(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1レンズおよび前記第2レンズの合成焦点距離をf12とし、前記第3レンズ、前記第4レンズおよび前記第5レンズの合成焦点距離をf345としたとき、合成焦点距離f12および合成焦点距離f345は、以下の関係
−1<f12/f345<0
を満たすことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の広角レンズ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、本発明を適用した広角レンズを説明する。なお、以下の説明においては、特別な指示がない限り、その単位はmmである。
【0016】
[
参考例]
図1は、本発明の
参考例に係る広角レンズ10の説明図であり、
図1には、レンズデータおよび非球面係数に対応する面ナンバーを括弧内に示してある。また、面ナンバーの後ろに「*」を付した面は非球面である。
図2は、
図1に示す広角レンズ10における各レンズデータおよび非球面係数等を示す説明図である。
図3は、
図1に示す広角レンズ10の非点収差等を示す説明図であり、
図3(a)、(b)、(c)は、非点収差/ディストーション(歪曲収差)、球面収差、および倍率色収差を示す説明図である。
図3において、サジタル方向の特性にはSを付し、タンジェンシャル方向の特性にはTを付してある。また、ディストーションとは、撮像中央部と周辺部における像の変化比率を示し、ディストーションをあらわす数値の絶対値が小さいほど、高精度なレンズといえる。
図4は、
図1に示す広角レンズ10の横収差を示す説明図であり、
図4(a)、(b)、(c)、(d)には、0deg、29.46deg、55.40deg、76.76deg、95.90degにおけるX軸方向およびY軸方向における横収差を示してある。なお、
図3および
図4において、波長645の光に対する収差については(R)を付し、波長588の
光に対する収差については(G)を付し、波長486の光に対する収差については(B)を付してある。なお、
図2に示す非球面係数A4、A6、A8、A10は、以下の非球面関数における各係数に相当する。ここで、Zはサグ量、cは曲率半径の逆数、Kは円錐係数、rは光線高さである。
【0018】
図1に示す広角レンズ10は水平画角が120度以上である。広角レンズ10では、物体側から像側に向かって第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、絞り17、第4レンズ14、および第5レンズ15が順に配置されており、第5レンズ15に対して像側には、フィルタ18および撮像素子19が順に配置される。第1レンズ11は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。本形態において、第1レンズ11の凸面からなる物体側の面(第1面1)は球面であり、凹面からなる像側の面(第2面2)は非球面である。
【0019】
第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負レンズである。本形態において、第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、凸面からなる物体側のレンズ面(第3面3)、および凹面からなる像側のレンズ面(第4面4)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第2レンズ12の物体側の面(第3面3)、および像側の面(第4面4)の双方が非球面である。
【0020】
第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、または両凸レンズであって、物体側のレンズ面(第5面5)および像側のレンズ面(第6面6)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第3レンズ13は、両凸レンズであって、凸面からなる物体側の面(第5面5)、および凸面からなる像側の面(第6面6)の双方が非球面である。
【0021】
第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、または両凹レンズである。本形態において、第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、第4レンズ14の凸面からなる物体側の面(第8面8)、および凹面からなる像側の面(第9面9)の双方が非球面である。
【0022】
第5レンズ15は、両凸レンズである。第4レンズ14および第5レンズ15は、プラスチックレンズであって、第4レンズ14の像側のレンズ面と第5レンズの物体側のレンズ面が接合された接合レンズ16を構成している。接合レンズ16の接合面(第9面9)、および第5レンズ15の凸面からなる像側の面(第10面10)の双方が非球面である。本形態においては、第1レンズ11、第2レンズ12および第3レンズ13も、第4レンズ14および第5レンズと同様、プラスチックレンズである。
【0023】
このように構成した広角レンズ10の主なパラメータを表1に示す。表1に示すパラメータは、以下の通りである。なお、表1には、後述する実施例
1〜4のパラメータも示してある。
f0・・レンズ系全体の有効焦点距離
f4・・第4レンズ14の焦点距離
f12・・第1レンズ11および第2レンズ12の合成焦点距離
f345・・第3レンズ13、第4レンズ14、および第5レンズ15の合成焦点距離
f45・・第4レンズ14、および第5レンズ15の合成焦点距離
R45・・接合レンズ16の接合面の中心曲率半径
n4・・第4レンズ14の屈折率
ν4・・第4レンズ14のアッベ数
【0025】
図2に示すように、広角レンズ10は、光学系全体の有効焦点距離f0(Effective Focal Length)が0.822mmであり、物像間距離(Total Track/光学全長)が9.206mmであり、レンズ系全体のF値(Image Space F/#)が2.4であり、最大画角(Max. Field Angle)が192degであり、水平画角(Horizontal Field Angle)が192degである。
【0026】
また、
