特許第6824958号(P6824958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000002
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000003
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000004
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000005
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000006
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000007
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000008
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000009
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000010
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000011
  • 特許6824958-制御アセンブリを含む医療装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6824958
(24)【登録日】2021年1月15日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】制御アセンブリを含む医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20210121BHJP
   A61B 17/29 20060101ALI20210121BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   A61B17/32
   A61B17/29
   A61B1/00 711
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-504251(P2018-504251)
(86)(22)【出願日】2016年10月5日
(65)【公表番号】特表2018-538012(P2018-538012A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】US2016055427
(87)【国際公開番号】WO2017062410
(87)【国際公開日】20170413
【審査請求日】2019年6月13日
(31)【優先権主張番号】62/237,860
(32)【優先日】2015年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/285,242
(32)【優先日】2016年10月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポール
(72)【発明者】
【氏名】トン、レイ ヘウェンソン
(72)【発明者】
【氏名】ワイナー、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】スオン、ナローン
(72)【発明者】
【氏名】レイビン、サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】グラハム、デイビッド
【審査官】 北川 大地
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−523278(JP,A)
【文献】 特開2005−296412(JP,A)
【文献】 特表2015−524683(JP,A)
【文献】 特表2015−525611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
A61B 17/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
シャフトと、
シャフトの遠位端から延びる第1の器具と、
シャフトに結合された制御アセンブリと
を含み、制御アセンブリは、
コンソールと、
コンソールから近位側に延びる第1のグリップと、
コンソールから近位側に延びる第2のグリップと、
第1の器具の長手方向軸の周りで第1の器具を偏向させるように構成された第1の偏向アクチュエータと、
第1の器具の長手方向軸の周りで第1の器具を回転させるように構成された第1の回転アクチュエータと、
第1の器具の長手方向軸に沿って第1の器具を移動させるように構成された第1の長手方向アクチュエータと
第1の偏向アクチュエータから第1の器具へ延びる第1の作動アセンブリと
を含み、第1の作動アセンブリは、第1の作動アセンブリの1つ以上の管腔を通って延びる作動部材、第1の長尺状部材、及び第1の長尺状部材の遠位端に連結された第2の長尺状部材を含み、前記作動部材は、第1の長尺状部材及び第2の長尺状部材のそれぞれの管腔を通って延びる、医療装置。
【請求項2】
第1のグリップはコンソールに対して固定されており、第2のグリップは第1のグリップに対して固定されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
