(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の端部部分(18)及び第2の端部部分(14)、並びに前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間に延びる中央部(12a)を有するとともに、使用中に使用者の方に向かって面することを意図される第1の表面(21)及び前記使用者から離れるように面することを意図される第2の表面(22)を有する第1のカバー層(20)を備えた本体(12)を備える、ベルト付きの使い捨て式物品(10)であって、
当該物品が、外面を有するベルトを形成するように、当該物品の着用者のウェストの周りで互いに対して固定するために第1のベルト部分(16)及び第2のベルト部分(17)が前記本体の前記第1の端部部分(18)の両側に延びるように前記本体に取り付けられた一対のベルト部分(16、17)をさらに備える、ベルト付きの使い捨て式物品(10)において、
前記第1のベルト部分(16)は前記第2のベルト部分(17)の外面に取り付けられるように適用された固定部材(51)を担持する自由端(11)を有し、
前記本体の前記第2の端部部分(14)が、前記本体の前記第2の端部部分(14)を、当該物品がパンツのウェスト部分の一部を形成するベルト部分を有するパンツ用の形状をとるように前記ベルト部分に固定するための固定装置(48、49)を備え、
当該物品の使用の前に、前記第1及び第2のベルト部分(16、17)は前記第1の表面(21)上に折り畳まれて折り畳まれたベルト構成を形成し、それによって前記第1のベルト部分(16)が前記第2のベルト部分(17)の最上部上に配置され、
ベルト開放トリガー領域(50)が前記第1のベルト部分(16)上に配置されるとともに、前記第1のベルト部分(16)の前記自由端(11)に隣接して配置され、
前記自由端(11)の自由端縁(11a)に隣接する一部が、色または模様によって当該物品の残りの部分から区別され、
前記固定部材(51)が前記ベルト開放トリガー領域(50)と前記自由端縁(11a)との間の前記第1のベルト部分上に配置されていることを特徴とする、物品(10)。
前記ベルト開放トリガー領域(50)は、前記ベルト部分が前記折り畳まれたベルト構成にあるときに、前記第1のベルト部分(16)の前記自由端(11)へ使用者を導く指標(52)を画定していることを特徴とする請求項1に記載の物品(10)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は改良されたベルト付きの使い捨て式物品を提供することであり、この物品ではベルトの付いた部分は、ベルトが折り畳まれた構成にあるときに既に容易かつ迅速に広げられる。この目的は、請求項1の特徴によって少なくとも部分的に達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この開示はベルト付きの使い捨て式物品に関する。ベルト付きの使い捨て式物品は、第1及び第2の端部部分を有する本体と、その間に延びる中央部分と、を備える。本体は、使用中に、使用者に向かう方向に面することを意図された第1の表面及び使用者から離れる方向に面することを意図された第2の表面を有する第1のカバー層を含む。物品は、第1のベルト部分及び第2のベルト部分が物品の着用者のウェストの周りで互いに対して固定されるために本体の第1の端部部分の両側に延びて外面を有するベルトを形成するように、本体に取り付けられた一対のベルト部分をさらに備える。
【0009】
第1のベルト部分は、ベルト部分の他方の外面に取り付けられるように適用された固定部材を担持する自由端を有する。本体の第2の端部部分は、本体の第2の端部部分をベルト部分に固定するための固定装置を備え、それによって物品はパンツのウェスト部分の一部を形成するベルト部分を有するパンツ様の形状をとる。さらに、第1及び第2のベルト部分は第1の表面の上で折り畳まれて、物品の使用前には折り畳まれたベルト構成を形成する。それによって、第1のベルト部分は第2のベルト部分の最上部上に配置される。さらに、ベルトを開放するきっかけとなる領域
(ベルト開放トリガー領域)が、第1のベルト部分の上に配置されるとともに第1のベルト部分の自由端に隣接して配置される。
【0010】
このように、着用者又は介護者は、ベルト部分が折り畳まれたベルト構成にある場合に第1のベルト部分の自由端を認識するようにガイドされるだけでなく、ベルト部分を開放する、すなわちベルト(ベルト部分)及び物品を着用者のウェストの周りに配置するのに先立って、第1の折り畳まれたベルト部分を少なくとも広げるようにきっかけを与えられる。言い換えると、
ベルト開放トリガー領域は、ベルト部分が折り畳まれたベルト構成にあるときに第1のベルト部分の自由端を認識し、着用者又は介護者がベルト部分を開放されたベルト構成に最初に広げるきっかけを与えるように適用される。本明細書では、広げられたベルト構成は、ベルト部分のそれぞれ1つが本体の第1の表面から拡げられている構成をいう。また、第1のベルト部分の自由端に隣接して配置された、
ベルト開放トリガー領域は、第1のベルト部分の自由端を、本体に取り外せないように取り付けられた第1のベルト部分の別の端部から区別するために便利である。多くのタイプのベルト付き物品において、ベルト部分の自由端及び他の取り外せないように取り付けられた端部は、折り畳まれたベルト構成に配置されているときには本質的には同一であると考えられる。したがって、第1のベルト部分の自由端に隣接して配置された
ベルト開放トリガー領域を有するという対策によって、着用者又は介護者が間違った端部、すなわち取り外せないように取り付けられた端部でベルト部分を開放しようとする危険を減少させることが可能となる。この目的のために、本開示の例示の実施形態は、物品が折り畳まれたベルト構成にあるときに既に、ベルト部分の自由端を見つけるためにほとんど考える必要がないという利点を提供する。
