(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記周辺情報取得部が取得した周辺情報と前記車両情報取得部が取得した車両情報とに基づいて、前記車両の側方に前記出入口部が存在し、かつ、前記車両が前記出入口部の少なくとも一部を塞いで停止する可能性があると判定される場合、俯瞰映像を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項1に記載の俯瞰映像生成装置。
前記周辺情報取得部は、前記車両の前方を走行する先行車両の車速、前記車両と前記先行車両との車間距離、及び、前記車両と前記先行車両との相対速度の少なくともいずれかを含む先行車両情報を取得する先行車両情報取得部、を有し、
前記表示制御部は、前記先行車両情報取得部が取得した先行車両情報に基づいて、前記先行車両の車速が閾値以下である場合、または、前記車両と前記先行車両との車間距離が閾値以下である場合、または、前記車両と前記先行車両との相対速度が閾値以下である場合、俯瞰映像を生成する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の俯瞰映像生成装置。
前記表示制御部は、前記先行車両情報取得部が取得した先行車両情報と、前記出入口部の存在に基づいて、前記車両が前記出入口部の少なくとも一部を塞いで停止する可能性があると判定される場合、俯瞰映像を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項3に記載の俯瞰映像生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る俯瞰映像生成装置40、俯瞰映像生成システム1、俯瞰映像生成方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成システムの構成例を示すブロック図である。
図2は、車両とその周辺とを示す図である。
図3は、車両とその周辺とを示す図である。俯瞰映像生成システム1は、車両V1の側方に他車両V3が出入り可能な出入口部Pが存在し、かつ、車両V1によって他車両V3の出入口部Pへのスムースな出入りを難しくする可能性があると判定される場合、俯瞰映像100(
図4参照)を生成する。
【0014】
出入口部Pは、他車両V3が車両V1の前後を横切って出入りする可能性がある場所である。本実施形態では、出入口部Pは、例えば、対向車線を走行する右折車両である他車両V3が車両V1の前方を横切って出入りする可能性がある場所である。出入口部Pとは、例えば、駐車場の出入口部または路地の出入口部である。このような場所においては、車両V1によって、言い換えると、車両V1が出入口部Pを塞ぐ位置で停止することによって、他車両V3の出入口部Pへのスムースな出入りを難しくする可能性がある。
【0015】
俯瞰映像生成装置40および俯瞰映像生成システム1は、車両V1に搭載されている。俯瞰映像生成装置40および俯瞰映像生成システム1は、車両V1に載置されているものに加えて、可搬型で車両V1において利用可能な装置であってもよい。
【0016】
図1を用いて、俯瞰映像生成システム1について説明する。俯瞰映像生成システム1は、前方カメラ(撮影部)11と、後方カメラ(撮影部)12と、左側方カメラ(撮影部)13と、右側方カメラ(撮影部)14と、表示パネル(表示部)31と、俯瞰映像生成装置40とを有する。
【0017】
前方カメラ11は、俯瞰映像用カメラである。前方カメラ11は、車両V1の前方に配置され、車両V1の前方を中心とした周辺を撮影する。
図2に示すように、前方カメラ11は、例えば、180°程度の第一撮影範囲A1を撮影する。第一撮影範囲A1は、俯瞰映像100の表示範囲Aより車両V1の前方に広い範囲を含む。前方カメラ11は、撮影した映像を俯瞰映像生成装置40の映像データ取得部42へ出力する。
【0018】
後方カメラ12は、俯瞰映像用カメラである。後方カメラ12は、車両V1の後方に配置され、車両V1の後方を中心とした周辺を撮影する。後方カメラ12は、例えば、180°程度の第二撮影範囲A2を撮影する。第二撮影範囲A2は、俯瞰映像100の表示範囲Aより車両V1の後方に広い範囲を含む。後方カメラ12は、撮影した映像を俯瞰映像生成装置40の映像データ取得部42へ出力する。
【0019】
