(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、前記ワイヤを昇降駆動する昇降装置とが備えられ、
荷物を保持するハンド部が取り付け及び取り外し自在で、前記ワイヤの延出端に接続された取付部と、
前記ハンド部に対して取り付け及び取り外し自在な接続部を有し、且つ、前記昇降装置を作動させる手動操作部とが備えられているアシスト器具。
作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、前記ワイヤを昇降駆動する昇降装置とが備えられ、
荷物を保持するハンド部が取り付け及び取り外し自在で、前記ワイヤの延出端に接続された取付部と、
前記取付部に取り付けられて、前記昇降装置を作動させる手動操作部とが備えられているアシスト器具。
荷物を保持する保持部を有し、且つ、前記保持基部に取り付け及び取り外し自在な支持部が備えられている請求項7〜9のうちのいずれか一項に記載の荷物保持用のハンド部。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のハンド部は、断面がチャンネル状に形成されており、ビールケース等のように、荷物の横壁部の上部に保持用の開口部が備えられた荷物が想定されている。これにより、ハンド部を荷物の開口部に挿入することによって、ハンド部に荷物を保持する。
【0006】
ビールケース等のように保持用の開口部が上部に備えられた荷物に対して、保持用の開口部や取っ手部の位置や形状が異なる荷物、保持用の開口部や取っ手部が備えられていない荷物等がある。
本発明は、アシスト器具又は荷物保持用のハンド部において、各種の形状の荷物に対応できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のアシスト器具は、
作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、前記ワイヤを昇降駆動する昇降装置とが備えられ、
荷物を保持するハンド部が取り付け及び取り外し自在で、前記ワイヤの延出端に接続された取付部と、
前記ハンド部に対して取り付け及び取り外し自在な接続部を有し、且つ、前記昇降装置を作動させる手動操作部とが備えられている。
【0008】
本発明によると、アシスト器具において、ハンド部により荷物を保持して作業を行っている状態で、例えば種類や形状の異なる別の荷物をハンド部に保持することになり、現在のハンド部では別の荷物を適切に保持することができなくなった場合、ハンド部を変更することができる。
【0009】
この場合、本発明によると、ハンド部を取付部から取り外し、手動操作部をハンド部から取り外せばよい。次に、荷物を適切に保持することができるハンド部を取付部に取り付け、手動操作部をこのハンド部に取り付ければよい。
以上のように、アシスト器具において、種類や形状の異なる荷物に応じて、ハンド部を適切に変更することができて、アシスト器具の汎用性を高めることができる。
アシスト器具においてハンド部を変更しても、変更されたハンド部に手動操作部を取り付けることができ、手動操作部を共用することができるので、構造の簡素化の面で有利である。
【0010】
本発明のアシスト器具は、
作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、前記ワイヤを昇降駆動する昇降装置とが備えられ、
荷物を保持するハンド部が取り付け及び取り外し自在で、前記ワイヤの延出端に接続された取付部と、
前記取付部に取り付けられて、前記昇降装置を作動させる手動操作部とが備えられている。
【0011】
本発明によると、アシスト器具において、ハンド部により荷物を保持して作業を行っている状態で、例えば種類や形状の異なる別の荷物をハンド部に保持することになり、現在のハンド部では別の荷物を適切に保持することができなくなった場合、ハンド部を変更することができる。
【0012】
この場合、本発明によると、ハンド部を取付部から取り外し、次に、荷物を適切に保持することができるハンド部を取付部に取り付ければよい。
以上のように、アシスト器具において、種類や形状の異なる荷物に応じて、ハンド部を適切に変更することができて、アシスト器具の汎用性を高めることができる。
アシスト器具においてハンド部を取付部から取り外しても、手動操作部は取付部に残るのであり、アシスト器具においてハンド部を変更しても、手動操作部を共用することができるので、構造の簡素化の面で有利である。
【0013】
本発明において、
前記取付部に取り付けられた前記ハンド部が前記取付部から外れることを、阻止及び許容自在な外れ止め部材が設けられていると好適である。
【0014】
本発明によると、ハンド部を取付部に取り付けた場合、外れ止め部材を阻止状態とすることにより、ハンド部が取付部から外れ難くなるので、作業性の良いものとなる。ハンド部を取付部から取り外す場合、外れ止め部材を許容状態とすることにより、ハンド部を取付部から無理なく取り外すことができるので、作業性の良いものとなる。
【0015】
本発明において、
前記ハンド部に、第1開口部、及び前記第1開口部に接続され且つ前記第1開口部よりも大きい第2開口部が設けられて、
前記取付部に、
前記第1開口部よりも小さい本体部を有し、且つ、前記第1開口部よりも大きく前記第2開口部より小さい頭部を有した取付部材が設けられて、
前記取付部材の本体部が前記第1開口部に入り込むことにより、前記ハンド部が前記取付部に取り付けられ、前記取付部材の頭部が前記第2開口部から抜け出ることにより、前記ハンド部が前記取付部から取り外されると好適である。
【0016】
本発明によると、第1開口部及び第2開口部が設けられたハンド部に対して、アシスト器具の取付部に取付部材が設けられている。
これにより、取付部の取付部材の頭部をハンド部の第2開口部に入れ、取付部の取付部材の本体部を、ハンド部の第2開口部から第1開口部に入り込ませることにより、ハンド部を取付部に取り付けることができる。
【0017】
逆に、取付部の取付部材の本体部をハンド部の第1開口部から第2開口部に移動させ、取付部の取付部材の頭部をハンド部の第2開口部から抜き出すことにより、ハンド部を取付部から取り外すことができる。
以上のように、アシスト器具において、ハンド部を取付部に容易に取り付け及び取り外しできるようになって、作業性の良いものとなる。
【0018】
本発明において、
前記ハンド部に、頭部付きの取付部材が設けられ、
前記取付部に、
前記取付部材の本体部よりも大きく、且つ、前記取付部材の頭部よりも小さい第1開口部と、
