(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出上の特典を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して有利であることを指す。
【0011】
<概要>
本実施形態に係る遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態の特徴の概要を説明する。
本実施形態に係る遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、特徴的な構成として、状態制御手段と、通常演出制御手段と、待機演出制御手段と、演出可動体と、を少なくとも備える。
【0012】
状態制御手段は、遊技の進行が可能な遊技可能状態を含む複数の状態のうち一の状態に制御する。
本実施形態では、例えば、非遊技状態制御主手段175によって状態制御手段が実現される。
【0013】
ここで「遊技可能状態」とは、遊技(図柄変動や大当り遊技等)の進行が可能な状態であり、非遊技状態制御主手段175によって制御される状態の一つである。
より具体的には、「遊技可能状態」とは、主制御基板100(CPU101)によって制御されている種々のセンサ(各入賞口に付設されているカウントスイッチ等)が正常に起動しており、且つ、後述する復電後にのみ滞在しうる復帰状態(設定変更状態、設定確認状態等)を脱している状態をいう。例えば、主制御基板100(CPU101)によって制御されている特定のセンサ(例えば、磁気センサ等の不正検知用のセンサ)が正常に起動していても、設定変更状態や設定確認状態の滞在中は「遊技可能状態」に該当せず、特定のセンサがエラー状態である場合にも「遊技可能状態」には該当しない。
なお、特定のセンサがエラー状態になる等に起因して遊技の進行が不能である状態のことを、以下の説明において「遊技不能状態」と称する場合があるが、本発明に係る「図柄停止期間」とは異なる概念である点に留意されたい。
【0014】
通常演出制御手段は、遊技可能状態において図柄変動が行われている図柄変動期間において実行される予告演出を制御する。
ここで「図柄変動期間」とは、上述した遊技可能状態に制御されている期間の一部であり、特別図柄、普通図柄及び装飾図柄の変動が行われている期間(変動開始時を含む)をいう。
本実施形態においては、通常演出制御手段220によって通常演出制御手段が実現される。
【0015】
待機演出制御手段は、遊技可能状態に制御されており且つ図柄変動が停止している図柄停止期間において、遊技者に認識可能な区切りをもって複数の異なる演出段階に変化する待機演出を制御する。
ここで「図柄停止期間」とは、上述した遊技可能状態に制御されている期間の一部であり、特別図柄、普通図柄及び装飾図柄の変動が停止している期間(変動停止時を含む)をいう。
本実施形態では、例えば、待機デモ制御手段280によって待機演出制御手段が実現され、待機デモ制御手段280によって制御される各演出(例えば、後述する待機デモ演出A、待機デモ演出B、クレジット表示等)が上記の「待機演出」の各演出段階に相当しうる。
【0016】
演出可動体は、上記の図柄変動期間及び図柄停止期間の双方において作動し得る。
ここで演出可動体とは、演出の実行に伴って可動する演出デバイス(主制御基板100を除く制御基板(第1副制御基板200や第2副制御基板300等)によって制御されるデバイス)であって、その動作の少なくとも一部(可動に伴う変化)が遊技者にとって視認可能なものをいう。
本実施形態では、例えば、可動装飾体85によって演出可動体が実現される。
【0017】
待機演出の少なくとも一部は、演出可動体が作動する第一段階を含んでおり、待機演出の第一段階において始動口に入賞した場合、図柄変動期間において始動口に入賞した場合に比べて、予告演出における演出可動体の作動の少なくとも一部が制限されることを特徴とする。
待機演出において演出可動体が作動している場合、その作動中に始動口に入賞して図柄変動が開始されると演出可動体の作動を伴う予告演出が図柄変動に収まらない虞がある。本実施形態に係る遊技機10は、上記の特徴を有するので、第二状態においては演出可動体の作動を含む第一態様の待機演出の実行を制限するので、このような事態を回避又は抑制することができる。
【0018】
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより具体的に説明する。
【0019】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1から
図6を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す鳥瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図5は、
図4に示す領域Vの拡大図である。
図6は、可動装飾体85が作動している状態の一具体例を示す図である。
なお、
図1から
図6に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0020】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0021】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示省略)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0022】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0023】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、玉貸ボタン39a、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39b、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、及びそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)などが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0024】
以上説明したように、玉貸ボタン39a、返却ボタン39b、及びカーソルボタン38は、遊技者が操作可能な位置に設けられた操作手段であると言える。
ここで「遊技者が操作可能な位置」とは、具体的には、遊技機10の前面側(遊技機10を設定している状態において遊技者が直接触れることができる位置)であり、遊技機10の裏面側や遊技機10の内部(前枠20を開放しないと触れることができない位置)とは異なる位置である。
【0025】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0026】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0027】
遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81は、固定式の演出表示装置(液晶ディスプレイ)である。
なお、不図示ではあるが、本実施形態に係る遊技機10は、メイン表示部81の他にも演出表示装置(サブ表示部)を備えてもよく、当該演出表示装置は、モータ等のアクチュエータにより動作する可動式のものであってもよい。
【0028】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる装飾図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列における装飾図柄の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に装飾図柄が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0029】
また、メイン表示部81は、保留表示を表示(出力)することができる。保留表示が表示される領域と、装飾図柄が表示される領域とは、離間してもよいし重複してもよい。
ここで、保留表示とは、後述する作動保留情報のそれぞれに対応する表示であり、その形状や色彩等によって対応する作動保留情報に基づいて実行される図柄変動の有利度を示唆する場合がある。また、以下の説明において、保留表示を変化させる演出について「先読み保留変化演出」又は「保留変化演出」と称する場合がある。
メイン表示部81は、実行中の図柄変動(いわゆる当該変動)に対応しており、且つ保留表示に摸した表示を行うことができる。その表示を保留表示と区別して扱う場合には「当該保留表示」と表記し、当該保留表示と保留表示とを区別なく扱う場合には単に「保留表示」と表記される。
【0030】
また、メイン表示部81は、上記の装飾図柄や保留表示に加えて、各種の演出に関する演出画像を表示することができる。例えば、メイン表示部81は、図柄変動期間における予告演出(例えば、後述するネコ可動予告)に係る演出画像を表示することができ、且つ、図柄停止期間における待機演出(例えば、後述する待機デモ演出B)に係る演出画像を表示することができる。
メイン表示部81は、複数の表示層(レイヤー)からなる表示を実現することができ、装飾図柄、保留表示、及び各種演出に関する演出画像は、それぞれ表示され得る表示層が予め定められている。ここでメイン表示部81において視認可能に表示される演出画像のレイヤー構成は、単一層からなる場合があってもよいし、複数層からなる場合があってもよい。なお、演出画像の表示層の詳細については、後に詳述する。
【0031】
以上説明したように、メイン表示部81は、図柄変動期間及び図柄停止期間の双方において演出画像を表示し得る演出表示手段であると言える。
また、メイン表示部81は、図柄変動の期間において装飾図柄の変動を表示する演出表示手段であると言える。
また、メイン表示部81は、一又は複数の表示層から構成される演出画像を表示する演出表示手段であると言える。
【0032】
なお、本実施形態における演出表示装置(メイン表示部81)は、液晶ディスプレイであることを前提として説明するが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置をメイン表示部81や不図示の演出表示装置として採用することができる。
【0033】
可動装飾体85は、大ネコ装飾体85aは、左ネコ装飾体85b、及び右ネコ装飾体85cの総称である。可動装飾体85は、いずれもネコを摸した装飾体であり、図柄変動期間又は図柄停止期間における特定の演出(後述するネコ可動予告及び待機デモ演出B等)が実行される際に、不図示のアクチュエータ等の駆動によって可動し得る。
大ネコ装飾体85aは、原位置において遊技者にとって視認困難な状態に秘匿されており(
図4参照)、作動して原位置からメイン表示部81の中央前方に移動することによって遊技者にとって視認容易な状態になる(
図6参照)。
左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cは、原位置においてもその一部が遊技者から視認可能になっており(
図4参照)、作動して原位置からメイン表示部81の前方に移動することによって、より遊技者にとって視認容易になる(
図6参照)。
【0034】
大ネコ装飾体85aは、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cよりも大きな装飾体である。なお、
図6では、大ネコ装飾体85a、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cの全てが作動している状態を図示しているが、それぞれ独立して作動させることも可能に構成されている。
本実施形態に係る遊技機10(第1副制御基板200)は、
図6に図示する場合を実現可能である他、大ネコ装飾体85aのみが作動する場合、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cが作動して大ネコ装飾体85aが作動しない場合についても実現可能であり、いずれの場合においても互いが干渉(接触)しないように制御される。
【0035】
可動装飾体85(85a、85b、85c)は、いずれも作動することによってメイン表示部81の表示領域の一部と重なる位置まで移動し、且つ、それぞれがメイン表示部81より物理的に上位層(遊技者から視て前方)に位置している為、作動した場合には作動していない場合に比べて、メイン表示部81の表示領域の少なくとも一部を視認困難にさせる。
【0036】
以上説明したように、可動装飾体85は、図柄変動期間及び図柄停止期間の双方において作動し得る演出可動体であると言える。
また、可動装飾体85は、演出表示手段(メイン表示部81)より物理的に上位層に存在し、作動していることによって作動していない場合に比べて演出表示手段の表示領域の少なくとも一部を遊技者に対して視認困難にし、図柄変動期間及び図柄停止期間の双方において作動し得る演出デバイスであると言える。
【0037】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄及び普通図柄が表示される。
図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0038】
特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0039】
普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0040】
図柄表示装置90には、更に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも、2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0041】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味するものとする。
【0042】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0043】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0044】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67(67a、67b、67c)を図示する。ここで、図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0045】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55への入賞に対して決められた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0046】
大入賞口55には特別電動役物65が付設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド41により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技中に行われるラウンド遊技の一部(後述する特別電動役物66が閉鎖状態であるラウンド遊技)において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は有利な遊技状態であると言える。
なお、特別電動役物65は、「アタッカー」と称され、特別電動役物ソレノイド41によって特別電動役物65が開放状態となることを、「アタッカー開放」と称する場合がある。
また、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因する小当り遊技の少なくとも一部においても特別電動役物65が開放状態となるが、上記の大当り遊技と比較して当該開放状態となる時間が短い。そのため、小当り遊技は、大当り遊技よりも有利度の低い遊技状態と言える。
【0047】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57への入賞に対して決められた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0048】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59への入賞に対して決められた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0049】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61(61a、61b)が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド40により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
【0050】
一般入賞口67(67a、67b、67c)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67への入賞に対して決められた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67の個数は適宜変更可能である。
【0051】
遊技領域50aの一部である領域Vには、遊技球の流路を複数に区分する仕切り部材500が配置されている。仕切り部材500は、第一流路501、第二流路502、第三流路503および第四流路504を構成する。
第一流路501は、仕切り部材500によって構成される流路の中で最も上側に位置するものである。
第二流路502は、上流側にゲート63が設けられている流路である。ゲート63にはゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74が遊技球の入球を検知した場合の少なくとも一部において、普通図柄に係る図柄変動を始動させる始動条件が成立する。なお、本実施形態においては、ゲート63への遊技球の入球は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態のゲート63に遊技球が入球しても賞球は零である。
第三流路503は、第一流路501および第二流路502の下流側に位置する遊技球の流路であって、第一流路501を通過した遊技球と第二流路502を通過した遊技球のいずれもが流下する。
第四流路504は、上流側に大入賞口56が設けられている流路である。大入賞口56にはカウントスイッチSW8が付設されており、カウントスイッチSW8の検知を契機として大入賞口56に係る入賞が判定されて、大入賞口56に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口56の上方には特別電動役物66が配設されている。特別電動役物66は、大入賞口56に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド42の作動により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
【0052】
特別電動役物66は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技中に行われるラウンド遊技の一部(上述した特別電動役物65が閉鎖状態であるラウンド遊技)において開放状態になり、これに伴って大入賞口56への遊技球の入球が許容される。
特別電動役物66が開放状態である場合には、大入賞口56への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口56に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0053】
第四流路504の下流側には振分部材505と第一領域506と第二領域507とが設けられており、第四流路504に流下した遊技球は振分部材505によって振り分けられて第一領域506または第二領域507のいずれか一方に入球する。
