特許第6825325号(P6825325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6825325
(24)【登録日】2021年1月18日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/19 20060101AFI20210121BHJP
   B62D 1/184 20060101ALI20210121BHJP
   B62D 1/185 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   B62D1/19
   B62D1/184
   B62D1/185
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-224047(P2016-224047)
(22)【出願日】2016年11月17日
(65)【公開番号】特開2018-79821(P2018-79821A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】特許業務法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】杉下 傑
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02510822(GB,A)
【文献】 特開2009−107506(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/064345(WO,A1)
【文献】 特開2016−137828(JP,A)
【文献】 特開2012−250651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00 − 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウタコラムと、一方側端部が前記アウタコラムの他方側端部の内周面と軸方向に摺動可能に嵌合されたインナコラムとからなるステアリングコラムと
車体に固定され、前記アウタコラムを挟持することにより前記アウタコラムを支持するとともに、前記アウタコラムを介して前記インナコラムを支持するブラケットと、
前記インナコラムに対して所定の大きさより小さい荷重が印加されている場合、前記インナコラムが前記アウタコラムに対して軸方向に移動することができる範囲を通常の使用範囲に規制するとともに、前記インナコラムに対して前記所定の大きさ以上の荷重が印加された場合、前記インナコラムが前記通常の使用範囲を超えた範囲まで軸方向に移動することを許容する離脱機構を備え、
前記離脱機構は、
前記アウタコラムに固定され、かつ、前記インナコラムと係合することにより、前記インナコラムの軸方向における移動可能範囲を前記通常の使用範囲内に規制する係合部材と、前記係合部材を前記アウタコラムに固定する少なくとも1つのシェアピンとを備え、
前記インナコラムに対して前記所定の大きさ以上の荷重が印加された場合、前記シェアピンがせん断し、前記係合部材と前記アウタコラムとの固定が解除されることで、前記インナコラムが前記通常の使用範囲を超えた範囲まで軸方向に移動することを許容することを特徴とするステアリング装置。
【請求項2】
前記アウタコラムの外周側には軸方向溝が形成され、
前記係合部材は、前記シェアピンによって前記軸方向溝固定された固定部と、前記固定部から前記インナコラムに向けて突出し、前記インナコラムを挿通する挿通部とを有していることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項3】
前記軸方向溝の底部には前記アウタコラムを内周側から外周側に貫通する第1の軸方向スリットが形成され、
前記軸方向溝は、前記第1の軸方向スリットの幅方向両側の前記アウタコラムの外周面の部分に前記第1の軸方向スリットに沿って形成された一対の軸方向壁部と、前記一対の軸方向壁部の前方端同士を幅方向に連結する前方側幅方向壁部と、前記一対の軸方向壁部の後方側端部同士を幅方向に連結する後方側幅方向壁部とによって形成されていることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。
【請求項4】
前記第1の軸方向スリットは、前記アウタコラムを上下方向に貫通していることを特徴とする請求項3に記載のステアリング装置。
【請求項5】
前記インナコラムには、少なくとも一部が前記第1の軸方向スリットに対向する第2の軸方向スリットが形成され、
前記挿通部は、前記第1の軸方向スリットと前記第2の軸方向スリットとを貫通していることを特徴とする請求項3または4に記載のステアリング装置。
【請求項6】
テアリングホイールのテレスコピック位置を調節するためのテレスコピック位置調節機構をさらに備え、
前記テレスコピック位置の調整範囲は、前記通常の使用範囲であって、前記挿通部前記第2の軸方向スリットの前方端に接触する位置から後方端に接触する位置まで、前記インナコラムが前記アウタコラムに対して移動する範囲であることを特徴とする請求項5に記載のステアリング装置。
【請求項7】
前記挿通部は、前記アウタコラムに対する前記インナコラムの回転を防止する回転防止機構を構成していることを特徴とする請求項2からの何れか一項に記載のステアリング装置。
【請求項8】
前記固定部は、一対の平行な面を有するブロック部材であり、
前記挿通部は、前記ブロック部材に固定され、前記インナコラムと前記ブロック部材とを挿通する挿通部材であることを特徴とする請求項2から7の何れか一項に記載のステアリング装置。
【請求項9】
前記ブロック部材は、1つの前記シェアピンによって前記アウタコラムに固定されていることを特徴とする請求項8に記載のステアリング装置。
【請求項10】
前記ブロック部材は、2つの前記シェアピンによって前記アウタコラムに固定されていることを特徴とする請求項8に記載のステアリング装置。
【請求項11】
前記シェアピンは、前記一対の軸方向壁部のそれぞれを幅方向外方から貫通し、前記ブロック部材に幅方向外方から圧入されていることを特徴とする請求項10に記載のステアリング装置。
【請求項12】
前記シェアピンは、前記ブロック部材の中心に対し、対角上に一対が配置されていることを特徴とする請求項11に記載のステアリング装置。
【請求項13】
前記ステアリングコラムに回動可能に支持されたステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトの回動をロックするステアリングロック機構をさらに備え、
前記ステアリングロック機構が前記ステアリングシャフトの回動をロックしている状態において、前記ステアリングシャフトを回動させる所定の大きさの荷重が加わった場合、前記ブロック部材を介して前記一対の軸方向壁部で前記荷重を受けることを特徴とする請求項から12の何れか一項に記載のステアリング装置。
【請求項14】
前記挿通部材は、略円柱状の軸部材であることを特徴とする請求項8から13の何れか一項に記載のステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図22は、従来のステアリング装置101の斜視図であり、車体に取り付けられている状態を示す。
ステアリング装置101は、図22に示すように、ステアリングホイール102の回動を、ステアリングシャフト109を介してステアリングギヤユニット110に伝達し、ステアリングギヤユニット110がステアリングシャフト109の回動に基づいてタイロッド108を変位させ、左右の操舵輪100に舵角を付与するように構成されている。
【0003】
このようなステアリング装置において、ステアリングホイールのチルト位置すなわち高さ位置と、テレスコピック位置すなわち前後方向位置とを調節することができる位置調節機構を備えると共に、二次衝突の際、ステアリングコラムが車体側固定部から離脱する離脱機構を備え、離脱したステアリングコラムが前方に移動することにより二次衝突の衝撃から運転者を保護するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−164852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ステアリングコラムの離脱機構を備えたステアリング装置において、小型化の要求が高まっている。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、小型化しても、ステアリングコラムが充分な剛性を有すると共に、二次衝突の際、確実にステアリングコラムを車体側固定部から離脱させることができるステアリング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、本発明は、アウタコラムと、一方側端部が前記アウタコラムの他方側端部の内周面と軸方向に摺動可能に嵌合されたインナコラムとからなるステアリングコラムと、車体に固定され、前記アウタコラムを挟持することにより前記アウタコラムを支持するとともに、前記アウタコラムを介して前記インナコラムを支持するブラケットと、前記インナコラムに対して所定の大きさより小さい荷重が印加されている場合、前記インナコラムが前記アウタコラムに対して軸方向に移動することができる範囲を通常の使用範囲に規制するとともに、前記インナコラムに対して前記所定の大きさ以上の荷重が印加された場合、前記インナコラムが前記通常の使用範囲を超えた範囲まで軸方向に移動することを許容する離脱機構を備え、前記離脱機構は、前記アウタコラムに固定され、かつ、前記インナコラムと係合することにより、前記インナコラムの軸方向における移動可能範囲を前記通常の使用範囲内に規制する係合部材と、前記係合部材を前記アウタコラムに固定する少なくとも1つのシェアピンとを備え、前記インナコラムに対して前記所定の大きさ以上の荷重が印加された場合、前記シェアピンがせん断し、前記係合部材と前記アウタコラムとの固定が解除されることで、前記インナコラムが前記通常の使用範囲を超えた範囲まで軸方向に移動することを許容することを特徴とするステアリング装置である。
【0008】
