【文献】
Samanta, Srikanta et al.,Ni(II)-salt catalyzed activation of primary amine-sp3Cα-H and cyclization with 1,2-diketone to tetrasubstituted imidazoles,Chemical Communications,2014年,50(19),PP.2477-2480
【文献】
Acke, Davy R. J. et al.,Continuous synthesis of tri- and tetrasubstituted imidazoles via a multicomponent reaction under microreactor conditions,QSAR & Combinatorial Science,2006年,25(5-6),PP.474-483
【文献】
Gelens, E. et al.,Efficient library synthesis of imidazoles using a multicomponent reaction and microwave irradiation,Molecular Diversity,2006年,10(1),PP.17-22
【文献】
Keivanloo, Ali et al.,Boehmite nanoparticles, an efficient green catalyst for the multi-component synthesis of highly substituted imidazoles,Applied Catalysis, A: General,2013年,467,PP.291-300
【文献】
Peppel, Tim et al.,Synthesis, Properties, and Structures of Salts with the Reineckate Anion,[CrIII(NCS)4(NH3)2]-, and Large Organic Cations,Zeitschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie,2011年,637(10),PP.1314-1321
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0008】
簡潔に言うと、本発明は、燃料電池動作条件下での安定性を高める部分の必要性を満たすものである。本発明は、前記で議論した技術の1つ以上の問題及び欠点に対処することができる。しかしながら、本発明は、多くの技術分野における他の問題及び欠点に対処する上で有用であることが証明され得ると考えられる。従って、本発明は、必ずしも本明細書で説明した特定の問題または欠点のいずれかに対処することに限定されると解釈されるべきではない。
【0009】
現在開示されているイミダゾール及びイミダゾリウムカチオン、イミダゾリウムカチオンを組み込んだポリマー、ならびにそれらを含む物品及び関連する方法、の特定の実施形態は、いくつかの特徴を有するが、そのうちの一つだけがそれらの望ましい属性の責任を負うものではない。以下の説明及び特許請求の範囲によって定義される本発明の化合物、ポリマー、物品、及び方法の範囲を限定することなく、それらのより顕著な特徴をここで簡単に議論する。この議論を考慮した後、特に「発明の詳細な説明」と題する本明細書のセクションを読んだ後で、本明細書に開示された様々な実施形態の特徴が現在の技術水準を超える多くの利点をいかにして提供しているかを理解するであろう。これらの利点には、製造、及び/または化合物をポリマーに取り組むことが容易であり、水酸化物もしくはメトキシドによる求核性もしくは塩基性攻撃による分解に対して耐性であり、及び/または燃料電池装置において良好な導電性及び安定性を維持することができるイミダゾール及びイミダゾリウムカチオン(及びイミダゾリウムカチオンを組み込んだポリマー)を提供することが含まれるが、限定されるものではない。
【0010】
塩基性条件下で安定なイミダゾール化合物及び/またはイミダゾリウムカチオンは、限定されないが、有機触媒、太陽電池電解質、相転移触媒等の多くの用途で、炭素材料前駆体として、OLED(有機発光ダイオード)、イオン性液体及び助触媒として、極めて重要である。一般に、本発明の化合物及びポリマーは、塩基安定性有機カチオン及びその前駆体が必要とされるかまたは有益である場合に有用である。さらに、本発明のイミダゾール及びイミダゾリウムカチオンの実施形態は、限定されるものではないが、開環メタセシス(ROMP)、制御されたラジカル重合及び官能化α-オレフィンの重合を含むいくつかの重合技術を用いて、ポリマー構造に容易に組み込むことができる。イミダゾール化合物はまた、ポリマー中に存在する求電子部位と反応することによって予備形成されたポリマーに結合してもよい。骨格に付加された塩基安定性カチオンを有するポリマーは、燃料電池膜電解質、電気分解、ガス分離、脱塩、アニオン交換樹脂、核廃棄物修復、及び刺激応答材料等の用途に需要がある。本発明のポリマーは、塩基安定性カチオンを含有するポリマーが現在使用されているところであればどこでも有用であり得る。
【0011】
一態様では、本発明は、式(I)または(II):
【化1】
[但し、
R
1は、C
2〜C
16ヒドロカルビルから選択され、このC
2〜C
16ヒドロカルビルの1つの炭素原子は、任意にOで置換されていてもよく;
R
2は、C
1〜C
3アルキルから個々に選択される0〜3個の置換基R
6で置換されたフェニルであり;
R
3は、C
2〜C
16ヒドロカルビルから選択され;
R
4及びR
5は、C
1〜C
16ヒドロカルビルから個々に選択されるか、または統合されたR
4及びR
5が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ベンゼン、シクロオクテン及びノルボルネンから選択される環を形成し;そして
X
−は対イオンである。]
で表される化合物の化合物を提供する。
【0012】
第2の態様において、本発明は、式(III’):
【化2】
[但し、
R
2’は、C
1〜C
6アルキル及びR
2から選択され;
R
2は、C
1〜C
3アルキルから個別に選択される0〜3個の置換基R
6で置換されたフェニルであり;
R
3’は、水素、メチル及びR
3から選択され;
R
3はC
2〜C
16ヒドロカルビルから選択され;
R
4及びR
5は、C
1〜C
16ヒドロカルビルから個々に選択されるか、または統合されたR
4及びR
5が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ベンゼン、シクロオクテン及びノルボルネンから選択される環を形成し;
X
−は対イオンであり、
波線は、隣接するポリマーの繰り返し単位との結合点を示し;
Wは直接結合またはC
1〜C
10ヒドロカルビルであり;
Yは直接結合またはC
1〜C
10ヒドロカルビルであり;そして
Zは、直接結合またはC
1〜C
13ヒドロカルビルであり、このC
1〜C
13ヒドロカルビルの1個の炭素原子は、Oで任意に置換されていてもよく;
且つ、W、Y及びZの炭素原子の合計が1〜15である。]
の複数のイミダゾリウム含有繰り返し単位を含むポリマーを提供する。
【0013】
第3の態様において、本発明は、本発明の第2の態様によるポリマーを含む膜を提供する。
【0014】
第4の態様では、本発明は、本発明の第2の態様によるポリマーまたは本発明の第3の態様による膜を含む装置を提供する。
【0015】
第5の態様において、本発明は、化合物の安定性を決定する方法を提供し、前記方法は:
塩基性メタノール−d
3(KOH/CD
3OH)中の化合物の溶液を調製すること;
溶液を貯蔵すること;そして
内部標準と比較して残っている化合物の量を
1H NMR分光法によって溶液を分析すること
を含んでいる。
【0016】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と関連して記載された本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0017】
本発明の態様及び特定の特徴、利点、及びその詳細は、本明細書で説明した非限定的な実施形態に準拠して、以下により十分に説明される。周知の材料、製造ツール、加工技術等の説明は、本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないために省略されている。しかしながら、詳細な説明及び特定の実施例は、本発明の実施形態を示しているが、例示のみのためのものであり、限定されるものではないことを理解されるべきである。本発明の概念に基づく主旨及び/または範囲の中での様々な置換、変更、追加及び/または配置は、この開示から当業者には明らかであろう。
【0018】
本発明は、イミダゾール及びイミダゾリウム化合物(イミダゾリウムモノマーを含む)、ならびにイミダゾリウム官能基(本発明のイミダゾリウム化合物の残基を含む)を含むポリマーを提供する。それは、化合物及びポリマーの製造方法も提供する。本発明の化合物は、本発明のポリマーの前駆体として、及び例えば膜(例えば、燃料電池アルカリ陰イオン交換膜)において使用され得る本発明のポリマーの安定性の予測指標として使用される。ポリマーはまた、電気分解、ガス分離、脱塩等の他の用途に、及び刺激応答性材料としても有用である。
【0019】
文脈で特に示さない限り、本発明で議論される式(I)、(II)、(III’)または(III)(例えば、R
1〜R
6、X、W、Y及びZについて)に関して論じた一般的定義は、本明細書(本発明の使用、方法及び他の態様を含む)で定義される他のすべての部分式サブグループ、好ましい態様、実施形態及び実施例への言及にまで及ぶ。
【0020】
本明細書で使用される接頭辞「C
x−C
y」または「C
x〜y」(但し、x及びyは整数である)は、所与の基における炭素原子の数を指す。従って、例えば、C
1−C
6アルキル(またはC
1〜6アルキル)基は、1〜6個の炭素原子を含む。
【0021】
用語「ヒドロカルビル」は、特段の記載がない限り、全炭素骨格を有する脂肪族、脂環式及び芳香族基を包含する総称である。炭化水素とは、唯一の元素成分として水素と炭素からなる任意の置換基をいう。ある場合には、本明細書で定義されるように、炭素骨格を構成する1つ以上の炭素原子は、特定の原子で置き換えられてもよい。ヒドロカルビル基の例としては、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、及び炭素環式アラルキル、アラルケニル及びアラルキニル基(ならびにアルキルアラルキル等)を挙げることができる。このような基は、置換されていなくてもよく、言及されている場合には、本明細書で定義された1つ以上の置換基で置換されていてもよい。以下に示す実施例及び好ましい態様は、文脈に特段の指示がない限り、本明細書で論じられる化合物及びポリマーの置換基の様々な定義において言及されるヒドロカルビル置換基またはヒドロカルビル含有置換基のそれぞれに適用される。
【0022】
所与のヒドロカルビル基中の炭素原子の数は、一般に、接頭辞「C
x−C
y」(「C
x〜y」も使用することができる)を用いて示される。例えば、本明細書で論じるC
1〜C
16ヒドロカルビル基(すなわち、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
7、C
8、C
9、C
10、C
11、C
12、C
13、C
14、C
15またはC
16ヒドロカルビル基)及びそのサブグループ(例えば、C
2〜C
16ヒドロカルビル)である。ヒドロカルビルのサブセット内では、特定の例として、C
1〜10ヒドロカルビル基、C
2−10ヒドロカルビル基、C
1〜7ヒドロカルビル基(例えば、C
1〜4ヒドロカルビル基(例えば、C
1〜3ヒドロカルビル基またはC
1〜2ヒドロカルビル基))、及びC
2〜7ヒドロカルビル基(例えば、C
2〜6ヒドロカルビル基(例えばC
2〜4ヒドロカルビル基またはC
2〜3ヒドロカルビル基))が挙げられる。
【0023】
本明細書において基または基の一部として使用される用語「アルキル」は、指定された数の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和炭化水素基を指す。このような基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルまたはヘキシル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
「アルケニル」基は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖状または分岐状の不飽和炭化水素基を指す。
【0025】
「アルキニル」基は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖状または分枝状の不飽和炭化水素基を指す。
【0026】
本明細書で使用する用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、インデニル及びテトラヒドロナフチル基等のカルボシクリル芳香族基を指す。
【0027】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、指定された数の炭素原子を有する飽和単環式炭化水素環を指す。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル等が挙げられる。
【0028】
本明細書で使用される用語「シクロアルケニル」は、炭素炭素二重結合を有する単環式炭化水素環を指す。