左側方カメラ13は、俯瞰映像用カメラである。左側方カメラ13は、車両V1の左側方に配置され、車両V1の左側方を中心とした周辺を撮影する。左側方カメラ13は、例えば、180°程度の第三撮影範囲A3を撮影する。第三撮影範囲A3は、俯瞰映像100の表示範囲Aより車両V1の左側方に広い範囲を含む。左側方カメラ13は、撮影した映像を俯瞰映像生成装置40の映像データ取得部42へ出力する。
【0020】
右側方カメラ14は、俯瞰映像用カメラである。右側方カメラ14は、車両V1の右側方に配置され、車両V1の右側方を中心とした周辺を撮影する。右側方カメラ14は、例えば、180°程度の第四撮影範囲A4を撮影する。第四撮影範囲A4は、俯瞰映像100の表示範囲Aより車両V1の右側方に広い範囲を含む。右側方カメラ14は、撮影した映像を俯瞰映像生成装置40の映像データ取得部42へ出力する。
【0021】
前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とで、車両V1の全方位を撮影する。
【0022】
図1に戻って、表示パネル31は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro−Luminescence)ディスプレイを含むディスプレイである。表示パネル31は、俯瞰映像生成システム1の俯瞰映像生成装置40から出力された映像信号に基づいて、俯瞰映像100を表示する。表示パネル31は、俯瞰映像生成システム1に専用のものであっても、例えば、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共同で使用するものであってもよい。表示パネル31は、運転者から視認容易な位置に配置されている。
【0023】
俯瞰映像生成装置40は、制御部41と、記憶部50とを有する。
【0024】
制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御部41は、記憶部50に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部41は、映像データ取得部42と、周辺情報取得部43と、車両情報取得部44と、俯瞰映像生成部45と、表示制御部49とを有する。制御部41には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部41におけるデータの一時記憶などに用いられる。
【0025】
映像データ取得部42は、車両V1の周辺を撮影した周辺映像データを取得する。より詳しくは、映像データ取得部42は、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とが出力した映像データを取得する。映像データ取得部42は、取得した映像データを周辺情報取得部43と俯瞰映像生成部45とに出力する。各々のカメラから取得する映像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。
【0026】
周辺情報取得部43は、車両V1の周辺の状況を示す周辺情報を取得する。本実施形態では、周辺情報取得部43は、映像データ取得部42で取得した周辺映像に画像処理を実行して、車両V1の側前方に存在する出入口部Pを検出して、その検出結果を周辺情報とする。例えば、周辺情報取得部43は、前方カメラ11と左側方カメラ13との少なくともどちらかで撮影された周辺映像において、車両V1の左前方にガードレールまたは縁石の切れ目が存在する場所を出入口部Pとして検出する。例えば、周辺情報取得部43は、前方カメラ11と左側方カメラ13との少なくともどちらかで撮影された周辺映像において、車両V1の左前方に駐車場の入口を示す標示が存在する場所を出入口部Pとして検出する。周辺情報取得部43は、出入口部Pの検出結果を周辺情報として俯瞰映像生成部45に出力する。
【0027】
周辺情報取得部43は、エッジ検出処理により、周辺映像から所定長さ以上の直線性を備えた被撮影物をガードレールまたは縁石として検出し、その切れ目を検出してもよい。周辺情報取得部43は、ガードレールまたは縁石の切れ目を記憶した認識辞書により、周辺映像からガードレールまたは縁石の切れ目を検出してもよい。
【0028】
または、周辺情報取得部43は、図示しないナビゲーションシステムの地図情報と車両V1の現在位置情報とから出入口部Pを検出してもよい。