【0011】
さらなる利点は、従属請求項の特徴の1つ又はいくつかを実行することによって達成される。
【0012】
1つの例示の実施形態では、
ベルト開放トリガー領域は、ベルト部分が折り畳まれたベルト構成にあるときに、使用者を第1のベルト部分の自由端に導く指標を画定する。このように、着用者又は介護者が間違った端部でベルト部分を開放しようとする危険がさらに減少する。
【0013】
例示の方法によって、
ベルト開放トリガー領域は、ベルト部分が折り畳まれたベルト構成にあるときに、第1のベルト部分の自由端へ使用者を導く矢印の形状に似ている。
【0014】
ベルト開放トリガー領域は、いくつかの異なる方法で第1のベルト部分に配置することができる。例として、
ベルト開放トリガー領域は、印刷された
ベルト開放トリガー領域である。代替的に、
ベルト開放トリガー領域は、エンボス加工された
ベルト開放トリガー領域である。また別の例では、
ベルト開放トリガー領域は、組み合わされた印刷された
ベルト開放トリガー領域及びエンボス加工された
ベルト開放トリガー領域である。
【0015】
さらに、又は代替的に、
ベルト開放トリガー領域は、第1のベルト部分の表面に取り付けられたラベルである。ラベルと、印刷された及び/又はエンボス加工された
ベルト開放トリガー領域と、の組み合わせもまた想到可能である。
【0016】
1つの例示の実施形態によれば、第1のベルト部分の残りのベルト区画は、本質的に均一の模様の無い外面を有する。
【0017】
例示の方法によって、第1のベルト部分の残りのベルト区画は、識別可能な標識を有しない。
【0018】
いくつかの例示の実施形態では、第1及び第2のベルト部分のいずれか一方が、中程度の弾性を有する領域を備える。
【0019】
いくつかの設計上の変形体によれば、
ベルト開放トリガー領域は、第1のベルト部分の他の部分とは異なる触知性の特性を有する触知性領域を備える。第1のベルト部分の他の部分とは異なる触知性の特性を有する触知性領域は、第1のベルト部分の他の部分とは異なる、
ベルト開放トリガー領域の材料を使用することによって提供することができる。さらに、又は代替的に、第1のベルト部分の他の部分とは異なる触知性の特性を有する触知性領域は、
ベルト開放トリガー領域の材料又は表面を処理することによって、例えばコーティング、エンボス加工、又はその種の処理によって提供することができる。
【0020】
さらに、又は代替的に、
ベルト開放トリガー領域は、第1のベルト部分の他の部分とは異なる色の特徴を有する視覚的領域を備えることができる。
【0021】
いくつかの設計上の変形体において、
ベルト開放トリガー領域は、複数の
ベルト開放トリガー領域要素を備える。例として、
ベルト開放トリガー領域要素のそれぞれ1つは、第1のベルト部分の自由端に向かって方向づけられた指標を画定する矢印の形状を与えられる。さらに、
ベルト開放トリガー領域要素のそれぞれ1つは、典型的には第1のベルト部分の表面に亘る模様を形成するように配置することができる。本明細書では、「模様」によって、少なくとも1つの
ベルト開放トリガー領域要素の系統的な配置が意味される。そのような模様は、様々なタイプの
ベルト開放トリガー領域要素によって形成することができる。
【0022】
ベルト開放トリガー領域は、約5〜40mmのベルトの横方向における長さ、好ましくは約10〜35mmのベルトの横方向における長さ、より好ましくは20〜30mmのベルトの横方向における長さを有することができる。
【0023】
ベルト開放トリガー領域は、10〜40mmのベルトの縦方向における長さ、好ましくは15〜30mmのベルトの縦方向における長さ、より好ましくは20〜30mmのベルトの縦方向における長さを有することができる。
【0024】
典型的には、
ベルト開放トリガー領域は、前記第1ベルト部分の外面に配置される。
【0025】
1つの例示の実施形態によれば、第2の
ベルト開放トリガー領域は第1のベルト部分上に配置され、第2のベルト部分の自由端に隣接して配置される。第2の
ベルト開放トリガー領域は、第2の
ベルト開放トリガー領域が、第1のベルト部分の代わりに第2のベルト部分上に配置される他に、例、特徴、機能、及び/又は上述の
ベルト開放トリガー領域に関して記載されたような配置のいずれか1つに組み込まれてもよい。
【0026】
典型的には、厳密に必要であるわけではないが、第2のベルト部分は物品の吸収部分に重ねて配置され、第1のベルト部分は第2のベルト部分に重ねて配置される。したがって、第1及び第2のベルト部分が第1の表面の上で折り畳まれて、物品の使用前の折り畳まれたベルト構成を形成しているときに、第2のベルト部分は物品の吸収部分に重なるように配置され、第1のベルト部分は第2のベルト部分に重なるように配置され、それによって第1のベルト部分の自由端上の固定部材は第2のベルト部分の外面に取り外し可能に取り付けられる。
【0027】
1つの例示の実施形態において、第2のベルト部分は、分離可能な接着剤(breakable adhesive)によって第1のカバー層の第1の表面に取り外し可能に取り付けられる。したがって、第1及び第2のベルト部分が第1の表面の上で折り畳まれて、物品の使用前の折り畳まれたベルト構成を形成するときに、第2のベルト部分は、分離可能な接着剤によって第1のカバー層の第1の表面に取り外し可能に取り付けられる。
【0028】
同様に、第1のベルト部分は、分離可能な接着剤によって第2のベルト部分の外面に取り外し可能に取り付けられる。したがって、第1及び第2のベルト部分が第1の表面の上で折り畳まれて物品の使用前の折り畳まれたベルト構成を形成するときに、第1のベルト部分は、分離可能な接着剤によって第2のベルト部分の外面に取り外し可能に取り付けられる。
【0029】