前記取付部材の頭部よりも大きく、且つ、前記第1開口部に接続される第2開口部とが設けられて、
前記取付部材の本体部が前記第1開口部に入り込むことにより、前記ハンド部が前記取付部に取り付けられ、前記取付部材の頭部が前記第2開口部から抜け出ることにより、前記ハンド部が前記取付部から取り外されると好適である。
【0019】
本発明によると、取付部材が設けられたハンド部に対して、アシスト器具の取付部に第1開口部及び第2開口部が設けられている。
これにより、ハンド部の取付部材の頭部を取付部の第2開口部に入れ、ハンド部の取付部材の本体部を、取付部の第2開口部から第1開口部に入り込ませることにより、ハンド部を取付部に取り付けることができる。
【0020】
逆に、ハンド部の取付部材の本体部を取付部の第1開口部から第2開口部に移動させ、ハンド部の取付部材の頭部を取付部の第2開口部から抜き出すことにより、ハンド部を取付部から取り外すことができる。
以上のように、アシスト器具において、ハンド部を取付部に容易に取り付け及び取り外しできるようになって、作業性の良いものとなる。
【0021】
本発明において、
前記外れ止め部材が、
前記第1開口部に入り込んだ前記取付部材の本体部の前記第2開口部への移動を、阻止及び許容自在であると好適である。
【0022】
前述のように、取付部材の本体部を第2開口部から第1開口部に入り込ませることにより、ハンド部を取付部に取り付け、取付部材の本体部を第1開口部から第2開口部に移動させることにより、ハンド部を取付部から取り外す構成において、本発明によると、第1開口部に入り込んだ取付部材の本体部の第2開口部への移動を止めることにより、外れ止め部材の機能を発揮させることができるので、外れ止め部材を簡素に構成することができる。
【0023】
本発明の荷物保持用のハンド部は、
種類や形状の異なる複数のハンド部から選択的にアシスト器具に取り付け、または取り外されるそれぞれのハンド部であって、
吊り下げ機構に取り付け及び取り外し自在な着脱部を有して、荷物を保持する保持基部と、
前記保持基部に取り付け及び取り外し自在であり、前記吊り下げ機構を作動させる手動操作部とが備えられている。
【0024】
本発明によると、ハンド部において、保持基部により荷物を保持して作業を行っている状態で、例えば種類や形状の異なる別の荷物を保持基部に保持することになり、現在の保持基部では別の荷物を適切に保持することができなくなった場合、保持基部を変更することができる。
【0025】
この場合、本発明によると、保持基部を取り下げ機構から取り外し、手動操作部を保持基部から取り外せばよい。次に、荷物を適切に保持することができる保持基部を吊り下げ機構に取り付け、手動操作部をこの保持基部に取り付ければよい。
以上のように、吊り下げ機構に取り付けられるハンド部において、種類や形状の異なる荷物に応じて、保持基部を適切に変更することができて、ハンド部の汎用性を高めることができる。
ハンド部において、保持基部を変更しても、変更された保持基部に手動操作部を取り付けることができ、手動操作部を共用することができるので、構造の簡素化の面で有利である。
【0026】
本発明の荷物保持用のハンド部は、
吊り下げ機構に取り付け及び取り外し自在な着脱部を有して、荷物を保持する保持基部と、
前記保持基部に取り付け及び取り外し自在であり、前記吊り下げ機構を作動させる手動操作部とが備えられ、
前記着脱部に、
前記吊り下げ機構に設けられた頭部付きの取付部材の本体部が入り込み、且つ、前記取付部材の頭部よりも小さい第1開口部と、
前記第1開口部に接続され、且つ、前記取付部材の頭部よりも大きい第2開口部とが設けられて、
前記取付部材の本体部が前記第1開口部に入り込むことにより、前記保持基部が前記吊り下げ機構に取り付けられ、前記取付部材の頭部が前記第2開口部から抜け出ることにより、前記保持基部が前記吊り下げ機構から取り外されると好適である。
【0027】
本発明によると、取付部材が設けられた吊り下げ機構に対して、ハンド部の保持基部に第1開口部及び第2開口部が設けられている。
これにより、吊り下げ機構の取付部材の頭部を保持基部の第2開口部に入れ、吊り下げ機構の取付部材の本体部を、保持基部の第2開口部から第1開口部に入り込ませることにより、ハンド部を吊り下げ機構に取り付けることができる。
【0028】
逆に、吊り下げ機構の取付部材の本体部を保持基部の第1開口部から第2開口部に移動させ、吊り下げ機構の取付部材の頭部を保持基部の第2開口部から抜き出すことにより、ハンド部を吊り下げ機構から取り外すことができる。
以上のように、ハンド部を吊り下げ機構に容易に取り付け及び取り外しできるようになって、作業性の良いものとなる。
【0029】
本発明の荷物保持用のハンド部は、
吊り下げ機構に取り付け及び取り外し自在な着脱部を有して、荷物を保持する保持基部と、
前記保持基部に取り付け及び取り外し自在であり、前記吊り下げ機構を作動させる手動操作部とが備えられ、
前記吊り下げ機構に、第1開口部、及び前記第1開口部に接続され且つ前記第1開口部よりも大きい第2開口部が設けられ、
前記着脱部に、
前記第1開口部よりも小さい本体部を有し、且つ、前記第1開口部よりも大きく前記第2開口部より小さい頭部を有した取付部材が設けられて、
前記取付部材の本体部が前記第1開口部に入り込むことにより、前記保持基部が前記吊り下げ機構に取り付けられ、前記取付部材の頭部が前記第2開口部から抜け出ることにより、前記保持基部が前記吊り下げ機構から取り外されると好適である。
【0030】
本発明によると、第1開口部及び第2開口部が設けられた吊り下げ機構に対して、ハンド部の保持基部に取付部材が設けられている。
これにより、保持基部の取付部材の頭部を吊り下げ機構の第2開口部に入れ、保持基部の取付部材の本体部を、吊り下げ機構の第2開口部から第1開口部に入り込ませることにより、ハンド部を吊り下げ機構に取り付けることができる。
【0031】
逆に、保持基部の取付部材の本体部を吊り下げ機構の第1開口部から第2開口部に移動させ、保持基部の取付部材の頭部を吊り下げ機構の第2開口部から抜き出すことにより、ハンド部を吊り下げ機構から取り外すことができる。
以上のように、ハンド部を吊り下げ機構に容易に取り付け及び取り外しできるようになって、作業性の良いものとなる。
【0032】
本発明において、
荷物を保持する保持部を有し、且つ、前記保持基部に取り付け及び取り外し自在な支持部が備えられていると好適である。
【0033】
