特許第6824908号(P6824908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6824908加熱要素を有する装置、コンピューティング・システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6824908
(24)【登録日】2021年1月15日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】加熱要素を有する装置、コンピューティング・システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20210121BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20210121BHJP
   G06F 15/02 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   G06F1/16 312L
   G06F1/16 312G
   G06F1/18 E
   G06F15/02 301Z
【請求項の数】24
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-561316(P2017-561316)
(86)(22)【出願日】2016年5月31日
(65)【公表番号】特表2018-520424(P2018-520424A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】US2016035088
(87)【国際公開番号】WO2016209566
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2019年5月27日
(31)【優先権主張番号】14/752,695
(32)【優先日】2015年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100112759
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ベルクマン,レミ
(72)【発明者】
【氏名】ノッコネン,エルッキ
(72)【発明者】
【氏名】パーヴォラ,ユハ
(72)【発明者】
【氏名】ルオマ,ハンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリウス,カリ
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0287299(US,A1)
【文献】 特開2009−058733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16 − 1/18
G06F 15/02 − 15/14
H05K 5/00 − 5/06
H04M 1/02 − 1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティング・デバイスの第1部分及び前記コンピューティング・デバイスの第2部分を結合する接着剤に熱的に結合される加熱要素を有する装置であって、
前記加熱要素は電力の印加に応じて加熱されることが可能であり、加熱された前記加熱要素は、前記コンピューティング・デバイスの第1部分と前記コンピューティング・デバイスの第2部分との物理的な分離を可能にするように、前記接着剤による結合の解消を引き起こし、前記加熱要素は通信ケーブルのポートである開口を通じてアクセス可能である、装置。
【請求項2】
前記電力の印加は、電圧の印加、電流の印加又は電磁エネルギの印加のうちの1つ以上を通じて提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記加熱要素は、更にラッチを通じてアクセス可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記開口は、前記コンピューティング・デバイスに存在するポートである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記存在するポートは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、オーディオ・ポート、加入者識別モジュール(SIM)ポート、又は高解像度マルチメディア・インターフェース(HDMI(登録商標))ポートを含む群から選択される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記加熱要素は、ニッケル・クロム合金、銅ニッケル合金、鉄クロム・アルミ合金及び/又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む群から選択される材料により構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記加熱要素は、シングル・ストランド・ケーブル又はマルチ・ストランド・ケーブルを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記マルチ・ストランド・ケーブルは、複数のケーブル材料で構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記加熱要素は、前記接着剤による結合を解消するために十分な熱量又は温度を十分な期間にわたって持続することが可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記コンピューティング・デバイスの第1部分は、ディスプレイ・デバイス又はディスプレイ・デバイス・カバー・ガラスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ディスプレイ・デバイスは、フラット・パネル・ディスプレイを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記コンピューティング・デバイスの第2部分は、前記コンピューティング・デバイスのデバイス・シャーシ又は前記コンピューティング・デバイスの外側カバーