(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1コイル層のコイルパターンのターン数をxとし、前記第2コイル層のコイルパターンのターン数をyとするとき、前記xに対するyの比(y/x)が2以上である、請求項7または8に記載のコイル部品。
前記コイル部は、前記支持部材の他面上に形成された第3コイル層、前記支持部材の他面上に積層されて前記第3コイル層を覆う第2絶縁層、及び前記第2絶縁層上に形成された第4コイル層を含み、
前記第3及び第4コイル層が電気的に連結され、前記第3コイル層の導体は、w2を前記支持部材の他面と平行に測定された幅とし、h2を前記支持部材の他面と垂直に測定された厚さとするとき、1未満のアスペクト比(h2/w2)を有する、請求項22から26のいずれか一項に記載のコイル部品。
前記第2コイル層の導体は、w2を前記支持部材の一面と平行に測定された幅とし、h2を前記支持部材の一面と垂直に測定された厚さとするとき、1未満のアスペクト比(h2/w2)を有する、請求項22から29のいずれか一項に記載のコイル部品。
前記第2コイル層の導体は、w2を前記支持部材の一面と平行に測定された幅とし、h2を前記支持部材の一面と垂直に測定された厚さとするとき、1超過のアスペクト比(h2/w2)を有する、請求項22から29のいずれか一項に記載のコイル部品。
前記第2コイル層は、前記コイル部を前記電極部の外部電極と連結させる引出部を含み、前記支持部材の一面と平行に測定された前記引出部の露出幅が前記引出部の下側に配置された前記支持部材の露出幅より大きい、請求項22から31のいずれか一項に記載のコイル部品。
前記第1コイル層は複数のコイルのターンを有し、前記第1コイル層の導体は、前記第1コイル層の第1コイルのターンにおける第1幅、及び前記第1コイル層の第2コイルのターンにおける前記第1幅と異なる第2幅を有する、請求項22から32のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさ等はより明確な説明のために誇張されることがある。
【0013】
電子機器
図1は電子機器に適用されるコイル部品の例を概略的に示す図面である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器には多様な種類の電子部品が用いられることが分かる。例えば、応用プロセッサ(Application Processor)を中心に、DC/DC、Comm.Processor、WLAN BT/WiFi FM GPS NFC、PMIC、バッテリー、SMBC、LCD AMOLED、オーディオコーデック、USB 2.0/3.0 HDMI(登録商標)、CAM等が用いられることができる。このとき、このような電子部品の間にはノイズの除去等を目的に多様な種類のコイル部品がその用途に応じて適切に適用されることができ、例えば、パワーインダクタ(Power Inductor)1、高周波インダクタ(HF Inductor)2、通常のビーズ(General Bead)3、高周波用ビーズ(GHz Bead)4、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)5等を挙げることができる。
【0015】
具体的には、パワーインダクタ(Power Inductor)1は、電気を磁場の形態で貯蔵し出力電圧を維持して電源を安定させる用途等で用いられることができる。また、高周波インダクタ(HF Inductor)2は、インピーダンスをマッチングして必要な周波数を確保したり、ノイズ及び交流成分を遮断する等の用途で用いられることができる。また、通常のビーズ(General Bead)3は、電源ライン及び信号ラインのノイズを除去したり、高周波リップルを除去する等の用途で用いられることができる。また、高周波用ビーズ(GHz Bead)4は、オーディオと関連した信号ライン及び電源ラインの高周波ノイズを除去する等の用途で用いられることができる。また、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)5は、ディファレンシャルモードでは電流を通過させ、コモンモードノイズだけを除去する等の用途で用いられることができる。
【0016】
電子機器は、代表的にスマートフォン(Smart Phone)であってよく、これに限定されるものではないが、例えば、個人用情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)であってもよい。これらの他にも、通常の技術者によく知られている他の多様な電子機器等であってもよいことはもちろんである。
【0017】
コイル部品
以下では、本発明のコイル部品を説明するにあたり、便宜上、インダクタ(Inductor)の構造を例に挙げて説明するが、上述の通り、他の多様な用途のコイル部品にも適用できることはもちろんである。
【0018】
図2はコイル部品の一例を示す概略的な斜視図であり、
図3は
図2のコイル部品の概略的なI−I'線に沿った切断断面図であり、
図4は
図3のコイル部品のA領域の概略的な拡大断面図である。
【0019】
図面を参照すると、一例によるコイル部品10Aは、磁性物質を含む本体部100の内部にコイル部200が配置された構造である。本体部100の外部にはコイル部200と電気的に連結される電極部300が配置される。コイル部200は、支持部材230、支持部材230の両面上に配置された複数のコイル層211、212、221、222を含む。上側の第1及び第2コイル層211、212と下側の第1及び第2コイル層221、222との間には、支持部材230の両面上にそれぞれ配置され、内側に形成された第1コイル層211、221を覆う絶縁層213、223がそれぞれ配置される。
【0020】
本体部100はコイル部品10Aの外観を成す。本体部100は、第1方向に相対する第1面及び第2面と、第2方向に相対する第3面及び第4面と、第3方向に相対する第5面及び第6面と、を含む。本体部100は、このように六面体形状であってよいが、これに限定されるものではない。第1面〜第6面が接する6個の端はグラインディング(Grinding)等によって丸くてよい。本体部100は磁気特性を示す磁性物質を含む。例えば、本体部100はフェライトまたは金属磁性粒子が樹脂に充填されたものであってよい。フェライトは、例えば、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライトまたはLi系フェライト等の物質からなることができる。金属磁性粒子は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、及びニッケル(Ni)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属であってよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。金属磁性体粒子の直径は約0.1μm〜30μmであってよい。本体部100は、このようなフェライトまたは金属磁性粒子がエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂に分散された形態であってよい。本体部100の厚さTは適用される電子機器によって異なり、おおむね500μm〜900μm程度であってよいが、これに限定されるものではない。
【0021】
コイル部200は、コイル部品10Aのコイルから発現される特性を通じて電子機器内で多様な機能を行う役割をする。例えば、コイル部品10Aは、パワーインダクタであってよく、この場合、コイル部200は電気を磁場の形態で貯蔵し出力電圧を維持して電源を安定させる役割等を行うことができる。支持部材230の両面上にそれぞれ積層された複数のコイル層211、212、221、222は、支持部材230を貫通するビア234を通じて電気的に連結される。複数のコイル層211、212、221、222のうち内側に配置されたコイル層211、221と外側に配置されたコイル層212、222とはその間に配置された絶縁層213、223を貫通するビア214、224を通じて電気的に連結される。これにより、複数のコイル層211、212、221、222は電気的に連結されて一つのコイルを形成する。コイル部200の中心部には貫通孔105が形成され、貫通孔105は本体部100を構成する磁性物質で充電される。コイル部200は、支持部材230の両面上に形成される、即ち、内側に積層された第1コイル層211、221と、絶縁層213、223上に形成される、即ち、外側に積層された第2コイル層212、222と、を含む。第1コイル層211、221と第2コイル層212、222との間には絶縁層213、223が配置される。第2コイル層212、222は絶縁膜215、225によって覆われる。