図7は、振分部材505が第二領域507を開放している状態を示しており、当該状態においては、第四流路504に流下した遊技球は第二領域507に振り分けられて入球する。
不図示ではあるが、振分部材505が第二領域507を閉鎖している状態においては、第四流路504に流下した遊技球は第一領域506に振り分けられて入球する。
振分部材505が第二領域507を閉鎖するか開放するかについては、実行中の大当り遊技の契機となった図柄変動において停止表示された特別図柄に基づいて決定される。
第二領域507には不図示のカウントスイッチが付設されており、当該カウントスイッチによる検知が行われた大当り遊技の終了後に、後述する特図高確且つ普図高確所定に移行する。なお、当該カウントスイッチによる検知を、以下の説明において「V入賞」と称する場合がある。
【0054】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0055】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0056】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図7は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図7に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図7で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0057】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0058】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板(図示省略)のバックアップ電源によってバックアップされている。なお、RAM103のバックアップされる領域は、電源断が生じた場合、電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくための領域となっており、電源断復帰時には当該領域でバックアップされている情報に基づいて遊技機の状態が電源断の生じる前の状態に復帰可能である。
【0059】
主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74などと電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0060】
主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、及び普通図柄保留ランプ96にも電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらの表示装置及びこれらの保留ランプを制御可能に構成されている。
主制御基板100は、普通電動役物ソレノイド40及び特別電動役物ソレノイド41にも電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらのソレノイドを制御可能に構成されている。
更に、主制御基板100は、上述の玉貸ボタン39aや返却ボタン39bなどを含むメイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39に設けられたセンサによる操作検知状態の変化によってメイン操作部39の各種操作を検知可能に構成されている。
【0061】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、少なくとも、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信が可能となるように接続されている。例えば、主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求できないように構成されている。
【0062】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。第1副制御基板200は、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行可能となるように、構成されている。
第1副制御基板200は、上述の演出ボタン37やカーソルボタン38などに電気的に接続されており、センサによる操作検知状態の変化によってそれら各操作部の各種操作を検知可能に構成されている。
【0063】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ画像演出および音響演出を指示する画像制御コマンド、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体22及び可動装飾体85の可動を制御するための可動制御データなどを生成する。
第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
【0064】
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0065】
第1副制御基板200は、可動装飾体22及び可動装飾体85とも電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体22及び可動装飾体85は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0066】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像や音響などの演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示を省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データをメイン表示部81へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
【0067】
払出制御基板400は、主な構成として、CPU401、ROM402およびRAM403を備えている。
払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニットを駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドルの操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0068】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図8を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図8は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図8に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図8で図示しない機能構成を備えていてもよい。
【0069】
主制御基板100は、
図8に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段130、特図抽選手段140、普図抽選手段150、大当り遊技制御手段160、図柄表示制御手段165、電動役物制御手段170、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段180、メインエラー制御手段185、及びメインコマンド管理手段190を備えており、これらの手段は、
図7を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0070】
なお、メイン情報記憶手段180は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
【0071】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0072】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一又は複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する特図当否判定用の乱数、転落当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、及び普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段180の対応する格納領域に格納する。
【0073】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、及び普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、転落当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段140の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段180の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
メイン保留制御手段120は、特
図2及び普図に関してもそれぞれ、特
図1に関する上述の制御と同様の制御を行う。特
図2の保留カウンタは特
図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特
図1又は特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算又は減算)した際に、特
図1保留カウンタ及び特
図2保留カウンタの値を含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報及び特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される。
【0074】
事前判定手段130は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段130は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、特図当否判定の事前判定、転落当否判定の事前判定、特図停止図柄抽選の事前判定、特図変動パターン抽選の事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブル(詳細は、後述)と同等の抽選テーブル(図示省略)を用いられる。そのため、これらの事前判定は、後に実行される抽選の結果と同一の結果が導出される。
また、事前判定手段130は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に送信される(生成され、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。
【0075】
特図抽選手段140は、特図当否判定手段141、特図停止図柄抽選手段142、特図変動パターン導出手段143、及び転落当否判定手段144を備え、転落当否判定手段144、特図当否判定手段141、特図停止図柄抽選手段142、特図変動パターン導出手段143の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段140は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されたことである。
【0076】
図9は、主制御基板100における抽選で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図である。
図9で示す抽選テーブルを含む以下の抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値があらかじめ定められた順序に従って順次加算され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。
以降の説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。また、以降で図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」又は「0」が記載されているが、これらは各ROMに記憶されたデータを示すものではない。また、抽選に使用される乱数範囲の最大値と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。
【0077】
特図当否判定手段141は、図柄変動の開始時に、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する。なお、特別当否判定の確率(大当りの当選確率)は、後述する設定値によって変動するものであり、
図9(a)、(b)に図示する確率は一の設定値(例えば、設定1)に対応するものである(他の設定値に対応する確率は不図示である)。
【0078】
図9(a)は、特
図1当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、特
図1において特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)には、200/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなり、特
図1において特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)には、500/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの64736/65536の確率ではずれとなる。
【0079】
図9(b)は、特
図2当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1当否判定の場合と同様に、0〜65535である。そのため、特
図1の特図低確では、200/65536の確率で大当り、残りの65336/65536の確率ではずれとなり、特
図2の特図高確では、500/65536の確率で大当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなる。
【0080】
このように、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。また、本実施形態における特
図2当否判定では、小当りが導出されないようになっている。
【0081】
特図停止図柄抽選手段142は、特図当否判定手段141によって大当りが導出された場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図9(c)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、50/100の確率で図柄A、50/100の確率で図柄Bが停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、大当り遊技中に特別電動役物65が十分な時間(概ね9球入賞する程度)に亘って解放される回数(ラウンド数(R数))が8であり、且つ大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確(詳細は後述)となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数(R数)が9であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。よって、図柄Bは、ラウンド数及びその後の特図抽選状態の双方において、図柄Aよりも有利な図柄である。
【0082】
図9(d)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図2では、大当りが導出された際に、70/100の確率で図柄a、10/100の確率で図柄b、20/100の確率で図柄cとなる。
ここで、図柄aは、ラウンド数が16であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数が9であり、かつ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる確変図柄である。一方、図柄cは、ラウンド数が8であり、大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確となる通常図柄である。よって、図柄c、図柄b、図柄aの順に有利度が高くなると言える。
【0083】
上述の通り、本実施形態は、特
図1による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(50/100)と、特
図2による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(80/100)とが異なっている。この違いは、例えば、大当り遊技中に遊技球が大入賞口55内に設けられた特定領域を通過した場合に大当り遊技終了後に特図高確とする機能を備え、特定領域の通過が容易となるラウンド(本実施形態では、9ラウンド目)を設けるか否かを特図の停止図柄によって変えることで実現可能である。
以降の説明では、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により確変図柄が決定された場合を「特図抽選の結果が確変大当りを示す場合」と表記し、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により通常図柄が決定された場合を「特図抽選の結果が通常大当りを示す場合」と表記する場合がある。更に、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により図柄aが決定された場合を「特図抽選の結果が16ラウンド確変大当りを示す場合」と表記し、同様に図柄bが決定された場合を「特図抽選の結果が9ラウンド確変大当りを示す場合」と表記する場合がある。
【0084】
また、特図停止図柄抽選手段142は、特図当否判定手段141によって大当りが導出されなかった場合には、特
図1の小当り時は図柄C、特
図1のはずれ時は図柄D、特
図2のはずれ時は図柄dを停止図柄として一律に決定する。
【0085】
特図変動パターン導出手段143は、特図変動パターン(変動時間)を導出する。具体的には、特図変動パターン導出手段143は、現在の特図変動パターン導出状態(詳細は、後述)と今回の特図当否判定手段141の抽選結果とに基づいて、複数種類の特図変動パターン抽選テーブルの中から今回の特図変動パターンを導出するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを導出する。
特図変動パターン導出手段143は、導出された特図変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。なお、変動開始コマンドには、特図変動パターン導出状態Cが開始されてからの図柄変動の回数の情報が少なくとも含まれている。
【0086】
転落当否判定手段144は、メイン情報記憶手段180の判定領域に記憶された転落当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と転落当否判定用の抽選テーブルを用いて転落当否判定に当選するか否かを抽選によって決定する。
図9(e)は、転落当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、130/65536の確率で転落当否判定に当選する。
なお、転落当否判定は、特
図1と特