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記コンピューティング・デバイスは、モバイル・コンピューティング・デバイスを構成する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記モバイル・コンピューティング・デバイスは、システム・オン・チップ(SOC)デバイス、1つ以上のプロセッサ・コアを有するプロセッサ、フラット・パネル・ディスプレイ・デバイス及びメモリのうちの1つ以上を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記モバイル・コンピューティング・デバイスは、スマート・フォン、タブレット、ウルトラ・モバイル・パーソナル・コンピュータ(UMPC)、ラップトップ・コンピュータ、ウルトラブック・コンピューティング・デバイス及びウェアラブル・デバイスのうちの何れかを構成する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ウェアラブル・デバイスは、スマート・ウォッチ、スマート眼鏡又はスマート・ブレスレットのうちの何れかを構成する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
コンピューティング・システムであって:
1つ上のプロセッサ・コアを有するプロセッサ;
前記プロセッサに結合されるフラット・パネル・ディスプレイ・デバイス;
接着剤に熱的に結合される加熱要素;
を有し、前記接着剤は、前記フラット・パネル・ディスプレイ・デバイスのカバー・ガラスを外側カバーに結合し、
前記加熱要素は電力の印加に応じて加熱されることが可能であり、加熱された前記加熱要素は、前記カバー・ガラスと前記外側カバーとの物理的な分離を可能にするように、前記接着剤による結合の解消を引き起こし、前記加熱要素は通信ケーブルのポートである開口を通じてアクセス可能である、コンピューティング・システム。
【請求項18】
前記電力の印加は、電圧の印加、電流の印加又は電磁エネルギの印加のうちの1つ以上を通じて提供される、請求項17に記載のコンピューティング・システム。
【請求項19】
前記加熱要素は、更にラッチを通じてアクセス可能である、請求項17に記載のコンピューティング・システム。
【請求項20】
コンピューティング・デバイスの第1部分及び前記コンピューティング・デバイスの第2部分を結合する接着剤に熱的に結合される加熱要素に、電力を印加することを有する方法であって、
加熱された前記加熱要素は、前記コンピューティング・デバイスの第1部分と前記コンピューティング・デバイスの第2部分との物理的な分離を可能にするように、前記接着剤による結合の解消を引き起こし、前記加熱要素は通信ケーブルのポートである開口を通じてアクセス可能である、方法。
【請求項21】
前記電力の印加は、電圧の印加、電流の印加又は電磁エネルギの印加のうちの1つ以上を通じて実行される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記加熱要素は、更にラッチを通じてアクセス可能である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記開口は、前記コンピューティング・デバイスに存在するポートである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項20ないし23のうち何れか一項に記載の方法を実行する手段を有する装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
<関連出願>
本願は2015年6月26日付の米国出願第14/752,695号に対する35U.S.C.365(b)に基づく優先権を主張する。米国出願14/752,695号は全体的に本願のリファレンスに組み込まれる。
【0002】
<技術分野>
本開示は一般にエレクトロニクスの分野に関連する。特に、実施形態は機械的に組み込まれる加熱素子の配置及び/又は利用に関連する。
【0003】
<背景技術>
モバイル・コンピューティング・デバイスは、例えば改善された処理能力だけでなくバッテリ寿命の長期化にも起因して、急速に普及している。タブレット(又はスマート・フォン)の設計における現在の傾向の1つは、ディスプレイ・アセンブリを接着剤でシャーシに永続的に結合することである。これは、締め具、孔及び/又はネジの使用を最小化し、システム全体の審美性を向上させるかもしれない。しかしながら、そのような設計ソリューションは、モバイル・コンピューティング・デバイスのアップブレード及び/又は保守性(serviceability)を制限する可能性がある。
【0004】
そのようなデバイスをこじ開けるために、例えば何らかの特殊なツールとともに、外的な熱の印加が利用されるかもしれない。しかしながら、外的な熱の印加及び/又は特殊なツールは、そのようなデバイスを解体することについて、例えば解体中にデバイスに破損や損傷を与えないことを保証するために、かなりの予備知識をオペレータに要求するかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
添付図面を参照しながら詳細な説明が提供される。図中、参照番号の左側の数字は、その参照番号が最初に登場する図番号を特定する。様々な図面の中で同じ参照番号が利用されていることは、類似する又は同一の事項を示す。
図1】実施形態によるタブレット・デバイスの平面図を示す図。
図2A】何らかの実施形態による機械的な構造の断面図を示す図。
図2B】何らかの実施形態による機械的な構造の断面図を示す図。
図3】実施形態に従うサンプル・コンポーネントに組み込まれる熱ケーブルを有する機械的な部分を示す図。
図4】実施形態による図3のコンポーネントのサーマル画像を示す図。
図5】本願で説明される様々な実施形態を実現するために使用されて良いコンピューティング・システム形態のブロック図を示す図。
図6】本願で説明される様々な実施形態を実現するために使用されて良いコンピューティング・システム形態のブロック図を示す図。
図7】本願で説明される様々な実施形態を実現するために使用されて良いコンピューティング・システム形態のブロック図を示す図。