【0022】
第1コイル層211、221のコイルパターンは、幅w
1に対する厚さh
1の比(h
1/w
1)であるアスペクト比(Aspect Ratio:AR)が1未満である。第2コイル層212、222のコイルパターンは、幅w
2に対する厚さh
2の比(h
2/w
2)であるアスペクト比(Aspect Ratio:AR)が1超過である。即ち、一例によるコイル部品10Aは、第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222のコイルパターンのアスペクト比が互いに異なる。例えば、第1コイル層211、221のコイルパターンは、幅w
1が約160μm〜190μmであり、厚さh
1が約60μm〜90μm程度であってよく、第2コイル層212、222のコイルパターンは、幅w
2が約60μm〜90μmであり、厚さh
2が約90μm〜120μm程度であってよい。
【0023】
一方、コイル部品、例えば、インダクタ等の主な特性のうちの一つである直流抵抗(R
dc)特性はコイル部の断面積が大きいほど低くなる。また、インダクタンスは磁束が通過する本体部内の磁性領域の面積が大きいほど高くなる。したがって、直流抵抗(R
dc)を低くするとともにインダクタンスを向上させるためには、コイル部の断面積を増加させながら磁性領域の面積を増加させる必要がある。コイル部の断面積を増加させるためには、コイルパターンの幅を増加させる方法及びコイルパターンの厚さを増加させる方法があるが、単にコイルパターンの幅を増加させる場合、コイルパターン間にショート(short)が発生するおそれがある。また、実現できるコイルパターンのターン数に限界が発生し、磁性領域が占める面積の縮小につながって効率が低下し、高容量製品への実現にも限界が発生する。このような限界を克服するために、コイルパターンの幅は増加せずに厚さを増加させて高いアスペクト比を有するコイルパターンを実現することが求められていた。
【0024】
一方、
図34は等方めっき技術を適用したコイル部品の一例を概略的に示す図面である。等方めっき技術を適用したコイル部品は、例えば、支持部材1030の両面に等方めっき技術で平面コイル形状のコイルパターン1021、1022を形成した後、磁性物質でこれを埋め込んで本体部1010を形成し、本体部1010の外部にコイルパターン1021、1022と電気的に連結される外部電極1041、1042を形成して製造することができる。ところが、等方めっき技術は、電気めっき法を行うとき、めっきが進行するにつれてコイルパターンの厚さ方向の成長とともに幅方向の成長が同時に行われるため、図面のように、高いアスペクト比の実現に限界がある。
【0025】
また、
図35は異方めっき技術を適用したコイル部品の一例を概略的に示す図面である。異方めっき技術を適用したコイル部品は、例えば、支持部材2030の両面に異方めっき技術で平面コイル形状のコイルパターン2021、2022を形成した後、磁性物質でこれを埋め込んで本体部2010を形成し、本体部2010の外部にコイルパターン2021、2022と電気的に連結される外部電極2041、2042を形成して製造することができる。ところが、異方めっき技術を適用する場合、高いアスペクト比を実現することはできるが、アスペクト比の増加によってめっき成長の均一度が低下する可能性があり、めっき厚さの散布が広いため依然としてコイルパターン間にショートが容易に発生するおそれがある。
【0026】
これに対し、一例によるコイル部品10Aのように、第1コイル層211、221のコイルパターンのアスペクト比が1未満である場合、コイルパターンの形成工程技術が許容する散布内でコイルパターンの高さ及び幅を自由に調節することができるためコイルパターンの均一度に優れ、幅方向に広いため断面積が増加して低い直流抵抗(R
dc)特性を実現することができる。また、第2コイル層212、222のコイルパターンのアスペクト比が1を超過すると、第2コイル層212、222のコイルパターンは、第1コイル層211、221のコイルパターンに比べて同一の平面でさらに多いターン数を有することができる。即ち、コイル部の断面積が減少するが、その分だけターン数をさらに増加させることができるため高いインダクタンスの実現に特に有用である。
【0027】
さらに、一例によるコイル部品10Aの場合、第1コイル層211、221は、アスペクト比が1未満であるため基本的に厚さが薄く、第2コイル層212、222は、たとえアスペクト比が1を超過してもコイルパターンの線幅そのものを薄く実現するためその幅もあまり厚くない。また、十分なターン数を有するようにするために、それぞれのコイル層211、221、212、222がその水平方向、即ち、第1方向及び/または第2方向にその空間を最大限活用するように形成される。即ち、上下積層された第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222は重複する領域を有する。したがって、薄型でありながらも十分なコイル特性を有するコイル部品の実現に有用である。
【0028】
上述の通り、第1コイル層211、221のコイルパターンは、幅w
1に対する厚さh
1の比(h
1/w
1)であるアスペクト比(Aspect Ratio:AR)が1未満である。また、単一のターン数を有する。ここで、単一のターン数を有するとは1以下のターン数を有することを意味する。これに対し、上述の通り、第2コイル層212、222のコイルパターンは、幅w
2に対する厚さh
2の比(h
2/w
2)であるアスペクト比(Aspect Ratio:AR)が1超過である。また、複数のターン数を有する。ここで、複数のターン数を有するとは1超過のターン数を有することを意味する。したがって、上述のようにコイル部の断面積が減少するが、それだけターン数をさらに増加させることができるため、高いインダクタンスの実現に特に有用である。
【0029】
第1コイル層211、221のコイルパターンのターン数をxとし、第2コイル層212、222のコイルパターンのターン数をyとするとき、xに対するyの比(y/x)は2以上であることができる。例えば、xに対するyの比(y/x)は2〜3程度であってよい。この場合、等方めっき技術及び異方めっき技術の短所を補完することができることはもちろんであり、さらに多いターン数を実現することによりさらに高いインダクタンスの実現を可能とする。
【0030】
図面には第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222だけが示されているが、それ以上のコイル層が第2コイル層212、222上にさらに形成できることはもちろんであり、これらの間にビアが形成された絶縁層が配置されて互いに電気的に連結できることはもちろんである。この場合、追加されるコイル層は、第1コイル層211、221または第2コイル層212、222の内容が適用されることができる。また、第1コイル層211、221と第2コイル層212、222との間にコイル層がさらに形成されることができることはもちろんであり、これらの間にビアが形成された絶縁層が配置されて互いに電気的に連結できることはもちろんである。この場合も、追加されるコイル層には第1コイル層211、221または第2コイル層212、222の内容が適用されることができる。
【0031】