図2で共通して行われ、特図高確における特図当否判定の前に行われる。そのため、図柄変動の開始時に特図高確であったとしても、転落当否判定に当選した場合には、直後の特図当否判定において特図低確用の抽選テーブルが用いられることとなる。
【0087】
普図抽選手段150は、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行する。この普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に、普図抽選手段150は、普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、及び普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがある。本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率ではずれとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率ではずれとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536ではずれとなる)ようにしてもよい。
【0088】
普図停止図柄抽選では、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定ではずれとなった場合には、特
図1、2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
【0089】
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
【0090】
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、通常大当りに係る大当り遊技の開始時に特図低確とし、確変大当りに係る大当り遊技の終了時に特図高確とし、特図高確における転落当否判定に当選した場合には、その時点(特図当否判定の前)で特図低確とする。
加えて、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り遊技の開始時には、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時に100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時に次回の大当り遊技の開始まで(例えば、大当りが導出されるのに十分な有限の回数(例えば、5000回)を設定する場合も含む)普図高確とし、普図高確における転落当否判定に当選した場合には、当該図柄変動の終了時に普図低確とする。なお、特図低確且つ普図高確の状態を低確時短と称する場合がある。
【0091】
更に、遊技状態制御手段155は、特図変動パターン導出状態を制御する。この特図変動パターン導出状態の遷移については、
図9を参照しながら説明する。
図9は、特図抽選状態及び普図抽選状態による遊技状態の遷移、及び特図変動パターン導出状態の遷移を示した状態遷移図である。
特図変動パターン導出状態は、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態A、D及びE、特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態B、並びに特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Cに大別できる。
各特図変動パターン導出状態間の遷移には、例えば、次のような条件が設けられる。遷移条件(i)は確変大当りに係る大当り遊技の終了であり、遷移条件(ii)は通常大当りに係る大当り遊技の終了であり、遷移条件(iii)は転落当否判定の当選であり、遷移条件(iv)は100回目の図柄変動の終了であり、遷移条件(v)は4回目の図柄変動の終了である。
【0092】
特図変動パターン導出状態A、特図変動パターン導出状態B、特図変動パターン導出状態C、及び特図変動パターン導出状態Dには、それぞれ異なる特図変動パターン抽選テーブルが対応付けられている。例えば、特図変動パターン導出状態Aに滞在している場合、特図変動パターン導出手段143は、図柄変動の開始時に不図示の特図変動パターン抽選テーブルAを参照して特図変動パターンを導出する。特図変動パターン導出状態Bに滞在している場合、特図変動パターン導出手段143は、図柄変動の開始時に不図示の特図変動パターン抽選テーブルBを参照して特図変動パターンを導出する。特図変動パターン導出状態Cに滞在している場合、特図変動パターン導出手段143は、図柄変動の開始時に不図示の特図変動パターン抽選テーブルCを参照して特図変動パターンを導出する。特図変動パターン導出状態Dに滞在している場合、特図変動パターン導出手段143は、図柄変動の開始時に不図示の特図変動パターン抽選テーブルDを参照して特図変動パターンを導出する。
なお、特図変動パターン導出手段143が参照する特図変動パターン抽選テーブルは、必ずしも特図変動パターン導出状態ごとに異なる必要はなく、一部の特図変動パターン導出状態において共通化されてもよい。
【0093】
各々の特図変動パターン導出状態に滞在している場合において特図変動パターン導出手段143によって導出される特図変動パターンの平均変動時間(当該特図変動パターン導出状態において選択され得る変動時間(特図変動パターン)に対して出現率(当該特図当否判定の結果が導出される確率に対して当該特図変動パターンの当選確率を掛け算することで導出される任意の図柄変動において発生し得る割合)を掛け算することで導出される変動時間の総和)は相違しうる。
本実施形態において、特図変動パターン導出状態A、特図変動パターン導出状態B、特図変動パターン導出状態C、及び特図変動パターン導出状態Dの平均変動時間は、特図変動パターン導出状態A、特図変動パターン導出状態D、特図変動パターン導出状態C、特図変動パターン導出状態Bの順に短くなる。なお、特図変動パターン導出状態B及びCの順番は逆転してもよいし、同一であってもよい。
【0094】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、遊技の進行が可能な遊技可能状態に制御されている期間において、第一状態(特図変動パターン導出状態A)及び第一状態に比べて図柄変動の平均時間が短い第二状態(特図変動パターン導出状態B及びC)を含む複数の遊技状態のうち一の遊技状態に制御する遊技状態制御手段(遊技状態制御手段155)を備えているものと言える。
また、遊技状態制御手段(遊技状態制御手段155)によって制御される遊技状態には、第一状態(特図変動パターン導出状態A)に比べて図柄変動の平均時間が短く、且つ、第二状態(特図変動パターン導出状態B及びC)に比べて図柄変動の平均時間が長い第三状態(特図変動パターン導出状態D)が含まれているものと言える。
更に、本実施形態における遊技機10は、第一状態(特図変動パターン導出状態A)における図柄変動の開始時に第一の変動パターン候補(特図変動パターン抽選テーブルA)から図柄変動の変動パターンを導出し、第二状態(特図変動パターン導出状態B及びC)における図柄変動の開始時に第二の変動パターン候補(特図変動パターン抽選テーブルB及びC)から図柄変動の変動パターンを導出する変動パターン導出手段(特図変動パターン導出手段143)を備えているものと言える。
【0095】
ここで、各特図変動パターン導出状態において特図変動パターン導出手段143によって参照される特図変動パターン抽選テーブルについて説明する。
図11及び
図12は、特図変動パターン抽選テーブルの一部を模式的に示す模式図である。より具体的には、
図9は特図変動パターン導出状態A(特図低確且つ普図低確である場合)において特図変動パターン導出手段143によって参照される特図変動パターン抽選テーブルAに関するものであり、
図10は特図変動パターン導出状態B又は特図変動パターン導出状態C(特図高確且つ普図高確である場合及び特図低確且つ普図高確である場合)において用いられる特図変動パターン抽選テーブルBに関するものである。
図9及び
図10において、「判定」の欄は特図抽選の結果が大当りであるかはずれであるかを示すものであり、「変動時間」の欄は各特図変動パターンに割り当てられている変動時間をミリ秒単位で示すものであり、「抽選値」の欄は各特図変動パターンに任意の抽選値(黒丸や黒四角等で示す)が割り当てられていることを示すものである。なお、同種のマーク(例えば、黒丸)で表されている抽選値は、全て加算することによって1/1(100%)になることを表している。
図9において、「通常/擬似」の欄は通常の変動(擬似連演出に発展しない変動)であるか、擬似連演出に発展する変動である場合には擬似連の回数を示すものである。
なお、
図9及び
図10には特図抽選の結果が小当りの場合に関する特図変動パターンが図示されていないが、実際に特図変動パターン導出手段143が参照する特図変動パターン抽選テーブルには含まれているものとする。
【0096】
ここでリーチ演出とは、複数列にわたって変動している装飾図柄のうち最終停止列を除く列において同種の装飾図柄が仮停止している状態(この状態を、リーチ目又はテンパイ目と称する場合がある)において行われる演出、又は当該状態になったことを契機として行われる演出である。
【0097】
ここで「擬似連演出」とは、一回の図柄変動中に複数回の装飾図柄の変動が行われているかのような心証を遊技者に与える演出である(当該演出中における複数回の装飾図柄の各変動を、以下の説明において擬似変動と称する場合がある)。
「擬似変動」は、図柄変動の開始時から最初に装飾図柄が仮停止するまでの期間を指すものであってもよく、仮停止している装飾図柄が再変動してから再び仮停止するまでの期間を指すものであってもよい。本実施形態では、前者の擬似変動を「擬似1回目」又は「擬似1」と称する場合があり、後者の擬似変動を「擬似X回目(Xは擬似1を基準として遊技者が認識する擬似変動の回数が入る)」又は「擬似X」と称する場合がある。
なお、擬似連演出の演出態様は、必ずしも通常の装飾図柄(後述する数字を摸した装飾図柄)が仮停止することを擬似変動の区切りとする必要はなく、遊技者にとって認識可能な区切りをもって複数回の擬似変動を遊技者に認識させれば足りる。例えば、通常の装飾図柄とは異なる特殊な装飾図柄(特殊図柄)が仮停止することを擬似変動の区切りとしてもよいし、メイン表示部81の一部領域に「×2」「×3」・・・等と表示して擬似変動の進行を遊技者に認識させてもよいし、スピーカ33による音声出力(BGMの変化を含む)や演出ランプ35の発光出力によって擬似変動の区切りを遊技者に認識させてもよい。なお、擬似連演出に用いられる特殊図柄は、遊技者に演出の連続性を認識させる文字図柄(「連続」、「継続」、「NEXT」等)を含むもの、又は特定のキャラクターを摸したキャラクター図柄であることが一般的であるが、必ずしもこのような態様に限られるものではない。
【0098】
特図変動パターン導出状態Aにおいて、特図変動パターン導出手段143は以下のような特図変動パターンを導出し得る。
【0099】
特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13は、基本変動に関する特図変動パターンである。ここで「基本変動」とは、その変動期間中に特殊な演出(リーチ演出や擬似連演出等)を伴わない特図変動パターンであり、原則としてバラケ目を停止させる場合に導出される特図変動パターンである。
特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13に割り当てられている変動時間の長さは、特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12、特図変動パターンPAX13の順に短くなっている。
特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13は、特図変動パターン導出状態Aにおいて導出され得る他の特図変動パターンに比べて短い変動時間が割り当てられており、且つ、特図変動パターン導出状態Aにおいて導出され得る他の特図変動パターンに比べて導出される割合が高い。特に「基本変動1」に対応する特図変動パターンPAX11は、特図変動パターン導出状態Aにおいて導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い(割り当てられている抽選値が最も大きい)特図変動パターンである。更に、特図変動パターン導出状態Aは、遊技機10において滞在し得る特図変動パターン導出状態の中で最も滞在期間が長くなるように設計されているので、特図変動パターンPAX11は、特図変動パターン導出手段143によって導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い変動パターンと換言することができる。
【0100】
なお、不図示の特図変動パターン抽選テーブルDに含まれる特図変動パターン(特図変動パターン導出状態Dにおいて特図変動パターン導出手段143が導出し得る特図変動パターン)にも、基本変動に関する特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13が、共通して含まれている。
一方、基本変動に関する特図変動パターンに割り当てられている抽選値が特図変動パターン抽選テーブルAと特図変動パターン抽選テーブルDでは異なり、特図変動パターン抽選テーブルAから導出され得る特図変動パターンの平均変動時間が,特図変動パターン抽選テーブルDから導出され得る特図変動パターンの平均変動時間より長くなっている。
【0101】
特図変動パターンPAX14は、擬似連演出に発展する(擬似1から擬似2に進行する)かのように遊技者に認識させ、実際には擬似連演出に発展しない場合に導出される特図変動パターンである。
特図変動パターンPAX14に割り当てられている変動時間は、上述の基本変動に対応する特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12等のいずれよりも長い時間であり、且つ、後述のはずれた場合に導出される擬似連演出対応の特図変動パターンPAX21、特図変動パターンPAX31等のいずれよりも短い時間である。
【0102】
特図変動パターンPAX15は、ノーマルリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPAY11は、ノーマルリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここで「ノーマルリーチ」とは、大当りに当選した場合に導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が低い予告演出である。なお、本実施形態における「ノーマルリーチ」の大当り期待度(信頼度)は0.04%になっている。
特図変動パターンPAX15に割り当てられている変動時間は、上述の基本変動に対応する特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12等のいずれよりも長い時間であり、且つ、後述の特図抽選のはずれを報知する場合に導出されるリーチ演出対応の特図変動パターンPAX16、特図変動パターンPAX17等のいずれよりも短い時間である。
特図変動パターンPAY11に割り当てられている変動時間は、後述の特図抽選の大当りを報知する場合に導出されるリーチ演出対応の特図変動パターンPAY12、特図変動パターンPAY13等のいずれよりも短い時間である。
【0103】
特図変動パターンPAX16及び特図変動パターンPAX17は、それぞれ通常の変動(擬似1回目)に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPAY12及び特図変動パターンPAY13は、それぞれ通常の変動(擬似1回目)に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここで通常の変動に実行されるAリーチ及びBリーチは、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ5.26%及び21.02%になっている。
なお、Aリーチ及びBリーチは、互いに演出内容が相違するリーチ演出である。しかしながら、Aリーチ及びBリーチは、通常の変動(擬似1回目)に限らず擬似2回目や擬似3回目において実行され得る演出である点において互いに共通している。
【0104】
特図変動パターンPAX21及び特図変動パターンPAX22は、それぞれ擬似2回目の変動に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPAY21及び特図変動パターンPAY22は、それぞれ擬似2回目の変動に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここで擬似2回目に実行されるAリーチ及びBリーチは、上記の通常の変動に実行されるAリーチ及びBリーチとそれぞれ演出内容が共通するリーチ演出であり、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ8.42%及び26.12%になっている。
【0105】
特図変動パターンPAX31及び特図変動パターンPAX32は、それぞれ擬似3回目の変動に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPAY31及び特図変動パターンPAY32は、それぞれ擬似3回目の変動に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここで擬似3回目に実行されるAリーチ及びBリーチは、上記の通常の変動及び擬似2回目に実行されるAリーチ及びBリーチとそれぞれ演出内容が共通するリーチ演出であり、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ10.29%及び33.86%になっている。
【0106】
特図変動パターンPAY41は、擬似4回目の変動に実行される全回転リーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
全回転リーチは、同種の装飾図柄が全ての列にわたって揃っている状態(図柄揃い)を維持しながら装飾図柄を変動させる演出であり、大当り期待度(信頼度)は100%、即ち大当り確定の演出になっている。
なお、本実施形態の擬似連演出は擬似4回目に発展した場合には必ず全回転リーチを実行する仕様(擬似4回目に発展すれば大当り確定となる仕様)になっている。言い換えれば、特図変動パターンPAY41は、特図変動パターン導出手段143によって導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が高い予告演出に対応する特図変動パターンである。
【0107】
特図変動パターン導出状態Bにおいて、特図変動パターン導出手段143は以下のような特図変動パターンを導出し得る。
【0108】
特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12及び特図変動パターンPBX13は、特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13と同様に、基本変動に関する特図変動パターンである。
特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12及び特図変動パターンPBX13に割り当てられている変動時間の長さは、特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12、特図変動パターンPBX13の順に短くなっている。
