【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための一様態として、本発明は、発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む粘膜用抗インフルエンザウイルス組成物を提供する。
本発明において「人参」は、紅参を作るための処理をしていない人参をいう。前記人参は、公知の様々な人参を用いることができ、例えば、高麗人参(Panax ginseng)、花旗参(P. quinquefolius)、田七人参(P. notoginseng)、竹節人参(P. japonicus)、三葉人参(P. trifolium)、ヒマラヤ人参(P. pseudoginseng)、ベトナム人参(P. vietnamensis)があるが、これに限定されない。好ましくは、本発明の人参は、高麗人参又は田七人参である。
【0009】
また、本発明において「紅参」は、人参を精選して皮を剥かずに蒸して乾燥させた淡黄色又は淡赤褐色の人参をいう。
本発明の発酵人参又は発酵紅参の原料となる人参又は紅参は、自然採取したもの又は栽培したものを用いるか、又は、市販のものを用いてもよいが、これらに限定されない。
【0010】
また、前記発酵人参又は発酵紅参の原料となる人参又は紅参は、生薬だけでなく、粉末、抽出液、抽出液粉末、濃縮液、又は濃縮液粉末などの加工品を用いてもよい。
本発明の粘膜用抗インフルエンザウイルス組成物は、前記人参及び紅参を発酵させた発酵人参及び発酵紅参を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明において「発酵人参」は、人参を発酵して得られた物質を制限なく含み、「発酵紅参」は、紅参を発酵して得られた物質を制限なく含む。
本発明の前記発酵は、好ましくは、乳酸菌発酵及び酵素発酵の2次発酵工程により行われる。
したがって本発明の発酵人参又は発酵紅参は、好ましくは、それぞれ人参又は紅参を乳酸菌発酵及び酵素発酵する2次発酵工程により製造することができる。
【0012】
前記乳酸菌発酵及び酵素発酵は、同時に又は順次に行ってもよく、好ましくは、前記発酵は、乳酸菌発酵の後に酵素発酵を行う。
本発明の乳酸菌発酵に用いられる乳酸菌は、当業界に公知された様々な乳酸菌を含み、例えば、ラクトコッカス(Lactococcus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、リュ−コノストック(Leuconostoc)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、エンテロコッカス(Enterococcus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ストレプトコッカス(Streptococcus)及びペディオコッカス(Pediococcus)からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0013】
好ましくは、本発明の乳酸菌発酵に用いられる乳酸菌は、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ヘルベティクス(Lactobacillus helveticus)、リューコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファンチス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium brave)及びビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0014】
より好ましくは、本発明の乳酸菌発酵に用いられる乳酸菌は、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)M−2菌株(KCTC 11054 BP)及びリューコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)M−3菌株(KCTC 11055 BP)からなる群から選択されるものであり、最も好ましくは、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)M−2菌株(KCTC 11054 BP)及びリューコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)M−3菌株(KCTC 11055 BP)の組合せである。
【0015】
発酵に用いられる乳酸菌は、天然培地で液体培養した生菌を接種するか、又は凍結乾燥した乳酸菌粉末など、粉末化された菌株を用いてもよい。
乳酸菌の接種は、これに限定されないが、人参又は紅参の抽出液に直接行ってもよく、もしくは、人参又は紅参の根の切片又は粉末が浸漬された水に行ってもよい。
【0016】