本発明によると、ハンド部において、種類や形状の異なる荷物に応じて、保持基部を変更することができることに加えて、保持基部の変更では荷物を適切に保持することができない場合、支持部を保持基部に取り付けて、支持部により荷物を保持基部に保持したり、保持基部に取り付けられる支持部を別の支持部に変更したりすることができる。
これにより、ハンド部において、種類や形状の異なる荷物に応じて、荷物を適切に保持することができるようになって、ハンド部の汎用性をさらに高めることができる。
【0034】
本発明において、
前記保持基部は、上下向きの横側部と、前記横側部の上部から横側に延びる上側部と、前記横側部の下部から前記上側部と同じ横側に延びる下側部とを有し、
前記支持部が、前記上側部及び前記下側部に接触した状態で、前記上側部と前記下側部との間に取り付けられると好適である。
【0035】
本発明によると、ハンド部において、保持基部に支持部を取り付ける場合、保持基部の上側部及び下側部に上下方向から挟まれるように、保持基部に支持部が取り付けられるので、保持基部への支持部の取付状態を強固なものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1〜
図29には、作業者が装着して使用するアシスト器具、及び荷物保持用のハンド部20がアシスト器具に取り付けられた状態が示されている。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者から視て前側が「前」であり、後側が「後」であり、右側が「右」であり、左側が「左」である。
【0038】
(アシスト器具の全体構成及び本体部)
図1,2,3に示すように、アシスト器具には、作業者の背中部に取り付けられる本体部1、本体部1の上部から上側に延出され前側に延出された右及び左のアーム部2、本体部1の下部に設けられた右及び左の脚作用部3が備えられており、作業者への装着用の取付ベルト4、右及び左の肩ベルト5が備えられている。
【0039】
本体部1は、右及び左の縦フレーム6、右及び左の縦フレーム6に亘って連結された支持板7等を備えて、枠状となっている。脚作用部3に取付ベルト4が取り付けられ、支持板7の前面の上部に肩ベルト5が取り付けられている。支持板7の後面の上下中間部に制御装置8が取り付けられており、支持板7の後面の下部にバッテリー9が取り付けられている。
【0040】
図1及び
図2に示すように、肩ベルト5に作業者の腕部(肩部)を入れ、取付ベルト4を作業者の腰部に巻き付けて固定することにより、作業者の背中部に本体部1が取り付けられる。
【0041】
アシスト器具及び荷物B(
図9参照)の重量が取付ベルト4を介して主に作業者の腰部に掛かるのであり、アシスト器具及び荷物Bの重量が作業者の腰部により安定して支持される。右及び左の肩ベルト5は、主に本体部1が作業者の背中部から後方に離れようとする状態を止める機能を発揮する。
【0042】
(右及び左の脚作用部)
図1,2,3に示すように、脚作用部3は、基部10、伝動ケース11、操作アーム12及び脚ベルト13等を備えている。基部10が、支持板7の下部に左右方向に取付位置を変更自在に支持されており、基部10の外端部に伝動ケース11が前向きに連結されている。
【0043】
伝動ケース11の前部の左右方向の横軸芯P1周りに、操作アーム12が揺動自在に支持されており、幅広のベルト状の脚ベルト13が操作アーム12に取り付けられている。
複数の平ギヤにより構成された伝動機構(図示せず)が伝動ケース11の内部に備えられて、電動モータ(図示せず)が基部10の内部に備えられており、電動モータにより伝動機構を介して操作アーム12が横軸芯P1周りに揺動駆動される。
【0044】
図1及び
図2に示すように、作業者は脚ベルト13を太腿部に巻き付けて、面ファスナ(図示せず)(マジックテープ(登録商標))により、脚ベルト13を太腿部に取り付ける。作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者の腰部の右側に右の脚作用部3(伝動ケース11)が位置し、作業者の腰部の左側に左の脚作用部3(伝動ケース11)が位置する。
【0045】
(右及び左のアーム部、ワイヤ、取付部)
図1,2,3に示すように、右及び左の縦フレーム6の上部が、作業者の右及び左の肩部を越えて斜め上側に延出され斜め前側に延出されて、右及び左のアーム部2となっている。アーム部2の上端部に右及び左の支持部材16が取り付けられており、右及び左のプーリー(図示せず)が支持部材16に回転自在に支持されている。
【0046】
支持板7の後面の上部に昇降装置17が取り付けられており、昇降装置17から、右の2本のワイヤ18,19(吊り下げ機構に相当)、及び左の2本のワイヤ18,19(吊り下げ機構に相当)が延出されている。
【0047】
支持板7の上部にアウター支持部15が連結され、支持部材16にアウター支持部16aが備えられている。ワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部が、アウター支持部15及び支持部材16のアウター支持部16aに接続されて、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが昇降装置17に接続されている。
【0048】
右の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aが右の支持部材16のプーリーに掛けられて下側に延出されている。右の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aの延出端に取付部21が接続されて、取付部21に右のハンド部20が取り付けられている。
【0049】
左の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aが左の支持部材16のプーリーに掛けられて下側に延出されている。左の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aの延出端に取付部21が接続されて、取付部21に左のハンド部20が取り付けられている。
【0050】
図4及び
図5に示すように、取付部21は平板状であり、2本の頭付きのピン22(取付部材に相当)が横向きに連結されている。ピン22は丸棒状の本体部22aと、本体部22aよりも大径の頭部22bとを備えている。
取付部21におけるピン22の間の部分に、開口部21aが開口されており、外れ止め部材28が、取付部21におけるピン22の間の部分に、連結ピン29により連結されている。