作動部材は、第1の偏向アクチュエータと第1の器具との両方に結合されており、第1の方向における第1の偏向アクチュエータの動きは、作動部材に遠位方向の力を加えて、第1の器具を、第1の器具の長手方向軸から第1の軌道に沿って偏向させ、前記第1の方向とは反対の第2の方向における第1の偏向アクチュエータの動きは、作動部材に近位方向の力を加えて、第1の器具を、第1の器具の長手方向軸から、前記第1の軌道とは反対の第2の軌道に沿って偏向させる、請求項に記載の医療装置。
【請求項4】
第1の長尺状部材及び第2の長尺状部材は、互いに対して回転可能である、請求項に記載の医療装置。
【請求項5】
第1の回転アクチュエータは管腔を含み、第2の長尺状部材はその管腔を通って延び、第1の回転アクチュエータの管腔及び第2の長尺状部材の外表面の一部分は、互いに嵌め合わされており、回転アクチュエータの回転は、第2の長尺状部材を回転させ、第1の器具の長手方向軸の周りで第1の器具を回転させる、請求項に記載の医療装置。
【請求項6】
コンソール内に配置された第1のギアをさらに備え、第1のギアは、第1の長手方向アクチュエータの作動によって可動であり、第2の長尺状部材の外表面に結合されたラックをさらに含み、長手方向アクチュエータの作動により、第1のギア及びラックを介して第1の器具が長手方向に移動するように、第1のギアはラックに係合する、請求項1〜のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
第2の長尺状部材は、ラックの近位側及び第1の回転アクチュエータの遠位側に配置された弾性部分をさらに含む、請求項に記載の医療装置。
【請求項8】
コンソール又は第1のグリップのうちの1つ以上に画定された第1の空洞と、第1の空洞に挿入可能な第1の挿入体とをさらに含み、第1の挿入体が第1の空洞から取り外されるとき、第1の偏向アクチュエータは第1の挿入体に結合されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
第1のグリップ及び第2のグリップのうちの少なくとも1つは、コンソールに取り外し可能に結合されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
第1の回転アクチュエータは、制御アセンブリの近位表面から延び、第1の偏向アクチュエータは、近位表面に対し傾斜した制御アセンブリの上面から延び、第1の長手方向アクチュエータは、制御アセンブリの前記上面及び前記近位表面の両方に対し傾斜した底面から延び、前記近位表面は前記上面と前記底面との間に配置されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
シャフトの遠位端から延びる第2の器具と、
第2の器具の長手方向軸の周りで第2の器具を偏向させるように構成された第2の偏向アクチュエータと、
第2の器具の長手方向軸の周りで第2の器具を回転させるように構成された第2の回転アクチュエータと、
第2の器具の長手方向軸に沿って第2の器具を移動させるように構成された第2の長手方向アクチュエータと
をさらに備え、第1のグリップは、操作者の第1の手によって保持されるように構成されており、第2のグリップは、操作者の第2の手によって保持されるように構成されており、第1の偏向アクチュエータ、第1の回転アクチュエータ及び第1の長手方向アクチュエータは、前記第1の手の指だけで制御されるように構成されており、第2の偏向アクチュエータ、第2の回転アクチュエータ及び第2の長手方向アクチュエータは、前記第2の手の指だけで制御されるように構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項12】
第1の回転アクチュエータ及び第2の回転アクチュエータは、第1のグリップと第2のグリップとの間にそれぞれ配置されている、請求項11に記載の医療装置。
【請求項13】
医療装置は、スプリットチューブであって、そのほぼ全体にわたって延びる長手方向開口部を有するスプリットチューブをさらに含み、スプリットチューブは、医療装置を内視鏡に固定するために、内視鏡のシャフトを包むように構成されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例は、医療装置用の制御アセンブリ、及び関連する挿入方法及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医師は、より侵襲的なインターベンションや治療内視鏡手術を行うことにますます積極的である。これらは、病変の除去(例えば、癌及び他の病変)、粘膜下の問題に対処するための、消化管の粘膜層下のトンネル形成、組織(例えば、癌及び他の種類の)を完全な厚さで除去すること、消化管の外側を通して他の臓器を治療すること(例えば、自然開口部越経管腔的内視鏡手術)、内視鏡治療及び/又は術後の問題(例えば手術後の漏液、縫合糸線の損壊及び/又は吻合部の漏液)の修復、胸部手術、及び気道又は胸膜腔の処置を含むがこれらに限定されない。
【0003】
これらの複雑な手術では、しばしば2チャンネル内視鏡を必要とする。しかし、多くの施設では2チャンネル内視鏡を使うことができない。アーティキュレーティングツールもこれらの手術に適用できるが、ほとんどのデザインは既存の内視鏡で人間工学的に制御することができない。アーティキュレーティングツールによって提供される追加の自由度も、1人の医師によって制御するのは難しい。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本開示は、シャフトと、シャフトの遠位端から延びる第1の器具とを含み得る医療装置に関する。医療装置はまた、シャフトに結合された制御アセンブリを含み得る。制御アセンブリは、コンソールと、コンソールから近位側に延びる第1のグリップと、コンソールから近位側に延びる第2のグリップとを含み得る。制御アセンブリはまた、第1の器具の長手方向軸の周りで第1の器具を偏向させるように構成された第1の偏向アクチュエータと、第1の器具の長手方向軸の周りで第1の器具を回転させるように構成された第1の回転アクチュエータと、第1の器具の長手方向軸に沿って第1の器具を移動させるように構成された第1の長手方向アクチュエータとを含み得る。
