特許第6824178号(P6824178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6824178特定セル確率負荷分散の装置、システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6824178
(24)【登録日】2021年1月14日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】特定セル確率負荷分散の装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/00 20090101AFI20210121BHJP
   H04W 36/22 20090101ALI20210121BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20210121BHJP
【FI】
   H04W48/00 110
   H04W36/22
   H04W48/16 131
   H04W48/16 132
【請求項の数】26
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-545731(P2017-545731)
(86)(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公表番号】特表2018-514966(P2018-514966A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】US2016015282
(87)【国際公開番号】WO2016164095
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2019年1月22日
(31)【優先権主張番号】62/145,394
(32)【優先日】2015年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/859,633
(32)【優先日】2015年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】イウ,キャンディ
(72)【発明者】
【氏名】シュリニヴァサン,ニティン
【審査官】 石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0076957(US,A1)
【文献】 特表2010−527178(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0304747(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0213277(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/014859(WO,A1)
【文献】 国際公開第00/065856(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)の装置であって、
前記UEが所属するサービングeNodeB(eNB)と通信するように構成された送受信器と、
処理回路とを有し、前記処理回路は、
前記サービングeNBからセル固有優先度リストおよびセル再選択確率を受信するように前記送受信器を構成し、前記セル固有優先度リストは前記サービングeNBの隣接eNBのリストを含み、前記リスト内の各eNBは前記eNBの負荷に少なくとも部分的に基づく関連優先度を有し、前記セル再選択確率は前記UEがeNBリスト内のeNBのうちの1つを再選択する確率を示し、
前記UEが再選択すべきであるという決定に応じて、前記セル固有優先度リストおよび前記セル再選択確率に基づいて、eNBリスト内の選択されたeNBを再選択し、
前記選択されたeNBの再選択後に、前記選択されたeNBと通信するように前記送受信器を設定するように構成される、
前のセル再選択の決定時に初期値からインクリメントするようにタイマーを設定し、
前記タイマーが所定値に達するのに応答して前記セル再選択に関連するシステム情報を受信するように、且つ前記タイマーが前記所定値に達する前に前記システム情報を読み込まないように前記送受信器を設定し、
前記システム情報が読み込まれた後、前記初期値にリセットするよう前記タイマーを設定する、
ように構成される、装置。
【請求項2】
前記処理回路はさらに、
再選択するか否かの決定する前に無線リソース制御(RRC)アイドルモードに入るように前記UEを設定し、
選択されたeNBと通信する前にRRCアイドルモードを終了し、RRC接続モードに入るように前記UEを設定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理回路はさらに、前記送受信器が前記eNBからセル固有優先度リストおよびセル再選択確率を受信する前に、RRCアイドルモードに入るように前記UEを設定するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
隣接eNBのリストは、前記サービングeNBよりも高い優先度を有するeNBのリストに限定される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
隣接eNBのリストはさらに、最も高い優先度を有するeNBのリストに限定される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記処理回路はさらに、各eNBの優先度に比例したeNBのリスト内のeNBの中から選択するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記処理回路はさらに、eNBリスト内のeNBの中で同一且つ最高の優先度を有する最高優先度eNBの中からランダムに選択するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記処理回路はさらに、
前記最高優先度eNBの中からランダムに選択した後、第1のeNBの選択に応答して乱数を生成し、
前記乱数の生成に制限されずに第2のeNBを選択し、
前記第1のeNBの選択に応答して、前記乱数が第2の基準を満たすかを判定し、
前記乱数が第2の基準を満たさない場合に、前記最高優先度eNBの中から再選択するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
隣接eNBのリストは、サービングeNBの負荷よりも小さい負荷を有するeNBのリストに限定され、前記UEは、サービングeNBの負荷よりも大きい負荷を有する隣接eNBを再選択できないように制限される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
隣接eNBのリストは、サービングeNBが動作する周波数とは異なる少なくとも1つの周波数で動作するマクロセルおよび小型セルを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記処理回路はさらに、システム情報ブロードキャスト(SIB)を介して前記eNBからセル固有優先度リストおよびセル再選択確率を受信するように前記送受信器を設定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記処理回路はさらに、サービングeNBの信号対干渉雑音比(SINR)、基準信号受信電力(RSRP)又は基準信号受信品質(RSRQ)のうちの少なくとも1つを測定し、SINR、RSRP又はRSRQの少なくとも1つを所定のセル再選択基準のセットと比較して、再選択を実行するか否か決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記処理回路はさらに、無線リソース制御(RRC)アイドルモードに入る前に、所定のセル再選択基準のセットを受信するように前記送受信器を設定するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記処理回路はさらに、無線リソース制御(RRC)アイドルモードに入った後に、システムブロードキャスト情報を介して所定のセル再選択基準のセットを受信するように前記送受信器を設定するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記処理回路はさらに、乱数を生成し、その乱数をセル再選択確率と比較して、再選択を実行するか否かを決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
ユーザ機器(UE)が所属するサービングeNodeB(eNB)と通信するように構成された送受信器と、処理回路と、を有する前記UEで実行される方法であって、
前記送受信器は、前記eNBからセル固有優先度リストおよびセル再選択確率を受信する処理であって、前記セル固有優先度リストは前記サービングeNBの隣接eNBのリストを含み、前記リスト内の各eNBは前記eNBの負荷に少なくとも部分的に基づく関連優先度を有し、前記セル再選択確率は前記UEがeNBリスト内のeNBのうちの1つを再選択する確率を示す当該処理を実行し、
前記処理回路は、
前記UEが再選択すべきであるという決定に応じて、前記セル固有優先度リストおよび前記セル再選択確率に基づいて、eNBリスト内の選択されたeNBを再選択する処理と、
前記選択されたeNBの再選択後に、前記選択されたeNBと通信するように前記送受信器を設定する処理と、
前のセル再選択の決定時に初期値からインクリメントするようにタイマーを設定する処理と、