前記発酵人参又は発酵紅参の乳酸菌発酵は、適正の温度及び時間で行う。好ましくは、25〜45℃、27〜45℃、29〜45℃、31〜45℃、33〜45℃、33〜43℃、又は33〜40℃の温度で行うことができる。また、好ましくは、1〜20日間、4〜20日間、4〜18日間、4〜16日間、4〜14日間、6〜14日間、8〜14日間、又は10〜14日間行うことができる。より好ましくは、33〜40℃の温度で10〜14日間行うことができる。
【0017】
本発明の具体的な一実施例において、人参又は紅参の粉末が浸漬された水に、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)M−2菌株(KCTC 11054 BP)及びリューコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)M−3菌株(KCTC 11055 BP)を、約0.5〜2重量%接種した後、25〜45℃で1〜20日間乳酸菌発酵を行った。
本発明の酵素発酵に用いられる酵素は、これに限定されないが、ペクチナーゼ(pectinase)、セルラーゼ(cellulase)、ヘミセルラーゼ(hemicellulase)、キシラナーゼ(Xylanase)、ペクトリアーゼ(pectolyase)、ペクチンエステラーゼ(pectinesterase)及びラミナリナーゼ(laminarinase)からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
好ましくは、前記発酵は、ペクチナーゼ、セルラーゼ及びヘミセルラーゼからなる群から選択される少なくとも一つであり、より好ましくは、ペクチナーゼ、セルラーゼ及びヘミセルラーゼの混合物であってもよい。
【0018】
具体的には、本発明は、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)M−2菌株(KCTC 11054 BP)及びリューコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)M−3菌株(KCTC 11055 BP)を用いて、人参又は紅参を乳酸菌発酵するステップ;及びペクチナーゼ、セルラーゼ及びヘミセルラーゼを用いて、酵素発酵するステップを含む、発酵人参又は発酵紅参の製造方法を提供する。
前記酵素発酵は、適性の温度及び時間で行う。好ましくは、40〜60℃、42〜60℃、44〜60℃、46〜60℃、46〜58℃、46〜56℃、又は47〜53℃の温度で行うことができる。また、好ましくは、10〜90時間、15〜90時間、20〜90時間、30〜90時間、40〜90時間、50〜90時間、60〜90時間、60〜85時間、60〜80時間、又は60〜75時間行うことができる。より好ましくは、47〜53℃の温度で60〜75時間行うことができる。
【0019】
好ましくは、本発明の発酵人参又は発酵紅参は、前記乳酸菌発酵及び酵素発酵の後、抽出工程により抽出物の形態で製造してもよい。
具体的には、本発明に係る乳酸菌発酵及び酵素発酵が完了した発酵人参又は発酵紅参を、水、アルコール又はこれらの混合溶媒で抽出し、ろ過して、抽出物を製造してもよい。前記抽出溶媒は、水、C1−4アルコール、又は、水とC1−4アルコールとの混合溶媒を用いてもよく、C1−4アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、及びイソプロパノールなどを用いてもよい。
好ましくは、発酵過程が完了した発酵人参又は発酵紅参をエタノールで抽出し、発酵人参エタノール抽出物又は発酵紅参エタノール抽出物を製造することができる。
【0020】
また、前記抽出物は、さらに噴霧乾燥して抽出物粉末を製造するか、又は抽出した後ろ過し、ろ液を濃縮して濃縮物を製造してもよく、前記濃縮物を再度噴霧乾燥して濃縮物粉末を製造してもよい。
したがって本発明の発酵人参は、人参生薬又はその粉末、抽出物、抽出物粉末、濃縮物、又は濃縮物粉末を、本発明に係る発酵、好ましくは、乳酸菌発酵及び酵素発酵して得られた発酵物そのもの、その抽出物、抽出物粉末、濃縮物、又は濃縮物粉末を制限なく含み、本発明の発酵紅参は、紅参生薬又はその粉末、抽出物、抽出物粉末、濃縮物、又は濃縮物粉末を、本発明に係る発酵、好ましくは、乳酸菌発酵及び酵素発酵して得られた発酵物そのもの、その抽出物、抽出物粉末、濃縮物、又は濃縮物粉末を制限なく含む。
好ましくは、本発明の前記発酵人参又は発酵紅参は、組成物中に0.1〜50w/v%の量で含まれる。
【0021】
本発明の前記乳酸菌発酵及び酵素発酵の2次発酵工程は、人参と紅参に含まれているジンセノサイドを生物変換(bioconversion)させる過程である。
具体的に、人参又は紅参からはジンセノサイドF1、ジンセノサイドF2、ジンセノサイドRh2、PPT(protopanaxatriol)、コンパウンドK(compound K)又はPPD(protopanaxadiol)といったジンセノサイドが検出されないが、驚くべきことに、人参又は紅参を乳酸菌発酵及び酵素発酵すると、前記ジンセノサイドF1、ジンセノサイドF2、ジンセノサイドRh2、PPT(protopanaxatriol)、コンパウンドK(compound K)及びPPD(protopanaxadiol)からなる群から選択される少なくとも一つのジンセノサイドが生成される。
