づき、容器フィルム3の長手方向(搬送方向)に沿った粘着テープ65aの位置を算出するものである。具体的には、テープ位置演算部85は、テープ検出センサ14から粘着テープ65aを検出した旨の情報が入力されると、この時点における、フィルム送出量演算部84により把握された容器フィルム3の送り量を初期値として取得する。
【0095】
その上で、テープ位置演算部85は、フィルム送出量演算部84にて把握される容器フィルム3の送り量が更新される度に、取得した容器フィルム3の送り量の初期値と更新された送り量との差を、テープ距離として取得する。テープ距離は、容器フィルム3の搬送経路に沿った、テープ検出センサ14から粘着テープ65aまでの距離を示すものである。本実施形態では、エンコーダ13、テープ検出センサ14、フィルム送出量演算部84及びテープ位置演算部85によって、容器フィルム3の長手方向(搬送方向)に沿った粘着テープ65aの位置を算出するためのテープ位置検出部90が構成されている。テープ位置検出部90は、テープ位置検出手段に相当する。
【0096】
ポケット部成形制御部86は、ポケット部成形装置16の動作を制御するものである。ポケット部成形制御部86は、基本的には、所定の動作タイミングになると、ポケット部成形装置16に対し通常動作信号を出力する。これにより、ポケット部成形装置16は通常動作し、通常深さのポケット部2が成形される。
【0097】
但し、ポケット部成形制御部86は、テープ位置演算部85により得られたテープ距離が、制御用情報記憶部83に記憶されたテープ検出センサ14からポケット部成形装置16までの距離を示す数値範囲に含まれる場合、ポケット部成形装置16に対し特殊動作信号を出力する。これにより、ポケット部成形装置16は、通常深さよりも浅いポケット部2を成形する。すなわち、粘着テープ65aの貼付された容器フィルム3の接続部分には、比較的浅いポケット部2が成形される。
【0098】
このように本実施形態では、粘着テープ65aの貼付された容器フィルム3の接続部分であっても、ポケット部2が成形される。従って、各ロール12等の凹部にポケット部2を確実に収容した状態で、容器フィルム3などの送り動作を行うことができるようになっている。一方、容器フィルム3の接続部分において通常深さよりも浅いポケット部2を成形するのは、容器フィルム3の延びが通常部分(粘着テープ65aが貼付されていない部分)と異なる点を考慮したことによる。
【0099】
充填制御部87は、錠剤充填装置21に設けられた前記シャッタの開閉動作を制御するものである。シャッタの開閉動作を切換えることにより、ポケット部2に対する錠剤5の充填及び非充填を切換えることが可能である。
【0100】
充填制御部87は、基本的には、所定の動作タイミング毎にシャッタ開放信号を錠剤充填装置21へと出力することで、ポケット部2へと錠剤5を充填させる。
【0101】
但し、充填制御部87は、モード情報記憶部82に記憶されたモード判別フラグが1である場合、動作タイミング時にシャッタ閉鎖信号を錠剤充填装置21へと出力することで、ポケット部2へと錠剤5が充填されないようにする。また、充填制御部87は、テープ位置演算部85により得られたテープ距離が、制御用情報記憶部83に記憶されたテープ検出センサ14から錠剤充填装置21までの距離を示す数値範囲に含まれる場合、シャッタ閉鎖信号を錠剤充填装置21へと出力する。すなわち、充填制御部87は、サンプル作製モードであるとき、又は、粘着テープ65aの貼付された容器フィルム3の接続部分が錠剤充填装置21に到達したときには、錠剤5を充填しないように錠剤充填装置21を制御する。
【0102】
打抜制御部88は、打抜装置37の動作を制御するものである。打抜制御部88は、基本的には、間欠送りロール32が1回動作し、PTPフィルム6が1シート長さ分Lだけ送られる度に、打抜装置37に対し打抜実行信号を出力することで、打抜処理を実行させる。
【0103】
但し、打抜制御部88は、第一検査装置22における検査結果に基づき、1のシート対応部7における全てのポケット部2に錠剤5が充填されていない場合、すなわち、1のシート対応部7における全てのポケット部2が空である場合、打抜装置37に対し打抜不実行信号を出力する。これにより、打抜装置37による打抜処理は行わないことになる。