また、本発明の好ましい態様は、前記アウタコラムの外周側には軸方向溝が形成され、 前記係合部材は、前記シェアピンによって前記軸方向溝固定された固定部と、前記固定部から前記インナコラムに向けて突出し、前記インナコラムを挿通する挿通部とを有していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の好ましい態様は、前記軸方向溝の底部には前記アウタコラムを内周側から外周側に貫通する第1の軸方向スリットが形成され、前記軸方向溝は、前記第1の軸方向スリットの幅方向両側の前記アウタコラムの外周面の部分に前記第1の軸方向スリットに沿って形成された一対の軸方向壁部と、前記一対の軸方向壁部の前方端同士を幅方向に連結する前方側幅方向壁部と、前記一対の軸方向壁部の後方側端部同士を幅方向に連結する後方側幅方向壁部とによって形成されていることを特徴とするステアリング装置である。
【0010】
また、本発明の好ましい態様は、前記第1の軸方向スリットは、前記アウタコラムを上下方向に貫通していることを特徴とするステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記インナコラムには、少なくとも一部が前記第1の軸方向スリットに対向する第2の軸方向スリットが形成され、
前記挿通部は、前記第1の軸方向スリットと前記第2の軸方向スリットとを貫通していることを特徴とするステアリング装置である。
【0011】
また、本発明の好ましい態様は、ステアリングホイールのテレスコピック位置を調節するためのテレスコピック位置調節機構をさらに備え、前記テレスコピック位置の調整範囲は、前記通常の使用範囲であって、前記挿通部前記第2の軸方向スリットの前方端に接触する位置から後方端に接触する位置まで、前記インナコラムが前記アウタコラムに対して移動する範囲であることを特徴とするステアリング装置である。
【0012】
また、本発明の好ましい態様は、前記挿通部は、前記アウタコラムに対する前記インナコラムの回転を防止する回転防止機構を構成していることを特徴とするステアリング装置である。
【0013】
また、本発明の好ましい態様は、前記固定部は、一対の平行な面を有するブロック部材であり、前記挿通部は、前記ブロック部材に固定され、前記インナコラムと前記ブロック部材とを挿通する挿通部材であることを特徴とするステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記ブロック部材は、1つの前記シェアピンによって前記アウタコラムに固定されていることを特徴とするステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記ブロック部材は、2つの前記シェアピンによって前記アウタコラムに固定されていることを特徴とするステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記シェアピンは、前記一対の軸方向壁部のそれぞれを幅方向外方から貫通し、前記ブロック部材に幅方向外方から圧入されていることを特徴とするステアリング装置である。
【0014】
また、本発明の好ましい態様は、前記シェアピンは、前記ブロック部材の中心に対し、対角上に一対が配置されていることを特徴とするステアリング装置である。
【0015】
また、本発明の好ましい態様は、前記ステアリングコラムに回動可能に支持されたステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトの回動をロックするステアリングロック機構をさらに備え、前記ステアリングロック機構が前記ステアリングシャフトの回動をロックしている状態において、前記ステアリングシャフトを回動させる所定の大きさの荷重が加わった場合、前記ブロック部材を介して前記一対の軸方向壁部で前記荷重を受けることを特徴とするステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記挿通部材は、略円柱状の軸部材であることを特徴とするステアリング装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小型化しても、ステアリングコラムが充分な剛性を有すると共に、二次衝突の際、確実にステアリングコラムを車体側固定部から離脱させることができるステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る電動パワーステアリング装置の要部の側面図である。
図3】電動パワーステアリング装置の要部の斜視図である。
図4】電動パワーステアリング装置の要部を別の角度から見た斜視図である。
図5】電動パワーステアリング装置の要部を更に別の角度から見た斜視図である。
図6】電動パワーステアリング装置の要部の正面図であり、車体後方側から見た状態を示す。
図7図6のA−A線の断面図である。
図8】電動パワーステアリング装置の要部の側面図である。
図9図8のB−B線の断面図である。
図10】電動パワーステアリング装置の要部の平面図である。
図11図10のC−C線の断面図である。
図12】電動パワーステアリング装置の要部の底面図である。
図13】アウタコラムの斜視図である。
図14】アウタコラムを別の角度から見た斜視図である。
図15】アウタコラムの正面図であり、車体後方側から見た状態を示す。
図16】アウタコラムの側面図である。
図17図16のE−E線の断面図である。
図18】アウタコラムの平面図である。
図19】電動パワーステアリング装置の要部の分解図である。
図20】離脱用ブロック部材の拡大斜視図である。
図21図21(a)は離脱用ブロック部材の拡大平面図であり、図21(b)は図21(a)のD−D線の断面図であり、図21(c)は図21(a)の上側から離脱用ブロック部材を見た側面図であり、図21(d)は図21(a)の下側から離脱用ブロック部材を見た側面図である。
図22】従来のステアリング装置の斜視図であり、車両に取り付けられている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態に係るステアリング装置を説明する。本実施形態は、本発明をコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用した例である。
まず、本明細書中における電動パワーステアリング装置に係る方向について定義する。本明細書中においては、電動パワーステアリング装置に係る方向は、特に明記しない限り車体に取付けられた状態における当該車体に関する前後方向、左右方向、および上下方向と同様とする。左右方向については幅方向ともいう。必要に応じ、各図において適宜これらの方向を示す。また、本明細書中において軸方向、径方向、および周方向とは、特に明記しない限り、ステアリングシャフトまたはステアリングコラムに関する軸方向、径方向、および周方向のことをいう。軸方向と車体に関する前後方向とは略同じ方向である。また径方向上方および径方向下方は、それぞれ車体に関する上方および下方と略同じ方向であり、径方向左方および径方向右方は、それぞれ車体に関する左方および右方と略同じ方向である。
【0019】
図1は本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置である。電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2の操作力を軽減するために、ステアリングコラム3に取付けた電動パワーアシスト装置4の操舵補助力を出力軸5に付与し、中間シャフト6を介して、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤアッセンブリ7のラックを往復移動させ、タイロッド8を介して操舵輪を転舵する方式のパワーステアリング装置である。
【0020】
図2は本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の要部の側面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、ステアリングシャフト9と、ステアリングシャフト9を回動可能に支持するステアリングコラム3と、車体に固定され、ステアリングコラム3を図示しない車体に保持するアッパー側ブラケットであるチルトブラケット11と、パワーアシスト装置4とを備えている。
【0021】
ステアリングシャフト9は、前方側に配置されたロアーシャフト12と、後方側に配置されたアッパーシャフト13とからなる。アッパーシャフト13の前方側端部とロアーシャフト12の後方側端部とには、それぞれ図示しない雄スプラインと図示しない雌スプラインとが形成され、アッパーシャフト13とロアーシャフト12とはトルク伝達可能に、且つ軸方向に相対移動可能にスプライン嵌合されている。アッパーシャフト13の後方側の端部には、図1に示すように、ステアリングホイール2が固定される。
【0022】
ステアリングコラム3は、アッパーコラムであるインナコラム14と、ロアーコラムであるアウタコラム15とから構成されている。インナコラム14はスチール系合金からなり、アウタコラム15はアルミニウム系合金からなり、それぞれ筒状に形成されている。ロアーコラムであるアウタコラム15の後方側部分の内周面には、アッパーコラムであるインナコラム14の前方側部分の外周面が軸方向に摺動可能に内嵌している。アウタコラム15の内周側には、図示しない軸受を介してロアーシャフト12が回動可能に支持されている。インナコラム14の内周側には、図示しない軸受を介してアッパーシャフト13が回動可能に支持されている。
【0023】
アウタコラム15の前方側端部には、アルミニウム等の金属からなるハウジング16が一体的に連結されている。なお、アウタコラム15とハウジング16とは、一体に形成されても良い。ハウジング16には出力軸5(図1参照)に操舵補助トルクを付与する為の操舵補助部であるパワーアシスト装置4が組付けられている。パワーアシスト装置4は、電動モータ17と、電動モータ17の回転を出力軸5に伝達する図示しない減速機構と、図示しないトルクセンサとを備えている。電動モータ17はハウジング16に支持されている。減速機構はハウジング16に格納されている。ステアリングホイール2からアッパーシャフト13に加えられるトルクの方向および大きさは、図示しないトルクセンサで検出される。パワーアシスト装置4は、トルクセンサで検出されたトルクの方向および大きさに応じて電動モータ17を駆動させ、電動モータの17回転から、減速機構を介して、所定の方向に所定の大きさの操舵補助トルクを発生させ、出力軸5にこの操舵補助トルクを付与する。