【0029】
シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、炭素環式アラルキル、アラルケニル及びアラルキニル基の例としては、フェネチル、ベンジル、スチリル、フェニルエチニル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルメチル及びシクロペンテニルメチル基が挙げられる。
【0030】
一態様において、本発明は、式(I)または(II):
【化3】
[但し、
R
1は、C
2〜C
16ヒドロカルビルから選択され、このC
2〜C
16ヒドロカルビルの1つの炭素原子は、任意にOで置換されていてもよく;
R
2は、C
1〜C
3アルキルから個々に選択される0〜3個の置換基R
6で置換されたフェニルであり;
R
3は、C
2〜C
16ヒドロカルビルから選択され;
R
4及びR
5は、C
1〜C
16ヒドロカルビルから個々に選択されるか、または統合されたR
4及びR
5が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ベンゼン、シクロオクテン及びノルボルネンから選択される環を形成し;そして
X
−は対イオンである。]
で表される化合物の化合物を提供する。
【0031】
上記に示すように、式(I)の化合物はイミダゾール化合物(R
1は存在しない)であり、式(II)の化合物は正に荷電したイミダゾリウムカチオンである。
【0032】
R
1は、C
2〜C
16ヒドロカルビル(すなわち、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
7、C
8、C
9、C
10、C
11、C
12、C
13、C
14、C
15またはC
16ヒドロカルビル)から選択され、C
2〜C
16ヒドロカルビルの1つの炭素原子(及びその炭素原子に結合した複数の水素原子)は、酸素(O)で置換されていてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、R
1は、C
2〜C
16ヒドロカルビル(炭素原子がOで置き換えられていない)から選択される。
【0034】
いくつかの実施形態では、R
1は、イミダゾール環の1位の窒素とR
1との結合点にない1つの炭素原子がOで置換されているC
2〜C
16ヒドロカルビル(またはその任意のサブグループ)から選択される。
【0035】
いくつかの実施形態では、R
1は、C
2〜C
12ヒドロカルビルの1つの炭素原子が任意にOで置換されていてもよいC
2−C
12ヒドロカルビルから選択される。
【0036】
いくつかの実施形態では、R
1は、C
2〜C
10ヒドロカルビルの1つの炭素原子が任意にOで置換されていてもよいC
2−C
10ヒドロカルビルから選択される。
【0037】
いくつかの実施形態では、R
1は、C
2〜C
7ヒドロカルビルの1つの炭素原子が任意にOで置換されていてもよいC
2−C
7ヒドロカルビルから選択される。
【0038】
いくつかの実施形態では、R
1は、C
2〜C
4ヒドロカルビルの1個の炭素原子が任意にOで置換されていてもよいC
2〜C
4ヒドロカルビルから選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、R
1は、C
2〜C
8アルキルの1個の炭素原子が任意にOで置換されていてもよいC
2−C
8アルキルから選択される。
【0040】
いくつかの実施形態では、R
1は、C
2〜C
6アルキルの1個の炭素原子が任意にOで置換されていてもよいC
2−C
6アルキルから選択される。
【0041】
いくつかの実施形態において、R
1は、1個の炭素原子が任意にOで置換されていてもよい、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル及びヘキシルから選択される。
【0042】
いくつかの実施形態において、R
1は、アルキルアラルキル基の1つの炭素原子が任意にOで置き換えられてもよいアルキルアラルキル基である。例えば、いくつかの実施形態において、R
1は、H(CH
2)
p−(Ph)
q−(CH
2)
r−
*(式中、
*はイミダゾールの1位の窒素への結合点を表し、pが1〜6であり、qは0または1であり;rは1〜6であり、且つR
1中の炭素原子の総数は2〜16であり、且つ1個の炭素原子は任意にOで置き換えられていてもよい。)である。本明細書で使用する略語「Ph」はフェニルを表す。
【0043】
いくつかの実施形態では、R
1は、H(CH
2)
p−(Ph)
q−(CH
2)
r−
*(式中、
*はイミダゾールの1位の窒素への結合点を表し、pが1〜6であり、qは0または1であり;rは1〜6であり、且つR
1中の炭素原子の総数は2〜16であり、且つ(CH
2)
pの1個の炭素原子は任意にOで置き換えられていてもよい。)である。
【0044】
いくつかの実施形態では、R
1が、
【化4】
[但し、
*は、イミダゾリウム環の1位の窒素原子への結合点を表し;
mは0または1であり;そして
nは1〜8であり、
且つ、m+nの合計は8を超えない。]
である。これらの実施形態(及びR
1中に他の歪んだシクロオレフィン環を有する他の実施形態)は、以下に議論するように、イミダゾリウムカチオンをポリマーに組み込むために用いることができる1つの技術である開環メタセシス重合(ROMP)において特定の用途が見出される。
【0045】
いくつかの実施形態では、R
1はベンジルである。
【0046】
いくつかの実施形態では、R
1はベンジルではない。
【0047】
R
2は、0〜3個の置換基R
6で置換されたフェニル(すなわち、R
6で0、1、2、または3回置換されている)である。各R
6(存在する場合)は、C
1〜C
3アルキルから個々に選択される。
【0048】
出願人は、R
2にフェニル基を含むイミダゾリウムカチオン化合物がアルキル基を有するものよりも良好な塩基安定性を有することを発見した。この観察は、Lin et al.,Chem.Mater.,25,1858(2013)(ここでアルキル置換基はフェニル基に比べて安定性が改善されている)で観察される傾向とは対照的である。
【0049】
いくつかの実施形態では、R
2は非置換フェニルである。
【0050】
いくつかの実施形態において、R
2は、R
6で1〜3回置換され、各R
6は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルから個々に選択される。
【0051】
いくつかの態様において、R
2が式(R
2a):
【化5】
[但し、
【化6】
は、イミダゾールまたはイミダゾリウム環への結合点を表し、
R
6a、R
6b及びR
6cは、水素及びC
1〜C
3アルキルから個々に選択される。]
で表される部分である。
【0052】
いくつかの実施形態において、R
6a、R
6b及びR
6cの少なくとも2つは、メチル及びイソプロピルから個々に選択される。
【0053】
R
3は、C
2〜C
16ヒドロカルビル(すなわち、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
7、C
8、C
9、C
10、C
11、C
12、C
13、C
14、C
15またはC
16ヒドロカルビル)から選択される。
【0054】
いくつかの実施形態において、R
3はC
2〜C
12ヒドロカルビルから選択される。
【0055】
いくつかの実施形態において、R
3はC
2〜C
10ヒドロカルビルから選択される。
【0056】
いくつかの実施形態において、R
3はC
2〜C
7ヒドロカルビルから選択される。
【0057】
いくつかの実施形態において、R
3はC
2〜C
4ヒドロカルビルから選択される。
【0058】
いくつかの実施形態において、R
3はC
2〜C
8アルキルから選択される。
【0059】
いくつかの実施形態において、R
3はC
2〜C
6アルキルから選択される。
【0060】
いくつかの実施形態では、R
3は、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル及びヘキシルから選択される。
【0061】
いくつかの実施形態では、R
3はベンジルである。
【0062】
いくつかの実施形態では、R
3はベンジルではない。
【0063】
R
4及びR
5は、個々にC
1〜C
16ヒドロカルビルから選択され、または統合されたR
4及びR
5が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ベンゼン、シクロオクテン及びノルボルネンから選択される環を形成する。
【0064】
いくつかの実施形態では、R
4及びR
5は、個々にC
1〜C
12ヒドロカルビルから選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、R
4及びR
5は、個々にC
1〜C
10ヒドロカルビルから選択される。
【0066】
いくつかの実施形態では、R
4及びR
5は、個々にC
1〜C
7ヒドロカルビルから選択される。
【0067】
いくつかの実施形態では、R
4及びR
5は、個々にC
1〜C
4ヒドロカルビルから選択される。
【0068】
いくつかの実施形態では、R
4及びR
5は、個々にC
1〜C
8アルキルから選択される。
【0069】
いくつかの実施形態では、R
4及びR
5は、個々にC
1〜C
6アルキルから選択される。
【0070】
いくつかの実施形態では、R
4及びR
5は、個々にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル及びヘキシルから選択される。
【0071】
いくつかの実施形態では、R
4及びR
5は、C
1〜C
6アルキル及びC
1〜C
3アルキルで任意に置換されていてもよいフェニルから個々に選択される。
【0073】
いくつかの実施形態において、X
−は、水酸化物、ハロゲン化物、重炭酸塩、炭酸塩、硝酸塩、シアン化物、カルボン酸塩及びアルコキシドから選択される。
【0074】
特定の実施形態では、X
−は、水酸化物である。
【0075】
いくつかの実施形態において、X
−は、フッ化物(F
−)、塩化物(Cl
−)、臭化物(Br
−)及びヨウ化物(I
−)から選択されるハロゲン化物である。
【0076】
いくつかの実施形態において、R
1〜R
6における炭素原子の総数は、10より大きいか、10と等しい。
【0077】
いくつかの実施形態では、R
1〜R
6における炭素原子の総数は、10〜60(すなわち、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60炭素原子)であり、この範囲の任意の範囲及びすべての範囲、ならびにこの範囲の部分的範囲(例えば、10〜50、15〜45、18〜45等)を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、本発明は、R
3がC
2〜C
12ヒドロカルビルから選択される式(I)の化合物、またはR
1及びR
3が独立してC
2〜C
12ヒドロカルビルから選択される式(II)の化合物を提供する。
【0079】
いくつかの実施形態において、本発明は、R
3がC
2〜C
7ヒドロカルビルから選択される式(I)の化合物、またはR
1及びR
3が独立してC
2〜C
7ヒドロカルビルから選択される式(II)の化合物を提供する。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明は、R
3がC
2〜C
4アルキルおよび及びベンジルから選択される式(I)の化合物、またはR
1および及びR
3が独立してC
2〜C
4アルキルおよび及びベンジルから選択される式(II)の化合物を提供する。
【0081】
いくつかの実施形態において、本発明は、R
4及びR
5がフェニル及びC
1〜C
3アルキルから個々に選択される化合物を提供する。
【0082】
いくつかの実施形態では、本発明は、R
2が上記に示される部分R
2aである化合物であり、この化合物が:
式(I)の化合物(但し、R
3はn−ブチルであり;R
6a及びR
6cがメチルであり、R
6bが水素であり;R
4及びR
5が独立してフェニル及びメチルから選択される);または
式(II)の化合物(但し、R
1及びR
3はそれぞれn−ブチルであり;R
6a及びR
6cがメチルであり、R
6bが水素であり;R
4及びR
5が独立してフェニル及びメチルから選択される)である。
【0083】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(II)の化合物であって、この化合物が、例えば、式(IIA)、(IIB)または(IIC):
【化7】
のモノマーである当該化合物を提供する。
【0084】
いくつかの実施形態において、本発明は、改善されたアルカリ安定性を有する化合物を提供する。上述のように、塩基性条件下で安定なイミダゾール化合物及び/またはイミダゾリウムカチオン(及びそのような化合物を含むポリマー)は、様々な用途に極めて重要である。
【0085】
いくつかの実施形態では、本発明は、80℃で5M KOH/CD
3OH中で30日後に75%〜100%の残存カチオンとのアルカリ安定性を有する化合物を提供する(上記75%〜100%は、この範囲の任意の範囲及びすべての範囲、ならびにこの範囲の部分的範囲、例えば80%〜100%、85%〜100%、90%〜100%、95%〜100%等、を含む)。前記安定性は、塩基性メタノール−d
3(KOH/CD
3OH)中のカチオンの溶液を調製することによって決定され、80℃でフレームシールされたNMR管に保存される。均一な時間間隔で、溶液を、1
H NMR分光法によって、内部標準に比較して残っているカチオンの量について分析する。CD
