(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性部材は、前記第2領域の周囲に位置する第3領域を有し、前記弾性部材の厚さ方向の硬さが前記第3領域と第2領域とで相違している請求項1に記載の表示装置。
第1基板と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1基板と第2基板との間に設けられた液晶層と、前記第1基板あるいは第2基板に設けられた第1検出電極と、を有する液晶パネルと、
導光板と、前記導光板上に配置された光学シートと、前記導光板に光を入射する光源と、を有し、前記第1基板と空気層を挟んで対向配置されたバックライト装置と、
前記バックライト装置を挟んで、前記第1検出電極に対向する第2検出電極と、
前記バックライト装置と前記第2検出電極との間に配置され、前記バックライト装置の中央部に対向する第1領域、およびこの第1領域の周囲に位置する第2領域を有し、前記第1領域と第2領域とで厚さ方向の硬さが異なる弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、前記第1領域および第2領域に形成された複数の透孔を有し、
前記第1領域における前記透孔の形成密度が、前記第2領域における前記透孔の形成密度よりも大きい
液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の表示面側を示す斜視図、
図2は、液晶表示装置の分解斜視図である。
液晶表示装置10は、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、ノートブックタイプPC、携帯型ゲーム機、電子辞書、テレビ装置、カーナビゲーションシステム、車載表示パネルなどの各種の電子機器に組み込んで使用することができる。
【0009】
図1および
図2に示すように、液晶表示装置10は、アクティブマトリクス型の平板状の液晶パネル(表示パネル)12と、液晶パネル12の一方の平板面である表示面12aに重ねて配置され、表示面12a全体を覆う透明なカバーパネル14と、液晶パネル12の他方の平板面である背面側に対向配置されたバックライトユニット(バックライト装置)20と、を備えている。カバーパネル14は、使用状況に応じて、省略可能である。
【0010】
図3は
図1の線A−Aに沿った液晶表示装置の断面図である。
図2および
図3に示すように、液晶パネル12は、矩形平板状の第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向配置された矩形平板状の第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に封止された液晶層LQと、を備えている。第2基板SUB2の周縁部は、シール材SEにより第1基板SUB1に貼り合わされている。第2基板SUB2の表面に偏光板PL1が貼付され、液晶パネル12の表示面12aを形成している。第1基板SUB1の表面(液晶パネル12の背面)に偏光板PL2が貼付されている。
【0011】
少なくとも一方の基板、例えば、第1基板SUB1の内面上に、画素電極、共通電極等の複数の電極部15および図示しない配線等が形成されている。本実施形態において、共通電極Vcomは、タッチセンサおよび圧力検知センサを構成する複数の第1検出電極Tx1〜Txnを兼ねている。第1検出電極Tx1〜Txnは、ストライプ状に形成され、それぞれ第1基板SUB1の長手方向(第1方向X)に沿って延びている。また、第1検出電極Tx1〜Txnは、長手方向と直交する幅方向(第2方向Y)に所定の間隔を置いて互いに平行に並んでいる。第2基板SUB2の上面に、タッチセンサを構成する複数の第2タッチ検出電極Rx1〜Rxnが設けられている。第2タッチ検出電極Rx1〜Rxnは、ストライプ状に形成され、それぞれ第2基板SUB2の幅方向(第2方向Y)、すなわち、第1検出電極Tx1〜Txnの延出方向と直交する方向に沿って延びている。第2タッチ検出電極Rx1〜Rxnは、第2基板SUB2の長手方向に所定の間隔を置いて互いに平行に並んでいる。なお、第1検出電極Tx1〜Txnおよび第2タッチ検出電極Rx1〜Rxnは、それぞれITO等により透明電極として形成されている。
