特許第6824862号(P6824862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6824862ラビリンスシール、および、ラビリンスシール構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6824862
(24)【登録日】2021年1月15日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】ラビリンスシール、および、ラビリンスシール構造
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/447 20060101AFI20210121BHJP
   F04D 29/10 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   F16J15/447
   F04D29/10 A
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-206479(P2017-206479)
(22)【出願日】2017年10月25日
(65)【公開番号】特開2019-78347(P2019-78347A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2019年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森中 俊輔
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−145813(JP,A)
【文献】 特開2012−072736(JP,A)
【文献】 特表2003−526062(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/043254(WO,A1)
【文献】 特開2017−160827(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02313635(GB,A)
【文献】 特開2012−041923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D1/00−13/16
17/00−19/02
21/00−25/16
29/00−35/00
F16J15/40−15/453
15/54−15/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、
前記第1部材に対向し、前記第1部材に対して回転軸を中心に回転する第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に形成され、前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向に直交する方向である流れ方向の高圧側から低圧側に流体が流れるように構成される隙間と、
を備える回転機械に設けられるラビリンスシールであって、
前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向を対向方向とし、
対向方向において前記第2部材から前記第1部材に向かう側を対向方向第1側とし、
対向方向において前記第1部材から前記第2部材に向かう側を対向方向第2側とし、
前記回転軸が延びる方向である回転軸方向は、流れ方向であり
前記第1部材から前記第2部材に向かって延びる高圧側フィンと、
前記第1部材から前記第2部材に向かって延び、前記高圧側フィンよりも低圧側に配置される低圧側フィンと、
前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記高圧側フィンの先端部よりも低圧側に配置され、前記低圧側フィンの先端部よりも高圧側に配置され、低圧側ほど対向方向第1側に配置されるように回転軸方向に対して傾斜する傾斜部と、
前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記傾斜部の高圧側端部から高圧側に延びる高圧側段部と、
前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記傾斜部の低圧側端部から低圧側に延びる低圧側段部と、
を備え、
前記低圧側段部のうち、前記低圧側フィンの対向方向第2側の端部と対向方向に対向する部分は、前記高圧側段部のうち、前記高圧側フィンの対向方向第2側の端部と対向方向に対向する部分よりも、前記回転軸に近い、
ラビリンスシール。
【請求項2】
請求項1に記載のラビリンスシールであって、
前記傾斜部の対向方向第1側の端部は、前記高圧側フィンの対向方向第2側の端部および前記低圧側フィンの対向方向第2側の端部のうち対向方向第2側に配置される端部よりも、対向方向第1側に配置される、
ラビリンスシール。
【請求項3】
請求項2に記載のラビリンスシールであって、
前記傾斜部の対向方向第1側の端部は、前記高圧側フィンの対向方向第2側の端部および前記低圧側フィンの対向方向第2側の端部のうち対向方向第1側に配置される端部よりも、対向方向第2側に配置される、
ラビリンスシール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって
記第2部材は、前記第1部材に対して、回転軸方向に所定範囲内で移動可能であり、
前記高圧側段部は、前記第1部材に対して前記第2部材が回転軸方向に前記所定範囲内で移動したときに、前記高圧側フィンの対向方向第2側の端部と対向する部分に配置され、前記回転軸と平行である高圧側回転軸平行部を備え、
前記低圧側段部は、前記第1部材に対して前記第2部材が回転軸方向に前記所定範囲内で移動したときに、前記低圧側フィンの対向方向第2側の端部と対向する部分に配置され、前記回転軸と平行である低圧側回転軸平行部を備える、
ラビリンスシール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって
記回転軸は、前記第2部材の内側に配置され、
前記低圧側段部は、低圧側ほど対向方向第2側に配置されるように回転軸方向に対して傾斜する低圧側傾斜部を備える、
ラビリンスシール。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって
記回転軸は、前記第2部材の内側に配置され、
前記高圧側段部は、低圧側ほど対向方向第2側に配置されるように回転軸方向に対して傾斜する高圧側傾斜部を備える、
ラビリンスシール。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって、
前記低圧側フィンの対向方向第2側の端部は、前記低圧側フィンの対向方向第1側の端部よりも高圧側に配置される、
ラビリンスシール。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって、
前記第1部材の対向方向第2側の面のうち、前記高圧側フィンの低圧側の面から前記低圧側フィンの高圧側の面までをつなぐ面は、対向方向および流れ方向のそれぞれに直交する方向から見たとき、直線状または弧状である、