【0005】
第1のグリップはコンソールに対して固定されていてもよく、第2のグリップは第1のグリップに対して固定されていてもよい。医療装置は、第1の偏向アクチュエータから第1の器具へ延びる第1の作動アセンブリをさらに備えてもよく、第1の作動アセンブリは、第1の作動アセンブリの1つ以上の管腔を通って延びる作動部材を含み得る。作動アセンブリは、第1の長尺状部材と、第1の長尺状部材の遠位端に連結された第2の長尺状部材とをさらに含んでもよく、作動部材は、第1の長尺状部材及び第2の長尺状部材のそれぞれの管腔を通って延びる。作動部材は、第1の偏向アクチュエータと第1の器具との両方に結合されてもよく、第1の方向における第1の偏向アクチュエータの動きは、作動部材に遠位方向の力を加えて、第1の器具を、第1の器具の長手方向軸から第1の軌道に沿って偏向させ、前記第1の方向とは反対の第2の方向における第1の偏向アクチュエータの動きは、作動部材に近位方向の力を加えて、第1の器具を、第1の器具の長手方向軸から、前記第1の軌道とは反対の第2の軌道に沿って偏向させる。第1の長尺状部材及び第2の長尺状部材は、互いに対して回転可能であってもよい。第1の回転アクチュエータは管腔を含み、第2の長尺状部材はその管腔を通って延びることができる。第1の回転アクチュエータの管腔及び第2の長尺状部材の外表面の一部分は、互いに嵌め合わされていてもよい。回転アクチュエータの回転は、第2の長尺状部材を回転させ、第1の器具の長手方向軸の周りで第1の器具を回転させ得る。医療装置は、コンソール内に配置された第1のギアをさらに備えてもよく、第1のギアは、第1の長手方向アクチュエータの作動によって可動であり、第2の長尺状部材の外表面に結合されたラックをさらに含み、長手方向アクチュエータの作動により、第1のギア及びラックを介して第1の器具が長手方向に移動するように、第1のギアはラックに係合する。第2の長尺状部材は、ラックの近位側及び第1の回転アクチュエータの遠位側に配置された弾性部分をさらに含んでもよい。医療装置は、コンソール又は第1のグリップのうちの1つ以上に画定された第1の空洞と、第1の空洞に挿入可能な第1の挿入体とをさらに含み、第1の挿入体が第1の空洞から取り外されるとき、第1の偏向アクチュエータは第1の挿入体に結合されている。第1のグリップ及び第2のグリップのうちの少なくとも1つは、コンソールに取り外し可能に結合されていてもよい。第1の回転アクチュエータは、制御アセンブリの近位表面から延びていてもよく、第1の偏向アクチュエータは、近位表面に対し傾斜している制御アセンブリの上面から延び、第1の長手方向アクチュエータは、前記上面及び制御アセンブリの底面の両方に対し傾斜している前記底面から延びてもよく、前記近位表面は前記上面と前記底面との間に配置されている。医療装置は、シャフトの遠位端から延びる第2の器具と、第2の器具の長手方向軸の周りで第2の器具を偏向させるように構成された第2の偏向アクチュエータと、第2の器具の長手方向軸の周りで第2の器具を回転させるように構成された第2の回転アクチュエータと、第2の器具の長手方向軸に沿って第2の器具を移動させるように構成された第2の長手方向アクチュエータとをさらに備えてもよい。第1のグリップは、操作者の第1の手によって保持されるように構成されてもよく、第2のグリップは、操作者の第2の手によって保持されるように構成されてもよい。第1の偏向アクチュエータ、第1の回転アクチュエータ及び第1の長手方向アクチュエータは、第1の手の指だけで制御されるように構成されてもよく、第2の偏向アクチュエータ、第2の回転アクチュエータ及び第2の長手方向アクチュエータは、第2の手の指だけで制御されるように構成されてもよい。第1の回転アクチュエータ及び第2の回転アクチュエータは、第1のグリップと第2のグリップとの間にそれぞれ配置されてもよい。医療装置は、スプリットチューブであって、そのほぼ全体にわたって延びる長手方向開口部を有するスプリットチューブをさらに含んでもよい。スプリットチューブは、医療装置を内視鏡に固定するために、内視鏡のシャフトを包むように構成されてもよい。
【0006】
別の態様では、本開示は、シャフトと、シャフトの遠位端から延在する第1の器具と、シャフトの遠位端から延在する第2の器具と、シャフトに連結された制御アセンブリとを含む医療装置に関する。制御アセンブリは長手方向軸を有し、制御アセンブリの長手方向軸の第1の側の第1のグリップ上に配置された制御部の第1のセットを含むことができる。制御部の第1のセットは、第1の器具の長手方向軸からの第1の器具の偏向を制御し、第1の器具の長手方向軸の周りの第1の器具の回転を制御し、第1の器具の長手方向軸に沿った第1の器具の移動を制御するように構成されてもよい。制御アセンブリはまた、制御アセンブリの長手方向軸の第1の側とは反対側の第2の側の第2のグリップ上に配置された制御部の第2のセットを含み得る。制御部の第2のセットは、第2の器具の長手方向軸からの第2の器具の偏向を制御し、第2の器具の長手方向軸の周りの第2の器具の回転を制御し、第2の器具の長手方向軸に沿った第2の器具の移動を制御するように構成されてもよい。
【0007】
制御部の第1のセット及び制御部の第2のセットは、制御アセンブリの長手方向軸の周りで互いに鏡像であってもよい。