偏光板PL1は、例えば、光学用透明樹脂からなる粘着部材AD1により、第2タッチ検出電極Rx1〜Rxnに重ねて、第2基板SUB2の上面に貼付されている。
液晶パネルの電極Vcomをマトリクス状に配置し、これらマトリクス状の電極をセンシングすることにより、指の接触(接近あるいはタッチ)を検出するセルフセンシング(Self-Sensing)モードが知られている。このモードを液晶パネル12に適応することは容易に可能である。
【0012】
液晶パネル12では、液晶パネル12を平面視(液晶パネルの表面の法線方向から液晶パネルを視認する状態をいう。以下同様である)した状態で、シール材SEの内側となる領域に矩形状の表示領域(アクティブ領域)DAが設けられ、表示領域DAに画像が表示される。また、この表示領域DAの周囲に、矩形枠状の額縁領域(非表示領域)EDが設けられている。液晶パネル12は、バックライトユニット20からの光を表示領域DAに選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型である。液晶パネル12は、表示モードとして、主として基板主面に略平行な横電界を利用する横電界モードに対応した構成を有していても良いし、主として基板主面に略垂直な縦電界を利用する縦電界モードに対応した構成を有していても良い。
【0013】
カバーパネル14は、例えば、ガラス板あるいはアクリル系の透明樹脂等により、矩形平板状に形成されている。カバーパネル14の背面(液晶パネル12側の面)の周縁部に枠状の遮光層RSが形成されている。カバーパネル14の背面は、例えば、光学用透明樹脂からなる粘着部材AD2により、偏光板PL1に貼付され、液晶パネル12の表示面12aの全面を覆っている。カバーパネル14において、液晶パネル12の表示領域DAと対向する領域以外の領域は、遮光層RSにより遮光される。
【0014】
図1および
図2に示すように、第1基板SUB1の短辺側の端部に、液晶パネル12を駆動するのに必要な信号を供給する信号供給源として、駆動IC24等の半導体素子が実装されている。駆動IC24は、細長い矩形状に形成され、第1基板SUB1上で、第2基板SUB2の短辺側の側縁に沿って実装されている。駆動IC24は、配線および画素電極に映像信号および駆動信号を供給するとともに、第1検出電極Tx1〜Txnにタッチ検出用の駆動信号を供給する。また、第1基板SUB1の短辺側の端部に、フレキシブルプリント回路基板(メインFPC)23が接合され、液晶パネル12から外方に延出している。メインFPC23は、第1基板SUB1上において、図示しない複数の配線を介して駆動IC24に電気的に接続されている。メインFPC23にはコネクタ25が実装されてもよい。
【0015】
第2基板SUB2の短辺側の端部に、中継FPC27が接合されている。この中継FPC27は、第2基板SUB2上に形成された第2タッチ検出電極Rx1〜Rxnに電気的に接続されている。中継FPC27上にタッチIC(検出用駆動素子)21が実装されている。更に、中継FPC27の延出端は、メインFPC23上のコネクタ25に接続され、このコネクタ25およびメインFPC23を介して駆動IC24に電気的に接続されている。タッチIC21は、検出器を含んでいる。この検出器は、タッチ検出期間において、中継FPC27を介して、第2検出電極Rx1〜Rxnから送られる検出信号を受信する。
【0016】
図2および
図3に示すように、バックライトユニット20は、偏平な矩形状の収容ケース(あるいはベゼル)22と、収容ケース22の底面上に配置された反射シートREと、収容ケース22内に配置された複数の光学部材と、光学部材に入射する光を供給する光源ユニット30と、を備えている。本実施形態では、収容ケース22の底板18と反射シートREとの間に、弾性部材として機能する矩形シート状のクッション材50が設置されている。本実施形態では、収容ケース22およびクッション材50は、バックライトユニット20の構成要素に含まれているが、これに限らず、収容ケース22およびクッション材50は、バックライトユニット20から独立した構成要素として扱ってもよい。
【0017】