ラビリンスシール。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項に記載のラビリンスシールであって、
前記第1部材は、静止体である、
ラビリンスシール。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載のラビリンスシールが、流れ方向に連続して配置される、
ラビリンスシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラビリンスシール、および、ラビリンスシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1などに、従来のラビリンスシールが記載されている。このラビリンスシールは、回転機械を構成する2つの部材(例えば回転体と静止体)の隙間での流体の漏れ量を抑制するためのものである。特許文献1の図3に記載の技術では、一方の部材にフィンが設けられ、他方の部材に階段状の段差部が設けられている。そして、フィンと、段差部が設けられた部材と、の隙間を通った流体が、フィンに当たるように構成することで、流体の漏れ量を抑制することが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−72736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、流体の漏れ量をさらに抑制することが望まれている。
【0005】
そこで、本発明では、流体の漏れ量を抑制できる、ラビリンスシールおよびラビリンスシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のラビリンスシールは、回転機械に設けられる。前記回転機械は、第1部材と、第2部材と、隙間と、を備える。前記第2部材は、前記第1部材に対向し、前記第1部材に対して回転軸を中心に回転する。前記隙間は、前記第1部材と前記第2部材との間に形成され、前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向に直交する方向である流れ方向の高圧側から低圧側に流体が流れるように構成される。以下、前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向を「対向方向」と記載する。対向方向において前記第2部材から前記第1部材に向かう側を対向方向第1側とする。対向方向において前記第1部材から前記第2部材に向かう側を対向方向第2側とする。前記回転軸が延びる方向である回転軸方向は、対向方向または流れ方向に一致する。ラビリンスシールは、高圧側フィンと、低圧側フィンと、傾斜部と、高圧側段部と、低圧側段部と、を備える。前記高圧側フィンは、前記第1部材から前記第2部材に向かって延びる。前記低圧側フィンは、前記第1部材から前記第2部材に向かって延び、前記高圧側フィンよりも低圧側に配置される。前記傾斜部は、前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記高圧側フィンの先端部よりも低圧側に配置され、前記低圧側フィンの先端部よりも高圧側に配置され、低圧側ほど対向方向第1側に配置されるように回転軸方向に対して傾斜する。前記高圧側段部は、前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記傾斜部の高圧側端部から高圧側に延びる。前記低圧側段部は、前記第2部材の対向方向第1側部分を構成し、前記傾斜部の低圧側端部から低圧側に延びる。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、ラビリンスシールでの流体の漏れ量を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のラビリンスシールを示す断面図である。
図2】第2実施形態のラビリンスシールを示す断面図である。
図3】第3実施形態のラビリンスシールを示す断面図である。
図4】第4実施形態のラビリンスシールを示す断面図である。
図5】第5実施形態のラビリンスシールを示す断面図である。
図6】第6実施形態のラビリンスシール構造を示す断面図である。
図7】第7実施形態のラビリンスシールを示す断面図である。
図8】第8実施形態のラビリンスシールを示す断面図である。
図9】例1のラビリンスシール構造を示す断面図である。
図10図9に示す例1などでの流体の漏れ量を示すグラフである。
図11】例2のラビリンスシール構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1を参照して、第1実施形態のラビリンスシール30を有する回転機械1について説明する。
【0010】
回転機械1は、第1部材11に対して第2部材12が回転する機械である。回転機械1は、流体を圧縮または膨張させる機械(流体回転機械)である。回転機械1は、例えば圧縮機であり、例えばターボ圧縮機などである。回転機械1は、例えば膨張機でもよく、例えば膨張タービンなどでもよい。回転機械1は、軸流式でも遠心式でもよい。回転機械1は、第1部材11と、第2部材12と、隙間15と、ラビリンスシール30と、を備える。
【0011】
第1部材11は、静止体または回転体である。静止体は、例えば床などに対して静止する。回転体は、静止体に対して回転する。静止体は、例えばケーシングである。静止体は、例えば、ケーシング内に配置され、ケーシングに固定される部材でもよい。回転体は、例えば、静止体に対して回転軸Aを中心に回転する回転体である。回転体は、例えば回転軸Aの方向に延びるものでもよく、例えばインペラでもよい。
【0012】
第2部材12は、第1部材11に対向する。第1部材11が静止体の場合、第2部材12は、回転体である。第1部材11が回転体の場合、第2部材12は、静止体である。
【0013】
隙間15は、第1部材11と第2部材12との間に形成される。隙間15は、第1部材11のY2側(対向方向第2側)(方向の詳細は後述)部分と、第2部材12のY1側(対向方向第1側)部分と、の間に形成される。隙間15には、差圧がある。流れ方向Xの高圧側X1から、流れ方向Xの低圧側X2に、流体が隙間15を流れるように、隙間15が構成される。なお、流体は、流れ方向X以外の方向に流れてもよい(詳細は後述)。
【0014】
(方向)
第1部材11と第2部材12とが対向する方向を、対向方向Yとする。対向方向Yにおいて、第2部材12から第1部材11に向かう側を、Y1側(対向方向第1側)とする。対向方向Yにおいて、第1部材11から第2部材12に向かう側を、Y2側(対向方向第2側)とする。対向方向Yに直交する方向を、流れ方向Xとする。流れ方向Xにおける一方側を、高圧側X1とする。流れ方向Xにおける高圧側X1とは反対側を、低圧側X2とする。流れ方向Xおよび対向方向Yのそれぞれに直交する方向を直交方向Zとする。回転軸Aが延びる方向(回転軸A方向)は、流れ方向Xと一致する方向(例えば回転軸Ax参照)、または、対向方向Yと一致する方向(例えば回転軸Ay参照)である。
【0015】