前記タイマーが所定値に達するのに応答して前記セル再選択に関連するシステム情報を受信するように、且つ前記タイマーが前記所定値に達する前に前記システム情報を読み込まないように前記送受信器を設定する処理と、
前記システム情報が読み込まれた後に前記初期値にリセットするように前記タイマーを設定する処理と、
を実行する方法。
【請求項17】
前記処理回路がさらに、
再選択するか否かの決定する前に無線リソース制御(RRC)アイドルモードに入るように前記UEを設定する処理と、
選択されたeNBと通信する前にRRCアイドルモードを終了し、RRC接続モードに入るように前記UEを設定する処理と、を実行する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記処理回路がさらに、前記送受信器によって前記eNBからセル固有優先度リストおよびセル再選択確率を受信する前に、RRCアイドルモードに入るように前記UEを設定する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
隣接eNBのリストは、前記サービングeNBよりも高い優先度を有するeNBのリストに限定される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
隣接eNBのリストはさらに、最も高い優先度を有するeNBのリストに限定される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記処理回路がさらに、各eNBの優先度に比例したeNBのリスト内のeNBの中から選択する、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記処理回路がさらに、eNBリスト内のeNBの中で同一且つ最高の優先度を有する最高優先度eNBの中からランダムに選択する、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記処理回路がさらに、
前記最高優先度eNBの中からランダムに選択した後、第1のeNBの選択に応答して乱数を生成し、
前記乱数の生成に制限されずに第2のeNBを選択し、
前記第1のeNBの選択に応答して、前記乱数が第2の基準を満たすかを判定し、
前記乱数が第2の基準を満たさない場合に、前記最高優先度eNBの中から再選択する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
eNodeB(eNB)と通信するようユーザ機器(UE)を設定するために、前記UEの1つまたは複数のプロセッサにより実行されるコンピュータプログラムであって、前記1つまたは複数のプロセッサにより、
(1)前記UEが無線リソース制御(RRC)アイドルモードにある間に、前記UEが所属するサービングeNodeB(eNB)からのシステム情報ブロードキャスト(SIB)において、
前記サービングeNBの隣接eNBのリストを含むセル固有優先度リストであって、リスト内の各eNBは、前記eNBの負荷に少なくとも部分的に基づいた関連する優先度を有する、セル固有優先度リストと、
前記UEがeNBのリスト内のeNBのうちの1つを再選択する確率を示すセル再選択確率と、
を前記UEに受信させ、
(2)前記UEがeNBのリスト内のeNBを再選択すべきかどうかを前記UEに決定させ、
(3)前記UEが再選択すべきであるという決定に応じて、前記セル固有優先度リストおよび前記セル再選択確率に基づいて、eNBリスト内の選択されたeNBを再選択するよう前記UEに設定させ、
(4)前記選択されたeNBの再選択後に、前記UEが前記選択されたeNBと通信するように送受信器を設定し、
(5)前のセル再選択の決定時に初期値からインクリメントするようにタイマーを設定し、
(6)前記タイマーが所定値に達するのに応答して前記セル再選択に関連するシステム情報を受信するように、且つ前記タイマーが前記所定値に達する前に前記システム情報を読み込まないように前記送受信器を設定し、
(7)前記システム情報が読み込まれた後、前記初期値にリセットするよう前記タイマーを設定する、
ための手順を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項25】
前記隣接eNBのリストは、前記サービングeNBよりも高い優先度と前記サービングeNBの負荷よりも少ない負荷との少なくとも一方を有するeNBのリストに限定され、及び/又は
前記コンピュータプログラムはさらに、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記優先度がeNBリスト内のeNBの中で最高の優先度である場合、同じ優先度を有するeNBのリスト内のeNBの中からランダムに選択し、
乱数を生成し、その乱数を前記セル再選択確率と比較して、前記再選択を実行するか否かを決定する、
ように前記UEを設定させる、請求項24に記載のコンピュータプログラム。
【請求項26】
請求項24又は25に記載のコンピュータプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2015年4月9日に出願された米国仮特許出願第62/145,394号の優先権の利益を主張する2015年9月21日に出願された米国特許出願第14/859,633号に対する優先権の利益を主張する。これらの出願は、その全体が本明細書に参照援用される。
【技術分野】
【0002】
実施形態は、無線アクセスネットワークに関する。いくつかの実施形態は、第3世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP LTE)ネットワークおよびLTEアドバンスト(LTE−A)ネットワークならびに第4世代(4G)ネットワークおよび第5世代(5G)ネットワークを含むセルラーネットワークにおける負荷分散に関する。
【背景技術】
【0003】
パーソナル通信装置の使用は、過去数十年にわたって天文学的に増加してきた。現代社会におけるモバイル装置の普及は、異なる多くの環境において、幅広い種類のネットワーク装置に対する需要を引き続き推し進めている。第3世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP LTE)およびLTEアドバンスト(LTE−A)システムを使用するとてつもない数のユーザ機器(UE)は、UEが接続されているセルのローディングに関連する問題を生成することがある。これらの問題は、UEがセルのカバレッジエリアに対して高速で頻繁に移動するとき、またはUEがモードを一括して変更するときに悪化することがある。したがって、UEの負荷分散を改善することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面では、必ずしも縮尺通りに描かれていないが、異なる図において、同様の数字は類似の構成要素を示すことがある。異なる接尾辞を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なるインスタンスを表すことがある。これらの図は、概して、本明細書で説明する様々な実施形態を、限定としてではなく例示として示す。
【0005】
図1】いくつかの実施形態による3GPP無線ネットワークを示す機能図である。
【0006】
図2】いくつかの実施形態による3GPP無線装置を示すブロック図である。
【0007】
図3A図3Aは、実施形態によるセルおよび関連する負荷の例を示す。
【0008】
図3B図3Bは、実施形態によるセルおよび関連する負荷の例を示す。
【0009】
図4】いくつかの実施形態によるセル再選択を示すフローチャートである。
【0010】
図5A図5Aは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【0011】
図5B図5Bは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【0012】
図5C図5Cは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【0013】
図5D図5Dは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【0014】
図5E図5Eは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【0015】
図5F図5Fは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【0016】
図5G図5Gは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【0017】
図5H図5Hは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【0018】
図5I図5Iは、実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明と図面により、当業者が実施できるように具体的な実施形態を十分に説明する。他の実施形態には、構造的、論理的、電気的、プロセス的その他の変更を加えてもよい。一部の実施形態の部分や特徴を他の実施形態の部分や特徴とに含めてもよいし、置き換えてもよい。請求項に記載した実施形態は、それら請求項の均等の範囲に及ぶ。
【0020】