収容ケース22は、金属製の板材により偏平な矩形蓋状に形成されている。収容ケース22は、例えば、板厚0.1〜0.15mmのステンレス板金を折曲げ加工あるいは絞り加工することにより形成される。収容ケース22は、液晶パネル12の寸法よりも大きく、かつ、カバーパネル14の寸法よりも小さい、寸法(長さ、幅)を有する矩形状の底壁22aと、底壁22aの各側縁に立設された一対の長辺側の側壁22bおよび一対の短辺側の側壁22cと、各側壁の上端縁から外側に延出するフランジ28と、を有している。
本実施形態において、長辺側の側壁22bおよび短辺側の側壁22cは、底壁22aに対してほぼ垂直に立設している。これら側壁22b、22cの高さは、液晶パネル12の厚さと、後述するバックライトユニット20の厚さとの合計よりも僅かに大きく形成されている。フランジ28は、側壁22b、22cに対してほぼ垂直に、かつ、外側に延出している。本実施形態において、フランジ28の幅Wは、充分な接着強度を得られる幅、例えば、0.7〜1mm程度に形成されている。本実施形態において、底壁22a、側壁22b、22c、およびフランジ28は、一枚の板金を折曲げ加工することにより、形成されている。
一方の短辺側の側壁22cには切欠き32が形成されている。前述したメインFPC23および中継FPC27は、切欠き32を通して外部に延出する。
【0018】
収容ケース22は、両面テープ34でフランジ28をカバーパネル14の下面に貼付することにより、カバーパネル14に固定され、液晶パネル12を覆っている。各側壁22b、22cのフランジ28は、液晶パネル12の外側で、カバーパネル14の下面周縁部に固定され、カバーパネル14の各辺に沿って並んでいる。収容ケース22の底壁22aは、液晶パネル12の背面と隙間を置いてほぼ平行に対向している。底壁22aは、接地電位に接続され、第2圧力検出電極(第2検出電極)を構成している。すなわち、底壁22aは、バックライトユニット20の光学部材および第1基板SUB1を挟んで、第1検出電極Tx1〜Txnと対向している。
なお、収容ケース22とカバーパネル14との固定には、両面テープ34の他、ホットメルト接着剤、エポキシ接着剤、UV硬化接着剤等を用いることができる。
【0019】
図2および
図3に示すように、クッション材50は、収容ケース22の底壁22a上に敷設されている。クッション材50は、底壁22aとほぼ等しい寸法の矩形状に形成され、底壁22aのほぼ全面に重ねて配置されている。バックライトユニット20は、クッション材50上に配置された矩形状の反射シートRE、反射シートREの周縁部に重ねて固定された矩形枠状のフレーム52、フレーム52内で反射シートREに重ねて配置された矩形平板状の導光板LG、導光板LG上に重ねて配置された複数枚、例えば、2枚の光学シートOS1、OS2、および、導光板LGに光を入射する光源ユニット30を備えている。
【0020】
反射シートREは、液晶パネル12の平面寸法とほぼ等しい外形寸法に形成され、底壁22aおよびクッション材50のほぼ全面を覆っている。反射シートREは、膜厚が200μm以下、望ましくは、50〜90μm、反射率が90%以上、望ましくは、95%以上の反射シートを用いている。
フレーム52は、例えば、ポリカーボネイト等の合成樹脂でモールド成形されている。フレーム52の外形寸法は、液晶パネル12の偏光板PL2の外形寸法とほぼ等しく形成されている。フレーム56は、反射シートREと反対側に位置する端面56aと、この端面56aの内周側に形成された一段低い段差部56bとを有している。
【0021】
導光板LGは、平面視で、フレーム56の内径寸法よりも僅かに小さい外形寸法(長さ、幅)、かつ、液晶パネル12の表示領域DAよりも僅かに大きな外形寸法に形成されている。導光板LGは、反射面側が反射シートREと対向した状態で、フレーム56内に配置され、反射シートRE上に載置されている。導光板LGは、板厚が例えば、0.23〜0.32mm程度としたものを用いている。
導光板LGの入射面は、フレーム56の短辺部と僅かな隙間を置いて対向している。光源ユニット30は、例えば、細長い帯状の回路基板と、この回路基板上に並べて実装された複数の光源(例えば、LED)と、を有している。光源ユニット30は、複数の光源32bが導光板LGの入射面と対向するように、フレーム56内に配置されている。
【0022】