特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12及び特図変動パターンPBX13は、特図変動パターン導出状態B1及び特図変動パターン導出状態C1において導出され得る他の特図変動パターンに比べて短い変動時間が割り当てられており、且つ、特図変動パターン導出状態B1及び特図変動パターン導出状態C1において導出され得る他の特図変動パターンに比べて導出される割合が高い。特に「基本変動4」に対応する特図変動パターンPBX11は、特図変動パターン導出状態B1及び特図変動パターン導出状態C1において導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い(割り当てられている抽選値が最も大きい)特図変動パターンである。
【0109】
なお、不図示の特図変動パターン抽選テーブルCに含まれる特図変動パターン(特図変動パターン導出状態Cにおいて特図変動パターン導出手段143が導出し得る特図変動パターン)にも、基本変動に関する特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12及び特図変動パターンPBX13が、共通して含まれている。
一方、基本変動に関する特図変動パターンに割り当てられている抽選値が特図変動パターン抽選テーブルBと特図変動パターン抽選テーブルCでは異なり、特図変動パターン抽選テーブルBから導出され得る特図変動パターンの平均変動時間が,特図変動パターン抽選テーブルCから導出され得る特図変動パターンの平均変動時間より短くなっている。
【0110】
特図変動パターンPBX14及び特図変動パターンPBX15は、それぞれ通常の変動(擬似1回目)に実行されるAリーチの結果及びCリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPBY11及び特図変動パターンPBY12は、それぞれ通常の変動(擬似1回目)に実行されるAリーチの結果及びCリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここでAリーチは、上述したAリーチと共通の演出内容の演出である。特図変動パターン導出状態Bにおいて実行されるAリーチの期待度は、大当り期待度(信頼度)は5.26%になっている。本実施形態では特図変動パターン導出状態Bにおいて擬似連演出が実行されない(擬似連演出に対応する特図変動パターンが存在しない)仕様になっており、擬似連2回目以降の大当り期待度が加味されないからである。
ここでCリーチは、上述したAリーチやBリーチと演出内容が相違するリーチ演出であり、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ39.00%になっている。更に、上述したように、本実施形態では特図変動パターン導出状態Bにおいて擬似連演出が実行されない仕様になっているので、これらの導出状態でのみ実行され得るCリーチは、擬似2回目や擬似3回目において実行され得るAリーチ及びBリーチと相違する。
【0111】
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0112】
大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
大当り遊技制御手段160は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
また、大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が小当りの場合も同様に、小当り開始デモに係る時間、及び小当り終了デモに係るデモ時間を決定し、小当り開始時には、小当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、小当り終了時には、小当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0113】
図柄表示制御手段165は、特
図1の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
図柄表示制御手段165は、特
図1及び特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
【0114】
図柄表示制御手段165は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
図柄表示制御手段165は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0115】
電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が大当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する解放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、9R、8R)だけ連続して実行する遊技状態である。
電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が小当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を短期間(0.05秒)だけ開放させる。
また、電動役物制御手段170は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド40に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0116】
非遊技状態制御主手段175は、少なくとも以下の処理を実行する。なお、以下の説明は、ここで挙げない処理の実行を非遊技状態制御主手段175が行うことを否定するものではない。
(i)非遊技状態制御主手段175は、復電の直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ(不図示)のON/OFFと復電時のRAMクリアスイッチ(不図示)のON/OFFの組合せ、復電時におけるRAM103や各種センサの正常/異常等を条件として、複数通りの状態のうち一の状態を復電後に設定する処理を行う。なお、当該処理によって設定される状態には、遊技不能状態、設定変更状態、設定確認状態、及び遊技可能状態(RAMクリア処理を伴う場合と、RAMクリア処理を伴わない場合とがある)がある。
(ii)非遊技状態制御主手段175は、(i)の処理において設定変更状態が設定された場合に、設定値の変更を可能とする設定変更処理を実行する。また、設定変更処理の終了後に設定キースイッチがOFFになることを契機として、後述する(iv)の処理(RAMクリア処理)を実行した後に、遊技可能状態を設定する。
(iii)非遊技状態制御主手段175は、(i)の処理において設定確認状態が設定された場合に、設定値の確認を可能とする設定確認処理を実行する。また、設定確認処理の終了後に設定キースイッチがOFFになることを契機として、遊技可能状態を設定する。
(iv)非遊技状態制御主手段175は、(i)の処理においてRAMクリア処理の実行が肯定される場合((iii)の処理の後にRAMクリア処理を行う場合も含む)、RAM103の遊技に係る領域のうち、原則として、設定値に係る領域を除く領域に格納されるデータをクリアする。但し、設定値に異常がある場合(設定値が範囲外の場合)には、設定値に係る領域もクリアするようにしてもよい。
(v)非遊技状態制御主手段175は、メインエラー制御手段185によってエラー状態が判定された場合(上記の(i)の処理において各種センサが異常と判定された場合を含む)の少なくとも一部において、遊技不能状態を設定する。
(vi)非遊技状態制御主手段175は、上記の(i)から(iii)の処理において遊技可能状態を設定すると、遊技可能状態に遷移した旨を示す遊技可能コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
(vii)非遊技状態制御主手段175は、遊技可能コマンドの設定時又は変動停止コマンドの設定時を契機としてタイマが起動し、当該タイマの起動中に遊技球がアウト口69を通過しない状態で所定時間(例えば、30秒)が経過すると、後述する待機デモ演出Aを開始する為の演出制御コマンド(待機デモコマンド)をメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
【0117】
ここで設定値とは、複数段階の設定値の中から選択的に設定されるものであり、設定変更処理によって設定された設定値によって大当りに当選する確率が定まる(設定値ごとに大当りの当選確率が変化し得る)。
【0118】
ここで遊技可能コマンドとは、遊技可能状態の設定時に送信コマンド格納領域に格納される演出コマンドの総称であり、その内容は復電時から遊技可能状態の設定時までの経過に基づいて細分化できる。例えば、RAMクリア処理の後に遊技可能状態が設定された場合には、後述するRAMクリア報知の契機となる遊技可能コマンドを非遊技状態制御主手段175は設定し、RAMクリア処理を伴わずに遊技可能状態が設定された場合には、後述する復電報知の契機となる遊技可能コマンドを非遊技状態制御主手段175は設定する。
なお、本発明の実施において、非遊技状態制御主手段175は、上述の遊技可能コマンドに代えて、類似する意味合いの演出コマンド(例えば、RAMクリア処理の終了を示すコマンドや正常に復電したことを示すコマンド)の設定時を契機として待機デモコマンドを生成して、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納してもよい。
【0119】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、遊技の進行が可能な遊技可能状態を含む複数の状態のうち一の状態に制御する状態制御手段(非遊技状態制御主手段175)を備えているものと言える。
【0120】
メイン情報記憶手段180は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を一時的に記憶の結果導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0121】
メインエラー制御手段185は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、メインエラー制御手段185は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
【0122】
メインコマンド管理手段190は、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0123】
第1副制御基板200は、
図8に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段250、サブ情報記憶手段260、及びサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、
図7を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
なお、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段190から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。
【0124】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0125】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、先読み演出制御手段223、サブ保留制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、及び大当り演出制御手段227を備える。
【0126】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドが送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、低確時短モード、確変モードに大別される。特図変動パターン導出状態Aには通常モード、特図変動パターン導出状態Bには確変モード、特図変動パターン導出状態Cには低確時短モード、特図変動パターン導出状態Dには特殊モードが対応する。
また、演出モード制御手段221は、事前判定コマンドが送信された場合に、その事前判定コマンドに含まれる事前判定の結果(例えば、今回保留された図柄変動に対応する特図変動パターン導出状態)に基づいて、遊技状態指定コマンドが送信された場合と同様の手法で、今回保留された図柄変動に対応する演出モードを決定することもできる。
【0127】
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出モードに対応する複数種類の演出ルートから今回保留された図柄変動に対応する一の演出ルートを決定(設定)する。但し、演出ルート決定手段222は、変動開始コマンドで指定される特図変動パターン、現在設定されている演出モードなどに基づいて演出ルートを決定することもできる。
演出ルートとは、上述したとおり、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知するための演出の流れを特定可能とするものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。また、演出モードに対応する演出ルートの組合せは、演出モードごとに異なる。
【0128】
先読み演出制御手段223は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
【0129】
サブ保留制御手段224は、保留コマンドの受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留表示と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留表示とを表示させるための演出データを設定する。
なお、保留表示は、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する先読み保留変化演出の対象となる表示であり、当該先読み保留変化演出は、上述した先読み演出制御手段223によって制御される。
【0130】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドが送信された場合に、該コマンドに含まれる種々の情報(上述の特図変動パターンを含む)に基づいて、今回の図柄変動において実行する予告演出の内容を決定する。
より具体的には、演出ルート決定手段222は、決定された演出ルートの各段階において、実行する演出の内容(演出パターン)を、当該演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブル(不図示)を用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
また、演出ルートに対して実行する演出の内容が一義的に対応づけられていてもよく、このような場合であっても、演出ルートは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものと言える。
【0131】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出内容決定手段225によって決定された演出内容等に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。なお、以下の説明では、特に断りがない限り、装飾図柄の最終的な停止を、単に、装飾図柄の停止と表現する場合がある。
本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、及び数字の「7」を模した「7図柄」があり、以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0132】
装飾図柄制御手段226は、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させて決定することができる。具体的には、図柄Aと図柄cには偶数図柄揃い(例えば、「2図柄」−「2図柄」−「2図柄」)を対応させ、図柄Bと図柄bには7図柄揃いを除く奇数図柄揃い(例えば、「1図柄」−「1図柄」−「1図柄」)を対応させ、図柄aには7図柄揃いを対応させ、図柄Cと図柄Dと図柄dにはバラケ目(いずれの図柄揃いもない図柄の組合せ)を対応させている。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄bに偶数図柄揃いを対応させるなど、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
【0133】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
【0134】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
【0135】
上述したように、通常演出制御手段220によって制御される演出の一部(先読み演出制御手段223や演出内容決定手段225によって決定される演出)は、図柄変動期間に行われる予告演出である。
従って、本実施形態における遊技機10は、遊技可能状態において図柄変動が行われている図柄変動期間において実行される予告演出を制御する通常演出制御手段(通常演出制御手段220)を備えているものと言える。
また、通常演出制御手段220によって制御され得る予告演出には、一回の図柄変動の期間に複数回の擬似変動を含む擬似連演出が含まれるものと言える。
【0136】
待機デモ制御手段280は、待機デモコマンドが送信された場合に、その時点の遊技状態に基づいて、複数の異なる演出段階に変化する待機演出(待機デモ演出A、待機デモ演出B、クレジット表示等)を、所定の順番で実行させる。なお、待機演出の詳細については、後に詳述する。
待機デモ制御手段280は、待機演出に含まれる各演出段階の実行タイミングで当該演出段階に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
【0137】
ここで、待機デモコマンドが送信される場合は、上述したように、遊技可能状態を設定した時又は特別図柄の変動停止時を基準として所定時間(例えば、30秒)が経過した場合である為、待機デモ制御手段280によって制御される待機演出は、図柄停止期間に実行される演出であると言える。
換言すれば、本実施形態における遊技機10は、遊技可能状態に制御されており且つ図柄変動が停止している図柄停止期間において、遊技者に認識可能な区切りをもって複数の異なる演出段階に変化する待機演出を制御する待機演出制御手段(待機デモ制御手段280)を備えているものと言える。
【0138】
音量・光量調整手段290は、カーソルボタン38の操作に基づいて、スピーカ33の音量及び演出ランプ35の光量を調整する。より具体的には、音量・光量調整手段290は、左カーソルボタン38cの操作を受け付けるごとにスピーカ33の音量を1段階ずつ下げ、右カーソルボタン38dの操作を受け付けるごとにスピーカ33の音量を1段階ずつ上げる。また、音量・光量調整手段290は、下カーソルボタン38bの操作を受け付けるごとに1段階ずつ演出ランプ35の光量を下げ、上カーソルボタン38aの操作を受け付けるごとに1段階ずつ演出ランプ35の光量を上げる。
音量・光量調整手段290は、非遊技状態制御主手段175が遊技可能状態に制御している期間にわたって(図柄停止期間であるか図柄変動期間であるかに関わらず)常にカーソルボタン38の操作を有効に受け付けることができる。
なお、後述する待機デモ演出Aは、音量・光量調整手段290に関するカーソルボタン38の操作内容を説明する態様を含んでいる。
【0139】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段185と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
【0140】