ラビリンスシール30は、隙間15での流体の漏れを抑制する。ラビリンスシール30は、この漏れを抑制することで、例えば回転機械1内での流体の循環などを抑制する。ラビリンスシール30は、第1部材11と第2部材12とを接触させることなく(非接触で)、流体の漏れ流れの量(以下、漏れ量ともいう)を抑制する装置である。ラビリンスシール30は、高圧側フィン31と、低圧側フィン32と、面40と、傾斜部50と、高圧側段部60と、低圧側段部70と、を備える。
【0016】
高圧側フィン31は、隙間15を仕切るフィンである(低圧側フィン32も同様)。高圧側フィン31は、隙間15を完全には仕切らず、流体の流路を狭める(絞る)ように配置される(低圧側フィン32も同様)。高圧側フィン31は、第1部材11のY2側部分(例えば表面)から、第2部材12に(高圧側段部60に)に向かってY2側に延びる(延伸する)。高圧側フィン31は、例えば第1部材11と一体的に設けられ、例えば第1部材11と別体でもよい(低圧側フィン32も同様)。回転軸A方向が流れ方向Xの場合、高圧側フィン31は、回転軸Aを中心とした環状(リング状)である。回転軸A方向が流れ方向Xの場合に、回転軸Aを中心とした環状である点は、低圧側フィン32、面40、傾斜部50、高圧側段部60、および低圧側段部70なども同様である。高圧側フィン31は、高圧側フィン側面31bと、高圧側フィン先端部31tと、を備える。
【0017】
高圧側フィン側面31bは、高圧側フィン31を構成する面(表面)であって、低圧側X2を向いた面である。高圧側フィン側面31bは、例えば対向方向Yと一致する方向に延びてもよく、対向方向Yに対して傾斜してもよい(図8などを参照)(低圧側フィン32の側面についても同様)。直交方向Zから見たとき、高圧側フィン側面31bは、例えば、直線状でもよく、曲線状でもよく(図7を参照)、直線と曲線とを組み合わせた形状などでもよい(低圧側フィン32の側面についても同様)。
【0018】
高圧側フィン先端部31tは、高圧側フィン31の先端部であり、高圧側フィン31のY2側(高圧側段部60側)の端部である。高圧側フィン先端部31tは、例えば、第1部材11と高圧側段部60との対向方向Yにおける中央よりも高圧側段部60側(Y2側)に配置され、例えば、高圧側段部60の近傍に配置される。
【0019】
低圧側フィン32は、第1部材11のY2側部分(例えば表面)から、第2部材12に(低圧側段部70に)に向かってY2側に延びる。低圧側フィン32は、高圧側フィン31よりも低圧側X2に配置される。低圧側フィン32は、低圧側フィン側面32aと、低圧側フィン基端部32pと、低圧側フィン先端部32tと、を備える。
【0020】
低圧側フィン側面32aは、低圧側フィン32を構成する面(表面)であって、高圧側X1を向いた面である。
【0021】
低圧側フィン基端部32pは、低圧側フィン32の基端部(基部、根本部)であり、低圧側フィン32のY1側の端部である。
【0022】
低圧側フィン先端部32tは、低圧側フィン32の先端部であり、低圧側フィン32のY2側(低圧側段部70側)の端部である。低圧側フィン先端部32tは、例えば、第1部材11と低圧側段部70との対向方向Yにおける中央よりも低圧側段部70側(Y2側)に配置され、例えば、低圧側段部70の近傍に配置される。低圧側フィン先端部32tの対向方向Yにおける位置(対向方向Y位置)は、高圧側フィン先端部31tの対向方向Y位置に対して、Y1側でもよく、Y2側でもよく、同じ位置(対向方向Y位置が同じ)でもよい。
【0023】
面40は、第1部材11のY2側の面(表面)のうち、高圧側フィン31の低圧側X2の面(高圧側フィン側面31b)から低圧側フィン32の高圧側X1の面(低圧側フィン側面32a)までをつなぐ部分である。直交方向Zから見たとき、面40は、直線状、または弧状である(図8参照、「弧状」については後述)。「直線」には略直線も含まれる(以下同様)。面40は、高圧側フィン側面31bから低圧側フィン側面32aまでを、滑らかにつなぐ。面40には、屈曲した(折れ曲がった)部分はない。面40は、流れ方向Xと一致する方向に延びてもよく、ほぼ流れ方向Xに延びてもよく、流れ方向Xに対して傾斜してもよい(図9を参照)。なお、変形例として、面40には、屈曲した部分があってもよい。
【0024】
傾斜部50は、流体の流れf50を形成する部分である。傾斜部50は、第2部材12のY1側部分(例えば表面)に形成される。傾斜部50は、高圧側フィン先端部31tよりも低圧側X2に配置される。傾斜部50は、高圧側フィン31の基部(Y1側端部)に対して、低圧側X2に配置されてもよく、高圧側X1に配置されてもよい。傾斜部50は、低圧側フィン先端部32tよりも高圧側X1に配置される。傾斜部50は、低圧側フィン基端部32pに対して、高圧側X1に配置されてもよく、低圧側X2に配置されてもよい。
【0025】
この傾斜部50は、低圧側X2ほどY1側に配置されるように、回転軸A方向に対して傾斜する。傾斜部50は、流れ方向Xおよび対向方向Yに対して傾斜する。回転軸A方向が流れ方向X、かつ、回転軸Aが第2部材12の内側に配置される場合(以下「回転軸Axが第2部材12の内側に配置される場合」)、低圧側X2ほど、傾斜部50の径が大きい。上記「径」は、対向方向Yにおける、回転軸Aからの距離である(以下の「径」についても同様)。例えば傾斜部50の径は、対向方向Yにおける、回転軸Aから傾斜部50までの距離である。上記「第2部材12の内側」は、第2部材12のY1側部分(表面)よりもY2側(径方向内側)の部分である。図1に示す例では、回転軸Axの位置に、第2部材12を構成する物体(例えば金属など)が存在するが、存在しなくてもよい(空洞でもよい)。直交方向Zから見たとき、傾斜部50は、直線状でもよく、曲線状でもよく、直線と曲線とを組み合わせた形状などでもよい。傾斜部50は、頂点部50tを備える。
【0026】
頂点部50tは、傾斜部50のY1側の端部である。頂点部50tは、傾斜部50の低圧側X2の端部である。頂点部50tは、低圧側フィン先端部32tおよび高圧側フィン先端部31tのうちY2側に配置される端部よりも、Y1側に配置される。図1に示す例では、頂点部50tは、低圧側フィン先端部32tおよび高圧側フィン先端部31tのそれぞれよりも、Y1側に配置される。なお、図1では、低圧側フィン先端部32tおよび高圧側フィン先端部31tの対向方向Y位置が同じである。この場合は、上記「低圧側フィン先端部32tおよび高圧側フィン先端部31tのうちY2側に配置される端部」は、低圧側フィン先端部32tまたは高圧側フィン先端部31tのどちらでもよい。
【0027】
高圧側段部60は、第2部材12のY1側部分(例えば表面)を構成する。高圧側段部60は、傾斜部50の高圧側X1端部から高圧側X1に延びる。高圧側段部60の低圧側X2端部は、傾斜部50の高圧側X1端部につながれる(連続する)。直交方向Zから見たとき、高圧側段部60は、直線状でもよく、複数の直線を組み合わせた形状(折れ線状)でもよく、曲線状でもよく、直線と曲線とを組み合わせた形状でもよい(低圧側段部70も同様)。高圧側段部60は、高圧側傾斜部61と、高圧側フィン対向部63と、を備える。
【0028】
