【文献】
東京海上日動リスクコンサルティング(株)他,企業の地震リスクマネジメント入門,株式会社日科技連出版社,2013年12月21日,P.105−P.109
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理手段は、前記利用者の事業所が統合される場合、又は、前記推奨備蓄量が変更される場合に、前記利用者の事業所ごとの備蓄品の備蓄量が前記推奨備蓄量に達しているか否かを判断し、更に、前記利用者の事業所ごとの備蓄品の備蓄量が前記推奨備蓄量に達していない場合に、不足している備蓄品の備蓄量を算出し、
前記送信手段は、前記不足している備蓄品を取り扱う販売事業者を前記事業者情報から取得し、取得した1以上の事業者の連絡先に対して、前記不足している備蓄品の備蓄量分の見積もりを依頼するメッセージを送信する、
請求項1又は2に記載の備蓄品管理システム。
前記送信手段は、前記抽出した備蓄品の推奨備蓄量分の見積もりを依頼するメッセージを送信する際に、前記抽出した備蓄品の推奨備蓄量分の数量を複数に分割し、分割した数量ごとに異なる年の消費期限を指定する情報を当該メッセージに含めて送信する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の備蓄品管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。以下の実施の形態は、災害時における備蓄品を管理する備蓄品管理システムを前提としているが、本実施の形態は、災害時に関わらず、どのような目的で管理される備蓄品についても適用することが可能である。
【0010】
<システム構成>
図1は、実施の形態に係る備蓄品管理システムの構成例を示す図である。本備蓄品管理システム10は、本備蓄品管理システム10を利用して備蓄品の管理を行う利用者(以下、単に「利用者」と呼ぶ)の事業所に設置されている利用者端末20
1〜20
Nと、備蓄品の販売を行う販売事業者の事業所に設置されている販売事業者端末30
1〜30
Nと、備蓄品の買取りを行う買取事業者の事業所に設置されている買取事業者端末40
1〜40
Nと、備蓄品の廃棄を行う廃棄事業者の事業所に設置されている廃棄事業者端末50
1〜50
Nと、災害時の推奨備蓄量を公開している自治体Webサーバ60とネットワークを介して接続されている。
【0011】
以下の説明において、任意の利用者端末20
1〜20
Nを示す場合、「利用者端末20」と記載する。任意の販売事業者端末30
1〜30
Nを示す場合、「販売事業者端末30」と記載する。任意の買取事業者端末40
1〜40
Nを示す場合、「買取事業者端末40」と記載する。任意の廃棄事業者端末50
1〜50
Nを示す場合、「廃棄事業者端末50」と記載する。
【0012】
備蓄品管理システム10は、自治体が公開している災害時の推奨備蓄量に基づいて、利用者の事業所ごとの備蓄品の備蓄量が適正な数量になるように管理する機能を有する。また、備蓄品管理システム10は、消費期限が近づいた備蓄品について利用者にアラームを通知する機能、消費期限が近づいた備蓄品を更新するために複数の販売事業者に見積もり依頼を行う機能、販売事業者に備蓄品を発注する機能などを有する。また、備蓄品管理システム10は、消費期限が近づいた備蓄品を買取事業者又は廃棄事業者から参照可能にすることで、買取事業者又は廃棄事業者から利用者に対して備蓄品の買取又は廃棄の提案を行うことを可能にする。これらの機能により、本備蓄品管理システム10は、利用者における備蓄品の管理負担を軽減させることを可能にする。
【0013】
<機能構成>
図2は、実施の形態に係る備蓄品管理システムの機能構成例を示す図である。本実施の形態に係る備蓄品管理システム10は、通信部100と、推奨備蓄量取得部101と、備蓄量管理部102と、依頼処理部103と、提案受付部104と、記憶部105とを有する。記憶部105には、利用者の事業所ごとに備蓄品の備蓄量及び消費期限などを示す利用者情報と、備蓄品の推奨備蓄量を示す備蓄量情報と、販売事業者、買取事業者及び廃棄事業者の営業地域及び連絡先などを示す事業者情報とが格納される。
【0014】