【0024】
アッパーシャフト13とロアーシャフト12とは、上述したように、軸方向に相対移動可能にスプライン嵌合されている。したがってアッパーシャフト13とロアーシャフト12とが軸方向に相対移動することによりステアリングホイール2の前後位置の調節が可能である。またステアリングコラム3は、アウタコラム15の後方側部分の内周面にインナコラム14の前方側部分の外周面が軸方向に摺動可能に内嵌している。アウタコラム15とインナコラム14との軸方向の相対位置が変化することにより、ステアリングコラム3の全長が変化する。
【0025】
アウタコラム15の前方側端部は、ロアーブラケット18により、ハウジング16を介して、車体に支持されている。ロアーブラケット18は、幅方向に沿って配置されたチルト軸19を中心として、ハウジング16を上下方向に揺動可能に支持している。これにより、ハウジング16と連結されているアウタコラム15は、ハウジング16を介してロアーブラケット18によって車体に支持され、チルト軸19を回動中心として上下方向に揺動可能となっている。すなわちステアリングコラム3は、チルト軸19を回動中心として上下方向に揺動可能となっている。
【0026】
図3は電動パワーステアリング装置の要部の斜視図である。図4は電動パワーステアリング装置の要部を別の角度から見た斜視図である。図5は電動パワーステアリング装置の要部をさらに別の角度から見た斜視図である。
図6は電動パワーステアリング装置の要部の正面図であり、車体後方側から見た状態を示す。図7図6のA−A線の断面図である。図8は電動パワーステアリング装置の要部の側面図である。図9図8のB−B線の断面図である。図10は電動パワーステアリング装置の要部の平面図である。図11図10のC−C線の断面図である。図12は電動パワーステアリング装置の要部の底面図である。
【0027】
図13はアウタコラムの斜視図である。図14はアウタコラムを別の角度から見た斜視図である。図15はアウタコラムの正面図であり、車体後方側から見た状態を示す。図16はアウタコラムの側面図である。図17図16のE−E線の断面図である。図18はアウタコラムの平面図である。図19は電動パワーステアリング装置の要部の分解図である。なお、図3乃至図19においては、ステアリングシャフト9およびパワーアシスト装置4の図示は省略している。
【0028】
チルトブラケット11は、上下方向および前後方向に延在する一対の側板20と、一対の側板20の上端部を連結する平板部21とからなるU字状部材を含む。一対の側板20は、アウタコラム15に関して幅方向に対向して配置されている。平板部21は、アウタコラム15よりも上方に配置されている。各側板20の上下方向中間部には、幅方向で外方に突出し、幅方向および前後方向に延在するフランジ部22が形成されている。フランジ部22の前後方向寸法は、側板20の前後方向寸法と同等の大きさを有している。各フランジ部22の前方側縁部には、下方に向かって延在する補強リブ23が形成されている。各フランジ部22よりも下方側の側板20の部分には、上下方向に延在する長孔24が形成されている。長孔24は、ステアリングホイール2のチルト位置調節用の長孔である。
【0029】
各フランジ部22には、ボルト孔25が設けられている。ボルト孔25は、フランジ部22を上下方向に貫通している。チルトブラケット11は、各フランジ部22のボルト孔25に挿通されたボルト26(図2参照)により車体に固定される。チルトブラケット11は、一対の側板20でステアリングコラム3を幅方向両側から挟持することにより、ステアリングコラム3を車体に保持する。詳細には、一対の側板20は、アウタコラム15の幅方向両側部分に設けられた後述するクランプ機構部27を挟持する。
【0030】
図13図14に示すように、アウタコラム15は、アウタコラム15の後方端を含む後方側部分である本体部28と、本体部28よりも前方側部分であって、前方端にハウジング16が一体的に連結される円筒部29とから構成されている。本体部28と円筒部29とは一体に形成されている。アウタコラム15の本体部28は、下方側部分に、チルトブラケット11の一対の側板20によってクランプされてアウタコラム15を車体側固定部材であるチルトブラケット11に保持すると共に、アウタコラム15を介してインナコラム14をクランプするためのクランプ機構部27を備えている。クランプ機構部27は、アウタコラム15の後端部から前方側に延在して形成され、チルトブラケット11の側板20の前後方向範囲よりも小さい前後方向範囲に亘って形成されている。以下に、クランプ機構部27の構成を説明する。
【0031】
図13図14に示すように、アウタコラム15の本体部28の下側部分には、軸方向に延在し、アウタコラム15の本体部28の外周面から内周面まで径方向に貫通した第1の軸方向スリット30が形成されている。第1の軸方向スリット30の後方端はアウタコラム15の本体部28の後方端すなわちアウタコラム15の後方端に開口し、前方側はアウタコラム15の本体部28の前方端近傍まで延在している。
【0032】
さらに、アウタコラム15の本体部28の下側部分には、周方向に延在する周方向スリットが2つ形成されている。第1の周方向スリット31はアウタコラム15の本体部28の後方端近傍に形成されている。第1の周方向スリット31の両端は、アウタコラム15の本体部28の幅方向両側部分の、上下方向に関してアウタコラム15の中心軸線と重なる部分に位置している。第1の周方向スリット31は、第1の軸方向スリット30の後方端近傍部において第1の軸方向スリット30と周方向に交差している。
【0033】
第2の周方向スリット32はアウタコラム15の本体部28の前方端近傍に形成されている。第2の周方向スリット32の両端は、アウタコラム15の本体部28の幅方向両側部分の、上下方向に関してアウタコラム15の中心軸線と重なる部分に位置している。第2の周方向スリット32は、第1の軸方向スリット30の前方端において第1の軸方向スリット30と周方向に交差している。第1の軸方向スリット30、第1の周方向スリット31、および第2の周方向スリット32はこのように形成されているので、アウタコラム15の本体部28の下側部分において、第1の軸方向スリット30と第1の周方向スリット31と第2の周方向スリット32とによって三方を囲まれたクランプ部33が幅方向に一対形成されている。各クランプ部33はアウタコラム15の部分であるので、部分円筒面状の内周面を有している。
【0034】
各クランプ部33は、第1の軸方向スリット30と第1の周方向スリット31と第2の周方向スリット32とによって、下方側と後方側と前方側との3つの側が連続的に開放しており、上方側がアウタコラム15の本体部28と一体につながっている。言い換えると、各クランプ部33は、軸方向に離間して並ぶ2つの側と上下方向の1つの側とが連続する非固定端であり、上下方向の他の1つの側が固定端である。このような構成なので、各クランプ部33は、軸方向に延在する固定端を有する片持ち梁構造となっている。各クランプ部33は、アウタコラム15の本体部28の他の部分と比較して、幅方向に関する剛性が低く、幅方向に弾性変形可能である。具体的には、各クランプ部33が幅方向に弾性変形することにより、各クランプ部33の内径が弾性的に拡大または縮小可能となっている。
【0035】
各クランプ部33の外周面の下端部には、平板状の張出板部34が幅方向外方に突出して設けられている。各張出板部34は、アウタコラム15の幅方向側の外周面よりも外方まで延在している。各張出板部34は、クランプ部33の前後方向長さに亘って形成されている。各張出板部34の上面とクランプ部33の外周面との間に、各張出板部34の上面とクランプ部33の外周面とを連結する補強リブ35が設けられている。補強リブ35は、各張出板部34の上面の後方側端部と前方側端部とに形成されている。各張出板部34の幅方向外側の端面は、チルトブラケット11の一対の側板20の締め付け力を受ける第1の作用面36を構成している。したがって、張出板部34の第1の作用面36は一対形成されている。本実施形態においては、各張出板部34の第1の作用面36は上下方向および前後方向に延在する平坦面に形成されている。なお、第1の作用面36は、平坦面以外の形状としても良い。
【0036】
アウタコラム15は、アウタコラム15の幅方向一方側部分と幅方向他方側部分とを連続してつなぐブリッジ部37を有する。本実施形態においては、ブリッジ部37は、アウタコラム15の本体部28よりも下方において一対のクランプ部33および一対の張出板部34を下方から覆う状態で設けられている。ブリッジ部37はアウタコラム15と一体的に設けられている。
【0037】
ブリッジ部37は、アウタコラム15の本体部28よりも下方において幅方向および軸方向に延在する補強板部38と、補強板部38の後方端とアウタコラム15とを連結する後方側連結部39と、補強板部38の前方端とアウタコラム15とを連結する前方側連結部40とを有する。補強板部38は、アウタコラム15の本体部28の軸方向長さと同等の軸方向長さを有し、アウタコラム15の幅方向の外径よりも少し大きな幅を有している。補強板部38は、所定の隙間を介して一対の張出板部34と上下方向に対向している。後方側連結部39は、補強板部38の幅方向寸法と同じ幅寸法を有し、補強板部38の後方端から上方に延在し、アウタコラム15の第1の周方向スリット31よりも後方側でアウタコラム15の下側面に連結している。前方側連結部40は、補強板部38の幅方向寸法と同じ幅寸法を有し、補強板部38の前方端から上方に延在し、アウタコラム15の第2の周方向スリット32よりも前方側でアウタコラム15の下側面に連結している。このように、ブリッジ部37は、補強板部38と後方側連結部39と前方側連結部40とによって、箱状に形成されている。
【0038】