いくつかの設計上の変形体において、自由端縁に隣接する自由端の部分は、物品の残りの部分から、色、模様、又はその種のものによって区別される。
【0030】
典型的には、厳密に必要であるわけではないが、物品の第1の端部部分から延びる第1及び第2のベルト部分のいずれかの一部も、第2の端部部分に取り外せないように取り付けられる。
【0031】
いくつかの例示の実施形態において、ベルト付きの物品は、おむつ及び失禁ガードのような使い捨て式吸収性物品である。
【0032】
いくつかの例示の実施形態において、ベルト付きの物品は、第1の液体透過性カバー層と、第2の実質的に液体不透過性カバー層と、の間に配置される。
【0033】
本開示の例示の実施形態のさらなる特徴及びそれによる利点が、特許請求の範囲及び以下の説明を検討するときに明白となるだろう。当業者は、例示の実施形態の異なる特徴を組み合わせて、本開示の範囲から逸脱することなく、以下に説明するもの以外の実施形態を想像することができることを悟るだろう。
【0034】
添付の図面を参照して、例として引用される開示の実施形態のより詳細な説明が以下に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の様々な特徴が以下に、本発明の例示の実施形態が示される添付の図面を参照してより十分に説明される。しかし、開示の例示の実施形態は、多くの異なる形態に具現化することができ、ここに説明される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろこれら実施形態は、完全性かつ網羅性のために提供されている。同様の参照符号は、本開示を通じて同様の構成要素を参照する。
【0037】
本開示の目的に対して、用語「後部」、「前部」、「鉛直な」、「水平な」、「縦方向の」、「内側」、「外側」、「外部」、「内部」、及びそれらの派生語は、例えば
図2において方向づけられたような開示の例示の実施形態に関する。しかし、例示の実施形態が、それとは反対に明確に特定されている場合を除いて、様々な代替的な配向を仮定することができることを理解すべきである。また、添付の図面に図示され、以下の明細書に記載された例は例示の実施形態であること理解すべきである。したがって、ここに開示される例示の実施形態に関する寸法及び他の物理的な特徴は、特許請求の範囲が別様に明確に記述しない限り、限定として考えるべきではない。
【0038】
本開示は主に、選択されるか、別様に使用後に吸収性物品として修復され、若しくは再使用されることを意図されない、使い捨て式の吸収性物品を参照する。本開示はさらに、ベルトタイプの使い捨て式物品、いわゆるベルト物品又はベルト付き物品に関する。したがって、以降では、ベルト付き使い捨て式吸収性物品は、ベルト付き吸収性物品、ベルト付き使い捨て式物品、ベルト付き物品、ベルト物品又は単に物品として参照される場合がある。
【0039】
物品は一般的に、ベルトと本体部分とを備える。ベルト付き物品は、物品の本体部分の前端部又は後端部のいずれかに接続された横方向ベルトを備える。そのようなベルト物品を適用する際には、ベルトは最初の段階で使用者のウェストの周りに固定される。ベルト物品の本体部分は、このタイプの物品のベルトから垂れ下がる。次いで本体部分が使用者の両脚の間に導かれて、ベルトに取り付けられ、ベルトは、その横方向自由端によって本体上に配置された固定部材又は固定装置に密着することを意図された固定表面を備える。
【0040】
図1及び2は、本開示の例示の実施形態によるベルト付き物品10のいくつかの構成要素を図的に示し、ベルト付き物品10は、使用中に着用者に向かって面することを意図された側から示されている。
【0041】
ベルト付き物品10は、本体及びウェストベルト15を備える。この例示の実施形態中のベルトは、第1のベルト部分16と第2のベルト部分17とを含む。さらに、ベルト付き物品10は、縦方向Xと横方向Yとを有する。本体部分12は第1のカバー層20を備える。言い換えると、ベルト付き物品は、縦方向Xに長さ拡張部を有し、横方向Yに幅拡張部を有する。さらに、本体12は第1の端部18、第2の端部14、及びその間に延びる中央部12aを有する。
【0042】
本体は第1のカバー層20を含み、このカバー層20は、使用中に使用者に向かって面することを意図された第1の表面21及び使用者から離れる方に面することを意図された第2の表面22を有する。
【0043】
言い換えると、第1及び第2の端部18、14、及びそれらの間に延びる中央部12aを有する本体12を備える、ベルト付き使い捨て式物品10が提供される。また、本体は、使用中に使用者の方に面することを意図された第1の表面21及び使用者から離れて面することを意図された第2の表面22を有する第1のカバー層20を備える。
【0044】
この例示の実施形態では、
図1及び2に示すように、第1の端部が後端部18であり、第2の端部が前端部14である。
【0045】
物品は、第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17が、物品の着用者のウェストの周りに互いに対して固定されて外面16a、17aを有するベルトを形成するために、本体の第1の端部18の両側に延びるように本体に取り付けられた一対のベルト部分16、17をさらに備える。このように、第1及び第2のベルト部分16、17のそれぞれは、本体12に後端部18でそれぞれ接続される。第1のベルト部分16は縦方向端部2に接合され、第2のベルト部分17は対向する縦方向端部1に接合される。
【0046】
典型的には、厳密に必要とされるわけではないが、ベルト部分は部分的に又は全体的に弾性を有することができる。このように、以降では、ウェストベルトを、弾性ウェストベルト、弾性ベルト、又は単にベルトとしてもまた参照する場合がある。ベルト付き物品10のベルト15は、使用者のウェストを取り巻くことを意図されている。言い換えると、ベルトを形成するベルト部分16、17は、使用者のウェストを取り巻くことを意図されている。ここではベルトは、使用中に着用者に面する内面19と、使用中に着用者から離れて面する外面16a及び17aを有し、前記ベルトは第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17を備える。