通信部100と、推奨備蓄量取得部101と、備蓄量管理部102と、依頼処理部103と、提案受付部104と、記憶部105とは、1つのコンピューターを用いて実現されてもよいし、異なるコンピューターを用いて実現されていてもよいし、細かい単位でコンピューターが分散されていてもよい。すなわち、備蓄品管理システム10は、1又は複数のコンピューターを用いて実現されていてもよい。また、当該1又は複数のコンピューターは、仮想化技術を利用した仮想サーバであってもよいし、クラウド上に実装された仮想サーバであってもよい。
【0015】
通信部100は、利用者端末20、販売事業者端末30、買取事業者端末40、廃棄事業者端末50、及び、自治体Webサーバ60と相互に通信する機能を有する。
【0016】
推奨備蓄量取得部101は、自治体Webサーバ60から、都道府県又は市区町村ごとに備蓄品の推奨備蓄量を取得し、記憶部105に格納されている推奨備蓄量情報に格納する。また、推奨備蓄量取得部101は、定期的に自治体Webサーバ60にアクセスすることで、推奨備蓄量が更新されているか否かを確認する。推奨備蓄量が更新されていることを検出した場合、推奨備蓄量取得部101は、更新後の推奨備蓄量を推奨備蓄量情報に格納すると共に、更新されたことを備蓄量管理部102に通知する。
【0017】
備蓄量管理部102は、推奨備蓄量に基づいて、利用者の事業所ごとに備蓄品の備蓄量を管理する機能を有する。また、備蓄量管理部102は、利用者の事業所ごとの備蓄品のうち、"現在から消費期限までの期間が所定の期間(後述する利用者情報の「アラーム」に設定される日数)である備蓄品"を抽出する機能を有する。
【0018】
また、備蓄量管理部102は、"現在から消費期限までの期間が所定の期間である備蓄品"を抽出した場合に、利用者端末20に消費期限が近づいた備蓄品が存在することを示すアラームを送信する機能を有する。
【0019】
また、備蓄量管理部102は、現在から消費期限までの期間が所定の期間である備蓄品について、当該備蓄品に関する情報を買取事業者又は廃棄事業者から参照可能にする機能を有する。より具体的には、備蓄量管理部102は、買取事業者端末40又は廃棄事業者端末50から、事業者情報に含まれるアクセスキーを用いたアクセスを受けた場合に、現在から消費期限までの期間が所定の期間である備蓄品を保持する利用者名、事業所の場所、備蓄品名、備蓄量及び消費期限を、買取事業者端末40又は廃棄事業者端末50から参照可能にする。
【0020】
また、備蓄量管理部102は、利用者端末20からのアクセスに応じて、その利用者が保有する備蓄品の備蓄品名、備蓄量及び消費期限などを表示する機能を有する。
【0021】
依頼処理部103は、備蓄品の見積もりを依頼するメッセージを販売事業者端末30に送信する機能を有する。より具体的には、依頼処理部103は、備蓄量管理部102で抽出された"現在から消費期限までの期間が所定の期間である備蓄品"を取り扱う販売事業者を事業者情報から取得し、取得した1以上の事業者の連絡先に対して当該備蓄品の推奨備蓄量分の見積もりを依頼するメッセージを送信する機能を有する。
【0022】
提案受付部104は、"現在から消費期限までの期間が所定の期間である備蓄品"の備蓄量及び消費期限を参照した買取事業者又は廃棄事業者の買取事業者端末40又は廃棄事業者端末50から、当該備蓄品の買取又は廃棄の提案メッセージを受け付ける機能を有する。
【0023】
ここで、記憶部105に格納されている、利用者情報、備蓄量情報、及び、事業者情報の具体例について説明する。
【0024】
図3は、利用者情報の一例を示す図である。利用者情報は、利用者の事業所ごとに、その事業所に関する情報が1レコードずつ格納されている。「利用者ID」には、利用者の事業所を一意に特定するIDが格納される。「利用者名」には、利用者の事業者名が格納される。「Mail」には、利用者の事業所の連絡先であるメールアドレスが格納される。「事業所場所」は、利用者の事業所が存在する場所を示す情報が格納される。「人数」は、利用者の事業所に所属する従業員の人数が格納される。「自動見積もり」は、備蓄品の消費期限が近づいた場合に、販売事業者に対して自動的に見積もり依頼を行うことを許可するか否か示すフラグである。「アラーム」には、備蓄品管理システム10から利用者端末20に対して消費期限が近づいた備蓄品が存在することを示すアラームを送信する際に、消費期限の何日前にアラームを送信するのかを示す日数が格納される。「備蓄量」及び「消費期限」には、それぞれ備蓄品の備蓄量及び消費期限が格納される。なお、「備蓄量」及び「消費期限」は、備蓄品名(