ブリッジ部37はこのような構成なので、ブリッジ部37と各クランプ部33との間に、幅方向から見た形状がU字状の隙間41が形成されている。箱状のブリッジ部37は、U字状の隙間41を囲い、第1の軸方向スリット30の下方を覆っている。ブリッジ部37と各クランプ部33との間のU字状の隙間41は、左右対称となっている。本実施形態においては、このようなブリッジ部37を備えることにより、アウタコラム15は高い捩り剛性を有している。
【0039】
ブリッジ部37の補強板部38は、幅方向側の両端が、それぞれチルトブラケット11の一対の側板20の締め付け力を受ける第2の作用面42を構成している。したがって補強板部38は一対の第2の作用面42を有している。本実施形態においては、第2の作用面42は上下方向および前後方向に延在する平坦面に形成され、補強板部38の幅方向側の両端の前後方向の全域に亘って形成されている。第2の作用面42は、クランプ部33の張出板部34の第1の作用面36(以下、当該第1の作用面36を「クランプ部33側の第1の作用面36」という。)と上下方向に離間して設けられ、クランプ部33側の第1の作用面36よりも下方側に配置されている。なお、第2の作用面42は、平坦面以外の形状としても良い。
【0040】
アウタコラム15の本体部28の幅方向両側部分にはそれぞれ、上下方向に関してアウタコラム15の中心軸線と重なる部分に、前後方向すなわちアウタコラム15の軸方向に延在し幅方向外方に突出する突条部43が設けられている。各突条部43はアウタコラム15の本体部28の後方端すなわちアウタコラム15の後方端から、アウタコラム15の本体部28の前後方向範囲に対応する長さに亘って、前後方向に延在している。各突条部43の頂部すなわちアウタコラム15の幅方向外方側部分は、上下方向および前後方向に延在する平坦面に形成され、それぞれチルトブラケット11の一対の側板20の締め付け力を受ける第3の作用面44を構成している。従ってアウタコラム15の本体部28には、一対の第3の作用面44が設けられている。アウタコラム15の第3の作用面44はクランプ部33側の第1の作用面36と上下方向に離間して設けられ、クランプ部33側の第1の作用面36よりも上方側に配置されている。なお、第3の作用面44は、平坦面以外の形状としても良い。
【0041】
このように、本実施形態においては、一対のクランプ部33にチルトブラケット11の一対の側板20の締め付け力を受ける一対の第1の作用面36を備えると共に、アウタコラム15の上下方向に関してクランプ部33の下側および上側にそれぞれチルトブラケット11の一対の側板20の締め付け力を受ける一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44を備えている。一対の第1の作用面36は、一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44とは独立して設けられている。一対の第1の作用面36は、アウタコラム15の上下方向に関して、一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44の中心に位置しても良いし、一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44の中心よりも上方側または下方側にオフセットされても良い。一対のクランプ部33および張出板部34と、ブリッジ部37と、クランプ部33側の一対の第1の作用面36と、ブリッジ部37の一対の第2の作用面42と、アウタコラム15の一対の第3の作用面44とで、クランプ機構部27を構成している。なお、本実施形態においては、一対の第1の作用面36の軸方向長さを、一対の第2の作用面42の軸方向長さおよび一対の第3の作用面44の軸方向長さよりも短く構成しているが、一対の第1の作用面36の軸方向長さを、一対の第2の作用面42の軸方向長さおよび一対の第3の作用面44の軸方向長さよりも長く構成しても良い。また、一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44は、後方端の位置が、アウタコラム15の後方端と一致するように設けられている。すなわち、アウタコラム15は、一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44の後方端よりも後方には延在していない。この構成により、アウタコラム15の全長を短くすることができ、電動パワーステアリング装置1の小型化を図ることができる。
【0042】
各クランプ部33に設けられた張出板部34の下側面にはそれぞれ、断面形状が円弧状の1つの幅方向溝45が設けられている。各幅方向溝45は、張出板部34の前後方向中央部、すなわちクランプ部33側の第1の作用面36の前後方向中央部において各張出板部34を幅方向に貫通している。また、ブリッジ部37の補強板部38の上側面には、断面形状が円弧状の幅方向溝46が設けられている。補強板部38の幅方向溝46は張出板部34の幅方向溝45と上下方向に対向して設けられ、補強板部38の前後方向中央部すなわちブリッジ部37の一対の第2の作用面42の前後方向中央部において補強板部38を幅方向に貫通している。張出板部34側の幅方向溝45の断面の曲率半径とブリッジ部37側の幅方向溝46の断面の曲率半径とは同じ大きさに形成されている。一対の張出板部34側のそれぞれの幅方向溝45と補強板部38側の幅方向溝46とで、クランプ機構部27を幅方向に貫通する丸孔47が形成されている。なお、丸孔47は、アウタコラム15に対するクランプ機構部27の締め付け保持力に応じて、前後方向にずらして形成しても良い。
【0043】
丸孔47には、ロッド48が幅方向に貫通して挿通されている。ロッド48は、クランプ機構部27およびチルトブラケット11の一対の側板20にそれぞれ形成されたチルト位置調節用の長孔24を幅方向に貫通している。ロッド48の一端は、図示しない締め付け部材によってチルトブラケット11の一方の側板20に相対回動不能に係合されている。ロッド48の他端はチルトブラケット11の他方の側板20の幅方向外方に突出しており、ロッド48の他端にナット49(図2参照)を螺合すると共に、ナット49とチルトブラケット11の他方の側板20との間に、図示しないスラスト軸受と、操作レバー50と、図示しない公知のカム機構とが設けられている。
【0044】
操作レバー50は、ステアリングホイール2をチルト調節位置またはテレスコピック調節位置にロックする操作、およびチルト調節位置またはテレスコピック調節位置にロックされたステアリングホイール2のロックを解除する操作をするためのものである。ステアリングホイール2の位置をロックする方向に操作レバー50を操作すると、図示しないカム機構が所定方向に駆動し、これによりチルトブラケット11の一対の側板20が互いの間隔が狭まる方向に撓む。チルトブラケット11の一対の側板20が互いの間隔が狭まる方向に撓み、チルトブラケット11の一対の側板20がアウタコラム15のクランプ機構部27を幅方向外方から挟持することにより、アウタコラム15を車体側固定部材であるチルトブラケット11に保持すると共にアウタコラム15を締め付ける。チルトブラケット11の一対の側板20は、一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44を挟持するよりも先に、一対の第1の作用面36に接触し、その後一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44を挟持する。チルトブラケット11の一対の側板20が互いの間隔が狭まる方向にさらに撓むと、一対の側板20は、一対の第2の作用面42または一対の第3の作用面44を支点とするモーメントを生じながら一対の第1の作用面36を押し付ける。チルトブラケット11の一対の側板20によってアウタコラム15が締め付けられることにより、アウタコラム15の一対の第1の作用面36が撓み、アウタコラム15の内径側に配置されたインナコラム14がチルトブラケット11の一対の側板20によって挟持され、ステアリングホイール2が所定位置にロックされる。
【0045】
一方、所定位置にロックされたステアリングホイール2のロックを解除する方向に操作レバー50を操作すると、図示しないカム機構はチルトブラケット11の一対の側板20の間隔が広がる方向に駆動する。すなわち、チルトブラケット11の一対の側板20によるアウタコラム15の締め付けが開放される。アウタコラム15の締め付けが開放されると、一対の第1の作用面36の押し付け力が解除されて、アウタコラム15を介したインナコラム14の締め付けも開放され、ステアリングホイール2の所定位置へのロックが解除される。これにより、インナコラム14は、アウタコラム15にガイドされながら前後方向に調整可能となる。
【0046】
本実施形態においては、ロッド48は、一対の張出板部34のそれぞれの幅方向溝45と補強板部38側の幅方向溝46とによって形成された丸孔47に挿通されているので、ステアリングホイール2の位置をロックする方向に操作レバー50を操作しても、ロッド48の撓みを最小限に抑制することができる。
【0047】
本実施形態において、アウタコラム15に外力を加えていない状態、すなわちチルトブラケット11の一対の側板20によるアウタコラム15の締め付けが開放された状態において、アウタコラム15に設けられた一対の第3の作用面44同士の幅方向間隔と、ブリッジ部37の一対の第2の作用面42同士の幅方向間隔とは、同じ大きさに形成されている。つまり、幅方向一方側において、アウタコラム15の一方の第3の作用面44とブリッジ部37の一方の第2の作用面42とは、上下方向に延在する一つの仮想平面上に位置し、幅方向他方側において、アウタコラム15の他方の第3の作用面44とブリッジ部37の他方の第2の作用面42とは、上下方向に延在する一つの仮想平面上に位置している。
【0048】
アウタコラム15に外力を加えていない状態において、クランプ部33側の一対の第1の作用面36同士の幅方向間隔は、ブリッジ部37の一対の第2の作用面42同士の幅方向間隔、すなわちアウタコラム15の一対の第3の作用面44同士の幅方向間隔よりも大きく形成されている。つまり、幅方向一方側において、クランプ部33側の一方の第1の作用面36は、ブリッジ部37の一方の第2の作用面42およびアウタコラム15の一方の第3の作用面44よりも幅方向で外方に位置し、幅方向他方側において、クランプ部33側の他方の第1の作用面36は、ブリッジ部37の他方の第2の作用面42およびアウタコラム15の他方の第3の作用面44よりも幅方向で外方に位置している。クランプ機構部27によるアウタコラム15およびインナコラム14のクランプ動作については後述する。