高圧側傾斜部61は、低圧側X2ほどY2側に配置されるように回転軸A方向に対して傾斜する。回転軸Axが第2部材12の内側に配置される場合、高圧側傾斜部61の径は、低圧側X2ほど小さい(低圧側傾斜部71の径についても同様)。
【0029】
高圧側フィン対向部63は、高圧側段部60のうち、高圧側フィン先端部31tと対向方向Yに対向する部分である。図1に示す例では、高圧側フィン対向部63は、高圧側傾斜部61の一部である。高圧側フィン対向部63は、高圧側傾斜部61の一部でなくてもよい(図4参照)。
【0030】
低圧側段部70は、第2部材12のY1側部分(例えば表面)を構成する。低圧側段部70は、傾斜部50の低圧側X2端部(頂点部50t)から低圧側X2に延びる。低圧側段部70の高圧側X1端部は、傾斜部50の低圧側X2端部(頂点部50t)につながれる(連続する)。低圧側段部70の形状は、高圧側段部60の形状と同様でもよく、高圧側段部60の形状と相違してもよい。低圧側段部70は、低圧側傾斜部71と、低圧側フィン対向部73と、を備える。
【0031】
低圧側傾斜部71は、低圧側X2ほどY2側に配置されるように回転軸A方向に対して傾斜する。低圧側フィン対向部73は、低圧側段部70のうち低圧側フィン先端部32tと対向方向Yに対向する部分である。図1に示す例では、低圧側フィン対向部73は、低圧側傾斜部71の一部である。低圧側フィン対向部73は、低圧側傾斜部71の一部でなくてもよい(図4参照)。
【0032】
(谷部81および山部83)
高圧側傾斜部61が、傾斜部50の高圧側X1端部につながれ、かつ、低圧側傾斜部71が、傾斜部50の低圧側X2端部につながれる場合について説明する。この場合、ラビリンスシール30は、いわば傾斜ステップシールを形成する。この場合、ラビリンスシール30は、谷部81と、山部83と、を備える。谷部81は、傾斜部50と高圧側傾斜部61とにより形成される。山部83は、傾斜部50と低圧側傾斜部71とにより形成される。谷部81および山部83のそれぞれは、1つのラビリンスシール30に1つずつ設けられる。山部83は、谷部81よりも低圧側X2に配置される。回転軸Axが第2部材12の内側に配置される場合、第2部材12のY1側部分(表面)の径は、低圧側X2に向かうにしたがって、減少した後に増加し(谷部81)、増加した後に減少する(山部83)。
【0033】
直交方向Zから見たとき、谷部81の角度(高圧側傾斜部61と傾斜部50とがなす角度)は、90°以上でもよく、90°未満でもよい。直交方向Zから見たとき、山部83の角度(傾斜部50と低圧側傾斜部71とが成す角度)は、90°以上でもよく、90°未満でもよい。
【0034】
(流体の流れ)
隙間15を流れる流体は、例えば次のように流れる。高圧側フィン31よりも高圧側X1の流体は、低圧側X2に流れ、高圧側フィン先端部31tと高圧側段部60(高圧側フィン対向部63)との間を流れる。高圧側フィン先端部31tと高圧側フィン対向部63との間を通り、高圧側フィン先端部31tよりも低圧側X2に流れる(流入する)流体の流れを、流入流れf63とする。流入流れf63は、高圧側段部60に沿って流れ、傾斜部50に当たる。よって、この流体は、傾斜部50の近傍で、傾斜部50に沿うように、低圧側X2に流れながら、Y1側に流れる。例えば、流体が、谷部81から山部83へ、吹き上げられる。傾斜部50の近傍で、低圧側X2かつY1側に、流れ方向Xに対して傾いた向きに流れる流れを、流れf50とする。流れf50は、渦V1に合流(流入)する。この流体は、頂点部50tの近傍から低圧側X2に流れる。この流体は、渦V1と漏れ流れf73とに分岐する。
【0035】
渦V1は、次のように流れる。低圧側フィン側面32aに向かってX2側に流れ、低圧側フィン側面32aに当たった流体は、Y1側に向きを変え、面40に当たり、高圧側X1に向きを変え、高圧側フィン側面31bに当たり、Y2側に向きを変える。この流体は、高圧側段部60および傾斜部50の近傍の、低圧側X2に向かう流れに近づき、低圧側X2に向きを変える。この流体は、傾斜部50の頂点部50tの近傍を通り、低圧側X2に流れる。
【0036】
漏れ流れf73は、次のように流れる。低圧側フィン側面32aに向かってX2側に流れる流体の一部は、Y2側に向きを変える。この流体は、低圧側フィン先端部32tと低圧側段部70(低圧側フィン対向部73)との間を通り、低圧側フィン32よりも低圧側X2に流れる(漏れる)。
【0037】
渦V1により、流体間摩擦が生じ、流体のエネルギー損失が生じる。上記「流体間摩擦」には、流体どうしの摩擦だけでなく、流速がゼロの流体とみなせる物と流体との摩擦も含まれる。上記「流速がゼロの流体とみなせる物」には、低圧側フィン32、面40、高圧側フィン31、高圧側段部60、傾斜部50、および、低圧側段部70が含まれる。
【0038】
ここで、回転軸Axが第2部材12の内側に配置される場合、低圧側フィン先端部32tと低圧側フィン対向部73との間の空間(漏れ流れf73が通る空間)は、回転軸Axを中心とするリング状である。そのため、低圧側フィン先端部32tと低圧側フィン対向部73との間隔が同じでも、低圧側フィン対向部73の径が小さいほど、漏れ流れf73が通る空間の面積が小さくなり、漏れ流れf73を減らすことができる。ラビリンスシール30では、低圧側傾斜部71が設けられる。よって、低圧側フィン対向部73の径を、頂点部50tの径よりも小さくできる。よって、低圧側フィン対向部73の径が、頂点部50tの径と同じである場合に比べ、漏れ流れf73を減らすことができる。
【0039】
回転軸Axが第2部材12の内側に配置される場合、高圧側傾斜部61が設けられることで、傾斜部50をY2側に配置できる。さらに詳しくは、高圧側傾斜部61が設けられる場合は、高圧側傾斜部61が設けられない場合に比べ、傾斜部50の高圧側X1端部の位置を、Y2側にできる。例えば、傾斜部50および低圧側段部70の形状が同じでも、傾斜部50をY2側に配置するほど、低圧側フィン対向部73をY2側に配置できる。よって、高圧側傾斜部61が設けられることで、低圧側フィン対向部73の径を小さくできる。その結果、漏れ流れf73を減らせる。
【0040】
図1に示すラビリンスシール30による効果は次の通りである。
【0041】
(第1の発明の効果)
[構成1−1]ラビリンスシール30は、回転機械1に設けられる。回転機械1は、第1部材11と、第2部材12と、隙間15と、を備える。第2部材12は、第1部材11に対向し、第1部材11に対して回転軸Aを中心に回転する。隙間15は、第1部材11と第2部材12との間に形成され、第1部材11と第2部材12とが対向する方向(対向方向Y)に直交する方向である流れ方向Xの高圧側X1から低圧側X2に流体が流れるように構成される。第1部材11と第2部材12とが対向する方向を、対向方向Yとする。対向方向Yにおいて第2部材12から第1部材11に向かう側を、Y1側(対向方向第1側)とする。対向方向Yにおいて第1部材11から第2部材12に向かう側をY2側(対向方向第2側)とする。回転軸Aが延びる方向である回転軸A方向は、対向方向Yまたは流れ方向Xに一致する。ラビリンスシール30は、高圧側フィン31と、低圧側フィン32と、傾斜部50と、高圧側段部60と、低圧側段部70と、を備える。高圧側フィン31は、第1部材11から第2部材12に向かって延びる。低圧側フィン32は、第1部材11から第2部材12に向かって延び、高圧側フィン31よりも低圧側X2に配置される。