具体的な実験例において、本発明に係る乳酸菌発酵及び酵素発酵を行った発酵紅参のジンセノサイド成分を分析した結果、ジンセノサイドF1、ジンセノサイドF2、ジンセノサイドRh2、PPT(protopanaxatriol)、コンパウンドK(compound K)及びPPD(protopanaxadiol)が検出されることが確認できた。
【0022】
本発明において、前記発酵人参又は発酵紅参は、0.05〜0.50mg/gのジンセノサイドF1を含む。好ましくは、0.10〜0.50mg/g、0.15〜0.50mg/g、0.20〜0.50mg/g、0.20〜0.45mg/g、0.20〜0.40mg/g、0.20〜0.35mg/g、又は0.20〜0.30mg/gのジンセノサイドF1を含んでもよい。
本発明において、前記発酵人参又は発酵紅参は、0.20〜0.80mg/gのジンセノサイドF2を含む。好ましくは、0.25〜0.80mg/g、0.30〜0.80mg/g、0.35〜0.80mg/g、0.40〜0.80mg/g、0.45〜0.80mg/g、0.45〜0.75mg/g、0.45〜0.70mg/g、又は0.45〜0.65mg/gのジンセノサイドF2を含んでもよい。
【0023】
また、本発明の前記発酵人参又は発酵紅参は、0.10〜1.10mg/gのPPTを含む。好ましくは、0.20〜1.10mg/g、0.30〜1.10mg/g、0.40〜1.10mg/g、0.50〜1.10mg/g、0.60〜1.10mg/g、0.70〜1.10mg/g、0.70〜1.05mg/g、0.70〜1.00mg/g、又は0.70〜0.95mg/gのPPTを含んでもよい。
また、本発明の前記発酵人参又は発酵紅参は、1.00〜8.00mg/gのコンパウンドKを含む。好ましくは、1.50〜8.00mg/g、2.00〜8.00mg/g、3.00〜8.00mg/g、3.00〜7.00mg/g、3.00〜6.00mg/g、又は3.00〜5.00mg/gのコンパウンドKを含んでもよい。
【0024】
また、本発明の前記発酵人参又は発酵紅参は、0.10〜3.00mg/gのジンセノサイドRh2を含む。好ましくは、0.30〜3.00mg/g、0.60〜3.00mg/g、0.90〜3.00mg/g、1.20〜2.70mg/g、1.20〜2.40mg/g、1.20〜2.10mg/g、又は1.20〜1.80mg/gのジンセノサイドRh2を含んでもよい。
また、本発明の前記発酵人参又は発酵紅参は、0.20〜5.00mg/gのPPDを含む。好ましくは、0.50〜5.00mg/g、0.80〜5.00mg/g、1.20〜5.00mg/g、1.50〜5.00mg/g、1.80〜5.00mg/g、1.80〜4.70mg/g、1.80〜4.40mg/g、1.80〜4.10mg/g、1.80〜3.80mg/g、1.80〜3.50mg/g、1.80〜3.20mg/g、又は1.80〜2.90mg/gのPPDを含んでもよい。
【0025】
本発明の発酵人参又は発酵紅参は、インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性を有する。
具体的に、本発明の発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む組成物は、インフルエンザウイルス感染による(i)体重減少を緩和させ;(ii)肺内ウイルスの複製を抑制し;(iii)炎症性サイトカインの生成を減少させ;(iv)肺組織病理の誘導を抑制する、抗インフルエンザウイルス活性を示す。
本発明の発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む組成物の抗ウイルス効果を適用し得るインフルエンザウイルスは、哺乳動物(mammals)又は鳥類(birds)であり、例えば、鳥、人、犬、馬、豚、猫などを感染させることのできるインフルエンザウイルスを含む。
好ましくは、前記インフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスA型である。
より好ましくは、前記インフルエンザウイルスA型は、H1N1、H5N1、及びH3N2からなる群から選択されるインフルエンザウイルスA型であってもよい。
【0026】
本発明の抗インフルエンザウイルス組成物は、さらにプロポリスを含んでもよい。
また、前記プロポリスは、これに限定されるものではないが、例えば、0.1〜20w/v%の量で含んでもよい。
本発明の発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む抗インフルエンザウイルス組成物は、粘膜用であることを特徴とする。
【0027】