さらに別の態様では、本開示は、外科手術を行う方法に関する。この方法は、シャフトを患者に挿入するステップを含み得る。シャフトは、近位端で制御アセンブリに結合されてもよい。制御アセンブリは、コンソールと、コンソールから延びる第1のグリップと、コンソールから延びる第2のグリップとを有してもよい。第1の器具及び第2の器具がシャフトから遠位に延びてもよく、制御アセンブリは、第1の器具を制御するための制御部の第1のセット及び第2の器具を制御するための制御部の第2のセットをさらに含み得る。上記方法は、第1の手で第1のグリップを把持し、第1の手の指だけで制御部の第1のセットを作動させるステップを含むことができる。この方法はまた、第2の手で第2のグリップを把持し、第2の手の指だけで制御部の第2のセットを作動させるステップを含むことができる。
【0008】
第1のグリップはコンソールに対して固定されていてもよく、第2のグリップは第1のグリップに対して固定されていてもよい。第1の手の指だけで制御部の第1のセットを作動させるステップは、第2の手の指だけで制御部の第2のセットを作動させるステップと同時に起こり得る。
【0009】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、説明と共に本明細書の一部を構成する様々な実施例を例示しており、開示された実施例の原理を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施例による制御アセンブリの斜視図である。
図2図1の制御アセンブリの別の斜視図である。
図3図1の制御アセンブリのさらに別の斜視図である。
図4図1の制御アセンブリの破断図である。
図5】本開示の一実施例による医療装置の遠位端の斜視図である。
図6】本開示の別の実施例による制御アセンブリの部分分解図である。
図7】本開示のさらに別の実施例による制御アセンブリの部分分解図である。
図8】本開示のさらに別の実施例による制御アセンブリの部分破断図である。
図9】本開示の別の実施例による医療装置の側面図である。
図10図9の線10−10に沿った医療装置の断面図である。
図11】本開示のさらに別の実施例による医療用器具の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
ここで、本開示の実施例を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。
可能な限り、同じ参照番号は、図面全体を通して同じ又は同様の部材又は構成要素を指すのに使用される。用語「遠位」は、使用者又は操作者から離れて患者の体内に向かう方向を指す。反対に、用語「近位」は、使用者又は操作者により近く、患者の体から離れる方向を指す。
【0012】
医療装置100を図1〜5に示す。医療装置100は、操作者が患者の体内構造にアクセスして見ることを可能にするとともに、医療処置を実施するために医療器具を体内に挿入するように構成された内視鏡装置であってもよい。医療装置100は、近位端102から遠位端104(図5にのみ示す)に向かって延びることができる。図1及び図2を参照すると、制御アセンブリ106は、医療装置100の近位端102に配置され得る。シャフト108は、制御アセンブリ106から遠位に延びることができる。
【0013】
制御アセンブリ106は、医療装置100の遠位端104に配置された1つ以上の関節運動器具(例えば、図5に示す第1の器具508及び第2の器具510)を制御するために、一人の操作者によって2つの手で把持されるように構成されてもよい。制御アセンブリ106は、コンソール110並びにコンソール110から近位側に延びるグリップ112及び114を含むことができる。グリップ112及び114はまた、制御アセンブリ106の長手方向軸115から互いに半径方向に離れるように延びてもよく(すなわち、グリップ112、114の長手方向軸は長手方向軸115を横切る)、長手方向軸115に対して互いにほぼ鏡像であってもよい。コンソール110並びにグリップ112及び114は、一種の材料又は複数種の材料の組合せの単一部品として互いに連続するように形成されてもよい。別の例では、コンソール110並びにグリップ112及び114は、互いに連結された複数の外部部品を有するクラムシェル又は他の適切な容器として形成されてもよい。一旦組み立てられると、グリップ112はコンソール110に対して固定されてもよく(作動中を含む)、グリップ114はグリップ114に対して固定されてもよい。そのため、グリップ114はコンソール110に対しても固定され得る。コンソール110は上面116、底面118(図2にのみ示す)、遠位表面120、及び近位表面122を含むことができる。表面116、118、120、及び122の各々は互いに対して傾斜している。上面116は、近位端で近位表面122によって、そして遠位端で遠位表面120によって底面118に結合されてもよい。コンソール110は、任意の適切な材料又は材料の組合せ、例えば1種以上のポリマー、金属、合金等で形成することができる。いくつかの例では、コンソール110並びにグリップ112及び114のうちの1つ以上の表面は、より良好な把持表面を提供するように、粗面化、ノッチ加工、溝加工、エッチング加工、サンドブラスト加工、コーティング又はその他により改変することができる。
【0014】