図1は、いくつかの実施形態による無線ネットワークを示す機能図である。実施形態の範囲はこの点で限定されないが、ネットワークは3GPPネットワークであってもよい。当業者には言うまでもなく、本明細書で説明される様々な態様は、他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にも拡張され得る。単なる一例として、様々な態様が、時分割同期符号分割多重アクセス(TD−SCDMA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、高速パケットアクセスプラス(HSPA+)および時分割CDMA(TD−CDMA)などの他のUniversal Mobile Telecommunications System(UMTS)システムに拡張し得る。(FDD、TDD、または両モードの)ロングタームエボルーション(LTE)、(FDD、TDD、または両モードの)LTEアドバンスト(LTE−A)、CDMA2000、Evolution−Data Optimized(EV−DO)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE802.20、超広帯域(UWB)、ブルートゥース(登録商標)及び/またはその他の適切なシステムを利用するシステムに拡張し得る。使用される実際の電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、特定のアプリケーションおよびシステムに課される全体的な設計制約に依存する。ネットワークは、S1インターフェース115により互いに結合された、無線アクセスネットワーク(RAN)(例えば、E−UTRANすなわちevolved universal terrestrial radio access network)100と、コアネットワーク120(例えば、evolved packet core(EPC)として示される)を含むことができる。便宜上および簡略化のために、RAN100だけでなく、コアネットワーク120の一部だけが示されている。
【0021】
コアネットワーク120は、モビリティ管理エンティティ(MME)122、サービングゲートウェイ(サービングGW)124、およびパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN GW)126を含む。RAN100は、UE102と通信する(基地局として動作することができる)eNB104を含む。eNB104は、マクロeNBおよび低電力(LP)eNBを含むことができる。
【0022】
MMEは、レガシーサービングGPRSサポートノード(SGSN)の制御プレーンと機能的に類似している。MMEは、ゲートウェイ選択やトラッキングエリアリスト管理などのアクセスにおけるモビリティの側面を管理する。サービングGW124は、RAN100へのインターフェースを終了し、RAN100とコアネットワーク120との間でトラフィックパケット(データパケットまたは音声パケットなど)をルーティングする。さらに、それは、eNB間のハンドオーバーのためのローカルモビリティアンカーポイントであってもよく、3GPP間モビリティのためのアンカーを提供してもよい。その他の役割としては、合法的傍受、請求、一部のポリシー施行などがある。サービングGW124およびMME122は、1つの物理ノードまたは別個の複数の物理ノードにおいて実装されてもよい。PDN GW126は、パケットデータネットワーク(PDN)に対するSGiインターフェースを終端する。PDN GW126は、EPC120と外部PDNとの間でトラフィックパケットをルーティングし、ポリシー実施(policy enforcement)および課金データ収集のためのキーノードとすることができる。また、LTE以外のアクセスでモビリティのためのアンカーポイントを提供し得る。外部PDNは、IPマルチメディアサブシステム(IMS)ドメインだけでなく、任意の種類のIPネットワークであってもよい。PDN GW126及びサービングGW124は、1つの物理ノードまたは別個の複数の物理ノードにおいて実装されてもよい。
【0023】
eNB104(マクロおよびマイクロ)は、エアインタフェースプロトコルを終端し、UE102の第1のコンタクトポイントであってもよい。eNB104は、通常のカバレッジモードのUE102および1つまたは複数のエンハンストカバレッジモードのUE104の両方と通信することができる。いくつかの実施形態では、eNB104は、無線ベアラ管理、アップリンクおよびダウンリンクの動的無線リソース管理およびトラフィックパケットスケジューリング、およびモビリティ管理などのRNC(無線ネットワークコントローラ機能)を含むがこれらに限定されないRAN100のための様々な論理機能を満たすことができる。いくつかの実施形態によれば、UE102は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、SC−FDMAまたはその他の通信信号などの直交多重アクセス(OMA)により、適切な通信技術に従って、マルチキャリア通信チャネルを介してeNB104と通信し得る。OFDM信号は複数の直交サブキャリアを含み得る。いくつかの実施形態によれば、UE102は、非直交多重アクセス(NOMA)信号を介して通信するように構成されてもよい。
【0024】
S1インターフェース115は、RAN100とEPC120とを分離するインターフェースである。これは2つの部分に分かれている。eNB104とサービングGW124との間でトラフィックパケットを搬送するS1−Uと、eNB104とMME122との間のシグナリングインターフェイスであるMMEとである。
【0025】
セルラーネットワークでは、一般的にLPセルを使用して、屋外の信号がうまく届かない屋内エリアにカバレッジを拡張し、または駅などの非常に高密度な電話機使用エリアにおいてネットワーク容量を追加する。本明細書では、低電力(LP)eNBという用語は、フェムトセル、ピコセル、またはマイクロセルなどのより狭いセル(マクロセルよりも狭い)を実装するための任意の適切な比較的低電力のeNBを指す。フェムトセルeNBは、通常、モバイルネットワークオペレータによってその居住者または企業の顧客に提供される。フェムトセルは、通常、住宅用ゲートウェイ以下のサイズであり、一般にユーザのブロードバンド回線に接続される。プラグインされると、フェムトセルは、移動体通信事業者のモバイルネットワークに接続し、住宅用フェムトセルのために典型的には30乃至50メートルの範囲で余分なカバレッジを提供する。したがって、LP eNBは、PDN GW126を介して結合されるので、フェムトセルeNBであってもよい。同様に、ピコセルは、通常、屋内(オフィス、ショッピングモール、鉄道駅など)またはより最近では航空機内のような小さな領域をカバーする無線通信システムである。ピコセルeNBは、一般に、基地局コントローラ(BSC)機能を介して、マクロeNBなどの別のeNBにX2リンクを介して接続することができる。したがって、LP eNBは、X2インターフェースを介してマクロeNBに結合されるので、ピコセルeNBを用いて実装することができる。Picocell eNBまたは他のLP eNBは、マクロeNBの機能の一部またはすべてを組み込むことができる。場合によって、これはアクセスポイント基地局または企業フェムトセルと呼ばれることもある。
【0026】
LTEネットワークを介した通信は、10msのフレームに分割することができ、その各々は10個の1msサブフレームを含むことができる。フレームの各サブフレームは、0.5msの2つのスロットを含むことができる。eNBは、様々な周波数帯域にわたってアップリンクおよびダウンリンク送信をスケジュールすることができる。サブフレーム内のリソースの割り当ては、1つの周波数帯域で使用され、別の周波数帯域内のサブフレームとは異なってもよい。サブフレームの各スロットは、使用されるシステムに応じて、6−7個のシンボルを含むことができる。いくつかの実施形態では、サブフレームは、12または24のサブキャリアを含むことができる。リソースグリッドは、eNBとUEとの間のダウンリンク送信およびアップリンク送信に使用されてもよい。リソースグリッドは、時間−周波数グリッドであってもよい。これは各スロット内の物理リソースである。リソースグリッド内の最小時間−周波数単位は、リソース要素(RE)として示されてもよい。リソースグリッドの各列および各行は、それぞれ、1つのOFDMシンボルおよび1つのOFDMサブキャリアに対応することができる。リソースグリッドは、リソース要素および物理RB(PRB)への物理チャネルのマッピングを記述するリソースブロック(RB)を含むことができる。PRBは、現在の3GPP規格においてUEに割り当てられることができる最小単位のリソースであり得る。リソースブロックは、周波数が180kHz、時間が1スロット長であり得る。周波数において、リソースブロックは、12×15kHzサブキャリアまたは24×7.5kHzサブキャリアのいずれかであってもよい。ほとんどのチャネルおよび信号について、システム帯域幅に依存して、リソースブロックごとに12個のサブキャリアを使用することができる。時間領域におけるリソースグリッドの持続時間は、1つのサブフレームまたは2つのリソースブロックに対応する。各リソースグリッドは、通常サイクリックプレフィックス(CP)の場合、12(サブキャリア)×14(シンボル)=168個のリソース要素を含むことができる。このようなリソースブロックを使用して、いくつかの異なる物理チャネルを伝達することができる。
【0027】