図1及び2に示すベルト物品では、ベルト部分(第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17)は、ベルト物品の横方向Yに延びる。また、ベルト部分(第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17)は、縦方向Xにも延びる。
【0047】
第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17は、これら第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17のそれぞれが、物品の着用者の周りに互いに対して固定されることを目的として、本体の第1の端部部分の両側に延びるように本体に取り付けられる。この目的のために、さらに後述されるように、第1のベルト部分16は物品の着用者の周りに互いに対して固定されることを目的として第2のベルト部分17に取り付けられるように適用された固定部材又は固定要素を有する。
【0048】
この例では、例えば
図1〜3aに示されるように、第1のベルト部分はベルト部分の他方、すなわち第2のベルト部分17の外面17aに取り付けられるように適用された固定部材51を担持する自由端11を有する。ベルト部分の他方の外面17aには、いくつかの例において、対になる(図示されない)固定要素を設けることができる。さらに、固定部材51及び対になる固定要素のそれぞれ1つは、互いに機械的相互接続を形成することができる機械的コネクタ構造を備えることができる。機械的コネクタ構造の1つの例は、フック及びループ材料(hook and loop material)である。これによって、固定部材及び対になる固定要素は機械的に接続可能となり、第1のベルト部分と第2のベルト部分との間の、吸収物品の着用者の周りで互いに対して固定することを目的とする相互接続を形成する。
【0049】
上述のように、本体の第2の端部部分14は、ベルト部分がパンツのウェスト部分の一部を形成する状態で物品がパンツ用の形状をとるように、本体の第2の端部部分14をベルト部分に固定するための固定装置48、49を備える。本体の第2の端部部分14は、典型的には第1のベルト部分16及び/又は第2のベルト部分17の外面16a、17aに固定される。
【0050】
言い換えると、本体の前端部、すなわち第2の端部部分14は、本体の前端部をベルトに固定するための固定装置48、49を含む。
【0051】
図2を参照すると、物品は、第1及び第2のベルト部分16、17が物品の使用の前に折り畳まれたベルト構成を形成するように、第1のカバー層20の第1の表面21の上で折り畳まれている状態で示されている。これによって、第1のベルト部分16は第2のベルト部分17の最上部の上に配置される。さらに、
図2は、第1のベルト部分の上に配置されるとともに第1のベルト部分16の自由端11に隣接して配置された、
ベルト開放トリガー領域50を図示している。
ベルト開放トリガー領域50は後述に、特に
図3a〜3cに関連してさらに説明される。
図3a〜3cに関連して記載されるような
ベルト開放トリガー領域50の特徴、機能、例、及び詳細を、
図1及び2に関連して記載された物品に組み込むことができることが容易に理解されるべきである。
【0052】
再び
図2を参照すると、ベルト付き物品はここでその折り畳まれたベルト構成で示されている。
図2に示されるように、第2のベルト部分17は物品の本体に重なるように配置されており、第2のベルト部分16は第2のベルト部分に重なるように配置されている。言い換えると、第2のベルト部分17は本体12の第1の端部部分18に重なるように配置されており、第1のベルト部分16は第2のベルト部分17に重なるように配置されている。この例示の実施形態では、第2のベルト部分17は物品の吸収部分に重なるように配置され、第1のベルト部分16は第2のベルト部分17に重なるように配置されている。したがって、第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17が第1の表面21の上で折り畳まれて、物品の使用の前の折り畳まれたベルト構成を形成するときに、第2のベルト部分17は物品の吸収部分40に重なるように配置されており、第1のベルト部分16は第2のベルト部分17に重なるように配置されている。この目的で、第1のベルト部分の自由端11上の固定部材51は、第2のベルト部分17の外面17a(
図3a参照)に取り外し可能に取り付けられる。
【0053】
さらに、第2のベルト部分17は、分離可能な接着剤によって第1のカバー層20の第1の表面21に取り外し可能に取り付けられる。言い換えると、第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17は第1の表面21の上で折り畳まれて、物品の使用の前の折り畳まれたベルト構成を形成し、第2のベルト部分17は分離可能な接着剤によって第1のカバー層20の第1の表面21に取り外し可能に取り付けられている。
【0054】
同様に、第1のベルト部分16は、分離可能な接着剤によって第2のベルト部分17の外面17aに取り外し可能に取り付けられる。言い換えると、第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17が第1の表面21の上で折り畳まれて物品の使用の前の折り畳まれたベルト構成を形成するときに、第1のベルト部分16は分離可能な接着剤によって第2のベルト部分17の外面17aに取り外し可能に取り付けられている。