図8】本願で説明される様々な実施形態を実現するために使用されて良いコンピューティング・システム形態のブロック図を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明では、様々な実施形態の十分な理解を促すために、多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、様々な実施形態は、その具体的な詳細によらず実施されても良い。他の例では、周知の方法、プロシジャ、コンポーネント及び回路は、特定の実施形態を曖昧にしないように、詳細には説明されていない。更に、実施形態の様々な側面は、集積された半導体回路(「ハードウェア」)、1つ以上のプログラム(「ソフトウェア」)に組織されるコンピュータ読み取り可能な命令、或いは、ハードウェア及びソフトウェアの何らかの組み合わせ等のような様々な手段を利用して実行されても良い。本開示の目的に関し、「論理装置(logic)」という言及は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの何らかの組み合わせを意味する。
【0007】
上述したように、多くのデバイスでは、機械的及び環境的な耐性のために、幾つかのコンポーネントがともに接着剤で結合されている。この結合は、分解又は保守することを非常に困難にする。更に、多くの接着剤は接着を外すために加熱される必要があり、必要とされる熱は、接着されているコンポーネントに関して不都合な影響をしばしば有する。これらの接着剤のうちある種のものは、硬化させるためにも熱を必要とし、その熱は、敏感な電子コンポーネントに対してダメージを及ぼしかねない。例えば、ディスプレイ・モジュール(又は表示ガラス)は機械的なフレームに接着剤で結合されており、組み立て後にコンピューティング・デバイスのコンポーネント(例えば、内部部品)への唯一のアクセス方法は、先ず、ディスプレイ・モジュールを取り外すことである。しかしながら、ディスプレイ・モジュールは非常に熱に敏感である可能性があり(例えば、最大で摂氏65度)、(例えば、最低でも摂氏80度で)接着剤を解放するために、熱は、カバー・ガラス及びディスプレイを介して印加される必要がある。これは、ダメージを受けたディスプレイをもたらす結果となることが多く、非常に高くつく。
【0008】
これに対して、実施形態は、コンピューティング・デバイスを分解及び/又は修理するために、機械的に組み込まれる加熱素子を配置及び/又は利用する技術を提供する。例えば、或る実施形態は、接着剤の中又は接着剤の近くに(あるいは接着剤に熱的に接触させて)熱源又はヒート・ソース(a heat source)を埋め込む。例えば、ヒート・ソースは、接着される1つ以上(又は全て)のコンポーネント表面に組み込まれても良い。ヒート・ソースは、外的に又は内的にアクティブにされ、そして、接着剤で接着されるコンポーネントにダメージを与えることなく容易に分解するだけでなく、組立の段階における速やかな硬化をも許容する(コンポーネントは、接着剤及び/又は組み込まれたヒート・ソースに熱的に接触していても良い)。これに対して、あるソリューションは、外的な熱及び/又は機械的な力を利用して接着剤を解放し、(熱及び力による)これら双方の方法は、1つ以上のコンポーネントに深刻なダメージを与えてしまう可能性がある。ダメージは、熱に関連するダメージの形式である可能性があり、コンポーネントが定格の制限を超える温度にさらされてしまったり、或いは、印加される力に起因するダメージが、ケースを開けてしまう及び/又は接着されたコンポーネントを分離させてしまう。
【0009】
様々な実施形態において、本願で説明される技術は、モバイル・コンピューティング・デバイス及び/又は非モバイル・コンピューティング・デバイスを含む(図5-8を参照しながら説明されるような)様々なコンピューティング・システムに適用されても良く(モバイル・コンピューティング・デバイスは、例えば、スマート・フォン、タブレット、ウルトラ・モバイル・パーソナル・コンピュータ(Ultra-Mobile Personal Computer:UMPC)、ラップトップ・コンピュータ、ウルトラブック(登録商標)コンピューティング・デバイス、ウェアラブル・デバイス(例えば、スマート・ウォッチ、スマート・メガネ、スマート・ブレスレット等)であり、非モバイル・コンピューティング・デバイスは、デスクトップ・コンピュータ、ワークステーション、コンピュータ・サーバー(例えば、ブレード・サーバー(a blade server))、オール・イン・ワン・コンピューティング・デバイス(all-in-one computing device)等を含む)。
【0010】
図1は実施形態によるタブレット・デバイスの平面図を示す。上述したように、本願で説明される実施形態は、タブレットに限定されず、(図5-8を参照しながら説明されるような)様々なタイプのコンピューティング・システムに適用されても良く、コンピューティング・システムは、モバイル・コンピューティング・デバイス(例えば、スマート・フォン、UMPC(タブレット、ウルトラ・モバイル・パーソナル・コンピュータ)、ラップトップ・コンピュータ、ウルトラブック(登録商標)コンピューティング・デバイス、ウェアラブル・デバイス(例えば、スマート・ウォッチ、スマート・メガネ、スマート・ブレスレット等)、及び/又は、非モバイル・コンピューティング・デバイス(例えば、デスクトップ・コンピュータ、ワークステーション、コンピュータ・サーバー(例えば、ブレード・サーバー)、オール・イン・ワン・コンピューティング・デバイス等を含む)を含んでも良い。
【0011】
更に、上述したように、実施形態は、接着剤の中又は接着剤の近くに(あるいは、接着剤に熱的に接触させて)ヒート・ソースを組み込み、この場合において接着剤は様々なコンポーネントを結合するために使用される。例えば、ヒート・ソースは、接着される1つ以上(又は全て)のコンポーネント表面に組み込まれても良い。ヒート・ソースは、外的又は内的にアクティベートされても良く、そして、接着剤で接着されるコンポーネントにダメージを与えることなく容易に分解するだけでなく、組立の段階における速やかな硬化をも許容する(コンポーネントは、接着剤及び/又は組み込まれたヒート・ソースに熱的に接触していても良い)。
【0012】