【0104】
また、打抜制御部88は、テープ位置演算部85により得られたテープ距離が、制御用情報記憶部83に記憶されたテープ検出センサ14から打抜装置37までの距離を示す数値範囲に含まれる場合、打抜装置37に対し打抜不実行信号を出力する。これにより、粘着テープ65aの貼付された容器フィルム3の接続部分に対しては、打抜処理が行われないことになる。
【0105】
さらに、打抜制御部88は、モード情報記憶部82に記憶されたモード判別フラグが1である場合、打抜不実行信号を打抜装置37へと出力する。これにより、サンプルフィルム100を作製する際には、打抜処理が行われないことになる。
【0106】
裁断制御部89は、サーボモータ41Cの動作を制御することで、裁断装置41による裁断の実行を制御するものである。裁断制御部89は、制御用情報記憶部83に記憶された裁断間隔値に基づきサーボモータ41Cの動作を制御する。裁断制御部89は、基本的には、入力された裁断間隔値と同数だけスクラップ部8が間欠搬送される度に、サーボモータ41Cに対し裁断実行信号を出力することで、スクラップ部8の裁断を実行させる。例えば、裁断間隔値が2である場合、スクラップ部8が2回間欠搬送される度に、スクラップ部8の裁断を1回実行させる。
【0107】
尚、裁断制御部89が裁断実行信号を出力するタイミング、すなわち裁断の実行タイミングは、スクラップ部8を一時停止させたときに限られている。そのため、裁断制御部89は、1シート分長さLを最小単位として、スクラップ部8の長手方向に沿ったスクラップ部8の裁断位置の間隔を調節可能となっている。
【0108】
また、裁断制御部89は、テープ位置演算部85により得られたテープ距離が、制御用情報記憶部83に記憶されたテープ検出センサ14から裁断装置41までの距離を示す数値範囲に含まれる場合、サーボモータ41Cに対し裁断不実行信号を出力する。これにより、粘着テープ65aの貼付された容器フィルム3の接続部分に対し、裁断処理は行われないことになる。
【0109】
さらに、裁断制御部89は、モード情報記憶部82に記憶されたモード判別フラグが1である場合、裁断不実行信号をサーボモータ41Cへと出力する。これにより、サンプルフィルム100を作製する際には、裁断処理が行われないことになる。
【0110】
次いで、ポケット部成形制御部86により実行されるポケット部成形制御処理、充填制御部87により実行される充填制御処理、打抜制御部88により実行される打抜制御処理、及び、裁断制御部89により実行される裁断制御処理についてフローチャートを参照して説明する。
【0111】
まず、ポケット部成形制御処理について説明する。ポケット部成形制御処理では、
図9に示すように、まず、ステップS11において、ポケット部2の成形タイミングであるか否かが判定される。ポケット部2の成形タイミングであるか否かは、例えば、フィルム送出量演算部84により把握された容器フィルム3の送り量や、前回のポケット部2の成形処理からの経過時間などに基づいて判定される。
【0112】
ステップS11は肯定判定されるまで繰り返し行われ、ステップS11にて肯定判定されると、すなわち、ポケット部2の成形タイミングであると、ステップS12に移行する。ステップS12では、テープ位置演算部85により得られたテープ距離が、制御用情報記憶部83に記憶されたテープ検出センサ14からポケット部成形装置16までの距離を示す数値範囲に含まれるか否かが判定される。すなわち、ポケット部2の成形対象が、容器フィルム3の接続部分であるか否かが判定される。
【0113】
ステップS12にて否定判定された場合には、ステップS13に移行し、ポケット部成形装置16に対し通常動作信号が出力される。通常動作信号が入力されたポケット部成形装置16は、通常深さのポケット部2の成形を行う。
【0114】
一方、ステップS12にて肯定判定された場合には、ステップS14に移行し、ポケット部成形装置16に対し特殊動作信号が出力される。特殊動作信号が入力されたポケット部成形装置16は、通常深さよりも浅いポケット部2の成形を行う。ステップS13又はステップS14の後には、ステップS11に戻る。
【0115】
次いで、充填制御処理について説明する。充填制御処理では、