図2は、いくつかの実施形態による無線装置を示す機能図である。この装置は、例えば、UEまたはeNBであってもよい。いくつかの実施形態では、eNBは固定された非モバイル装置であってもよい。3GPP装置200は、1つまたは複数のアンテナ201を使用して信号を送信および受信する物理層回路202を含むことができる。3GPP装置200はまた、無線媒体へのアクセスを制御する媒体アクセス制御層(MAC)回路204を含むことができる。3GPP装置200はまた、本明細書で説明する動作を実行するように構成された処理回路206およびメモリ208を含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のモバイル装置または他の装置は、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、無線通信機能を備えたラップトップまたはポータブルコンピュータ、ウェブタブレット、無線電話、スマートフォン、無線ヘッドセット、ページャ、インスタントメッセージング装置、デジタルカメラ、アクセスポイント、テレビ、医療装置(例えば、心拍数モニタ、血圧モニタなど)、またはその他の無線で情報を受信および/または送信することができる装置などのポータブル無線通信装置の一部であってもよい。いくつかの実施形態では、モバイル装置または他の装置は、3GPP規格に従って動作するように構成されたUE102またはeNB104であってもよい。いくつかの実施形態では、モバイル装置または他の装置は、IEEE 802.11または他のIEEE規格を含む他のプロトコルまたは規格に従って動作するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、モバイル装置または他の装置は、キーボード、ディスプレイ、不揮発性メモリポート、複数のアンテナ、グラフィックスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、スピーカ、および他のモバイル装置要素のうちの1つまたは複数を含むことができる。ディスプレイは、タッチスクリーンを含むLCDスクリーンであってもよい。
【0029】
アンテナ201は、1またはそれ以上の指向性または無指向性のアンテナであってもよい。これには、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、その他のRF信号の送信に適したタイプのアンテナが含まれる。いくつかの多入力多出力(MIMO)の実施形態では、アンテナ201は、空間ダイバーシティおよび結果として生じる可能性のある異なるチャネル特性を利用するように、効果的に分離されてもよい。
【0030】
分離した複数の機能要素を有する3GPP装置200を図示したが、これらの機能要素は、結合してもよいし、デジタル信号プロセッサ(DSP)を含む処理要素などのソフトウェアに基づき動作する要素(software−configured elements)やその他のハードウェア要素の組み合わせで実施してもよい。例えば、機能要素は、マイクロプロセッサ、DSP、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途用IC(ASIC)、無線周波数IC(RFIC)、または少なくともここに説明する機能を実行する、様々なハードウェアと論理回路の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、機能要素は、1つまたは複数の処理要素で動作する1つまたは複数のプロセスを指してもよい。
【0031】
実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの1つまたはその組合せで実施することができる。実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体に格納された命令として実施することもできる。少なくとも1つのプロセッサがこの命令を読み出し、実行して、ここに説明した動作を実行する。コンピュータ可読記憶媒体には、機械(例えば、コンピュータ)による読み取りが可能な形式で情報を記憶するいかなる非一時的メカニズムも含まれる。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ装置、その他の記憶装置及び媒体が含まれ得る。いくつかの実施形態は、1つまたは複数のプロセッサを含み、コンピュータ可読記憶装置に格納された命令で構成されてもよい。
【0032】
「機械可読媒体」という用語は、1つまたは複数の命令を格納するように構成された単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むことができる。用語「機械可読媒体」は、3GPP装置200による実行のための命令を格納、エンコード、または搬送することができ、かつ本開示の技術のうちの任意の1つまたは複数を実行させ、またはそのような命令によって使用されるか、またはそれに関連するデータ構造を格納、符号化または搬送することができる任意の媒体を含んでもよい。用語「伝送媒体」は、実行する命令を格納、エンコードまたは搬送することができる任意の無形媒体を含むとみなされ、そのようなソフトウェアの通信を可能にするデジタルまたはアナログの通信信号またはその他の無形媒体を含む。
【0033】
上記のように、eNB(本明細書ではセルとも呼ばれる)間の負荷分散は、現代の生活のすべての局面で利用されるUEの増加に伴って、ますます重要になってきている。負荷分散の1つの欠点は、多数のUEがアイドルモードから接続モードにすべて移行することに伴うものである。RRCアイドルモードでは、UEとネットワークとの間にRRC接続が確立されておらず、したがって、UEとeNBとの間でデータが通信されない可能性がある。UEは、例えば所定時間アイドル状態であった後、RRCアイドルモードに入ることを決定することがある。RRCアイドルモードでは、UEは、アイドルモードで隣接セル測定、セル(再)選択を実行し、システム情報を取得することができる。RRC接続モードでは、UEは、例えば、他のUEと(直接またはネットワークを介して)通信する以外に、ページングチャネルおよび/またはSIBタイプ1コンテンツを監視して、システム情報の変更及び地震津波警報システム(ETWS)通知を受信し、共用データチャネルに関連する制御チャネルを監視して、データがUEに対してスケジューリングされているかどうかを判定し、チャネル品質およびフィードバック情報を提供し、ハンドオーバーのための隣接セル測定および測定報告を実行してもよい。RRC接続モード(RRC Connected mode)は、1つまたは複数の状態を有することができる。例えば、UMTSの実施形態では、UEは、セルページングチャネル(CELL PCH)状態、ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)登録領域(URA)ページングチャネル(URA PCH)状態、またはフォワードアクセスチャネル(CELL FACH)状態を含む複数の状態のうち1つであり得る。
【0034】
UEが、例えば、ユーザによって起動されるか、サービングeNBによってページングされることによって、RRCアイドルモードからRRC接続モードに入ることを決定すると、ユーザデータがUEとeNBとの間で送信される前に、一連の制御メッセージがUEとeNBとの間で交換され得る。LTEシステムの場合、非アクセス層(NAS)メッセージ(RRC接続要求)を使用して、RRC接続プロセスを開始することができる。eNBは、RRC接続セットアップメッセージをUEに応答することができる。その後、UEは、RRC Connection Setup CompleteをeNBに送信することができる。UMTSの場合、RRC接続プロセスは、UEとeNBとの間のさらなる制御通信を含む。
【0035】
したがって、RRCアイドルモードからRRC接続モードへのUEの移行の間に、少なくない量の制御オーバヘッドが関与する。3GPP技術仕様書36.304で規定された再選択基準が満たされたときに、セル再選択のためにUEがRRCアイドルモードからRRC接続モードに移行したときに、eNB(または他のセル)間のUEのハンドオーバーが発生すると、制御メッセージングの量はさらに増加し得る。
【0036】
上に示したように、再選択プロセスは、いくつかのセルを含んでもよく、セルは、現在サービスを提供しているのか低負荷(under−loaded)であるかに関わらず、任意のタイプでよい。例えば、セルは、大きい(マクロ)eNBおよび小型(例えば、ミニ、マイクロ、ナノ)eNBを含むことができる。セルはまた、UEとeNBとの間の通信のために、異なる周波数または周波数帯域に関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークは、セルに使用されるセルおよび/または周波数に優先度を割り当てることができる。重なり合う地理的位置にあるセルには、同じまたは異なる周波数(または周波数範囲)を割り当てることができる。例えば、マクロセル内の小型セルは、同じ周波数を使用して通信することができる。いくつかの実施形態では、同様のサイズのセルは、地理的に(基本的に重複して、例えば、重複しない部分は約5%以下で)整列していてもよく、部分的に整列するようにオフセットされてもよい。
【0037】
別の例では、異なるアンダーロードされた小型セルは、異なる周波数に関連付けられ得る。アンダーロードされた小型セルの1つが過負荷のマクロセルと重なり、第1の周波数で動作する上記の例に加えて、過負荷の小型セルは、別のアンダーロードされたマクロセルと同じだが第1の周波数とは異なる周波数(第2の周波数)で動作してもよい。第2の周波数が第1の周波数よりも優先されると仮定すると、第3の周波数で動作する別の過負荷セルから再選択するいくつかのUEは、第1の、より低い優先度の周波数に関連するアンダーロードの小型セルではなく、第2のより高い優先度の周波数に関連する過負荷小型セルを再選択し得る。これは、アンダーロードされた小型セルの不十分な利用につながる可能性がある。
