特許第6824836号(P6824836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6824836
(24)【登録日】2021年1月15日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】作業機械および作業機械の組立方法
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/52 20060101AFI20210121BHJP
   F16D 3/84 20060101ALI20210121BHJP
   B62D 1/20 20060101ALI20210121BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20210121BHJP
   F16J 3/04 20060101ALN20210121BHJP
【FI】
   F16J15/52 C
   F16D3/84 P
   B62D1/20
   E02F9/20 B
   !F16J3/04 C
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-129467(P2017-129467)
(22)【出願日】2017年6月30日
(65)【公開番号】特開2019-10998(P2019-10998A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2019年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 史泰
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−163714(JP,U)
【文献】 実開昭57−135472(JP,U)
【文献】 実開平04−002773(JP,U)
【文献】 実開平02−083166(JP,U)
【文献】 実開平01−063574(JP,U)
【文献】 実開昭57−116571(JP,U)
【文献】 特開2007−153246(JP,A)
【文献】 特開2003−194220(JP,A)
【文献】 特開2013−104243(JP,A)
【文献】 特開2013−209826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00 − 1/28
F16J 15/16 − 15/32
F16J 15/324 − 15/3296
F16J 15/46 − 15/53
E02F 3/42 − 3/43
E02F 3/84 − 3/85
E02F 9/20 − 9/22
F16J 3/00 − 3/06
B60H 1/26
F16D 3/84
E02F 9/00 − 9/18
E02F 9/24 − 9/28
B62D 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉室として構成されていて外気より高圧となるよう加圧される運転室の中に配置されたステアリングホイルと、前記ステアリングホイルに連動して回転するコラムシャフトと、前記運転室の床面に配置されて前記コラムシャフトが貫通する貫通孔を有する足元プレートと、前記運転室の室外で前記コラムシャフトの先端部にジョイント部を介して結合された連結シャフトと、前記連結シャフトを包囲する筒状ハウジングと、前記連結シャフトの回転によって動作されるステアリングバルブとを備え、前記連結シャフトと前記筒状ハウジングとの間がシールされている作業機械であって、
全体が筒状に形成されているとともにその側面が蛇腹状に形成されていて、前記ジョイント部を包囲するように配置され、前記足元プレート側の端部に外向きのフランジ部を有するブーツを備え、
前記フランジ部が前記足元プレートから見て前記運転室側に露出するように、前記ブーツが前記貫通孔に挿通されていて、
一対の押え板と前記足元プレートとに前記フランジ部が挟まれることで、前記ブーツが前記足元プレートに隙間なく固定され、
前記筒状ハウジングの外周面または該筒状ハウジングを支持するブラケットに対し、前記ブーツの下端部が隙間なく固定され、
前記一対の押え板のそれぞれの前記コラムシャフトと近接する内側の縁部は、前記コラムシャフトに嵌合されたカバーによって上方から覆われている
ことを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械であって、