本発明において、前記「粘膜用」とは、粘膜への薬物伝達、即ち粘膜投与を意味し、薬物を粘膜に接触、付着、分散、又は透過させることにより伝達することを含む。
好ましくは、前記粘膜は、鼻腔粘膜、口腔粘膜、又は気道粘膜であってもよく、具体的には、鼻腔内粘膜、口腔内粘膜、上気道粘膜、下気道粘膜を全て含む。
【0028】
本発明の組成物は、粘膜に投与されることで、ウイルスが侵入する経路に直接作用し、即効性が期待できる利点があるほか、経口投与に比べて、より優れた抗インフルエンザウイルス効果を奏する。
本発明の前記粘膜用抗インフルエンザウイルス組成物は、スプレー(噴霧)、粉末、ゲル、軟膏、又は点滴剤(drop)の形態で提供することができ、好ましくは、スプレー(噴霧)の形態であってもよい。
【0029】
本発明は、別の一様態として、発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む抗インフルエンザウイルス組成物を含む、インフルエンザウイルスによる疾患の予防又は治療のための粘膜用薬剤学的組成物を提供する。
また、前記薬剤学的組成物は、さらにプロポリスを含んでもよい。
前記発酵人参、発酵紅参、インフルエンザウイルス、粘膜、及びプロポリスは、前述した通りである。
【0030】
前記インフルエンザウイルスによる疾患は、例えば、風邪、インフルエンザ、咳、くしゃみ、鼻水、筋肉痛、咽喉頭炎、鼻閉塞、喉頭炎、喉の痛み、かすれ声、頭痛、副鼻腔の痛み、鼻炎、咽頭炎、気管支炎、喘息、発熱、呼吸困難、全身倦怠感及び悪寒から選択される少なくとも一つであってもよいが、これに限定されない。
本発明の前記薬剤学的組成物は、スプレー、粉末、ゲル、軟膏、又は点滴剤(drop)の形態で提供することができ、好ましくは、スプレーの形態であってもよい。
【0031】
本発明の薬剤学的組成物は、発酵人参又は発酵紅参、プロポリスのほか、さらに薬剤学的に許容可能な担体を含んでもよい。前記担体としては、通常、粘膜投与用製剤の製造に用いられる担体を用いてもよく、具体的には、生理食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセリン、等張水性緩衝液、及びこれらの組み合わせが挙げられる。また、前記担体の他にも粘度調整剤、保存料、等張化剤、pH調整剤、乳化剤、不活化剤、甘味料、香料、酸性化剤などを適宜配合してもよい。
前記粘度調整剤は、例えば、ゲランガム、キサンタンガム、グアーガム、アルギニン酸ナトリウム塩、及びCMCナトリウムから選択されるものを用いてもよい。
【0032】
また、前記乳化剤は、ポリソルベート、グリセリン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、又はモノグリセリドを用いてもよい。
また、前記保存料は、安息香酸ナトリウム、p−メチル安息香酸、p−エチル安息香酸、p−プロピル安息香酸、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムを用いてもよく、天然防腐剤である黄金花抽出物を用いてもよい。
【0033】
また、前記甘味料は、D−ソルビトール、D−マンニトール、キシリトールなどの糖アルコールや、砂糖、グルコース、マルトース、フルクトース などの一般的な甘味料、ステビオサイド、酵素処理ステビア、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファム、サッカリンなどの高甘味度甘味料、デキストリン、シクロデキストリンなどの多糖類を用いてもよい。
また、前記香料は、天然香料(ハーブ香料、ミント香料、ストロベリー香料、バニラ香料、蜂蜜香料など)又は一般的に食品に使用できる合成香料を用いてもよい。
また、前記酸性化剤は、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、果汁、酒石酸、ギ酸、天然抽出液などを用いてもよい。
【0034】
また、他の一様態として、本発明は、発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む抗インフルエンザウイルス組成物を含むか又はコーティングした衛生用品を提供する。前記抗インフルエンザウイルス組成物は、さらにプロポリスを含んでもよい。
前記発酵人参、発酵紅参、インフルエンザウイルス、及びプロポリスは、前述した通りである。
本発明の衛生用品は、これに限定されるものではないが、石鹸、ウェットティッシュ、トイレットペーパー、シャンプー、口腔洗浄剤、エアフレッシュナー、及び洗浄ジェルからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0035】
また、他の一様態として、本発明は、発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む粘膜用抗インフルエンザウイルス組成物が充填された、粘膜用抗インフルエンザウイルススプレー容器を提供する。前記抗インフルエンザウイルス組成物は、さらにプロポリスを含んでもよい。