【0051】
外れ止め部材28は、板バネを折り曲げて形成されており、取付部21に連結ピン29により連結される基部28a、基部28aから延出された凸部28bを備えている。外れ止め部材28の凸部28bが、取付部21の開口部21aに入り込んで、ピン22の頭部22b側に突出している。
【0052】
(昇降装置)
図1及び
図2に示すように、昇降装置17は支持板7に連結されている。伝動機構(図示せず)を内装する上下向きの伝動ケース25、伝動ケース25の上部に横向きに連結された支持ケース26、伝動ケース25の下部に横向きに連結された電動モータ27、支持ケース26の内部で横向きの軸芯周りに回転自在に支持された4個の回転体(図示せず)が、昇降装置17に備えられている。
【0053】
右及び左のワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部がアウター支持部15に接続され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが、支持ケース26の内部の4個の回転体の各々に接続されている。
【0054】
制御装置8により電動モータ27が作動する。電動モータ27の動力が伝動ケース25の内部の伝動機構を介して、支持ケース26の内部の回転体に伝達されるのであり、回転体が巻き取り側及び繰り出し側に回転駆動される。
【0055】
(ハンド部の全体及びハンド部における保持基部の構成)
図6に右のハンド部20が示されており、右及び左のハンド部20は左右対称の形状となっている。右のハンド部20は、保持基部30、カバー部31及び上昇操作スイッチ23(手動操作部に相当)を備えている。左のハンド部20は、保持基部30、カバー部31及び下降操作スイッチ24(手動操作部に相当)を備えている。
【0056】
図6,7,8に示すように、保持基部30は、板材を折り曲げて形成されており、上下向きの横側部32、横側部32の上部から横側に延びる上側部33、横側部32の下部から上側部33と同じ横側に延びる下側部34、上側部33の延出端部から上側に延びる上下向きの着脱部35を備えている。
【0057】
横側部32に、軽量化の為の2個の開口部32aが開口されており、横側部32における上側部33とは反対側の面に、面ファスナ36(マジックテープ(登録商標))が取り付けられている。上側部33の上面に、面ファスナ36(マジックテープ(登録商標))が取り付けられている。下側部34の端部34aが、上側部33に向けて斜め上向きに延出されている。
【0058】
着脱部35に、2個の第1開口部38が開口されている。第1開口部38の下側に位置して第1開口部38に接続されるように、第1開口部38よりも大径の第2開口部39が開口されている。
【0059】
図6,7,8に示す着脱部35の第1開口部38及び第2開口部39と、
図4及び
図5に示す取付部21のピン22の本体部22a及び頭部22bとにおいて、第1開口部38は、ピン22の本体部22aよりも少し大径であり、ピン22の頭部22bよりも小径である。第2開口部39は、ピン22の頭部22bよりも大径である。
【0060】
以上の構成により、
取付部21に、第1開口部38よりも小さい本体部22aを有し、且つ、第1開口部38よりも大きく第2開口部39より小さい頭部22bを有した取付部材(ピン22)が、設けられた状態となっている。
着脱部35に、取付部材(ピン22)の本体部22aが入り込み且つ取付部材(ピン22)の頭部22bよりも小さい第1開口部38と、第1開口部38に接続され且つ取付部材(ピン22)の頭部22bよりも大きい第2開口部39とが、設けられた状態となっている。
【0061】
(ハンド部におけるカバー部の構成)
図6及び
図9に示すように、カバー部31は、合成樹脂により一体的に形成された外側部49と、金属製の内側部50とを備えており、外側部49の内面に内側部50がビスにより連結されている。
【0062】
内側部50は、金属製の板材を折り曲げて形成されており、上下方向に配置される横側部60、横側部60の上部から横向きに延出される上側部61、上側部61の延出端部から上側に延出される横側部62を備えている。
【0063】
右のハンド部20のカバー部31(外側部49)に、上昇操作スイッチ23が取り付けられ、左のハンド部20のカバー部31(外側部49)に、下降操作スイッチ24が取り付けられている。
【0064】
横側部60における上側部61側の面に、面ファスナ37(接続部に相当)(マジックテープ(登録商標))が取り付けられている。上側部61の下面に、面ファスナ37(接続部に相当)(マジックテープ(登録商標))が取り付けられている。
【0065】
図6及び
図10に示すように、カバー部31の面ファスナ37を保持基部30の面ファスナ36に当て付けて接続することにより、カバー部31が保持基部30に取り付けられるのであり、カバー部31を介して上昇操作スイッチ23(下降操作スイッチ24)が保持基部30に取り付けられる。
【0066】
カバー部31の面ファスナ37を保持基部30の面ファスナ36から離すことにより、カバー部31が保持基部30から取り外されるのであり、上昇操作スイッチ23(下降操作スイッチ24)が保持基部30から取り外される。
【0067】
(ハンド部における保持基部のワイヤ(取付部)への取り付け及び取り外し)
図4〜
図9に示す状態は、ハンド部20において、保持基部30が取付部21から取り外された状態である。
【0068】
図10及び
図11に示すように、第2開口部39をピン22(頭部22b)に対向させた状態で、外れ止め部材28の凸部28bを、着脱部35により押して取付部21の開口部21aに入り込ませながら、ピン22(本体部22a及び頭部22b)を第2開口部39に入り込ませる。
【0069】
次に、取付部21に対して着脱部35を下側に少し移動させて、ピン22の本体部22aを、第2開口部39から第1開口部38に入り込ませるのであり、この状態が、保持基部30を取付部21に取り付けた状態である。
【0070】
前述のように、ピン22の本体部22aを第1開口部38に入り込ませると、外れ止め部材28の凸部28bが、着脱部35の上端部35aから上側に外れる状態となり、取付部21の開口部21aからピン22の頭部22b側に突出して、外れ止め部材28の凸部28bが着脱部35の上端部35aに当たる状態となる。
【0071】