図3の例では水1L及び乾パン)ごとに繰り返し格納される。備蓄品名は、品名に限定されず、事業者間で共通の品番、JAN(Japan Article Number)コード等であってもよい。
【0025】
図4は、事業者情報の一例を示す図である。事業者情報は、販売事業者、買取事業者及び廃棄事業者ごとに、その事業者に関する情報が1レコードずつ格納されている。「事業者ID」には、販売事業者、買取事業者及び廃棄事業者を一意に特定するIDが格納される。「事業者名」には、販売事業者、買取事業者及び廃棄事業者の事業者名が格納される。「種別」には、事業者が販売事業者であるのか、買取事業者であるのか、又は、廃棄事業者であるのかを示す情報が格納される。「Mail」には、販売事業者、買取事業者及び廃棄事業者の連絡先であるメールアドレスが格納される。「アクセスキー」には、買取事業者又は廃棄事業者が備蓄品管理システム10にアクセスして、消費期限が近づいた備蓄品を参照する際に使用するID及びパスワードが格納される。「営業地域」は、販売事業者、買取事業者又は廃棄事業者が営業活動を行っているエリアを示す情報が含まれる。「備蓄品の取扱い有無」は、備蓄品ごとに、販売事業者、買取事業者又は廃棄事業者がその備蓄品を取り扱っているか否かを示す情報が格納される。
【0026】
図5は、推奨備蓄量情報の一例を示す図である。推奨備蓄量情報には、自治体が公開している災害時の推奨備蓄量が格納される。「都道府県」及び「市区町村」には、それぞれ都道府県名及び市区町村名が格納される。「備蓄品名」及び「推奨備蓄量」には、それぞれ、自治体により推奨されている備蓄品の備蓄品名及び備蓄量が格納される。
図5の例では、例えば東京都では、1人が3日間生活するのに必要な水として、1Lの水を9本、乾パンを9個、アルファ米を18個備蓄することが推奨されていることを示している。なお、
図5は本実施の形態を説明するための一例であり、実際に自治体のHPで公開されている推奨備蓄量を示すものではない。
【0027】
<処理手順>
(備蓄品の更新について)
図6は、備蓄品の更新が行われる際の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図6を用いて、消費期限が近づいた備蓄品が更新される際に、本備蓄品管理システム10が行う処理手順について説明する。
【0028】
ステップS101で、備蓄量管理部102は、利用者情報に格納されている備蓄品の中で、現在から消費期限までの期間が「アラーム」に設定されている日数である備蓄品(つまり、消費期限が近い備蓄品)を抽出し、利用者ID、当該備蓄品の備蓄品名(例えば、水1L、乾パン、アルファ米など)及び消費期限までの日数(例えば、60日前など)を含むアラーム通知メッセージを、当該備蓄品を保有する利用者のメールアドレスに送信する。なお、利用者情報の「自動見積り」が「無」に設定されている場合、当該メッセージには、更に、販売事業者に見積依頼を行ってもよいか否かの確認を求めるフラグが設定される。
【0029】
ステップS102で、利用者端末20は、販売事業者に見積依頼を行ってもよいか否かの確認を求めるフラグが設定されている場合で、かつ、利用者から見積依頼を行ってもよいとの指示を受けた場合、見積もり依頼を販売事業者に送信することを許可するメッセージを備蓄品管理システム10に送信する。なお、販売事業者に見積依頼を行ってもよいか否かの確認を求めるフラグが設定されていない場合(つまり、利用者情報の「自動見積り」が「有」に設定されている場合)、ステップS102の処理手順は省略される。
【0030】
ステップS103で、備蓄量管理部102は、ステップS101の処理手順で抽出された消費期限が近い備蓄品について、当該備蓄品を保有する利用者の事業所が存在する場所及び従業員の人数を利用者情報から取得する。続いて、備蓄量管理部102は、推奨備蓄量情報から、取得した事業所の場所に該当する推奨備蓄量を取得し、取得した推奨備蓄量と従業員の人数とを乗算することで、見積もり依頼すべき備蓄品の数量を算出する。
【0031】