【0049】
アウタコラム15の上側部分には、軸方向に延在し、アウタコラム15の外周面から内周面まで貫通した第2の軸方向スリット51が設けられている。第2の軸方向スリット51は、アウタコラム15の本体部28と円筒部29とに亘って形成され、両端部は閉じている。すなわち、第2の軸方向スリット51の前方端はアウタコラム15の前方端に開口せず、且つ第2の軸方向スリット51の後方端はアウタコラム15の後方端に開口していない。第2の軸方向スリット51の両端は円弧状に形成されている。したがって第2の軸方向スリット51の形状すなわち縁の形状は、軸方向に長い長円形あるいは角の丸い長方形である。
【0050】
アウタコラム15の上側部分の外周面には、幅方向で第2の軸方向スリット51よりも外方側の両側部分のそれぞれに、上方に突出し、第2の軸方向スリット51に沿って軸方向に延在する軸方向壁部52が形成されている。したがって、軸方向壁部52は一対形成され、一対の軸方向壁部52は第2の軸方向スリット51に関して幅方向に対向している。一対の軸方向壁部52は、アウタコラム15の後方端から、第2の軸方向スリット51の前方端とアウタコラム15の円筒部29の前方端との間のアウタコラム15の円筒部29の部分までの軸方向範囲に亘って延在している。
【0051】
さらに、アウタコラム15の上側部分の外周面には、一対の軸方向壁部52の前方端同士を幅方向に連結する前方側幅方向壁部53と、一対の軸方向壁部52の後方端同士を幅方向に連結する後方側幅方向壁部54とが形成されている。したがってアウタコラム15の上側部分の外周面には、一対の軸方向壁部52と前方側幅方向壁部53と後方側幅方向壁部54とによって、第2の軸方向スリット51を幅方向側および前後方向側で囲み、上方側から見て略長方形の補強壁部55が形成されている。アウタコラム15は、上側部分にこのような補強壁部55が形成されているので、全長を短くしても高い捩り剛性を有している。
【0052】
補強壁部55に囲まれたアウタコラム15の外周面の部分は、上面が平面となるように、上方に向かって肉厚となるように形成されている。したがって、略長方形の補強壁部55と、補強壁部55に囲まれたアウタコラム15の外周面の部分とによって、断面形状がU字状の軸方向溝56が形成されている。言い換えると、略長方形の補強壁部55と、補強壁部55に囲まれたアウタコラム15の外周面の部分とによって、軸方向に延在する長方形のバスタブ状の溝部が形成されている。バスタブ状の溝部の断面形状はU字状である。第2の軸方向スリット51は、軸方向溝56の底部に形成されている。
【0053】
アウタコラム15の後方側部分の内周面には、上述したように、アッパーコラムであるインナコラム14の前方側部分の外周面が軸方向に摺動可能に内嵌している。インナコラム14には、前方端近傍部の上方側部分に、軸方向に延在し、インナコラム14の外周面から内周面まで貫通した第3の軸方向スリット57が設けられている。第3の軸方向スリット57は少なくとも一部がアウタコラム15の第2の軸方向スリット51と上下方向に対向している。第3の軸方向スリット57の両端は閉じている。すなわち、第3の軸方向スリット57の前方端はインナコラム14の前方端に開口せず、且つ第3の軸方向スリット57の後方端はアウタコラム15の後方端に開口していない。第3の軸方向スリット57の両端は円弧状に形成されている。したがって第3の軸方向スリット57の輪郭すなわち縁の形状は、軸方向に長い長円形あるいは角の丸い長方形である。第3の軸方向スリット57には、第3の軸方向スリット57の縁の形状に適合する長円形あるいは角の丸い長方形の樹脂製枠状部材であるライナースロット58が取り付けられている。
【0054】
ライナースロット58は、第3の軸方向スリット57の縁の内側に沿って配置される枠状の本体部59と、本体部59の上端から外方に突出するフランジ部60とから構成される。本体部59の内周の幅寸法はアウタコラム15の第2の軸方向スリット51と同等の幅寸法を有し、本体部59の内周面は第3の軸方向スリット57を上下方向に貫通する上下方向厚さを有している。フランジ部60は第3の軸方向スリット57の縁の形状よりも大きな長円形あるいは角の丸い長方形に形成されている。ライナースロット58は、インナコラム14の上方側から第3の軸方向スリット57に取り付けられ、本体部59が第3の軸方向スリット57の縁の内側に嵌めこまれると共にフランジ部60が第3の軸方向スリット57の縁部の周囲のインナコラム14の外周面の部分に接触することにより、第3の軸方向スリット57の縁部に固定され、且つインナコラム14内部への落下が防止される。
【0055】
ライナースロット58がインナコラム14の第3の軸方向スリット57に固定された状態において、ライナースロット58のフランジ部60は、その厚みの分だけインナコラム14の外周面よりも上方に突出した状態である。アウタコラム15の上方側部分の内周面には、ライナースロット58のフランジ部60と上下方向に対向する部分に、上方に凹んだ軸方向溝61が形成されている。軸方向溝61は、インナコラム14がアウタコラム15に対して軸方向に摺動する際、ライナースロット58のフランジ部60が軸方向溝61の底面に接触しない深さおよび幅を有している。
【0056】
図10図19に示すように、アウタコラム15の上側部分に形成された軸方向溝56の内部には、ブロック部材62が固定されている。ブロック部材62は、軸方向溝56の幅寸法と同じ幅方向寸法を有し、軸方向溝56の深さと略同じ上下方向寸法を有している。ブロック部材62の前後方向寸法と幅方向寸法とは、同等の大きさに形成されている。ブロック部材62は、後述するように、二次衝突時にアウタコラム15の軸方向溝56内の固定位置から離脱する離脱用部材であり、ブロック部材62が軸方向溝56内の固定位置から離脱することにより、インナコラム14がチルトブラケットによる挟持から離脱し、テレスコピック位置調節範囲を越えて軸方向へ移動可能となる。
【0057】
図20は、ブロック部材の拡大斜視図である。図21(a)はブロック部材の拡大平面図であり、図21(b)は図21(a)のD−D線の断面図であり、図21(c)は図21(a)の上側からブロック部材を見た側面図であり、図21(d)は図21(a)の下側からブロック部材を見た側面図である。
【0058】
図20および図21の各図に示すように、ブロック部材62は、中央部に上下方向に貫通する上下方向貫通孔63が形成されている。上下方向貫通孔63の内周側の下部には、上下方向貫通孔63の内方に突出する内向きフランジ部64が形成されている。したがって上下方向貫通孔63の径は、内向きフランジ部64に対応する部分が、内向きフランジ部64よりも上側の部分よりも小さい寸法となっている。上下方向貫通孔63の周囲のブロック部材62の部分には、上下方向の肉抜き部65が複数設けられている。本実施形態では4つの肉抜き部65が、上下方向貫通孔63の周方向に関して、等間隔に設けられている。肉抜き部65は、図21(b)に示すように、下部が塞がっており、上下方向に貫通はしていない。
【0059】
図21(a)に示すように、ブロック部材62は、上下方向から見た形状が略正方形である。図21(c)および図21(d)に示すように、上下方向貫通孔63に関して対向するブロック部材62の一対の側壁66には、上下方向と直交する方向であって組み付け状態において幅方向に側壁66を貫通し、肉抜き部65に開口する幅方向貫通孔67がそれぞれ設けられている。各側壁66の幅方向貫通孔67はブロック部材62の中心に関して対角上に配置されている。言い換えると、一対の幅方向貫通孔67は、ブロック部材62の中心点に関して点対称の関係にある。
【0060】
ブロック部材62は、図10図19に示すように、アウタコラム15の軸方向溝56の後方側端部に配置されている。ブロック部材62は、幅方向貫通孔67を有する一方の側壁66がアウタコラム15の軸方向溝56の一方の軸方向壁部52と幅方向に対向し、幅方向貫通孔67を有する他方の側壁66がアウタコラム15の軸方向溝56の他方の軸方向壁部52と幅方向に対向する向きで、軸方向溝56内に配置されている。この状態において、ブロック部材62の一方の側壁66の幅方向貫通孔67は、ブロック部材62の一方の側壁66の前方側部分に位置し、一方の側壁66を幅方向に貫通している。ブロック部材62の他方の側壁66の幅方向貫通孔67は、ブロック部材62の他方の側壁66の後方側部分に位置し、他方の側壁66を幅方向に貫通している。
【0061】
アウタコラム15の軸方向溝56の一方の軸方向壁部52には、ブロック部材62の一方の側壁66の幅方向貫通孔67と対応する位置に、幅方向に貫通する貫通孔68が形成されている。アウタコラム15の軸方向溝56の他方の軸方向壁部52には、ブロック部材62の他方の側壁66の幅方向貫通孔67と対応する位置に、幅方向に貫通する貫通孔68が形成されている。したがって、一方の軸方向壁部52の貫通孔68と他方の軸方向壁部52の貫通孔68とは、前後方向に関して異なる位置に設けられている。ブロック部材62の側壁66の幅方向貫通孔67と、軸方向溝56の軸方向壁部52の貫通孔68とは同じ径を有している。
【0062】
一方の軸方向壁部52の貫通孔68には、幅方向外方からシェアピン69が挿通されている。シェアピン69はPOM(ポリアセタール)等の樹脂またはアルミニウムで形成されている。シェアピン69は一方の軸方向壁部52およびブロック部材62の一方の側壁66の幅方向貫通孔67を貫通して挿通されている。シェアピン69は、図19に示すように、アウタピン70とインナピン71とを備えている。アウタピン70は円筒状の本体部72と、本体部72の一端側に形成された拡径部73と、本体部72の他端側に形成されたフランジ部74と、本体部72と拡径部73とフランジ部74とを貫通する案内孔75とを有している。拡径部73は、一方の軸方向壁部52の貫通孔68およびブロック部材62の幅方向貫通孔67の内径よりも大きな外径を有している。アウタピン70は一方の軸方向壁部52の貫通孔68およびブロック部材62の一方の側壁66の幅方向貫通孔67に圧入され、一方の軸方向壁部52およびブロック部材62の一方の側壁66を貫通している。アウタピン70の拡径部73はアウタコラム15の軸方向溝56の内側、詳細にはブロック部材62の側壁66よりも幅方向内側まで達している。したがってアウタピン70は幅方向外方に抜けにくくなっている。アウタピン70のフランジ部74は、一方の軸方向壁部52の幅方向外側面に接触している。詳細には、アウタピン70のフランジ部74は、一方の軸方向壁部52の貫通孔68の幅方向外側開口の周囲に形成された座ぐり76に接触する。こうしてアウタピン70は一方の軸方向壁部52の貫通孔68およびブロック部材62の一方の側壁66の幅方向貫通孔67に固定される。