前記ブーツは下端側に筒状部を有しており、この筒状部が前記筒状ハウジングの外周面に締結バンドを用いて固定されていることを特徴とする作業機械。
【請求項3】
密閉室として構成されていて外気より高圧となるよう加圧される運転室の中に配置されたステアリングホイルと、前記ステアリングホイルに連動して回転するコラムシャフトと、前記運転室の床面に配置されて前記コラムシャフトが貫通する貫通孔を有する足元プレートと、前記運転室の室外で前記コラムシャフトの先端部にジョイント部を介して結合された連結シャフトと、前記連結シャフトを包囲する筒状ハウジングと、前記連結シャフトの回転によって動作されるステアリングバルブとを備え、前記連結シャフトと前記筒状ハウジングとの間がシールされている作業機械の組立方法であって、
前記コラムシャフトと前記連結シャフトを分離した状態で、前記筒状ハウジングを、全体が筒状に形成されているとともにその側面が蛇腹状に形成されたブーツの下端部挿入する工程と、
前記ブーツを折り畳んだ状態で前記コラムシャフトと前記連結シャフトを前記ジョイント部により結合する工程と、
前記ブーツの下端部を前記筒状ハウジングの外周面に密閉するよう固定すると共に、前記ブーツを前記コラムシャフトに沿って伸長させた後、該ブーツの上端部に外向きに設けられたフランジ部が前記足元プレートから見て前記運転室側に露出するように、前記ブーツを前記貫通孔に挿通させる工程と、
一対の押え板と前記足元プレートとに前記フランジ部を挟んで前記ブーツを前記足元プレートに隙間なく固定する工程と、
前記一対の押え板のそれぞれの前記コラムシャフトと近接する内側の縁部を、前記コラムシャフトに嵌合されたカバーによって上方から覆う工程と、を含むことを特徴とする作業機械の組立方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプトラックや油圧ショベル等の作業機械に係り、特に、プレッシャライズ機能を有する運転室が搭載された作業機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダンプトラックや油圧ショベル等の作業機械に搭載される運転室には、シートの前方にダッシュボードとステアリングコラムが配置されており、このステアリングコラムの上部にステアリングホイルが搭載されている。ステアリングコラムの下部にはステアリングホイルに連動して回転するコラムシャフトが配置されており、このコラムシャフトは運転室床面の足元プレートに設けられた貫通孔を挿通して運転室外の下方に突出している。コラムシャフトの先端部(下端部)は運転室の室外でジョイント部を介して連結シャフトに結合されており、この連結シャフトの先端にステアリングバルブを連結することにより、コラムシャフトの回転がステアリングバルブに伝達されるようになっている。これにより、ステアリングホイルを回転すると、コラムシャフトと連結シャフトが回転してステアリングバルブが作動し、油圧により前輪を操舵する構造となっている。
【0003】
また、この種の作業機械は塵埃の多い作業環境で稼働することが多いため、運転室内を外気よりもやや高圧となるように加圧することで、外部から運転室内に塵埃等が侵入することを防止するプレッシャライズ機能を有するものが広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−230517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、ステアリングホイルに連動して回転するコラムシャフトは、運転室床面の足元プレートに設けられた貫通孔を挿通して運転室の室外に突出する構造となっているため、ステアリングホイルの円滑な回転操作を実現するのには、貫通孔とコラムシャフトの間に両者の接触を回避する隙間が必要となる。ここで、隙間を十分に広く設定しておけば、多少の部品公差や取付誤差にかかわらず貫通孔とコラムシャフトの接触を確実に回避できるが、その場合、隙間から運転室内の空気が漏れやすくなるため、運転室内を外気よりも加圧するプレッシャライズ機能が効きにくくなるという問題がある。
【0006】