【0038】
さらに、コンサートまたはスポーツイベントの終了時のように、多数のUEがRRCアイドルモードからRRC接続モードに比較的少ない時間内に移行する環境では、UEがアイドルである時の優先度付けされた周波数の使用により、UEは同じ周波数層に留まる傾向があり、したがって同じセルに過負荷をかけることがある。これは、小型セルの部分的な位置合わせによって、または1つの小型セルが低周波数にあるときに生じることがあり、その結果、異なる信号品質がもたらされる。
【0039】
上記の例が示すように、再選択プロセスの間、UEを複数のセルまたは周波数にわたって均一に分散させることが望ましい。始めに、図3Aおよび図3Bは、いくつかの実施形態によるセルおよび関連する負荷の例を示す。図3Aは、過負荷セル302、304、306と、アンダーロード(under−loaded)セル316、318を含む。セル302,304,306,316,318のそれぞれは、eNB312,314を含むことができる。いくつかの実施形態では、小型セルのeNB314は、eNB312と比較して、より限定された機能性を有することができるアクセスポイントまたはその他の集中コントローラであってもよい。セル302,304,306,316,318は、マクロセル(セルD304、セルE306)及び小型セル(セルA302、B316、C318)を含み得る。
【0040】
セル302,304,306,316,318は、異なる周波数で動作することもできる。例えば、セルE306は周波数1で動作し、セルC318およびD304は周波数2で動作し、小型セルA302およびB316は周波数3で動作することができる。周波数2で動作する小型セルC318は、同じ周波数で動作するマクロセルD 304と地理的に重なり合い得る。周波数3で動作する小型セルA302およびB316は、マクロセルD304と地理的に重なり合ってもよく、互いに重なり合うことを避けても(または部分的に重なり合っても)よい。
【0041】
UE310はセルE306に所属し、マクロセルD304と地理的に重なり合ってもよい。さらに、UE1は、小型セルA302およびC318と地理的に重なり合ってもよく、UE2は、小型セルB316と地理的に重なり合ってもよい。他のUEは、セル302,304,306,316,318のうちの他のUEに所属してもよいが、便宜上示されていない。セルE306内のUE310は、RRCアイドルモードまたはRRC接続モードであってもよい。図示されているように、セルA302、D304、およびE306は過負荷状態にあり、小型セルB316およびC318はアンダーロード状態にあり得る。したがって、アンダーロード状態のセルは、地理的にも周波数的にも重なり合わない小型セルであり得る。
【0042】
同様に、図3Bは、アンダーロード状態のセルが様々なレベルの負荷を含む実施形態を示す。具体的には、図示されているように、セル322,324,326,328,336は、アンダーロード状態のセル322,324と、負荷が増加しているセル326,328,336とを含むことができる。セル322,324,326,328,336のそれぞれは、eNB332またはアクセスポイント334または他の中央通信コーディネータを含むことができる。セル322,324,326,328,336は、マクロセル(セルD328、セルE326)、および小型セル(セルA322、B336、C324)を含むことができる。
【0043】
セル322,324,326,328,336は、異なる周波数で動作することもできる。例えば、セルE326は周波数1で動作し、セルC324およびD338は周波数2で動作し、セルA322およびB336は周波数3で動作することができる。周波数2で動作する小型セルC324は、同じ周波数で動作するマクロセルD 328と地理的に重なり合い得る。周波数3で動作する小型セルA322およびB336は、(図示されているように)互いに重なり合うことを避けても、部分的に重なり合ってもよい。
【0044】
上記の通り、UE330はセルE326に所属し、セルD328と地理的に重なり合ってもよい。UE330はすべて、(例えば、コンサートまたはスポーツ会場にある)小型セルA322およびC324と地理的に重なり合ってもよい。他のUEは、セル322,324,326,328,336のうちの他のUEに所属してもよいが、便宜上示されていない。セルE326内のUE330は、RRCアイドルモードまたはRRC接続モードにあってもよい。
【0045】
図3Aおよび図3Bに示すように、UE310,330のうちの1つまたは複数がアンダーロード状態のセルを使用することが望ましい場合がある。UEがRRC接続モードにある場合、UEまたはeNBは、UEのハンドオーバーをトリガーすることができる。しかし、RRCアイドルモードでは、ハンドオーバーは利用できない。RRCアイドルモードのUEは、サービングセルの、信号対干渉雑音比(SINR)、基準信号受信電力(RSRP)および/または基準信号受信品質(RSRQ)を測定することができる。SINR/RSRP/RSRQが不良または検出不能である場合、UEは別のセルを探索することができる。SINR/RSRP/RSRQが測定可能である場合、UEはセル再選択基準を使用して、再選択を実行するか否かを決定することができる。
【0046】
SINR/RSRP/RSRQが合理的であっても、UEがRRC接続モードに入り、サービングセルの過負荷のためにハンドオーバーされるときに、アイドルモードUEが、現在のサービングセルから、アンダーロード状態のセルに再選択して、遅延およびシグナリングオーバーヘッドを最小限に抑えることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、再選択優先度ルールは、システム情報ブロードキャスト(SIB)を使用してイネーブルされてもよい。特に、eNBは、SIBにおいてcellReselectionPriorityをブロードキャストしてもよい。これは、各周波数の絶対的な優先度を指定するものである。SIBを受信したことに応答して、UEは、最小信号要件が満たされている場合、現在のサービングセルによって使用される周波数より高い周波数優先度を有するセルを測定して再選択することができる。いくつかの実施形態では、再選択優先度ルールは、UEがRRC接続モードにあり、RRCアイドルモードで使用されるときに構成される専用優先度リストを使用することができる。このような実施形態では、ローディング状況が変化した場合、またはUEが、再選択基準が満たされないために、専用プライオリティではない周波数の別のセルを再選択する場合、eNBは、UE内の専用優先度を変更することができる前に、UEが次にRRC接続モードに入るまで待ち得る。いくつかの実施形態では、再選択優先度ルールは、eNBがセル固有のオフセットでUEを設定することを含み、これにより、1つまたは複数のセルが他のセルより優先される。セル固有の優先度リストを使用すると、セルエッジUEのチャネル品質が悪くなる可能性がある。いくつかの実施形態では、再選択優先度ルールは、UEが接続モードにあるときに、eNBが負荷分散を実行することから生じ得る。しかしながら、これは遅延を生じ、ハンドオーバー失敗の可能性を増加させる可能性がある。
【0047】
再選択処理をより容易にするために、再選択中にセル固有優先度確率(CSPP)を追加することができる。図4は、いくつかの実施形態によるセル再選択を示すフローチャートである。動作402において、RRC接続モードのUEは、RRCアイドルモードに入ることができる。
【0048】
動作404において、UEは、RRCアイドルモードにある間に、セル再選択が適切であるかどうかを判定することができる。UEは、それが所属している現在のeNB(またはコントローラ)のSINR/RSRP/RSRQを測定してもよく、他のeNBまたはコントローラのSINR/RSRP/RSRQも測定してもよい。SINR/RSRP/RSRQ測定に基づいて、UEは、所定のセル再選択基準のセットを使用して、セル再選択を実行するか否かを決定することができる。セル再選択優先度のような少なくともいくつかのセル再選択基準は、RRCアイドルモードに入る前にUEに提供されてもよく、またはシステムブロードキャスト情報を介してUEに提供されてもよい(または更新されてもよい)。
【0049】
セル再選択が望ましいと決定したことに応じて、UEは、動作406でどのセルを再選択するか決定することができる。この決定を行うために、UEは、サービングeNBによって提供され、UEによって受信されるセル固有の優先度リストおよびセル再選択確率を使用することができる。いくつかの実施形態では、eNBは、この情報をシステム情報ブロードキャストの一部としてブロードキャストすることができる。
【0050】
セル固有の優先度リストは、1つまたは複数の優先度を有する1つまたは複数のセルを含むことができる。優先度は、セルタイプ、現在の負荷、予測される負荷およびチャネル状態の任意の組み合わせに基づくことができる。いくつかの実施形態では、複数のセルが同じ優先度を有することがある。したがって、いくつかの実施形態では、すべてのセルが同じ優先度を有することができる。他の実施形態では、1つまたは複数のセルが同じ優先度を有することができ、一方他のセルは少なくとも1つの異なる優先度を有することができる。いくつかの実施形態では、UEは、同じ優先度を有するセルの中からセルをランダムに選択してもよい。いくつかの実施形態では、eNBは、限定数の優先度を割り当てるにあたり、条件の1つまたは組合せを有するセルが、所定の範囲(例えば、5〜10%の負荷、10〜15%dB干渉内のチャネル状態)内にあるように、同じ優先度を割り当ててもよい。例えば、負荷率30%のセルは、10未満の優先度が割り当てられるとき、同じタイプの負荷率38%のセルと同じ優先度が割り当てられてもよい。