図1を参照すると、ディスプレイ及びカバー・ガラスの正面から眺めた簡略化されたタブレット設計が示されている。デバイスの端(又は辺又はエッジ)に沿って走る黒いラインが示されており、その場所に加熱ケーブル/要素102が、この特定の設計例で配置されている。一実施形態では、カバー・レンズ又はガラス104は、エッジ周囲に印刷されたインクを有し;従って、加熱ケーブル102はユーザーにとって可視的でないであろう。更に、電力の入力106(及び/又は加熱要素102)は、既存のポート(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、オーディオ・ポート、加入者識別モジュール(SIM)、高解像度マルチメディア・インターフェース(HDMI(登録商標))等)のような小型ラッチ又は開口(opening)を通じてアクセス可能であっても良く、ラッチ又は開口はこの特徴を備えるように修正されていても良い。
【0013】
実施形態では、加熱要素/ケーブル102は任意のタイプのケーブルであっても良く、そのケーブルは、接着剤が着けられたコンポーネント間の結合を解放することを接着剤に許容するように、接着剤/結合剤の層を十分に加熱するために、十分な熱量又は温度を(及び/又は十分な持続期間にわたって)支持することが可能なものである。加熱要素/ケーブル102は、要素102へ電圧(及び/又は電流)を印加することにより加熱されても良い。様々な実施形態において、接着剤の解放又は解消(release)は、接着剤/結合剤が着け直し又は再利用されることを許容する。実施形態では、加熱素子/ケーブル102へ電磁エネルギを無線により伝達するために、電力の入力106は、電磁共振器(不図示)により提供されても良い。
【0014】
一例として、加熱要素/ケーブル102は、以下の材料のうちの1つ以上により構成されても良い:ニクロム(ニッケル・クロム合金)、コンスタンタン(銅ニッケル合金)、カンタル(Kanthal)(鉄・クロム・アルミ合金)、及び、これらの組み合わせ(例えば、加熱要素は、上記の材料のような様々な材料から成る異なる部分を含んでいても良い)或いはそれらの合金。実施形態では、加熱要素102は、シングル・ストランド・ケーブル又はマルチ・ストランド・ケーブル((例えば上記の材料のような)同一又は異なる材料による複数の「より線」を含み、より線は、一緒にねじられていても良いし又は別の仕方で結合されていても良い)。
【0015】
図2A及び図2Bは、実施形態に従う機械的な構造の断面図を示す。特に、図2Aは加熱要素102が接着剤102の中にモールド(又は成形)されることが可能な様子を示す。図2Bは加熱要素102が外側カバー108(図1及び図2A-2Bに示されている)のような構造の中にモールド(又は成形)されることが可能な様子を示す。しかしながら、図2A及び図2Bのこれら2つの方法は、実施形態を実現する限られた方法ではない。例えば、ヒーター・ケーブルは、ある実施形態では、(インジウム錫酸化物(ITO)を利用するような)ある印刷方法で(例えば、カバー・ガラス104のような)ガラス構造上に設計されることも可能である。
【0016】
図3は本発明の実施形態によるサンプル・コンポーネントにサーマル・ケーブル102が埋め込まれている機械的な部分を示す。一実施形態では、約30秒間にわたってシステムを通じて約1.5Aの電流が(例えば、プローブ302により)印加される。この印加は、実施形態によれば、(図3の部分のサーマル画像を示している)図4のサーマル画像に示されているように摂氏約80度で安定するまで、急速な温度上昇をもたらす。
【0017】
更に、ある種の携帯用コンピューティング・デバイスで一般的に使用される感圧接着剤(Pressure Sensitive Adhesive:PSA)でカバー・レンズを組み立てた後、レンズは非常に堅固になり、それをとり除くことは、レンズの破壊の可能性があるので安全ではない。しかしながら、サーマル・ケーブルに電流を流して約30秒間待機した後では、破壊の危険を伴わずに比較的容易にレンズを取り除くことが可能である。
【0018】
更に、そのような実施形態は、ある場所に堅固に固定されなければならないが、依然として容易に取り外す機能も提供する必要がある任意のタイプのコンポーネントに適用されて良い。このため、実施形態は次のような分野に適用されても良い:(1)ディスプレイ、裏面カバー、レンズ、カバー・ガラス等に関する携帯可能な電子装置の分野;(2)ウィンドウ、風防ガラス、鏡などに関する自動車の分野;(3)コンパクト・ディスク(CD)に対するセキュリティ・ステッカー、パーキング・パス、エントリ・パス(例えば、駐車場の通行証、アクセス許可証など)に関する分野;(4)ハッチ(hatches)、のぞき窓などのような海洋の分野;(5)計器盤などのような航空宇宙の分野;及び/又は(6)タイル、備品(fixtures)等のような住宅建設の分野。
【0019】
更に、外部熱源(及び/又は機械的な力)の必要性を排除することにより、実施形態は、コンポーネントの再利用性を改善するだけでなく、保守に必要な時間も短縮する。更に、概してシステム開発コストが低減され、その理由は、高価なジグ(jigs)及びヒーターの必要性がなくなり、分解中にコンポーネントは破壊されないからである。そのような実施形態は、従前よりも高いレートで(a higher rate)コンポーネントを再利用できるようにすることで、材料の無駄を減らすだけでなくコスト削減をも可能にすることが予想される。例えば、ディスプレイ・モジュールは、タブレット・デバイスの中で最も高価なコンポーネントとなり得るが、これが今や解体後に再利用されることが可能である。そのような実施形態は、市場におけるサービス性(in-market serviceability)を許容するための複雑な設計及びツールの必要性を排除するので、高い設計価値も有する。
【0020】
実施形態は、図5-8に関連して説明されるような1つ以上のプロセッサ(例えば、1つ以上のプロセッサ・コアを含むもの)を含むコンピューティング・システムにおいて適用されても良く、コンピューティング・システムは、例えば、スマート・フォン、タブレット、ウルトラ・モバイル・パーソナル・コンピュータ(UMPC)、ラップトップ・コンピュータ、ウルトラブック(登録商標)コンピューティング・デバイス、ウェアラブル・デバイス(例えば、スマート・ウォッチ、スマート・メガネ、スマート・ブレスレット等)のようなモバイル・コンピューティング・デバイスを含む。特に、図5は、実施形態によるコンピューティング・システム500のブロック図を示す。図示されるように、システム500は加熱要素/ケーブル102を含んでも良い。