【0055】
用語ベルト部分、ベルトの半分、又はベルトの端部区画は、2つのベルト部分、2つのベルトの半分、又は2つのベルトの端部区画を意味するのではなく、同じ長さでなければならないことに注意すべきである。代替的な実施形態では、一方のベルト部分は他方より長くすることができる。しかし、2つのベルト部分の組み合わされた長さは、使用者のウェストの周りに伸びることが重要である。本開示の代替的特徴では、ベルト付き物品10の2つのベルト部分16、17は1つの材料部分から構成することができ、この材料部分は、後端部18の全体を横切る横方向Yに延び、それぞれの縦方向縁部1、2を超える。ベルト15は、本開示の別の代替的特徴によれば、弾性を有しないか、又は部分的に弾性を有する。部分的に弾性を有するベルトは、ベルトの長さの所定の部分が弾性的特徴を有するがベルトの長さの所定の他の部分は弾性的特徴を有しないことを意味する。
【0056】
いくつかの設計的変形体では、第1のベルト部分及び第2のベルト部分16、17のいずれか一方が中間的な弾性領域(図示せず)を備える。
【0057】
上述のように、ベルト物品10はここでは第1のカバー層20を備え、第1のカバー層は、ベルト物品10が使用されるときに使用者に向かって面することを意図される第1の表面21を備える。ベルト物品10はここでは対向する第2の表面22をも備える。典型的には、厳密に必要なわけではないが、ベルト物品10の第1のカバー層20は砂時計状の形状を有する。例えば長方形形状のような他の形状もまた、他の設計的変形体において想到可能である。
【0058】
第1のカバー層20は、この目的のために好適ないずれの材料から構成することができる。使い捨て式物品に対して最も一般的なカバー材料は不織布地材、様々な方法に従って製造されたいわゆる不織材である。一般的ではないが、不織材又は網状材から成るカバー層20の使用もあり得る。例えば、カバー層20として好適な不織材料は、ポリエステル又はポリプロピレンのような合成繊維、綿繊維のような天然繊維から製造することができる。合成繊維と天然繊維との混合物もまたあり得る。不織材料の製造は、2つの主な段階、ウェブ形成及びウェブ接合から成る。ウェブ形成は、ウェブができるだけ均一な表面重量(surface weight)を作ることを意味し、ウェブは天然繊維又は人工のスフのカーディングによって作ることができる。スパンレイド技術は別のウェブ形成技術であり、ポリマ材料が連続的なコンベア上で細い連続した繊維糸に押し出される。押し出しの後に押し出された細い繊維糸はランダム化され、ランダムな態様で連続的なコンベア上に着地する。ウェブ形成はいくつかの異なる方法で行うことができる。一般的に行われる方法は、いわゆる熱接合であり、接合模様がローラニップ中の繊維ウェブに融け込み、ホットローラの少なくとも1つは模様を有する。熱溶着によるウェブ形成が機能するために、ウェブ中の繊維の少なくとも所定の部分は可溶性の合成繊維から構成されなければならない。生じる接合パターンは、変化する配列、小さな長方形又は円形状の表面、花模様、又はその種のパターンの点である。上述した方法及び他の方法でもまた共通するものは、カバー層20のすべての表面が接合されるわけではなく、接合領域間でカバー層は繊維糸を備える空き領域を有し、この空き領域は、それらの端部の一方又は両方において隣接する接合領域に固定されている。
【0059】
表面の異なる部分中の異なる材料から成るカバーのような、2つ以上の上述した可能性のあるカバー材料から成る積層体もまたあり得る。また、ベルト物品10に使用中のより良いフィット性を付与するために、全体的に又は部分的に弾性を有する材料から成るカバー層20もあり得る。また、カバー層20は、カバー層20の前端部14におけるそれぞれの縦方向縁部1、2に配置された、すなわちカバー層20の2つの前部角部に接続された固定装置(例えば、第1及び第2の固定装置48、49)を有する。固定部材48、49は、ベルト物品10が使用されるときに使用者に向かって面することを意図されたカバー層20の側に配置される。固定装置48、49は、ベルト10の使用者への適用の際に、使用者から離れる方に面することを意図されたベルト15の側に配置されたループに取り外し可能に接続されることを意図されたフック要素を典型的に備える。
【0060】
言い換えると、本体の前記第2の端部部分14は、本体の第2の端部部分14をウェストベルト15に固定するための固定装置48、49を典型的に含む。典型的には、本体の第2の端部部分14は、本体の第2の端部部分14を第1のベルト部分16及び/又は第2のベルト部分17に固定するための固定装置48、49を含む。
【0061】
いくつかの設計上の変形体において、固定装置48、49は、ベルト物品10の前端部14に外せないように接続された離間した固定タブから成ることができ、これら固定タブはベルト付き物品10の縁部から外へ延びる。フック要素はこの場合、固定タブに配置される。
【0062】
ベルト付き物品10が使用者に適用されるとき、(ベルト15を形成する)ベルト部分16及び17は、使用者のウェストの周りにまず固定される。垂れ下がるベルト物品10の前端部14が、次いで使用者の両脚部の間に導かれ、続いて固定装置48、49がベルト部分16及び17に、使用者から離れるように方向づけられたベルト15の側において胃の上で固定される。固定装置のフック要素は、この場合、使用者から離れように方向づけられたベルト15の表面、例えばベルト部分の表面16a、17aに配置されたループに固定される。また、ベルトがベルト物品の前端部に接続されたベルト付き物品も想到可能である。そのような物品は、逆の態様で使用者に適用される、すなわち、ベルトが使用者のウェストの周りに固定された後に、垂れ下がった後端部が使用者の両脚の間に導かれ、使用者から離れるように方向づけられたベルトの側において後部でベルトに固定される。