続いて、依頼処理部103は、事業者情報から、消費期限が近い備蓄品を保有する利用者の事業所が存在する場所で営業活動を行っており、かつ、当該備蓄品を取り扱っている販売事業者を抽出し、抽出された1以上の販売事業者のメールアドレスに対して、それぞれ見積依頼通知メッセージを送信する。
【0032】
ステップS104で、備蓄量管理部102は、利用者端末20からアクセスを受けた場合、見積もりを依頼している備蓄品の備蓄品名、数量、見積もり依頼先の販売事業者名、見積もり依頼日時、見積もり回答結果などのステータスを利用者端末20に送信する。これにより、利用者は、備蓄品の見積もり状況を随時確認することができる。
【0033】
ステップS105で、依頼処理部103は、見積もりを依頼した1以上の販売事業者の販売事業者端末30から、それぞれ見積応答メッセージを受信する。
【0034】
ステップS106で、依頼処理部103は、見積応答メッセージを利用者端末20に送信する。
【0035】
ステップS107で、利用者端末20は、備蓄品を発注する販売事業者を利用者に選択させる。
【0036】
ステップS108で、利用者端末20は、利用者ID、選択された販売事業者の事業者ID、備蓄品の備蓄品名及び数量を含む発注依頼通知メッセージを備蓄品管理システム10に送信する。
【0037】
ステップS109で、依頼処理部103は、ステップS108で受信した発注依頼通知メッセージに含まれる事業者IDに対応するメールアドレスに対して発注依頼通知メッセージを送信する。その後、販売事業者から利用者の事業所宛に、発注を受けた備蓄品が発送される。
【0038】
ステップS110で、販売事業者端末30は、発送完了通知メッセージを備蓄品管理システム10に送信する。
【0039】
ステップS111で、利用者端末20は、発送された備蓄品の検品が完了したとの利用者の指示を受けて、受取通知メッセージを備蓄品管理システム10に送信する。利用者端末20は、利用者端末20に接続されたカメラ等を用いて、検品が完了した備蓄品のバーコードを読み取ることで、発送された備蓄品の検品が完了したことを認識するようにしてもよい。また、利用者端末20は、利用者に備蓄品の消費期限を入力させることで、備蓄品の消費期限を認識するようにしてもよい。なお、ステップS110又はステップS111の処理手順のいずれか一方は省略されてもよい。
【0040】
ステップS112で、備蓄量管理部102は、利用者情報のうち、発送完了通知メッセージ又は受取通知メッセージに含まれる利用者IDに該当するレコードについて、発送された備蓄品の備蓄量及び消費期限を更新する。
【0041】
以上の処理手順によれば、消費期限が近づいた備蓄品について利用者にアラームを通知すると共に、複数の販売事業者に見積り依頼を自動的に通知することで、利用者が備蓄品の発注に要する手間を軽減させることができる。
【0042】
また、利用者の視点では、複数の販売事業者に見積もりを依頼することができると共に、最適な時期(消費期限が近づいた時期)に最適な販売事業者(安価な販売事業者)を選択可能になるという利点がある。また、販売事業者側から見た場合、営業活動をせずに備蓄品の見積り依頼を受けることができるため、利用者に備蓄品を販売する際の営業効率を向上させることができるという利点がある。また、利用者の利便性が向上することで、備蓄品を繰り返し購入してもらえる可能性(再購入性)を高めることが可能になる。
【0043】
なお、以上の処理手順において、ステップS106乃至ステップS108の処理手順は省略されてもよい。この場合、依頼処理部103は、ステップS109の処理手順において、最も安価な見積もり金額を提示した販売事業者のメールアドレスに対して、発注依頼通知メッセージを送信するようにしてもよい。これにより、利用者は、発注先の販売事業者を選択する必要がなくなるため、利用者の手間を更に軽減させることが可能になる。
【0044】
(消費期限が近づいた備蓄品の取り扱いについて)
図7は、備蓄品の買取又は廃棄が行われる際の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図7を用いて、消費期限が近い備蓄品を買取事業者又は廃棄事業者から参照可能にし、買取事業者又は廃棄事業者から利用者に対して備蓄品の買取又は廃棄の提案を行う際の処理手順について説明する。
【0045】