これにより、ピン22の本体部22aが第1開口部38から第2開口部39に移動しようとしても、着脱部35の上端部35aが外れ止め部材28の凸部28bに当たることによって、ピン22の本体部22aの第2開口部39への移動が止められて、保持基部30は取付部21から外れ難いものとなる。
【0072】
保持基部30により荷物Bを保持した場合、荷物Bの重量が保持基部30に下向きに掛かることにより、ピン22の本体部22aが、第1開口部38に保持されて、第1開口部38から第2開口部39に移動し難くなるのであり、保持基部30は取付部21から外れ難いものとなる。
【0073】
ピン22の本体部22aが第1開口部38から抜け出そうとしても、ピン22の頭部22bによって、ピン22の本体部22aは、第1開口部38から抜け出すことはできないのであり、保持基部30は取付部21から外れ難いものとなる。
【0074】
保持基部30を取付部21から取り外す場合、
図10及び
図11に示す状態において、外れ止め部材28の凸部28bを取付部21の開口部21aに押し込むことにより、外れ止め部材28の凸部28bを着脱部35の上端部35aから外した状態とする。
この状態において、ピン22の本体部22aを第1開口部38から第2開口部39に移動させ、ピン22の頭部22bを第2開口部39から抜き出すことにより、保持基部30を取付部21から取り外すことができる。
【0075】
図10及び
図11では、取付部21を着脱部35に対して上側部33とは反対側に位置させた状態で、保持基部30を取付部21に取り付けた状態となっている。
この場合、取付部21を着脱部35に対して上側部33側に位置させた状態で、保持基部30を取付部21に取り付けることもできる。
【0076】
(ハンド部の昇降に関する構成)
図1,2,3に示すように、制御装置8に接続された右及び左のハーネス14が、右及び左のアーム部2の内部に入り、アーム部2の内部を通ってアーム部2の上端部に延出されている。右及び左のアーム部2の上端部の開口部から、ハーネス14が出て下側に延出されており、右のハーネス14が上昇操作スイッチ23に接続され、左のハーネス14が下降操作スイッチ24に接続されている。
【0077】
図1及び
図2に示すように、上昇操作スイッチ23を押し操作すると、昇降装置17において、電動モータ27により回転体が巻き取り側に回転駆動され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが回転体に巻き取られて、ハンド部20が上昇する。
下降操作スイッチ24を押し操作すると、電動モータ27により回転体が繰り出し側に回転駆動され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが回転体から繰り出されて、ハンド部20が下降する。
【0078】
上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、電動モータ27が停止する。電動モータ27に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられており、電動モータ27の作動時に電磁ブレーキは自動的に解除状態となり、電動モータ27の停止時及び非通電時に電磁ブレーキは自動的に制動状態となる。
【0079】
(アシスト器具の作業形態)
例えば、パレットや床に置かれた荷物Bを高い棚やトラックの荷台に置くような場合、作業者がしゃがんでパレットや床の荷物Bを手で持ち、手を下に延ばした状態で荷物Bを持ちながら立ち上がり、手で荷物Bを持ち上げて、荷物Bを高い棚やトラックの荷台に置くような状態が想定される。
【0080】
アシスト器具を装着した作業者が前述のような作業を行う状態において、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作に基づいて、制御装置8により右及び左の脚作用部3、昇降装置17が作動する状態について説明する。
【0081】
図1及び
図2に示すように、作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の両方を押し操作していないと、昇降装置17の電動モータ27は停止して、右及び左の脚作用部3の電動モータは停止状態(自由回転状態)となる。
【0082】
作業者が歩行する場合や、作業者が膝部を曲げて腰部を落とす場合(しゃがむ場合)、作業者の太腿部に追従するように操作アーム12が揺動するのであり、作業者の動作が妨げられることはない。
【0083】
作業者がしゃがんでパレットや床の荷物Bを持つ場合、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作すると、昇降装置17において電動モータ27が繰り出し側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されて、ハンド部20が下降する。
【0084】
下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、電動モータ27が停止して、ハンド部20が停止するので、作業者は、ハンド部20により荷物Bを保持する。
図11に示すビールケース等のように、荷物Bの横壁部B1の上部に保持用の開口部B2が開口された箱状の荷物Bであると、ハンド部20(保持基部30)の下側部34を荷物Bの開口部B2に挿入することによって、ハンド部20に荷物Bを保持する。
【0085】
前項の(昇降装置)に記載のように、電動モータ27に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられており、電動モータ27の停止時及び非通電時に、電磁ブレーキは自動的に制動状態となる。
電動モータ27が停止した状態において、昇降装置17からワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されることはなく、後述するようにハンド部20に荷物Bの重量が掛かっても、ハンド部20が下降することはない。
【0086】
作業者は、ハンド部20により荷物Bを保持した状態で、立ち上がることによって荷物Bを持ち上げる。作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作すると、脚作用部3において操作アーム12が下側に駆動され、作業者の太腿部が下側に操作されて、作業者の立ち上がりが補助される。
【0087】
作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作した状態で立ち上がった後に、脚作用部3において、操作アーム12が略真下に向く位置に達したことが検出されると、作業者が完全に立ち上がったと判断されて、脚作用部3の電動モータは停止状態(自由回転状態)となる。