図5を参照すると、シャフト108は、患者内の曲がりくねった構造をナビゲートするために可撓性であってもよい。いくつかの例では、シャフト108は、均一に可撓性であってもよいし、様々な可撓性を有する部分を含んでいてもよい。例えば、シャフト108の遠位端は、シャフト108の近位端よりも可撓性であってもよい。シャフト108は、当分野で知られている任意の適切な寸法を含むことができ、従来の医療スコープ、例えば内視鏡、尿道鏡、結腸鏡、子宮鏡、気管支鏡、又は膀胱鏡等の代わりに、又はそれと一緒に使用され得る。シャフト108は、患者の体内に直接挿入されてもよく、又は1つ以上の管腔を使用して、ガイドワイヤの上に延ばされてもよい。シャフト108はまた、腹腔鏡ポート、単一の切開ポート、オーバーチューブ、ブシュ、又は他の適切な部材に挿入されてもよい。
【0015】
図5を参照すると、シャフト108は、それを貫通する複数の管腔、例えば管腔502、管腔504、及び追加の管腔506を含むことができる。医療器具100の図示した実施形態は5つの管腔を有するが、任意の他の適切な数の管腔も考えられる。管腔502、504、及び506は、任意の適切な長さ、サイズ、断面積、形状、及び/又は構造を有してよく、シャフト108の長さの少なくとも一部に沿って延びることができる。一例では、管腔の1つ以上は、実質的にシャフト108の全長に沿って延びることができる。
【0016】
図5に示すように、管腔502及び504の各々は、そこを通って延びる1つの器具を収容するように構成されてもよい。例えば、第1の器具508が管腔502を通って延在してもよく、第2の器具510が管腔504(図5に示す)を通って延在してもよい。
【0017】
少なくとも1つの管腔506は、任意の適切な視覚デバイスを収容するように構成されてもよい。例えば、管腔506は、遠位端104の遠位の領域を含む、医療装置100の遠位端104に隣接する領域を使用者が見ることを可能にする視覚デバイスを含むように構成することができる。視覚デバイスは医療装置100に作り付けられてもよく、患者の体内管腔内の作業位置を見るために、光源、レンズ、光ファイバ、及び/又は当分野で知られている任意の適切な電子視覚コンポーネント等の1つ以上を含む。別の例では、別個の撮像デバイス302(図3に示す)を利用することができる。撮像デバイス302は、撮像デバイスを備えた小児内視鏡であってもよい。管腔506は、例えば、灌注、吸引、追加の器具の送達、治療剤の送達、又はシャフト108をガイドワイヤ上に案内するために使用されるガイド管腔等の任意の他の適切な目的のために利用され得ることも企図される。
【0018】
管腔506は、制御アセンブリ106上に配置された1つ以上のポート124によってアクセスされ得る。一例では、1つのポート124が制御アセンブリ106の上面116に配置され、2つのポート124が制御アセンブリ106の底面118に配置され得る。各ポート124は制御アセンブリ106に沿った任意の適切な位置に配置され得ることが企図される。操作者が所与のポート124の機能を識別するのを助け、かつ/又は所与のポート124を所与の管腔506につなげるために、種々のポート124は1つ以上の識別マーク(図示略)を含んでもよい。例えば、対応するポート124と管腔506は対応する又は同一のマークを有してもよい。マークはまた、所与のポート又はアクチュエータの目的又は機能を操作者に示す説明文を含んでもよい。
【0019】
器具操作
上述のように、医療装置100は、操作者が制御アセンブリ106を使用して第1の器具508及び第2の器具510の両方を操作できるように構成されていてもよい。第1の器具508の関節運動は、偏向アクチュエータ140と、回転アクチュエータ142と、長手方向アクチュエータ144と、ギア145と、作動アセンブリ146とを含む第1の制御セット137によって制御することができる。作動アセンブリ146は、ロータリージョイント152で第2の長尺状部材150に結合された第1の長尺状部材148と、第1の長尺状部材148及び第2の長尺状部材150のそれぞれの管腔を通って延びる作動部材154とを含み得る。第2の制御セット139は、第1の制御セット137の1つ以上の同じ構成要素を含み得、第2の器具510の関節運動を制御するように構成され得る。
【0020】
作動部材154は第1の長尺状部材148及び第2の長尺状部材150の内部で移動可能であってもよい。したがって、少なくともいくつかの例では、第1の長尺状部材148、第2の長尺状部材150、及び作動部材154は、ボーデンケーブルを形成することができる。作動部材154は、グリップ112内の偏向アクチュエータ140に第1の端部で結合され、作動アセンブリ146を通って延在することができ、そこで作動部材154は第2の端部で第1の器具508に結合され得る。作動部材154は、例えば、ワイヤ、ケーブル等の任意の適切な作動部材とすることができる。
【0021】
第1の長尺状部材148は、グリップ112の近位端に結合及び/又は固定されてもよく、第1の長尺状部材148の管腔154は、グリップ112を通るように配置された管腔(図示略)と連通してもよい。作動部材154はこれらの管腔を通って延びることができる。第1の長尺状部材148の遠位端は、ロータリージョイント152において第2の長尺状部材150に結合されてもよい。ロータリージョイント152は、第1の長尺状部材148の遠位端及び第2の長尺状部材150の近位端からの対応する特徴によって形成され得る。図4に示すように、第1の長尺状部材148は、第2の長尺状部材150の近位端に配置されたカップリング404を受け入れるように構成されたハウジング402を含むことができる。ハウジング402及びカップリング404は、ハウジング402の空洞内でカップリング404が回転できように形作られ得る。カップリング404は、例えば球形、円筒形、円錐形等の任意の適切な形状を有することができ、ハウジング402は、対応する形状の空洞を含むことができる。ハウジング402は第2の長尺状部材150に配置され、一方でカップリング404は第1の長尺状部材148に配置されることがさらに企図される。また、ロータリージョイント152は、第1の長尺状部材148と第2の長尺状部材150との間の相対的な回転を達成するために、任意の代替の構造を利用することができる。