【0063】
ベルト付き物品10のフィット性を改善するために、第1のカバー層20の縦方向縁部1、2に、物品の縦方向Xに実質的に配置された脚部弾性体45を設けることができる。脚部弾性体45の役割は、物品のフィット性を改善すること、及びベルト物品10をより布地製の多目的使用のブリーフ/パンツらしくすることを含む。それぞれの脚部弾性体45は1つ以上の弾性糸から構成することができ、弾性糸は、広げられた状態では糊付け、超音波溶着、又はその種の方法によってカバー層20に接合されている。代替的に、それぞれの脚部弾性体45は、例えば発泡材料から成る弾性を有するリボン材料から構成することができる。それぞれの脚部弾性体45は、使用時には使用者から離れるように面することを意図された第1のカバー層20の側に配置することができる。
【0064】
ベルト付き物品10の後端部18又は前端部14に、ベルト物品10に使用者のウェストの柔らかく、柔軟な囲いを付与するために、ベルト付き物品10の第2の横方向縁部5又は第1の縦方向縁部4に沿って配置された、弾性要素の形態のいわゆるウェスト弾性体46もまた設けることができる。
図1では、ベルト物品10の前端部14にのみウェスト弾性体46が設けられている。ウェスト弾性体46は、弾性を有する発泡材料から成る細いストリップから成り、この細いストリップは、第1のカバー層20の使用者から離れるように面することを意図された側に糊によって取り付けられている。ウェスト弾性体46は、ベルト付きの物品10を使用者のウェストの周りに伸ばす、一緒に保持する力(holding−together force)を達成するために、引き延ばされた状態で適用される。固定装置48、49がベルト15に固定されるときに、ウェスト弾性体46がベルト物品10の横方向Yに張力をかけられ、それによって前端部14が使用の際に使用者の胃の上で滑らかな構成を有することが好適である。
【0065】
また別の一の特徴によれば、ベルト付き物品10は、使用の際に第1のカバー層20の、使用者から離れるように面することを意図された側に配置された第2のカバー層30を備える。第2のカバー層30は、第1のカバー層20と同じX/Y平面における広がりを有する。第2のカバー層30は、典型的には実質的に液体不透過性であるが、別のタイプのカバー層もまた存在する。第2のカバー層30は、広い範囲の様々な材料から構成することができるが、最も頻繁には、薄い、好ましくは液体不透過性のプラステックフィルムから成り、しかしプラスティックコーティング、例えば液体不透過性の発泡層、液体不透過性の糊又はその種のものを通じて実質的に液体不透過性にされた不織材のような他のタイプの実質的に液体不透過性の材料を使用することもできる。第2のカバー層30は、代替的に液体不透過性かつ蒸気透過性の材料、いわゆる通気性を有する材料から構成することができる。さらに、第1のカバー層20の第2の表面22に対して配置された少なくとも1つの液体不透過性かつ典型的には通気性を有する層を備える積層体もまた、第2のカバー層30として存在する。これら積層体は通常は、沁み込みに対するバリアとして作用する液体不透過性の材料と、ベルト物品10の、使用中に使用者から離れるように配向された側に配置された、より布地様の材料とから成る。ベルト物品10の外側は、それによって使用中により衣類様である。積層体の布地様の層は通常は不織層から成るが、他の布地様の材料もまた存在する。第1のカバー層及び第2の液体不透過性のカバー層30は、いくつかの異なる方法で互いに接合することができる。接合方法の例は、糊付け、熱溶融、超音波溶着、又はその種のものである。第1のカバー層20及び実質的に液体不透過性の第2のカバー層30を備えるベルト付き物品10のために、上述の脚部弾性体45及びウェスト弾性体46が2つのカバー層20、30間に配置されるのが好適である。第1のカバー層20は、ベルト付き物品10中において、時折生じる尿の滴下のような少量の身体分泌物、例えば初期の分泌された月経液又はその種の分泌物の低い吸収能力を有することができる。
【0066】
図1〜2に示されるような、1つの例示の実施形態によれば、ベルト付き物品10は、第1のカバー層20と、第2の実質的に液体不透過性のカバー層30と、の間に配置された吸収体40を有する。この例によるベルト付き物品の第1のカバー層20は、液体透過性でなければならない。この例によるベルト付き物品10は、失禁症の大人によって、又はまだ尿意を抑えるに至っていない子供によって使用されることを意図されたおむつに関する。吸収体40は、実質的に同じ形状を有するが、第1及び第2のカバー層20、30より小さな表面を有する。したがって、2つのカバー層20、30は吸収体40の縁部の外側に、吸収体40の周囲全体に沿って延びる。吸収体40は、カバー層20、30とまったく同様に、前端部及び後端部、並びにこれら端部間に配置された狭い股部を有する。吸収体40を備えるベルト付き物品の使用に際して、股部及び前端部の前部は、主に尿のための受取領域として作用し、一方で股部及び前端部の後部は主に便のための受取領域として作用する。液体透過性の第1のカバー層20及び実質的に液体不透過性の第2のカバー層30は、吸収体40の外側でその周囲全体に沿って互いに接続される。吸収体40は、セルロースフラフパルプから成る1つ以上の層から構成することができる。セルロースフラフパルプは、繊維又は、吸収の際に流体保持ゲルの形成によって大量の流体と化学的に結合するタイプの高度に吸収性を有するポリマ材料、いわゆる超吸収性材料の粒子と混合することができる。また、吸収体40は、吸収体の内側の層中に配置された、又は吸収体の表面に接続された、高度に吸収性を有するポリマ材料をも備えることができる。吸収体40は、吸収体40の特性を改善するためのさらなる構成要素をさらに含むことができる。そのような構成要素の例は、結合繊維、様々なタイプの流体分散層又は繊維、寸法安定化構成要素、強化繊維、又はその種のものである。