なお、特許文献1に記載されているように、ギヤハウジングから突出するラックエンドに継手を介してタイロッドを連結し、蛇腹形状のブーツの両端部をギヤハウジングとタイロッドに取付けて継手を封止するようにした舵取装置が提案されているが、このものは軸方向に往復移動する構成を前提とした技術であるため、軸回りに回転するコラムシャフトに適用することはできない。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ステアリングホイルの操作力に悪影響を与えることなく、プレッシャライズ機能を十分に発揮することができる作業機械および作業機械の組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、代表的な本発明は、密閉室として構成されていて外気より高圧となるよう加圧され運転室のに配置されたステアリングホイルと、前記ステアリングホイルに連動して回転するコラムシャフトと、前記運転室の床面に配置されて前記コラムシャフトが貫通する貫通孔を有する足元プレートと、前記運転室の室外で前記コラムシャフトの先端部にジョイント部を介して結合された連結シャフトと、前記連結シャフトを包囲する筒状ハウジングと、前記連結シャフトの回転によって動作されるステアリングバルブとを備え、前記連結シャフトと前記筒状ハウジングとの間がシールされている作業機械であって、全体が筒状に形成されているとともにその側面が蛇腹状に形成されていて、前記ジョイント部を包囲するように配置され、前記足元プレート側の端部に外向きのフランジ部を有するブーツを備え、前記フランジ部が前記足元プレートから見て前記運転室に露出するように、前記ブーツが前記貫通孔に挿通されていて、一対の押え板と前記足元プレートとに前記フランジ部が挟まれることで、前記ブーツが前記足元プレートに隙間なく固定され、前記筒状ハウジングの外周面または該筒状ハウジングを支持するブラケットに対し、前記ブーツの下端部が隙間なく固定され、前記一対の押え板のそれぞれの前記コラムシャフトと近接する内側の縁部は、前記コラムシャフトに嵌合されたカバーによって上方から覆われていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ステアリングホイルの操作力に悪影響を与えることなく、プレッシャライズ機能を十分に発揮することができる。なお、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るダンプトラックの側面図である。
図2図1のダンプトラックに搭載された運転室内を示す平面図である。
図3図1のダンプトラックに搭載された運転室の側面図である。
図4図3のA部を拡大して示す詳細図である。
図5】ブーツの取付手順の途中状態を示す説明図である。
図6】ブーツの変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を作業機械の代表例であるダンプトラックに適用した場合を例に挙げ、図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係るダンプトラック1の側面図である。図1に示すように、実施形態に係るダンプトラック1は、車体フレーム2、一対の前輪3、一対の後輪4、および荷台5を備えている。一対の前輪3は、車体フレーム2の前部の左右両端に回転可能に取り付けられている。また、一対の後輪4は、車体フレーム2の後部の左右両端に回転可能に取り付けられている。さらに、荷台5は、土砂や砕石等の運搬対象物を積載する部分であって、車体フレーム2上に起伏可能に取り付けられている。
【0013】
車体フレーム2の後部には、荷台5を起立又は倒伏させる(上下方向に回動させる)際の回転中心となるヒンジピン6が取り付けられている。この車体フレーム2のうちのヒンジピン6より前方には、この車体フレーム2と荷台5とを連結する油圧シリンダとしての一対のホイストシリンダ7が取り付けられている。これら一対のホイストシリンダ7は、車体フレーム2の前後方向の略中央部に取り付けられている。また、車体フレーム2の左側の前輪3の上方には、オペレータが乗車する運転室8が設けられ、車体フレーム2の前部には、油圧機器が収容されたパワーユニット9が設けられている。
【0014】
よって、オペレータが運転室8からホイストシリンダ7を駆動すると、荷台5は、ホイストシリンダ7の収縮動作に伴ってヒンジピン6を中心に下方に回動し、車体フレーム2に着座する倒伏姿勢となる。また、荷台5は、ホイストシリンダ7の伸長動作に伴ってヒンジピン6を中心に上方に回動し、運搬対象物を放出する起立姿勢となる。
【0015】