本実施形態によれば、第1光学シートOS1、第2光学シートOS2として、例えば、アクリル系、シリコン系等の合成樹脂で形成され光透過性を有する拡散シートおよびプリズムシートを用いている。第1光学シートOS1は、導光板LGの出射面に重ねて載置されている。また、第1光学シートOS1の周縁部は、フレーム56の段差部56c上に載置されている。第2光学シートOS2は、第1光学シートOS1に重ねて載置され、更に、第2光学シートOS2の周縁部は、第1光学シートOS1に重ねて、フレーム56の段差部56c上に載置されている。第2光学シートOS2の周縁部の上面は、フレーム56の第1端面56aと同一平面に並んで、つまり、面一に並んでいる。なお、光学シートは2枚に限らず、1枚あるいは3枚以上用いる構成としてもよい。
【0023】
バックライトユニット20は、バックライトユニット20を液晶パネル12に貼り付けるための、矩形枠状の粘着部材(例えば、両面テープ)TPを有している。粘着部材TPは、フレーム56の第1端面56aおよび第2光学シートOS2の周縁部に貼付されている。これにより、第2光学シートOS2は、粘着部材TPを介してフレーム56に固定されている。
【0024】
以上のように構成されたバックライトユニット20は、液晶パネル12の背面に対向して収容ケース22内に配置され、粘着部材TPにより、液晶パネル12の偏光板PL2に取付けられている。すなわち、フレーム56は、粘着部材TPにより、偏光板PL2の背面周縁部に貼付され、フレーム56の外周縁および粘着部材TPの外周縁が偏光板PL2の周縁と整列した状態に配置されている。
【0025】
フレーム56は、液晶パネル12の額縁領域EDと対向する位置にあり、また、第1および第2光学シートOS1、OS2、並びに導光板LGは、液晶パネル12の表示領域DAに対向している。バックライトユニット20の第2光学シートOS2は、粘着部材TPの厚さ分だけ隙間(空気層)を置いて、液晶パネル12の背面に対向している。
【0026】
図2に示すように、光源ユニット30の回路基板は接続端部31を有している。この接続端部31は、フレーム52の切欠を通して外側に延出し、メインFPC23に接続される。これにより、メインFPC23および回路基板を介して光源ユニット30の光源(LED)に駆動電流が通電される。LEDから出射された光は、導光板LGの入射面から導光板LG内に入射し、導光板LG内を伝播し、或いは導光板LGの反射面から出射されたのち反射シートREによって反射され、再度導光板LG内に入射する。このような光路を通過した後、LEDからの光は導光板LGの出射面の全面から液晶パネル12側に出射される。出射された光は、第1光学シートOS1および第2光学シートOS2により拡散された後、液晶パネル12の表示領域DAに照射される。
【0027】
図4は、クッション材50を模式的に示す平面図である。
図2〜
図4に示すように、弾性部材としてのクッション材50は、例えば、ウレタンフォーム、スポンジ、ゴム等の弾性材により矩形のシート状に形成されている。クッション材50は、平面視で、液晶パネル12の表示領域DAよりも僅かに大きい寸法(長さ、幅)に形成され、表示領域DA全体と対向している。クッション材50の厚さは、例えば、0.01〜0.6mm程度に形成している。
クッション材50は、液晶パネル12の第1検出電極Txと、第2圧力検出電極(底壁22a)との間に配置されている。本実施形態において、クッション材50は、収容ケース22の底壁(第2圧力検出電極)22aと反射シートREとの間に配置され、これらに当接している。
【0028】
また、クッション材50は、平面方向において、中央部に位置する第1領域Aと、第1領域の周りに位置する第2領域Bと、第2領域Bの周りに位置し、第2領域Bとクッション材50の4側縁との間に位置する第3領域Cと、を有している。第1領域Aは、例えば、クッション材50の長手方向に延びる長軸を有する楕円形状に設定され、同様に、第2領域Bは、クッション材50の長手方向に延びる長軸を有する楕円形状に設定されている。そして、第1、第2、第3領域A、B、Cは、クッション材50の厚さ方向の硬さが互いに相違している。ここでは、第1領域A<第2領域B<第3領域Cの順で、硬さが大きくなるように形成されている。
【0029】