図2および表1に示すように、広角レンズ10は、以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)を全て満たしている。まず、第4レンズ14の屈折率n4は1.632であり、以下の条件式(1)を満たしている。
n4
≧1.632・・・条件式(1)
【0027】
また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の中心曲率半径R45は、0.515mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0が0.822mmである。従って、以下の条件式(2)を満たしている。
0.5<|R45/f0|=0.627<0.8・・・条件式(2)
【0028】
また、第4レンズ14のアッベ数ν4は、23.3であり、以下の条件式(3)を満たしている。
ν4
≦24・・・条件式(3)
【0029】
かかる第4レンズ14に用いる材料としては、例えば、大阪ガスケミカル株式会社製の光学用ポリエステル樹脂(OKP4HT)等を例示することができる。
【0030】
第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f45は2.314mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は0.822mmである。従って、以下の条件式(4)を満たしている。
f45/f0=2.816<3・・・条件式(4)
【0031】
第4レンズ14の焦点距離f4は−1.454mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は0.822mmである。従って、焦点距離f4は、以下の条件式(5)を満たしている。
−2<f4/f0=−1.769<0・・・条件式(5)
【0032】
第1レンズ11および第2レンズ12の合成焦点距離f12は−0.889mmであり
、第3レンズ13、第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f345は2.182mmである。従って、合成焦点距離f12および合成焦点距離f345は、以下の条件式(6)を満たしている。
−1<f12/f345=−0.408<0・・・条件式(6)
を満たしている。
【0033】
このように構成した広角レンズ10の非点収差/ディストーション(歪曲収差)、球面収差、および倍率色収差は、
図3に示す通りであり、横収差は
図4に示す通りであり、いずれも収差も小さい。
【0034】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の広角レンズ10は、4群5枚のレンズ構成を有し、かつ、5枚のレンズのいずれもがプラスチックレンズからなる。このため、広角レンズ10は、水平画角が120°以上であっても、小型軽量、かつ、低コストのいずれにも対応することができる。また、計9つの面のうち、8つの面が非球面であるため、
図3に示すように、少ない枚数で収差を低減することができる。
【0035】
また、本形態の広角レンズ10では、第4レンズ14の屈折率n4が条件式(1)を満たしており、屈折率n4が1.6より大きい。このため、広角レンズ10の光学全長を短くすることができるとともに、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45、および光学系全体の有効焦点距離f0が条件式(2)を満たすように構成しやすい。従って、倍率色収差を低減することができる。また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45に下限を設けたため、第4レンズ14の凹曲面からなる像側のレンズ面、および第5レンズ15の凸曲面からなる物体側のレンズ面の中心曲率半径が大きい。従って、レンズ単体の製作工程および接合工程を安定して行うことができる等、工程上の負荷が小さい。しかも、第4レンズ14のアッベ数ν4が条件式(3)を満たしており、アッベ数ν4が27より小さい。このため、第4レンズ14に屈折率n4が高い材料を用いることが容易であるため、倍率色収差等を低減することができる。
【0036】
また、第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f45が短く、条件式(4)を満たしている。このため、色収差等の低減を図ることができる。また、第4レンズ14の焦点距離f4が短く、条件式(5)を満たしている。このため、色収差の低減に有利である。また、第1レンズ11および第2レンズ12の合成焦点距離f12と、第3レンズ13、第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f345が条件式(6)を満たし、かつ、第1レンズ11および第2レンズ12の合成焦点距離f12の極性がマイナスである。このため、温度特性において有利である。
【0037】
[実施例
1]
図5は、本発明の実施例
1に係る広角レンズ10の説明図である。
図6は、
図5に示す広角レンズ10における各レンズデータおよび非球面係数等を示す説明図である。
図7は、
図5に示す広角レンズ10の収差を示す説明図である。
図8は、
図5に示す広角レンズ10の横収差を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、
参考例と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0038】
図5に示す広角レンズ10は、
参考例と同様、水平画角が120度以上であり、物体側から像側に向かって第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、絞り17、第4レンズ14、および第5レンズ15が順に配置されている。第1レンズ11は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。本形態において、第1レンズ11の凸面からなる物体側の面(第1面1)は球面であり、凹面からなる像側の面(第2面2)は非球面である。
【0039】