【0042】
[構成1−2]傾斜部50は、第2部材12のY1側部分を構成し、高圧側フィン31の先端部(高圧側フィン先端部31t)よりも低圧側X2に配置され、低圧側フィン32の先端部(低圧側フィン先端部32t)よりも高圧側X1に配置される。傾斜部50は、低圧側X2ほどY1側に配置されるように回転軸A方向に対して傾斜する。高圧側段部60は、第2部材12のY1側部分を構成し、傾斜部50の高圧側X1端部から高圧側X1に延びる。低圧側段部70は、第2部材12のY1側部分を構成し、傾斜部50の低圧側X2端部から低圧側X2に延びる。
【0043】
上記[構成1−1]のラビリンスシール30では、高圧側フィン31と低圧側フィン32との間、かつ、第1部材11と第2部材12との間の空間に、渦V1ができる。渦V1のY2側部分は、低圧側X2に流れる。ここで、ラビリンスシール30は、上記[構成1−2]を備える。よって、高圧側段部60に沿うように流れる流体は、傾斜部50の近傍で、傾斜部50に沿うような流れf50を形成する。よって、この流れf50は、低圧側X2に流れながら、Y1側に流れる。そして、この流れf50(低圧側X2の成分を有する流れ)が、渦V1のY2側部分(低圧側X2への流れ)に流入する。よって、傾斜部50が設けられない場合に比べ、渦V1の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V1による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失(摩擦損失)を増やすことができる。よって、ラビリンスシール30での流体の漏れ量を抑制できる。
【0044】
(第2の発明の効果)
[構成2]傾斜部50のY1側の端部は、高圧側フィン31のY2側の端部(高圧側フィン先端部31t)および低圧側フィン32のY2側の端部(低圧側フィン先端部32t)のうちY2側に配置される端部よりも、Y1側に配置される。
【0045】
上記[構成2]により、高圧側フィン先端部31tと第2部材12との間から、低圧側フィン先端部32tと第2部材12との間へ、流体が直線状に流れる(吹き抜ける)ことを防げる。よって、ラビリンスシール30での流体の漏れ量を抑制できる。
【0046】
(第5の発明の効果)
[構成5]回転軸A方向は、流れ方向Xである。回転軸Aは、第2部材12の内側に配置される(回転軸Ax参照)。低圧側段部70は、低圧側傾斜部71を備える。低圧側傾斜部71は、低圧側X2ほどY2側に配置されるように回転軸A方向に対して傾斜する。
【0047】
上記[構成5]により、簡易な構成で、低圧側段部70の径を、低圧側X2ほど小さくできる。その結果、低圧側フィン先端部32tと低圧側段部70との間の空間(漏れ流れf73が通る空間)の面積を小さくできる。よって、簡易な構成で、ラビリンスシール30での流体の漏れ量を抑制できる。
【0048】
(第6の発明の効果)
[構成6]回転軸A方向は、流れ方向Xである。回転軸Aは、第2部材12の内側に配置される(回転軸Ax参照)。高圧側段部60は、高圧側傾斜部61を備える。高圧側傾斜部61は、低圧側X2ほどY2側に配置されるように回転軸A方向に対して傾斜する。
【0049】
上記[構成6]により、簡易な構成で、高圧側段部60の径を、低圧側X2ほど小さくできる。その結果、傾斜部50をY2側に配置しやすい。その結果、低圧側フィン先端部32tと低圧側段部70との間の空間(漏れ流れf73が通る空間)の面積を小さくできる。よって、簡易な構成で、ラビリンスシール30での流体の漏れ量を抑制できる。
【0050】
(第9の発明の効果)
[構成9]面40は、次のように構成される。面40は、第1部材11のY2側の面のうち、高圧側フィン31の低圧側X2の面(高圧側フィン側面31b)から低圧側フィン32の高圧側X1の面(低圧側フィン側面32a)までをつなぐ。面40は、対向方向Yおよび流れ方向Xのそれぞれに直交する方向(直交方向Z)から見たとき、直線状または弧状である。
【0051】
上記[構成9]により、直交方向Zから見たときに面40が屈曲している場合などに比べ、渦V1が、面40に沿うように流れやすい。よって、渦V1の流速を増やすことができる。よって、渦V1による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失(摩擦損失)を増やすことができる。よって、ラビリンスシール30での流体の漏れ量を抑制できる。
【0052】
(第10の発明の効果)
[構成10]第1部材11は、静止体である。
【0053】
第1部材11の、高圧側フィン31および低圧側フィン32が設けられる部分は、第2部材12の、傾斜部50などが設けられる部分よりも、複雑な形状になりやすい。そこで、上記[構成10]では、複雑な形状になりやすい第1部材11を静止させ、第2部材12を回転させることができる。
【0054】
(第2実施形態)
図2を参照して、第2実施形態のラビリンスシール230について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、第2実施形態のラビリンスシール230のうち、第1実施形態との共通点については、第1実施形態と同一の符号を付すなどして、説明を省略した。共通点の説明を省略する点については他の実施形態の説明も同様である。第1実施形態との主な相違点は、高圧側フィン先端部31t、低圧側フィン先端部32t、および頂点部50tの配置である。
【0055】
本実施形態では、回転軸A方向は、流れ方向Xである。回転軸Aは、第2部材12の内側に配置されてもよく(回転軸Ax参照)、第1部材11の内側に配置されてもよい。例えば、第1部材11が円筒状の部材であり、第2部材12が第1部材11よりも小径の小径部材(例えば円柱など)である。また、例えば、第2部材12が円筒状の部材であり、第1部材11が第2部材12よりも小径の小径部材(例えば円柱など)でもよい。
【0056】
高圧側フィン先端部31tおよび低圧側フィン先端部32tは、次のように配置される。高圧側フィン先端部31tの対向方向Y位置と、低圧側フィン先端部32tの対向方向Y位置とは、図1に示す例では同じ位置(対向方向Y位置が同じ)であるが、図2に示すように、本実施形態では異なる位置である。図2に示す例では、低圧側フィン先端部32tは、高圧側フィン先端部31tよりもY2側に配置される。
【0057】
頂点部50tは、第1実施形態と同様に、低圧側フィン先端部32tおよび高圧側フィン先端部31tのうちY2側に配置される端部(図2では低圧側フィン先端部32t)よりも、Y1側に配置される。また、頂点部50tは、第1部材11と第2部材12との組み立てが容易になるように配置される。具体的には、頂点部50tは、低圧側フィン先端部32tおよび高圧側フィン先端部31tのうちY1側に配置される端部(図2では高圧側フィン先端部31t)よりも、Y2側に配置される。図2に示す例では、頂点部50tは、高圧側フィン先端部31tよりもY2側に配置され、低圧側フィン先端部32tよりもY1側に配置される。