図10に示すように、まず、ステップS21において、シャッタの開閉動作を行うタイミング(開閉動作タイミング)であるか否かが判定される。開閉動作タイミングであるか否かは、例えば、フィルム送出量演算部84により把握された容器フィルム3の送り量や、前回の開閉動作タイミングからの経過時間、フィルム受けロール20の動作に関する情報などに基づいて判定される。
【0116】
ステップS21は肯定判定されるまで繰り返し行われ、ステップS21にて肯定判定されると、すなわち、開閉動作タイミングであると、ステップS22に移行する。
【0117】
ステップS22では、モード情報記憶部82に記憶されたモード判別フラグが参照され、モード判別フラグが0であるか否か、すなわち、通常モードが選択されているか否かが判定される。
【0118】
ステップS22にて肯定判定された場合には、ステップS23に移行する。一方、ステップS22にて否定判定された場合、すなわち、サンプル作製モードが選択されている場合には、ステップS25へと移行する。
【0119】
ステップS23では、テープ位置演算部85により得られたテープ距離が、制御用情報記憶部83に記憶されたテープ検出センサ14から錠剤充填装置21までの距離を示す数値範囲に含まれるか否かが判定される。すなわち、錠剤充填装置21のシャッタを開放した場合、容器フィルム3の接続部分に対し錠剤5が供給されるか否かが判定される。
【0120】
ステップS23にて否定判定された場合には、ステップS24に移行し、錠剤充填装置21に対しシャッタ開放信号が出力される。シャッタ開放信号が入力された錠剤充填装置21は、シャッタを開放する。これにより、ポケット部2へと錠剤5が充填される。
【0121】
一方、ステップS23にて肯定判定された場合には、ステップS25に移行する。ステップS25では、錠剤充填装置21に対しシャッタ閉鎖信号が出力される。すなわち、サンプル作製モードである場合、又は、シャッタを開放すると、容器フィルム3の接続部分に設けられた浅いポケット部2へと錠剤5が供給されてしまう場合には、錠剤充填装置21に対しシャッタ閉鎖信号が出力される。シャッタ閉鎖信号が入力された錠剤充填装置21は、シャッタを閉鎖状態で維持する。これにより、ポケット部2へと錠剤5は充填されないことになる。ステップS24又はステップS25の後には、ステップS21に戻る。
【0122】
次いで、打抜制御処理について説明する。打抜制御処理では、
図11に示すように、まず、ステップS31において、打抜装置37による打抜動作を行うタイミング(打抜タイミング)であるか否かが判定される。打抜タイミングであるか否かは、例えば、モータ32Aの動作に関する情報や、前回の打抜タイミングからの経過時間などに基づいて判定される。
【0123】
ステップS31は肯定判定されるまで繰り返し行われ、ステップS31にて肯定判定されると、すなわち、打抜タイミングであると、ステップS32に移行する。
【0124】
ステップS32では、モード情報記憶部82に記憶されたモード判別フラグが参照され、モード判別フラグが0であるか否か、すなわち、通常モードが選択されているか否かが判定される。
【0125】
ステップS32にて肯定判定された場合には、ステップS33に移行する。一方、ステップS32にて否定判定された場合、すなわち、サンプル作製モードが選択されている場合には、ステップS36へと移行する。
【0126】
ステップS33では、テープ位置演算部85により得られたテープ距離が、制御用情報記憶部83に記憶されたテープ検出センサ14から打抜装置37までの距離を示す数値範囲に含まれるか否かが判定される。すなわち、打抜処理を実行した場合、容器フィルム3の接続部分に対応する部分が打抜かれるか否かが判定される。ステップS33にて肯定判定された場合には、ステップS36に移行する。
【0127】
一方、ステップS33にて否定判定された場合には、ステップS34に移行する。ステップS34では、第一検査装置22における検査結果に基づき、1のシート対応部7における全てのポケット部2に錠剤5が充填されていない状態か否かが判定される。すなわち、錠剤5の充填に著しい異常が生じているか否かが判定される。ステップS34にて肯定判定された場合には、ステップS36に移行する。