図4に示すように、本実施形態では、上記硬さの関係を得るため、クッション材50の第1領域Aおよび第2領域Bに複数の透孔54が形成されている。各透孔54は、クッション材50を厚さ方向に貫通している。そして、第1領域Aにおける透孔54の形成密度(第1領域Aの面積に対して透孔54の面積が占める割合)が、前記第2領域Bにおける透孔54の形成密度(第2領域Bの面積に対して透孔54の面積が占める割合)よりも大きくすることにより、第1領域Aを第2領域Bよりも柔らかく、すなわち、潰れ易く、している。また、本実施形態では、クッション材50の第3領域Cには透孔を設けていない。そのため、第3領域Cを第2領域Bよりも硬くすることができる。なお、第3領域Cに複数の透孔を設けてもよい。この場合、第3領域Cにおける透孔の形成密度を、第2領域Bにおける透孔の形成密度よりも低くすればよい。
第1領域A、第2領域B、第3領域Cの硬さの関係は、例えば、第1領域Aの硬さを第3領域Cの硬さの50%程度とし、第2領域Bの硬さを第3領域Cの硬さの30%程度としている。硬さの関係は、これに限らず、透孔54の形成密度を調整することにより、種々の硬さの組み合わせを設定することができる。なお、クッション材50における第1領域Aおよび第2領域Bの形状は、楕円形に限らず、種々の形状に変更可能である。例えば、第1領域Aおよび第2領域Bは、矩形状、多角形状、トラック形状等としてもよい。また、クッション材50は、3つの領域に限らず、少なくとも、中央部の第1領域とその周囲に位置する第2領域とを有していればよい。また、クッション材50は、4つ以上の領域を設定することも可能である。
【0030】
上記のように構成された液晶表示装置10によれば、例えば、1フレーム期間において、時分割で、表示期間、タッチ検出期間、表示期間、圧力検知期間、表示期間を交互に複数回繰り返して実行する。駆動IC24は、表示期間において、表示信号を表示画素に送り、タッチ検出期間において、タッチセンサの第1検出電極Tx1〜Txnに駆動信号を順次供給する。更に、駆動IC24は、圧力検出期間において、第1検出電極Tx1〜Txnに駆動信号を順次供給する。
タッチIC21は、タッチセンサの第2タッチ検出電極Rx1〜Rxnから検出信号を受信し、この検出信号に基づいて、タッチおよびタッチの座標位置を検知する。すなわち、タッチ検出期間において、カバーパネル14に操作者の指が接近あるいはタッチすると、タッチ位置を中心として、第1検出電極TXと第2タッチ検出電極RXとの間の容量が変動し、タッチIC21は、第2タッチ検出電極Rx1〜Rxnからこの容量変動を含んだ検出信号を受信する。これにより、タッチIC21は、受信した検出信号に基づいて、タッチおよびタッチ座標位置を検出する。
【0031】
また、タッチIC21は、圧力検知期間において、収容ケース22の底壁22aで構成された第2圧力検出電極から検出信号を受信し、この検出信号に基づいて、押圧力の大きさを検知する。圧力検知期間において、駆動IC24は、第1検出電極Tx1〜Txnに、センサ駆動信号を送信する。この状態で、操作者が指等によってカバーパネル14にタッチすると、そのタッチによる押圧力によって、押圧箇所を中心としてカバーパネル14および液晶パネル12がバックライトユニット20側に僅かに撓む。この撓みにより、第1検出電極Tx1〜Txnがバックライトユニット20側、すなわち、底壁(第2圧力検出電極)22a側に変位、移動し、第1検出電極Txと第2圧力検出電極(底壁22a)との間の距離が変動する。この距離の変動に伴い、第1電極62aと第2電極64aとの間の静電容量が変動し、タッチIC21は、この静電容量変動を含んだ検出信号を第2圧力検出電極から受信する。タッチIC21は、かかる受信信号に基づいてカバーパネル14の押圧状態(押圧力)を検知する。液晶表示装置10においては、上述した圧力センサにより所定の押圧力、例えば、2〜3Nの押圧力の入力が検出された際、駆動IC24は、押圧力検出をトリガーとして、画面切り替え、画面拡大、動作選択等の任意のアクションを実行する。
【0032】
一方、タッチによる押圧力によって、押圧箇所を中心としてカバーパネル14および液晶パネル12がバックライトユニット20側に僅かに撓む。この撓み量が、バックライトユニット20と液晶パネル12との間の空気層(隙間)の厚さを超えると、液晶パネル12が第1、第2光学シートOS1、導光板LG、反射シートREを介してクッション材50を押圧する。クッション材50が押圧され圧縮方向(厚さ方向)に弾性変形する、つまり、潰れる。これにより、液晶パネル12の第1検出電極Tx1〜Txnは、空気層の厚さ分に加えて、クッション材50の潰れ分だけ第2圧力検出電極(22a)側に変位することができ、比較的大きな撓み量、変位量を確保することができる。これにより、より大きな押圧力を検出可能としている。