【0029】
さらに、周辺情報取得部43は、車両V1の前方を走行する先行車両V2の車速、車両V1と先行車両V2との車間距離L1、及び、車両V1と先行車両V2との相対速度の少なくともいずれかを含む先行車両情報を取得する先行車両情報取得部431を有してもよい。先行車両情報取得部431は、先行車両V2の状態を前方カメラ11やセンシングする各種センサ、CAN(Controller Area Network)から得た車両V1の状況を示す車両情報などから取得する。
【0030】
車両情報取得部44は、車両V1の状況を示す車両情報を、CANや車両V1の状態をセンシングする各種センサなどから取得する。車両情報取得部44は、例えば、車速情報を取得する。車両情報取得部44は、取得した車両情報を俯瞰映像生成部45に出力する。
【0031】
俯瞰映像生成部45は、周辺情報取得部43が取得した周辺の状況を示す周辺情報と車両情報取得部44が取得した車両情報とに基づいて、車両V1の側方に他車両V3が出入り可能な出入口部Pが存在し、かつ、車両V1の停止や減速が予測され、他車両V3の出入口部Pへのスムースな出入りを難しくする可能性があると判定される場合、俯瞰映像100を生成する。本実施形態では、俯瞰映像生成部45は、車両V1の側前方に出入口部Pが存在し、かつ、車両V1が出入口部Pの少なくとも一部を塞いで停止する可能性があると判定される場合、俯瞰映像100を生成する。より詳しくは、俯瞰映像生成部45は、車両V1の側前方に出入口部Pが存在し、かつ、車両V1が停止する可能性があると判定され、車両V1の車速に基づく予測停止位置が出入口部Pの少なくとも一部を塞ぐと判定される場合、俯瞰映像100を生成する。
【0032】
図3を用いて、車両V1の予測停止位置について説明する。出入口部Pの少なくとも一部を塞ぐとは、車速に基づいて算出された予測停止位置で停止した車両V1が出入口部Pの側方に位置し、車両V1の前端部と先行車両V2の後端部との車間距離L1が、出入口部Pの幅L2より小さいことをいう。車間距離L1は、他車両V3が通行することができない程度の大きさである。
【0033】
車両V1の停止や減速が予測されるか否か、言い換えると、車両V1が停止する可能性があるか否かは、例えば、以下のように判定する。車両情報取得部44が取得した車両情報と、先行車両情報取得部431が取得した先行車両情報と、周辺情報取得部43が取得した周辺の状況を示す周辺情報との少なくともいずれかに基づいて、車両V1が停止する可能性があるか否かを判定する。例えば、車両V1の車速や加速度が閾値以下である場合、または、前方の信号が赤信号であるなどの情報を取得した場合、車両V1が停止する可能性があると判定する。または、例えば、先行車両V2が存在するときは、先行車両V2の車速が閾値以下である場合、または、車両V1と先行車両V2との車間距離L1が閾値以下である場合、または、車両V1と先行車両V2との相対速度が閾値以下である場合、車両V1が停止する可能性があると判定する。本実施形態では、車両V1または先行車両V2の車速の閾値は、20km/hとする。本実施形態では、車間距離L1の閾値は、10mとする。これらの数値はたとえば車両V1が走行している道路の幅や規制速度に応じて設定されてもよく、ユーザが任意に設定してもよい。
【0034】
俯瞰映像生成部45は、生成した俯瞰映像100を表示制御部49に出力する。俯瞰映像生成部45は、視点変換処理部451と、切出処理部452と、合成処理部453とを有する。
【0035】
視点変換処理部451は、映像データ取得部42で取得した周辺映像データに対して、車両V1を上方から見下ろすように視点変換処理を行う。より詳しくは、視点変換処理部451は、前方カメラ11と後方カメラ12と左側方カメラ13と右側方カメラ14とで撮影した周辺映像データに基づいて、視点変換処理を行った映像を生成する。視点変換処理の方法は、公知のいずれの方法でもよく、限定されない。視点変換処理部451は、視点変換処理を行った周辺映像データを切出処理部452に出力する。
【0036】
切出処理部452は、視点変換処理を行った周辺映像データから所定の範囲の映像を切出す切出処理を行う。どの範囲を切出範囲とするかは、あらかじめ登録され記憶されている。切出処理部452は、切出処理を行った映像の映像データを合成処理部453に出力する。