【0063】
インナピン71は、アウタピン70の案内孔75に挿通される部材である。インナピン71は、円柱状の本体部77と、本体部77の一端に形成された大径部78とを有する。本体部77はアウタピン70の案内孔75に圧入され、案内孔75を貫通している。大径部78はアウタピン70のフランジ部74に接触している。こうしてインナピン71はアウタピン70の案内孔75に圧入によって固定され、シェアピン69が一方の軸方向壁部52の貫通孔68およびブロック部材62の一方の側壁66の幅方向貫通孔67に固定される。アウタコラム15の軸方向溝56の他方の軸方向壁部52の貫通孔68およびブロック部材62の他方の側壁66の幅方向貫通孔67にも同様の構成のシェアピン69が固定されている。したがってブロック部材62は、一対のシェアピン69によってアウタコラム15の軸方向溝56に固定されている。なお、本実施形態のように、ブロック部材62に対して幅方向からシェアピン69を挿入する構成とすることにより、ブロック部材62の上下方向の寸法を小さくすることができ、したがってステアリング装置の上下方向の寸法の大型化を抑制することができる。
【0064】
ブロック部材62の中央部の上下方向貫通孔63には、上方側から金属性のストッパピン79が挿通されている。なお、特許請求の範囲における「軸部材」は、ストッパピン79のことである。ストッパピン79は、円柱状の軸部80と、軸部80の上方側端部に形成され、軸部80の径よりも大径の頭部81とを有する。ストッパピン79の軸部80は、ブロック部材62の上下方向貫通孔63の内周側の内向きフランジ部64、アウタコラム15の第2の軸方向スリット51、およびインナコラム14の第3の軸方向スリット57すなわちライナースロット58を上下方向に貫通し、大径の頭部81の下面がブロック部材62の上下方向貫通孔63の内向きフランジ部64に接触する。このようにブロック部材62とインナコラム14とは、ストッパピン79を介して連結されている。アウタコラム15の軸方向溝56に配置されたブロック部材62と、ストッパピン79とは、アウタコラム15とインナコラム14とを係合する係合部材を構成している。ストッパピン79の軸部80は、アウタコラム15の第2の軸方向スリット51の幅寸法、およびライナースロット58の幅寸法よりも僅かに小さい径寸法を有している。したがってストッパピン79の軸部80とアウタコラム15の第2の軸方向スリット51とは、軸方向に相対移動可能であると共に、ストッパピン79の軸部80とライナースロット58すなわちインナコラム14の第3の軸方向スリット57とは、軸方向に相対移動可能である。ブロック部材62、シェアピン69、ストッパピン79、およびアウタコラム15の軸方向溝56の相互作用については後述する。なお、ブロック部材62とストッパピン79とは、一体に形成しても良い。
【0065】
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、車両用盗難防止装置の一つである公知のステアリングロック機構を備えている。なお、ステアリングロック機構は公知のものであるので、詳細な図示は省略する。
ステアリングロック機構は、ステアリングシャフト9のアッパーシャフト13(図2参照)に外嵌された図示しないキーロックカラーと、キーロックカラーの径方向外側のアッパーコラムすなわちインナコラム14の部分に取り付けられた図示しないステアリングロック装置とからなる。キーロックカラーの外周面には軸方向に延在する軸方向溝が複数形成されている。言い換えると、キーロックカラーの外周面には軸方向に延在する突条が複数形成され、周方向に隣り合う突条によって軸方向溝が形成されている。図2図7に示すように、インナコラム14の後方側端部近傍に、インナコラム14を径方向に貫通するロック用貫通孔82が形成されている。イグニッションキーがオフにされると、ステアリングロック装置に設けられた図示しないロックバーがロック用貫通孔82を貫通してインナコラムの内径側に向けて変位し、キーロックカラーに形成された軸方向溝と係合する。ロックバーがキーロックカラーの軸方向溝と係合することによりステアリングシャフト9の回転を制限し、車両盗難時などに操舵できないようにするものである。
【0066】
ステアリングロック機構は、ロックバーがキーロックカラーと係合している状態において、所定以上の力でステアリングホイール2を回動させる力が加わったときには、ステアリングシャフト9がキーロックカラーの内周面に対して回動するようになっている。このような構成とすることにより、ステアリングロック機構の破損を防ぎつつ、キーロックカラーの内周面とステアリングシャフト9との間にステアリングホイールを操舵できない程度の大きさのフリクションを与え、車両の盗難を防ぐように構成されている。
【0067】
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイール2の上下方向位置すなわち高さ位置を調節するためのチルト位置調節機構と、ステアリングホイール2の前後方向位置を調節するためのテレスコピック位置調節機構とを備えている。以下に、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置におけるステアリングホイールの位置調節方法およびステアリングコラム3のクランプ方法について説明する。
【0068】
ステアリングホイール2の位置調節は、所定位置にロックされたステアリングホイール2のロックを解除する方向に操作レバー50(図2参照)を操作し、チルトブラケット11の一対の側板20によるアウタコラム15の締め付けおよびアウタコラム15を介したインナコラム14の締め付けが開放された状態において行う。ステアリングコラム3は、図2に示すように、チルト軸19を回動中心として上下方向に揺動可能にロアーブラケット18に支持されている。したがって、ステアリングホイール2を上下方向に移動させることにより、ステアリングホイール2の高さ位置を調節することができる。このとき、チルトブラケット11の一対の側板20のそれぞれの長孔24およびアウタコラム15のクランプ機構部27を幅方向に貫通して配置されたロッド48が、チルトブラケット11の一対の側板20の長孔24内を上下方向に移動する。ロッド48が長孔24内を上下方向に移動できる範囲に対応するステアリングホイール2の移動範囲が、ステアリングホイール2の高さ位置の調節可能範囲である。
【0069】
チルトブラケット11の一対の側板20によるアウタコラム15の締め付けが開放された状態においては、インナコラム14はアウタコラム15に対して軸方向に摺動可能となる。この状態において、ステアリングホイール2を前後方向に移動させることによりインナコラム14を前後方向に移動させ、ステアリングホイール2のテレスコピック位置を調節する。インナコラム14をアウタコラム15に対して前後方向へ移動させるとライナースロット58も前後方向に移動し、ストッパピン79がライナースロット58を貫通する位置がライナースロット58内で前後方向に変位する。すなわちライナースロット58とストッパピン79とは、アウタコラム15に対するインナコラム14の前後方向移動の案内機構を構成している。
【0070】
ストッパピン79は、ライナースロット58を介して、アウタコラム15に対してインナコラム14を前後方向に案内すると共に、インナコラム14が前後方向に移動する際、インナコラム14がアウタコラム15に対して回転してしまうことを防止している。ライナースロット58すなわちインナコラム14の第3の軸方向スリット57とストッパピン79とは、アウタコラム15に対するインナコラム14の回転を規制する回転防止機構を構成している。
【0071】
インナコラム14は、アウタコラム15に対して、ストッパピン79がライナースロット58の前方端に接触する位置から、ストッパピン79がライナースロット58の後方端に接触する位置までの範囲で前後方向に移動可能である。ストッパピン79がライナースロット58の前方端に接触する位置に対応するステアリングホイール2の位置が、ステアリングホイール2のテレスコピック位置調節範囲の後方端位置である。ストッパピン79がライナースロット58の後方端に接触する位置に対応するステアリングホイール2の位置が、ステアリングホイール2のテレスコピック位置調節範囲の前方端位置である。このように、ライナースロット58の軸方向長さ、すなわちインナコラム14の第3の軸方向スリット57の軸方向長さが、ステアリングホイール2のテレスコピック位置調節範囲である。テレスコピック位置調節範囲は、言い換えると、ステアリングホイール2の通常の使用位置の範囲であり、インナコラム14の通常の使用位置の範囲である。そしてストッパピン79は、ステアリングホイール2のテレスコピック位置調節範囲の後方端においてステアリングホイール2の後方への移動を規制し、前方端においてステアリングホイール2の前方への移動を規制するストッパとして機能している。
【0072】
なお、アウタコラム14は、上側部分に一対の軸方向壁部52と前方側幅方向壁部53と後方側幅方向壁部54とからなる軸方向溝56すなわち補強壁部55が形成されているので、全長を短くしても高い捩り剛性を有している。そしてストッパピン79が挿通されたブロック部材62が、アウタコラム15の軸方向56溝内すなわち補強壁部55内に固定されている。このようにアウタコラム15は捩り剛性が高く構成されている。従来、ステアリングホイールのテレスコピック位置調節範囲のストッパ部材は、捩り方向の入力に対する剛性を確保するために大型の軸部材を用いており、アウタコラムにはこの大型の軸部材が通過できる幅が広いスリットを設ける必要があった。しかし、本実施形態のアウタコラム15は高い捩り剛性を有しているので、ストッパピン79の軸部80を細いものとすることができる。すなわち、アウタコラム15に設ける第2の軸方向スリット51は、従来のアウタコラムに比較して幅が狭いものとすることができる。したがって、アウタコラム15は、第2の軸方向スリット51が形成されても、充分に高い捩り剛性を維持することができる。