ステップS201で、備蓄量管理部102は、利用者情報に格納されている備蓄品の中で、現在から消費期限までの期間が「アラーム」に設定される日数である備蓄品(つまり、消費期限が近い備蓄品)を抽出し、利用者ID、当該備蓄品の備蓄品名(例えば、水1L、乾パン、アルファ米など)及び消費期限までの日数(例えば、60日前など)を含むアラーム通知メッセージを、当該備蓄品を保有する利用者のメールアドレスに送信する。この際、備蓄量管理部102は、当該備蓄品に関する情報(例えば、当該備蓄品を保持する利用者名、事業所の場所、備蓄品名、備蓄量及び消費期限)を、買取事業者端末40及び廃棄事業者端末50から参照可能な状態にしておく。
【0046】
ステップS202/ステップS203で、買取事業者端末40/廃棄事業者端末50は、消費期限が近い備蓄品に関する情報を参照するために、買取事業者自身/廃棄事業者自身に割当てられているID及びパスワードを用いて備蓄品管理システム10にアクセスする。備蓄品管理システム10は、受信したID及びパスワードが、事業者情報の「アクセスキー」に格納されているID及びパスワードと一致する場合にのみ、消費期限が近い備蓄品に関する情報を買取事業者端末40から参照可能にする。なお、備蓄品管理システム10は、消費期限が近づいた備蓄品を保有する利用者の事業所が存在する場所で営業活動を行っている買取事業者/廃棄事業者にのみ、消費期限が近い備蓄品に関する情報を参照可能にするようにしてもよい。
【0047】
ステップS204/ステップS206で、買取事業者端末40/廃棄事業者端末50は、消費期限が近い備蓄品の買取/廃棄を提案するために、買取提案通知メッセージ/廃棄提案メッセージを送信する。買取提案通知メッセージ/廃棄提案メッセージには、備蓄品の買取提案額/備蓄品の廃棄に必要な額が含まれる。
【0048】
ステップS205/ステップS207で、備蓄品管理システム10の提案受付部104は、買取提案通知メッセージ/廃棄提案メッセージを利用者端末20に送信する。
【0049】
ステップS208で、利用者端末20は、備蓄品の買取又は備蓄品の廃棄を依頼する買取事業者又は廃棄事業者を利用者に選択させる。
【0050】
ステップS209で、利用者端末20は、利用者ID、選択された買取事業者又は廃棄事業者の事業者ID、買取又は廃棄を依頼する備蓄品の備蓄品名及び数量を含む買取依頼通知メッセージ又は廃棄依頼通知メッセージを備蓄品管理システム10に送信する。
【0051】
ステップS210で、提案受付部104は、ステップS209で買取依頼通知メッセージを受信した場合、当該買取依頼通知メッセージに含まれる事業者IDに対応するメールアドレスに対して、買取依頼通知メッセージを送信する。その後、買取事業者は、利用者から消費期限が近い備蓄品を受け取り、利用者は、買取事業者から買取代金を受け取る。
【0052】
ステップS211で、買取事業者端末40は、買取終了通知メッセージを備蓄品管理システム10に送信する。
【0053】
ステップS212で、利用者端末20は、利用者からの指示により、買取事業者から買取代金を受け取ったことを示す代金受取通知メッセージを備蓄品管理システム10に送信する。
【0054】
ステップS213で、提案受付部104は、ステップS209で廃棄依頼通知メッセージを受信した場合、当該廃棄依頼通知メッセージに含まれる事業者IDに対応するメールアドレスに対して、廃棄依頼通知メッセージを送信する。その後、廃棄事業者は、利用者から消費期限が近い備蓄品を受け取り、利用者は廃棄に必要な額を廃棄事業者に支払う。
【0055】
ステップS214で、廃棄事業者端末50は、廃棄終了通知メッセージを備蓄品管理システム10に送信する。
【0056】
ステップS215で、備蓄量管理部102は、利用者情報のうち、買取終了通知メッセージ又は廃棄終了通知メッセージに含まれる利用者IDに該当するレコードについて、買取又は廃棄された備蓄品の備蓄量を更新する。
【0057】
以上の処理手順によれば、消費期限が近づいた備蓄品について買取事業者又は廃棄事業者側から利用者に対して買取提案又は廃棄提案を行うことができ、消費期限が近い備蓄品の処分に要する手間を簡略化させることができる。
【0058】
<処理手順(変形例)>
(推奨備蓄量について)