【0022】
第2の長尺状部材150は、ロータリージョイント152から遠位側に延び、回転アクチュエータ142(後述する)を通るように配置された管腔156を通り、管腔502を通り、第1の器具508に結合され得る。第1の長尺状部材148及び第2の長尺状部材150は互いに対してロータリージョイント152の周りで回転可能であってもよい。以下でさらに説明するように、第2の長尺状部材150は、回転アクチュエータ142に配置された対応する機構と連結するように構成された機構を含むことができる。いくつかの例では、第2の長尺状部材150の少なくとも一部は、回転アクチュエータ142の対応する断面輪郭と相互作用するように構成された断面輪郭を有することができる。一例では、第2の長尺状部材150の一部分は、t字状の断面輪郭、星形の断面輪郭、長方形の断面輪郭、不規則な断面輪郭、又は任意の他の適切な断面輪郭を含むことができる。いくつかの例では、第2の長尺状部材150の上記一部分は、非円形の断面輪郭を有することができる。第2の長尺状部材150はまた、長尺状部材150の外表面に配置されたギア151(例えば、ラックギア)を含むことができる。
【0023】
さらに、第2の長尺状部材150の少なくとも一部分は、第2の長尺状部材150の長手方向軸に沿って弾性かつ可撓性であってもよい。一例では、弾性部153は、ギア151の近位側及び回転アクチュエータ142の遠位側に配置されてもよい。一例では、弾性部153は第2の長尺状部材150と一体化されたばねであってもよい。すなわち、ばねは、第2の長尺状部材150の近位端及び遠位端において、非弾性又は低弾性の部分によって画定されてもよい。ばねは、ステンレス鋼又は他の金属を含むことができ、あるいは例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリマー材料を含むことができる。別の例では、弾性部分153はばねではなく、ポリマー性及び/又は合成発泡体、ゴム、シリコーン及び/又はエラストマーを含む弾性材料から形成された第2の長尺状部材の一部分であってもよい。
【0024】
偏向アクチュエータ140は、第1の器具508の長手方向軸509の周りで第1の器具508の偏向を制御するように構成され得る。偏向アクチュエータ140は、第1の器具508を反対の軌道で関節運動させるために、作動部材154に対して反対方向に力を加えるように構成された任意の適切なアクチュエータであってよい。例えば、偏向アクチュエータ140は、偏向アクチュエータ140に第1の方向に力が加えられると、第1の器具508が長手方向軸509から離れる第1の軌道に沿って偏向するように構成することができる。偏向アクチュエータ140に、第1の方向とは反対の第2の方向に力が加えられると、第1の器具508は、第1の軌道と反対の第2の軌道に沿って長手方向軸509から偏向することができる。いくつかの例では、偏向アクチュエータ140に第1の方向に力が加えられると、偏向アクチュエータ140は、作動部材154に近位方向の引張り力を加えることができる。しかし、偏向アクチュエータ140に第2の方向に力が加えられると、偏向アクチュエータ140は、作動部材154に遠位方向の押出し力を加えることができる。偏向アクチュエータ140は、作動部材154に力を加えるための任意の適切な機構を利用することができる。いくつかの例では、偏向アクチュエータ140は、摺動要素又は回転要素であってもよい。
【0025】
回転アクチュエータ142は、長手方向軸509の周りの第1の器具508の回転を制御するように構成されてもよい。回転アクチュエータ142は、ノブ又は他の適切な回転アクチュエータであってもよく、コンソール110の近位表面122に結合し、または他の態様でそこから延びることができる。あるいは、回転アクチュエータ142は任意の他の適切な位置に配置されてもよい。回転アクチュエータ142は、上述したように第2の長尺状部材150の少なくとも一部の断面に嵌め合わされているか、その他の態様でそれに対応する断面を有する管腔156を含むことができる。操作者が回転アクチュエータ142を回転させると、管腔156の形状は、第2の長尺状部材150の一部の形状と相互作用し、第2の長尺状部材150を回転アクチュエータ142と共に回転させ、また、第1の器具508の長手方向軸の周りで第1の器具508を回転させる。例えば、管腔156を画定する縁は第2の長尺状部材150の外表面の縁と当接又は他の態様で係合し得る。回転アクチュエータ142が第1の回転方向(例えば、時計回り)に回転されると、第1の器具508はその第1の回転方向(例えば、時計回り)に沿って回転し得る。しかし、回転アクチュエータ142が第2の回転方向(例えば、反時計回り)に回転されると、第1の器具508はその第2の回転方向(例えば、反時計回り)に回転し得る。回転アクチュエータ142は、回転アクチュエータ142の回転が第2の長尺状部材150の対応する回転を引き起こすように、他の機構によって第2の長尺状部材150に結合されてもよい。例えば、クランプ、ヒンジ、接着剤又は他の適切な固定機構を用いて回転アクチュエータ142を第2の長尺状部材150に連結することができる。
【0026】