【0073】
ステアリングホイール2をチルト調節位置およびテレスコピック調節位置にロックする際は、ステアリングホイール2の位置をロックする方向に操作レバー50を操作する。そうすると、チルトブラケット11の一対の側板20は、図示しないカム機構を介して、互いの間隔が狭まる方向、すなわちアウタコラム15のクランプ機構部27を挟持する方向に撓む。アウタコラム15のクランプ機構部27は、クランプ部33側の一対の第1の作用面36がブリッジ部37の一対の第2の作用面42およびアウタコラム1の一対の第3の作用面44よりも幅方向で外方に位置しているので、チルトブラケット11の一対の側板20は、最初にクランプ部33側の一対の第1の作用面36に接触する。
【0074】
操作レバー50の操作により、チルトブラケット11の一対の側板20が、互いの間隔が狭まる方向にさらに撓むと、一対の側板20はクランプ部33側の一対の第1の作用面36および一対の第1の作用面36が形成された一対の張出板部34を介して一対のクランプ部33を幅方向に挟持し、これによりアウタコラム15を締め付けてゆく。具体的には、チルトブラケット11の一対の側板20は、一対のクランプ部33の内径を弾性的に縮小させてゆく。一対のクランプ部33の内径が縮小すると、一対のクランプ部33は、一対のクランプ部33の内径側に配置されたインナコラム14に接触し、インナコラム14を幅方向に挟持する。つまり、チルトブラケット11の一対の側板20は、一対の第1の作用面36および一対の張出板部34を介してアウタコラム15をチルトブラケット11に保持すると共に、アウタコラム15を介して、アウタコラム15の内周側にインナコラム14を支持する。
【0075】
操作レバー50の操作により、チルトブラケット11の一対の側板20が、互いの間隔が狭まる方向にさらに撓むと、チルトブラケット11の一対の側板20は、ブリッジ部37の一対の第2の作用面42およびアウタコラム15側の一対の第3の作用面44に接触する。ブリッジ部37の一対の第2の作用面42は、ブリッジ部37の一つの補強板部38の幅方向側の両端に形成されているので、チルトブラケット11の一対の側板20によって互いの幅方向間隔が狭まる方向の力が作用しても、互いの幅方方向間隔が狭まることは無い。したがって、この状態から、チルトブラケット11の一対の側板20の互いの間隔が狭まる方向に撓むようにさらに操作レバーを操作しても、チルトブラケット11の一対の側板20が、互いの幅方向間隔がさらに狭まる方向に撓むことは無い。
【0076】
この状態において、チルトブラケット11の一対の側板20は、一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44に接触してアウタコラム15を幅方向に挟持し、アウタコラム15をチルトブラケット11に保持する。これと同時に、チルトブラケット11の一対の側板20は、一対の第2の作用面42および一対の第3の作用面44に接触することによるアウタコラム15の保持とは独立して、アウタコラム15を介してインナコラム14を固定するのに充分な挟持力で一対の第1の作用面36に接触している。そしてチルトブラケット11の一対の側板20はこの挟持力によって一対のクランプ部33を挟持することによりアウタコラム15をチルトブラケット11に保持すると共にアウタコラム15を締め付け、アウタコラム15を介してインナコラム14を幅方向に挟持する。こうしてインナコラム14はチルトブラケット11に保持される。
【0077】
チルトブラケット11の一対の側板20がブリッジ部37の一対の第2の作用面42およびアウタコラム15の一対の第3の作用面44に接触している状態において、チルトブラケット11の一対の側板20は、一定の安定した挟持力でアウタコラム15およびインナコラム14を挟持する。すなわち、さらに大きな挟持力によってアウタコラム15およびインナコラム14がチルトブラケット11の一対の側板20に挟持されることは無い。必要以上に大きな挟持力によってアウタコラム15およびインナコラム14が挟持されると、アウタコラム15およびインナコラム14に捩り方向の力が加わった場合に、アウタコラム15およびインナコラム14の所定の部分に大きな応力が加わり、アウタコラム15およびインナコラム14に変形が生じてしまう虞がある。本実施形態においては、チルトブラケット11の一対の側板20の挟持力は、所定の大きさよりも大きくなることがないので、安定した挟持力でステアリングコラム3を車体に保持することができる。
【0078】
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、二次衝突時にインナコラム14が車体側固定部材であるチルトブラケット11から離脱する離脱機構を備えている。二次衝突の際、チルトブラケット11から離脱したインナコラム14が前方に移動することにより二次衝突の衝撃を吸収し、二次衝突の衝撃から運転者を保護するようになっている。
【0079】
ステアリングシャフト9を構成するアッパーシャフト13およびロアーシャフト12はスプライン嵌合されている。ステアリングコラム3は、アッパーコラムであるインナコラム14の前方側部分がロアーコラムであるアウタコラム15の後方側部分の内周側に軸方向に摺動可能に嵌合している。二次衝突の際、アッパーシャフト13はステアリングホイール2と共に前方に移動する。アッパーシャフト13は図示しない軸受を介してインナコラム14に支持されているので、アッパーシャフト13が前方に移動すると、インナコラム14もアッパーシャフト13と共に前方に移動する。
【0080】
インナコラム14は、ステアリングホイール2のテレスコピック位置調節範囲において、アウタコラム15に対して前後方向に移動可能である。このため、二次衝突の際、最初にインナコラム14は、テレスコピック位置調節範囲において、ステアリングホイール2が前方端に位置するまで前方に移動する。すなわち、インナコラム14は、インナコラム14の第3の軸方向スリット57に取り付けられたライナースロット58の後方端にストッパピン79が接触するまで前方に移動する。テレスコピック位置を調節する際は、ライナースロット58の後方端にストッパピン79が接触することによりインナコラム14の前方への移動は規制されるが、二次衝突のように所定の大きさ以上の大きさの前方への荷重がインナコラム14に加わると、この前方への荷重はライナースロット58、ストッパピン79、ブロック部材62、シェアピン69の順に受け止められ、シェアピン69は、受けた前方への荷重によりせん断する。
【0081】
シェアピン69がせん断すると、ブロック部材62はアウタコラム15の軸方向溝56内の固定位置を離脱し、前方へ移動可能となる。すなわち、インナコラム14は、車体側固定部材であるチルトブラケット11による挟持状態から離脱する。アウタコラム15の軸方向溝56に配置されたブロック部材62と、ストッパピン79と、ブロック部材62を軸方向溝62に固定するシェアピン69とにより、離脱機構が構成される。インナコラム14には二次衝突による前方への荷重が加わっているので、チルトブラケット11から離脱したインナコラム14は、インナコラム14の第3の軸方向スリット57に取り付けられたライナースロット58の後方端でストッパピン79を前方へ押す。ストッパピン79が前方へ押されると、ストッパピン79が挿通されたブロック部材62がアウタコラム15の軸方向溝56内を前方へ移動する。こうしてインナコラム14は、ストッパピン79を介してブロック部材62を前方へ押しつつ前方へ移動する。このときストッパピン79は、アウタコラム15の軸方向溝56に形成された第2の軸方向スリット51に案内されて前方へ移動する。ブロック部材62は、ストッパピン79が第2の軸方向スリット51の前方端に接触するまで、ストッパピン79と共に前方へ移動する。すなわち、アウタコラム15の第2の軸方向スリット51の軸方向長さが、二次衝突の際、インナコラム14がテレスコピック位置調整範囲、すなわちインナコラム14の通常の使用位置の範囲を超えて前方へ移動できる範囲である。
【0082】
二次衝突の際、インナコラム14が前方へ移動する際、インナコラム14の外周面がアウタコラム15の内周面に対して摺動する。このように本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、インナコラム14とアウタコラム15とが所定の摩擦力で摺動することにより、二次衝突の衝撃を吸収している。また、二次衝突の際、ブロック部材62が前方へ移動する時に、ブロック部材62はアウタコラム15の軸方向溝56の溝面すなわち軸方向壁部52および底面に対して摺動する構造とする場合、すなわち積極的に摩擦力を発生させる構造とする場合と、摺動せずにスムーズに移動する構造とする場合、すなわち摩擦力をなるべく発生させない構造とする場合とにすることが可能である。ブロック部材62が軸方向溝56の溝面に対して摺動する構造の場合は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、インナコラム14とアウタコラム15とが所定の摩擦力で摺動することに加え、さらにブロック部材62とアウタコラム15の軸方向溝56とが所定の摩擦力で摺動することにより、二次衝突の衝撃を吸収する。
【0083】
ブロック部材62がアウタコラム15の軸方向溝56の前方端まで移動すると、ブロック部材56の前方側端面は、アウタコラム15の軸方向溝56の前方側幅方向壁部53に接触する。この状態において、インナコラム14はアウタコラム15に対してそれ以上は前方に移動できないので、インナコラム14は、ブロック部材62および前方側幅方向壁部53を介してアウタコラム15を前方に押すこととなる。アウタコラム15は前方側のロアーブラケット18および後方側のチルトブラケット11によって車体に固定されているので、インナコラム14からアウタコラム15に掛かった二次衝突の荷重は、ロアー側のチルト軸19およびアッパー側のロッド48を介してロアーブラケット18およびチルトブラケット11によって受け止められる。