【0128】
一方、ステップS34で否定判定された場合には、ステップS35に移行し、打抜装置37に対し打抜実行信号が出力される。打抜実行信号が入力された打抜装置37は、打抜処理を実行する。
【0129】
これに対し、ステップS36では、打抜装置37に対し打抜不実行信号が出力される。すなわち、サンプル作製モードである場合、打抜処理を実行すると、容器フィルム3における接続部分に対応する部分を打抜いてしまう場合、又は、1のシート対応部7におけるポケット部2が全て空である場合には、打抜装置37に対し打抜不実行信号が出力される。打抜不実行信号が入力された打抜装置37は、打抜パンチ37Aを静止状態で維持し、打抜処理を実行しない。これにより、打抜装置37の下流へとシート対応部7が残った状態のスクラップ部8が搬送されることになる。ステップS35又はステップS36の後には、ステップS31に戻る。
【0130】
次いで、裁断制御処理について説明する。裁断制御処理では、
図12に示すように、まず、ステップS41において、スクラップ部8が、前回の一時停止時から、間欠送りロール36によって1シート分長さLだけ搬送され、再度一時停止状態になったか否かが判定される。すなわち、スクラップ部8の1回の間欠搬送動作が完了したか否かが判定される。
【0131】
ステップS41は肯定判定されるまで繰り返し行われ、ステップS41にて肯定判定されると、ステップS42に移行する。ステップS42では、所定のスキップカウンタの値が1だけ増加させられる。スキップカウンタは、前回の裁断処理が行われてからのスクラップ部8の間欠搬送が行われた回数を計測するためのカウンタである。本実施形態において、スキップカウンタの初期値は0とされている。
【0132】
ステップS42に続くステップS43では、スキップカウンタの値が、制御用情報記憶部83に記憶された裁断間隔値以上であるか否かが判定される。ステップS43で否定判定された場合には、ステップS41に戻る。
【0133】
一方、ステップS43で肯定判定された場合、すなわち、前回の裁断処理が行われてから、裁断間隔値と同数以上のスクラップ部8の間欠搬送が行われた場合には、ステップS44に移行する。そして、ステップS44において、モード情報記憶部82に記憶されたモード判別フラグが参照され、モード判別フラグが0であるか否か、すなわち、通常モードが選択されているか否かが判定される。
【0134】
ステップS44にて肯定判定された場合には、ステップS45に移行する。一方、ステップS44にて否定判定された場合、すなわち、サンプル作製モードが選択されている場合には、ステップS47へと移行する。
【0135】
ステップS45では、テープ位置演算部85により得られたテープ距離が、制御用情報記憶部83に記憶されたテープ検出センサ14から裁断装置41までの距離を示す数値範囲に含まれるか否かが判定される。すなわち、裁断処理を実行した場合、容器フィルム3における接続部分に対応する部分が裁断されるか否かが判定される。ステップS45にて肯定判定された場合には、ステップS47に移行する。一方、ステップS45で否定判定された場合には、ステップS46に移行する。
【0136】
ステップS46では、サーボモータ41Cに対し裁断実行信号が出力される。裁断実行信号が入力されたサーボモータ41Cは所定動作を行う。これにより、スクラップ部8の裁断処理が実行される。ステップS46に続くステップS48では、スキップカウンタの値が初期値(0)に設定される。
【0137】
これに対し、ステップS47では、サーボモータ41Cに対し裁断不実行信号が出力される。すなわち、サンプル作製モードである場合、又は、裁断処理を実行すると、容器フィルム3における接続部分に対応する部分を裁断してしまう場合には、サーボモータ41Cに対し裁断不実行信号が出力される。裁断不実行信号が入力されたサーボモータ41Cは停止状態で維持される。これにより、裁断装置41による裁断処理が実行されないことになる。そして、裁断装置41の下流へと、1シート長さLを超える長さのスクラップ部8が搬送される。ステップS47又はステップS48の後には、ステップS41に戻る。
【0138】