前記発酵人参、発酵紅参、粘膜、インフルエンザウイルス、及びプロポリスは、前述した通りである。
【0036】
本発明のスプレー容器は、本発明の発酵人参又は発酵紅参を含む組成物を吸い上げ、適用対象の粘膜、例えば、鼻腔、口腔、又は気道粘膜に、エアロゾル又はミスト状に噴霧することができる。
前記スプレー容器は、好ましくは、エアロゾルスプレー、プッシュ式スプレー、又は吸入器(nebulizer)であってもよいが、これに限定されない。
【0037】
前記エアロゾルスプレーは、例えば
図8に示すような装置により提供することができる。具体的に、
図8のエアロゾルスプレーは、発酵人参又は発酵紅参を含む組成物が充填される空間を提供する容器と、前記容器に設けられ、内部に充填された組成物を噴霧するようにプッシュ式で操作される操作ボタンと、圧縮保存された組成物を空気中にスプレー噴射する噴射ノズルと、を含む。前記操作ボタンを押すと、圧縮保存された組成物が、内部の圧力によって発泡ガスとともに空気中に噴射される。
【0038】
このとき、前記発泡ガスは、前記組成物を空気中に噴射させるための推進剤の役割をするだけでなく、前記スプレー用組成物に気孔を形成させる発泡剤としての役割も果たす。これらの発泡ガスとしては、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)、ブタンガス、イソブタンガス、プロパンガスジメチルエーテル(dimethyl ether;DME)が混合された混合ガスのうち選択された少なくとも1種のガスを用いてもよい。本発明の発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む組成物は、前記発泡ガスによりスプレー容器内に圧縮充填することができる。
【0039】
また、前記プッシュ式スプレーは、例えば
図9に示すような口腔用スプレー装置により提供することができる。具体的に、
図9は、発酵人参又は発酵紅参を含む組成物が充填される空間を提供する容器と、前記容器に設けられ、内部に充填された組成物を噴霧するようにプッシュ式で操作される操作ボタン、及び前記組成物を空気中にスプレー噴射する噴射ノズルを含む。
【0040】
また、前記プッシュ式スプレーは、例えば
図10に示すような鼻腔用スプレー装置により提供することができる。具体的に、
図10は、発酵人参又は発酵紅参を含む組成物が充填される空間を提供する容器と、前記容器に設けられ、内部に充填された組成物を噴霧するようにプッシュ式で操作される操作ボタン、及び前記組成物を空気中にスプレー噴射する噴射ノズルを含む。
【0041】
前記スプレー容器は、使用者の嗜好などを考慮して、さらに天然抽出物を含んでもよい。前記天然抽出物は、キキョウ抽出物又はペパーミント抽出物であってもよいが、これらに限定されず、発酵人参又は発酵紅参の、インフルエンザウイルスによる疾患の予防及び治療効果に影響を与えない通常の天然抽出物であってもよい。
また、他の一様態として、本発明は、発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む薬剤学的組成物を粘膜投与するステップを含む、インフルエンザウイルスによる疾患の予防又は治療方法を提供する。
【0042】
また、前記薬剤学的組成物は、さらにプロポリスを含んでもよい。
前記発酵人参、発酵紅参、インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスによる疾患、粘膜投与、及びプロポリスは、前述した通りである。
本発明の組成物の適切な投与量は、製剤化方法、患者の年齢、体重、性、病的状態、食べ物、投与時間、投与経路、排泄速度、及び反応感応性のような要因により多様に処方することができる。例えば、本発明の組成物の投与は、好ましくは、1日あたり0.001〜200mg/kgを2〜20回にわたって投与することができる。
【0043】
また、他の一様態として、本発明は、インフルエンザウイルスによる疾患の予防又は治療のための薬剤の製造において、発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む粘膜用薬剤学的組成物の用途を提供する。
また、前記薬剤学的組成物は、さらにプロポリスを含んでもよい。
前記発酵人参、発酵紅参、インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスによる疾患、粘膜投与、及びプロポリスは、前述した通りである。
【0044】
また、他の一様態として、本発明は、発酵人参又は発酵紅参を有効成分として含む抗インフルエンザウイルス組成物を含む、インフルエンザウイルスによる疾患の予防又は治療のための動物用医薬品を提供する。
また、前記薬剤学的組成物は、さらにプロポリスを含んでもよい。
前記発酵人参、発酵紅参、インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスによる疾患、粘膜投与、及びプロポリスは、前述した通りである。