3OHの使用は、カチオンシグナル(分解に関係しない)の減少をもたらし、新規産物シグナルを不明瞭にする水素/重水素交換プロセスを排除する。カチオン分解経路の重要な側面は、分解を防ぐために戦略的に配置された置換基を有する新規イミダゾリウムの設計を容易にする、この新しいプロトコルで明らかになった。
【0086】
いくつかの実施形態では、本発明は、80℃で5M KOH/CD
3OHで30日後に80%以上(例えば、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%)の残留カチオンのアルカリ安定性を有する化合物を提供する。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(I):
【化8】
(但し、R
2〜R
6及びX
−は上記のように定義される。)
の化合物を提供する。
【0088】
以下に論じるように、式(I)の化合物は、本発明の第2の態様によるポリマーの調製における中間体として有用である(後述)。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(II):
【化9】
(但し、R
1〜R
6及びX
−は上記のように定義される。)
の化合物を提供する。
【0090】
式(II)の化合物はまた、その残基を本発明の第2の態様によるポリマーに組み込む場合に有用である(以下に論述する)ことに加えて、本発明の第2の態様によるポリマーの安定性を評価するための予測ツールとしても有用であり、また有機触媒、太陽電池電解質、相間移動触媒、及び炭素材料前駆体等の種々の他の用途に有用である。
【0091】
式(I)のイミダゾール化合物は、容易に改変された置換基を有するモジュラールートによって調製することができ、容易にイミダゾリウムカチオンに変換することができるので、合成が容易な有機化合物のクラスである(例えば、アルキル化による式(II)の合成)。
【0092】
イミダゾール及びイミダゾリウム化合物を合成する方法は、当技術分野において周知である。いくつかの実施形態において、式(I)または式(II)の化合物は、以下のスキーム1:
【化10】
に示すように合成される。
【0093】
第2の態様において、本発明は、式(III’):
【化11】
[但し、
R
2’は、C
1〜C
6アルキル及びR
2から選択され;
R
2は、C
1〜C
3アルキルから個々に選択される0〜3個の置換基R
6で置換されたフェニルであり;
R
3’は、水素、メチル及びR
3から選択され;
R
3はC
2〜C
16ヒドロカルビルから選択され;
R
4及びR
5は、C
1〜C
16ヒドロカルビルから個々に選択されるか、または統合されたR
4及びR
5が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ベンゼン、シクロオクテン及びノルボルネンから選択される環を形成し;
X
−は対イオンであり、
波線は、隣接するポリマーの繰り返し単位との結合点を示し;
Wは直接結合またはC
1〜C
10ヒドロカルビルであり;
Yは直接結合またはC
1〜C
10ヒドロカルビルであり;そして
Zは、直接結合またはC
1〜C
13ヒドロカルビルであり、このC
1〜C
13ヒドロカルビルの1個の炭素原子は、Oで任意に置換されていてもよく;
且つ、W、Y及びZの炭素原子の合計が1〜15である。]
で表される複数のイミダゾリウム含有繰り返し単位(IRU)を含むポリマーを提供する。
【0094】
本明細書に記載のポリマーは、イミダゾリウム部分を含む。これらのイミダゾリウムカチオンは、燃料電池動作条件下で急速に劣化させ、それらの有用性を制限し、AAEM安定性の改善を重要な優先事項としている、他の(例えば、アンモニウム)カチオンと比較して、燃料電池動作条件下で向上した安定性をもたらすので、このポリマーは、アルカリアニオン交換膜(AAEM)として使用するのがとりわけ望ましい。燃料電池は、本明細書に記載の膜を当該技術分野のアニオン交換膜と置き換えることができる当該技術分野の周知の方法によって構築される。
【0095】
本発明の第2の態様によるポリマーの場合、R
2〜R
6は、本発明の第1の態様の様々な実施形態に関して上記で定義された通りである。
【0096】
Wは、直接結合またはC
1〜C
10ヒドロカルビルである。
【0097】
いくつかの実施形態において、Wは、直接結合または(C
1〜C
10)アルキレン(すなわち、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
7、C
8、C
9またはC
10アルキレン)である。当業者に理解されるように、アルキレンは、二価のアルキル基を指し;一例は、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−である。
【0098】
Yは、直接結合またはC
1−C
10ヒドロカルビルである。
【0099】
いくつかの実施形態では、Yは直接結合または(C
1〜C
10)アルキレン(すなわち、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
7、C
8、C
9またはC
10アルキレン)である。
【0100】
いくつかの実施形態では、Wは(CH
2)
1−5であり、Yは(CH
2)
1−5である。
【0101】
Zは、直接結合またはC
1〜C
13ヒドロカルビルであり、且つC
1〜C
13ヒドロカルビルの1個の炭素原子は、任意にOで置換されていてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、Zはフェニレン部分を含む。フェニレンは、2価フェニル
【化12】
を指す。
【0103】
いくつかの実施形態では、本発明のポリマーは、式(I)もしくは(II)の化合物またはその残基を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、式(III’)の本発明のポリマーは、式(III):
【化13】
によるポリマーである
【0105】
いくつかの実施形態において、本発明のポリマーは、式(IIIA’):
【化14】
[但し、
mは0または1であり;そして
Z
1aはC
1〜C
13ヒドロカルビルである。]
の複数のイミダゾリウム含有繰り返し単位を含む。
【0106】
いくつかの実施形態において、本発明のポリマーは、式(IIIA):
【化15】
[但し、
mは0または1であり;そして
Z
1aはC
1〜C
13ヒドロカルビルである。]
のイミダゾリウム含有繰り返し単位を含む。
【0107】
式(IIIA’)または(IIIA)のイミダゾリウム含有繰り返し単位を含むポリマーのいくつかの実施形態において、mは0である。
【0108】
式(IIIA’)または(IIIA)のイミダゾリウム含有繰り返し単位を含むポリマーのいくつかの実施形態において、mは1である。
【0109】
式(IIIA’)または(IIIA)のイミダゾリウム含有繰り返し単位を含むポリマーのいくつかの実施形態では、Z
1aはC
1〜C
10ヒドロカルビルである。
【0110】
式(IIIA’)または(IIIA)のイミダゾリウム含有繰り返し単位を含むポリマーのいくつかの実施形態では、Z
1aはC
1〜C
8ヒドロカルビルである。
【0111】
式(IIIA’)または(IIIA)のイミダゾリウム含有繰り返し単位を含むポリマーのいくつかの実施形態では、Z
1aが−(CH
2)
p−(Ph)
q−(CH
2)
r−であり、且つpが1〜6であり、qは0または1であり;rは1〜6である。いくつかの実施形態では、pが1〜2であり、qは0または1であり、rは1〜2である。
【0112】
いくつかの実施形態において、本発明のポリマーは、式(IIIB’):
【化16】
[但し、
mは0または1であり;
nは1〜8である。]
で表されるイミダゾリウム含有繰り返し単位を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、本発明のポリマーは、式(IIIB):
【化17】
[但し、
mは0または1であり;
nは1〜8である。]
で表されるイミダゾリウム含有繰り返し単位を含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリオレフィンまたはポリスチレン骨格を含む。
【0115】
いくつかの実施形態において、本発明のポリマーは、式(IIIC’)または(IIIC):
【化18】
で表されるイミダゾリウム含有繰り返し単位を含む。
【0116】
いくつかのこのような実施形態では、X
−はハロゲン化物である。
【0117】
本発明のポリマーのいくつかの実施形態において、W及びY中の炭素原子の合計は、1または3である。
【0118】
本明細書に記載されているポリマーは、以下に記載するように、キャスティングされていてもよいし、そうでなければ膜に形成されてもよい。膜は、例えば、水素生成装置、燃料電池、及び浄水装置に有用である。
【0119】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、IRUに加えて、炭化水素繰り返し単位(HRU)を含み、ポリマーは、以下の構造:
【化19】
(但し、n’は0.05〜1.0であり、ポリマー中のIRUのモル分率を表す)を有する。IRUユニットとHRUユニットはランダムでも、連続に配置してもよい。いくつかの実施形態では、n’は0.1〜0.4である。
【0120】
ポリマーは、ランダムまたはブロックコポリマーでもよい。隣接するIRUとHRUまたはIRUとIRUまたはHRUとHRUは、以下に示すように、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合によって連結されていてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ポリマーをAAEMに使用する場合、少なくともいくつかの二重結合が還元される。いくつかの実施形態では、50〜100%(例えば、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100%)の炭素−炭素二重結合が炭素−炭素単結合に還元される。
【0121】
ポリマーは、架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーは架橋されていない。不飽和非架橋ポリマーの一実施形態の例は、
【化20】
がイミダゾリウム残基である構造I:
【化21】
に示されている。
【0122】
飽和非架橋ポリマーの一実施形態の例は構造式II:
【化22】
に示されている。
【0123】
本発明のポリマーの実施形態は、遷移金属(例えば、ルテニウムベースの)メタセシス触媒(例えば、第2世代グラブス(Grubbs)型触媒)を用いて実施することができる開環メタセシス重合(ROMP)により合成することができる。ROMP重合の工程は当該技術分野において公知である。例えば、この方法は、歪み環モノマー(または複数の歪み環モノマー)及び触媒、例えばルテニウムベースのアルケンメタセシス触媒を供給する工程を含む。モノマー(複数可)及び触媒は、任意に溶媒の存在下で、混合される。反応混合物は、ポリマーが形成されるような条件下で加熱される。歪み環構造とは、分子内の少なくとも1つの結合角は、最適な四面体(109.5°)(sp
3結合について)または平面三角形構造(120°)(sp
2結合について)の結合角とは異なり、炭素環の基底状態エネルギーがすべての正常結合角を有する炭素環よりも大きくなっていることを意味する。
【0124】
ROMPの場合、IRUを誘導するイミダゾリムモノマー(IM)(そのいくつかの実施形態は式(II)の種類に含まれる)は、重合することができる少なくとも1つのアルケン基を有する炭化水素である。IMは、複数のアルケン部分を有することができ、そのアルケン部分により、2つの異なるIM単位からの2つのアルケン部分の重合の結果としてポリマーが架橋され得る。例えば、IM及び複数のアルケン官能基を有するモノマーを共重合して架橋ポリマーを提供することができる。
【0125】
第3の態様において、本発明は、本発明の第2の態様によるポリマーを含む膜を提供する。
【0126】
第4の態様では、本発明は、本発明の第2の態様によるポリマーまたは本発明の第3の態様による膜を含む装置を提供する。
【0127】
いくつかの実施形態では、装置は、燃料電池、水素発生器、水浄化装置等から選択される。いくつかの実施形態では、装置は燃料電池である。燃料電池は、さらに、アノード、カソード、及び触媒を含むことができる。特定の実施形態では、本発明は、式(III’)または(III)のポリマーを含むアルカリアニオン交換膜(AAEM)を含むアルカリ性条件下で動作する燃料電池を提供する。
【0128】
燃料電池内では、イオン交換膜は、気体燃料及び液体燃料を不透過性にしてイオンを輸送することにより、アノードとカソードとの間の導電インターフェイスとして機能する。イオン交換膜は、以下の4つの特性を有することが望ましい。
【0129】
(1)メタノール溶解度が低い−完全な不溶性が理想的である。
【0130】
(2)1mS/cm〜300mS/cmの水酸化物伝導度−1、5、10、25、50、100、150、200及び300mS/cmの水酸化物伝導度がますます望まれている。
【0131】
(3)アイオノマーを含む膜が燃料電池動作条件下で裂けたり破損したりしないような機械特性;そして
【0132】
(4)可能な限りアルカリ燃料電池条件下での膨潤及びヒドロゲル形成がほとんどないこと。元のAAEM膜厚の20%未満の膨潤が理想的である。
【0133】