【0051】
次いで、UEは、セル再選択確率を使用して、UEがセル再選択を実行すべきか否かを決定することができる。いくつかの実施形態では、UEは、乱数を生成し、その乱数をセル再選択確率と比較して、UEがセル再選択を実行するかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態では、乱数がセル再選択確率よりも小さい場合、UEは現在の周波数でサービングセルに所属したままであり得る。そうでなければ、UEは、セル固有の優先度リストに基づいてセル再選択を実行することができる。いくつかの実施形態では、UEは、乱数がセル再選択確率よりも大きいとの決定に応じて、サービングセル(serving cell)に所属したままであってもよい。いくつかの実施形態では、乱数とセル再選択確率との間の比較は、同じ優先度を有するセル間のランダム選択に先立ってUEによって実行され、それによってUEによって使用される処理量が低減されてもよい。
【0052】
UEは、例えば処理回路中に、1つまたは複数のタイマーを備えて、UEが、いつ負荷分散情報に関連するシステム情報をチェックし、負荷分散を実行して電力消費を低減するか、制御するように構成され得る。この場合、タイマーの1つは、直前のセル再選択手順(UEが再選択するかどうか)における初期値からインクリメントして、UEがシステム情報を読み取り、初期値をリセットする所定値に達し得る。UEは少なくともそれらの間のセル再選択に関連するシステム情報を読み取ることを控える。いくつかの実施形態では、セル再選択確率および/またはセル固有優先度リストは、eNBによって定期的に更新されてもよく、その一方または両方がシステムブロードキャスト間で変更されてもよい。更新は、利用可能な異なるセルの負荷に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、セル再選択確率および/またはセル固有優先度リストは、予測アルゴリズムを使用して決定されて、現在のセル負荷を使用して次の更新に先立って様々なセルに対する予測負荷を決定する。予測アルゴリズムは、例えば、(隣接eNBの1つまたは複数からの)特定のセルに切り替える可能性のあるUEの数および/または特定のセルの負荷が、全UEに対するシステムブロードキャスト間で変わったかを考慮してもよい。
【0053】
選択されたeNBで優先度を生成するために使用される少なくともいくつかの情報は、選択されたeNBによって送信される各更新の前に、例えばX2インターフェースを介して、隣接eNBとの通信から得ることができる。いくつかの実施形態では、UEがRRCアイドルモードに入る前に、UEがRRC接続モードにあるときに、セル再選択確率および/またはセル固有優先度リストを最初に上位レイヤシグナリングを通じて送信することができる。例えば、セル再選択確率は、セル固有優先度リストとは別個に送信されてもよく、例えば、UEがRRC接続モードであるときにセル再選択確率が送信され、UEがRRCアイドルモードであるときにセル固有優先度リストが送信されてもよい。いくつかの実施形態では、eNBが特定のUEをページングして、そのUEがRRC接続モードに入る場合、eNBは、その時点でそのUEのセル再選択確率および/またはセル固有優先度リストを更新することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、eNBは、すべてのセルを含むセル固有優先度リストをブロードキャストすることができる。いくつかの実施形態では、eNBは、セル負荷閾値以下であるセルのみを含むセル固有優先度リストをブロードキャストすることができる。いくつかの実施形態では、各セルは、隣接するセルの負荷とは無関係な最大負荷閾値を有することができる。最大負荷閾値は、各セルについて同じであってもよく、各タイプのセル(例えば、マクロ、マイクロ)について同じであってもよく、または互いに完全に独立していてもよい。この場合、eNBは、セル負荷が最大負荷閾値未満のセルのみを含むセル固有優先度リストをブロードキャストしてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、セル固有優先度リストは、負荷がサービングセルの負荷よりも小さいセルのみを含んでいてもよく、他の実施形態では、セル固有優先度リストは、負荷が最大負荷しきい値(例えば、特定のセルの完全負荷のパーセンテージ)より小さいセルのみを含んでいてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、各セルは、負荷の差分が隣接セルの負荷に関連する最小負荷差分閾値を有し得る。最小負荷差分閾値は、サービングセルの負荷と比較した各セルの負荷の相対的な%差分であってもよい。最小負荷差分閾値は、各セルについて同一であるパーセンテージであってもよく、同じタイプの各セル(例えば、マクロ、マイクロ)について同一であってもよく、各セルに対して完全に独立であってもよい。この場合、eNBは、相対的なセル負荷が最小負荷差分閾値よりも大きいセルのみを含む、セル固有の優先度リストをブロードキャストすることができる。例えば、サービングセルが75%のセル負荷を有し、第1の隣接セルが25%のセル負荷を有する場合、差分は50%であり、したがって、最小負荷差分閾値が50%より小さいとき、第1の隣接セルが含まれてもよい。
【0056】
このように、多数のUEがあるとき、セル再選択確率程度のパーセンテージだけが、セル固有の優先度リストを使用してセル再選択を実行することができる。図3Aに示す例では、UEにサービスを提供するeNBは、過負荷セルA、DおよびEよりも低い負荷のセルBおよびCに対して周波数1で、より高い優先度をブロードキャストすることができる。再選択されるべきUEがほとんどないので、この場合、再選択確率は、すべてのUEがセル再選択を実行するように0に設定されてもよい。この場合、図3Aにおいて、周波数優先度が使用される場合、UE1はセルCを再選択し、UE2はセルDを再選択することができる。CSPPが使用される場合、UE1はセルCを再選択し、UE2は地理的に重なり合うセルBを再選択することができる。他の実施形態では、セルBおよびセルCの両方がUE1およびUE2にサービスを提供する場合、図3Bに示すように、UE1は、セルBおよびセルCの一方をランダムに再選択し、一方UE2は、セルBおよびセルCの他方をランダムに再選択することができる。いくつかの実施形態では、ランダム割り当ては、等しい確率を有する特定のセルに向けてさらに歪められ得る。例えば、歪みは、特定のセルが割り当てられたら、UEに第2の乱数を生成させ、所定の第2の基準(例えば、第2の数未満である)を満たさせ、第2の乱数が所定の第2の基準を満たさない場合には、UEに再びランダムにセルを再選択させることによって達成されてもよい。
【0057】
図3Bに示す例では、多数のUEがサービングセルEによってサービスされているが、UEにサービスを提供するeNBは、各セルXの優先度(Px)を周波数1でブロードキャストすることができ、PA=PC>PE>PD>PBであり、異なるセルの負荷レベルを反映している。いくつかの実施形態では、UEは、サービングセルの負荷よりも小さい負荷(したがって、サービングセルよりも高い優先度)を有するセルのみを再選択するように制限されてもよい。再選択確率は0.8に設定されてもよく、すなわち、UEの80%がセル再選択を実行すると予想され、UEの20%がセルEに残ってもよい。セル再選択を実行するUEの80%のうち、UEは、セルEの負荷よりも小さい負荷を有するセルのみを再選択するように制限される場合、セルAまたはセルCのみを再選択してもよい。したがって、セルがランダムに選択される場合、再選択後、UEの20%がセルEに残り、UEの40%がセルAを再選択し、UEの40%がセルCを再選択してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、UEは、各eNBの優先度に比例して、eNBのリスト内のeNBの中からランダムに選択することができる。例えば、再選択を実行するUEのうち、PA=PC=10、PE=4、PD=1およびPB=0(すなわち、セルBのみが過負荷)である場合、UEの40%はセルAを再選択し、UEの40%がセルCを再選択し、UEのうちの16%がセルEを再選択し、4%のUEがセルDを再選択することができる。この場合、いくつかの実施形態では、UEのリスト内の各eNBの優先度は、再選択後のeNBの負荷を考慮に入れることができる。したがって、サービングeNBは、各eNBの初期優先度を決定し、サービングeNBによってサービスされるUEによる潜在的な再選択後のeNBの負荷に基づいて、各eNBの優先度を修正することができる。eNBのリスト内の各eNBの更新された優先度は、このプロセスの1回以上の反復後にUEに送信されてもよい。
【0059】
再選択の後、UEは、それがRRC接続モードに入るべきかどうかを動作408で決定することができる。UEは、UEによって開始された、又はUEまたはネットワークのいずれかによりトリガーされたRRC接続確立手順に応じてRRC接続モードに入るべきであると決定してもよい。例えば、UEは、UE上のアプリケーションを開始するか、または新しいトラッキングエリアに移動し、トラッキングエリア更新シグナリング手順を完了するのに応答して、RRC接続確立をトリガーすることができる。ネットワークは、UEに対するシステム更新または着信データを示すページングメッセージをUEに送信することによって、RRC接続確立手順をトリガーすることができる。