【0058】
(組み立て)
図2に示す例では、第1部材11と第2部材12との組み立て(組み付け)は、次のように行われる。第1部材11に高圧側フィン31および低圧側フィン32が設けられた状態、かつ、第2部材12に傾斜部50、高圧側段部60、および低圧側段部70が設けられた状態とされる。その後、第1部材11に対して第2部材12を、流れ方向X(回転軸A方向)に移動(相対移動)させる。このとき、円筒状の部材(例えば第1部材11)に、小径部材(例えば第2部材12)が差し込まれる。すなわち、円筒状の部材が、小径部材の径方向外側に送り込まれる。すると、頂点部50tは、高圧側フィン31よりも高圧側X1から、高圧側フィン31よりも低圧側X2に、高圧側フィン31よりもY2側の位置(径方向内側または径方向外側の位置)で移動する。そして、頂点部50tが、高圧側フィン31と低圧側フィン32との流れ方向Xにおける間の所定位置に配置される。この組み立てでは、第1部材11を分割する必要がなく、第2部材12を分割する必要がない。よって、第1部材11と第2部材12とを容易に組み立てできる。
【0059】
なお、頂点部50tが高圧側フィン先端部31tよりもY1側に配置される場合(図1参照)など、上記の組み立てができない場合がある。この場合は、第1部材11および第2部材12の少なくともいずれかが、複数に分割される。そして、第1部材11と第2部材12とが組み合わされた(はめ込まれた)後、分割された部分が結合(固定)される。
【0060】
(漏れ流れf73が通る空間)
低圧側フィン対向部73は、高圧側フィン対向部63よりも回転軸Aに近い。すなわち、低圧側フィン対向部73の径は、高圧側フィン対向部63の径よりも小さい。よって、低圧側フィン先端部32tと低圧側フィン対向部73との間の空間(漏れ流れf73が通る空間)の面積は、高圧側フィン先端部31tと高圧側フィン対向部63との間の空間(流入流れf63が通る空間)の面積よりも小さい。よって、漏れ流れf73を減らすことができる。ここで、図2に示す例では、回転軸A(回転軸Ax)は、第2部材12の内側に配置され、低圧側フィン対向部73は、高圧側フィン対向部63よりもY2側に配置される。一方、回転軸Aが、流れ方向Xであり、かつ、第1部材11の内側に配置される場合には、低圧側フィン対向部73は、高圧側フィン対向部63よりもY1側に配置されてもよい。この場合も、低圧側フィン先端部32tと低圧側フィン対向部73との間の空間の面積を、高圧側フィン先端部31tと高圧側フィン対向部63との間の空間の面積よりも小さくできる。
【0061】
図2に示すラビリンスシール230による効果は次の通りである。
【0062】
(第3の発明の効果)
[構成3]傾斜部50のY1側の端部(頂点部50t)は、高圧側フィン31のY2側の端部(高圧側フィン先端部31t)および低圧側フィン32のY2側の端部(低圧側フィン先端部32t)のうちY1側に配置される端部よりも、Y2側に配置される。
【0063】
ラビリンスシール230は、上記[構成3]を備える。よって、第1部材11と第2部材12とを組み立てるときに、次の効果が得られる。高圧側フィン先端部31tおよび低圧側フィン先端部32tのうちY1側に配置される端部が、高圧側フィン先端部31tの場合は、次の作用が得られる。第1部材11に対して第2部材12を流れ方向X(回転軸Aの方向)に移動させると、頂点部50tを、高圧側フィン31よりも高圧側X1から、高圧側フィン31よりも低圧側X2に、高圧側フィン31よりもY2側の位置で、移動させることができる。また、高圧側フィン先端部31tおよび低圧側フィン先端部32tのうちY1側に配置される端部が、低圧側フィン先端部32tの場合は、次の作用が得られる。第1部材11に対して第2部材12を流れ方向X(回転軸Aの方向)に移動させると、頂点部50tを、低圧側フィン32よりも低圧側X2から、低圧側フィン32よりも高圧側X1に、低圧側フィン32よりもY2側の位置で、移動させることができる。よって、第1部材11と第2部材12との組み立てを行う際に、第1部材11を分割する必要がなく、第2部材12を分割する必要がない。よって、第1部材11と第2部材12との組み立てを容易に行える。
【0064】
ここで、傾斜部50を設けない場合や、上記[構成2]の条件を満たさない場合は、第1部材11と第2部材12とを容易に組み立て得る。しかし、高圧側フィン先端部31tと第2部材12との間から、低圧側フィン先端部32tと第2部材12との間へ、流体が直線状に流れ(吹き抜け)、流体の漏れ量が多くなるおそれがある。一方、ラビリンスシール230は、上記[構成2]および[構成3]を備える。よって、傾斜部50によって流体の漏れ量を抑制でき、かつ、第1部材11と第2部材12とを容易に組み立てできる。
【0065】
(第7の発明の効果)
[構成7]回転軸A方向は、流れ方向Xである。低圧側段部70のうち、低圧側フィン32のY2側の端部と対向方向Yに対向する部分(低圧側フィン対向部73)は、高圧側段部60のうち、高圧側フィン31のY2側の端部と対向する部分(高圧側フィン対向部63)よりも、回転軸Aに近い。
【0066】
上記[構成7]により、高圧側フィン31と高圧側フィン対向部63との間の空間の面積に比べ、低圧側フィン32と低圧側フィン対向部73との間の空間(漏れ流れf73が通る空間)の面積を、小さくできる。よって、ラビリンスシール30での流体の漏れ量を抑制できる。
【0067】
(第3実施形態)
図3を参照して、第3実施形態のラビリンスシール330について、主に第2実施形態(図2参照)との相違点を説明する。主な相違点は、高圧側回転軸平行部365および低圧側回転軸平行部375を備える点である。
【0068】
第2部材12は、第1部材11に対して、回転軸A方向(流れ方向X)に所定範囲内で移動(変位)可能である。第2部材12は、第1部材11に対して回転している時(稼働中)に、回転軸A方向に移動する。上記の所定範囲は、第1部材11に対して第2部材12を回転可能に支持する軸受(図示なし)の、回転軸A方向のクリアランス(隙間)の範囲である。高圧側段部60は、高圧側回転軸平行部365を備える。低圧側段部70は、低圧側回転軸平行部375を備える。
【0069】
高圧側回転軸平行部365は、第1部材11に対して第2部材12が回転軸A方向に所定範囲内で移動したとき(以下「第2部材12の変位時」)に、高圧側フィン先端部31tと高圧側段部60との間隔を一定(略一定を含む)に保つための部分である。高圧側回転軸平行部365は、第1部材11に対して第2部材12が最もX1側に配置された状態から、最もX2側に配置された状態まで、高圧側フィン先端部31tと高圧側回転軸平行部365との間隔が一定に保たれるように構成される。高圧側回転軸平行部365は、高圧側段部60のうち、第2部材12の変位時に高圧側フィン先端部31tと対向する部分(高圧側フィン対向部63)に配置される。高圧側回転軸平行部365の回転軸A方向における長さは、第1部材11に対して第2部材12が回転軸A方向に移動可能な長さ(所定範囲の長さ)よりも長くてもよい。高圧側回転軸平行部365は、高圧側段部60の少なくとも一部(図3では全体)に設けられる。高圧側回転軸平行部365は、回転軸Aと平行である(平行に延びる)。直交方向Zから見たとき、高圧側回転軸平行部365は、回転軸Aと平行な直線状であり、いわば平坦である(低圧側回転軸平行部375も同様)。高圧側回転軸平行部365は、第1部材11に対する第2部材12の移動方向ベクトルと平行に延びる(低圧側回転軸平行部375も同様)。