【0088】
次に昇降装置17において、電動モータ27が巻き取り側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが巻き取られて、ハンド部20が上昇する。所望の位置までハンド部20が上昇すると、上昇操作スイッチ23の押し操作を止めることにより、電動モータ27が停止してハンド部20が停止する。
【0089】
作業者は、荷物Bを置くべき高い棚やトラックの荷台等へ歩いて移動する。作業者が高い棚やトラックの荷台等に到着して、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作すると、昇降装置17において、電動モータ27が繰り出し側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されて、ハンド部20が下降する。
【0090】
作業者は、荷物Bを高い棚やトラックの荷台等に置いて、ハンド部20を荷物Bから取り外す。荷物Bを高い棚やトラックの荷台等に置くと、最初の状態に戻るので、次の荷物Bに対して同様な操作を行う。
【0091】
(荷物を保持する保持部が設けられた支持部の構成)
図6,7,8,9に示すハンド部20において、
図11に示すようにハンド部20(保持基部30)により荷物Bを直接に保持する状態以外に、ハンド部20の保持基部30に支持部40を取り付け、支持部40に設けられた保持部47により荷物Bを保持することができる。以下に、支持部40の構成について説明する。
【0092】
図12,13,14に示すように、支持部40は、合成樹脂により一体的に形成されており、支持部40に、幅狭の上側部41及び幅広の下側部42が備えられている。上側部41の横部分に、凸部41aが備えられ、上側部41の前述の横部分とは反対側の横部分に、連結孔41bが開口されている。下側部42の横部分に、凸部42aが備えられており、下側部42の端部に、第2ストッパー部42bが下向きに形成されている。
【0093】
図15及び
図20に示すように、下側部42の端部に、第1ストッパー部45が備えられている。第1ストッパー部45は、弾性を備えた合成樹脂により一体的にアングル材状に形成されており、上下向きの長孔45aが開口されて、弾性変形自在なアーム部45bが備えられている。
【0094】
図20及び
図21に示すように、上側部41の凹部41cに、第1ストッパー部45のアーム部45bの端部が挿入されており、第1ストッパー部45が下側部42の端部に当て付けられている。頭付きピン46が、第1ストッパー部45の長孔45aに挿入されている。
【0095】
第1ストッパー部45の長孔45a及び頭付きピン46によって、第1ストッパー部45が、下側部42の端部から外れないように下側の作用姿勢(
図20参照)、及び上側の解除姿勢(
図18参照)に上下にスライド自在に支持されている。第1ストッパー部45のアーム部45bの弾性により、第1ストッパー部45が作用姿勢に付勢されている。
【0096】
図12,13,14に示すように、上側部41の上部分に、第1凹部43が備えられている。上側部41及び下側部42の横部分に、第2凹部44が第1凹部43につながりながら、支持部40の上下方向の全幅に亘るように備えられている。
【0097】
(支持部に設けられた保持部の構成)
図10に示すように、保持部47は、上下向きの横側部51、横側部51の上部から横側に延びる上側部52、横側部51の下部から上側部52の反対側に延びる下側部53、下側部53における横側部51とは反対側から上側部52側(上側)に延びる上向き部54、上向き部54から下側部53を越えて下側に延びる下向き部56、上側部52における横側部51とは反対側から上向き部54の反対側(下側)に延びる下向き部55を備えている。横側部51に、重量軽減用の開口部51aが開口され、連結孔51bが開口されている。
【0098】
図12,13,14,17に示すように、保持部47の横側部51が、支持部40の上側部41において第2凹部44とは反対側の横部分に当て付けられて、保持部47の上側部52が、支持部40の第1凹部43に入り込み、保持部47の下向き部55が、支持部40の第2凹部44に入り込んでいる。
ネジ48が保持部47の横側部51の連結孔51bから、支持部40の上側部41の連結孔41bに取り付けられて、保持部47が支持部40に取り付けられている。
【0099】
支持部40において、ネジ48を取り外すことにより、
図16に示す保持部47に代えて、
図16の保持部47において下向き部56が廃止された保持部(図示せず)、例えば棒材が折り曲げられたフック状の保持部(図示せず)を、支持部40に取り付けたりすることができる。吸着性を有するゲル材又はゴム材等の滑り止め材が貼り付けられた保持部(図示せず)を、支持部40に取り付けたりすることができる。
【0100】
(支持部におけるハンド部の保持基部への取り付け)
図17に示す状態は、保持基部30から支持部40が取り外された状態である。支持部40を保持基部30に取り付ける場合、
図18に示すように、第1ストッパー部45のアーム部45bの付勢力に抗して、第1ストッパー部45を作用姿勢から解除姿勢に上側にスライドさせ、保持基部30の一方側の端部から支持部40を保持基部30に差し込む。
【0101】
この場合、
図19,20,21に示すように、支持部40の上側部41が保持基部30の上側部33に接触して、支持部40の下側部42が保持基部30の下側部34に接触する。支持部40の上側部41及び下側部42の凸部41a,42aが、保持基部30の横側部32の上部及び下部に接触する。
【0102】
支持部40の下側部42が保持基部30の下側部34の端部34aに接触し、保持基部30の下側部34の端部34aが、支持部40の下側部42と保持部47の横側部51との間に位置する。
【0103】
支持部40を保持基部30に差し込んで摺動させて、
図20及び
図21に示すように、支持部40の下側部42の第2ストッパー部42bが、保持基部30の下側部34の端部に達すると、第1ストッパー部45が保持基部30の下側部34の端部に達する。これにより、第1ストッパー部45のアーム部45bの付勢力により、第1ストッパー部45が自動的に作用姿勢にスライドするのであり、保持基部30に支持部40が取り付けられた状態となる。
【0104】