また、第1検出電極Tx1〜Txnの変位量は、押圧力の入力位置に応じて変動する。すなわち、カバーパネル14および液晶パネル12の中央部は、周縁部に比較して撓み易く、同一の大きさの押圧力が入力された場合、中央部の撓み量は周縁部の撓み量に比較して大きくなる。また、カバーパネル14および液晶パネル12の周縁部は、バックライトユニット20のフレーム56に支持されているため、中央部に比較して撓み難い。すなわち、同一の大きさの押圧力が入力された場合、周縁部の撓み量は中央部の撓み量に比較して小さくなる。
【0033】
図10は、比較例に係る表示装置のクッション材を示し、更に、比較例の表示パネル12の中央部を押圧した場合の表示パネルおよびクッション材の撓み状態、および比較例の表示パネルの周縁部を押圧した場合の表示パネルの撓み状態を模式的に示している。
図11は、比較例に係る表示装置の表示パネルに入力された押圧力と、第1検出電極Txの変位量との関係を、押圧力の入力位置(3箇所:表示パネルの中央部a、中間部b、周縁部c)について、比較して示している。
図10に示すように、比較例に係る表示装置のクッション材50は、全面に亘って、均一な厚さ、均一な硬さに形成されている。第1検出電極を含む表示パネル12の変位量は、押圧力の入力位置に応じて変動する。すなわち、表示パネル12の中央部aは、周縁部cに比較して撓み易く、同一の大きさの押圧力が入力された場合、中央部の撓み量は周縁部の撓み量に比較して大きくなる。また、表示パネル12の周縁部cは、バックライトユニット20のフレーム56に支持されているため、中央部aに比較して撓み難い。すなわち、同一の大きさの押圧力が入力された場合、周縁部の撓み量は中央部の撓み量に比較して小さくなる。
【0034】
図10(b)に示すように、表示パネル12の中央部aに押圧力が入力されると、表示パネル12の中央部がクッション材50側に撓み空気層Gがまず潰れる。更に、表示パネル12の中央部が変位し、クッション材50の中央部を押し潰す。このように、入力された押圧力に応じて表示パネル12がクッション材50側に変位する場合、バックライトユニット20と表示パネル12との間の空気層(隙間)Gを移動する間(第1変位区間)の押圧力に対する変位量の割合と、クッション材50に当たってクッション材50が潰れていく間(第2変位区間)の押圧力に対する変位量の割合と、は相違している。そのため、
図11に示すように、第1変位区間と第2変位区間との境に変化量の変曲点が生じる。
更に、変曲点の位置は、押圧力の入力位置、すなわち、中央部a、中間部b、周縁部cで、互いに相違している。
【0035】
これに対して、本実施形態によれば、クッション材50の中央部の第1領域Aを、周囲の第2領域Bおよび第3領域Cよりも柔らかく、すなわち、潰れ易く、形成している。そのため、液晶パネル12の中央部の撓み量が大きい場合でも、クッション材50の第1領域Aが潰れることにより、第1検出電極TXの変位量を確保し、大きな押圧力まで検出することができる。また、液晶パネル12の周縁部の撓み量は、中央部に比較して少ないことから、クッション材50の第2領域Bおよび第3領域Cを順に硬くすることにより、周縁部の撓み量に適したクッション材の潰れを確保することができる。
【0036】
図5は、カバーパネル14に入力された押圧力と、第1検出電極Txの変位量との関係を、押圧力の入力位置(3箇所:第1方向Xの中央位置、第1方向Xの一端から500mm離れた位置、第1方向Xの一端から300mm離れた位置)について、比較して示している。
図5において、横軸は荷重(押圧力)gf、縦軸はRaw Force(800gの荷重を印加した時の変位量を1.0として規格化した場合の相対的なギャップ変位量)をそれぞれ示している。
本実施形態によれば、クッション材50を第1、第2、第3領域A、B、Cに分けてこれらの硬さを変えることにより、すなわち、中央部の第1領域Aよりも第2領域B、第3領域Cを順に硬くすることにより、クッション材50の各領域の潰れ量を押圧力の入力位置に応じた第1検出電極Txの変位量に対応させることができる。そのため、