本発明の第3の態様(本発明の第2の態様によるポリマーを含む膜に関する)のいくつかの実施形態では、膜は、本発明のポリマーを含むAAEMである。AAEMの実施形態は、上記の望ましい特性を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリマー材料を含むAAEMの厚さは、1〜300μm(例えば、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290または300μm)にあり、この範囲の任意の範囲及びすべての範囲、ならびにこの範囲の部分的範囲を含む。
【0134】
第5の態様では、本発明は、化合物(例えば、イミダゾリウムカチオン)の安定性を決定する方法であって、塩基性メタノール−d
3(KOH/CD
3OH)中の化合物の溶液を調製すること;溶液を(例えば、80℃で密封したNMRチューブ中に)保存すること;内部標準と比較して化合物の残存量を
1H NMR分光法により溶液を分析することを含む方法を提供する。CD
3OHの使用は、化合物シグナルの減少(分解に関係しない)を引き起こし、新しい生成物シグナルを不明瞭にする水素/重水素交換プロセスを排除する。この方法の実施形態はまた、化合物(例えば、イミダゾリウムカチオン)分解経路の局面を明らかにするのに、そして新規化合物を設計するのにも有用である。
【実施例】
【0135】
以下の実施例は、本発明を説明するために提示される。これらは、いかなる意味においても限定することを意図するものではない。
【0136】
方法と器具
フラッシュクロマトグラフィーは、溶離液として、酢酸エチルとヘキサン、ジエチルエーテルとヘキサンのいずれかの混合物、またはジクロロメタンとメタノールの混合物を用いてシリカゲル(粒径40〜64mm、230〜400メッシュ)で行った。
1H及び
13C NMRスペクトルをVarian INOVA 500または600MHz機器で22℃にて記録し、残留溶媒ピーク((CD
3ODまたはCD
3OH);3.31ppm(
1H)及び49.00ppm(
13C)またはCDCl
3;7.26ppm(
1H)及び77.16ppm(
13C))に対するシフトを報告した。高分解能質量分析(DART−HRMS)の解析は、Ion Sense DARTイオン源を備えたThermo Scientific Exactive Orbitrap MSシステムで行った。
【0137】
溶媒抑制手順
モデル化合物の安定性研究のための定量
1H NMRスペクトルは、CD
3OHにおいて、1)モデル化合物及び分解生成物における望ましくない水素/重水素交換を防止し、そして2)モデル化合物及び分解生成物の溶解度を改善するために、得た。CD
3OH中の−OH信号は、2秒のプリサチュレーション遅延のプリサチュレーンョン、及び113Hz(9の飽和度に相当)のデカップラー電界強度(γB1)を有する連続波照射により抑制された。スペクトルは、60秒の緩和遅延及び公称90°励起パルスで、−1〜14ppmのスペクトル幅にわたって得られた。各分析について16回のスキャンを平均した。NMRスペクトルは、MestReNovaバージョン9.0.1−13254(Mestrelab Research S.L)を用いて処理した。残留−OHシグナルは、ソフトウェアのシグナル抑制機能によってさらに抑制された。スペクトルをゼロ充填して256k複素数点にし、手動位相補正の前に0.2Hzの指数窓関数を適用した。Whittakerのより滑らかな基準線補正が適用され、線形補正がすべての積分のために使用された。注:5.5〜7.0ppmの残留シグナルは、しばしば溶媒抑制に由来する。
【0138】
化学薬品
ベンズアルデヒド、2,6−ジメチルベンズアルデヒド、2−メチルプロピオンアルデヒド、エタナール、2,3−ブタンジオン、ジフェニルエタンジオン、n−ブチルアミン、メタノール中2Mメチルアミン、メタノール中2Mエチルアミン、L−プロリン、臭化ベンジル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−ブチル、2−ヨードプロパン、1−メチルイミダゾール及び1,2−ジメチルイミダゾールは、Aldrichから購入し、受け取ったまま使用した。ベンジルアミン及びヨウ化メチルはAlfa Aesarから購入し、受け取ったまま使用した。酢酸アンモニウム、ジクロロメタン、酢酸エチル及びクロロホルムをFischerから購入し、受け取ったまま使用した。トリメチルアミン(エタノール中31〜35%)をFlukaから購入して、受け取ったまま使用した。3−(トリメチルシリル)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩及び1,2,4,5−テトラメチルイミダゾールは、TCI Chemicalsから購入し、受け取ったまま使用した。メタノール−d3はAcrosから購入し、受け取ったまま使用した。メタノール−d4及びクロロホルム−dはCambridge Isotope Laboratoriesから購入した。メタノール、ヘキサン及びアセトニトリルはMacronから購入し、受け取ったまま使用した。テトラヒドロフラン硫酸マグネシウム及びジエチルエーテルはJ.T.Bakerから購入し、受け取ったまま使用した。水酸化カリウムはMallinckrodtから購入し、受け取ったまま使用した。
【0139】
合成手順
一般手順A:置換イミダゾールの多成分合成:適切なアルデヒド、ジオン及び第一級アミンを、メタノール中の酢酸アンモニウム及びL−プロリンと混合し、60℃で12時間撹拌した。22℃に冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をクロロホルムに溶解し、H
2Oで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、さらに、再結晶、フラッシュカラムクロマトグラフィーまたは両方の組み合わせにより精製した。
【0140】
一般手順B:イミダゾールのアルキルまたはベンジルハライドによる四級化:適切なイミダゾール前駆体をアセトニトリルに溶解し、ハロゲン化物試薬を撹拌しながら添加した。混合物を80℃で12時間撹拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧下に除去した。残渣をクロロホルムに溶解し、エーテル、酢酸エチル、メタノールまたはテトラヒドロフランへの沈殿により精製した。沈殿を繰り返して純粋な生成物を得た。注:残留溶媒なしの塩を得るために、粉末を少量のジクロロメタンと混合し、溶媒を減圧下に除去した。
【0141】
イミダゾールの合成
参考例
1−ベンジル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,5−ジメチル−1H−イミダゾール(IM−3a)
【化23】
一般手順Aに従って、2,6−ジメチルベンズアルデヒド(1.00g、7.45mmol)、2,3−ブタンジオン(0.65ml、7.5mmol)、ベンジルアミン(0.81ml、7.5mmol)及び酢酸アンモニウム(0.574g、7.45mmol)をメタノール(30ml)中のL−プロリン(0.136g、1.18mmol)と混合した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン)で精製して、橙色油状物としてIM−3a(0.359g、17%)を得た。
1H
NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.46 (t, J= 7.7 Hz, 1H), 7.34 − 7.27 (m, 3H), 7.23 (d, J= 7.7 Hz,
2H), 6.94 (dm, J= 7.6 Hz, 2H), 5.12 (s, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 1.95 (s, 6H)。
13C
NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 143.80, 140.52, 134.95, 133.52, 130.12, 129.74, 129.42, 128.5
0, 128.47, 127.29, 123.78, 50.05, 19.67, 9.31, 9.01。C
15H
21N
2+ (M + H+)について計算されたHRMS(
DART)m/z 291.18558、実測値 291.18515。
【0142】
参考例
1−ベンジル−4,5−ジメチル−2−フェニル−1H−イミダゾール(IM−3b)
【化24】
一般手順Aに従って、ベンズアルデヒド(5.0ml、49mmol)、2,3−ブタンジオン(4.3ml、49mmol)、ベンジルアミン(5.9ml、54mmol)及び酢酸アンモニウム(3.78g、49.0mmol)をメタノール(100ml)中のL−プロリン(0.846g、7.35mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。生成物をアセトニトリルから再結晶して、淡黄色粉末としてIM−3b(2.54g、20%)を得た。
1H
NMR (500 MHz, CD
3OD): δ 7.45 (m, 2H), 7.38 (m, 3H), 7.32 (t, J= 7.4 Hz, 2H), 7.30 − 7.24
(t, J= 7.4 Hz, 1H), 6.98 − 6.94 (d, J= 7.6 Hz
, 2H), 5.19 (s, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.05 (s, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 147.56, 138.
54, 133.91, 131.73, 130.00, 129.96, 129.69
, 129.66, 128.57, 126.65, 125.57, 48.71, 12
.38, 8.98。C
18H
19N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(
DART)m/z 263.15428、実測値 263.15349。
【0143】
参考例
1−ベンジル−2−イソプロピル−4,5−ジメチル−1H−イミダゾール(IM−3c)
【化25】
一般手順Aに従って、2−メチルプロピオンアルデヒド(5.2ml、57mmol)、2,3−ブタンジオン(5.0ml、57mmol)、ベンジルアミン(6.2ml、57mmol)及び酢酸アンモニウム(4.40g、57.0mmol)をメタノール(100ml)中のL−プロリン(0.984g、8.55mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:10:90トリエチルアミン/メタノール/ジクロロメタン)で精製した。生成物をアセトニトリルから−20℃で再結晶させ、昇華させてIM−3c(0.841g、6.5%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.31 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 7.25 (t, J= 7.4 Hz, 1H), 6.93 (d, J= 7.8 Hz, 2H
), 5.12 (s, 2H), 2.96 (hept, J= 6.9 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.18 (d, J= 6.9 Hz, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 152.94, 138.84, 132.04, 129.88, 128.49, 126.74, 123
.08, 47.22, 27.17, 22.27, 12.14, 8.67。C
15H
21N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 229.1
6993, 実測値 229.1705。
【0144】
参考例
1−ベンジル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール(IM−4a)
【化26】
一般手順Aに従って、2,6−ジメチルベンズアルデヒド(1.00g、7.45mmol)、ジフェニルエタンジオン(1.57g、7.45mmol)、ベンジルアミン(0.80ml、7.5mmol)及び酢酸アンモニウム(0.574g、7.45mmol)をメタノール(30ml)中のL−プロリン(0.129g、1.12mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%の酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。生成物をアセトニトリルから再結晶して、IM−4a(0.787g、25%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.50 − 7.43 (m, 3H), 7.41 (m, 4H), 7.30 (t, J=
7.6 Hz, 1H), 7.18 (tm,J= 7.4 Hz, 2H), 7.16 − 7.10 (m, 4H), 7.06 (t, J= 7.7 Hz, 2H), 6.59 (d, J= 7.7 Hz, 2H), 4.83 (s, 2H), 2.02 (s, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CDCl
3): δ 146.54, 138.83
, 137.41, 136.34, 134.78, 131.47, 131.31, 130.54, 129.27, 129.04, 128.57,128.52,128.