保持基部30に支持部40が取り付けられた状態において、支持部40の上側部41が保持基部30の上側部33に接触し、支持部40の下側部42が保持基部30の下側部34に接触して、支持部40が保持基部30の上側部33及び下側部34に上下方向から挟まれる状態となる。
【0105】
支持部40の上側部41及び下側部42の凸部41a,42aが保持基部30の横側部32の上部及び下部に接触し、支持部40の下側部42が保持基部30の下側部34の端部34aに接触して、支持部40が保持基部30の横側部32及び下側部34の端部34aにより横方向から挟まれる状態となる。以上の状態により、保持基部30への支持部40の取付状態が強固なものとなる。
【0106】
保持基部30に支持部40が取り付けられた状態において、第1ストッパー部45が保持基部30の下側部34の他方の端部に当たっており、支持部40の下側部42の第2ストッパー部42bが、保持基部30の下側部34の一方の端部に当たっている。
【0107】
以上の状態により、保持基部30に対して支持部40が一方側及び他方側に移動しようとしても、第1ストッパー部45及び支持部40の下側部42の第2ストッパー部42bによって、支持部40の移動が止められる。
【0108】
保持基部30から支持部40を取り外す場合、
図20及び
図21に示す状態において、第1ストッパー部45を作用姿勢から解除姿勢に上側にスライドさせ、
図20から
図19に示すように、支持部40を前述とは逆方向に移動させることにより、支持部40を保持基部30から抜き出して取り外す。
【0109】
(支持部が取り付けられたハンド部による荷物の保持)
図20及び
図21に示すように、ハンド部20の保持基部30に支持部40を取り付けて、支持部40に設けられた保持部47により荷物Bを保持する状態について説明する。
この場合、荷物Bが段ボール箱のような立方体形状であり、荷物Bの横壁部B1に開口部B2が開口されていたとする。
【0110】
図22に示すように、作業者はハンド部20を持ちながらハンド部20を斜めにして、保持部47の下向き部56の下端部を荷物Bの開口部B2に挿入する。
図23に示すように、保持部47の上向き部54及び下向き部56が、荷物Bの開口部B2に入り込む状態になると、ハンド部20を斜めの姿勢から鉛直姿勢に切り換えながら少し持ち上げて、保持部47の下側部53及び上向き部54に、荷物Bの開口部B2の上縁部を入り込ませて掛けることにより、ハンド部20に荷物Bを保持する。
【0111】
ハンド部20により荷物Bを保持した状態において、保持部47の横側部51が、荷物Bの横壁部B1の外側に沿う状態となる。保持部47の上向き部54が、荷物Bの横壁部B1における開口部B2の上側の内側に沿う状態となり、保持部47の下向き部56が、荷物Bの横壁部B1における開口部B2の下側の内側に沿う状態となる。
【0112】
これによって、ハンド部20が荷物Bの開口部B2から外れようとしても、保持部47の上向き部54及び下向き部56が、荷物Bの横壁部B1における開口部B2の上側及び下側の内側に当たるので、ハンド部20が荷物Bから容易に外れることはない。
【0113】
ハンド部20を荷物Bの開口部B2から取り外す場合、保持部47の下側部53及び上向き部54に、荷物Bの開口部B2の上縁部を入り込ませた状態から、ハンド部20を少し下げて、保持部47の下側部53及び上向き部54を、荷物Bの開口部B2の上縁部から下側に離す。
【0114】
次に、ハンド部20を鉛直姿勢から斜めの姿勢に切り換えながら、保持部47の下側部53及び上向き部54を、荷物Bの開口部B2から外側に出し、ハンド部20を斜め上方に持ち上げて、保持部47の下向き部56を荷物Bの開口部B2から抜き出して、ハンド部20を荷物Bから取り外す。
【0115】
(形状の異なるハンド部の構成)
図6,7,8,9に示すハンド部20に代えて、
図24に示す別のハンド部20(保持基部30)を、ワイヤ18,19の取付部21に取り付けても良い。
【0116】
図24に、右のハンド部20が示されており、右及び左のハンド部20は左右対称の形状となっている。ハンド部20は、保持基部30及びカバー部31を備えている。保持基部30は、
図6,7,8に示す保持基部30とは異なる形状を備えており、カバー部31は、
図6及び
図9に示すカバー部31と同じものである。
【0117】
保持基部30は、板材を折り曲げて形成されて、上下方向に配置される横側部57、横側部57の上部から横向きに延出される上側部58、横側部57の下部に設けられる下側部59、上側部58の延出端部から上側に延出される着脱部35を備えている。
【0118】
横側部57の下部に、2個の下側部59が設けられている。下側部59は、横側部57の下部が、上側部58と同じ側に折り曲げられて延出され、上側部58側に向くように、斜め上向きに延出されている。下側部59の延出端部に、上側部58側に向く凸部59aが設けられている。
着脱部35に、
図6及び
図7と同じ2個の第1開口部38及び2個の第2開口部39が開口されている。
【0119】
図25に示すように、ハンド部20の正面視において、横方向での横側部57と上側部58の延出端部(着脱部35)との間隔W1よりも、横方向での横側部57と下側部59の延出端部(凸部59a)との間隔W2が、短いものに設定されている。
【0120】
横側部57における上側部58とは反対側の面に、面ファスナ36(マジックテープ(登録商標))が取り付けられている。上側部58の上面に、面ファスナ36(マジックテープ(登録商標))が取り付けられている。
【0121】
以上の構造により、
図24及び
図25に示すように、カバー部31の面ファスナ37を保持基部30の面ファスナ36に当て付けて接続することにより、カバー部31が保持基部30に取り付けられるのであり、カバー部31を介して上昇操作スイッチ23(下降操作スイッチ24)が保持基部30に取り付けられる。
前項の(ハンド部における保持基部のワイヤ(取付部)への取り付け及び取り外し)に記載のように、ハンド部20の保持基部30を取付部21に取り付け及取り外す。
【0122】
(ハンド部による荷物の保持操作)
図24及び
図25に示すハンド部20では、リンゴ箱等の木製の箱や、合成樹脂製のケース等の荷物Bを保持することが想定されている。荷物Bにおいて、荷物Bの横壁部B1の上端部の外周部(全周又は一部)に、外側に突出する突出部B3が設けられていたとする。
このような荷物Bにおいて、右及び左のハンド部20により荷物Bを持ち上げて保持する場合、以下のような操作を行う。
【0123】