【0037】
合成処理部453は、切出処理を行った映像データを合成する合成処理を行う。合成処理部453は、合成した映像に車両アイコン110を表示した俯瞰映像100を生成する。
【0038】
図4を用いて、俯瞰映像100について説明する。
図4は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成システムで生成した俯瞰映像の一例を示す図である。俯瞰映像100は、車両V1から所定の表示範囲Aを表示する。俯瞰映像100は、前方映像101と後方映像102と左側方映像103と右側方映像104と、前方映像101と後方映像102と左側方映像103と右側方映像104とで囲まれた中央部に位置する車両アイコン110とを含む。車両アイコン110は、車両V1の位置と向きとを示す。車両アイコン110は、前後方向を俯瞰映像100の前後方向と平行にして、中央部に配置されている。俯瞰映像100は、車両V1と出入口部Pとの相対的な位置関係を認識可能である。
【0039】
図4においては、前方映像101と後方映像102と左側方映像103と右側方映像104との境界を示す斜めの破線を説明のために図示しているが、実際に表示パネル31に表示される俯瞰映像100には当該破線は表示されなくてもよい。他の図も同様である。
【0040】
表示制御部49は、周辺情報取得部43が取得した周辺の状況を示す周辺情報と車両情報取得部44が取得した車両情報とに基づいて、車両V1の側方に他車両V3が出入り可能な出入口部Pが存在し、かつ、車両V1の停止や減速が予測され、他車両V3の出入口部Pへのスムースな出入りを難しくする可能性があると判定される場合、俯瞰映像生成部45によって生成された俯瞰映像100を表示パネル31に表示する。
【0041】
記憶部50は、俯瞰映像生成装置40における各種処理に要するデータおよび各種処理結果を記憶する。記憶部50は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0042】
次に、
図5を用いて、俯瞰映像生成装置40における処理の流れについて説明する。
図5は、第一実施形態に係る俯瞰映像生成システムの俯瞰映像生成装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
制御部41は、側方に出入口部Pがあるか否かを判定する(ステップS11)。より詳しくは、制御部41は、周辺情報取得部43から取得した周辺情報に基づいて出入口部Pが検出されたと判定された場合(ステップS11でYes)、ステップS12に進む。制御部41は、周辺情報取得部43から取得した周辺情報に基づいて出入口部Pが検出されていないと判定された場合(ステップS11でNo)、ステップS11の処理を再度実行する。
【0044】
制御部41は、車両V1が出入口部P付近で停止する可能性があるか否かを判定する(ステップS12)。より詳しくは、制御部41は、車両V1が停止する可能性があると判定され、車両V1の予測停止位置が出入口部Pの少なくとも一部を塞いで停止する可能性があると判定された場合(ステップS12でYes)、ステップS13に進む。制御部41は、車両V1が停止する可能性があると判定されない場合、または、車両V1の予測停止位置が出入口部Pの少なくとも一部を塞いで停止する可能性がないと判定される場合(ステップS12でNo)、ステップS11の処理を再度実行する。
【0045】
制御部41は、俯瞰映像100を生成する(ステップS13)。より詳しくは、制御部41は、俯瞰映像生成部45で、映像データ取得部42が取得した周辺映像から車両V1を上方から見下ろすように視点変換を行った俯瞰映像100を生成する。制御部41は、ステップS14に進む。
【0046】
制御部41は、俯瞰映像100を表示する(ステップS14)。より詳しくは、制御部41は、表示制御部49で、俯瞰映像100を表示パネル31に表示する。制御部41は、ステップS15に進む。
【0047】
制御部41は、俯瞰映像表示を終了するか否かを判定する(ステップS15)。より詳しくは、制御部41は、終了トリガの有無に基づいて、俯瞰映像100の表示を終了するか否かを判定する。終了トリガとは、例えば、車両V1が停止する可能性がなくなった場合、または、車両V1が出入口部Pの側方を通過した場合である。制御部41は、終了トリガがある場合、俯瞰映像100の表示を終了すると判定し(ステップS15でYes)、処理を終了する。制御部41は、終了トリガがない場合、俯瞰映像100の表示を終了しないと判定し(ステップS15でNo)、ステップS13の処理を再度実行する。