ランプ制御手段240は、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220又は待機デモ制御手段280によって読み出された演出データに演出ランプ35に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信する。
【0141】
可動役物制御手段250は、可動装飾体22及び可動装飾体85の可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220又は待機デモ制御手段280によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22及び可動装飾体85へ送信する。
【0142】
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0143】
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各画像制御コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0144】
上述したように、通常演出制御手段220と待機デモ制御手段280は、読み出した演出データに基づいて画像制御コマンドを生成してサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納し、サブコマンド管理手段270は、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。そして、第2副制御基板300は受信した画像制御コマンドに基づいてメイン表示部81等を制御する。
ここで通常演出制御手段220によって生成された画像制御コマンドが送信されるタイミングは図柄変動期間であり、待機デモ制御手段280によって生成された画像制御コマンドが送信されるタイミングは図柄停止期間である為、第1副制御基板200及び第2副制御基板300は、図柄変動が行われている図柄変動期間であるか図柄変動が停止している図柄停止期間であるかに関わらず、演出表示手段(メイン表示部81)を制御する演出制御手段であると換言できる。
【0145】
<始動口入球時の処理について>
続いて、始動口入球時の処理について、
図13を用いて説明する。
図13は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、
図13に図示される処理手順は、一例であり、内容的に支障のない範囲でその順序等を変更することができ、実行タイミングの一部又は全部が互いに重複するものを含んでもよい。また、
図13に図示される各処理は始動口入球時に主制御基板100によって実行される主たる処理であり、必ずしも全ての処理を示すものではない。
【0146】
まず、第1始動口57及び第2始動口59に付設されている第1始動口センサ70及び第2始動口センサ71の検知結果に基づいて、入球判定手段110が第1始動口57又は第2始動口59への入賞を判定する(ステップS102)。入球判定手段110が入賞を判定するまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定されたとしても(ステップS102のYES)、メイン保留制御手段120により管理される特
図1又は特
図2保留カウンタが上限値(例えば4)に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
以降、説明の便宜のために、第1始動口57への入賞が判定された場合に特化して処理手順を説明するものとする。なお、第2始動口59への入賞が判定された場合も、対象が特
図2となることのみ相違し、他の処理内容は同様である。
【0147】
第1始動口57への入賞が判定され(ステップS102のYES)、かつ特
図1保留カウンタが上限値に達していないとき(ステップS104のNO)、メイン乱数発生手段115が各種乱数を生成する(ステップS106)。例えば、特図当否判定用の乱数、転落当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数が生成される。
メイン保留制御手段120は、ステップS106で生成された各種乱数を取得し、それら乱数を特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)(ステップS108)。
続いて、メイン保留制御手段120は、特
図1保留カウンタに1加算し(ステップS11)、加算後の特
図1保留カウンタの値を含む保留コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている保留コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS112)。
ここで、ステップS110及びS112は、ステップS106及びS108と並行に実行されてもよいし、それらよりも先に実行されてもよい。
【0148】
事前判定手段130は、所定の事前判定タイミングにおいて特
図1の作動保留情報が保留(記憶)された場合に(ステップS114のYES)、その作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する(ステップS116)。事前判定では、例えば、対象となる作動保留情報の各種乱数を読み出し、特図当否判定の事前判定、転落当否判定の事前判定、特図停止図柄抽選の事前判定、特図変動パターン抽選の事前判定を実行する。各事前判定では、その作動保留情報に基づいて特図抽選手段140により実行される各抽選の結果と同一の結果が導出される。
事前判定手段130は、ステップS116における事前判定の結果を含む事前判定コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている事前判定コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS118)。
【0149】
<図柄変動の変動開始時の処理について>
続いて、図柄変動の変動開始時の処理について、
図14を用いて説明する。
図14は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、
図14に図示される処理手順は、一例であり、内容的に支障のない範囲でその順序等を変更することができ、実行タイミングの一部又は全部が互いに重複するものを含んでもよい。また、
図14に図示される各処理は図柄変動開始時に主制御基板100によって実行される主たる処理であり、必ずしも全ての処理を示すものではない。
【0150】
まず、特図抽選手段140は、特図の変動開始条件が充足されているか否かを判定する(ステップS202)。例えば、大当り遊技中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されているか否かが判定される。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0151】
ステップS202の判定が肯定されると(ステップS202のYES)、特図抽選手段140は、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す(ステップS204)。
最先の作動保留情報が読み出されると、メイン保留制御手段120は、その読み出された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報の格納領域をシフトさせ、読み出された作動保留情報に対応する特
図1又は特
図2の保留カウンタを1減算する(ステップS206)。
続いて、特
図1又は特
図2の保留カウンタが更新されたため、メイン保留制御手段120は、減算後の特
図1又は特
図2の保留カウンタの値を含む保留コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている保留コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS208)。
【0152】
ステップS204で最先の作動保留情報が読み出されると、転落当否判定手段144が、その作動保留情報の転落当否判定用乱数を取得し、その乱数と転落当否判定用の抽選テーブル(
図9(e)参照)を用いて転落当否判定に当選するか否かを抽選によって決定する(ステップS210)。
続いて、特図当否判定手段141が、その作動保留情報の特図当否判定用乱数を取得し、その乱数と特図当否判定用の抽選テーブル(
図9(a)及び
図9(b)参照)を用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する(ステップS212)。このとき、特図抽選状態が特定され、その特図抽選状態に対応する抽選テーブルが参照される。
更に、特図停止図柄抽選手段142が、ステップS212の特図当否判定の結果に基づいて、特図の停止図柄を決定する(ステップS214)。具体的には、特図停止図柄抽選手段142は、ステップS214の特図当否判定の結果が大当りを示す場合には、当該作動保留情報の特図停止図柄抽選用乱数を取得し、その乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブル(
図9(c)、及び
図9(d)参照)を用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。ステップS214の特図当否判定の結果が小当り又ははずれを示す場合には、特図停止図柄抽選手段142は、固定的に決められている特図の小当り用の停止図柄又は特図のはずれ用の停止図柄を一律に決定する。
加えて、特図変動パターン導出手段143が、ステップS210、S212及びS214の結果に基づいて、特図変動パターンを導出する(ステップS216)。例えば、特図変動パターン導出手段143は、遊技状態制御手段155により制御される現在の特図変動パターン導出状態を特定し、この特図変動パターン導出状態とステップS210、S212及びS214の結果に基づいて、複数種類の特図変動パターン抽選テーブルの中から一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと当該作動保留情報の特図変動パターン抽選用乱数とを用いて一つの特図変動パターンを導出する。
【0153】
特図変動パターン導出手段143は、ステップS216で導出された特図変動パターンを指定する変動開始コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。このとき、その変動開始コマンドには、低確時短に対応する特図変動パターン導出状態Cが開始されてからの図柄変動の回数の情報が少なくとも含まれる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている変動開始コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS218)。
【0154】
<待機演出に関する処理について>
続いて、待機演出に関する処理について、
図15及び
図16を用いて説明する。
図15は、待機デモ処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16は、待機演出処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、
図15及び
図16に図示される処理手順は、一例であり、内容的に支障のない範囲でその順序等を変更することができ、実行タイミングの一部又は全部が互いに重複するものを含んでもよい。また、
図15に図示される各処理は図柄停止期間に主制御基板100によって実行される処理であり、
図16に図示される各処理は図柄停止期間に第1副制御基板200によって実行される処理であり、必ずしも待機演出に関する処理の全てを示すものではない。
【0155】
まず、図柄表示制御手段165によって変動停止コマンドがメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納された場合(ステップS302のYES)、又は、非遊技状態制御主手段175によって遊技可能コマンドが情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納された場合(ステップS304のYES)、非遊技状態制御主手段175が待機デモコマンドを生成する為のタイマを起動して(ステップS306)、ステップS308に進む。
変動停止コマンド及び遊技可能コマンドのいずれも情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納されない場合(ステップS302のNO及びステップS304のNO)、当該タイマは起動されずに、ステップS308に進む。
【0156】
ステップS306で起動したタイマの起動中にアウト口69を遊技球が通過した場合(ステップS308のYES)、非遊技状態制御主手段175は当該タイマを停止する(当該タイマで計数した時間をクリアにして、その起動をオフにする)(ステップS314)。
【0157】
また、当該タイマの起動中にアウト口69を遊技球が通過しない状態(ステップS308のNO)、30秒を経過するまで(ステップS310のNO)上述したステップS302〜ステップS308の処理を繰り返し、30秒を経過すると(ステップS310のYES)非遊技状態制御主手段175は待機デモコマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている待機デモコマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS312)。
待機デモコマンドを第1副制御基板200に送信した場合にも、非遊技状態制御主手段175は、タイマの起動を停止する(ステップS314)。
【0158】
続いて、図柄停止期間であることを条件として(ステップS402のYES)、ステップS312で送信された待機デモコマンドを受信すると(ステップS404のYES)、待機デモ制御手段280は、待機演出を行う為のタイマを起動して(ステップS406)、待機デモ演出Aを実行して(ステップS408)、ステップS410に進む。
図柄停止期間であったとしても(ステップS402のYES)、待機デモコマンドを受信しない場合には(ステップS404のNO)、待機デモ制御手段280は、ステップS406及びステップS408の処理を行わずに、ステップS410に進む。
なお、待機デモ演出Aの態様については後に詳述するが、待機デモ演出Aは演出可動体(大ネコ装飾体85a等)の作動を伴う待機演出である。
【0159】
なお、待機デモ制御手段280は、図柄停止期間ではない場合(ステップS402のNO)、仮に待機デモコマンドを受信しても無効とする。待機デモコマンドは、設計上、図柄停止期間にのみ主制御基板100から第1副制御基板200に送信されるコマンドだからである。
ここで「図柄停止期間ではない場合(ステップS402のNO)」には、遊技不能状態である場合(所定のエラー状態を示すエラーコマンドを受信した場合)、及び図柄変動期間である場合(変動開始コマンドを受信した場合)も該当する。
この場合、待機デモ制御手段280は、待機演出を停止させる(ステップS434)。ここでステップS434の処理は、実行中の待機演出を停止させることの他、待機演出を実行していない状態において当該状態を維持することを含む。
【0160】
図柄停止期間に、音量・光量調整手段290による音量・光量調整処理が行われた場合(ステップS410のYES)、ステップS406で起動したタイマがカウントした時間を0(零)秒に戻して(ステップS412)、ステップS414に進む。
また、音量・光量調整手段290による音量・光量調整処理が行われていない場合(ステップS410のNO)、ステップS412の処理を行わずに、ステップS414に進む。
【0161】
ステップS406で起動したタイマがカウントした時間が30秒を経過するまで待機デモ演出Aの実行を維持し(ステップS414のNO)、30秒を経過すると(ステップS414のYES)、クレジット表示及び注意事項の表示を行って(ステップS416)、次のステップ418に進む。
なお、クレジット表示及び注意事項の表示の態様については後に詳述する。
【0162】
ステップS406で起動したタイマがカウントした時間が90秒を経過するまでクレジット表示及び注意事項の表示を維持する(ステップS418のNO)。
当該タイマがカウントした時間が90秒を経過した場合において(ステップS418のYES)、特図変動パターン導出状態が特図変動パターン導出状態Aである場合(ステップS420のYES)、待機デモ演出Bを実行して(ステップS422)、ステップ424に進む。
また、当該タイマがカウントした時間が90秒を経過した場合において(ステップS418のYES)、特図変動パターン導出状態が特図変動パターン導出状態A以外である場合(ステップS420のNO)、ステップS422の処理を行わずに、ステップ430に進む。
ステップS420の判定は、具体的には、直近に受信した遊技状態指定コマンドに基づいて判定される。第1副制御基板200(待機デモ制御手段280)が当該コマンドを受信するタイミング(主制御基板100が当該コマンドを送信するタイミング)は、特に制限されず、上述した待機デモコマンドの送信や変動停止コマンドの送信と同時であってもよいし、それらより前のタイミング(例えば、変動開始コマンドの送信と同時)であってもよいし、それらより後のタイミングであってもよい。
なお、待機デモ演出Bの態様については後に詳述するが、待機デモ演出Bは演出可動体である大ネコ装飾体85aの作動を伴う待機演出である。
【0163】
ステップS422で待機デモ演出Bを実行した場合には、ステップS406で起動したタイマがカウントした時間が120秒を経過するまで待機デモ演出Bの実行を維持し(ステップS424のNO)、120秒を経過すると(ステップS424のYES)、待機デモ演出Cを実行する(ステップS426)。ステップS426で待機デモ演出Cを実行した後に、ステップS406で起動したタイマがカウントした時間が150秒を経過するまで待機デモ演出Cの実行を維持し(ステップS428のNO)、150秒を経過すると(ステップS428のYES)、当該タイマがカウントした時間を0(零)秒に戻して(ステップS430)、待機デモ演出Aを実行する(ステップS432)。なお、待機デモ演出Cの態様については後に詳述するが、待機デモ演出Cは演出可動体である大ネコ装飾体85aに加えて左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cの作動を伴う待機演出である。
また、ステップS422で待機デモ演出Bを実行しなかった場合には、タイマがカウントした時間を0(零)秒に戻して(ステップS430)、待機デモ演出Aを実行する(ステップS432)。
即ち、上記のいずれの場合にも、待機デモ演出Aから再び待機演出を繰り返す。
【0164】
以上説明したように、待機デモ制御手段280によって制御される待機演出の態様は、特図変動パターン導出状態Aである場合に実行され、且つ、演出可動体が作動する待機デモ演出B及びCを含む第一態様(待機デモ演出A、クレジット表示、注意喚起の表示、待機デモ演出B、待機デモ演出Cの順にループする態様)と、特図変動パターン導出状態A以外である場合に実行され、且つ、演出可動体が作動する待機デモ演出B及びCを含まない第二態様(待機デモ演出A、クレジット表示、注意喚起の表示の順にループする態様)と、が含まれる。
言い換えれば、待機演出の少なくとも一部は、演出可動体が作動する第一段階(待機デモ演出B及びC)を含んでおり、第一段階を含む待機演出は、演出可動体が作動しない第二段階(待機デモA、クレジット表示、注意喚起の表示)も含んでいるものと言える。
更に、上記の待機演出には、演出可動体が作動する第一段階(待機デモ演出B及びC)を含む第一態様の待機演出と、第一段階を含まない第二態様の待機演出と、があり、待機演出制御手段(待機デモ制御手段280)は、第二状態(特図変動パターン導出状態B及びC)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合、第一態様の待機演出を実行させないものと言える。