ハンド部20において、横側部57を荷物Bの横壁部B1(突出部B3)の外側に沿って上下方向に位置させる。上側部58を荷物Bの横壁部B1(突出部B3)の上側に沿って横方向に位置させて、下側部59の延出端部(凸部59a)を、荷物Bの突出部B3の下側に位置させる。
【0124】
図25に示す状態において、ハンド部20を持ち上げると、下側部59の延出端部(凸部59a)が、荷物Bの突出部B3の下面部に当たり、ハンド部20により荷物Bを持ち上げることができるのであり、ハンド部20により荷物Bを保持することができる。
【0125】
前述のようにハンド部20により荷物Bを持ち上げると、荷物Bの重量により、下側部59の延出端部(凸部59a)が、荷物Bの突出部B3の下面部に食い込むような状態を得ることができる。
これにより、荷物Bの突出部B3が小さなものであっても、下側部59の延出端部(凸部59a)が荷物Bの突出部B3の下面部に食い込むことによって、ハンド部20による荷物Bの保持の確実性が高いものとなる。
【0126】
(発明の実施の第1別形態)
図4〜
図9及び
図24に示すハンド部20及び取付部21に対して、ハンド部20及び取付部21を、以下のように構成してもよい。
【0127】
図26に示すように、取付部21から支持部21bが延出され、支持部21bの上部が横向きに折り曲げられて、横向き部21cが形成されている。横向き部21cに、上昇操作スイッチ23(下降操作スイッチ24)が取り付けられている。
これにより、ハンド部20は、
図4〜
図9及び
図24に示すような保持基部30を備えているが、カバー部31を備えない状態となる。
【0128】
前項の(ハンド部において、保持基部のワイヤ(取付部材)への取り付け及び取り外し)に記載のように、保持基部30を取付部21に取り付けると、取付部21の横向き部21cが、保持基部30の上側部33の上側に位置して、
図4〜
図9及び
図24に示すハンド部20と同様な位置に上昇操作スイッチ23(下降操作スイッチ24)が配置される。
【0129】
(発明の実施の第2別形態)
ハンド部20及び取付部21において、ピン22、第1開口部38及び第2開口部39を以下のように構成してもよい。
【0130】
図27及び
図28に示すように、保持基部30において、着脱部35に、
図4及び
図5と同じ2本の頭付きのピン22が横向きに連結されており、ピン22は丸棒状の本体部22aと、本体部22aよりも大径の頭部22bとを備えている。
【0131】
取付部21において、2個の第1開口部38が開口され、第1開口部38の上側に位置して第1開口部38に接続されるように、第1開口部38よりも大径の第2開口部39が開口されている。
【0132】
第1開口部38及び第2開口部39とピン22の本体部22a及び頭部22bとにおいて、第1開口部38は、ピン22の本体部22aよりも少し大径であり、ピン22の頭部22bよりも小径である。第2開口部39は、ピン22の頭部22bよりも大径である。
【0133】
取付部21における第1開口部38及び第2開口部39の間の部分に、開口部21aが開口されており、外れ止め部材28が、取付部21におけるピン22の間の部分に、取付部21に連結ピン29により連結されている。
前項の(ハンド部における保持基部のワイヤ(取付部)への取り付け及び取り外し)に記載のように、ハンド部20の保持基部30を取付部21に取り付け及取り外す。
【0134】
(発明の実施の第3別形態)
外れ止め部材28において、
図29に示すように、外れ止め部材28における凸部28bの突出側とは反対側の面に、外れ止め部材28と同じ材質の板バネ材63を、外れ止め部材28の基部28aから凸部28bの位置まで当て付けてもよい。
【0135】
外れ止め部材28と板バネ材63とは、接着剤等によって互いに連結されておらず、連結ピン29により共締め状態で取付部21に連結される。外れ止め部材28が押されて弾性変形する場合、連結ピン29以外の部分において、外れ止め部材28と板バネ材63とが互いに摺動しながら、板バネ材63が外れ止め部材28と一緒に弾性変形する状態となる。
【0136】
これにより、外れ止め部材28の凸部28bの板厚よりも、外れ止め部材28の基部28aの板厚が厚い状態となる。従って、形状が比較的複雑な外れ止め部材28の凸部28bの板厚を薄いものとして、外れ止め部材28の凸部28bの加工が無理なく行えるようにしながら、形状が単純な外れ止め部材28の基部28aの見かけの板厚を大きくして、外れ止め部材28の剛性を高めることができる。
【0137】
外れ止め部材28が押されて弾性変形する場合、外れ止め部材28の基部28aの見かけの板厚を大きいことにより、外れ止め部材28を弾性変形させる為に大きな力が必要になる。
この場合、外れ止め部材28が板厚の大きな1枚の板材であると、外れ止め部材28に大きな曲げ応力が発生するのに対して、外れ止め部材28と板バネ材63とは別のものであるので、外れ止め部材28及び板バネ材63に曲げ応力が分担されることになって、外れ止め部材28及び板バネ材63の各々に発生する曲げ応力は、前述の大きな曲げ応力よりも小さなものとなる。
【0138】
(発明の実施の第4別形態)
ピン22、第1開口部38及び第2開口部39に代えて、フックとフックが掛けられる部分、バックルにおける嵌め込み部と被嵌め込み部、等により、ハンド部20の保持基部30を取付部21に取り付け及取り外すように構成してもよい。
【0139】
外れ止め部材28を、取付部21ではなく、保持基部30(着脱部35)に設けてもよい。
面ファスナ36,37に代えて、嵌め込み部と被嵌め込み部、差し込み部と被差し込み部等を設けてもよい。
【0140】
アシスト器具において、右及び左のアーム部2を廃止して、1本のアーム部2を備えてもよい。
この構造によると、1本のアーム部2から2本のワイヤ18を延出して、2本のワイヤ18の一方に右の取付部21を接続し、2本のワイヤ18の他方に左の取付部21を接続する。又は、1本のアーム部2から1本のワイヤ18を延出し、1本のワイヤ18の端部を二股状に分岐させて、分岐部分の一方に右の取付部21を接続し、分岐部分の他方に左の取付部21を接続する。
【0141】
上昇操作スイッチ23を左のハンド部20(取付部21)に備えて、下降操作スイッチ24を右のハンド部20(取付部21)に備えてもよい。上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の両方を、右又は左の一方のハンド部20(取付部21)に備えてもよい。
アシスト器具において、右及び左の脚作用部3を備えないように構成してもよい。