【0021】
システム500は、1つ以上のプロセッサ502-1ないし502-N(一般的に、「複数のプロセッサ502」又は「プロセッサ502」として本願では言及されても良い)を含んでも良い。様々な実施形態において、プロセッサ502は汎用CPU(中央処理ユニット)及び/又はGPU(グラフィックス処理ユニット)であっても良い。プロセッサ502は相互接続部又はバス504を介して通信しても良い。各プロセッサは様々なコンポーネントを含むが、簡明化のため、一部分のコンポーネントがプロセッサ502-1を参照しながら専ら説明される。従って、残りのプロセッサ502-2ないし502-Nの各々が、プロセッサ502-1を参照しながら説明されるものと同一又は類似するコンポーネントを含んでいても良い。
【0022】
実施形態において、プロセッサ502-1は、1つ以上のプロセッサ・コア506-1ないし506-M(「複数のコア506」又は「コア506」のように言及されても良い)、キャッシュ508及び/又はルーター510を含んでも良い。プロセッサ・コア506は、単独の集積回路(IC)チップで実現されても良い。更に、チップは、1つ以上の共有される及び/又は専用のキャッシュ(例えば、キャッシュ508)、バス又は相互接続部(例えば、バス又は相互接続部512)、グラフィックス及びメモリ・コントローラ(例えば、図6ないし8を参照しながら説明されるようなもの)、又はその他のコンポーネントを含んでも良い。
【0023】
一実施形態において、ルーター510は、プロセッサ502-1及びシステム500の様々なコンポーネント間で通信するために使用されて良い。更に、プロセッサ502-1は1つより多いルーター510を含んでも良い。更に、プロセッサ502-1の内部又は外部の様々なコンポーネント間でのデータのルーティングを可能にするために、複数のルーター510が通信を行っても良い。
【0024】
キャッシュ508は、コア506のような、プロセッサ502-1の1つ以上のコンポーネントにより使用されるデータ(命令を含んでも良い)を保存しても良い。例えば、キャッシュ508は、プロセッサ502のコンポーネントによる高速アクセス(例えば、コア506による高速アクセス)のためにメモリ514に保存されているデータをローカルにキャッシュしても良い。図5に示されるように、メモリ514は相互接続部504を介してプロセッサ502と通信しても良い。実施形態において、キャッシュ508(共有されていても良い)は、ミッド・レベル・キャッシュ(a mid-level cache:MLC)、ラスト・レベル・キャッシュ(a last level cache:LLC)等であっても良い。コア506の各々は、レベル1(L1)キャッシュ(516-1)(概して、「L1キャッシュ516」のように本願では言及される)、又は、レベル2(L2)キャッシュのような他のレベルのキャッシュを含んでいても良い。更に、様々なコンポーネントのプロセッサ502-1が、バス(例えば、バス512)及び/又はメモリ・コントローラ又はハブを介してキャッシュ508と直接的に通信しても良い。
【0025】
図6は実施形態によるコンピューティング・システム600のブロック図を示す。図示されるように、システム600はケーブル/要素102を含む。コンピューティング・システム600は、相互接続ネットワーク(又はバス)604を介して通信する1つ以上の中央処理ユニット(CPU)602又はプロセッサを含んでも良い。プロセッサ602は、汎用プロセッサ、 (通信ネットワーク603を介して通信されるデータを処理する) ネットワーク・プロセッサ、又は、その他のタイプのプロセッサ(縮小命令セット・コンピュータ(RISC)又は複合命令セット・コンピュータ(CISC)を含む)を含んでも良い。
【0026】
更に、プロセッサ602は1つ又は複数のコア設計を有していても良い。複数のコア設計を有するプロセッサ602は、異なるタイプのプロセッサ・コアを同一の集積回路(IC)ダイに統合しても良い。また、複数のコア設計を有するプロセッサ602は、対称又は非対称マルチプロセッサとして実現されても良い。実施形態において、1つ以上のプロセッサ602は、図5のプロセッサ502と同一又は類似のものであっても良い。図1-5を参照しながら説明される動作は、システム600の1つ以上のコンポーネントにより実行されても良い。
【0027】
チップセット606は相互接続ネットワーク604と通信しても良い。チップセット606は、(図6に示されるような)システム600の様々なコンポーネントに配置されて良いグラフィックス・メモリ制御ハブ(GMCH)608を含んでも良い。GMCH608は、(図5のメモリ514と同一又は類似するものであって良い)メモリ612と通信するメモリ・コントローラ610を含んでいても良い。メモリ612は、CPU602又はコンピューティング・システム600に含まれる他の何らかのデバイスにより実行されても良い命令のシーケンスを含むデータを保存しても良い。一実施形態において、メモリ612は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)又はその他のタイプのストレージ・デバイスのような1つ以上の揮発性ストレージ(又はメモリ)を含んでいても良い。ハード・ディスクのような不揮発性メモリが使用されても良い。複数のCPU及び/又は複数のシステム・メモリのような追加的なデバイスが、相互接続ネットワーク604を介して通信しても良い。
【0028】
GMCH608は、ディスプレイ・デバイス650と通信するグラフィックス・インターフェース614を含んでも良い。一実施形態では、グラフィックス・インターフェース614は、エージーピー(an accelerated graphics port:AGP)又はペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)(又はPCIエクスプレス(PCIe)インターフェース)を介してディスプレイ・デバイス650と通信しても良い。実施形態において、(フラット・パネル・ディスプレイのような)ディスプレイは例えば信号変換部によりグラフィックス・インターフェース614と通信しても良く、信号変換部は、ビデオ・メモリ又はシステム・メモリのようなストレージ・デバイスに保存される画像のディジタル表現を、ディスプレイ・デバイスにより解釈され表示される表示信号に変換する。ディスプレイ・デバイスにより生成される表示信号は、ディスプレイ・デバイス650により解釈された後に表示される前に、様々な制御デバイスを経由しても良い。