図5に示すように、各入力位置において、第1変位区間と第2変位区間との間の変曲点の傾きが小さくなるとともに、3箇所の入力位置での変曲点を互いに近づけ、あるいは、互いに重なるようにすることができる。これにより、押圧力の入力位置に応じた検出値の補正(キャリブレーション)を容易に行うことができ、液晶表示装置10の表示面全域に亘って、良好な、かつ、均一な押圧力検出が可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、全域に亘って良好な圧力検知が可能な表示装置を得ることができる。
【0037】
次に、変形例に係る表示装置の弾性部材(クッション材)について説明する。以下に説明する変形例において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
【0038】
(第1変形例)
図6は、第1変形例に係る表示装置の弾性部材(クッション材)を一部破断して示す斜視図である。図に示すように、弾性部材としてのクッション材50は、例えば、ウレタンフォーム、スポンジ、ゴム等の弾性材により矩形のシート状に形成されている。
クッション材50は、平面方向において、中央部に位置する第1領域Aと、第1領域の周りに位置する第2領域Bと、第2領域Bの周りに位置し、第2領域Bとクッション材50の4側縁との間に位置する第3領域Cと、を有している。第1領域Aは、例えば、クッション材50の長手方向に延びる長軸を有する楕円形状に設定され、同様に、第2領域Bは、クッション材50の長手方向に延びる長軸を有する楕円形状に設定されている。
本変形例において、第1、第2、第3領域A、B、Cは、互いに異なる厚さに形成されている。すなわち、第1領域Aが最も薄く、第2領域B、第3領域Cの順で第1領域Aよりも厚く形成されている。例えば、クッション材50の厚さTに対して、第1領域Aの厚さはTの30%程度、第2領域Bの厚さはTの60%程度、第3領域Cの厚さはTの100%としている。これにより、第1、第2、第3領域A、B、Cは、クッション材50の厚さ方向の硬さが互いに相違している。ここでは、第1領域A<第2領域B<第3領域Cの順で、硬さが大きくなるように形成されている。
【0039】
第1変形例では、3枚のクッションシート50a、50b、50cを積層してクッション材50を形成している。最下層のクッションシート50aは、第1領域Aを有している。2層目のクッションシート50bは、第1領域Aに対応する楕円形の開口51bを有し、この開口51bの周囲に第2領域Bが形成されている。最上層のクッションシート50cは、第2領域Bに対応する楕円形の開口51cを有し、この開口51cの周囲に第3領域Cが形成されている。
上記のように構成されたクッション材50を用いた場合でも、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、第1変形例において、複数枚のクッションシートを積層する構成に限らず、単一のクッション材に、第1領域Aに対応する凹所、および第2領域Bに対応する凹所を形成する構成としてもよい。
【0040】
(第2変形例)
図7は、第2変形例に係る表示装置の弾性部材(クッション材)を示す平面図である。図に示すように、弾性部材としてのクッション材50は、例えば、ウレタンフォーム、スポンジ、ゴム等の弾性材により矩形のシート状に形成されている。
クッション材50は、平面方向において、中央部に位置する第1領域Aと、第1領域の周りに位置する第2領域Bと、第2領域Bの周りに位置し、第2領域Bとクッション材50の4側縁との間に位置する第3領域Cと、を有している。第1領域Aは、例えば、クッション材50の長手方向に延びる長軸を有する楕円形状に設定され、同様に、第2領域Bは、クッション材50の長手方向に延びる長軸を有する楕円形状に設定されている。
本変形例において、第1、第2、第3領域A、B、Cは、互いに硬さの異なる材料で形成されている。すなわち、第1領域Aは最も柔らかい、すなわち、潰れ易い、材料で形成され、第2領域Bは、第1領域Aよりも硬い材料で形成され、更に、第3領域Cは、第2領域Bよりも硬い材料で形成されている。これらの形成材料としては、例えば、同一種類で硬さの異なる複数材料を用いてもよく、あるいは、硬さの異なる複数種類の材料を用いてもよい。