また、待機演出制御手段(待機デモ制御手段280)は、第三状態(特図変動パターン導出状態D)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合、第一状態(特図変動パターン導出状態A)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合に比べて第一態様の待機演出を実行させる割合が少なく、且つ、第二状態(特図変動パターン導出状態B及びC)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合に比べて第一態様の待機演出を実行させる割合が等しい(第一状態と第三状態共に割合が零である)ものと言える。
そして、上記の待機演出における第一態様と第二態様とは、演出可動体が作動しない第二段階(待機デモ演出A、クレジット表示、注意喚起の表示)を共に含んでいるものと言える。
【0165】
ここで「第一態様の待機演出」は、「演出可動体が作動する」演出段階と「演出可動体が作動しない」演出段階との組み合わせによって構成される待機演出の他、「演出可動体が作動する」演出段階のみで構成される待機演出も該当し得る。但し、後者の待機演出は、「演出可動体が作動する第一段階」と「第一段階とは異なる態様で作動する他の段階」との組み合わせによって構成されることを要する。
ここで「第二態様の待機演出」は、「演出可動体が作動しない」演出段階を複数組み合わせて構成される待機演出が該当し得る。
本実施形態に即して言えば、特図変動パターン導出状態Aにおいて実行され得る待機デモ演出Bを含む待機演出が「第一態様の待機演出」に相当し、特図変動パターン導出状態B、C及びDにおいて実行され得る待機デモ演出Bを含まない待機演出が「第二態様の待機演出」に相当する。
【0166】
図柄変動の平均時間が短い特図変動パターン導出状態B及びCに行われる待機演出において可動装飾体85が作動している場合、その作動中に保留入賞して図柄変動が開始されると可動装飾体85の作動を伴う予告演出(例えば、後述するネコ可動予告)が図柄変動に収まらない虞がある。
しかしながら、本実施形態ではステップS420の判定を行うことによって、特図変動パターン導出状態B及びCに制御された図柄停止期間において待機デモ演出Bを作動させ得る態様(第一態様)の待機演出を実行させる場合がないので、上記のような事態を確実に回避することができる。
【0167】
なお、本実施形態では、特図変動パターン導出状態B、C及びDに制御された図柄停止期間において待機デモ演出B及びCを実行し得る態様(第一態様)の待機演出を実行させる場合がないものとしたが、その実行頻度(実行させる割合)を低減すれば上記のような事態を抑制可能であり、本発明の効果を奏しうる。
即ち、本発明の実施においては、待機演出制御手段は、第二状態(特図変動パターン導出状態B及びC)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合、第一状態(特図変動パターン導出状態A)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合に比べて第一態様の待機演出を実行させる割合が少なければ足り得る。
また、本発明の実施においては、待機演出制御手段は、第三状態(特図変動パターン導出状態D)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合、第一状態(特図変動パターン導出状態A)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合に比べて第一態様の待機演出を実行させる割合が少なく、且つ、第二状態(特図変動パターン導出状態B及びC)に制御された図柄停止期間において待機演出を実行させる場合に比べて第一態様の待機演出を実行させる割合が多くても良い。第三状態(特図変動パターン導出状態D)は、第二状態(特図変動パターン導出状態B及びC)に比べて図柄変動の平均時間が長く、待機デモ演出B及びCの実行(可動装飾体85の作動)を許容しうるので、第二状態ほど厳正に制限をかけずに済み得るからである。
【0168】
ここで第二状態において第一態様の待機演出を実行する頻度を、第一状態において同態様の待機演出を実行する頻度より低減させ方法としては、例えば、ステップS420の判定に代えて、演出抽選を行う方法が挙げられる。この変形例において、(i)第一状態及び第二状態の双方によって演出抽選を実行し且つ前者における当選確率(第一態様の待機演出を実行する割合)を後者より高くする方法、(ii)第一状態では必ず(100%の割合)で第一態様の待機演出を実行し、第二状態では演出抽選に当選した場合(100%未満の割合)で第一態様の待機演出を実行する方法、等が考えられる。
【0169】
<音量・光量調整処理について>
続いて、音量・光量調整処理について、
図17を用いて説明する。
図17は、音量・光量調整処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、
図17に図示される処理手順は、一例であり、内容的に支障のない範囲でその順序等を変更することができ、実行タイミングの一部又は全部が互いに重複するものを含んでもよい。また、
図17に図示される各処理は遊技可能状態において第1副制御基板200によって実行される音量・光量調整に関する処理の主たるものであり、必ずしも音量・光量調整に関する全ての処理を示すものではない。
【0170】
まず、音量・光量調整手段290は、遊技可能状態においてカーソルボタン38の操作を検知した場合(ステップS502のYES且つステップS504のYES)、ステップS506以降の処理に進む。
また、音量・光量調整手段290は、遊技可能状態ではない場合(ステップS502のNO)、又はカーソルボタン38の操作を検知しない場合(ステップS504のNO)、ステップS506以降の処理を行わずに、音量・光量調整処理を終了させる。
なお、ステップS502の判定は、具体的には、その判定以前に受信した各種の演出コマンドに基づいて判定される。第1副制御基板200(音量・光量調整手段290)が当該コマンドを受信するタイミング(主制御基板100が当該コマンドを送信するタイミング)や演出コマンドの種別は、特に制限されない。
【0171】
次に、光量調整手段290は、後述する音量調整表示81g及び光量調整表示81h(
図23(b)参照)を、メイン表示部81に表示させる(ステップS506)。
ここで、ステップS506で表示される音量調整表示81g及び光量調整表示81hは、前述したステップS408及びステップS428における待機デモ演出Aの実行時においてメイン表示部81に表示されるものと共通である。
即ち、音量・光量調整に関する表示(音量調整表示81g及び光量調整表示81h)は、遊技可能状態に滞在している場合には、図柄変動期間にも図柄停止期間にも表示され得る。
【0172】
ステップS504において操作が検知されたカーソルボタン38が、左カーソルボタン38cであればスピーカ33の音量を1段階下げ、右カーソルボタン38dであればスピーカ33の音量を1段階上げる(ステップS508のYES、ステップS510)。
また、ステップS504において操作が検知されたカーソルボタン38が、下カーソルボタン38bであれば演出ランプ35の光量を1段階下げ、上カーソルボタン38aであれば演出ランプ35の光量を1段階上げる(ステップS508のYES、ステップS510)。
【0173】
なお、上記の音量・光量調整処理は、遊技可能状態に滞在している場合には、図柄変動期間にも図柄停止期間にも可能であるように説明したが、音量調整処理及び光量調整処理のうち少なくとも一方について、図柄停止期間に実行可能であり、図柄変動期間には実行不能とする構成としてもよい。
【0174】
<通常時の演出構成について>
続いて、上述した待機演出の態様について、
図18〜
図21を用いて説明する。
図18は、一部の特図変動パターン及びネコ可動予告に係るタイムチャートである。
図19及び
図20は、メイン表示部81の表示態様の一具体例を示す図である。
図21は、可動装飾体85の動作に関するタイムチャートである。
なお、上記の各タイムチャートにおいては、上部に図示されている各数字が時間(秒数)を表している。また、
図18のタイムチャートは、変動図柄の停止時(変動停止コマンドの送信時)を基準(0秒)として説明に必要な時間帯に限って図示するものであり、図示する時間帯を超えて各種演出が実行され得る。なお、
図21の上部に図示される数字(秒数)は、ネコ可動予告の開始タイミング(大ネコ装飾体85aの作動開始タイミング)を「0」とするものであり、
図18のタイムチャートに図示される秒数とは必ずしも一致しない。
【0175】
上記の各タイムチャートに記載されている「表示層」とは、メイン表示部81に表示される演出画像を構成する各レイヤーのことであり、第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、最上位層の順に上位となる。ここで「表示層」における「上位」とは各表示層における画像の表示位置が重複した場合に、遊技者にとって優先的に視認されることをいい、「表示層」における「下位」とは「表示層」における「上位」の逆の概念をいう。
第1層は、背景表示が表示される表示層であり、ここで列挙する表示層の中で最も下位に位置付けられる。
第2層は、装飾図柄(上述した特殊図柄を含む)が表示される表示層であり、擬似連演出やリーチ演出が行われる表示層である。
第3層は、後述するネコ可動予告に割り当てられており、可動装飾体85の背景に表示される演出画像が表示される表示層である。
第4層は、特定の予告演出(ネコ可動予告を含む)において、装飾図柄が視認困難になることを避ける為に、退避表示(隅部に小さく表示)が行われる表示層である。
第5層は、上述した音量・光量調整処理に関する表示(
図23(b)に図示する音量調整表示81g及び光量調整表示81h)が行われる表示層である。
第6層は、待機演出中に表示されるクレジット表示及び注意喚起の表示が行われる表示層である。
最上位層は、エラー表示が表示される表示層であり、ここで列挙する表示層の中で最も上位に位置付けられる。最上位層に表示されるエラー表示には、後述する初期画面の他、設定変更処理や設定確認処理の最中に表示される画像等も含まれる。
【0176】
上記の各タイムチャートに記載されている「物理層」とは、メイン表示部81より物理的に上位層(遊技者から見て前方)に設けられた演出デバイスが存在する位置をいう。
具体的には、本実施形態では大ネコ装飾体85aが存在する物理層と、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cが存在する物理層と、があり、前者より後者が上位に位置付けられる。ここで「物理層」における「上位」とは各物理層に位置する演出デバイスが重複した場合に、遊技者にとって優先的に視認されることをいい、遊技者から前方に位置することを略同義である。また、「物理層」における「下位」とは、「物理層」における「上位」とは逆の概念をいう。
【0177】
なお、上記に列挙した表示層及び物理層の数や、その層に設けられている演出を構成する要素(演出画像及び演出デバイス)の種別は、特に制限されるものではなく、本発明の目的を達する範囲内において適宜変更可能であるし、一部を省略したり、挙げていない要素を設ける層を追加したりしてもよい。
例えば、上記の保留表示を設ける表示層は、第2層(装飾図柄)の上位であって、第4層(装飾図柄退避表示)の下位に設けられることが好ましい。ここで保留表示の表示層と、第3層(ネコ可動予告)とについては、どちらが上位であってもよい。
【0178】
図18は、特図変動パターン導出状態Aにおける一部の特図変動パターン及びネコ可動予告について、各層(物理層と表示層)に設けられる演出要素(演出画像又は演出デバイス)の表示期間又は作動期間を示すものである。また、
図19は、特図変動パターン導出状態Aにおけるメイン表示部81の表示態様の一具体例を示している。
【0179】
図18に図示される「基本変動3」は、特図変動パターンPAX13に係るものであり、5秒の変動期間を経て全ての列の装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)が同時停止した後に確定表示となることを表している。
図18に図示される「基本変動2」は、特図変動パターンPAX12に係るものであり、8秒の変動期間を経て全ての列の装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)が同時停止した後に確定表示となることを表している。
図18に図示される「基本変動1」は、特図変動パターンPAX11に係るものであり、9秒の変動期間を経て、左図柄81b、右図柄81d、中図柄81cの順に仮停止し、中図柄81cの仮停止までの計13秒の変動期間の後に確定表示となることを表している。
図18に図示される「擬似連ガセ」は、特図変動パターンPAX14に係るものであり、9秒の変動期間を経て、左図柄81b、右図柄81dの順に仮停止し、擬似連演出になるかのような煽りを行った上で特殊図柄ではない装飾図柄が仮停止するまでの計15秒の変動期間の後に確定表示となることを表している。
図18に図示される「擬似連ガセ」は、特図変動パターンPAX21等に係るものであり、9秒の変動期間を経て、左図柄81b、右図柄81dの順に仮停止し、擬似連演出になるかのような煽りを行った上で特殊図柄が仮停止するまでの計15秒の変動期間の後に擬似2回目が始まることを表している(なお、擬似3回目以降については不図示である)。
図18に図示される「ノーマルリーチ」は、特図変動パターンPAX15又は特図変動パターンPAY11に係るものであり、9秒の変動期間を経て、左図柄81b、右図柄81dの順に仮停止してリーチ目を形成し、リーチ演出を行った上で中図柄81cが仮停止するまでの計23秒の変動期間の後に確定表示となることを表している。
【0180】
図19(a)は、上述の各特図変動パターンにおいて全ての列の装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)が変動している状態を表している。
図19(b)は、上述の各特図変動パターンにおいて全ての列の装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)が確定表示した結果、バラケ目になった状態を表している。
図19(c)は、上述の特図変動パターンPAY11等において全ての列の装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)が確定表示した結果、図柄揃い(7揃い)になった状態を表している。
これらから明らかであるように、背景表示81aは、各装飾図柄よりも下位の表示層に表示される為、左図柄81b、中図柄81c、及び右図柄81dと重複している部分については視認困難になる。
【0181】
図18に図示される「ネコ背景」「装飾図柄退避」「85a作動」「85b、85c作動」はいずれもネコ可動予告演出を構成する要素であり、それぞれ
図20に図示されているネコ背景表示81f、装飾図柄退避表示81e、大ネコ装飾体85a、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cに相当する。
ここでネコ可動予告とは、図柄変動中に行われる予告演出の一つであり、大ネコ装飾体85aがそのバックにネコ背景表示81fの表示を伴って作動(移動)する。より具体的には、大ネコ装飾体85aが半分程度せり上がる態様(
図20(b)参照)、大ネコ装飾体85aの全体がせり上がる態様(
図20(c)参照)、大ネコ装飾体85aと共に左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cも作動する態様(
図20(c)参照)の3つのパターンがある。なお、
図20(b)の態様、
図20(c)の態様、
図20(d)の態様の順に大当り期待度(信頼度)が高くなる構成になっている。
【0182】
図18に図示される「ネコ背景」「装飾図柄退避」「85a作動」「85b、85c作動」が、0秒(変動開始時)から2秒経過時までの2秒間(変動開始の直後の期間)と、15秒経過時から17秒経過時までの2秒間(擬似2回目に含まれる期間)と、に図示されているのは、双方の期間においてネコ可動予告が実行され得ることを表している。なお、ここでは図示していないが、本実施形態において擬似3回目にネコ可動予告が行われる場合はあるが、擬似4回目はネコ可動予告が行われる場合は無い。擬似4回目に行われる予告演出は、全回転リーチに限られるからである。
言い換えれば、第1副制御基板200(通常演出制御手段220)によって制御され得る予告演出には、演出可動体が作動する第一予告演出(変動開始の直後に行われるネコ可動予告)と、第一予告演出における演出可動体の作動タイミングより遅いタイミングに演出可動体が作動する第二予告演出(擬似2回目以降に行われるネコ可動予告)と、が含まれる。
更に詳しく言えば、各々の予告演出が実行される図柄変動の開始時を基準として、第一予告演出(変動開始の直後に行われるネコ可動予告)における演出可動体の作動タイミングと、第二予告演出における演出可動体(擬似2回目以降に行われるネコ可動予告)の作動タイミングと、を比べると、第二予告演出の方が遅いとも言える。
【0183】
なお、本実施形態では、待機デモ演出B及びCの実行中において始動口入賞が生じた場合には、変動開始の直後の期間におけるネコ可動予告の実行が規制される。何故ならば、上述したように待機デモ演出B及びCは可動装飾体85の作動を伴う待機演出であり、その作動中(可動位置に可動装飾体85に移動した状態)において図柄変動が開始した場合には、変動開始の直後からネコ可動予告を実行することが困難だからである。
なお、待機デモ演出A、クレジット表示及び注意喚起に係る表示の実行中において始動口入賞が生じた場合には、上記のような事情に該当しないので、変動開始の直後の期間におけるネコ可動予告の実行は規制されない。
また、待機デモ演出B及びCの実行中であっても、上記のような事情に該当しないので、擬似2回目以降の期間におけるネコ可動予告の実行は規制されない。
【0184】
図21は、これらの期間における大ネコ装飾体85a、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cの動作(
図20(d)の態様におけるネコ可動予告)について詳細に示したものである。
まず、大ネコ装飾体85aは、0.4秒をかけて原位置から可動位置(メイン表示部81の中央前方)まで移動する。そして、ネコ可動予告の開始タイミングから1秒経過した時、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cの作動が開始する。ここで左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cは、0.1秒をかけて各々の原位置から可動位置(大ネコ装飾体85aの左側と右側)まで移動する。
ネコ可動予告の開始タイミングから1.6秒経過した時に大ネコ装飾体85aは原位置への退避を開始し、ネコ可動予告の開始タイミングから1.9秒経過した時に左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cは原位置への退避を開始し、いずれも2秒経過するまでに原位置に戻る。
【0185】
以上のことを整理すると、ネコ可動予告における各可動装飾体85の動きについては以下のようなことが言える。
【0186】
ネコ可動予告は2秒間にわたって実行される予告演出であり、その実行期間は、特図変動パターン導出状態A及びDにおいて導出され得る特図変動パターンのうち最短時間のもの(特図変動パターンPAX13の5.1秒)より短く、特図変動パターン導出状態B及びCにおいて導出され得る特図変動パターンのうち最短時間のもの(特図変動パターンPBX13の0.3秒)より長い。