支持部材230は、複数のコイル層211、212、221、222を支持することができるものであればその材質または種類に特に限定されず、例えば、銅箔積層板(CCL)、ポリプロピレングリコール(PPG)基板、フェライト基板または金属系軟磁性基板等であってよい。また、絶縁樹脂からなる絶縁基板であってもよい。絶縁樹脂としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imageable Dielectric)樹脂等が用いられることができる。また、剛性維持の観点では、ガラス繊維及びエポキシ樹脂を含む絶縁基板を用いることができるが、これに限定されるものではない。支持部材230の厚さTは、80μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは40μm以下であってよいが、これに限定されるものではない。
【0032】
支持部材230の厚さをHとし、本体部100の厚さをTとするとき、Tに対するHの比(H/T)は、0.15以下、例えば、0.05〜0.10程度であることができる。本体部100の内部で支持部材230の厚さが占める比率が0.15を超過すると、コイル部200の上部及び下部に配置される磁性物質の厚さがその分だけ薄くなるため、容量の減少がもたらされる可能性がある。また、支持部材230の厚さが厚くなるほど支持部材230に形成されるビア234の厚さが厚くなるため、支持部材230の両面に積層された複数のコイル層211、212、221、222間の電流パス(path)が長くなり、その結果、インダクタンス、直流抵抗(Rdc)等が低下する可能性がある。但し、支持部材230の厚さが薄すぎる場合は剛性の維持に不利となり得る。
【0033】
支持部材230を貫通するビア234は、支持部材230の両面上にそれぞれ配置された上側の第1コイル層211と下側の第1コイル層221とを電気的に連結させることができれば、その形状または材質は特に限定されない。ここで、上側及び下側は図面の第3方向を基準に判断する。例えば、ビア234の形状は上面から下面に行くほど直径が小さくなるかまたは大きくなるテーパー状、上面から下面に行くほど直径が殆ど一定の円筒状、砂時計状等の当該技術分野に公知のすべての形状が適用されることができる。また、ビア234の材質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、すず(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。
【0034】
絶縁層213、223は、第1コイル層211、221と第2コイル層212、222とを絶縁させる役割を行う。絶縁層213、223は絶縁物質を含むビルドアップフィルムであってよい。例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらに無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、ABF(Ajinomoto Build−up Film)等が用いられることができる。または、公知の感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂を含む絶縁フィルムであってもよい。絶縁層213、223の厚さは、第1コイル層211、221の厚さより厚く、これを覆うとともに第2コイル層212、222と絶縁させることができる程度であれば十分である。絶縁層213、223による第1コイル層211、221と第2コイル層212、222との間の絶縁距離は、例えば、3μm〜20μm程度であってよいが、これに限定されるものではない。
【0035】
絶縁層213、223を貫通するビア214、224は、第1コイル層211、221と第2コイル層212、222とを電気的に連結させることができれば、その形状または材質は特に限定されない。例えば、ビア214、224の形状は、上述のようなテーパー状、円筒状等の当該技術分野に公知のすべての形状が適用されることができる。また、ビア214、224の材質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、すず(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。絶縁層213、223は、支持部材230の厚さより薄い。
【0036】
絶縁膜215、225は、第2コイル層212、222を保護する役割を行う。絶縁膜215、225の材質は、絶縁物質を含むものであればいかなるものも適用されることができる。例えば、通常の絶縁コーティングに用いられる絶縁物質、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、液晶結晶性ポリマー樹脂等を含むことができ、公知の感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂等を用いることもできるが、これに限定されるものではない。絶縁膜215、225は、製造方法に応じて絶縁層213、223と一体化することもできるが、これに限定されるものではない。
【0037】
電極部300は、本体部100上に互いに離れて配置され、第2コイル層212、222のそれぞれの引出端子と電気的に連結される第1及び第2外部電極301、302を含む。外部電極301、302は、コイル部品10Aが電子機器に実装されるとき、コイル部品10A内のコイル部200を電子機器と電気的に連結させる役割を行う。外部電極301、302は、例えば、導電性樹脂層と、上記導電性樹脂層上に形成されためっき層と、を含むことができる。導電性樹脂層は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)及び銀(Ag)からなる群より選択されたいずれか一つ以上の導電性金属と、熱硬化性樹脂と、を含むことができる。めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びすず(Sn)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層及びすず(Sn)層が順に形成されたものであってよい。
【0038】
図5は
図2のコイル部品の概略的なII−II'線に沿った切断断面図であり、
図6は
図5のコイル部品の本体部の概略的なa方向の断面図である。
【0039】
図面を参照すると、コイル部200の右側の引出断面は、支持部材230の引出断面、支持部材230の引出断面上に配置された上側及び下側の絶縁層213、223の引出断面、及び上側の絶縁層213の引出断面上に配置された上側の第2コイル層212の引出断面を含む。また、コイル部200の左側の引出断面は、支持部材230の引出断面、支持部材230の引出断面上に配置された上側及び下側の絶縁層213、223の引出断面、及び下側の絶縁層223の引出断面上に配置された下側の第2コイル層222の引出断面を含む。即ち、外部電極と連結されるために引き出されるコイルパターンの引出端子は、支持部材及び絶縁層によって支持される。これにより、コイルパターンの引出端子は、安定的に形成できることはもちろんであり、外部電極との優れた接続力を有することができる。ここで、左右は図面の第1方向を基準に判断する。また、上下は図面の第3方向を基準に判断する。一方、図面には絶縁膜215が省略されているが、絶縁膜215も引き出されることができる。または、引出断面で絶縁膜215が殆ど残っていなくてもよい。
【0040】
また、図面を参照すると、コイル部200の右側の引出断面は、上側から下側に行くほど幅が狭くなるおおむねテーパー状を有することができる。図面には示されていないが、同様に左側の引出断面も、下側から上側に行くほど幅が狭くなるおおむねテーパー状を有することができる。ここで、上下は図面の第3方向を基準に判断する。これは、コイル部品10Aの製造段階でトリミング(Trimming)工程等によって支持部材230及び絶縁層213、223のコイル層211、221、212、222を支持する領域以外に他の領域が選択的に除去されることができるが、このとき、除去される過程で絶縁物質を含む支持部材230及び絶縁層213、223がその中心に行くほどさらに多く除去されることができるためである。コイル層211、221、212、222は殆ど影響を受けない。このような引出断面の形状を有するとは、支持部材230上に絶縁層213、223を積層し、その上に安定的に第2コイル層212、222を形成する方法で積層方向にコイルのターン数が増加するコイル部200を形成し、その後、トリミング(Trimming)工程等を通じて最大限の空間を磁性物質で満たして本体部100を形成することを意味する。これにより、ショートの発生等の不良リスクが小さいながらもコイルの均一度及び低い直流抵抗(R