長手方向アクチュエータ144は、制御アセンブリ106の底面118に配置され、長手方向軸509に沿った第1の器具508の移動を制御するように構成されてもよい。長手方向アクチュエータ144は、第2の長尺状部材150に直接結合されて、長手方向アクチュエータ144が長手方向に動かされるときに第2の長尺状部材150を長手方向に移動させてもよい。第2の長尺状部材150の長手方向の移動は、さらに第1の器具508の長手方向の移動をもたらし得る。例えば、長手方向アクチュエータ144は、ギア145を第1の方向に移動させ、さらに第1の方向とは反対の第2の方向に移動させるように構成することができる。ギア145は、第2の長尺状部材150の外表面に配置されたギア151を駆動することができる。長手方向アクチュエータ144が第1の方向に動かされると、第2の長尺状部材150(及び第1の器具508)は第1の長手方向経路に沿って(例えば遠位側に)移動することができ、長手方向アクチュエータ144が第2の方向に動かされると、第2の長尺状部材150(及び第1の器具508)は、第2の長手方向経路に沿って(例えば近位側に)移動することができる。
【0027】
制御アセンブリ106は、例えば、グリップ112の側面に沿って配置されるトリガ160などの追加のアクチュエータを含むことができる。トリガ160は、第1の器具508が例えば切断部材、鉗子、把持器、又は互いに関節運動可能な複数の部分を有する他の適切な部材である場合に、第1の器具508の顎部(又は他のエンドエフェクタ)を作動させるように構成され得る。トリガ160はグリップ112の側面から外側に延びてもよい。示されている実施形態では、トリガ160はグリップ112から長手方向軸115及びグリップ114に向かって伸びるように示されている。しかしながら、トリガ160は他の方向、例えば長手方向軸115から離れるように延びてもよい。トリガ160は、操作者によって加えられた力に応答して、グリップ112から半径方向内側及び外側に移動してもよい。例えば、第1の器具508を作動させるために、操作者は、1本以上の指でトリガ160を握り、トリガ160を解放して第1の器具508を停止させるか、他の態様で元の状態に戻すことができる。一例では、トリガ160を作動部材154に取り付けることができ、長尺状部材148をトリガ160に対して固定することができる。作動部材154に取り付けられたトリガ160の一部は、ほぼ直線状の短い円弧を描いて作動部材154と軸方向に整列することによって、トリガ160が作動されたときに作動部材154を長尺状部材148に対して移動させる。この作動は、作動部材154の遠位端に結合されたエンドエフェクタを動かすことができる。別の例では、回転トリガの代わりにばね懸架式の直線作動要素を使用することができる。
【0028】
上述したように、制御アセンブリ106は、第1の器具508及び第2の器具510をそれぞれ作動させるように構成された第1の制御セット137及び第2の制御セット139の両方を含むことができる。一例では、第1の制御セット137は一方の手(例えば操作者の左手)で作動され、第2の制御セットは他方の手(例えば操作者の右手)で作動される。第1の制御セット137は長手方向軸115の第1の側に配置され、第2の制御セット139は長手方向軸115の第2の、反対の側に配置されてもよい。第1及び第2の制御セット137及び139からの1つ以上の構成要素は、長手方向軸115に対して互いに対称であってもよい。例えば、第1の制御セット137の偏向アクチュエータ140は、長手方向軸115に対して第2の制御セット139の偏向アクチュエータ140と対称であってもよい。さらに、第1の制御セット137の回転アクチュエータ142は、長手方向軸115に対して第2の制御セット139の回転アクチュエータ142と対称であってもよい。さらにまた、第1の制御セット137の長手方向アクチュエータ144は、長手方向軸115に対して第2の制御セット139の長手方向アクチュエータ144と対称であってもよい。しかしながら、いくつかの例では、これらの構成要素は互いに対称でなくてもよい。
【0029】
いくつかの例では、第1の制御セット137は、操作者の第1の手の指(親指を含む)のみで操作され、第2の制御セット139は、操作者の第2の手の指(親指を含む)のみで同時に操作されてもよい。第1の制御セット137の偏向アクチュエータ140は左の親指によって操作され、第2の制御セット139の偏向アクチュエータ140は右の親指によって操作されてもよい。第1の制御セット137の回転アクチュエータ142は、左の親指と左の人差し指によって操作されてもよい。第2の制御セット139の回転アクチュエータ142は、右の親指と右の人差し指によって操作されてもよい。あるいは、操作者は、別の適切な指の組み合わせによって回転アクチュエータを回転させてもよい。長手方向アクチュエータ144は、操作者の手の人差し指(左又は右)によって操作することができる。例えば、第1の制御セット137の長手方向アクチュエータ144は、左の人差し指で操作され、第2の制御セット139の長手方向アクチュエータ144は、右の人差し指で操作される。
【0030】
図6に示す制御アセンブリ606は上述した制御アセンブリ106と実質的に同様であるが、制御アセンブリ606は、対応する挿入体604を受け入れるように構成された1つ以上の空洞602を含み得る点で異なる。空洞602は、グリップ112及びグリップ114に、コンソール110に、又はグリップ112とグリップ114とコンソール110のうちの1つ以上に配置され得る。挿入体604は、第1の器具508(又は第2の器具510)をそれぞれの器具の長手方向軸から偏向させるように構成された偏向アクチュエータ140を含んでいてもよい。図6の実施形態では、作動アセンブリ146は挿入体604の側面から延在してもよく、又は挿入体604が空洞602内に配置されたときに露出している挿入体604の表面から他の態様で延在してもよい。挿入体604及び空洞602は、例えばスナップフィット及び他の係合を含む任意の適切な機構により結合されてもよい。図6に示されている例は、器具又はエンドエフェクタを作動させるために、図1及び2を参照して上記に説明したものと実質的に同様のトリガ160も使用し得る。