第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負レンズである。本形態において、第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、凸面からなる物体側のレンズ面(第3面3)、および凹面からなる像側のレンズ面(第4面4)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第2レンズ12の物体側の面(第3面3)、および像側の面(第4面4)の双方が非球面である。
【0040】
第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、または両凸レンズであって、物体側のレンズ面(第5面5)および像側のレンズ面(第6面6)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズであって、凹面からなる物体側の面(第5面5)、および凸面からなる像側の面(第6面6)の双方が非球面である。
【0041】
第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、または両凹レンズである。本形態において、第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、第4レンズ14の凸面からなる物体側の面(第8面8)、および凹面からなる像側の面(第9面9)の双方が非球面である。
【0042】
第5レンズ15は、両凸レンズである。第4レンズ14および第5レンズ15は、プラスチックレンズであって、第4レンズ14の像側のレンズ面と第5レンズの物体側のレンズ面が接合された接合レンズ16を構成している。接合レンズ16の接合面(第9面9)、および第5レンズ15の凸面からなる像側の面(第10面10)の双方が非球面である。本形態においては、第1レンズ11、第2レンズ12および第3レンズ13も、第4レンズ14および第5レンズと同様、プラスチックレンズである。
【0043】
このように構成した広角レンズ10において、光学系全体の有効焦点距離f0が1.410mmであり、物像間距離が11.378mmであり、レンズ系全体のF値が2.0であり、最大画角が156deg、水平画角が130degである。
【0044】
また、
図6および表1に示すように、広角レンズ10は、以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)を全て満たしている。まず、第4レンズ14の屈折率n4は1.632であり、条件式(1)を満たしている。接合レンズ16における接合面(第9面9)の中心曲率半径R45は、0.750mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0が1.410である。従って、|R45/f0|は、0.532であり、条件式(2)を満たしている。第4レンズ14のアッベ数ν4は、23.3であり、条件式(3)を満たしている。
【0045】
第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f45は3.057mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.410mmであるから、f45/f0は2.168であり、条件式(4)を満たしている。第4レンズ14の焦点距離f4は−2.787mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.410mmであるから、f4/f0=−1.976であり、条件式(5)を満たしている。第1レンズ11および第2レンズ12の合成焦点距離f12は−1.662mmであり、第3レンズ13、第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f345は2.648mmである。従って、f12/f345=−0.628であり、条件式(6)を満たしている。
【0046】
このように構成した広角レンズ10の非点収差/ディストーション(歪曲収差)、球面収差、および倍率色収差は、
図7に示す通りであり、横収差は
図8に示す通りであり、いずれも収差も小さい。
【0047】
以上説明したように、本形態の広角レンズ10は、4群5枚のレンズ構成を有し、かつ、5枚のレンズのいずれもがプラスチックレンズからなる。このため、広角レンズ10は、水平画角が120°以上であっても、小型軽量、かつ、低コストのいずれにも対応することができる。また、計9つの面のうち、8つの面が非球面であるため、
図7に示すように、少ない枚数で収差を低減することができる。
【0048】
また、本形態の広角レンズ10では、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45、および光学系全体の有効焦点距離f0が条件式(2)を満たしているため、倍率色収差を低減することができる。また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45に下限を設けたため、第4レンズ14の凹曲面からなる像側のレンズ面、および第5レンズ15の凸曲面からなる物体側のレンズ面の中心曲率半径が大きい。従って、レンズ単体の製作工程および接合工程を安定して行うことができる等、
参考例と同様な効果を奏する。
【0049】
[実施例
2]
図9は、本発明の実施例
2に係る広角レンズ10の説明図である。
図10は、
図9に示す広角レンズ10における各レンズデータおよび非球面係数等を示す説明図である。
図11は、
図9に示す広角レンズ10の収差を示す説明図である。
図12は、
図9に示す広角レンズ10の横収差を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、
参考例と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの詳細な説明を省略す
る。
【0050】
図9に示す広角レンズ10は、
参考例と同様、水平画角が120度以上であり、物体側から像側に向かって第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、絞り17、第4レンズ14、および第5レンズ15が順に配置されている。第1レンズ11は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。本形態において、第1レンズ11の凸面からなる物体側の面(第1面1)、および凹面からなる像側の面(第2面2)の双方が球面である。