図2は運転室8の内部を示す平面図、図3は運転室8の側面図である。図2図3に示すように、運転室8の床面であるフロアプレート10にはオペレータが着座するシート11が載置されている。シート11の前方にはダッシュボード12とステアリングコラム13が配置されており、ステアリングコラム13の上部にステアリングホイル14が搭載されている。ステアリングコラム13の下部にはコラムシャフト15が配置されており、コラムシャフト15はステアリングホイル14に連動して回転する。運転室8の室外下方にはステアリングバルブ16が配置されており、このステアリングバルブ16はブラケット17と防振ゴム18を介して運転室8の床面下方に支持されている。コラムシャフト15は運転室8の床を貫通して室外に突出しており、詳細については後述するが、コラムシャフト15の回転が連結シャフト19を介してステアリングバルブ16に伝達されるようになっている。これにより、オペレータがステアリングホイル14を回転操作すると、それに連動してコラムシャフト15と連結シャフト19が回転してステアリングバルブ16が作動し、油圧により前輪3を操舵する構造となっている。
【0016】
図4図3のA部を拡大して示す詳細図である。図4に示すように、コラムシャフト15は運転室8の床面に設置された足元プレート20の貫通孔20aを挿通して運転室8の室外下方へ突出している。貫通孔20aの内径(直径)はコラムシャフト15の外径に対して十分に大きく設定されており、コラムシャフト15と貫通孔20aの間には両者の接触を回避する十分な隙間が確保されている。貫通孔20aから突出するコラムシャフト15にはユニバーサルジョイント21を介して連結シャフト19が結合されており、この連結シャフト19の先端にステアリングバルブ16が連結されている。連結シャフト19は軸受シール23を介して外側の筒状ハウジング24に回転可能に支持されており、この筒状ハウジング24の下端部はブラケット17に固定されている。
【0017】
ここで、運転室8は室内を外気よりもやや高圧となるように加圧することで、外部から塵埃等が侵入することを防止するプレッシャライズ機能を有するものとなっており、コラムシャフト15と貫通孔20aの間に確保されている隙間から運転室8内の空気が漏れてしまうと、運転室8内を外気よりも加圧するプレッシャライズ機能が効きにくくなってしまう。本実施形態では、蛇腹形状のブーツ25によってユニバーサルジョイント21を包囲し、このブーツ25の上端部を貫通孔20aに嵌め込んで足元プレート20に固定すると共に、ブーツ25の下端部を筒状ハウジング24の外周面に固定することで、プレッシャライズ機能の低下を抑止するようにしている。以下、ブーツ25の構成について詳細に説明する。
【0018】
ブーツ25はゴム材料をプレス成形して蛇腹形状に形成された筒状体であり、その上端側には円環状のフランジ部25aが形成されている。このフランジ部25aは足元プレート20の下方から挿入されて貫通孔20aに嵌合しており、運転室8内に露出するフランジ部25aの上方から一対の半割形状の押え板26を足元プレート20に固定することにより、ブーツ25の上端部はコラムシャフト15と干渉することなく足元プレート20に取り付けられている。一方、ブーツ25の下端側には筒状部25bが形成されており、この筒状部25bを筒状ハウジング24に嵌合して締結バンド27で固定することにより、ブーツ25の下端部は連結シャフト19を包囲する筒状ハウジング24の外周面に取り付けられている。
【0019】
その結果、足元プレート20の貫通孔20aから筒状ハウジング24に至る部分が筒状のブーツ25によって包囲された状態になると共に、筒状ハウジング24と連結シャフト19との間が軸受シール23によってシールされているため、貫通孔20aとコラムシャフト15の干渉を確実に回避した上でプレッシャライズ機能を保持することができる。なお、コラムシャフト15にはカバー28が嵌合されており、このカバー28によって押え板26の内周部分を覆うことにより、運転室8内の泥やごみ等の異物がブーツ25内に落ち込まないように配慮されている。
【0020】
次に、このように構成されたブーツ25を装着する取付手順について、図5を参照しつつ説明する。
【0021】