【0029】
ハブ・インターフェース618は、GMCH608及び入/出力制御ハブ(ICH)620が通信することを可能にする。ICH620は、コンピューティング・システム600と通信するI/Oデバイスに対するインターフェースを提供しても良い。ICH620は、ペリフェラス・コンポーネント相互接続部(PCI)ブリッジ、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)コントローラ又はその他のタイプのペリフェラル・ブリッジ又はコントローラ等のようなペリフェラル・ブリッジ(コントローラ)624を介して、バス622と通信しても良い。ブリッジ624は、CPU624とペリフェラル・デバイスとの間でデータ・パスを提供しても良い。他のタイプのトポロジが使用されても良い。また、複数のブリッジ又はコントローラを通じて、複数のバスがICH620と通信しても良い。更に、ICH620と通信する他のペリフェラルは、様々な実施形態において、統合されたドライブ・エレクトロニクス(integrated drive electronics:IDE)又はスモール・コンピュータ・システム・インターフェース(small computer system interface:SCSI)ハード・ドライブ、USBポート、キーボード、マウス、パラレル・ポート、シリアル・ポート、フロッピ・ディスク・ドライブ、ディジタル出力サポート(例えば、ディジタル・ビデオ・インターフェース(DVI))又はその他のデバイスを含んでいても良い。
【0030】
バス622は、オーディオ・デバイス626、1つ以上のディスク・ドライブ628、及びネットワーク・インターフェース・デバイス630(コンピュータ・ネットワーク603と通信するもの)と通信しても良い。他のデバイスがバス622を介して通信しても良い。図示されるように、ネットワーク・インターフェース・デバイス630は、(例えば、IEEE(an Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11 インターフェース(IEEE 802.11a/b/g/n/ac等を含む)、セルラ・インターフェース(第三世代(3G)、第4世代(4G)、LPE(Low Power Embedded)インターフェース等を含む)を介して)無線によりネットワーク603と通信するためにアンテナ631に結合されても良い。他のデバイスがバス622を介して通信しても良い。また、(ネットワーク・インターフェース・デバイス630等のような)様々なコンポーネントがGMCH608と通信しても良い。更に、プロセッサ602及びGMCH608が単独のチップを形成するように組み合わせられても良い。更に、他の実施形態において、グラフィックス・アクセラレータは、GMCH608の中に含まれても良い。
【0031】
更に、コンピューティング・システム600は、揮発性及び/又は不揮発性のメモリ(又はストレージ)を含んでも良い。例えば、不揮発性メモリは、以下のうちの1つ以上を含んでも良い:リード・オンリ・メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、電気的なEPROM(EEPROM)、ディスク・ドライブ(例えば、628)、フロッピ・ディスク、コンパクト・ディスクROM(CD-ROM)、ディジタル多用途ディスク(DVD)、フラッシュ・メモリ、磁気光ディスク、又は、電子データ(命令を含む)を保存することが可能な他のタイプの不揮発性マシン読み取り可能な媒体。
【0032】
図7は1対1(a point-to-point:PtP)で構成された実施形態によるコンピューティング・システム700を示す。特に、図7は、プロセッサ、メモリ及び入/出力デバイスが多数の1対1インターフェースで相互接続されているシステムを示す。図1-6を参照しながら説明される動作は、システム700の1つ以上のコンポーネントにより実行されても良い。図示されるように、システム700はケーブル/要素102を含んでも良い。
【0033】
図7に示されるように、システム700は幾つものプロセッサを含み、簡明化のため、それらのうち2つのプロセッサ702、704のみが示されている。プロセッサ702及び704の各々は、メモリ710及び712との通信を可能にするために、ローカル・メモリ制御ハブ(a local memory controller hub:MCH)を含んでいても良い。メモリ710及び/又は712は、図6のメモリ612に関連して説明されたもののような様々なデータを保存しても良い。
【0034】
実施形態において、プロセッサ702及び704は、図6に関連して説明された何れかのプロセッサ602であっても良い。プロセッサ702及び704は、それぞれ、PtPインターフェース回路716及び718を利用して1対1(PtP)インターフェース714を通じてデータを交換しても良い。また、プロセッサ702及び704の各々は1対1インターフェース回路726、728、730及び732を利用して各自のPtPインターフェースを介してチップセット720とデータを交換しても良い。チップセット720は、更に、例えばPtPインターフェース回路のようなグラフィックス・インターフェース736を介して、グラフィックス回路734とデータを交換しても良い。
【0035】
チップセット720は、PtPインターフェース回路741を利用してバス740と通信しても良い。バス740は、バス・ブリッジ742及び/又はI/Oデバイス743のような1つ以上のデバイスと通信しても良い。バス744を介してバス・ブリッジ742は他のデバイスと通信しても良く、他のデバイスは、例えば、キーボード/マウス745、通信デバイス746(例えば、モデム、ネットワーク・インターフェース・デバイス、或いは、コンピュータ・ネットワーク603と通信する他の通信デバイス)、オーディオI/Oデバイス747及び/又はデータ・ストレージ・デバイス748である。データ・ストレージ・デバイス748は、プロセッサ702及び/又は704により実行されるコード749を保存しても良い。