【0031】
図7に示す制御アセンブリ706は上述した制御アセンブリ106と実質的に同様であるが、制御アセンブリ706のグリップ112及び114はコンソール110から取り外し可能な点で異なる。グリップ112及び114は、スナップフィット又は他の適切な係合によってコンソール110に結合され得る。図7に示す実施形態では、偏向アクチュエータ140は、取り外し可能なグリップ112及び114に直接結合されてもよい。
【0032】
図8に示す制御アセンブリ806は上述した制御アセンブリ106と実質的に同様であるが、長手方向アクチュエータ144が、制御アセンブリ106の遠位表面120から突出するホイール802に置き換えられている点で異なる。ホイール802の回転は、ギア145を回転させ、ギア151を介して第2の長尺状部材150及び器具508、510を駆動して長手方向に移動させる。
【0033】
図9及び10には医療装置900が示されており、これは近位端902から遠位端904まで延びることができる。医療装置900は、シャフト108及びスプリットチューブ906を含むことができる。スプリットチューブ906は、近位端902から遠位端904まで延びて、内視鏡、気管支鏡等の内視鏡部材のシャフトを包むように構成された長尺状部材とすることができる。スプリットチューブ906は、スプリットチューブ906の長さのほぼ全体に沿って延びる長手方向の開口910を含むことができる。開口910は、スプリットチューブ906を内視鏡部材のシャフトの周りに配置することを可能にする。スプリットチューブ906は、医療装置900の長さのほぼ全体に沿ってシャフト108に固定されてもよい。いくつかの例では、スプリットチューブ906及びシャフト108は近位端部902及び遠位端部904において互いに結合されていなくてもよく、スプリットチューブ906及びシャフト108はこれらの結合されていない領域で互いに対して移動可能である。内視鏡のシャフトの周りに配置されると、スプリットチューブ906は、例えば摩擦嵌め、クランプ等の任意の適切な方法で内視鏡シャフトに固定され得る。
【0034】
医療装置1100が図11に示されている。医療装置1100は、上述したシャフト108と実質的に同様であるシャフト1108であって、それ自体がシャフト1108の長さのほぼ全体に沿って延びる開口1110を有するスプリットチューブであるシャフト1108を含み得る。したがって、シャフト1108は、スプリットチューブ906と同様の態様で内視鏡のシャフトを包むように構成されてもよい。長尺状部材1108の近位端(図示略)は、操作者が医療装置1100の遠位端に配置された器具の関節運動を制御することを可能にするために、制御アセンブリ106(上述)に結合されてもよい。
【0035】
医療装置900及び1100は上記記載の医療装置100の機能の1つ以上を含むことができ、さらにガイドワイヤ等の従来の内視鏡シャフトを効果的に用いて、従来の内視鏡デバイスと併用することができる。この構成はまた、対にされた内視鏡装置に画像化等のある種の機能が存在する場合には、医療装置900及び1100からそのような機能を省略することを可能にする。これにより、医療装置900及び1100の製造コストが低減され、医療従事者は、既存の機器と併せて医療装置900及び1100を利用することができる。
【0036】
本明細書に開示された医療装置は、操作者が自分の指のみを使用して、2つの関節運動器具(例えば、第1及び第2の器具508及び510)の全ての自由度を制御することを可能にすることができる。第1及び第2の器具508及び510の制御は、腕、手首又は肘の動きなどの大きな筋肉群の必要をなくすことができる。開示された医療装置は、操作者の手の支持を除いて、追加の支持の必要をなくすことができる。制御アセンブリ106を保持している操作者は、負荷を加えている手によって、ユーザインターフェースに適用された全てのデジタル入力に抵抗することができる。すなわち、操作者の手は、スタンド又は他の剛性構造に対するアンカーを必要とする装置の代わりに、作動を生じる重要な部分に対するアンカーとして作用することができる。
【0037】
開示された医療装置は、再利用可能又は半再利用可能なコンソール110にいくらかの自由度を維持することを許容する。様々な構成要素の再利用可能性は、開示されている医療装置を使用する長期的なコストを低減することができる。
【0038】
当業者は、上述した医療装置は、特許請求の範囲によって画定された本開示の範囲を逸脱することなく任意の適切な身体の内腔(例えば、血管、胆道、泌尿器官の管、胃腸管腔等)で実施することができることを理解するであろう。特に、製造技術及び材料を含む構造上の詳細は、十分に当業者の理解の範囲内にあり、ここでは詳細に説明していない。これら及び他の変更例及び変形例は、十分に本開示の範囲内にあり、当業者によって想定及び実施され得る。
【0039】
本開示の他の例は、本明細書及び本明細書に開示された実施例の実施を考慮すれば当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は例示的なものに過ぎず、特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、形式及び詳細の逸脱がなされ得ることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11