【0067】
図3a〜3cを参照すると、ベルト15の所定の区画、すなわち
図1及び2に関連して説明された物品の第1のベルト部分16及び第2のベルト部分17の拡大図が示されている。上述したように、ウェストベルトの第1のベルト部分16は、第2のベルト部分17に、ベルト付きの吸収性物品の着用者の周りで互いに対して固定されるように固定部材51によって相互接続されることを意図されている。さらに、
図1及び2に関連して記載されたように、本体の第2の端部部分14は、本体の第2の端部部分14をベルト部分に固定するための固定装置48、49を備え、それによって物品は、ベルト部分がパンツのウェスト部分の一部を形成する状態でパンツ用の形状をとる。固定装置48、49は、典型的には、
図1及び2に示されるように、2つの固定部材の組を備える。しかし、それは固定部材の拡張された部品として、横方向Yに見て、第2の端部部分の長さに亘って設けられてもよい。本体の第2の端部部分14は、ベルト部分16、17のいずれか一方に固定することができる。典型的に、本体の第2の端部部分14は両方のベルト部分16、17に固定することができる。
【0068】
さらに、
図1及び2に示されるように、第1及び第2のベルト部分16、17は第1の表面21の上で折り畳まれて、物品の使用前の折り畳まれたベルト構成を形成し、それによって第1のベルト部分16は第2のベルト部分17の最上部上に配置される。
図3a〜3cにおいて、このタイプの折り畳まれたベルト構成が、ベルト部分の構成要素の図示の容易性のために広げられた状態のベルト部分によって図示されている。
【0069】
上述したように、第1のベルト部分上に配置された
ベルト開放トリガー領域50がある。
ベルト開放トリガー領域50は、第1のベルト部分16の自由端に隣接して配置されている。このように、着用者又は介護者は、ベルト部分が折り畳まれたベルト構成にあるときに、第1のベルト部分の自由端を認識するように導かれるだけでなく、ベルト部分を開放する、すなわちベルト及び物品を着用者のウェストの周りに位置付ける前に、第1の折り畳まれたベルト部分を広げるためのきっかけを与えられる。言い換えると、ベルトを開放する領域は、ベルト部分が折り畳まれたベルト構成にあるときに、使用者又は着用者が最初にベルト部分を広げられたベルト構成に広げるためのきっかけとなるための第1のベルト部分の自由端を認識するように適用されている。本明細書では、広げられたベルト構成は、ベルト部分のそれぞれ1つが本体の第1の表面から拡げられている構成をいう。また、第1のベルト部分の自由端に隣接して配置された
ベルト開放トリガー領域は、第1のベルト部分の自由端を、本体に取り外しできないように取り付けられた第1のベルト部分の他方の端部から区別するのに便利である。
【0070】
この明細書において使用される用語「隣接する」が、
ベルト開放トリガー領域50が、使用者がすぐに自由端を見つけることができるように自由端に十分近くに配置されるということを典型的には意味することが容易に理解されるべきである。したがって、
ベルト開放トリガー領域50は、本体に取り外しできないように取り付けられている第1のベルト部分の側端よりも、自由端11のより近くに配置されている第1のベルト部分の区画に少なくとも配置すべきである。しかし、
ベルト開放トリガー領域50と、自由端11と、の間の距離は、ベルト部分及び本体の寸法、並びに物品の一般的なサイズによって変化する場合がある。
【0071】
図3a〜3cに示された例に示されるように、固定部材51は、
ベルト開放トリガー領域50と自由端11との間で第1のベルト部分上に配置される。しかし、固定部材51は、物品のタイプ並びに本体及びベルト部分の寸法に応じて、第1のベルト部分上の別の場所に同様に配置することができる。
【0072】
厳密に必要とされるわけではないが、任意選択的に、固定部材51の位置及びその相対的な配向は、第2のベルト部分17上の対応する、対となる固定部材が全体的に接触して相互接続を形成するように決められる。したがって、方向x及び方向yにおいて見られるような第1のベルト部分上の固定部材のサイズ及び配向は、方向x及び方向yにおいて見られるような第2のベルト部分上の対となる固定部材のサイズ及び配向に通常は対応する。
【0073】
厳密に必要とされるわけではないが、典型的には、
ベルト開放トリガー領域50は、ベルト部分が折り畳まれた構成にあるときに、使用者を第1のベルト部分16の自由端11へ導く指標52を画定する。しかし、他のタイプの設計が、
ベルト開放トリガー領域が上述の例示の利点を提供することができる限り、容易に理解される。
【0074】
さらに、この例示の実施形態では、
ベルト開放トリガー領域は、ベルト部分が折り畳まれたベルト構成にあるときに、第1のベルト部分の自由端へ使用者を導く矢印の形状に似ている。しかし、他のタイプの設計が、
ベルト開放トリガー領域が上述の例示の利点を提供することができる限り、容易に理解される。
【0075】
図3a〜3cに示す例示の実施形態において、
ベルト開放トリガー領域は、第1のベルト部分16の外面16a上に印刷されている。しかし、
ベルト開放トリガー領域は、エンボス加工された
ベルト開放トリガー領域とすることもできる。いくつかの設計上の変形体において、
ベルト開放トリガー領域は、印刷とエンボス加工とが組み合わせられた
ベルト開放トリガー領域である。
【0076】
さらに、又は代替的に、
ベルト開放トリガー領域は、第1のベルト部分の外面に取り付けられたラベルとすることができる。
【0077】
厳密に必要とされるわけではないが、典型的には、第1のベルト部分16の残りのベルト区画は、本質的には均一な模様の無い外面16aを有する。例示の方法によれば、第1のベルト部分16の残りのベルト区画は区別可能な標識を有さない。
【0078】
いくつかの設計上の変形体において、