図5に示す災害時の推奨備蓄量は、全ての自治体が公開しているのではない。また、推奨備蓄量を公開している自治体であっても、都道府県単位で公開している自治体もあれば、市区町村単位で公開している自治体もある。また、公開している備蓄品名についても自治体ごとに異なる。例えば、"水"の推奨備蓄量のみを公開している自治体もある。この場合、推奨備蓄量情報には、公開されている地域及び備蓄品の推奨備蓄量のみが格納されることになるため、推奨備蓄量が公開されていない地域及び備蓄品の扱いが課題となる。
【0059】
そこで、
図6のステップS103で、備蓄量管理部102は、推奨備蓄量情報から、利用者の事業所が存在する場所に該当する推奨備蓄量が取得出来ない場合(つまり、推奨備蓄量が公開されていない場合)、同一都道府県内の他の市区町村における推奨備蓄量を取得するようにしてもよいし、隣接都道府県のいずれかの市区町村における推奨備蓄量を取得するようにしてもよい。また、備蓄品管理システム10内に予め推奨備蓄量のデフォルト値を設定しておき、備蓄量管理部102は、当該デフォルト値を取得するようにしてもよい。また、備蓄量管理部102は、東京都の推奨備蓄量を取得するようにしてもよい。
【0060】
(備蓄量の調整について)
自治体が公開している災害時の推奨備蓄量が更新される場合、利用者の事業所が統廃合される場合など、利用者は、必要に応じて備蓄量を調整する必要がある。例えば、災害時の推奨備蓄量は自治体毎に異なることが想定されるため、利用者の事業所が自治体を跨いで統廃合される場合、備蓄量の過不足が発生する可能性がある。
【0061】
そこで、備蓄品管理システム10は、利用者の事業所ごとの各備蓄品の備蓄量が適切な量であるかを判断し、備蓄量に過不足が発生する場合は、備蓄品の見積もり依頼又は買取依頼を自動的に行うようにしてもよい。
【0062】
また、利用者の事業所が統廃合されるタイミングを備蓄品管理システム10で認識可能にするため、
図9に示すように、利用者情報に、事業所の統廃合スケジュールを示すカラムを追加するようにしてもよい。これにより、備蓄品管理システム10は、どのタイミングで利用者の事業所が統廃合されるのかを把握することができる。
【0063】
図8は、備蓄量の調整が行われる際の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0064】
ステップS301で、備蓄量管理部102は、所定のタイミングで、利用者の事業所ごとの備蓄品の備蓄量が適切であるかを判断する。備蓄量が不足していると判断された場合はステップS302、ステップS310〜ステップS313の処理手順に進み、備蓄量に余剰が発生していると判断された場合はステップS302、ステップS320〜ステップS323の処理手順に進む。
【0065】
例えば、推奨備蓄量が更新される場合、備蓄量管理部102は、利用者の事業所ごとの各備蓄品の備蓄量と更新後の推奨備蓄量とを比較することで、備蓄量が不足しているのか、又は、備蓄品に余剰が発生しているのかを判断する。
【0066】
また、例えば、利用者情報における事業所の統廃合スケジュールに、事業所が統合される日付及び統合先が格納されている場合、備蓄量管理部102は、統合前のそれぞれの事業所における各備蓄品の備蓄量の合計と、統合後の事業所で必要になる各備蓄品の備蓄量とを比較することで、事業所の統合後に、各備蓄品の備蓄量が不足するのか、又は、備蓄品に余剰が発生するのかを判断する。なお、統合後の事業所で必要になる各備蓄品の備蓄量は、統合後の事業所の場所に該当する推奨備蓄量と統合後の事業所の全従業員の人数とを備蓄品毎に乗算することで算出することができる。なお、備蓄量管理部102は、現在から事業所が統合される日付までの期間が「アラーム」カラムに設定されている日数になったタイミングで、ステップS302の処理手順に進むようにしてもよいし、統合される日付になったタイミングでステップS302の処理手順に進むようにしてもよい。
【0067】
また、例えば、利用者情報における事業所の統廃合スケジュールに、事業所が廃止される日付が格納されている場合、備蓄量管理部102は、例えば、その事業所の全ての備蓄品が余剰になると判断する。なお、この場合、備蓄量管理部102は、現在から事業所が廃止される日付までの期間が「アラーム」カラムに設定されている日数になったタイミングで、ステップS302の処理手順に進むようにしてもよい。