【0084】
このように本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、所定の大きさ以上の前方への荷重がシェアピン79に掛かると、シェアピン79がせん断することによりインナコラム14がチルトブラケット11から離脱して前方側へ移動する。したがって、二次衝突の際、インナコラム14を、テレスコピック位置調節範囲、すなわちインナコラム14の通常の使用位置の範囲を超えて前方に移動させ、アウタコラム15の内周側へ入り込ませることができる。なお、テレスコピック位置調節機構を有していないステアリング装置にあっては、インナコラム14の通常の使用位置は前後方向に関して所定の位置に固定されており、二次衝突の際、インナコラム14は通常の使用位置の範囲すなわち前後方向に関する所定の位置を超えて前方へ移動し、アウタコラム15の内周側へ入り込むこととなる。すなわちテレスコピック位置調節機構を有していないステアリング装置にあっては、二次衝突の際、インナコラム14は、単にアウタコラム15の内周側へ入り込むこととなる。
【0085】
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、上述したように、公知のステアリングロック機構を備えている。ステアリングロック機構がステアリングシャフト9の回動をロックしている状態、すなわち図示しないロックバーがアッパーシャフト13に外嵌された図示しないキーロックカラーの軸方向溝に係合している状態において、ステアリングシャフト9を一方の回動方向へ回動させる所定以上の大きさの力が加わったときには、この一方の回転方向の荷重は、インナコラム14に固定されたライナースロット58へ伝わる。ライナースロット58にはストッパピン79の軸部80が挿通されているので、ライナースロット58が一方の回転方向の荷重を受けると、ストッパピン79の軸部80はライナースロット58によって一方の回動方向へ押される。そうすると、ストッパピン79は、ブロック部材62の上下方向貫通孔63に配置されているストッパピン79の頭部81側が他方の回動方向へ傾く。ストッパピン79が他方の回動方向へ傾くと、ストッパピン79の頭部81はブロック部材62を他方の回動方向へ押す。ブロック部材62は、アウタコラム15の補強壁部55すなわち軸方向溝56に固定されているため、ブロック部材62に伝わった他方の回動方向への荷重は、アウタコラム15の軸方向溝56の軸方向壁部52で受け止められる。
【0086】
また、シェアピン69は、ブロック部材62に対して幅方向に圧入されているので、ステアリングロック機構がステアリングシャフト9の回動をロックしている状態において、所定以上の力でステアリングシャフト9を一方の回動方向へ回動させる力が加わっても、シェアピン69に対しては、シェアピン69の軸方向に沿って荷重が掛かる。したがってブロック部材62を介してシェアピン69をせん断する方向に荷重が伝わることはなく、シェアピン69はせん断しない。すなわち、インナコラム14がチルトブラケット11から離脱することはなく、インナコラム14の誤脱落を防止できる。ステアリングロック機構がステアリングシャフト9の回動をロックしている状態において、所定以上の力でステアリングシャフト9を他方の回動方向へ回動させる力が加わったときも同様に、ブロック部材62を介してシェアピン69をせん断する方向に荷重が伝わることはなく、シェアピン69はせん断しない。
【0087】
また、ステアリングホイール2がテレスコピック位置調節範囲の後方端にある状態で、ステアリングホイール2をさらに後方側に引くと、後方への荷重は、インナコラム14に固定されたライナースロット58へ伝わる。ストッパピン79はライナースロット58の前方端に位置しており、ライナースロット58が後方への荷重を受けると、ストッパピン79はライナースロット58によって後方側へ引っぱられる。そうすると、ブロック部材62はストッパピン79と共に後方側へ引っ張られるが、ブロック部材62はアウタコラム15の軸方向溝56の後方端に配置されているので、ブロック部材62の後方側の側壁がアウタコラム15の軸方向溝56の後方側幅方向壁部54に接触し、後方への荷重はアウタコラム15の軸方向溝56の後方側幅方向壁部54によって受け止められる。したがって、ステアリングホイール2がテレスコピック位置調節範囲の後方端にある状態で、ステアリングホイール2をさらに後方側に引いても、ブロック部材62を介してシェアピン69に荷重が伝わることはなく、シェアピン69はせん断しない。すなわち、インナコラム14がチルトブラケット11から離脱することはなく、インナコラム14の誤脱落を防止できる。
【0088】
このように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2の後方への移動による後方への荷重、およびステアリングロック機構がステアリングシャフト9の回動をロックしている状態におけるステアリングホイール2を一方または他方へ回動させる方向の荷重は、ブロック部材62をアウタコラム15の軸方向溝56に固定しているシェアピン69には伝わらない構成になっている。言い換えると、二次衝突の際の、所定の大きさよりも大きな前方への荷重がステアリングホイール2に付加されたときのみ、当該前方への荷重がシェアピン69に伝わり、シェアピン69がせん断する。したがって、二次衝突の時以外にインナコラム14がチルトブラケット11から離脱することがない。
【0089】
なお、本実施形態においては、一対のシェアピン69は、ブロック部材62の対角上、すなわちブロック部材62の中心点に関して点対称の関係となるように配置されている。一対のシェアピン69をこのように配置することにより、二次衝突の荷重がブロック部材62に入力されてもブロック部材62の姿勢は安定しており、シェアピン69がせん断した後、ブロック部材62はアウタコラム15の軸方向溝56をスムーズに前方へ移動する。さらに、ブロック部材62をアウタコラムの軸方向溝56に組み付ける際、ブロック部材62を上下方向貫通孔63を中心に回転させても幅方向貫通孔67と軸方向壁部52の貫通孔68とが常に一定の位置関係を保つことにより、ブロック部材62の組み付け方向を誤ることがない。さらにまた、ブロック部材62を上下方向に逆転させても同様に組み付けることができる構造とすることも可能である。したがって組み付け作業の効率化とともに、歩留まりの向上を図ることができる。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、アウタコラム15の上側部分に一対の軸方向壁部52と前方側幅方向壁部53と後方側幅方向壁部54とからなる軸方向溝56すなわち補強壁部55が形成されている。このような構成なので、アウタコラム15は全長を短くしても高い捩り剛性を維持することができる。したがってアウタコラム15の全長を短くし、ステアリング装置の小型化を図ることができる。さらに、アウタコラム15の下側部分には箱状のブリッジ部37が形成されているので、アウタコラム15の剛性をさらに高くすることができる。したがって、アウタコラム15の全長を短くすることができ、ステアリング装置の小型化を図ることができる。さらに、ステアリングコラム3のインナコラム14の誤脱落を防止し、二次衝突の際、確実にインナコラム14を車体側固定部から離脱させることができるステアリング装置を提供することができる。
【0091】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、変形が可能である。例えば、本実施形態においては、一対のシェアピン69は、ブロック部材62の対角上に配置されているが、ブロック部材62の前方側部分または後方側部分において幅方向に対向するように配置しても良い。また、シェアピン69の径または本数を変更することにより、二次衝突の際の離脱荷重を制御することができる。また、アウタコラム15にチルト軸18を設ける構成としても良い。また、アウタコラム15にステアリングロック装置のロックバーを取り付けても良い。
【符号の説明】
【0092】
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングコラム
4 電動パワーアシスト装置
5 出力軸
6 中間シャフト
7 ステアリングギヤアッセンブリ
8 タイロッド
9 ステアリングシャフト
11 チルトブラケット
12 ロアーシャフト
13 アッパーシャフト
14 インナコラム
15 アウタコラム
16 ハウジング
17 電動モータ
18 ロアーブラケット
19 チルト軸
20 側板
21 平板部
22 フランジ部
23 補強リブ
24 長孔
25 ボルト孔
26 ボルト
27 クランプ機構部
28 本体部
29 円筒部
30 第1の軸方向スリット
31 第1の周方向スリット
32 第2の周方向スリット
33 クランプ部
34 張出板部
35 補強リブ
36 第1の作用面
37 ブリッジ部
38 補強板部
39 後方側連結部
40 前方側連結部
41 U字状の隙間
42 第2の作用面
43 突条部
44 第3の作用面
45 幅方向溝
46 幅方向溝
47 丸孔
48 ロッド
49 ナット
50 操作レバー
51 第2の軸方向スリット
52 軸方向壁部
53 前方側幅方向壁部
54 後方側幅方向壁部
55 補強壁部
56 軸方向溝
57 第3の軸方向スリット
58 ライナースロット
59 本体部
60 フランジ部
61 軸方向溝
62 ブロック部材
63 上下方向貫通孔
64 内向きフランジ部
65 肉抜き部
66 側壁
67 幅方向貫通孔
68 貫通孔
69 シェアピン
70 アウタピン
71 インナピン
72 本体部
73 拡径部
74 フランジ部
75 案内孔
76 座ぐり
77 本体部
78 大径部
79 ストッパピン
80 軸部
81 頭部
82 ロック用貫通孔
図1
図2
図3
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