dc)の確保が可能であるとともに薄型に製造することができる。
【0041】
図7は
図2のコイル部品の概略的な製造工程の一例を示す図面である。
【0042】
図面を参照すると、一例によるコイル部品10Aは、例えば、支持部材230を用いて複数のコイル部200を形成し、複数のコイル部200の上部及び下部に磁性体シートを積層して複数の本体部100を形成した後、複数の本体部100を切断し、それぞれの個別の本体部100上に電極部300を形成して製造することができる。
【0043】
支持部材230を用いると、複数のコイル部200を同時に形成することができる。これを用いて複数の本体部100を同時に形成することができる。その後、ダイシング(Dicing)等のシンギュレーション工程で複数のコイル部品を同時に製造することができる。即ち、大量生産に有利である。複数のコイル部200は、支持部材230の一面または両面を用いて形成されることができ、両面をすべて用いて形成される場合は、支持部材230を貫通する貫通孔を機械ドリル及び/またはレーザドリル等の公知の方法で形成してからめっきで満たす方法でビア234を形成することができる。コイル部200の形成方法に対するより詳細な説明は後述する。
【0044】
複数の本体部100は、複数のコイル部200を形成し、その上部及び下部に磁性体シートを積層した後、これを圧着及び硬化して形成することができる。磁性体シートは、上述の公知の磁性物質を含むものであってよく、例えば、金属磁性粒子、バインダ樹脂及び溶剤等を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法でキャリアフィルム(carrier film)上に数十μmの厚さで塗布してから乾燥してシートの形態に製造することができる。
【0045】
電極部300は、本体部100の一面に露出するコイル部200の引出断面と接続されるように本体部100の外側に外部電極301、302を形成することで形成されることができる。外部電極301、302は、上述のように電気導電性に優れた金属を含むペーストを用いて形成することができ、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、すず(Sn)または銀(Ag)等の単独またはこれらの合金等を含む導電性ペーストを用いて形成することができる。また、外部電極301、302は、これらペースト層上にめっき層をさらに形成することができる。めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びすず(Sn)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層及びすず(Sn)層が順に形成されたものであってよい。
【0046】
図8は
図3のコイル部の概略的な形成工程の一例を示す図面であり、
図9は
図5のコイル部の概略的な形成工程の一例を示す図面である。
【0047】
図8及び
図9(a)を参照すると、支持部材230を設ける。支持部材230は、上述の通り、コイル層211、212、221、222を支持することができるものであればその材質または種類が特に限定されない。支持部材230は、大量生産のために複数のコイル部200を形成することができる広い面積を有するものであってよい。支持部材230上には第1コイル層211、221を形成するのにシード層として用いられる金属層(図示せず)が形成されてもよい。即ち、支持部材230は、公知の銅箔積層板(Copper Clad Laminate:CCL)であってよい。
【0048】
図8及び
図9(b)を参照すると、支持部材230の両面上にそれぞれ第1コイル層211、221を形成する。第1コイル層211、221を形成する方法は、特に限定されず、公知のフォトリソグラフィー工法及びめっき工法を用いることができる。例えば、フォトリソグラフィー工法は、フォトレジスト(photo resist)を用いた露光及び現像を用いてもよい。また、めっき工法は、電解銅めっきまたは無電解銅めっき等を用いてもよい。より具体的には、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modified Semi−Additive Process)等の方法を用いるめっき工法であってよいが、これに限定されるものではない。一方、図面には示されていないが、第1コイル層211、221を形成するとき、支持部材230を貫通する貫通孔を機械ドリル及び/またはレーザドリル等の公知の方法で形成してからめっきで満たす方法でビア234を形成することができ、支持部材230の両面上にそれぞれ形成された上側及び下側の第1コイル層211、221はこれを通じて電気的に連結されることができる。ここで、上側及び下側は図面の第3方向を基準に判断する。
【0049】
図8及び
図9(c)を参照すると、支持部材230の両面上に第1コイル層211、221を覆うように絶縁層213、223を積層する。絶縁層213、223の形成方法は、特に限定されず、例えば、上述の絶縁物質を含む前駆体フィルムを第1コイル層211、221が形成された支持部材230上にラミネーションしてから硬化して形成することができる。または、上述の絶縁物質を第1コイル層211、221が形成された支持部材230上に塗布してから硬化して形成することもできる。ラミネーション方法としては、例えば、高温で一定の時間加圧して減圧して室温まで冷やすホットプレスを行った後、コールドプレスで冷やして作業ツールを分離する方法等が用いられることができる。塗布方法としては、例えば、スキージでインクを塗布するスクリーン印刷法、インクを霧化して塗布する方式のスプレー印刷法等を用いることができる。
【0050】
図8及び
図9(d)を参照すると、絶縁層213、223上に第2コイル層212、222を形成する。第2コイル層212、222を形成する方法も、特に限定されず、上述の公知のフォトリソグラフィー工法及びめっき工法を用いることができる。一方、図面には示されていないが、第2コイル層212、222を形成するとき、絶縁層213、223をそれぞれ貫通する貫通孔をフォトリソグラフィー工法、機械ドリル及び/またはレーザドリル等の公知の方法で形成してからめっきで満たす方法でビア214、224を形成することができ、第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222はこれを通じて電気的に連結されることができる。
【0051】
図8及び
図9(e)を参照すると、第2コイル層212、222を覆う絶縁膜215、225を形成する。絶縁膜215、225の形成方法は、特に限定されず、公知のコーティング方法を用いることができる。絶縁膜215、225は、絶縁層213、223と同一の物質を含むことができる。この場合、硬化後に一体化することもできるが、これに限定されるものではない。
【0052】
図8及び
図9(f)を参照すると、公知のトリミング(Trimming)工法等を用いてコイル部200のコイル層211、212、221、222が形成された領域以外の領域を選択的に除去する。この過程で、コイル部200の中央部が除去されて貫通孔105が形成されることができる。その後、磁性体シート等の積層でコイル部200を収容する本体部100を形成し、ダイシング(Dicing)工程等を用いてシンギュレーションすると、内部にコイル部200が形成された個別の本体部100が形成される。図面にはトリミング(Trimming)及びダイシング(Dicing)工程の結果が一部反映されているが、磁性物質、即ち、本体部100は示されていない。
【0053】
図10はコイル部品の他の一例を示す概略的な斜視図であり、
図11は
図10のコイル部品の概略的なIII−III'線に沿った切断断面図であり、
図12は