【0051】
第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負レンズである。本形態において、第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、凸面からなる物体側のレンズ面(第3面3)、および凹面からなる像側のレンズ面(第4面4)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第2レンズ12の物体側の面(第3面3)、および像側の面(第4面4)の双方が非球面である。
【0052】
第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、または両凸レンズであって、物体側のレンズ面(第5面5)および像側のレンズ面(第6面6)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズであって、凹面からなる物体側の面(第5面5)、および凸面からなる像側の面(第6面6)の双方が非球面である。
【0053】
第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、または両凹レンズである。本形態において、第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、第4レンズ14の凸面からなる物体側の面(第8面8)、および凹面からなる像側の面(第9面9)の双方が非球面である。
【0054】
第5レンズ15は、両凸レンズである。第4レンズ14および第5レンズ15は、プラスチックレンズであって、第4レンズ14の像側のレンズ面と第5レンズの物体側のレンズ面が接合された接合レンズ16を構成している。接合レンズ16の接合面(第9面9)、および第5レンズ15の凸面からなる像側の面(第10面10)の双方が非球面である
。本形態においては、第1レンズ11はガラスレンズであり、第2レンズ12および第3レンズ13は、第4レンズ14および第5レンズと同様、プラスチックレンズである。
【0055】
このように構成した広角レンズ10において、光学系全体の有効焦点距離f0が1.410mmであり、物像間距離が11.465mmであり、レンズ系全体のF値が2.0であり、最大画角が156deg、水平画角が131degである。
【0056】
また、
図10および表1に示すように、広角レンズ10は、以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)を全て満たしている。まず、第4レンズ14の屈折率n4は1.632であり、条件式(1)を満たしている。また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の中心曲率半径R45は、0.764mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0が1.410である。従って、|R45/f0|は、0.542であり、条件式(2)を満たしている。第4レンズ14のアッベ数ν4は、23.3であり、条件式(3)を満たしている。
【0057】
第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f45は3.205mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.410mmであるから、f45/f0は2.272であり、条件式(4)を満たしている。第4レンズ14の焦点距離f4は−2.249mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.410mmであるから、f4/f0=−1.595であり、条件式(5)を満たしている。第1レンズ11および第2レンズ12の合成焦点距離f12は−1.807mmであり、第3レンズ13、第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f345は2.671mmである。従って、f12/f345=−0.676であり、条件式(6)を満たしている。
【0058】
このように構成した広角レンズ10の非点収差/ディストーション(歪曲収差)、球面収差、および倍率色収差は、
図11に示す通りであり、横収差は
図12に示す通りであり、いずれも収差も小さい。
【0059】
以上説明したように、本形態の広角レンズ10は、4群5枚のレンズ構成を有し、かつ、4枚のレンズがプラスチックレンズからなる。このため、広角レンズ10は、水平画角が120°以上であっても、小型軽量、かつ、低コストのいずれにも対応することができる。また、計9つの面のうち、7つの面が非球面であるため、
図11に示すように、少ない枚数で収差を低減することができる。
【0060】
また、本形態の広角レンズ10では、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45、および光学系全体の有効焦点距離f0が条件式(2)を満たしているため、倍率色収差を低減することができる。また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45に下限を設けたため、第4レンズ14の凹曲面からなる像側のレンズ面、および第5レンズ15の凸曲面からなる物体側のレンズ面の中心曲率半径が大きい。従って、レンズ単体の製作工程および接合工程を安定して行うことができる等、
参考例と同様な効果を奏する。
【0061】
[実施例
3]
図13は、本発明の実施例
3に係る広角レンズ10の説明図である。
図14は、
図13に示す広角レンズ10における各レンズデータおよび非球面係数等を示す説明図である。
図15は、
図13に示す広角レンズ10の収差を示す説明図である。
図16は、
図13に示す広角レンズ10の横収差を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、
参考例と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0062】