【0070】
低圧側回転軸平行部375は、第2部材12の変位時に、低圧側フィン先端部32tと低圧側段部70との間隔を一定(略一定を含む)に保つための部分である。低圧側回転軸平行部375は、第1部材11に対して第2部材12が最もX1側に配置された状態から、最もX2側に配置された状態まで、低圧側フィン先端部32tと低圧側回転軸平行部375との間隔が一定に保たれるように構成される。低圧側回転軸平行部375は、低圧側段部70のうち、第2部材12の変位時に低圧側フィン先端部32tと対向する部分(低圧側フィン対向部73)に配置される。低圧側回転軸平行部375の回転軸A方向における長さは、第1部材11に対して第2部材12が回転軸A方向に移動可能な長さ(所定範囲の長さ)よりも長くてもよい。低圧側回転軸平行部375は、低圧側段部70の少なくとも一部(図3では一部)に配置される。低圧側回転軸平行部375は、回転軸Aと平行である(平行に延びる)。
【0071】
(第4の発明の効果)
図3に示すラビリンスシール330による効果は次の通りである。回転軸A方向は、流れ方向Xである。第2部材12は、第1部材11に対して、回転軸A方向に所定範囲内で移動可能である。
【0072】
[構成4]高圧側段部60は、高圧側回転軸平行部365を備える。高圧側回転軸平行部365は、第1部材11に対して第2部材12が回転軸A方向に所定範囲内で移動したときに、高圧側フィン31のY2側の端部(高圧側フィン先端部31t)と対向する部分(高圧側フィン対向部63)に配置される。高圧側回転軸平行部365は、回転軸Aと平行である。低圧側段部70は、低圧側回転軸平行部375を備える。低圧側回転軸平行部375は、第1部材11に対して第2部材12が回転軸A方向に所定範囲内で移動したときに、低圧側フィン32のY2側の端部(低圧側フィン先端部32t)と対向する部分(低圧側フィン対向部73)に配置される。低圧側回転軸平行部375は、回転軸Aと平行である。
【0073】
上記[構成4]により、第1部材11に対して第2部材12が回転軸A方向に所定範囲内で移動したとき(第2部材12の変位時)に、高圧側フィン先端部31tと高圧側回転軸平行部365との対向方向Yにおける間隔を一定にできる。また、第2部材12の変位時に、低圧側フィン先端部32tと低圧側回転軸平行部375との対向方向Yにおける間隔を一定にできる。よって、第2部材12の変位時に、高圧側フィン先端部31tと高圧側回転軸平行部365との間を通る流入流れf63、および、低圧側フィン先端部32tと低圧側回転軸平行部375との間を通る漏れ流れf73の量を一定にしやすい。
【0074】
(第4実施形態)
図4を参照して、第4実施形態のラビリンスシール430について、主に第3実施形態(図3参照)との相違点を説明する。図3に示す例では、高圧側段部60は、高圧側回転軸平行部365を備えるが、図4に示す高圧側傾斜部61を備えなかった。一方、本実施形態では、高圧側段部60は、高圧側回転軸平行部365および高圧側傾斜部61を備える。高圧側傾斜部61は、高圧側回転軸平行部365よりも低圧側X2に配置され、傾斜部50よりも高圧側X1に配置される。
【0075】
(第5実施形態)
図5を参照して、第5実施形態のラビリンスシール530について、主に第3実施形態(図3参照)との相違点を説明する。相違点は、低圧側フィン532の構成である。
【0076】
低圧側フィン532では、低圧側フィン先端部32tは、低圧側フィン基端部32pよりも高圧側X1に配置される。低圧側フィン532の低圧側フィン側面532aのY2側端部は、低圧側フィン側面532aのY1側端部よりも、高圧側X1に配置される。例えば、低圧側フィン側面532aは、Y2側ほど高圧側X1に配置されるように、対向方向Yに対して傾斜する。低圧側フィン側面532aのうち、傾斜部50の頂点部50tの近傍から低圧側X2に流れる流体が当たる部分は、上記のように対向方向Yに対して傾斜する。例えば、低圧側フィン側面532aの全体が、上記のように対向方向Yに対して傾斜してもよい。
【0077】
(流体の流れ)
第3実施形態(図3参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点は次の通りである。傾斜部50の頂点部50tの近傍から低圧側X2に流れる流体は、低圧側フィン側面532aに当たる。このとき、低圧側フィン先端部32tは、低圧側フィン基端部32pよりも高圧側X1に配置されるので、この流体は、Y2側よりもY1側に流れやすい。また、低圧側フィン側面532aは、Y2側ほど高圧側X1に配置されるように、対向方向Yに対して傾斜しているので、この流体は、Y2側よりもY1側に流れやすい。よって、渦V1の流量および流速を増やすことができ、また、渦V1から漏れ流れf73に分岐する流体の流量を減らせる。
【0078】
図5に示すラビリンスシール530による効果は次の通りである。
【0079】
(第8の発明の効果)
[構成8]低圧側フィン532のY2側の端部(低圧側フィン先端部32t)は、低圧側フィン532のY1側の端部(低圧側フィン基端部32p)よりも高圧側X1に配置される。
【0080】
上記[構成8]により、低圧側フィン532に向かって低圧側X2に流れる流体が、Y1側に流れやすい。よって、渦V1の流量および流速をより増やすことができ、渦V1による流体間摩擦をより増やすことができ、流体のエネルギー損失をより増やすことができる。よって、ラビリンスシール530での流体の漏れ量をより抑制できる。また、低圧側フィン532に向かって低圧側X2に流れる流体が、Y2側に流れにくい。よって、低圧側フィン先端部32tと低圧側段部70との間から流体が漏れにくい(漏れ流れf73を減らせる)。よって、ラビリンスシール530での流体の漏れ量をより抑制できる。
【0081】
(第6実施形態)
図6を参照して、第6実施形態のラビリンスシール構造620について、上記の各実施形態との相違点を説明する。ラビリンスシール構造620は、ラビリンスシール630が、流れ方向Xに連続して配置されたものである。
【0082】
複数のラビリンスシール630のそれぞれは、第1〜第5実施形態、および、後述する第7〜第8実施形態のいずれかのラビリンスシールである。例えば、図6に示す例では、4つのラビリンスシール630のそれぞれの構造は、図5に示す第5実施形態のラビリンスシール530の構造とほぼ同じである。
【0083】