図11のコイル部品のB領域の概略的な拡大断面図である。
【0054】
図面を参照すると、他の一例によるコイル部品10Bも磁性物質を含む本体部100の内部にコイル部200が配置された構造である。本体部100の外部にはコイル部200と電気的に連結される電極部300が配置される。コイル部200は、支持部材230、及び支持部材230の両面上に配置された複数のコイル層211、212、221、222を含む。上側の第1及び第2コイル層211、212と下側の第1及び第2コイル層221、222との間には、支持部材230の両面上にそれぞれ配置され、内側に形成された第1コイル層211、221を覆う絶縁層213、223がそれぞれ配置される。支持部材230の両側に配置された上側及び下側の第1コイル層211、221は、支持部材230を貫通するビア234によって電気的に連結される。上側の第1及び第2コイル層211、212と下側の第1及び第2コイル層221、222とは、それぞれ上側の絶縁層213と下側の絶縁層223とを貫通する上側のビア214及び下側のビア224を通じて電気的に連結される。以下、他の一例によるコイル部品10Bの構成要素についてより詳細に説明するが、上述の内容と重複する内容を省略し、差異点を中心に説明する。
【0055】
第1コイル層211、221のコイルパターンは、幅w
1に対する厚さh
1の比(h
1/w
1)であるアスペクト比(AR)が1未満である。第2コイル層212、222のコイルパターンも、幅w
2に対する厚さh
2の比(h
2/w
2)であるアスペクト比(AR)が1未満である。即ち、他の一例によるコイル部品10Bは、コイル層211、212、221、222のコイルパターンのアスペクト比が1未満である。例えば、第1コイル層211、221のコイルパターンは幅w
1が約160μm〜190μm、厚さh
1が約60μm〜90μm程度であってよく、第2コイル層212、222のコイルパターンは幅w
2が約160μm〜190μm、厚さh
2が約60μm〜90μm程度であってよい。
【0056】
コイル層211、212、221、222のコイルパターンのアスペクト比が1未満である場合、コイルパターンの形成工程技術が許容する散布内でコイルパターンの高さ及び幅を自由に調節することができるため、コイルパターンの均一度に優れ、幅方向に広いため断面積が増加して低い直流抵抗(R
dc)特性を実現することができる。また、無理にコイルパターン間の間隔を調節しなくてもよいためショート等の不良の発生率が減少する。また、コイル層211、212、221、222は、同一の回転方向を有することができ、これらはビア214、224、234を通じて電気的に連結されることができるため、積層方向にコイルのターン数が増加する効果を有することができる。ここで、積層方向は図面上の第3方向を示す。
【0057】
なお、コイル層211、221、212、222はすべてアスペクト比が1未満であるため基本的にコイル部の厚さが薄い。このとき、十分なターン数を有するためにそれぞれのコイル層211、221、212、222がその水平方向、即ち、第1方向及び/または第2方向にその空間を最大限に活用するように形成される。即ち、上下積層された第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222は重複する領域を有する。したがって、薄型でありながらも十分なコイル特性を有するコイル部品を実現するのに有用である。
【0058】
第1コイル層211、221のコイルパターンは、幅w
1に対する厚さh
1の比(h
1/w
1)であるアスペクト比(AR)が1未満である。また、単一のターン数を有する。ここで、単一のターン数を有するとは1以下のターン数を有することを意味する。これにより、ショートの発生等の不良リスクが小さいながらもコイルの均一度及び低い直流抵抗(R
dc)の確保が可能である。第1コイル層211、221の材質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、すず(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。
【0059】
第2コイル層212、222のコイルパターンも、幅w
2に対する厚さh
2の比(h
2/w
2)であるアスペクト比(AR)が1未満である。また、単一のターン数を有する。ここで、単一のターン数を有するとは1以下のターン数を有することを意味する。これにより、ショートの発生等の不良リスクが小さいながらもコイルの均一度及び低い直流抵抗(R
dc)の確保が可能である。第2コイル層212、222の材質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、すず(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。
【0060】
図面には第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222だけが示されているが、それ以上のコイル層が第2コイル層212、222上にさらに形成できることはもちろんであり、これらの間にビアが形成された絶縁層が配置されて互いに電気的に連結できることはもちろんである。この場合、追加されるコイル層には第1コイル層211、222または第2コイル層212、222の内容が適用されることができる。また、第1コイル層211、221と第2コイル層212、222との間にコイル層がさらに形成できることはもちろんであり、これらの間にビアが形成された絶縁層が配置されて互いに電気的に連結できることはもちろんである。この場合も、追加されるコイル層には第1コイル層211、222または第2コイル層212、222の内容が適用されることができる。
【0061】
図13は
図10のコイル部品の概略的なIV−IV'線に沿った切断断面図であり、
図14は
図13のコイル部品の本体部の概略的なb方向の断面図である。
【0062】
図面を参照すると、同様に他の一例によるコイル部品10Bも、外部電極と連結されるために引き出されるコイルパターンの引出端子が支持部材及び絶縁層によって支持される。これにより、コイルパターンの引出端子は、安定的に形成できることはもちろんであり、外部電極との優れた接続力を有することができる。一方、図面には絶縁膜215が省略されているが、絶縁膜215も引き出されることができる。または、引出断面で絶縁膜215が殆ど残っていなくてもよい。
【0063】
また、図面を参照すると、同様に他の一例によるコイル部品10Bも、コイル部200の右側の引出断面は、上側から下側に行くほど幅が狭くなるおおむねテーパー状を有することができる。図面には示されていないが、同様に左側の引出断面も、下側から上側に行くほど幅が狭くなるおおむねテーパー状を有することができる。ここで、上下は図面の第3方向を基準に判断する。即ち、これを通じてショートの発生等の不良リスクが小さいながらもコイルの均一度及び低い直流抵抗(R
dc)の確保が可能であるとともに薄型に製造することができる。
【0064】
図15は
図10のコイル部品の概略的な製造工程の一例を示す図面である。
【0065】
図面を参照すると、他の一例によるコイル部品10Bは、例えば、支持部材230を用いて複数のコイル部200を形成し、複数のコイル部200の上部及び下部に磁性体シートを積層して複数の本体部100を形成した後、複数の本体部100を切断し、それぞれの個別の本体部100上に電極部300を形成して製造することができる。これに対する具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0066】
図16は
図11のコイル部の概略的な形成工程の一例を示す図面であり、
図17は
図13のコイル部の概略的な形成工程の一例を示す図面である。
【0067】
図16及び
図17(a)を参照すると、支持部材230を設ける。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0068】
図16及び