【0036】
実施形態において、本願で説明される1つ以上のコンポーネントは、システム・オン・チップ(SOC)デバイスとして具現化されることが可能である。図8は実施形態によるSOCパッケージのブロック図を示す。図8に示されるように、SOC802は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)コア820、1つ以上のグラフィックス処理ユニット(GPU)コア830、入/出力(I/O)インターフェース840、及びメモリ・コントローラ842を含む。SOCパッケージ802の様々なコンポーネントは、他の図面に関連して説明されているような相互接続部又はバスに結合されても良い。また、SOCパッケージ802は、他の図面に関連して本願で説明されているもののような、より多い又はより少ないコンポーネントを含んでも良い。更に、SOCパッケージ802の各コンポーネントは、例えば本願の他の図面に関連して説明されているような1つ以上の他のコンポーネントを含んでいても良い。一実施形態において、SOCパッケージ802(及びそのコンポーネント)は、1つ以上の集積回路(IC)ダイ上に提供され、例えばそれらのICダイは単独の半導体デバイス内にパッケージングされる。
【0037】
図8に示されるように、SOCパッケージ802は、メモリ・コントローラ842を介してメモリ860に結合される(メモリは、他の図面に関連して本願で説明されるメモリと同一又は類似するものであって良い)。実施形態において、メモリ860(又はその一部分)は、SOCパッケージ802上に統合されることが可能である。
【0038】
I/Oインターフェース840は、例えば他の図面に関連して本願で説明されているような相互接続部及び/又はバスを介して、1つ以上のI/Oデバイス870に結合されても良い。I/Oデバイス870は、キーボード、マウス、タッチパッド、ディスプレイ・デバイス、画像/ビデオ・キャプチャ・デバイス(例えば、カメラ又はカムコーダ/ビデオ・レコーダ)、タッチ・スクリーン、スピーカ等のうちの1つ以上を含んでも良い。更に、図示されるように、図8のシステムは、加熱要素/ケーブル102を含んでも良い。
【0039】
更に、本願で言及されるシーン、画像又はフレーム(例えば、様々な実施形態においてグラフィックス・ロジックにより処理されても良い)は画像キャプチャ・デバイスにより捕捉されても良い(その画像キャプチャ・デバイスは、スマート・フォン、タブレット、ラップトップ、スタンド・アローン・カメラ等のような他のデバイスに組み込まれても良いディジタル・カメラ又はアナログ・デバイスであり、アナログ・デバイスが取得した画像はその後にディジタル形式に変換される)。更に、画像キャプチャ・デバイスは、一実施形態では複数のフレームを捕捉することが可能であっても良い。更に、ある実施形態では、シーンにおける1つ以上のフレームがコンピュータ上で設計/生成される。また、シーンの1つ以上のフレームがディスプレイにより提示されても良い(ディスプレイは、例えば、図6及び/又は図7に関連して説明されるディスプレイであり、例えば、フラット・パネル・ディスプレイ・デバイス等を含む)。
【0040】
以下の具体例は更なる実施形態に関連する。具体例1は、接着剤に熱的に結合される加熱要素を有する装置を含み、接着剤はコンピューティング・デバイスの第1部分及び前記コンピューティング・デバイスの第2部分を結合し、加熱要素は電力の印加に応じて加熱されることが可能であり、加熱された加熱要素は、コンピューティング・デバイスの第1部分とコンピューティング・デバイスの第2部分との物理的な分離を可能にするように、接着剤による結合の解消を引き起こす。具体例2は具体例1の装置を含み、電力の印加は、電圧の印加、電流の印加又は電磁エネルギの印加のうちの1つ以上を通じて提供される。具体例3は具体例1の装置を含み、加熱要素はラッチ又は開口を通じてアクセス可能である。具体例4は具体例3の装置を含み、開口はコンピューティング・デバイスの既存のポートである。具体例5は具体例4の装置を含み、既存のポートは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、オーディオ・ポート、加入者識別モジュール(SIM)ポート、又は高解像度マルチメディア・インターフェース(HDMI(登録商標))ポートを含む群から選択される。具体例6は具体例1の装置を含み、加熱要素は、ニッケル・クロム合金、銅ニッケル合金、鉄クロム・アルミ合金及び/又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む群から選択される材料により構成される。具体例7は具体例1の装置を含み、加熱要素は、一本のストランド・ケーブル又は複数本のストランド・ケーブルを有する。具体例8は具体例7の装置を含み、複数本のストランド・ケーブルは、複数のケーブル材料で構成される。具体例9は具体例1の装置を含み、加熱要素は、接着剤による結合を解消するために十分な熱量又は温度を十分な期間にわたって持続することが可能である。具体例10は具体例1の装置を含み、コンピューティング・デバイスの第1部分は、ディスプレイ・デバイス又はディスプレイ・デバイス・カバー・ガラスを含む。具体例11は具体例10の装置を含み、ディスプレイ・デバイスは、フラット・パネル・ディスプレイを含む。具体例12は具体例1の装置を含み、コンピューティング・デバイスの第2部分は、コンピューティング・デバイスのデバイス・シャーシ又はコンピューティング・デバイスの外側カバーを含む。具体例13は具体例1の装置を含み、コンピューティング・デバイスは、モバイル・コンピューティング・デバイスを構成する。具体例14は具体例13の装置を含み、モバイル・コンピューティング・デバイスは、システム・オン・チップ(SOC)デバイス、1つ以上のプロセッサ・コアを有するプロセッサ、フラット・パネル・ディスプレイ・デバイス及びメモリのうちの1つ以上を含む。具体例15は具体例14の装置を含み、前記モバイル・コンピューティング・デバイスは、スマート・フォン、タブレット、ウルトラ・モバイル・パーソナル・コンピュータ(UMPC)、ラップトップ・コンピュータ、ウルトラブック・コンピューティング・デバイス及びウェアラブル・デバイスのうちの何れかを構成する。具体例16は具体例15の装置を含み、ウェアラブル・デバイスは、スマート・ウォッチ、スマート眼鏡又はスマート・ブレスレットのうちの何れかを構成する。