図6に示すように、流れ方向Xに隣り合うラビリンスシール630のうち、高圧側X1に配置されるものをラビリンスシール630−1、低圧側X2に配置されるものをラビリンスシール630−2とする。高圧側X1のラビリンスシール630−1の低圧側フィン532は、低圧側X2のラビリンスシール630−2の高圧側フィン31と兼用される。高圧側X1のラビリンスシール630−1の低圧側段部70(図では低圧側回転軸平行部375)は、低圧側X2のラビリンスシール630−2の高圧側段部60(図では高圧側回転軸平行部365)と連続する。高圧側X1のラビリンスシール630−1の面40は、低圧側X2のラビリンスシール630の面40に対してY1側に配置される。その結果、第1部材11のY2側部分は、階段状である。なお、第1部材11は、階段状でなくてもよい。各ラビリンスシール630において、低圧側段部70の大部分は、高圧側段部60よりもY2側に配置される。その結果、第2部材12のY1側部分は、略階段状である。回転軸Ax(図5参照)が第2部材12の内側に配置される場合、低圧側フィン対向部73の径は、低圧側X2ほど小さい。よって、低圧側X2ほど、漏れ流れf73(図5参照)が通る空間の面積が小さくなり、漏れ流れf73を減らすことができる。
【0084】
図6に示すラビリンスシール構造620による効果は次の通りである。
【0085】
(第11の発明の効果)
[構成11]ラビリンスシール構造620は、ラビリンスシール630が流れ方向Xに連続して配置されたものである。
【0086】
上記[構成11]により、ラビリンスシール630が1つのみ設けられる場合に比べ、ラビリンスシール構造620での流体の流路を長くできる。よって、流体のエネルギー損失(摩擦損失)を増やすことができる。よって、ラビリンスシール構造620での流体の漏れ量を抑制できる。
【0087】
(第7実施形態)
図7を参照して、第7実施形態のラビリンスシール730について、主に第5実施形態(図5参照)との相違点を説明する。相違点は、低圧側フィン732などの形状である。
【0088】
低圧側フィン732の低圧側フィン側面732aは、直交方向Zから見たとき、低圧側X2およびY2側に凸の弧状である。上記「弧状」は、円弧状でもよく、略円弧状でもよく、楕円弧状でもよく、略楕円弧状でもよい(他の「弧状」についても同様)。直交方向Zから見たとき、低圧側フィン側面732aの、一部が弧状でもよく、全体が弧状でもよい。直交方向Zから見たとき、低圧側フィン732は、低圧側X2およびY2側に凸の弧状である。
【0089】
なお、図7では、ラビリンスシール730が流れ方向Xに連続する場合を図示した。その結果、高圧側フィン31は、低圧側フィン732と同じ形状(弧状)である。高圧側フィン31の形状は、低圧側フィン732の形状と相違してもよい(以下の実施形態も同様)。
【0090】
(流体の流れ)
第5実施形態(図5参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点は次の通りである。渦V1は、低圧側フィン側面732aに沿って流れる。直交方向Zから見たとき、図5に示すように低圧側フィン側面532aが直線状の場合に比べ、図7に示す低圧側フィン側面732aは、渦V1の流れに沿った形状である。よって、渦V1の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V1による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失を増やすことができる。よって、ラビリンスシール730での流体の漏れ量をより抑制できる。
【0091】
(第8実施形態)
図8を参照して、第8実施形態のラビリンスシール830について、主に第5実施形態との相違点を説明する。相違点は、第1部材11の面840の形状である。
【0092】
面840は、直交方向Zから見たとき、弧状である(「弧状」の詳細は第7実施形態の説明を参照)。面840は、Y1側に凸の弧状である。
【0093】
(流体の流れ)
第5実施形態(図5参照)での流体の流れに対する、本実施形態での流体の流れの相違点は次の通りである。渦V1は、面840に沿って流れる。直交方向Zから見たとき、図5に示すように面40が直線状の場合に比べ、図5に示す面840は、渦V1の流れに沿った形状である。よって、渦V1の流量および流速を増やすことができる。よって、渦V1による流体間摩擦を増やすことができ、流体のエネルギー損失を増やすことができる。よって、ラビリンスシール830での流体の漏れ量をより抑制できる。
【0094】
なお、直交方向Zから見たとき、面840は、Y2側に凸の弧状でもよい。
【0095】
(漏れ量の比較)
図9に示す例1のラビリンスシール構造920、および、図11に示す例2について、流体の漏れ量を比較した。例1および例2では、回転軸A(図4などを参照)の方向は、流れ方向Xである。
【0096】
図9に示すように、例1のラビリンスシール構造920は、ラビリンスシール930が流れ方向Xに連続して配置されたものである。図4に示す第4実施形態のラビリンスシール430に対する、図9に示すラビリンスシール930の相違点は次の通りである。高圧側フィン931および低圧側フィン932のそれぞれは、Y2側ほど高圧側X1に配置されるように対向方向Yに対して傾斜する。高圧側フィン931および低圧側フィン932のそれぞれの厚さは、先端側(Y2側)ほど薄くなる。面40は、低圧側X2ほどY2側に配置されるように、流れ方向Xに対して傾斜する。
【0097】
図11に示すように、例2(比較例)の構造B20は、構造B30が流れ方向Xに連続して配置されたものである。構造B30の、図3に示すラビリンスシール330との相違点は次の通りである。構造B30は、傾斜部50を備えず、段差部1050を備える。構造B30では、高圧側段部1060および低圧側段部1070のそれぞれは、流れ方向Xに平行である。低圧側段部1070は、高圧側段部1060よりもY2側に配置される。
【0098】
図10に結果を示す。図10に示すグラフでは、漏れ量(質量流量)を無次元化した。具体的には、例2(図11参照)における漏れ量を1とした。例2に比べ、例1(図9参照)では、漏れ量を13%低減できた。
【0099】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、互いに異なる実施形態の構成要素どうしが組み合わされてもよい。例えば、各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。
【0100】
例えば、図8に示す第8実施形態の、直交方向Zから見て弧状の面840が、第1〜第4、第6、および第7実施形態に適用されてもよい。例えば、図6に示す、ラビリンスシール構造620を構成する、複数のラビリンスシール630の構造は、相違してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 回転機械
11 第1部材
12 第2部材
15 隙間
30、230、330、430、530、630、630−1、630−2、730、830、930 ラビリンスシール
31、931 高圧側フィン
32、532、732、932 低圧側フィン
40、840 面
50 傾斜部
60 高圧側段部
61 高圧側傾斜部
70 低圧側段部
71 低圧側傾斜部
365 高圧側回転軸平行部
375 低圧側回転軸平行部
620、920 ラビリンスシール構造
A、Ax、Ay 回転軸
X 流れ方向
Y 対向方向
Y1 対向方向第1側
Y2 対向方向第2側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11