12, 128.03, 127.49, 127.41, 127.38, 126.64
, 126.15, 47.76, 19.93。C
19H
31N
2+(M
+)について計
算されたHRMS(DART)m/z 415.21688、実測値 415.21722。
【0145】
参考例
2−(2,6−ジメチルフェニル)−1−メチル-4,5−ジフェニル1H−イミダゾ
ール(IM2−4a)
【化27】
一般手順Aに従って、2,6−ジメチルベンズアルデヒド(2.08g、15.5mmol)、ジフェニルエタンジオン(3.26mg、15.5mmol)、メタノール(7.8ml、16mmol)及び酢酸アンモニウム(1.19g、15.5mmol)中の2Mメチルアミンをメタノール(60ml)中のL−プロリン(0.892g、7.75mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。生成物をアセトニトリルから再結晶して、IM2−4a(1.30g、25%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.53 − 7.45 (m, 3H), 7.41 (m, 4H), 7.33 (
t, J= 7.6 Hz, 1H), 7.24 − 7.16 (m, 4H), 7.16
− 7.12 (t, J= 7.3 Hz, 1H), 3.20 (s, 3H), 2.18
(s, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 148.14,
140.11, 138.21, 135.51, 132.05, 132.04, 131.28, 130.98, 130.52, 130.21, 129.89, 129.
13, 128.58, 128.19, 127.60, 31.73,19.96。C
24H
23N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 339
.18558、実測値 339.18505。
【0146】
参考例
1−メチル−2,4,5−トリフェニル−1H−イミダゾール(IM−4b)
【化28】
一般手順Aに従って、ベンズアルデヒド(2.5ml、25mmol)、ジフェニルエタンジオン(5.20g、24.7mmol)、メタノール(12ml、25mmol)及び酢酸アンモニウム(1.90g、24.7mmol)中の2Mメチルアミンをメタノール(100ml)中のL−プロリン(0.427g、3.70mmol)と混合した。残渣をメタノール中で再結晶して、IM−4b(2.88g、38%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.69 (dm, J= 7
.7 Hz, 2H), 7.51 (m, 2H), 7.49 − 7.40 (m, 4H), 7.37 (m, 4H), 7.20 − 7.14 (m, 2H), 7.14 − 7
.07 (tm, J= 7.6 Hz, 1H), 3.45 (s, 3H)。
13C NM
R (126 MHz, CDCl
3): δ 147.93, 137.78, 134.7
2, 131.26, 131.01, 130.92,130.52,129.11, 129.09, 128.79, 128.62
*, 128.13, 127.00, 12
6.35, 33.21。C
22H
19N
2+(M + H
+)について計算されたHRM
S(DART) m/z 311.15428, 実測値 311.15334。
【0147】
参考例
1−ベンジル−2,4,5−トリフェニル−1H−イミダゾール(IM2−4b)
【化29】
一般手順Aに従って、ベンズアルデヒド(2.0ml、20mmol)、ジフェニルエタンジオン(4.10g、19.6mmol)、ベンジルアミン(2.1ml、20mmol)及び酢酸アンモニウム(1.50g、19.6mmol)をメタノール(80ml)中のL−プロリン(0.338g、2.94mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンから50%酢酸エチル/ヘキサン)により精製した。生成物を−20℃にてメタノール中で再結晶し、IM2−4b(1.84g、24%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.66 − 7.61 (m, 2H), 7.48 − 7.45 (m, 3H)
, 7.45 − 7.41 (m, 2H), 7.41 − 7.31 (m, 3H), 7.26 − 7.23 (dm, J= 7.8 Hz, 2H),7.22− 7.11 (m, 6H), 6.73 (dm, J= 7.9 Hz, 2H), 5.17 (s, 2H)。
13C NMR (126 MHz, CDCl
3): δ 148.11, 138.12, 137.58, 134.55, 131.10, 131.08, 131.02, 13
0.11, 129.09, 128.93, 128.83, 128.66, 128.
63, 128.61, 128.13, 127.39, 126.82, 126.40
, 126.04, 48.31。C
28H
23N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 387.18558、実測値 387.18430。
【0148】
参考例
1−ベンジル−2−イソプロピル−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール(IM−4c)
【化30】
一般手順Aに従って、2−メチルプロピオンアルデヒド(2.5ml、28mmol)、ジフェニルエタンジオン(5.76g、27.4mmol)、ベンジルアミン(3.0ml、27mmol)及び酢酸アンモニウム(2.17g、27.4mmol)をメタノール(100ml)中のL−プロリン(0.473g、4.11mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:10:90のトリエチルアミン/酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、IM−4c(2.41g、25%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.39 − 7.31 (m, 5H), 7.28 (t, J= 7.4 Hz, 2H), 7.25 − 7.20 (m,
3H), 7.20 − 7.16 (tm, J= 7.7 Hz, 2H), 7.16−7.11 (tm, J= 7.4 Hz, 1H), 6.92 (d, J= 7.6 Hz,
2H), 5.11 (s, 2H), 3.05 (hept, J= 6.9 Hz, 1H
), 1.29 (d, J= 6.9 Hz, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 155.14, 138.82, 138.21, 135.76, 132.27, 132.02, 129.90
*, 129.80, 129.71, 12
8.99, 128.64, 128.55, 127.51, 126.89, 47.7
6, 27.69, 22.09。C
25H
25N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 353.20123、実測値 353.20105。
【0149】
参考例
1−ベンジル−2−メチル−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール(IM−4d)
【化31】
一般手順Aに従って、エタナール(2.0ml、36mmol)、ジフェニルエタンジオン(7.48mg、35.6mmol)、ベンジルアミン(4.3ml、36mmol)及び酢酸アンモニウム(2.74g、35.6mmol)をメタノール(30ml)中のL−プロリン(0.615g、5.34mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:20:80トリエチルアミン/酢酸エチル/ヘキサン)により精製した。生成物をアセトニトリルから−20℃で再結晶して、IM−4d(0.652g、5.6%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.41 − 7.33 (m, 5H), 7.28 (tm, J= 7.6 Hz, 2H), 7.25 − 7.19 (m, 3H), 7.17 (tm, J= 7.4 Hz, 2H), 7.14 − 7.09 (tm, J= 7.3 Hz, 1H), 6.92
− 6.89 (m, 2H), 5.05 (s, 2H), 2.37 (s, 3H)。
1
3C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 146.63, 138.22, 137.45, 135.49, 132.19, 132.01, 130.61, 130
.01, 129.89
*, 129.09, 128.60, 128.06, 127.
50,127.00, 48.10, 13.16。C
23H
21N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 325.16993、実測値 325.1705。
【0150】
参考例
2−(2,6−ジメチルフェニル)−1−エチル−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール(IM−5a)
【化32】
一般手順Aに従って、2,6−ジメチルベンズアルデヒド(1.00g、7.45mmol)、ジフェニルエタンジオン(1.57g、7.45mmol)、メタノール(7.5ml、15mmol)及び酢酸アンモニウム(0.570g、7.45mmol)中の2Mエチルアミンを、メタノール(30ml)中のL−プロリン(0.128g、1.12mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。生成物をアセトニトリルから−20℃で再結晶させて、IM
−5a(0.411g、16%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz
, CD
3OD): δ 7.52 (m, 3H), 7.44 (d, J = 7.4 Hz
, 2H), 7.38 (d, J= 7.4 Hz, 2H), 7.34 (t, J= 7
.7 Hz, 1H), 7.22 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 7.18 (t,
J= 7.3 Hz, 2H), 7.15−7.11 (m, 1H), 3.66 (q, J= 7.1 Hz, 2H), 2.22 (s, 6H), 0.91 (t, J = 7.
1 Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 147.37, 139.99, 138.57, 135.47, 132.33, 132.22, 131.45, 130.97, 130.30, 130.00, 129.86, 129
.10, 128.73, 128.11, 127.54, 40.47,20.19,
15.92。C
25H
25N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(DART) M/Z 353.20123、実測値 353.20028。
【0151】
参考例
1−n−ブチル−2,4,5−トリフェニル−1H−イミダゾール(IM−6b)
【化33】
一般手順Aに従って、ベンズアルデヒド(2.0ml、20mmol)、ジフェニルエタンジオン(4.54g、21.6mmol)、n−ブチルアミン(2.1ml、22mmol)及び酢酸アンモニウム(1.51g、19.6mmol)をメタノール(80ml)中のL−プロリン(0.260g、2.26mmol)と混合した。残渣はフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサンから100%酢酸エチル)により精製した。生成物をアセトニトリルから再結晶して、IM−6b(6.39g、93%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.71 − 7.66 (d, J= 7.4 Hz, 2H), 7.58 − 7.45 (m,6H), 7.44 − 7.36 (m, 4H), 7.21 − 7.16 (t, J= 7.4 Hz, 2H), 7.16−7.11 (m, 1H), 4.00 − 3.93 (m, 2H), 1.27 (p, J= 7.4 Hz, 2H), 0.93 (sext, J= 7.4 Hz, 2H), 0.56 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CDCl
3): δ 147.71, 137.73, 134.
71, 131.66, 131.63, 131.08, 129.70, 129.24,129.08,128.82, 128.64
*, 128.07, 126.85, 126.22, 44.55, 32.58, 19.49, 13.33。C
25H
25N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(DART) m/z 353.20123、実測値 353.20124。
【0152】
参考例
1−n−ブチル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,5−ジメチル−1H−イミダゾール(IM−7a)
【化34】
一般手順Aに従って、2,6−ジメチルベンズアルデヒド(2.00g、14.9mmol)、2,3−ブタンジオン(1.3ml、15mmol)、n−ブチルアミン(1.5ml、15mmol)及び酢酸アンモニウム(1.15g、14.9mmol)をメタノール(60ml)中のL−プロリン(0.251g、2.24mmol)と混合した。粗混合物を最初にフラッシュカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/ジクロロメタンから50%メタノール/ジクロロメタン)で精製して、褐色油状物を得た。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから100%酢酸エチル)によりさらに精製して、淡褐色の油状物としてIM−7a(0.554g、15%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.27 (t, J= 7.