上記のように各種処理が実行されることで、サンプル作製モードが選択されている場合には、裁断装置41の下流へと、ポケット部2へと錠剤5が充填されておらず、また、打抜及び裁断が行われていないサンプルフィルム100が送られることになる。
【0139】
以上詳述したように、本実施形態によれば、裁断装置41によって、スクラップ部8における粘着テープ65aが貼付された部位以外の部位を裁断することができる。従って、裁断刃41A,41Bに対し、粘着テープ65aの粘着物が付着してしまうことをより確実に防止できる。これにより、裁断刃41A,41Bから粘着物を定期的に除去する必要がなくなり、メンテナンスに係る手間を軽減することができる。その結果、生産性の向上を図ることができる。また、粘着物の影響による裁断刃41A,41Bの寿命低下を防止することができ、裁断刃41A,41Bの寿命をより延ばすことが可能となる。これにより、メンテナンスに係るコストの低減を図ることができる。
【0140】
また、1シート分長さLを最小単位として、スクラップ部8の裁断位置の間隔を調節することができる。例えば、裁断間隔値を2や3とすることで、スクラップ部8が2シート分長さや3シート分長さだけ間欠搬送される度に、裁断処理を行うといったことができる。従って、裁断処理が必要以上に頻繁に行われてしまうことをより確実に防止でき、裁断刃41A,41Bの摩耗抑制を図ることができる。その結果、裁断刃41A,41Bの寿命をより延ばすことができ、メンテナンスに係るコストをより低減させることができる。
【0141】
また、本実施形態では、裁断位置がポケット部2を避けた位置となるように初期設定が行われている。さらに、スクラップ部8の裁断位置の間隔は、1シート分長さLを最小単位として調節可能となっている。そのため、裁断位置の間隔を調節したとしても、スクラップ部8におけるポケット部2を避けた位置を裁断位置とすることができる。従って、裁断時には、スクラップ部8におけるポケット部2以外の部位を確実に裁断することができる。これにより、裁断処理をより確実に行うことができ、PTP包装機10の安定的な動作を図ることができる。また、裁断刃41A,41Bの摩耗抑制をより確実に図ることができ、裁断刃41A,41Bの更なる長寿命化を図ることができる。その結果、メンテナンスに係るコストを一層低減させることができる。
【0142】
さらに、入力装置91に対しサンプル作製モードで動作する旨の情報が入力されることで、打抜装置37及び裁断装置41の動作がそれぞれ停止される。そして、裁断装置41の下流へと打抜及び裁断の行われていないサンプルフィルム100が搬送される。そのため、裁断装置41へとサンプルフィルム100が送られないように、サンプルフィルム100の搬送経路を変更した上で、人手によりサンプルフィルム100を引っ張って搬送するといった手法を採用せずとも、適当なサンプルフィルム100を自動的に得ることができる。従って、サンプルフィルム100の作製に慣れていない作業者であっても、取扱いが容易となり、適当なサンプルフィルム100を容易に作製することができる。これにより、利便性や生産性の向上を図ることができる。また、作業者にとっての安全性を高めることも可能となる。
【0143】
加えて、PTPフィルム6における粘着テープ65aの被貼付部位が打抜かれないように打抜装置37が制御される。従って、打抜装置37(例えば、打抜刃37B)に対し、接着剤等の粘着物が付着してしまうことを防止できる。これにより、打抜装置37のメンテナンスに係る手間やコストを軽減することができ、生産性の向上を一層図ることができる。
【0144】
また、テープ位置検出部90を、裁断装置41の制御と打抜装置37の制御とで共通に利用することができる。従って、PTP包装機10の簡素化を図ることができ、PTP包装機10の製造等に係るコストを低減させることができる。
【0145】
さらに、ポケット部成形装置16は、容器フィルム3のうち粘着テープ65aが取着された部位に対しても、ポケット部2を成形する。従って、容器フィルム3等をより確実に搬送することができる。尚、容器フィルム3のうち粘着テープ65aが取着された部位に通常深さのポケット部2を成形すると、ポケット部2の成形が適切に行われない等の不具合が生じ得るが、本実施形態では、前記部位に対し通常深さよりも浅いポケット部2を成形する。そのため、上記不具合の発生をより確実に防止することができる。