ベルト開放トリガー領域50は、第1のベルト部分の他の部分とは異なる触知性の特徴を有する触知性領域を備える。
【0079】
いくつかの設計上の変形体において、
ベルト開放トリガー領域50は、第1のベルト部分の他の部分とは異なる色の特徴を有する視覚的領域を備える。
【0080】
図3bは別の一の例示の実施形態を示し、そこでは
ベルト開放トリガー領域は複数の
ベルト開放トリガー領域要素50a及び50bを備える。
【0081】
このように、いくつかの設計上の変形体において、
ベルト開放トリガー領域は複数の
ベルト開放トリガー領域要素を備える。例として、
ベルト開放トリガー領域要素のそれぞれは、第1のベルト部分の自由端の方を向いた指標を画定する、矢印の形態で設けられる。さらに、
ベルト開放トリガー領域要素のそれぞれは、典型的には第1のベルト部分の表面に亘って模様を形成するように配置される。「模様」はここでは、少なくとも1つの
ベルト開放トリガー領域要素の系統的な配置を意味する。そのような模様は、様々なタイプの
ベルト開放トリガー領域要素によって形成することができる。
【0082】
ベルト開放トリガー領域は、約5〜40mmのベルトの横方向における長さを、好ましくは約10〜35mmの前記方向における長さを、さらに好ましくは約20〜30mmの前記方向における長さを有することができる。
【0083】
ベルト開放トリガー領域は、約10〜40mmのベルトの縦方向における長さを、好ましくは約15〜30mmの前記方向における長さを、さらに好ましくは約20〜30mmの前記方向における長さを有することができる。
【0084】
本明細書では、ベルトの横方向は、ベルトが物品の縦方向に平行な線から垂直に延びるように配置されている場合には、物品の縦方向に対応することができることに注意すべきである。同様に、ベルトの縦方向は、ベルトが物品の縦方向に平行な線から垂直に延びるように配置されている場合には、物品の横方向に対応することができる。
【0085】
典型的には、
ベルト開放トリガー領域は第1のベルト部分16の外面16a上に配置される。
【0086】
図3cは別の例示の実施形態を示し、そこでは第2の
ベルト開放トリガー領域56が第2のベルト部分17上に配置されている。第2の
ベルト開放トリガー領域56は、第2のベルト部分の自由端に隣接して配置されている。第2の
ベルト開放トリガー領域は、第2の
ベルト開放トリガー領域が第1のベルト部分の代わりに第2のベルト部分上に配置される点を除いて、
図3a及び3bに関連して説明された
ベルト開放トリガー領域に関して記載された例、特徴、機能、及び/又は配置のうちのいずれかを組み込むことができる。
【0087】
いくつかの設計上の変形体において、自由端縁11aに隣接する自由端11の部分の全体は、色、模様、又はその種のもの55によって物品の残りの部分から区別される。
【0088】
さらに、ここに開示されたすべての例示の実施形態において、また別の可能性のある例示の実施形態において、物品の第1の端部部分から延びる第1及び第2のベルト部分は、典型的には第1の端部部分に取り外せないように取り付けられている。言い換えると、第1のベルト部分の端部部分26は、ここでは本体の第1の端部部分18に取り外せないように取り付けられている。同様に、第2のベルト部分の端部部分27は、ここでは本体の第1の端部分18に取り外せないように取り付けられている。
【0089】
上述したように、ベルト付きの物品は、おむつ及び失禁ガードのような使い捨て式の吸収性物品である。さらに、この例におけるベルト付きの物品10は、第1の液体透過性を有するカバー層20と、第2の実質的に液体不透過性のカバー層30と、の間に配置された吸収体40を備える。
【0090】
ベルト開放トリガー領域が、不規則に選択されるか又は変化する模様を設けられる別の実施形態が可能である。
【0091】
ベルト開放トリガー領域は、典型的にはベルトの横方向の中央に配置される。しかし、
ベルト開放トリガー領域のいずれかの望ましい非対称な配置が可能である変形体が想到可能である。
【0092】
ベルト開放トリガー領域をベルト部分上にどのように設けるかを説明する上述の開示を考慮して、物品の使用者が自由端を見つけ、ベルト部分を物品の折り畳まれた構成から開くきっかけとなるという観点において、物品に改良された可能性を設けられることが理解される。
【0093】
図示された例に与えられた
ベルト開放トリガー領域のいくつかの例は指標又は矢印を示しているが、
ベルト開放トリガー領域は、例えば三角形状の指標又はその種のきっかけとなる領域の形状を有する他の間欠的な又は連続的な領域によって当然に形成することができる。
【0094】
用語「不織材」は、それらの特性に関して、一方で紙及びボール紙の群と、他方で布地と、の間にある広い範囲の製品に使用される。不織材に関して、多くの非常に多様な製造プロセス、例えばエアレイド技術、ウェットレイド技術、スパンレース技術、スパンボンド技術、メルトブローン技術等が使用される。繊維は、その場で製造された、又はスフの形態の人工繊維のような、エンドレス繊維、又はエンドレスな長さに予備製造された繊維の形態であってもよい。代替的に、繊維は天然繊維から作られても、合成繊維と天然繊維との混合物から作られてもよい。
【0095】
「吸収性物品」は、体液、例えば尿及び/又は血液を吸収する又は吸収するように適用された物品を意味する。
【0096】
また、この開示は、記載された特徴、変形体、代替物、及び開示の例示の実施形態の想到可能なすべての組み合わせを対象に含む。
【0097】
さらに、本開示は前述の特徴又は例に限られるものではなく、当然に特許請求の範囲の記載内の他の特徴及び例示の実施形態を含む。
【0098】
特許請求の範囲における参照符号は、請求項の記載によって保護される範囲を限定するものと理解されてはならず、それらのただ1つの機能は請求項の記載の理解を容易にすることである。