まず、コラムシャフト15と連結シャフト19を分離した状態で、筒状ハウジング24を、ブーツ25の下端側に形成された筒状部25b挿入する。次に、図5に示すように、ブーツ25を折り畳んで全長を短くした状態で、コラムシャフト15と連結シャフト19をユニバーサルジョイント21によって結合する。次に、ブーツ25の筒状部25bを締結バンド27によって筒状ハウジング24の外周面に固定すると共に、これに前後してブーツ25をコラムシャフト15の軸方向に沿って伸長させた後、ブーツ25のフランジ部25aを貫通孔20aに嵌め込んで足元プレート20の上面に露出させる。最後に、フランジ部25a上に一対の押え板26を載置し、これら押え板26をネジ止めやリベット止め等の手段を用いて足元プレート20に固定することにより、図4に示すように、ブーツ25はユニバーサルジョイント21を包囲した状態で足元プレート20と筒状ハウジング24に取り付けられる。
【0022】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るダンプトラック1(作業機械)は、運転室8の室内に配置されたステアリングホイル14と、ステアリングホイル14に連動して回転するコラムシャフト15と、運転室8の床面に配置されてコラムシャフト15が貫通する貫通孔20aを有する足元プレート20と、運転室8の室外でコラムシャフト15の先端部にユニバーサルジョイント21(ジョイント部)を介して結合された連結シャフト19と、連結シャフト19を内包する筒状ハウジング24と、連結シャフト19と筒状ハウジング24との間をシールする軸受シール23と、連結シャフト19の回転によって動作されるステアリングバルブ16と、ユニバーサルジョイント21を包囲する蛇腹形状のブーツ25とを備え、ブーツ25の上端部が貫通孔20aを挿通して足元プレート20に固定されていると共に、ブーツ25の下端部が筒状ハウジング24の外周面に固定されているため、貫通孔20aとコラムシャフト15の干渉を回避するのに必要とされる隙間を確保した上で、運転室8内への塵埃等の侵入を防止できると共に、運転室8の室内を外気よりも加圧するプレッシャライズ機能を十分に発揮することができる。
【0023】
また、ブーツ25の下端側に形成した筒状部25bを筒状ハウジング24の外周面に締結バンド27を用いて固定すると共に、ブーツ25の上端側に形成したフランジ部25aを貫通孔20aに嵌め込んで足元プレート20に固定するという構成であるため、ブーツ25を簡単かつ確実に取り付けることができる。しかも、このブーツ25は、ゴム材料のプレス成形により安価に製造することができると共に、外部振動に伴う足元プレート20と筒状ハウジング24間の距離変動に追従できるというメリットもある。
【0024】
また、本発明の実施形態では、ブーツ25を装着する取付手順として、コラムシャフト15と連結シャフト19を分離した状態で、ブーツ25の筒状部25bを筒状ハウジング24に挿入した後、ブーツ25を折り畳んだ状態でコラムシャフト15と連結シャフト19をユニバーサルジョイント21によって結合し、その後、ブーツ25の筒状部25bを締結バンド27で筒状ハウジング24の外周面に固定すると共に、ブーツ25を伸長させて上端側のフランジ部25aを貫通孔20aに嵌め込んで足元プレート20に固定するようにしたので、ブーツ25の取付作業を容易に行うことができる。なお、ブーツ25の上端側のフランジ部25aを貫通孔20aに嵌合した後、ブーツ25を上方に折り畳んだ状態でコラムシャフト15と連結シャフト19をユニバーサルジョイント21によって結合し、その後、ブーツ25を伸長させて下端側の筒状部25bを筒状ハウジング24に固定するようにしても良い。
【0025】
ここで、上記した実施形態では、ブーツ25の筒状部25bを締結バンド27で筒状ハウジング24の外周面に固定しているが、ブーツ25の下端側が固定される部材として筒状ハウジング24を支持するブラケット17を用いることも可能である。例えば、図6に示すように、ブーツ25の下端側に末広形状のスカート部25cを形成し、このスカート部25cをブラケット17の上面にボルト等を用いて固定するようにしても良い。
【0026】
なお、上記した各実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ダンプトラック(作業機械)
8 運転室
10 フロアプレート
12 ダッシュボード
13 ステアリングコラム
14 ステアリングホイル
15 コラムシャフト
16 ステアリングバルブ
17 ブラケット
18 防振ゴム
19 連結シャフト
20 足元プレート
20a 貫通孔
21 ユニバーサルジョイント(ジョイント部)
23 軸受シール
24 筒状ハウジング
25 ブーツ
25a フランジ部
25b 筒状部
26 押え板
27 締結バンド
28 カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6