【0068】
ステップS302で、備蓄量管理部102は、備蓄品に余剰又は不足が発生すると判断した利用者の利用者端末20に、備蓄品に余剰又は不足が発生することを示す不足通知メッセージ又は余剰通知メッセージを送信する。
【0069】
ステップS303で、利用者端末20は、利用者の指示を受けて、見積もり依頼又は買取依頼を販売事業者又は買取事業者に依頼することを許可するメッセージを備蓄品管理システム10に送信する。なお、ステップS303の処理手順は省略されてもよい。
【0070】
ステップS310乃至ステップS313の処理手順は、それぞれ
図6のステップS103、ステップS105乃至ステップS107と同一であるため説明は省略する。なお、ステップS313の処理手順の後、更に、
図6のステップS108乃至ステップS112と同一の処理手順が実行される。
【0071】
ステップS320で、依頼処理部103は、事業者情報から、余剰と判断された備蓄品を保有する利用者の事業所が存在する場所で営業活動を行っており、かつ、当該備蓄品を取り扱っている買取事業者を抽出し、抽出された1以上の買取事業者のメールアドレスに対して、それぞれ買取依頼通知メッセージを送信する。
【0072】
ステップS321で、依頼処理部103は、見積もりを依頼した1以上の買取事業者の買取事業者端末40から、それぞれ買取額通知メッセージを受信する。
【0073】
ステップS322で、依頼処理部103は、買取額通知メッセージを利用者端末20に送信する。
【0074】
ステップS323で、利用者端末20は、買取りを依頼する買取事業者を利用者に選択させる。その後、
図7のステップS209乃至ステップS212、及びステップS215と同一の処理手順が実行される。
【0075】
ステップS330で、備蓄量管理部102は、利用者情報の備蓄量及び消費期限を更新する。なお、備蓄品が不足しており新たに発注した場合、又は、事業所が統合された場合、同一の備蓄品であっても消費期限が異なることが想定される。この場合、備蓄量管理部102は、消費期限をそれぞれ別個に管理するようにしてもよいし、消費期限が短い方に統一するようにしてもよい。前者の場合、備蓄量管理部102は、利用者情報の備蓄量及び消費期限を更新する際に、消費期限毎にそれぞれ異なるレコードを格納しておくようにする。また、後者の場合、備蓄量管理部102は、利用者情報の備蓄量及び消費期限を更新する際に、利用者情報の消費期限を、期限が短い方の期限で更新するようにする。
【0076】
以上の処理手順によれば、備蓄品管理システム10は、自治体ごとの推奨備蓄量を考慮し、推奨備蓄量に応じて、事業所毎に最適な備蓄量に調整することができ、無駄のない適正な備蓄量を常に維持することが可能になる。
【0077】
(推奨備蓄量の調整について)
備蓄品管理システム10は、利用者の事業所における各備蓄品の備蓄量を、推奨備蓄量から若干の上乗せした数量とするようにしてもよい。推奨備蓄量から若干の上乗せした数量としておくことで、例えば事業所の従業員数が一時的に増員された等の場合に、実際の備蓄量が推奨備蓄量を下回ってしまうという事態を防止することができる。
【0078】
具体的には、備蓄量管理部102は、推奨備蓄量に所定の割合(例えば10%増)を加えた数量を推奨備蓄量とするようにしてもよい。また、前述した通り、災害時の推奨備蓄量は自治体毎に異なることが想定されるため、備蓄量管理部102は、推奨備蓄量に応じて所定の割合を変化させるようにしてもよい。例えば、水1Lの推奨備蓄量が9本である場合に所定の割合を10%増とした場合、推奨備蓄量がx本(例えばx=1)増加する度に、所定の割合をy%(例えばy=1)ずつ下げるようにしてもよい。逆に推奨備蓄量がx本減少する度に、所定の割合をy%ずつ上げるようにしてもよい。
【0079】
図9の「備蓄量」カラムの値は、
図5に示す推奨備蓄量に対して、水1Lの推奨備蓄量が9本である場合に所定の割合を10%増とし、水1Lの推奨備蓄量が10本である場合に所定の割合を9%増とし、水1Lの推奨備蓄量が12本である場合に所定の割合を7%増として備蓄量を算出した場合の例を示している。
【0080】
(複数事業所の一括管理について)
利用者の企業の形態によっては、従業員数が少数の事業所を大量に抱えている場合が想定される。例えば、