6 Hz, 1H), 7.14 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 3.63 − 3.
48 (m, 2H), 2.23 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 2.04 (s, 6H), 1.49 − 1.40 (p, J= 7.4 Hz, 2H), 1.19
(sext, J= 7.4 Hz, 2H), 0.78 (t, J= 7.4 Hz, 3
H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 145.11, 139.
87, 132.93, 131.97, 130.51, 128.50, 123.49
, 44.78, 33.50, 20.78, 20.05, 13.79, 12.29,
8.95。C
17H
25N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS (DART) m/z 257.201.23、実測値 257.20141。
【0153】
参考例
1−n−ブチル−4,5−ジメチル−2−フェニル−1H−イミダゾール(IM−7b)
【化35】
一般手順Aに従って、ベンズアルデヒド(2.0ml、20mmol)、2,3−ブタンジオン(1.9ml、22mmol)、n−ブチルアミン(1.9ml、20mmol)及び酢酸アンモニウム(1.51g、19.6mmol)をメタノール(80ml)中のL−プロリン(0.260g、2.26mmol)と混合した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で最初に精製して、暗褐色の油としてIM−7b(3.44g、77%)を得た。ヒックマン(Hickman)装置を用いた真空下での蒸留により、淡黄色油状物が得られた。
1H NMR (600 MHz
, CD
3OD): δ 7.54 − 7.36 (m, 5H), 3.96 − 3.91
(m, 2H),2.22 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.59− 1.49 (p, J = 7.4 Hz, 2H), 1.18 (sext, J = 7.4 Hz, 2H), 0.80 (t, J = 7.4 Hz, 3H)。
13C NMR (126
MHz, CD
3OD): δ 147.03, 133.39, 132.53, 130.11, 129.88, 129.68, 124.91, 45.07, 33.76, 20.63, 13.78, 12.16, 8.97。C
15H
21N
2+(M + H
+)
について計算されたHRMS(DART)m/z 229.16993、実測値 229.16942。
【0154】
参考例
1−n−ブチル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール(IM−8a)
【化36】
一般手順Aに従って、2,6−ジメチルベンズアルデヒド(2.00g、14.9mmol)、ジフェニルエタンジオン(3.13g、14.9mmol)、n−ブチルアミン(1.5ml、15mmol)及び酢酸アンモニウム(1.15g、14.9mmol)をメタノール(60ml)中のL−プロリン(0.257g、2.26mmol)と混合した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。生成物をアセトニトリルで再結晶して、白色粉末としてIM−8a(0.975g、17%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.55 − 7.46 (m, 3H), 7.44 − 7.41 (dm, J = 7.4 Hz, 2H
), 7.40 − 7.38 (dm, J= 7.9 Hz, 2H), 7.34 (t,
J= 7.7 Hz, 1H), 7.22 (d, J= 7.7 Hz, 2H), 7.19−7.15 (tm, J = 7.6 Hz, 2H), 7.15−7.11 (tm, J
=7.3 Hz, 1H), 3.63 −3.59 (m, 2H),2.22(s, 6H
), 1.26 (p, J= 7.4 Hz, 2H), 0.94 (sext, J= 7.4 Hz, 2H), 0.56 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 147.49, 139.87, 138.34, 1
35.44, 132.30, 132.21, 131.38, 130.90, 130
.26, 130.06, 129.94, 129.10, 128.73, 128.0
8, 127.52, 45.10, 33.14, 20.48, 20.31,13.5
2。C
27H
29N
2+(M + H
+)について計算されたHRMS(DART)m/z
381.23253、実測値 381.23138。
【0155】
カチオンの合成
非イミダゾリウムカチオン(比較目的のため)及びイミダゾリウムカチオン(本発明及び比較の両方)を以下のように調製した。
【0156】
参考例
臭化ベンジルトリメチルアンモニウム(1)
【化37】
エタノール中30%のトリメチルアミン(0.76ml、3.1mmol)をアセトニトリル(5ml)中の臭化ベンジル(0.40ml、3.4mmol)で処理した。残渣をクロロホルムに溶解し、エーテル中に沈殿させて精製し、1(0.693g、90%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.63
− 7.60 (dm, J= 7.7 Hz, 2H), 7.59 − 7.52 (m, 3
H), 4.61 (s, 2H), 3.15 (s, 9H)。
13C NMR (126
MHz, CD
3OD): δ 134.10, 131.87, 130.26, 129.19, 70.15, 53.19, 53.16, 53.13。C
10H
16N
+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 150.12773、実測値 150.12750。
【0157】
参考例
1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムブロミド(2a)
【化38】
一般手順Bに従って、1−メチルイミダゾール(1.0ml、13mmol)をアセトニトリル(10ml)中の臭化ベンジル(1.5ml、12mmol)で処理した。残渣をクロロホルムに溶解し、エーテル中に沈殿させて精製して2a(3.03g、98%)を褐色の油状物として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 9.06 (s, 1H), 7.64 − 7.62 (m, 1H), 7.61 − 7.58 (
m, 1H), 7.47 − 7.40 (m, 4H), 5.44 (s, 2H), 3.94 (s, 3H)。
13C NMR (151 MHz, CD
3OD): δ 137.97, 135.25, 130.39, 130.33, 129.71, 125.26, 123.66, 54.11, 36.69。C
11H
13N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 173.10732、実測値 173.10709。
【0158】
参考例
1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウムブロミド(2b)
【化39】
一般手順Bに従って、1,2−ジメチルイミダゾール(2.00g、20.8mmol)をアセトニトリル(100ml)中の臭化ベンジル(3.0ml、25mmol)で処理した。生成物をクロロホルムから再結晶して、2b(3.05g、55%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.53 (m, 2H), 7.45 − 7.41 (m, 2H), 7.41 − 7.37 (m, J= 7.
3 Hz, 1H), 7.36 − 7.33 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 5.
42 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 2.65 (s, 3H)。
13C N
MR (126 MHz, CD
3OD): δ 146.06, 135.18, 130.
25, 129.84, 129.11, 123.77, 122.43,52.66,35.96, 10.58。C
12H
15N
2+(M
+)について計算されたHRMS (DART) m/z 187.12298、実測値 187.12293。
【0159】
参考例
1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(2c)
【化40】
一般手順Bに従って、1,2−ジメチルイミダゾール(2.00g、20.8mmol)をアセトニトリル(100ml)中のヨウ化エチル(2.0ml、25mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、テトラヒドロフランへの沈殿により精製して、2c(5.01g、96%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.57 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 7.51 (d, J=
2.1 Hz, 1H), 4.23 (q, J= 7.3 Hz, 2H), 3.85 (
s, 3H), 2.68 (s, 3H), 1.48 (t, J= 7.3 Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 145.46, 123.53
, 121.45, 44.73, 36.23, 15.61, 10.89。C
7H
13
N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 125.10732、
実測値 125.10757。
【0160】
参考例
1−イソプロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(2d)
【化41】
一般手順Bに従って、1,2−ジメチルイミダゾール(2.00g、20.8mmol)をアセトニトリル(20ml)中の2−ヨードプロパン(2.3ml、23mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、酢酸エチルへの沈殿により精製して、淡いベージュ色の粉末として2d(2.36g、50%)を得た。
1H NMR (600 M
Hz, CD
3OD): δ 7.68 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 7.54 (
d, J= 2.2 Hz, 1H), 4.75 (hept, J= 6.8 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 2.72 (s, 3H), 1.54 (d, J= 6.8
Hz, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 144.98,
124.02, 118.46, 52.08, 35.91, 22.74, 10.67。C
8H
15N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 139.
12298、実測値 139.12305。
【0161】
参考例
1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムアイオダイド(2e)
【化42】
一般手順Bに従って、1,2−ジメチルイミダゾール(2.00g、20.8mmol)をアセトニトリル(20ml)中のヨウ化n−ブチル(2.6ml、23mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、酢酸エチルへの沈殿により精製して2e(4.57g、78%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.54 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 7.49 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 4.17 (m, 2H), 3.84 (s, 3H), 2.66 (s
, 3H), 1.82 (p, J= 7.4 Hz, 2H), 1.41 (sext, J= 7.4 Hz, 2H), 1.00 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 145.65, 123.50, 122.1
2, 49.35, 36.15, 32.74, 20.48, 13.95, 10.77。C
9H
17N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 153.
13863、実測値 153.13876。
【0162】
参考例
1−ベンジル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−3,4,5−トリメチルイミダゾリウムヨージド(3a)
【化43】
一般手順Bに従って、IM−3a(0.400g、1.38mmol)をアセトニトリル(1.5ml)中のヨウ化メチル(0.90ml、1.5mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、酢酸エチルへの沈殿により精製して3a(0.382g、72%)をオフホワイトの粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.52 (t, J= 7.7 Hz, 1H), 7.34 − 7.21 (m, 5H), 6.93 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 5.12 (s, 2H), 3
.51 (s, 3H), 2.47−2.44 (m, 6H), 1.88 (s, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 144.55, 140.88
, 134.83, 133.96, 130.09, 129.70
*, 129.50, 128.50, 128.45,122.52, 50.54, 32.93, 19.69, 9.56, 9.14。C
21H
25N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 305.20123、実測値 305.20134。
【0163】
参考例
1−ベンジル−3,4,5−トリメチル−2−フェニルイミダゾリウムヨージド(3b)
【化44】
一般手順Bに従って、IM−3b(2.54g、9.68mmol)をアセトニトリル(7ml)中のヨウ化メチル(0.70ml、12mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中への沈殿により精製して、オフホワイトの粉末として3b(1.74g、50%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.74 − 7.69 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 7.63 (t, J= 7.
6 Hz, 2H), 7.61 − 7.57 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 7.
37 − 7.28 (m, 3H), 7.07 − 7.02 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 5.25 (s, 2H), 3.64 (s, 3H), 2.41 (s, 3H
), 2.24 (s, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ
145.24, 135.44, 133.65, 131.76, 130.78, 13
0.21, 129.33, 129.30, 127.95, 127.33, 123.