即ち、ネコ可動予告は、特図変動パターン導出状態A及びDにおいて導出され得る特図変動パターンの全てにおいて変動時間内に収まる予告演出であるが、特図変動パターン導出状態B及びCにおいて導出され得る特図変動パターンの一部において変動時間内に収まらない可能性がある予告演出である。
【0187】
ネコ可動予告において作動時間(原位置から可動位置までの移動時間)及び退避時間(可動位置から原位置までの移動時間)が長い方の演出可動体である大ネコ装飾体85aについて、その作動時間及び退避時間(0.4秒)は、特図変動パターン導出状態A及びDにおいて導出され得る特図変動パターンのうち最短時間のもの(5.1秒)より短く、特図変動パターン導出状態B及びCにおいて導出され得る特図変動パターンのうち最短時間のもの(0.3秒)より長い。
ネコ可動予告において作動時間及び退避時間が短い方の演出可動体である左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cについて、その作動時間及び退避時間(0.1秒)は、特図変動パターン導出状態A及びDにおいて導出され得る特図変動パターンのうち最短時間のもの(5.1秒)より短く、特図変動パターン導出状態B及びCにおいて導出され得る特図変動パターンのうち最短時間のもの(0.3秒)より短い。
従って、第一の変動パターン候補(特図変動パターン抽選テーブルA)から導出され得る変動パターンの最短時間が、少なくとも一部の演出可動体(大ネコ装飾体85a)が可動位置から原位置に戻るまでの退避時間より長く、且つ、第二の変動パターン候補(特図変動パターン抽選テーブルB)から導出され得る変動パターンの最短時間が当該退避時間より短いと言い換えることができる。
また、第一の変動パターン候補(特図変動パターン抽選テーブルA)及び第二の変動パターン候補(特図変動パターン抽選テーブルB)から導出され得る変動パターンの最短時間が、少なくとも一部の演出可動体(左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85c)が可動位置から原位置に戻るまでの退避時間より短く、且つ、から導出され得る変動パターンの最短時間が退避時間より短いと言い換えることができる。
【0188】
上述したように、待機デモ演出B及びCの実行中において始動口入賞が生じた場合には、変動開始の直後におけるネコ可動予告の実行が規制されるが、擬似2回目以降におけるネコ可動予告の実行は規制されない。
また、待機デモ演出A、クレジット表示及び注意喚起に係る表示の実行中において始動口入賞が生じた場合には、変動開始の直後においても擬似2回目以降においても、ネコ可動予告の実行は規制されない。
当然ながら、通常の図柄変動(待機デモ演出B及びCの実行期間ではない期間に生じた始動口入賞に起因する図柄変動)においては、変動開始の直後においても擬似2回目以降においても、ネコ可動予告の実行は規制されない。
【0189】
即ち、本実施形態では、待機演出の第一段階(待機デモ演出B及びC)において始動口に入賞した場合、図柄変動期間(通常の図柄変動)において始動口に入賞した場合に比べて、予告演出における演出可動体の作動の少なくとも一部が制限されるものと言える。
また、本実施形態では、待機演出の第一段階(待機デモ演出B及びC)において始動口に入賞した場合、待機演出の第二段階(待機デモ演出A、クレジット表示及び注意喚起に係る表示)において始動口に入賞した場合に比べて、予告演出における演出可動体の作動の少なくとも一部が制限されるものと言える。
【0190】
ここで、待機演出の第一段階(待機デモ演出B及びC)における始動口の入賞に起因する図柄変動において第二予告演出(擬似2回目以降のネコ可動予告)が行われる頻度Aに対する第一予告演出(変動開始の直後のネコ可動予告)が行われる頻度Bの比率B/Aは0(零)である。一方で、上記の図柄変動(ネコ可動予告の規制が行われた図柄変動)の期間における始動口の入賞に起因する後の図柄変動(通常の図柄変動)において第二予告演出が行われる頻度Cに対する第一予告演出が行われる頻度Dの比率D/Cは0より大きい。即ち、前者の比率B/Aは後者の比率D/Cより小さいものと言える。
また、待機演出の第一段階(待機デモ演出B及びC)における始動口の入賞に起因する図柄変動において擬似連演出が行われる第一の場合と、当該図柄変動(ネコ可動予告の規制が行われた図柄変動)の期間における始動口の入賞に起因する後の図柄変動において擬似連演出が行われる第二の場合とを比べると、最初の擬似変動(擬似1回目)において第一の場合に演出可動体が作動する頻度aと第二の場合に演出可動体が作動する頻度b(=D)との差の大きさは|0(零)−D|である。一方で、二回目以降の擬似変動(擬似2回目及び擬似3回目)において第一の場合に演出可動体が作動する頻度c(=C)と第二の場合に演出可動体が作動する頻度d(=C)との差の大きさは|C−C|=0(零)である。従って、前者の差の大きさが後者の差の大きさより大きい。
上記のような関係が成立するので、ネコ可動予告(演出可動体の作動)を制限する機会を最低限に抑えることができる。
【0191】
なお、上記に整理した本発明に係る要件は、その目的を達成する範囲内において適宜変更可能であり、記載した各時間長さ、演出の発生頻度や実行割合、或いはこれらから算出される値についても、要件を充足する範囲内で変化してもよい。
【0192】
<待機期間中の演出構成について>
続いて、上述した待機期間中の演出構成について、
図22〜
図25を用いて説明する。
図22は、特図変動パターン導出状態Aにおいて実行される待機演出の態様(第一態様)に係るタイムチャートである。
図23は、特図変動パターン導出状態B、C及びDにおいて実行される待機演出の態様(第二態様)に係るタイムチャートである。
図24及び
図25は、メイン表示部81の表示態様の一具体例を示す図である。
なお、上記の各タイムチャートにおいては、上部に図示されている各数字が時間(秒数)を表している。また、各タイムチャートは、変動図柄の停止時(変動停止コマンドの送受信時)を基準(0秒)として説明に必要な時間帯に限って図示するものであり、図示する時間帯を超えて各種演出が実行され得る。そして、各タイムチャートに図示されている「表示層」と「物理層」については上述した内容と同義である。
【0193】
まず、特図変動パターン導出状態Aにおいて実行される待機演出(第一態様)の演出構成について説明する。
図22に示すとおり、上記の基準から30秒経過するまで、第1副制御基板200の制御によって、メイン表示部81には第1層に背景表示81aと、第2層には装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)と、が表示されている(
図24(a)参照)。
図22では、第2層に各装飾図柄が停止表示されている状態が維持されることを「図柄アイドリング」と記載しており、以下の説明においても同様の意味で用いる。
なお、この期間は、非遊技状態制御主手段175によって起動されるタイマ(ステップS306で起動するタイマ)によって管理されるものである。
【0194】
ここで第1層に表示される背景表示81aと第2層に表示される装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)とは、上記の基準時において各表示層に対応するRAM203の所定の記憶領域(後述する第一記憶領域)に格納されている演出データが第1副制御基板200及び第2副制御基板300に処理されることによって、メイン表示部81に表示される。
【0195】
以上説明したように、演出制御手段(第1副制御基板200)は、図柄変動期間における少なくとも図柄変動が停止した時、及び、図柄変動が停止してから第一時間(30秒)が経過するまでの図柄停止期間に含まれる第一期間(30秒経過時から60秒経過時までの期間)において、第一の表示層(第1層及び第2層)に配置される第一演出画像(背景表示81a、左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d等)を、遊技者に対して視認可能に表示させるものと言える。
【0196】
上記の基準から30秒経過すると、主制御基板100(非遊技状態制御主手段175)から第1副制御基板200(待機デモ制御手段280)に対して待機デモコマンドが送信されて、待機デモ制御手段280は、上記の各表示より上位の第5層に音量調整表示81g及び光量調整表示81hを表示させ、その状態を30秒間維持する(
図24(b)参照)。
上述した待機デモ演出Aは、
図24(b)に図示する表示態様が維持されている時間帯(30秒経過時から60秒経過時までの期間)が該当する。
図24(b)から明らかであるように、音量調整表示81g及び光量調整表示81hはメイン表示部81の表示領域の全面を覆うものではない為、音量調整表示81g及び光量調整表示81hを表示させても、より下位層に設けられた背景表示81a、左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d等が視認可能である(但し、
図24(a)の状態に比べて視認困難になったものと言える)。
なお、この期間は、待機デモ制御手段280によって起動されるタイマ(ステップS406で起動するタイマ)によって管理されるものであり、以降に説明する各待機演出に係る期間についても同様である。
【0197】
ここで第1層に表示される背景表示81aと第2層に表示される装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)とは、待機デモ演出Aが実行される前の期間(基準時から30秒経過時までの期間)と同じ記憶領域(後述する第一記憶領域)に格納されている同じ演出データが第1副制御基板200及び第2副制御基板300に処理されてメイン表示部81に表示される点において、待機デモ演出Aが実行される前の期間と待機デモ演出Aの実行期間とは共通している。
【0198】
以上説明したように、演出制御手段(第1副制御基板200)は、図柄変動が停止してから第一時間(30秒)が経過した以後であり第二時間(60秒)が経過するまでの図柄停止期間に含まれる第二期間(待機デモ演出A)において、第一演出画像(背景表示81a、左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d等)及び第一の表示層より上位の第二の表示層(第5層)に配置される第二演出画像(音量調整表示81g及び光量調整表示81h)を、遊技者に対して双方共に視認可能に表示させるものと言える。
【0199】
また、上記の期間は、演出可動体の作動を伴わない待機デモ演出A(待機演出の第二段階)である為、待機演出の第二段階において演出表示手段(メイン表示部81)に表示される演出画像の一部には、遊技者に操作手段(カーソルボタン38)の操作を説明する操作説明表示(音量調整表示81g及び光量調整表示81h)が含まれるものと言える。
ここで操作説明表示には、本実施形態の態様の他、遊技機10の全面側に設けられている各操作手段(操作ハンドル31、演出ボタン37、メイン操作部39、その他不図示の操作手段等)に係る操作を説明するものであれば、その種別や説明内容は特に制限されない。
【0200】
上記の基準から60秒経過すると、待機デモ制御手段280は、上記の各表示より上位の第6層にクレジット表示を表示させ(不図示)、その後に第6層に注意喚起の表示を表示させる(不図示)。
ここでクレジット表示とは、遊技機10の製造元、遊技機10のベースとなる作品や人物に関する著作権(版権)、遊技機10の名称等に関する表示をいう。また、ここで注意喚起の表示とは、遊技者に対する遊技上の注意事項(ゴト行為の禁止等)に関する表示をいう。
クレジット表示及び注意喚起の表示は双方共に、待機演出中(図柄停止期間)にのみメイン表示部81に表示され得る演出画像(第三演出画像)である。換言すれば、第三演出画像は、図柄停止期間に表示され得る演出画像であり且つ図柄変動期間に表示され得ない。
【0201】
上述したクレジット表示及び注意喚起の表示は、ここで述べたクレジット表示及び注意喚起の表示を行う時間帯(60秒経過時から120秒経過時までの期間)が該当する。
本実施形態において、クレジット表示及び注意喚起の表示はメイン表示部81の表示領域の全面を覆うものである為、これらを表示させると、より下位層に設けられた背景表示81a、左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d、音量調整表示81g及び光量調整表示81h等が視認不能になる。
【0202】
ここで第1層に表示される背景表示81aと第2層に表示される装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)とは、クレジット表示が実行される前の期間(待機デモ演出Aの実行期間)と同じ記憶領域(後述する第一記憶領域)に同じ演出データが格納されている(維持されている)点において、待機デモ演出Aの実行期間とクレジット表示等の実行期間とは共通している。なお、当該演出データに関する第1副制御基板200及び第2副制御基板300の処理(第一演出画像に係る処理)は、第1層及び第2層に設けられた第一演出画像がメイン表示部81において視認不能であれば足り、その処理内容は特に制限されない。
また、以下の説明では、クレジット表示等の開始時点において視認不能とされた後の第5層に係る音量調整表示81g及び光量調整表示81hに係る演出データは、当該期間において第1副制御基板200(CPU201)によって所定の記憶領域(RAM203)から読み出されないものとする。但し、本実施形態においては遊技可能状態であれば常に音量・光量調整処理が可能であるから、それに関する第二演出画像(音量調整表示81g及び光量調整表示81h)は、当該期間においても視認可能となるように処理されてもよい。
【0203】
以上説明したように、演出制御手段(第1副制御基板200)は、図柄変動が停止してから第二時間(60秒)が経過した以後であり第三時間(120秒)が経過するまでの図柄停止期間に含まれる第三期間(クレジット表示及び注意喚起の表示を行う時間帯)において、第二の表示層より上位の第三の表示層(第6層)に配置される第三演出画像(クレジット表示等)を第一演出画像の表示位置に重ねて表示させることをもって遊技者に対して該第三演出画像を視認可能にさせ、且つ、遊技者に対して該第一演出画像(背景表示81a、左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d等)を視認不能にさせるものと言える。
【0204】
なお、上記の「図柄アイドリング」中においてメイン表示部81に停止表示されている装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)は、図柄変動の変動開始時に装飾図柄制御手段226によって決定された装飾図柄の組み合わせに基づいて当該図柄変動の変動停止時以降の図柄停止期間に遊技者に対して視認可能に表示され、クレジット表示の開始タイミングにおいて待機デモ制御手段280よって遊技者に対して視認不能に制御されるものである。
上述した「図柄アイドリング」が行われており、待機デモ演出Aが行われていない期間(基準時から30秒経過時までの期間)は、図柄停止期間の一部であり、遊技者に認識可能な区切りをもって次の演出段階(待機デモ演出A)に変化するものであるから、当該機関も本発明に係る「待機演出」の演出段階の一つと解することができ、且つ、「図柄アイドリング」中の装飾図柄を決定する装飾図柄制御手段226も本発明に係る「待機演出制御手段」を構成する要素の一部と解することができる。
【0205】
上記の基準から120秒経過すると、待機デモ制御手段280は、第6層に係る演出画像の表示を止めて、最下位の第1層において背景表示81jを表示させる(
図25(a)参照)。
その後、待機デモ制御手段280は、大ネコ装飾体85aを作動させて原位置から可動位置まで移動させ、且つ、第6層より下位であって第1層より上位の第3層においてネコ背景表示81fを大ネコ装飾体85aの移動に合わせて(共に上昇するように)表示させる(
図25(b)参照)。
続いて、上記の基準から150秒経過すると、待機デモ制御手段280は、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cをそれぞれ作動させて原位置から可動位置まで移動させる(
図25(c)参照)。
ここでメイン表示部81(第3層)に表示されるネコ背景表示81fは、図柄変動中に行われるネコ可動予告に用いられるネコ背景表示81f(
図20に図示されるネコ背景表示81f)と共通である。但し、その背景(第1層)に表示される背景表示81jが暗転画像である点において、
図20に図示されているネコ可動予告とは相違する。
また、可動装飾体85(大ネコ装飾体85a、左ネコ装飾体85b、右ネコ装飾体85c)の作動態様(可動位置等)は、120秒経過時から150秒経過時までは
図20(c)に図示するネコ可動予告の態様と共通であり、150秒経過時から180秒経過時までは
図20(d)に図示するネコ可動予告の態様と共通である。しかしながら、可動位置で停止している時間が、待機デモ演出Bの方が、上記の各態様のネコ可動予告より長い点において相違する。
また、120秒経過時から180秒経過時までにおいて第2層の装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)は視認不能な状態(例えば、透明な状態)又は背景表示81jと同様に暗転している状態である為に、装飾図柄として遊技者に識別されることがない点において、上記の各態様のネコ可動予告と相違する。
【0206】
なお、上述したように、図柄停止期間であってもカーソルボタン38の操作を受け付ければ、音量・光量調整手段290による音量・光量調整処理が行われて音量調整表示81g及び光量調整表示81hがメイン表示部81の第5層に表示され得る(
図17のステップS506の処理)。
また、この場合、待機デモ制御手段280によって、第1層の背景表示81a及び第2層の装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)は視認不能な状態又は暗転している状態から、視認可能な状態(待機デモ演出Aと同様の状態)に切り替えられる。
更に、可動装飾体85(特に大ネコ装飾体85a)は直ぐに原位置まで退避できないので、退避時間の少なくとも一部においてメイン表示部81の表示領域に表示された各演出画像に重畳して、その一部を視認困難にさせる(
図25(d)参照)。
【0207】
上述した待機デモ演出Bは、
図25に図示する各演出態様が行われている時間帯(120秒経過時から180秒経過時までの期間)が該当する。
図25(b)や
図25(c)から明らかであるように、可動装飾体85(大ネコ装飾体85a、左ネコ装飾体85b、右ネコ装飾体85c)はメイン表示部81の表示領域の全面を覆うものではない為、可動装飾体85が可動位置まで移動したとしても、物理的に下位に位置するメイン表示部81(第3層)に表示されるネコ背景表示81fが視認可能である。
【0208】
ここで第1層に表示される背景表示81aと第2層に表示される装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)とは、待機デモ演出Bが実行される前の期間(クレジット表示等の実行期間)と同じ記憶領域(後述する第一記憶領域)に同じ演出データが格納されている(維持されている)点において、待機デモ演出Aの実行期間とクレジット表示等の実行期間とは共通している。なお、当該演出データに関する第1副制御基板200及び第2副制御基板300の処理(第一演出画像に係る処理)は、第1層及び第2層に設けられた第一演出画像がメイン表示部81において視認不能であれば足り、その処理内容は特に制限されない。
【0209】
以上説明したように、第一段階(待機デモ演出B)における演出可動体(可動装飾体85)の作動は、演出表示手段(メイン表示部81)の表示領域の少なくとも一部を、遊技者に視認困難にさせる可動位置に移動するものであると言える。