【0146】
加えて、錠剤充填装置21は、容器フィルム3のうち粘着テープ65aが取着された部位に対応するポケット部2に対し、錠剤5を充填しない。すなわち、最終的にスクラップ部8となる部位には錠剤5を充填しない。これにより、錠剤5が無駄になることを防止できる。
【0147】
また、本実施形態において、テープ検出センサ14は加熱装置15よりも上流に設けられているため、テープ位置検出部90による検出結果を、ポケット部成形装置16等によるポケット部2の成形に係る制御と、錠剤充填装置21による錠剤5の充填に係る制御とに利用することができる。これにより、PTP包装機10の簡素化を一層図ることができる。
【0148】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0149】
(a)上記実施形態において、テープ検出センサ14は、加熱装置15の上流に設けられているが、テープ検出センサの位置を適宜変更してもよい。例えば、粘着テープ65aの有無による動作の切換えを裁断装置41のみで行う場合には、打抜装置37の下流であって裁断装置41よりも上流にテープ検出センサを設けることとしてもよい。
【0150】
(b)上記実施形態において、PTP包装機10は、粘着テープ65aを避けて裁断処理を行う機能、1シート分長さLを最小単位として裁断位置を調節する機能、及び、サンプルフィルム100を自動的に製造する機能を備えているが、これら3つのうちの1つ又は2つのみを備えるものとしてもよい。また、これら3つの機能のうちの1つ又は2つの機能を備えたPTP包装機10に対し、粘着テープ65aを避けて打抜処理を行う機能を付加することとしてもよい。
【0151】
(c)上記実施形態では、スクラップ部8の裁断実行タイミングと、裁断装置41に対しスクラップ部8のうち粘着テープ65aの貼付された部位が到達したタイミングとが重なった場合、裁断処理が実行されず、裁断処理は後回しにされる。従って、結果的に、裁断されたスクラップ部8の中には、通常の裁断されたスクラップ部8よりも長いものが含まれる。
【0152】
これに対し、両タイミングが重なることになる場合、通常の裁断実行タイミングよりも前に裁断処理を実行するように構成してもよい。この場合には、裁断されたスクラップ部8の中に、比較的長いものが含まれるといった事態が生じなくなる。そのため、裁断されたスクラップ部8の処理などに係る利便性を高めることができる。
【0153】
(d)上記実施形態では、裁断刃41Bが往復動作することでスクラップ部8を裁断するように構成されているが、裁断刃が回転動作することでスクラップ部8を裁断するように構成してもよい。
【0154】
(e)上記実施形態において、スクラップ部8は裁断装置41に対し間欠搬送されるように構成されているが、スクラップ部8を裁断装置41に対し連続搬送するように構成してもよい。この場合には、打抜装置37及び間欠搬送ロール36間にテンションロールが設けられる。
【0155】
(f)上記実施形態において、容器フィルム3は透明又は半透明とされているが、容器フィルム3をアルミニウムなどからなる不透明なものとしてもよい。この場合には、粘着テープ65aとして容器フィルム3よりも光を反射しにくいものを採用し、かつ、テープ検出センサ14として反射型の光電センサを採用することで、テープ検出センサ14により粘着テープ65aを検出することができる。
【0156】
(g)上記実施形態では、PTP包装機10に対し本発明の技術思想が適用されているが、PTPシート1以外のブリスタシートを製造するためのブリスタ包装機に対し本発明の技術思想を適用してもよい。
【0157】
(h)上記実施形態では、ポケット部2に対し錠剤5が充填される場合について具体化しているが、ポケット部2に充填される内容物の種別、形状等については特に限定されるものではなく、例えば食品や電子部品、カプセル等、内容物が錠剤5とは異なるものであってもよい。
【0158】
(i)上記実施形態では、容器フィルム3がPPやPVC等の熱可塑性樹脂材料等により形成され、カバーフィルム4がアルミニウム箔等を基材として形成されているが、各フィルム3,4の材料は、これらに限定されるものではなく、他の材質のものを採用してもよい。