図13に示す広角レンズ10は、
参考例と同様、水平画角が120度以上であり、物体
側から像側に向かって第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、絞り17、第4レンズ14、および第5レンズ15が順に配置されている。第1レンズ11は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。本形態において、第1レンズ11の凸面からなる物体側の面(第1面1)、および凹面からなる像側の面(第2面2)の双方が球面である。
【0063】
第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負レンズである。本形態において、第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、凸面からなる物体側のレンズ面(第3面3)、および凹面からなる像側のレンズ面(第4面4)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第2レンズ12の物体側の面(第3面3)、および像側の面(第4面4)の双方が非球面である。
【0064】
第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、または両凸レンズであって、物体側のレンズ面(第5面5)および像側のレンズ面(第6面6)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズであって、凹面からなる物体側の面(第5面5)、および凸面からなる像側の面(第6面6)の双方が非球面である。
【0065】
第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、または両凹レンズである。本形態において、第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、第4レンズ14の凸面からなる物体側の面(第8面8)、および凹面からなる像側の面(第9面9)の双方が非球面である。
【0066】
第5レンズ15は、両凸レンズである。第4レンズ14および第5レンズ15は、プラスチックレンズであって、第4レンズ14の像側のレンズ面と第5レンズの物体側のレンズ面が接合された接合レンズ16を構成している。接合レンズ16の接合面(第9面9)、および第5レンズ15の凸面からなる像側の面(第10面10)の双方が非球面である。本形態においては、第1レンズ11はガラスレンズであり、第2レンズ12および第3レンズ13は、第4レンズ14および第5レンズと同様、プラスチックレンズである。
【0067】
このように構成した広角レンズ10において、光学系全体の有効焦点距離f0が1.056mmであり、物像間距離が11.794mmであり、レンズ系全体のF値が2.0であり、最大画角が193deg、水平画角が193degである。
【0068】
また、
図14および表1に示すように、広角レンズ10は、以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)を全て満たしている。まず、第4レンズ14の屈折率n4は1.637であり、条件式(1)を満たしている。また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の中心曲率半径R45は、0.615mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0が1.056である。従って、|R45/f0|は、0.582であり、条件式(2)を満たしている。第4レンズ14のアッベ数ν4は、24.0であり、条件式(3)を満たしている。
【0069】
第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f45は3.055mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.056mmであるから、f45/f0は2.894であり、条件式(4)を満たしている。第4レンズ14の焦点距離f4は−1.528mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は1.056mmであるから、f4/f0=−1.447であり、条件式(5)を満たしている。第1レンズ11および第2レンズ12の合成焦点距離f12は−1.711mmであり、第3レンズ13、第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f345は2.088mmである。従って、f12
/f345=−0.819であり、条件式(6)を満たしている。
【0070】
このように構成した広角レンズ10の非点収差/ディストーション(歪曲収差)、球面収差、および倍率色収差は、
図15に示す通りであり、横収差は
図16に示す通りであり、いずれも収差も小さい。
【0071】
以上説明したように、本形態の広角レンズ10は、4群5枚のレンズ構成を有し、かつ、4枚のレンズがプラスチックレンズからなる。このため、広角レンズ10は、水平画角が120°以上であっても、小型軽量、かつ、低コストのいずれにも対応することができる。また、計9つの面のうち、7つの面が非球面であるため、
図15に示すように、少ない枚数で収差を低減することができる。
【0072】
また、本形態の広角レンズ10では、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45、および光学系全体の有効焦点距離f0が条件式(2)を満たしているため、倍率色収差を低減することができる。また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45に下限を設けたため、第4レンズ14の凹曲面からなる像側のレンズ面、および第5レンズ15の凸曲面からなる物体側のレンズ面の中心曲率半径が大きい。従って、レンズ単体の製作工程および接合工程を安定して行うことができる等、
参考例と同様な効果を奏する。
【0073】
[実施例
4]
図17は、本発明の実施例
4に係る広角レンズ10の説明図である。
図18は、
図17に示す広角レンズ10における各レンズデータおよび非球面係数等を示す説明図である。