【0060】
UEは、RRCアイドルモードに留まると決定した場合、動作404に戻ることができる。さもなければ、UEは動作410でRRC接続モードに入ることができる。UEは、音声またはビデオデータなどのデータを、他のUEとサービングeNBを介して、または装置間(D2D)通信を介して直接、通信することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、UEはシステム情報を受信し、隣接セルの少なくとも1つの優先度がサービングセルの優先度より高いセル優先度を有するか否かを識別する。セル優先度の方が高い場合、UEは、より高い方の優先度のセルの信号がセル再選択基準を満たすか否かを決定することができる。より高い方の優先度のセルの信号がセル再選択基準を満たす場合、UEはそのセルを再選択することができる。より高い優先度のセルの信号がセル再選択基準を満たさない場合、UEは、2番目に高い優先度のセルが存在するか否かを決定し、その2番目に高い優先度のセルからの信号がセル再選択基準を満たすか否かを決定する。これは、セル再選択基準が、サービングセルの優先度よりも高いセル優先度を有する1つまたは複数のセルによって満たされるまで続き得る。次いで、UEは、サービングセルの優先度よりも高いセル優先度を有し、セル再選択基準を満たすセルのうちの1つを再選択することができる。UEは、サービングセルの優先度よりも高いセル優先度を有し、再選択基準を満たすセルが存在しないと判断した場合、再選択の実行を控えることができる。
【0062】
性能評価のために異なるシナリオのシミュレーションを行った。図5A乃至図5Iは、いくつかの実施形態による異なるセル再選択技術のシミュレーションを示す図である。第1のシナリオでは、図5Aに示すが、マクロセル510および小型セル520は、異なる周波数で展開され、マクロセル510が周波数0および1に展開され(deployed in and aligned between)、小型セル520が各マクロセル内にランダムに周波数1に配置された。第1のシナリオの結果は、以下に説明するが、図5Bおよび図5Cに示されている。第2のシナリオは、図5Dに示したが、小型セルが各マクロセルにおいて無作為にではなく周波数2で展開されることを除いて、第1のシナリオと同様であった。第2のシナリオの結果は、図5Eおよび図5Fに示した。第3のシナリオは、図5Gに示すが、マクロセルが異なる周波数だけお互いにオフセットされることを除いて、第1のシナリオと同様であった。多数のUEが周波数0でマクロセルに導入された(小型セルはない)。第3のシナリオの結果は、図5Hおよび図5Iに示されている。各シナリオでは、ソースeNBがシステム情報ブロック(SIB)で優先度をブロードキャストする。UEは、SIBを読み、それに従ってセル再選択を実行する。各UEは、測定を実行し、より高い優先度のセル/周波数がセル再選択基準を満たす場合にのみ、より高い優先度のセル/周波数を再選択した。負荷分散方式は、周波数優先度、セル固有優先度、確率付き周波数優先度、セル固有優先度確率、およびセル負荷閾値を伴うセル固有優先度確率を使用する(eNBは、セル負荷が所定閾値未満である場合、セル固有優先度でセルをブロードキャストするだけである)。
【0063】
図5B、5Eおよび5Hに示すように、異なるeNB間のUE数の分散の累積分布関数(CDF)をすべてのシナリオについて調べた。分散が小さいほど、UEはより良好に分散される。周波数優先度(FP)は最悪となったが、セル固有優先度(CSP)と周波数優先度確率(FPP)の両方が分布を大幅に改善することが分かった。セル固有優先度確率(CSPP−T1)は、異なるセルにまたがってUEを分配させる点で最良の性能を発揮することが分かった。
【0064】
UEのオーバヘッドおよび電力消費を増加させる1つのUE当たりのセル変化の数も調べられ、その結果を図5C、5Fおよび5Iに示した。FPおよびCSPは、比較的多くのセル変化を有することが分かったが、FPPおよびCSPPは比較的少ないセル変化を有することが分かった。シミュレーションでは、(マクロセルサイズに比べて)ゆっくりかつ高いモビリティのUEが調べられ、その結果は同様であった。
【0065】
本開示の様々な例を以下に示す。これらの実施例は、本明細書における開示を決して限定することを意図するものではない。例1において、ユーザ機器(UE)は、処理回路を有し、該処理回路は、UEが所属する前記サービングeNodeB(eNB)からセル固有優先度リストおよびセル再選択確率を受信するように前記送受信器を構成し、前記セル固有優先度リストは前記サービングeNBの隣接eNBのリストを含み、前記リスト内の各eNBは前記eNBの負荷に少なくとも部分的に基づく関連優先度を有し、前記セル再選択確率は前記UEがeNBリスト内のeNBのうちの1つを再選択する確率を示し、前記UEが再選択すべきであるという決定に応じて、前記セル固有優先度リストおよび前記セル再選択確率に基づいて、eNBリスト内の選択されたeNBを再選択し、前記選択されたeNBの再選択後に、前記選択されたeNBと通信するように前記送受信器を設定するように構成され得る。
【0066】
例2において、例1の主題は任意的に、前記処理回路は、さらに、再選択するか否かの決定に先立って無線リソース制御(RRC)アイドルモードに入るように前記UEを設定し、選択されたeNBと通信する前にRRCアイドルモードを終了し、RRC接続モードに入るように前記UEを設定するように構成され得る。
【0067】
例3において、例1−2のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、前記送受信器が前記eNBからセル固有優先度リストおよびセル再選択確率を受信する前に、RRCアイドルモードに入るように前記UEを設定するように構成され得る。
【0068】
例4において、例1−3のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、隣接eNBのリストは、前記サービングeNBよりも高い優先度を有するeNBのリストに限定され得る。
【0069】
例5において、例1−4のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、隣接eNBのリストはさらに、最も高い優先度を有するeNBのリストに限定され得る。
【0070】
例6において、例1−5のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、各eNBの優先度に比例したeNBのリスト内のeNBの中から選択するように構成され得る。
【0071】
例7において、例1−6のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、優先度がeNBリスト内のeNBの中で最高の優先度である場合、同じ優先度を有するeNBのリスト内のeNBの中からランダムに選択するように構成され得る。
【0072】
例8において、例1−7のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、隣接eNBのリストは、サービングeNBの負荷よりも小さい負荷を有するeNBのリストに限定され、前記UEは、サービングeNBの負荷よりも大きい負荷を有する隣接eNBを再選択できないように制限され得る。
【0073】
例9において、例1−8のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、隣接eNBのリストは、サービングeNBが動作する周波数とは異なる少なくとも1つの周波数で動作するマクロセルおよび小型セルを含むように構成され得る。
【0074】
例10において、例1−9のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、システム情報ブロードキャスト(SIB)を介して前記eNBからセル固有優先度リストおよびセル再選択確率を受信するように前記送受信器を設定するように構成され得る。
【0075】
例11において、例1−10のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、サービングeNBの信号対干渉雑音比(SINR)、基準信号受信電力(RSRP)および基準信号受信品質(RSRQ)のうちの少なくとも1つを測定し、RSRPおよびRSRQの少なくとも1つを所定のセル再選択基準のセットと比較して、再選択を実行するか否か決定するように構成され得る。
【0076】
例12において、例1−11のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、無線リソース制御(RRC)アイドルモードに入る前に、所定のセル再選択基準のセットを受信するように前記送受信器を設定するように構成され得る。
【0077】
例13において、例1−12のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、無線リソース制御(RRC)アイドルモードに入った後に、システムブロードキャスト情報を介して所定のセル再選択基準のセットを受信するように前記送受信器を設定するように構成され得る。
【0078】
例14において、例1−13のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、乱数を生成し、その乱数をセル再選択確率と比較して、再選択を実行するか否かを決定するように構成され得る。