また、待機演出の第一段階(待機デモ演出B)において、操作説明表示(音量調整表示81g及び光量調整表示81h)によって説明された操作を遊技者が操作手段(カーソルボタン38)に対して行った場合、演出可動体(可動装飾体85)が可動位置から原位置に退避し、且つ、演出表示手段(メイン表示部81)は操作説明表示(音量調整表示81g及び光量調整表示81h)を表示するものと言える。
これにより、たとえ演出可動体が作動する待機演出(第一段階)の実行中であっても、当該演出可動体が退避した後は、遊技者は操作説明表示を視ながら操作することができ、その操作を適切にガイドすることができる。
【0210】
上記の基準から180秒経過する直前までに、待機デモ制御手段280は、ネコ背景表示81fを視認不能とし、待機デモ演出Bにおいて作動させていた可動装飾体85(大ネコ装飾体85a、左ネコ装飾体85b、右ネコ装飾体85c)を可動位置から原位置まで退避させる。即ち、
図25(a)に図示する状態に戻す。
そして、上記の基準から180秒経過すると、待機デモ制御手段280は、第1層の背景表示81a及び第2層の装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)を視認不能な状態又は暗転している状態から、視認可能な状態(待機デモ演出Aと同様の状態)に切り替え、第5層に音量調整表示81g及び光量調整表示81hを表示させる(
図24(b)参照)。即ち、待機デモ制御手段280は、再び待機デモ演出Aからループさせて待機演出を行う。即ち、この場合は、待機デモ演出Bの途中でカーソルボタン38の操作を受け付けた場合(
図25(d)に図示する場合)と比べて、音量調整表示81gや光量調整表示81h等が視認困難にならない点において相違する。
【0211】
ここで第1層に表示される背景表示81aと第2層に表示される装飾図柄(左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d)とは、前回実行された待機デモ演出Aの実行期間(基準時から30秒経過時までの期間)と同じ記憶領域(後述する第一記憶領域)に格納されている同じ演出データが第1副制御基板200及び第2副制御基板300に処理されてメイン表示部81に表示される点において、前回の待機デモ演出Aと今回の待機デモ演出Aの実行期間とは共通している。
【0212】
以上説明したように、演出制御手段(第1副制御基板200)は、図柄変動が停止してから第三時間(120秒)が経過した以後(180秒経過時)に到来する第四期間(ループ後の待機デモ演出A)において、遊技者に対して第三演出画像(クレジット表示等)を視認不能にさせ、且つ、遊技者に対して第一演出画像(背景表示81a、左図柄81b、中図柄81c、右図柄81d等)及び第二演出画像(音量調整表示81g、光量調整表示81h)を双方共に視認可能に表示させるものと言える。
【0213】
続いて、特図変動パターン導出状態B、C、及びDにおいて実行される待機演出(第二態様)の演出構成について説明する。
図22と
図23を比べれば明らかであるように、上記の待機デモ演出Bの期間(
図22における120秒経過時から180秒経過時までの期間)における演出構成が無い点において第一態様の待機演出と第二態様の待機演出は相違する。
これにより、第一態様の待機演出においてループする演出構成(待機デモ演出A、クレジット表示、注意喚起の表示、待機デモ演出B)の実行時間(180秒間)が、第二態様の待機演出においてループする演出構成(待機デモ演出A、クレジット表示、注意喚起の表示)の実行時間(120秒間)より長くなる。
換言すれば、第一態様の待機演出の実行期間における、第一段階(待機デモ演出B)に係る期間の割合が、第二段階(待機デモ演出A、クレジット表示、注意喚起の表示)に係る期間の割合より小さくなる。
このように双方の態様において共通部分(第二段階)が含まれており、且つ、第二態様の待機演出の構成から省かれている第一段階は第一態様の待機演出においても限定的な期間において行われるものである為、遊技者の関心を惹く程度について双方の待機演出に大きな差が生じさせないことができる。
【0214】
以上のことを整理すると、待機期間中の演出構成については以下のようなことが言える。
【0215】
本実施形態における待機デモ制御手段280は、図柄変動期間において予告演出を構成する演出画像(第一演出画像)を表示し得る第1層、第2層、第3層及び第4層(第一の表示層)のうち少なくとも一部に対して、予告演出(例えば、ネコ可動予告)に用いる演出画像と共通のものを流用している。
ここで待機演出を実行している期間の大部分(上記の第一期間、第二期間及び第四期間)において、変動停止時又は遊技可能状態の設定時における演出データに基づく演出画像(第一演出画像)を流用している。換言すれば、第一期間、第二期間及び第四期間において、遊技者に視認される第一演出画像が共通している。
これにより、待機演出に係る演出画像のデータ量を圧縮することができると共に、待機演出に係る演出制御の簡素化を図ることができる。
【0216】
そして、図柄変動期間及び図柄停止期間の双方においてカーソルボタン38の操作を受け付けた場合、又は、上記の待機デモ演出Aにおいて操作説明表示が表示され得る第5層(第二の表示層)と、図柄停止期間(待機演出中)のみ演出画像が表示され得る第6層(第三の表示層)は、上記の第一の表示層を構成する表示層の数(4つ)より少ない。
換言すれば、第二の表示層に含まれる表示層の数及び第三の表示層に含まれる表示層の数が、双方共に第一の表示層に含まれる表示層の数より少ない。
これにより、待機演出に係る演出画像のデータ量を圧縮及び待機演出に係る演出制御の簡素化の双方について、より有利な効果を奏し得る。
【0217】
上述したように、本実施形態では第一期間から第四期間にわたって(第一演出画像を視認不能にする第三期間も含めて)第一演出画像に係る演出データを、RAM203の所定の記憶領域(第一記憶領域)に維持している。
換言すれば、演出制御手段(第1副制御基板200)は、第一演出画像に係る演出データが格納されている第一記憶領域から該演出データを読み出して、演出表示手段(メイン表示部81)に該第一演出画像を表示させ、第一記憶領域に格納されている演出データが、図柄変動が停止してから第四期間が到来するまで維持されている。
これにより、待機演出に係る演出制御をより簡素にすることができる。
【0218】
また、本実施形態における待機演出は、その実行期間の一部(
図25(b)〜(d)に示す場合等)において、可動装飾体85の作動によって第一演出画像(背景表示、装飾図柄、ネコ背景表示等)が視認困難になっている。
換言すれば、図柄停止期間において第一演出画像が視認可能に表示されている期間の一部において演出デバイス(可動装飾体85)が作動していることによって、当該第一演出画像が遊技者に対して視認困難になる。
特に、(i)図柄停止期間において第一演出画像が視認可能に表示され且つ第二演出画像が視認不能である期間の一部である第一の特定期間(
図25(b)及び
図25(c)に示す場合)と、(ii)図柄停止期間において第一演出画像及び第二演出画像が共に視認可能に表示される期間の一部である第二の特定期間(
図25(d)に示す場合)と、を対比すると、以下のことが言える。
即ち、第一の特定期間において演出デバイス(可動装飾体85)が作動していることによって、当該第一演出画像が遊技者に対して視認困難になり、第二の特定期間において同じ演出デバイスが作動していることによって、当該第一演出画像及び当該第二演出画像が共に遊技者に対して視認困難になっている。ここで、第二の特定期間(約60秒の期間)は、第一の特定期間(0.4秒未満の期間)より短いと言える。
上記のような期間を敢えて設けることによって、待機演出にメリハリを付けことができ、待機演出の演出効果(遊技者の関心を惹きつける度合い)を高めることができる。
【0219】
<復電直後における各演出デバイスの動作について>
続いて、復電直後における各演出デバイスの動作について、
図26及び
図27を用いて説明する。
図26は、復電直後の各演出デバイスの動作に関するタイムチャートである。
図27は、メイン表示部81の表示態様の一具体例を示す図である。
なお、上記の各タイムチャートにおいては、上部に図示されている各数字が時間(秒数)を表している。また、各タイムチャートは、遊技可能状態の設定時(遊技可能コマンドの送受信時)を基準(0秒)として説明に必要な時間帯に限って図示するものであり、図示する時間帯を超えて各種演出が実行され得る。
各タイムチャートに図示されている「表示層」と「物理層」については上述した内容と同義である。また、各タイムチャートに図示されている「スピーカ/演出ランプ」とは、スピーカ33及び演出ランプ35のことであり、セキュリティ信号とは不図示の外部出力端子から外部装置(ホールコンピュータ等)に出力させる信号を意味する。
【0220】
まず、遊技機10を電源投入(復電)すると、正常に起動するのを待って、メイン表示部81の最上位層(エラー表示に係る表示層)に初期画面が表示される。ここで初期画面とは、例えば「しばらくお待ちください」等の文字情報からなる画面である(
図27(a)参照)。
図27に表示される初期画面81kは一具体例であり、これに代えて、例えば設定変更処理を伴う復電時には「設定変更中」を示す画面を、設定確認処理を伴う復電時には「設定確認中」を示す画面を、メイン表示部81に表示させてもよい。
【0221】
遊技可能状態が設定されると、第1副制御基板200は、前回電断時からRAM203に保持している演出データ(又はRAMクリア処理によって初期化されたデフォルト用の演出データ)を読み出して、メイン表示部81に演出画像(例えば、第1層に背景表示、第2層に装飾図柄等)を表示させる。ここで表示される内容は、前述した
図24(a)に図示される内容等と同様である。
【0222】
復電時にRAMクリア処理を行った後に遊技可能状態が設定されると、第1副制御基板200は、スピーカ33及び演出ランプ35を用いてRAMクリア処理を行った旨を示す報知(RAMクリア報知)を行う。なお、この場合、主制御基板100は、不図示の外部出力端子から初期化信号を出力する。
一方、復電時にRAMクリア処理を行わなかった場合に遊技可能状態が設定されると、第1副制御基板200は、スピーカ33及び演出ランプ35を用いて復電した旨を示す報知(復電報知)を行う。
本実施形態では、RAMクリア報知を30秒、復電報知を10秒として図示しているが、この時間長さは適宜変更可能であり、いずれを長くしてもよく、同じ時間長さとしてもよい。
【0223】
遊技可能状態が設定された以後に、第1副制御基板200は、可動装飾体85(大ネコ装飾体85a、左ネコ装飾体85b、右ネコ装飾体85c)を作動させる。本実施形態では、大ネコ装飾体85a、左ネコ装飾体85b、及び右ネコ装飾体85cの3つを作動させるものとして図示しているが、不図示の他の可動装飾体を合わせて作動させてもよい。
なお、この可動装飾体85の作動態様(動作の仕方や動作期間の長短)については、適宜変更可能であり、特に制限されるものではない。また、第1副制御基板200は、遊技可能コマンドの受信を契機として可動装飾体85の作動を開始させてもよいし、他の条件を契機として可動装飾体85の作動を開始させてもよい。
【0224】
遊技可能状態の設定時(遊技可能コマンドの送信時)において、非遊技状態制御主手段175は、上記の待機デモコマンドを送信する為のタイマを起動して経過時間をカウントするので、当該設定時から30秒を経過すると、変動停止時後と同様に待機デモコマンドが第1副制御基板200(待機デモ制御手段280)に送信され、待機デモ演出Aが開始される。
30秒経過後における待機演出の態様は、遊技可能状態の設定時における遊技状態に応じて相違する。例えば、当該設定時に特図変動パターン導出状態Aに滞在している場合、待機デモ制御手段280は、第一態様の待機演出(待機デモ演出A、クレジット表示、注意喚起の表示、待機デモ演出B)を実行し、当該設定時に特図変動パターン導出状態B、C、及びDに滞在している場合、待機デモ制御手段280は、第二態様の待機演出(待機デモ演出A、クレジット表示、注意喚起の表示)を実行する。
第一態様の待機演出と第二態様の待機演出の具体的な演出構成については、上述した内容と同様である為、ここでの詳細な説明は割愛する。
【0225】
<他の変形例>
以上の説明で記載されていない本発明の実施に係る変形例について、以下に列挙する。
上述した実施形態における遊技に関する仕様は、本発明の実施における一具体例であり、本発明の目的に反しない範囲内において適宜変更可能である。
例えば、特図高確且つ普図高確(確変モード)から特図低確且つ普図低確(通常モード)への遷移条件は、転落当否判定に当選した図柄変動の終了としたが、これに代えて所定回数の図柄変動の終了とする仕様(いわゆる回数切り確変)であってもよいし、これらのいずれも当該遷移条件としない仕様(いわゆるループ式確変)としてもよい。
また、小当り導出可能な仕様としたが、小当り導出不能(小当りの当選確率が零)である仕様としてもよい。
また、設定値の変更が可能である仕様(設定変更手段を備える仕様)としたが、設定変更手段を備えない仕様としてもよい。
【0226】
上述した実施形態において、可動装飾体85は、演出表示手段より物理的に上位層に存在し、作動していることによって作動していない場合に比べて演出表示手段の表示領域の少なくとも一部を遊技者に対して視認困難にし、図柄変動期間及び図柄停止期間の双方において作動し得る演出デバイスに相当する旨を説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
上記の要件を充足する演出デバイスとしては、例えば、遊技者から視てメイン表示部81の前方(物理的な上位層)を覆っている導光板等も該当し得る。ここで導光板とは、LEDによって側面から光を照射すると、全面的に発光するように加工したアクリル板をいう。
【0227】
上述した実施形態において、
図21に図示した左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cのみ(大ネコ装飾体85aを除く可動装飾体85)の動き(作動時間と退避時間の短さ)を鑑みれば、ネコ可動予告の実行を禁則(実行しない態様)に代えて、左ネコ装飾体85b及び右ネコ装飾体85cのみ可動させる予告演出に置換する制限を、特図変動パターン導出状態A以外の遊技状態において課してもよい。
【0228】
上述した本実施形態では、ネコ可動予告は3つのパターン(
図20(b)の態様、
図20(c)の態様、
図20(d)の態様)があり、
図21は
図20(d)の態様におけるネコ可動予告を前提とするものである旨を説明した、従って、
図20(d)の態様とは異なる別の態様については可動装飾体85(大ネコ装飾体85a)の作動時間や退避時間が短くなりうる。
従って、ネコ可動予告の制限は、全ての態様を対象としなくてもよく、一部の態様(例えば、
図20(d)の態様)のみを制限し、当該態様を他の態様(例えば、
図20(b)の態様)に置換することを、特図変動パターン導出状態A以外の遊技状態において課してもよい。
ここで、
図20(b)の態様、
図20(c)の態様、
図20(d)の態様の順に大当り期待度(信頼度)が高くなっている為、上記の変形例は、大当り期待度の高い態様から低い態様へ置換するものと換言できる。
また、
図20(d)の態様で作動する演出可動体の数(3つ)は、
図20(b)の態様で作動する演出可動体の数(1つ)より多いので、上記の変形例は、演出可動体の数が多い態様から少ない態様へ置換するものと換言できる。
【0229】
上述した実施形態において「待機演出の第一段階」に相当する待機デモ演出B及びCは、作動する演出可動体の種類が多い第三の場合(待機デモ演出C)と、作動する演出可動体の種類が第三の場合より少ない第四の場合(待機デモ演出B)と、があるものと言える(
図25(c)及び
図25(b)参照)。
ここで、演出可動体の種類がより多い第三の場合の方が、第四の場合に比べて退避時間が長くなることも考えられる。従って、第三の場合における始動口入賞に起因する図柄変動に対する演出可動体の作動の制限を、第四の場合における始動口入賞に起因する図柄変動に対する演出可動体の作動の制限より強いものとしてもよい。
換言すれば、第三の場合に係る第一段階(待機デモ演出C)における始動口の入賞に起因して行われる図柄変動中の予告演出において演出可動体が作動する頻度を、第四の場合に係る第一段階(待機デモ演出B)における始動口の入賞に起因して行われる図柄変動中の予告演出において演出可動体が作動する頻度に比べて少なくしてもよいし、或いは、当該頻度を零にしてもよい。
【0230】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0231】
<付記>
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)遊技の進行が可能な遊技可能状態を含む複数の状態のうち一の状態に制御する状態制御手段と、前記遊技可能状態において図柄変動が行われている図柄変動期間において実行される予告演出を制御する通常演出制御手段と、前記遊技可能状態に制御されており且つ図柄変動が停止している図柄停止期間において、遊技者に認識可能な区切りをもって複数の異なる演出段階に変化する待機演出を制御する待機演出制御手段と、前記図柄変動期間及び前記図柄停止期間の双方において作動し得る演出可動体と、を備え、前記待機演出の少なくとも一部は、前記演出可動体が作動する第一段階を含んでおり、前記待機演出の前記第一段階において始動口に入賞した場合、前記図柄変動期間において始動口に入賞した場合に比べて、予告演出における前記演出可動体の作動の少なくとも一部が制限される遊技機。
(2)前記第一段階を含む前記待機演出は、前記演出可動体が作動しない第二段階も含んでおり、前記待機演出の前記第一段階において始動口に入賞した場合、前記待機演出の前記第二段階において始動口に入賞した場合に比べて、予告演出における前記演出可動体の作動の少なくとも一部が制限される(1)に記載の遊技機。
(3)図柄変動の期間において装飾図柄の変動を表示する演出表示手段を備え、前記通常演出制御手段によって制御され得る予告演出には、一回の図柄変動の期間に複数回の擬似変動を含む擬似連演出が含まれ、前記待機演出の前記第一段階における始動口の入賞に起因する図柄変動において前記擬似連演出が行われる第一の場合と、図柄変動の期間における始動口の入賞に起因する後の図柄変動において前記擬似連演出が行われる第二の場合とを比べると、最初の擬似変動において前記第一の場合に前記演出可動体が作動する頻度と前記第二の場合に前記演出可動体が作動する頻度との差の大きさが、二回目以降の擬似変動において前記第一の場合に前記演出可動体が作動する頻度と前記第二の場合に前記演出可動体が作動する頻度との差の大きさより大きい(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記通常演出制御手段によって制御され得る予告演出には、前記演出可動体が作動する第一予告演出と、前記第一予告演出における前記演出可動体の作動タイミングより遅いタイミングに前記演出可動体が作動する第二予告演出と、が含まれ、前記待機演出の前記第一段階における始動口の入賞に起因する図柄変動において前記第二予告演出が行われる頻度に対する前記第一予告演出が行われる頻度の比率が、図柄変動の期間における始動口の入賞に起因する後の図柄変動において前記第二予告演出が行われる頻度に対する前記第一予告演出が行われる頻度の比率より小さい(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)前記待機演出の前記第一段階には、作動する前記演出可動体の種類が多い第三の場合と、作動する前記演出可動体の種類が前記第三の場合より少ない第四の場合と、があり、
前記第三の場合に係る前記第一段階における始動口の入賞に起因して行われる図柄変動中の予告演出において前記演出可動体が作動する頻度が、前記第四の場合に係る前記第一段階における始動口の入賞に起因して行われる図柄変動中の予告演出において前記演出可動体が作動する頻度に比べて少ない又は零である(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。