図19は、
図17に示す広角レンズ10の収差を示す説明図である。
図20は、
図17に示す広角レンズ10の横収差を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、
参考例と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0074】
図17に示す広角レンズ10は、
参考例と同様、水平画角が120度以上であり、物体側から像側に向かって第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、絞り17、第4レンズ14、および第5レンズ15が順に配置されている。第1レンズ11は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。本形態において、第1レンズ11の凸面からなる物体側の面(第1面1)、および凹面からなる像側の面(第2面2)の双方が球面である。
【0075】
第2レンズ12は、像側に凹面を向けた負レンズである。本形態において、第2レンズ12は、両凹レンズであって、凹面からなる物体側のレンズ面(第3面3)、および凹面からなる像側のレンズ面(第4面4)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第2レンズ12の物体側の面(第3面3)、および像側の面(第4面4)の双方が非球面である。
【0076】
第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、または両凸レンズであって、物体側のレンズ面(第5面5)および像側のレンズ面(第6面6)の少なくとも一方が非球面である。本形態において、第3レンズ13は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズであって、凹面からなる物体側の面(第5面5)、および凸面からなる像側の面(第6面6)の双方が非球面である。
【0077】
第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、または両凹レンズである。本形態において、第4レンズ14は、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズであって、第4レンズ14の凸面からなる物体側の面(第8面8)、および凹面からなる像側の面
(第9面9)の双方が非球面である。
【0078】
第5レンズ15は、両凸レンズである。第4レンズ14および第5レンズ15は、プラスチックレンズであって、第4レンズ14の像側のレンズ面と第5レンズの物体側のレンズ面が接合された接合レンズ16を構成している。接合レンズ16の接合面(第9面9)、および第5レンズ15の凸面からなる像側の面(第10面10)の双方が非球面である。
【0079】
本形態においては、第1レンズ11はガラスレンズであり、第2レンズ12および第3レンズ13は、第4レンズ14および第5レンズと同様、プラスチックレンズである。
このように構成した広角レンズ10において、光学系全体の有効焦点距離f0が0.669mmであり、物像間距離が11.702mmであり、レンズ系全体のF値が2.0であり、最大画角が196deg、水平画角が161degである。
【0080】
また、
図18および表1に示すように、広角レンズ10は、以下の条件式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)を全て満たしている。まず、第4レンズ14の屈折率n4は1.637であり、条件式(1)を満たしている。また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の中心曲率半径R45は、0.472mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0が0.669である。従って、|R45/f0|は、0.705であり、条件式(2)を満たしている。第4レンズ14のアッベ数ν4は、24.0であり、条件式(3)を満たしている。
【0081】
第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f45は1.884mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は0.669mmであるから、f45/f0は2.815であり、条件式(4)を満たしている。第4レンズ14の焦点距離f4は−1.062mmであり、レンズ系全体の有効焦点距離f0は0.669mmであるから、f4/f0=−1.587であり、条件式(5)を満たしている。第1レンズ11および第2レンズ12の合成焦点距離f12は−1.428mmであり、第3レンズ13、第4レンズ14および第5レンズ15の合成焦点距離f345は2.372mmである。従って、f12/f345=−0.602であり、条件式(6)を満たしている。
【0082】
このように構成した広角レンズ10の非点収差/ディストーション(歪曲収差)、球面収差、および倍率色収差は、
図19に示す通りであり、横収差は
図20に示す通りであり、いずれも収差も小さい。
【0083】
以上説明したように、本形態の広角レンズ10は、4群5枚のレンズ構成を有し、かつ、4枚のレンズがプラスチックレンズからなる。このため、広角レンズ10は、水平画角が120°以上であっても、小型軽量、かつ、低コストのいずれにも対応することができる。また、計9つの面のうち、7つの面が非球面であるため、
図15に示すように、少ない枚数で収差を低減することができる。
【0084】
また、本形態の広角レンズ10では、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45、および光学系全体の有効焦点距離f0が条件式(2)を満たしているため、倍率色収差を低減することができる。また、接合レンズ16における接合面(第9面9)の曲率半径R45に下限を設けたため、第4レンズ14の凹曲面からなる像側のレンズ面、および第5レンズ15の凸曲面からなる物体側のレンズ面の中心曲率半径が大きい。従って、レンズ単体の製作工程および接合工程を安定して行うことができる等、
参考例と同様な効果を奏する。