【0041】
具体例17はコンピューティング・システムを含み、システムは、1つ上のプロセッサ・コアを有するプロセッサと、プロセッサに結合されるフラット・パネル・ディスプレイ・デバイスと、接着剤に熱的に結合される加熱要素とを有し、接着剤は、フラット・パネル・ディスプレイ・デバイスのカバー・ガラスを外側カバーに結合し、加熱要素は電力の印加に応じて加熱されることが可能であり、加熱された加熱要素は、カバー・ガラスと外側カバーとの物理的な分離を可能にするように、接着剤による結合の解消を引き起こす。具体例18は具体例17のシステムを含み、電力の印加は、電圧の印加、電流の印加又は電磁エネルギの印加のうちの1つ以上を通じて提供される。具体例19は具体例17のシステムを含み、加熱要素は、ラッチ又は開口を通じてアクセス可能である。具体例20は具体例19のシステムを含み、開口は既存のポートである。具体例21は具体例20のシステムを含み、既存のポートは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、オーディオ・ポート、加入者識別モジュール(SIM)ポート、又は高解像度マルチメディア・インターフェース(HDMI(登録商標))ポートを含む群から選択される。具体例22は具体例17のシステムを含み、加熱要素は、ニッケル・クロム合金、銅ニッケル合金、鉄クロム・アルミ合金及び/又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む群から選択される材料により構成される。具体例23は具体例17のシステムを含み、加熱要素は、シングル・ストランド・ケーブル又はマルチ・ストランド・ケーブルを有する。具体例24は具体例17のシステムを含み、加熱要素は、接着剤による結合を解消するために十分な熱量又は温度を十分な期間にわたって持続することが可能である。具体例25は、プロセッサによりアクセス可能なメモリを更に有する具体例17のシステムを含み、フラット・パネル・ディスプレイ・デバイスは、メモリに保存される少なくとも幾つかのデータに対応する1つ以上の画像を表示する。
【0042】
具体例26は、接着剤に熱的に結合される加熱要素に電力を印加することを有する方法を含み、接着剤は、コンピューティング・デバイスの第1部分及びコンピューティング・デバイスの第2部分を結合し、加熱された加熱要素は、コンピューティング・デバイスの第1部分とコンピューティング・デバイスの第2部分との物理的な分離を可能にするように、接着剤による結合の解消を引き起こす。具体例27は具体例26の方法を含み、電力の印加は、電圧の印加、電流の印加又は電磁エネルギの印加のうちの1つ以上を通じて実行される。具体例28は具体例26の方法を含み、加熱要素はラッチ又は開口を通じてアクセス可能である。具体例29は具体例28の方法を含み、開口はコンピューティング・デバイスの既存のポートである。
【0043】
具体例30は上記の何れかの具体例による方法を実行する手段を有する装置を含む。
【0044】
様々な実施形態において、例えば図1-8に関連して本願で説明された動作は、ハードウェア(例えば、論理回路)、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせとして実現されても良く、それらはコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供されても良く、コンピュータ・プログラム・プロダクトは、本願で説明されるプロセスを実行するようにコンピュータをプログラムするのに使用される命令(又はソフトウェア・プロシジャ)を保存した有形の(例えば、非一時的な)マシン読み取り可能な又はコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。マシン読み取り可能な媒体は、図1-8に関連して説明されたような記憶装置を含んでも良い。
【0045】
更に、そのようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ・プログラム・プロダクトとしてダウンロードされても良く、その場合において、プログラムは、通信リンク(例えば、バス、モデム、又はネットワーク・コネクション)を介して搬送波又はその他の伝送媒体で提供されるデータ信号により、リモート・コンピュータ(例えば、サーバー)から要求元のコンピュータ(例えば、クライアント)へ転送されても良い。
【0046】
明細書中で「一実施形態」又は「実施形態」に関する言及は、その実施形態に関連して言及される特定の特徴、性質及び/又は特徴が、少なくとも或る実現手段に含まれて良いことを意味する。明細書中の様々な箇所で「実施形態において」という言い回しの出現は、全てが同じ実施形態を指しても良いし或いは指していなくても良い。
【0047】
また、明細書及び特許請求の範囲において、「結合される(coupled)」及び「接続される(connected)」という用語が、それらの派生語とともに使用されるかもしれない。実施形態において、「接続される」は、2つ以上の要素が互いに直接的な物理的又は電気的に接触していることを示すために使用されて良い。「結合される」は、2つ以上の要素が直接的な物理的又は電気的に接触していることを意味しても良い。しかしながら、「結合される」は、2つ以上の要素が互いに直接的に接触してはいないが、それでも互いに協働又は相互作用することを意味しても良い。
【0048】
以上、実施形態が構造的な特徴及び/又は方法的な動作に特化した言葉で説明されてきたが、保護が請求される対象事項は、説明された特定の特徴や動作に限定されなくても良いことが、理解されるべきである。むしろ、そのような特定の特徴及び動作は、保護が請求される対象事項を実現する例示的な形態として開示されている。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8