図17(b)を参照すると、支持部材230の両面上にそれぞれ第1コイル層211、221を形成する。第1コイル層211、221は、上述の通り、コイルパターンのアスペクト比が1未満になるように形成する。第1コイル層211、221を形成するとき、支持部材230を貫通するビア234を形成することができ、支持部材230の両面上にそれぞれ形成された第1コイル層211、221はこれを通じて電気的に連結されることができる。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0069】
図16及び
図17(c)を参照すると、支持部材230の両面上に第1コイル層211、221を覆うように絶縁層213、223を積層する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0070】
図16及び
図17(d)を参照すると、絶縁層213、223上に第2コイル層212、222を形成する。第2コイル層212、222も、上述の通り、コイルパターンのアスペクト比が1未満になるように形成する。第2コイル層212、222を形成するとき、第1絶縁物質213、223をそれぞれ貫通するビア214、224を形成することができ、第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222はこれを通じて電気的に連結されることができる。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0071】
図16及び
図17(e)を参照すると、第2コイル層212、222を覆う絶縁膜215、225を形成する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0072】
図16及び
図17(f)を参照すると、公知のトリミング(Trimming)工法、ダイシング(Dicing)工程等を用いてコイル部200のコイル層211、212、221、222が形成された領域以外の領域が選択的に除去されたコイル部200を形成する。図面にはトリミング(Trimming)及びダイシング(Dicing)工程の結果が一部反映されているが、磁性物質、即ち、本体部100は示されていない。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0073】
図18はコイル部品のさらに他の一例を示す概略的な斜視図であり、
図19は
図18のコイル部品の概略的なV−V'線に沿った切断断面図であり、
図20は
図19のコイル部品のC領域の概略的な拡大断面図である。
【0074】
図面を参照すると、他の一例によるコイル部品10Cも、磁性物質を含む本体部100の内部にコイル部200が配置された構造である。本体部100の外部にはコイル部200と電気的に連結される電極部300が配置される。コイル部200は、支持部材230、及び支持部材230の一面上に第3方向に積層された複数のコイル層241、242、243、244を含む。支持部材230の一面上に第3方向に積層された複数のコイル層241、242、243、244の間にはそれぞれのコイル層241、242、243を覆う絶縁層245、246、247が配置される。即ち、支持部材230の一面上にだけ複数のコイル層241、242、243、244が配置される。これらは、絶縁層245、246、247をそれぞれ貫通するビア261、262、263を通じて電気的に連結される。以下、他の一例によるコイル部品10Cの構成要素についてより詳細に説明するが、上述の内容と重複する内容は省略し、差異点を中心に説明する。
【0075】
コイル部200は、支持部材230の一面上に配置された第3方向に順に積層された第1コイル層241、第2コイル層242、第3コイル層243、及び第4コイル層244を含む。第1コイル層241と第2コイル層242との間、第2コイル層242と第3コイル層243との間、及び第3コイル層243と第4コイル層244との間には、それぞれ第1コイル層241を覆う第1絶縁層245、第2コイル層242を覆う第2絶縁層246、第3コイル層243を覆う第3絶縁層247が配置される。第4コイル層244は絶縁膜248によって覆われる。
【0076】
第1コイル層241のコイルパターンは、幅w
1に対する厚さh
1の比(h
1/w
1)であるアスペクト比(AR)が1未満である。第2コイル層242のコイルパターンも、幅w
2に対する厚さh
2の比(h
2/w
2)であるアスペクト比(AR)が1未満である。同様に、第3コイル層243及び第4コイル層244それぞれのコイルパターンも幅に対する厚さの比であるアスペクト比が1未満である。即ち、他の一例によるコイル部品10Cはコイル層241、242、243、244のコイルパターンのアスペクト比が1未満である。また、これらはすべて単一のターン数を有する。ここで、単一のターン数を有するとは1以下のターン数を有することを意味する。
【0077】
これにより、コイルパターンの形成工程技術が許容する散布内でコイルパターンの高さ及び幅を自由に調節することができるためコイルパターンの均一度に優れ、幅方向に広いため断面積が増加して低い直流抵抗(R
dc)特性を実現することができる。また、無理にコイルパターン間の間隔を調節しなくてもよいため、ショート等の不良率が減少する。また、コイル層241、242、243、244は、同一の回転方向を有することができ、これらはビア261、262、263を通じて電気的に連結されることができるため積層方向にコイル部のターン数が増加する効果を有することができる。ここで、積層方向は図面上の第3方向を示す。
【0078】
なお、コイル層241、242、243、244はすべてアスペクト比が1未満であるため基本的にコイル部の厚さが薄い。このとき、十分なターン数を有するためにそれぞれのコイル層241、242、243、244がその水平方向、即ち、第1方向及び/または第2方向にその空間を最大限に活用するように形成される。即ち、上下積層されたそれぞれのコイル層241、242、243、244の間には重複する領域が存在する。これにより、薄型でありながらも十分なコイル特性を有するコイル部品を実現するのに有用である。
【0079】
図面には第1コイル層241、第2コイル層242、第3コイル層243、及び第4コイル層244だけが示されているが、それ以上のコイル層がコイル層244上にさらに形成できることはもちろんであり、これらの間にビアが形成された絶縁層が配置されて互いに電気的に連結されることができることはもちろんである。この場合、追加されるコイル層は、第1コイル層241、第2コイル層242、第3コイル層243、または第4コイル層244の内容が適用されることができる。
【0080】
また、第1コイル層241、第2コイル層242、第3コイル層243、及び第4コイル層244の間にコイル層がさらに形成できることはもちろんであり、これらの間にビアが形成された絶縁層が配置されて互いに電気的に連結できることはもちろんである。この場合も、追加されるコイル層には第1コイル層241、第2コイル層242、第3コイル層243、または第4コイル層244の内容が適用されることができる。
【0081】
一方、場合によっては、第1コイル層241、第2コイル層242、第3コイル層243、及び第4コイル層244のうちのいずれか一つが一例によるコイル部品10Aで説明したように、コイルパターンのアスペクト比が1超過であってよく、複数のターン数を有することができる。即ち、コイル部品10A〜10Cの内容が互いに組み合わされることはもちろんである。
【0082】
図21は
図18のコイル部品の概略的なVI−VI'線に沿った切断断面図であり、
図22は
図21のコイル部品の本体部の概略的なc方向の断面図である。
【0083】
図面を参照すると、同様に他の一例によるコイル部品10Cも、外部電極と連結されるために引き出されるコイルパターンの引出端子が支持部材及び絶縁層によって支持される。これにより、コイルパターンの引出端子は、安定的に形成できることはもちろんであり、外部電極との優れた接続力を有することができる。一方、図面には絶縁膜248が省略されているが、絶縁膜248も引き出されることができる。または、引出断面で絶縁膜248が殆ど残っていなくてもよい。
【0084】