41, 50.35, 34.00, 9.14,9.08。C
19H
21N
2+(M
+)
について計算されたHRMS(DART)m/z 277.16993、実測値 277.17009。
【0164】
参考例
1−ベンジル−2−イソプロピル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウムヨージド(3c)
【化45】
一般手順Bに従って、IM−3c(1.07g、4.69mmol)をアセトニトリル(5ml)中のヨウ化メチル(0.32ml、5.2mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中への沈殿により精製して、橙色固体として3c(1.58g、91%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.41
(t, J= 7.6 Hz, 2H), 7.37 − 7.32 (t, J= 7.6 Hz
, 1H), 7.13 − 7.08 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 5.49 (
s, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.65 (hept, J= 7.3 Hz, 1H), 2.32 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 1.36 (d, J= 7.3 Hz, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 149.98, 135.89, 130.33, 129.35, 128.79, 127.23
, 126.97, 49.49, 33.60, 26.62, 19.13, 8.91,
8.90。C
16H
23N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/
z 243.18558、実測値 243.18580。
【0165】
参考例
1−ベンジル−2,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウムブロミド(3d)
【化46】
一般手順Bに従って、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール(2.00g、16.1mmol)をアセトニトリル(10ml)中の臭化ベンジル(1.9ml、16mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中への沈殿により精製して、3d(3.60g、76%)をオフホワイトの粉末として得た。
1H NMR (600
MHz, CD
3OD): δ 7.40 (t, J= 7.7 Hz, 2H), 7.37
− 7.33 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 7.19 − 7.14 (d, J=
7.6 Hz, 2H), 5.42 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 2.64 (s, 3H), 2.31 (s, 3H),2.19(s, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 144.40, 135.40, 130.23,
129.27, 127.79, 127.49, 126.60, 49.42, 33.02, 10.98, 8.97, 8.91。C
14H
19N
2+(M
+)について計算
されたHRMS(DART)m/z 215.15428、実測値 215.1548。
【0166】
参考例
1−ベンジル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−3−メチル−4,5−ジフェニルイミダゾリウムブロミド(4a)
【化47】
一般手順Bに従って、IM−4a(0.350g、0.844mmol)をアセトニトリル(1.2ml)中のヨウ化メチル(0.06ml、0.9mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中に沈殿させて精製して、4a(0.096g、22%)を白色粉末として得た。
1H NMR (500 MHz, CD
3OD): δ 7.64 − 7.44 (m, 11H), 7.35 (d, J= 7.7 Hz, 2H),
7.24 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 7.15 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 6.66 (d, J= 7.7 Hz, 2H), 5.18 (s, 2H), 3.54 (s, 3H), 2.06 (s, 6H)。
13C NMR (126 MHz,
CD
3OD): δ 146.19, 140.90, 134.58, 134.37, 134.35, 133.87, 132.68, 132.15, 131.76, 131
.57, 130.47, 130.19, 129.94
*, 129.89, 129.
23, 126.75, 126.43, 122.38, 51.29, 34.14, 19.66。C
23H
21N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z
325.16993、実測値 325.16996。
【0167】
参考例
1−ベンジル−3−メチル−2,4,5−トリフェニルイミダゾリウムブロミド(4b)
【化48】
一般手順Bに従って、IM−4b(0.880g、2.84mmol)をアセトニトリル(10ml)中の臭化ベンジル(0.40ml、3.1mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中への沈殿により精製して、4b(0.567g、41%)をオフホワイトの粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.83 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 7.78 − 7.74 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 7.70 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 7.53
(dm, J= 7.6 Hz, 2H), 7.50 − 7.40 (m, 4H), 7.37 (m, 4H), 7.23 − 7.12 (m, 3H), 6.81 − 6.75 (
m, 2H), 5.29 (s, 2H), 3.63 (s, 3H)。
13C NMR (
126 MHz, CD
3OD): δ 146.40, 135.36, 134.32,
133.88, 133.33, 132.31, 132.18, 131.92, 13
1.32
*, 130.87, 130.02, 129.98, 129.79, 129
.25, 127.95, 127.00, 126.84, 123.49, 51.25
, 35.24。C
29H
25N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)
m/z 401.20123、実測値 401.20079。
【0168】
参考例
1−ベンジル−2−イソプロピル−3−メチル−4,5−ジフェニルイミダゾリウムヨージド(4c)
【化49】
一般手順Bに従って、IM−4c(1.00g、2.89mmol)をアセトニトリル(5ml)中のヨウ化メチル(0.19ml、3.1mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中への沈殿により精製して、淡黄色粉末として4c(1.06g、84%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ δ 7.
54 − 7.49 (d, J= 7.4 Hz, 2H), 7.44 (m, 3H), 7
.37 (m, 5H), 7.33 − 7.28 (m, 3H), 7.12 (d, J=
7.4 Hz, 2H), 5.44 (s, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.74 (hept, J= 7.3 Hz, 1H), 1.47 (d, J= 7.3 Hz,
6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 150.82, 135
.93, 134.29, 133.00, 132.60, 132.44, 131.2
7, 131.22, 130.17, 129.88, 129.84, 129.30, 127.41, 127.02, 126.83, 50.43, 35.05, 27.3
4, 19.18。C
26H
27N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART
)m/z 367.21688、実測値 367.21702。
【0169】
参考例
1−ベンジル−2,3−メチル−4,5−ジフェニルイミダゾリウムヨージド(4d)
【化50】
一般手順Bに従って、IM−4d(0.405g、1.25mmol)をアセトニトリル(1.5ml)中のヨウ化メチル(0.09ml、1mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中で沈殿させて精製して、4d(0.190g、36%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ δ 7.
50 − 7.39 (m, 6H), 7.37 − 7.29 (m, 5H), 7.29
− 7.25 (dm, J= 7.8 Hz, 2H), 7.08 (dm, J= 7.5
Hz, 2H), 5.38 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 2.78 (s, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 146.00, 135
.36, 133.48, 132.71, 132.31, 132.22, 131.3
4, 131.26, 130.22, 130.02, 129.98, 129.43, 127.65, 126.96, 126.95, 50.28, 34.06, 11.5
4。C
24H
23N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 33
9.18558、実測値 339.18559。
【0170】
参考例
1−ベンジル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−3−エチル−4,5−ジフェニルイミダゾリウムブロミド(5a)
【化51】
一般手順Bに従って、IM−5a(0.110g、0.312mmol)をアセトニトリル(1ml)中の臭化ベンジル(0.05ml、0.4mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中で沈殿させて精製して、5a(0.080g、49%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.65 − 7.45 (m, 11H), 7.36 (d, J= 7.7 Hz, 2H), 7
.24 (t, J= 7.5 Hz, 1H), 7.15 (tmJ= 7.7 Hz, 2H), 6.64 (d, J= 7.7 Hz, 2H), 5.17 (s, 2H), 4.00 (q, J= 7.3 Hz, 2H), 2.06 (s, 6H), 1.01 (t,
J= 7.3 Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 1
45.59, 140.73, 134.58, 134.37, 134.31, 133
.87, 132.65, 132.16, 131.74, 131.70, 130.4
3, 130.37, 130.12,129.96,129.89, 129.26, 1
26.63, 126.61, 122.40, 51.22, 43.49, 19.92
, 14.96。C
32H
31N
2+ (M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 443.24818、実測値 443.24856。
【0171】
参考例
1−ベンジル−3−エチル−2,4,5−トリフェニルイミダゾリウムヨージド(5b)
【化52】
一般手順Bに従って、IM2−4b(0.825g、2.14mmol)をアセトニトリル(3ml)中のヨウ化エチル(0.19ml、2.4mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中に沈殿させて精製して、5b(0.805g、76%)をオフホワイトの粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD):
δ 7.82 − 7.74 (m, 3H), 7.70 (m, 2H), 7.58 − 7.45 (m, 5H), 7.43 (m, 1H), 7.36 (m, 4H), 7.1
8 (m, 3H), 6.75 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 5.25 (s,
2H), 4.11 (q, J= 7.3 Hz, 2H), 1.07 (t, J= 7.3
Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 145.84,
135.25, 133.95
*, 133.49, 132.41, 132.34, 132.00, 131.51, 131.36, 130.93, 130.14, 129
.92, 129.84, 129.30,128.08,126.96, 126.87
, 123.51, 51.23, 43.73, 15.46。C
30H
27N
2+(M
+)について計算されたHRMS (DART) m/z 415.21688、実測値 415.21657。
【0172】
参考例
1−ベンジル−3−n−ブチル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリウムヨージド(6a)
【化53】
一般手順Bに従って、IM−4a(0.500g、1.21mmol)をアセトニトリル(1ml)中のヨウ化n−ブチル(0.15ml、1.3mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中への沈殿により精製して、淡黄色粉末として6a(0.397g、60%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.63 − 7.54 (m, 5H), 7.50 (m, 6H), 7.36 (dm, J= 7.5 Hz, 2H),7.23 (tm, J= 7.5 Hz, 1H), 7.1
4 (tm, J= 7.6 Hz, 2H), 6.63 (dm, J= 7.6 Hz, 2
H), 5.19 (s, 2H), 3.97 − 3.92 (m, 2H), 2.08 (s, 6H), 1.35 (p, J= 7.4 Hz, 2H), 1.00 (sext, J= 7.4 Hz, 2H), 0.56 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 145.70, 140.72, 134.