【0041】
上記のように構成されたクッション材50を用いた場合でも、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、第1変形例および第2変形例において、クッション材50における第1領域Aおよび第2領域Bの形状は、楕円形に限らず、種々の形状に変更可能である。例えば、第1領域Aおよび第2領域Bは、矩形状、多角形状、トラック形状等としてもよい。また、クッション材50は、3つの領域に限らず、少なくとも、中央部の第1領域とその周囲に位置する第2領域とを有していればよい。また、クッション材50は、4つ以上の領域を設定することも可能である。
【0042】
(第3変形例)
図8は、第3変形例に係る表示装置の弾性部材(クッション材)を示す平面図である。
図8に示すように、弾性部材としてのクッション材50は、例えば、ウレタンフォーム、スポンジ、ゴム等の弾性材により矩形のシート状に形成されている。
クッション材50は、平面方向において、中央部に位置する第1領域Aと、第1領域の周りに位置する第2領域Bと、を有している。第1領域Aは、例えば、クッション材50の長手方向に延びる長軸を有する楕円形状に設定されている。本変形例において、第1領域Aは、楕円形の開口(透孔)54により形成されている。すなわち、第1領域Aにおける透孔の形成密度は100%であり、第2領域Bにおける透孔の形成密度は0%としている。言い換えると、第1領域Aにおけるクッション材の密度は0%であり、第2領域Bにおけるクッション材の密度は100%としている。これにより、クッション材50の第2領域Bは、第1領域Aよりも硬く形成されている。
【0043】
図9は、変形例3に係るクッション材50を用いた場合において、カバーパネルに入力された押圧力と、第1検出電極の変位量との関係を、押圧力の入力位置(a点:第1方向Xの中央位置、b点:第1方向Xの一端から500mm離れた位置、c点:第1方向Xの一端から300mm離れた位置)について、比較して示している。
図9において、横軸は荷重(押圧力)gf、縦軸はRaw force(相対的な変位量)をそれぞれ示している。
こ第3変形例によれば、クッション材50の第1領域Aを開口54とし、第1領域Aよりも第2領域Bを硬くすることにより、クッション材50の各位置の潰れ量を押圧力の入力位置に応じた第1検出電極Txの変位量に対応させることができる。そのため、
図9に示すように、各入力位置a、b、cにおいて、変曲点の傾きが小さくなるとともに、3箇所の入力位置での変曲点を互いに近づけことができる。これにより、押圧力の入力位置に応じた検出値の補正(キャリブレーション)を容易に行うことができ、液晶表示装置10の表示面全域に亘って、良好な、かつ、均一な押圧力検出が可能となる。
なお、第3変形例において、第1領域Aの形状、すなわち、開口54の形状は、楕円形に限らず、種々の形状に変更可能である。例えば、第1領域Aは、矩形状、多角形状、トラック形状等としてもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0045】
本発明の実施形態あるいは変形例として上述した各構成を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての構成及び製造工程も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。また、上述した実施形態あるいは変形例によりもたらされる他の作用効果について本明細書の記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものついては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
液晶パネル、バックライトユニット、およびクッション材の外形状および内形状は、矩形状に限定されることなく、外形あるいは内径のいずれか一方あるいは両方を平面視多角形状や円形、楕円形、およびこれらを組み合わせた形状等の他の形状としてもよい。構成部材の材料は、上述した例に限らず、種々選択可能である。
また、表示パネルは、透過型の液晶パネルに限らず、反射透過型の液晶パネル、有機ELパネル等の他の表示パネルを用いることも可能である。