また、図面を参照すると、同様に他の一例によるコイル部品10Cも、コイル部200の右側の引出断面は、上側から下側に行くほど幅が狭くなるおおむねテーパー状を有することができる。即ち、これを通じてショートの発生等の不良リスクが小さいながらもコイルの均一度及び低い直流抵抗(R
dc)の確保が可能であるとともに薄型に製造することができる。図面には示されていないが、同様にコイル部200の左側の引出断面も第1コイル層241を基準にその上側に配置された絶縁層245、246、247、及びその下側に配置された支持部材230がおおむねテーパー状を有することができる。ここで、上下は図面の第3方向を基準に判断する。
【0085】
図23は
図18のコイル部品の概略的な製造工程の一例を示す図面である。
【0086】
図面を参照すると、他の一例によるコイル部品10Cは、同様に、例えば、支持部材230を用いて複数のコイル部200を形成し、複数のコイル部200の上部及び下部に磁性体シートを積層して複数の本体部100を形成した後、複数の本体部100を切断し、それぞれの個別の本体部100上に電極部300を形成して製造することができる。これに対する具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0087】
図24は
図19のコイル部の概略的な形成工程の一例を示す図面であり、
図25は
図21のコイル部の概略的な形成工程の一例を示す図面である。
【0088】
図24及び
図25(a)を参照すると、支持部材230を設ける。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0089】
図24及び
図25(b)を参照すると、支持部材230の一面上に第1コイル層241を形成する。第1コイル層241は、上述の通りコイルパターンのアスペクト比が1未満になるように形成する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0090】
図24及び
図25(c)を参照すると、支持部材230の一面上に第1コイル層241を覆うように第1絶縁層245を積層する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。その後、第1絶縁層245上に第2コイル層242を形成する。第2コイル層242も、上述の通りコイルパターンのアスペクト比が1未満になるように形成する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0091】
図24及び
図25(d)を参照すると、第1絶縁層245上に第2コイル層242を覆うように第2絶縁層246を積層する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。その後、第2絶縁層246上に第3コイル層243を形成する。第3コイル層243も、上述の通りコイルパターンのアスペクト比が1未満になるように形成する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0092】
図24及び
図25(e)を参照すると、第2絶縁層246上に第3コイル層243を覆うように第3絶縁層247を積層する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。その後、第3絶縁層247上に第4コイル層244を形成する。第4コイル層244も、上述の通りコイルパターンのアスペクト比が1未満になるように形成する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0093】
図24及び
図25(f)を参照すると、第4コイル層244を覆う絶縁膜248を形成する。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0094】
図24及び
図25(g)を参照すると、公知のトリミング(Trimming)工法、ダイシング(Dicing)工程等を用いてコイル部200のコイル層241、242、243、244が形成された領域以外の領域が選択的に除去されたコイル部200を形成する。図面にはトリミング(Trimming)及びダイシング(Dicing)工程の結果が一部示されているが、磁性物質、即ち、本体部100は示されていない。具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0095】
図26はコイル部品のさらに他の一例を示す概略的な斜視図であり、
図27は
図26のコイル部品の概略的なVII−VII'線に沿った切断断面図であり、
図28は
図27のコイル部品のD領域の概略的な拡大断面図である。
【0096】
図面を参照すると、さらに他の一例によるコイル部品10Dも、磁性物質を含む本体部100の内部にコイル部200が配置された構造である。本体部100の外部にはコイル部200と電気的に連結される電極部300が配置される。コイル部200は、支持部材230、及び支持部材230の両面上に配置された複数のコイル層211、212、221、222を含む。上側の第1及び第2コイル層211、212と下側の第1及び第2コイル層221、222との間には、支持部材230の両面上にそれぞれ配置され、内側に形成された第1コイル層211、221を覆う絶縁層213、223がそれぞれ配置される。以下、さらに他の一例によるコイル部品10Dの構成要素についてより詳細に説明するが、上述の内容と重複する内容は省略し、差異点を中心に説明する。
【0097】
第1コイル層211、221のコイルパターンは、幅w
1に対する厚さh
1の比(h
1/w
1)であるアスペクト比(AR)が1超過であることと、幅w
2に対する厚さh
1の比(h
1/w
2)であるアスペクト比(AR)が1未満であることをすべて含む。第2コイル層212、222のコイルパターンは、幅w
3に対する厚さh
2の比(h
2/w
3)であるアスペクト比(Aspect Ratio AR)が大部分1超過である。例えば、第1コイル層211、221のコイルパターンは、幅w
1が約30μm〜50μm程度であってよく、幅w
2が約90μm〜150μm程度であってよく、厚さh
1が約40μm〜60μm程度であってよい。第2コイル層212、222のコイルパターンは、幅w
3が約40μm〜60μmであってよく、厚さh
2が約40μm〜70μm程度であってよい。
【0098】
第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222のコイルパターンはすべて複数のターン数を有する。このとき、第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222は、大部分が薄い線幅を有するコイルパターンで構成されるため、水平方向、即ち、第1方向及び/または第2方向に基本的に多くの数のターン数を有する。また、これらコイル層211、212、221、222は、同一の回転方向を有することができる。これらはビア214、224、234を通じて電気的に連結されることができるため、積層方向、即ち、第3方向にもコイルのターン数が増加する効果を有する。図面に示されるよりさらに多くの数のターン数を有してよく、これより少ないターン数を有してもよいことはもちろんであり、このような変形は通常の技術者にとって自明であるといえる。
【0099】
コイル層211、221、212、222は、大部分薄い線幅を有するコイルパターンで構成されるため、コイル部の厚さが薄い。このとき、十分なターン数を有するためにそれぞれのコイル層211、221、212、222がその水平方向、即ち、第1方向及び/または第2方向にその空間を最大限に活用するように形成される。即ち、上下積層された第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222は重なる領域を有する。したがって、薄型でありながらも十分なコイル特性を有するコイル部品を実現するのに有用である。
【0100】
第1コイル層211、221は、最外側に配置されたコイルパターンの線幅w
2が内側に配置されたコイルパターンの線幅w
1より広い。即ち、内側に配置されたコイルパターンは線幅w