【0079】
例15において、例1−14のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路は、さらに、直前のセル再選択時に初期値からインクリメントするようにタイマーを設定し、前記タイマーが所定値に達するのに応答して、セル再選択に関連するシステム情報を読み取るように前記送受信器を設定し、システム情報が読み込まれた後に初期値にリセットするように前記タイマーを設定し、前記タイマーが前記所定値に達する前に、システム情報を読み込まないように前記送受信器を設定するように構成され得る。
【0080】
例16において、例1−15のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記送受信器と前記eNBとの間で通信を送受信するように構成されたアンテナを含み得る。
【0081】
例17において、eNBの装置は、処理回路を有し、前記処理回路は、セル再選択情報を前記eNBに所属する複数のUEの各々に送信するように前記送受信器を設定するように構成され、UEに送信されるセル再選択情報は、前記eNBの隣接eNBのリストを含むセル固有優先度リストであって、リスト内の各eNBは、前記eNBの負荷に少なくとも部分的に基づいた関連する優先度を有する、セル固有優先度リストと、前記UEがeNBのリスト内のeNBのうちの1つを再選択する確率を示すセル再選択確率とのうち少なくとも1つを含み得る。
【0082】
例18において、例17の主題は任意的に、前記処理回路は、さらに、前記UEが無線リソース制御(RRC)アイドルモードにあるかどうかを判定し、前記UEがRRCアイドルモードにあると判定したことに応じて、セル再選択情報を前記UEに送信するように前記送受信器を構成され得る。
【0083】
例19において、例17−18のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、隣接eNBのリストは、前記eNBよりも高い優先度を有するeNBのリストに限定され、前記UEが、前記eNBの負荷よりも大きな負荷を有する隣接eNBを再選択できないように制限され得る。
【0084】
例20において、例17−19のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、セル再選択情報は、UEが同じ優先度を有するeNBのリスト内のeNBの中からランダムに選択することを可能にするように構成され得る。
【0085】
例21において、例17−20のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、隣接eNBのリストは、eNBの負荷よりも小さい負荷を有するeNBのリストに限定され、前記UEは、eNBの負荷よりも大きい負荷を有する隣接eNBを再選択できないように制限され得る。
【0086】
例22において、例17−21のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、隣接eNBのリストは、eNBが動作する周波数とは異なる少なくとも1つの周波数で動作するマクロセルおよび小型セルを含み得る。
【0087】
例23において、例17−22のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、システム情報ブロードキャスト(SIB)を介して前記eNBからセル再選択情報を送信するように前記送受信器を設定するように構成され得る。
【0088】
例24において、例17−23のうち1つ又は任意の組み合わせの主題において、任意的に、前記処理回路はさらに、所定のセル再選択基準のセットを前記UEに送信して前記UEが再選択を実行するか否かを決定できるようにするように前記送受信器を設定するように構成され得る。
【0089】
例25において、eNodeB(eNB)と通信するようUEを設定する、ユーザ機器(UE)の1つまたは複数のプロセッサにより実行される命令を格納する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つまたは複数のプロセッサは、前記UEを、前記UEが無線リソース制御(RRC)アイドルモードにある間に、前記UEが所属するサービングeNode B(eNB)からのシステム情報ブロードキャスト(SIB)において、前記サービングeNBの隣接eNBのリストを含むセル固有優先度リストであって、リスト内の各eNBは、前記eNBの負荷に少なくとも部分的に基づいた関連する優先度を有する、セル固有優先度リストと、前記UEがeNBのリスト内のeNBのうちの1つを再選択する確率を示すセル再選択確率とのうちの少なくとも1つを受信するように前記UEを設定し、前記UEがeNBのリスト内のeNBを再選択すべきかどうかを決定し、前記UEが再選択すべきであるという決定に応じて、前記セル固有優先度リストおよび前記セル再選択確率に基づいて、eNBリスト内の選択されたeNBを再選択するように設定し得る。
【0090】
例26において、実施例25の主題は任意的に、隣接eNBのリストは、前記サービングeNBよりも高い優先度と前記サービングeNBの負荷よりも少ない負荷との少なくとも一方を有するeNBのリストに限定され、及び/又は前記命令はさらに、前記1つまたは複数のプロセッサを、優先度がeNBリスト内のeNBの中で最高の優先度である場合、同じ優先度を有するeNBのリスト内のeNBの中からランダムに選択し、乱数を生成し、その乱数をセル再選択確率と比較して、再選択を実行するか否かを決定し得る。
【0091】
具体的な例示的な実施形態を参照して実施形態を説明したが、言うまでもなく、本開示のより広い精神および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正および変更を行うことができる。それゆえ、明細書と図面は例示であって限定ではないと考えるべきである。本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示するものであり、限定するものではない。例示したこれらの実施形態は、本技術分野の当業者が、本明細書に開示の教示を実施できるように十分詳しく説明されている。他の実施形態を利用したりそれらから導き出たり、本開示の範囲から逸脱することなく、構成的かつ論理的な代替や変更を行うこともできる。したがって、この詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が与えられる均等物の全範囲とによってのみ規定される。
【0092】
本明細書では、本発明主題の実施形態を個別的及び/又は集合的に「発明」と呼ぶが、これは便宜的なものであり、本願の範囲をどれか1つの発明や発明概念に自発的に限定することを意図したものではない。よって、ここでは具体的な実施形態を例示して説明したが、言うまでもなく、同じ目的を達成するものと考えられる任意の構成で、説明した実施形態に置き換えてもよい。本開示は、様々な実施形態の任意かつすべての適応又はバリエーションをカバーするものであることを意図している。本技術分野の当業者には、上記の説明を読めば、上記の実施形態及びここでは具体的に説明していないその他の実施形態の組み合わせが明らかである。
【0093】
本明細書では、用語「a」または「an」が使用される。特許文書で一般的であるが、これらは、1つまたは複数を含み、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」の場合または用途とは独立である。本明細書において、「または」という用語は、特に断らない限り、「AまたはB」は「Aであるが、Bではない」、「Bであるが、Aではない」、および「AおよびBである」場合を含む非排他的な場合を指す。本出願書類において、添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「において(in which)」との用語は、それぞれ「comprising」及び「wherein」という用語のプレインイングリッシュの同意語として用いられている。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「含む(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、その用語の後に列挙された要素に加えて要素を含むシステム、UE、物品、組成物、クレームは依然としてそのクレームの範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「first」、「second」、「third」などの用語は、単にラベルとして用いられており、その対象に数字的な要件を課すことを意図していない。
【0094】
要約は、読者にこの技術的開示の本質を素早く理解してもらうことを要求する37C.F.R.§1.72(b)に準拠して設けられたものである。請求項の範囲や意味を解釈したり限定したりするためには使用されないとの理解に基づき提出するものである。また、上記の詳細な説明では、開示を簡明にする目的で、いろいろな特徴を1つの実施形態としてグループ化したことが分かる。この開示方法を、請求項に記載した実施形態が各請求項で明示的に記載した以上の特徴を要求することを反映していると解釈してはならない。さらに、以下の請求項が反映しているように、発明の主題は上記開示した1つの実施形態の一部特徴にある。よって、以下に記載する請求項は詳細な説明に組み込まれ、各請求項がそれぞれ別々の実施形態を構成する。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I