図9の例では、D社の横浜1〜横浜30の事業所は、従業員数が10〜30人程度である。この場合、備蓄品の管理を事業所ごとに行うよりも、一か所の事業所でまとめて行うのが望ましいと想定される。
【0081】
そこで、備蓄品管理システム10は、利用者情報に、備蓄品の管理をまとめて行う事業所を示す情報を設定可能にすることで、備蓄品の管理を一か所の事業所でまとめて行うことを可能にしてもよい。例えば、
図9に示すように、利用者情報に「グループ管理」カラムを追加し、備蓄品の一括管理を行う事業所には「SGx」(xはグループを識別する値であり、例えば1、2、3・・)フラグを設定し、一括管理される事業所には「Gx」フラグを設定するようにしてもよい。
図9の例では、横浜1〜横浜30の事業所の備蓄品は、横浜(本社)で一括管理されることを意味している。
【0082】
備蓄量管理部102は、同一グループ内の事業所(
図9の例では横浜1〜横浜30)の備蓄品に関する各種のメッセージの送受信は、全て一括管理を行う事業所(
図9の例では横浜(本社))の利用者端末20との間で送受信するようにする。例えば、備蓄量管理部102は、備蓄品の消費期限が近付いていることを示すアラーム通知(
図6のステップS101)などを、横浜1〜横浜30の利用者端末20ではなく横浜(本社)の利用者端末20に送信するようにする。
【0083】
これにより、事業所毎に利用者が備蓄品の発注等を行うのではなく、特定の事業所で一括して行うことが可能になり、利用者の手間を軽減させることができる。
【0084】
(備蓄品の更新タイミングの分散について)
図6を用いて説明した備蓄品の更新に係る処理手順では、全ての備蓄品を同時に更新する前提で説明した。しかしながら、備蓄品の消費期限は少なくとも数年以上であることから、備蓄品の更新タイミングが数年に一度のタイミングで訪れることになる。この場合、備蓄品の更新に要する費用が数年に一度のタイミングで計上されることになってしまう。
【0085】
そこで、備蓄品管理システム10は、備蓄品の更新に要する費用を分散させるために、同一の利用者の事業所内で、備蓄品の更新タイミングを分散させるようにしてもよい。
【0086】
例えば、備蓄品管理システム10の依頼処理部103は、
図6のステップS103の処理手順において、抽出された1以上の販売事業者のメールアドレスに対してそれぞれ見積依頼通知メッセージを送信する際、見積もりを依頼する備蓄品の数量を複数に分割し、分割した数量ごとに異なる消費期限を指定する情報を当該見積依頼通知メッセージに含めて送信するようにしてもよい。例えば、4000本の水1Lについて見積依頼通知メッセージを送信する場合、依頼処理部103は、4000本の水1Lを4つに分割し、1000本ごとに消費期限としてそれぞれ2017年、2018年、2019年及び2020年を指定する見積依頼通知メッセージを販売事業者端末30に送信するようにしてもよい。
【0087】
また、他の例として、販売事業者端末30から備蓄品管理システム10に対して、備蓄品名と消費期限と単価とを対応づけた見積もりリストを予め登録しておき、依頼処理部103は、当該見積もりリストに基づいて、見積依頼通知メッセージを送信する販売事業者を選択するようにしてもよい。
【0088】
これにより、利用者は、販売事業者から消費期限が分散された備蓄品を購入することができ、その後の備蓄品の更新において、備蓄品の更新に要する費用が数年に一度のタイミングで計上されてしまうことを防止することができる。
【0089】
<実施形態の補足>
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。実施の形態で述べたシーケンスは、矛盾の無い限り順序を入れ替えてもよい。
【0090】
以上、実施の形態に係る備蓄品管理システム10が有する各機能部は、これらが備えるCPU及びメモリなどのハードウェア資源を用いて、備蓄品管理システム10で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。
【0091】
なお、実施の形態において、依頼処理部及び通信部は、送信手段の一例である。アラームに設定される日数は、所定の期間の一例である。アクセスキーはアクセス情報の一例である。