1を相対的に薄く実現して多くのターン数を有するようにするとともに、外側に配置されたコイルパターンは線幅w
2を相対的に厚く実現して低い直流抵抗(R
dc)の特性を確保することができる。また、第1コイル層211、221のコイルパターン間の間隔L
1は第2コイル層212、222のコイルパターン間の間隔L
2より広い。即ち、内側に形成される第1コイル層211、221は、コイルパターンの間隔L
1を相対的に広くすることにより全体的にショートの発生等の不良リスクを減らし、これを覆う絶縁層213、223を平坦にすることにより、外側に形成される第2コイル層212、222のコイルの均一度を向上させることができる。さらに、外側に形成される第2コイル層212、222は、コイルパターンの間隔L
2を相対的に狭くすることにより、コイル部200が全体的に多いターン数を有するようにすることができる。
【0101】
図面には第1コイル層211、221及び第2コイル層212、222だけが示されているが、それ以上のコイル層が第2コイル層212、222上にさらに形成されてもよいことはもちろんであり、これらの間にビアが形成された絶縁層が配置されて互いに電気的に連結できることはもちろんである。また、第1コイル層211、221と第2コイル層212、222との間にコイル層がさらに形成されてもよいことはもちろんであり、これらの間にビアが形成された絶縁層が配置されて互いに電気的に連結できることはもちろんである。
【0102】
図29は
図26のコイル部品の概略的なVIII−VIII'線に沿った切断断面図であり、
図30は
図29のコイル部品の本体部の概略的なd方向の断面図である。
【0103】
図面を参照すると、同様にさらに他の一例によるコイル部品10Dも、外部電極と連結されるために引き出されるコイルパターンの引出端子が支持部材及び絶縁層によって支持される。これにより、コイルパターンの引出端子は安定的に形成できることはもちろんであり、外部電極との優れた接続力を有することができる。一方、図面には絶縁膜215が省略されているが、絶縁膜215も引き出されることができる。または、引出断面で絶縁膜215が殆ど残っていなくてもよい。
【0104】
また、図面を参照すると、同様にさらに他の一例によるコイル部品10Dも、コイル部200の右側の引出断面は、上側から下側に行くほど幅が狭くなるおおむねテーパー状を有することができる。図面には示されていないが、同様に左側の引出断面も、下側から上側に行くほど幅が狭くなるおおむねテーパー状を有することができる。ここで、上下は図面の第3方向を基準に判断する。即ち、これを通じてショートの発生等の不良リスクが小さいながらもコイルの均一度及び低い直流抵抗(R
dc)の確保が可能であるとともに薄型に製造することができる。
【0105】
図31は
図26のコイル部の電気的連結を示す概略的な断面図である。
【0106】
図面を参照すると、同様に、支持部材230を貫通するビア234を通じて支持部材の両面に配置された上側の第1コイル層211と下側の第1コイル層221とが電気的に連結される。また、絶縁層213、223をそれぞれ貫通するビア214、224によって上側の第1及び第2コイル層211、212と下側の第1及び第2コイル層221、222とがそれぞれ電気的に連結される。これにより、コイル層211、212、221、222がすべて電気的に連結されて一つのコイルを構成する。その他、他の具体的な内容は上述と同一であるため省略する。
【0107】
さらに他の一例によるコイル部品10Dの製造方法は、上述のコイル部品10A〜10Cの製造方法と同様であるため詳細な内容は省略する。
【0108】
図32は磁性物質の一例を示す概略的な断面図であり、
図33は磁性物質の他の一例を示す概略的な断面図である。
【0109】
図面を参照すると、本体部100の磁性物質は、金属磁性体粉末と樹脂混合物とが混合された磁性体樹脂複合体からなることができる。金属磁性体粉末は、鉄(Fe)、クロム(Cr)、またはシリコン(Si)を主成分として含むことができ、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、鉄(Fe)−クロム(Cr)−シリコン(Si)等を含むことができるが、これに限定されるものではない。樹脂混合物は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)等を含むことができるが、これに限定されるものではない。金属磁性体粉末は、少なくとも二つ以上の平均粒径D
1、D
2を有する金属磁性体粉末が充填されたものであってよい。または、金属磁性体粉末は、少なくとも3つ以上の平均粒径D
1、D
2、D
3を有する金属磁性体粉末が充填されたものであってもよい。この場合、互いに異なるサイズの金属磁性体粉末を用いて圧着することにより、磁性体樹脂複合体をいっぱいに満たすことができるため充填率を高めることができる。これにより、コイル部品の容量増大が可能となる。
【0110】
図34は等方めっき技術を適用したコイル部品の一例を概略的に示す図面である。
【0111】
等方めっき技術を適用したコイル部品は、例えば、支持部材1030の両面に等方めっき技術で平面コイル形状のコイルパターン1021、1022を形成した後、磁性物質でこれを埋め込んで本体部1010を形成し、本体部1010の外部にコイルパターン1021、1022と電気的に連結される外部電極1041、1042を形成して製造することができる。等方めっき技術は、電気めっき法の進行中にめっきが行われるにつれてコイルパターンの厚さ方向の成長とともに幅方向の成長が同時に行われるため、図面のように、高いアスペクト比を実現するのに限界がある。
【0112】
図35は異方めっき技術を適用したコイル部品の一例を概略的に示すものである。
【0113】
異方めっき技術を適用したコイル部品は、例えば、支持部材2030の両面に異方めっき技術で平面コイル形状のコイルパターン2021、2022を形成した後、磁性物質でこれを埋め込んで本体部2010を形成し、本体部2010の外部にコイルパターン2021、2022と電気的に連結される外部電極2041、2042を形成して製造することができる。異方めっき技術を適用する場合、高いアスペクト比を実現することができるが、アスペクト比の増加によってめっき成長の均一度が低下する可能性があり、めっき厚さの散布が広いため依然としてショートが容易に発生するおそれがある。
【0114】
図36は多様な形態のコイル部品のインダクタンスの比較結果を示す図面であり、
図37は多様な形態のコイル部品の飽和電流特性の比較結果を示す図面であり、
図38は多様な形態のコイル部品のめっき散布の比較結果を示す図面である。
【0115】
図面において、実施例は、本発明によるコイル部品、具体的には、一例によるコイル部品10Aのインダクタンス、飽和電流、及びめっき散布の測定結果であり、比較例は、垂直異方めっきを適用して製造したコイル部品、例えば、
図35に示されたコイル部品のインダクタンス、飽和電流、及びめっき散布の測定結果である。
【0116】
図面を参照すると、本発明によるコイル部品は、垂直異方めっきだけを適用して製造したコイル部品に比べて同一の空間でコイル部と本体部内の磁性物質とが接する面積が増えて高容量の確保が可能であり、直流重畳特性(DC bias)が相対的に高くなり得ることが分かる。また、コイルパターンの形成過程で工程の散布を減らして高難易度の製品の容量に対する工程力を高めることができることが分かる。
【0117】
一方、本発明において「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。また、第1、第2等の表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/または重要度等を限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0118】
また、本発明で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0119】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。