42, 134.35, 134.28, 134.06, 132.69, 132.27
, 131.69, 131.66, 130.41, 130.33, 130.13, 129.92, 129.88, 129.25, 126.70, 126.60, 122.40, 51.32, 47.70, 32.17, 20.30, 20.12, 13.22。C
34H
35N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 47
1.27948、実測値 471.27828。
【0173】
参考例
1−ベンジル−3−n−ブチル−2,4,5−トリフェニルイミダゾリウムブロミド(6b)
【化54】
【0174】
一般手順Bに従って、IM−6b(1.10g、3.12mmol)をアセトニトリル(3ml)中の臭化ベンジル(0.40ml、3.4mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中で沈殿させて精製して、6b(0.527g、32%)を白色粉末として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.84 − 7.74 (m, 3H), 7.71 (d, J= 6.8 Hz, 2H), 7.55 (dm, J= 7.6 Hz, 2H), 7.53 − 7.46 (m, 3H), 7.42 (m, 1H), 7.40 − 7.33 (m, 4H), 7.17 (m, 3H), 6.79 − 6.67 (d, J= 7.5 Hz, 2H), 5.27 (s, 2H), 4.08 (m, 2H), 1.40 (p, J= 7.4 Hz, 2H), 1.01 (sext, J= 7.4 Hz, 2H), 0.58 (t, J= 7.4 Hz, 3H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 146.14, 135.26, 134.01,133.96, 132.29, 132.20, 131.90, 131.54, 131.42, 131.03, 130.23, 130.03, 129.85, 129.37, 128.02, 126.98, 126.82, 123.54, 51.23, 47.90, 32.39, 20.21, 13.29。C
32H
31N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART) m/z 443.24818、実測値 443.24683。
【0175】
参考例
1,3−ジ−n−ブチル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾリウムヨージド(7a)
【化55】
一般手順Bに従って、IM−7a(0.240g、0.937mmol)をアセトニトリル(1.5ml)中のヨウ化n−ブチル(0.13ml、1.1mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中に沈殿させることにより精製して、明るいベージュ色の粉末として7a(0.366g、89%)を得た。
1H NMR (600
MHz, CD
3OD): δ 7.57 (t, J= 7.7 Hz, 1H), 7.39 (d, J= 7.7 Hz, 2H), 3.89 − 3.75 (m, 4H), 2.43
(s, 6H), 2.12 (s, 6H), 1.59 − 1.52 (p,J= 7.4
Hz, 4H), 1.26 (sext, J= 7.4 Hz, 4H), 0.82 (t, J= 7.4 Hz, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 143.30, 140.40, 133.97, 130.02, 128.66, 12
2.75, 46.91, 32.43, 20.61, 20.09, 13.57, 9.06。C
21H
33N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 3
13.26383、実測値 313.26388。
【0176】
参考例
1,3−ジ−n−ブチル−4,5−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウムヨージド(7b)
【化56】
一般手順Bに従って、IM−7b(0.262g、1.15mmol)をアセトニトリル(1ml)中のヨウ化ブチル(0.15ml、1.4mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中への沈殿により精製して、7b(0.298g、63%)をオレンジ色のワックス状固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.80 − 7.75 (t, J= 7.4 Hz 1H), 7.73 (t
, J= 7.6 Hz, 2H), 7.68 − 7.65 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 3.99 − 3.85 (m, 4H), 2.40 (s, 6H), 1.65 −
1.56 (p, J= 7.4 Hz, 4H),1,20 (sext, J= 7.4 Hz, 4H), 0.78 (t, J= 7.4 Hz, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 144.16, 133.61, 131.93, 130.89, 128.00, 123.85, 79.60, 46.95, 32.70, 20.50, 13.59, 9.04。C
19H
29N
2+(M
+)について計算されたHR
MS(DART)m/z 285.23253、実測値 285.23174。
【0177】
参考例
1,3−ジ−n−ブチル−2−(2,6−ジメチルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリウムヨージド(8a)
【化57】
一般手順Bに従って、IM−8a(1.86g、4.89mmol)をアセトニトリル(5ml)中のヨウ化n−ブチル(0.61ml、5.4mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中への沈殿により精製して、薄いベージュ色の粉末として8a(1.27g、46%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD): δ 7.63 (t, J= 7.7 Hz, 1H), 7.57 − 7.54 (m, 4H), 7.54 − 7.44 (m, 8H), 3.99 − 3.89 (m, 4H),
2.34 (s, 6H), 1.40 − 1.29 (p, J= 7.4 Hz, 4H)
, 1.01 (sext, J= 7.4 Hz,4H), 0.57 (t, J= 7.4 Hz, 6H)。
13C NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 144.95, 140.54, 134.31, 134.06, 132.26, 131.61, 13
0.29, 130.23, 126.76, 122.42, 47.65, 32.22
, 20.39, 20.32, 13.24。C
31H
37N
2+(M
+)について計算
されたHRMS(DART)m/z 437.29513、実測値 437.29517。
【0178】
参考例
1,3−ジ−n−ブチル−2,4,5−トリフェニルイミダゾリウムヨージド(8b)
【化58】
一般手順Bに従って、IM−6b(3.74g、10.6mmol)をアセトニトリル(10ml)中のヨウ化n−ブチル(1.8ml、16mmol)で処理した。生成物をクロロホルムに溶解し、エーテル中に沈殿させて精製して8b(3.50g、61%)を白色粉末として得た。
1H NMR (500 MHz, CD
3OD): δ 8.02 (
d, J= 7.6 Hz, 2H), 7.79 (m, 3H), 7.63 − 7.56
(d, J= 7.3 Hz,4H), 7.50 − 7.40 (m, 6H), 4.02 (m, 4H), 1.39 (p, J= 7.4 Hz, 4H), 0.98 (sext
, J= 7.4 Hz, 4H), 0.56 (t, J= 7.4 Hz, 6H)。
13C
NMR (126 MHz, CD
3OD): δ 145.32, 133.93, 133.36, 132.36, 132.18, 131.39, 131.00, 130.0
8, 127.19, 123.79, 47.73, 32.47, 20.27, 13.30。C
29H
33N
2+(M
+)について計算されたHRMS(DART)m/z 4
09.26383、実測値 409.26371。
【0179】
一般的手順C:モデル化合物研究手順
KOH(1M、2Mまたは5M)及び3−(トリメチルシリル)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩(0.025M)をCD
3OH中に溶解することによって塩基性メタノールのストック溶液を調製した。モデル化合物(1M KOHに対して0.05M、2M及び5M KOHに対して0.03M)をメタノール溶液(0.5mL)に溶解し、ガラスウールプラグを介してNMRチューブに通した。NMRチューブをフレームシールし、最初の時点で
1H NMR分光法によって分析された。3−(トリメチルシリル)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩に関連するシグナルに対するモデル化合物中の選択シグナルの積分により、モデル化合物の初期量が提供された。チューブを80℃の油浴中で加熱した。特定の時点で、5日ごとに、チューブを取り出し、室温に冷却し、
1H NMR分光法によって分析して、残ったモデル化合物の量を決定した。
【0180】
結果
試験化合物についての安定性結果を表Iにまとめる:
【表I】
a反応条件:[ImX]:[KOH] = 1:20,1:67,1:167(それぞれ1M、2M及び5M KOH実験、及び80℃において)。
b内部標準、3−(トリメチルシリル)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩と比較して、
1H NMR分光法によって測定されたカチオン残存率。
cイミダゾール濃度は、有機塩の溶解度の低下により、より高い塩基濃度で0.05Mから0.03Mに減少した。
d測定されていない。
e安定性が低いと予想されたサンプルについては、5日未満の時間間隔で分析を実施した。
f17日後に分析を実施した。
【0181】
イミダゾリウムカチオン官能化モノマーの合成
ROMPに適した式(IIA)、(IIB)及び(IIC)のイミダゾリウム官能化モノマーを以下のように調製した。調製された例示化合物が示されるが、当業者は、図示された方法及びその変形が、式(IIA)〜(IIC)従う場合、及びそうでない場合(異なるR
1置換基を有するか、及びROMPを予期する場合、場合により異なる非シクロオクテン歪みリングを有する)の両方のさらなる化合物の調製するために使用することができることを容易に理解するであろう。
【0182】
式(IIA)の例示的実施形態のモノマー合成:
【化59】
【0183】
式(IIB)の例示的実施形態のモノマー合成:
【化60】
【0184】
式(IIC)の例示的実施形態のモノマー合成:
【化61】
【0185】
ポリマーの合成
本発明によるイミダゾリウム官能化ポリマーの実施形態の例を以下のように調製した:
【0186】
式(IIC)のモノマーからのポリマー合成:
【化62】
【0187】
一般に、上記のようにROMPにより重合を行うことができる。イミダゾリウムモノマーはホモポリマーとして重合されてもよいし、HRUのためのモノマー前駆体と共重合されてもよい。ROMP中のHRUのモノマー前駆体は当該技術分野において周知である。本発明の特定の実施形態では、モノマーは、炭素環中に少なくとも1つの二重結合を含む脂肪族(C
1〜C
20)炭化水素であり得る。すべての繰り返し単位がIRUであるポリマーを作製することができ;IRU及びHRUが存在するポリマーを作製することができ;そしていくつかのHRUが架橋HRUであるポリマーを作製することができる。架橋がHRU中にある架橋ポリマー種を作るために、脂肪族炭化水素が2つの炭素環:
【化63】
(Z
3が(C
1〜C
20)炭化水素である。)のそれぞれに2重結合を含有するモノマーを添加してもよい。
【0188】
ポリマー骨格に付加されたイミダゾリウムカチオンを有する本発明のポリマーを調製するために、他の重合方法を使用することもできる。歪み環式オレフィンの開環メタセシス重合(ROMP)に加えて、原子移動ラジカル重合(ATRP)または可逆的付加フラグメンテーション重合(RAFT)のような制御されたラジカル重合により、予め官能化されたカチオンモノマーからポリカチオンが作製される。遷移金属配位錯体によるα−オレフィンの重合は、ヘテロ原子環上の嵩高い置換基が触媒とモノマーとの有害な副反応を防止することができることから、イミダゾリウムカチオンに基づくモノマーの別の可能性である。あるいは、イミダゾリウムカチオンを、ポスト重合改変アプローチを介して求電子剤を含有するポリマー主鎖に容易に結合させることができる。例えば、イミダゾールは、既存のポリマー中に存在するベンジルハライドまたはアルキルハライドと反応し、その結果イミダゾリウムがポリマーに直接結合する。反応性求電子部位を有するポリマーは、逐次重合、ラジカル重合または遷移金属触媒配位挿入重合経路によって合成することができる。
【0189】
以下は、重合をポリオレフィンメタセシスにより実施した実施形態の一例である:
【化64】
【0190】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、用語「comprise(含む)」(「comprises」及び「comprising」などのcompriseの任意の形態を含む)、用語「have(有する)」(「has」及び「having」などのhaveの任意の形態を含む)、用語「include(含む)」(「includes」及び「including」などのincludeの任意の形態を含む)、用語「contain(含有する)」(「contains」及び「containing」などのcontainの任意の形態を含む)及びその他の文法上の変形は、非限定的連結動詞であると理解されるであろう。結果として、1つ以上のステップまたは要素を「comprise(含む)」、「have(有する)」、「include(含む)」または「contain(含有する)」とする事柄/物品の方法または組成物は、それらの1つまたは複数のステップまたは要素を所有するが、それらの1つ以上のステップまたは要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「comprise(含む)」、「have(有する)」、「include(含む)」または「contain(含有する)」とする方法のステップまたは物品の要素は1つ以上の特徴を有するが、それらの1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0191】
本明細書中で使用される場合、用語「comprising(含む)」、「has(有する)」、「including(含む)」または「containing(含有する)」、及び他の文法上の変形は、用語「からなる」及び「から実質的になる」という用語を包含する。
【0192】
本明細書で使用される場合、「から実質的になる」またはその文法上の変形は、記載された特徴、整数、ステップまたは成分を特定するものとみなされるが、付加的な特徴、整数、ステップ、成分またはそれらのグループが、特許請求の範囲に記載の組成物または方法の基本的且つ新規な特徴を実質的に変えない場合に限ってのみ、1つまたは複数の追加の特徴、整数、ステップ、成分の追加を排除するものではない。
【0193】
個々の刊行物が、完全に記載されているかのように、本明細書中に参照により組み込まれたと具体的且つ個々に示されているとして、本明細書に引用された刊行物は参照により本明細書に組み込まれる。
【0194】
参照により組み込まれた主題は、明示的に示されない限り、請求の範囲の代替とはみなされない。
【0195】
1つ以上の範囲が本明細書を通して参照される場合、各範囲は、情報を提示するための簡略形式であることを意図しており、且つその範囲は、範囲内の各離散点をあたかも本明細書に完全に記載されているかのようにその範囲内に含まれると理解される。
【0196】
本発明のいくつかの態様及び実施形態を本明細書に記載及び図示してきたが、それに代わる態様及び実施形態は、同じ目的を達成するために当業者によってとられ得る。従って、本開示及び添付の特許請求の範囲は、本発明の真の主旨及び範囲内にあるこのようなさらなる及び代替の態様及び実施形態のすべてをカバーすることを意図している。