【0048】
このようにして、俯瞰映像生成システム1は、車両V1の側方に出入口部Pが存在し、かつ、車両V1が出入口部Pの少なくとも一部を塞いで停止する可能性があると判定される場合、俯瞰映像100を表示パネル31に表示する映像信号を出力する。表示パネル31は、俯瞰映像生成システム1から出力された映像信号に基づいて、例えば、ナビゲーション画面とともに俯瞰映像100を表示する。
【0049】
上述したように、本実施形態は、車両V1の側方に出入口部Pが存在し、かつ、車両V1が出入口部Pの少なくとも一部を塞いで停止する可能性があると判定される場合、俯瞰映像100を表示パネル31に表示する。これにより、本実施形態によれば、運転者に車両V1の側方に出入口部Pが存在することを容易に認識させることができる。また、本実施形態によれば、俯瞰映像100によって、運転者に車両V1と出入口部Pとの相対的な位置関係を容易に確認させることができる。このように、本実施形態は、車両周辺を確認可能に表示することができる。本実施形態は、俯瞰映像100を表示することによって、運転者が車両V1の適切な停止位置を判断することを支援することができる。
【0050】
本実施形態と異なり、車両V1の側方に出入口部Pが存在し、かつ、車両V1が出入口部Pの少なくとも一部を塞いで停止する可能性があっても、俯瞰映像100が表示されない場合、運転者が車両V1の側方に出入口部Pが存在することを認識しにくいおそれがある。これにより、
図3に示すように、車両V1が出入口部Pを塞ぐような停止位置で停止してしまうおそれがある。この場合、対向車線から車両V1の前方を横切って出入口部Pに進入しようとする他車両V3は、車両V1が前進するまで進むことができず、他車両V3の後続車両が滞留して対向車線のスムースな通行が妨げられるおそれがある。
【0051】
これに対して、本実施形態によれば、
図4に示すような俯瞰映像100を表示するので、運転者は、車両V1がさらに進むと出入口部Pを塞いで停止しまうことを容易に確認することができる。運転者は、車両V1を出入口部Pを塞がない現在位置で停止した方がよいと判断することができる。これにより、本実施形態によれば、他車両V3をスムースに通行させることが可能になる。さらに、本実施形態によれば、他車両V3の後続車両が滞留することを抑制することができる。
【0052】
[第二実施形態]
図6を参照しながら、本実施形態に係る俯瞰映像生成システム1について説明する。
図6は、第二実施形態に係る俯瞰映像生成システムで生成した俯瞰映像の一例を示す図である。俯瞰映像生成システム1は、基本的な構成は第一実施形態の俯瞰映像生成システム1と同様である。以下の説明においては、俯瞰映像生成システム1と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態の俯瞰映像生成システム1は、俯瞰映像生成部45における処理が、第一実施形態の俯瞰映像生成部45と異なる。
【0053】
俯瞰映像生成部45は、出入口部P側を表示する周辺映像の表示範囲を広くした俯瞰映像100Aを生成する。本実施形態では、俯瞰映像生成部45は、出入口部P側を表示する左側方映像103Aの表示範囲と、前方映像101Aの表示範囲の左側と、後方映像102Aの表示範囲の左側とを広くした俯瞰映像100Aを生成する。右側方映像104Aは、通常の俯瞰映像100の表示範囲と同じである。
【0054】
より詳しくは、制御部41によって、出入口部Pの方向を撮影するカメラの撮像範囲を広くすることによって、出入口部P側を表示する周辺映像の表示範囲を広くした俯瞰映像100Aを生成してもよい。この場合、制御部41は、左側方カメラ13の第三撮影範囲A3と前方カメラ11の第一撮影範囲A1と後方カメラ12の第二撮影範囲A2とを左方向に広くして撮像させる。そして、制御部41は、視点変換処理部451によって、各カメラで撮影された周辺映像データの視点変換処理を行う。そして、制御部41は、切出処理部452によって、視点変換処理を行った周辺映像データから、各方向の撮影範囲に応じて、左側方映像103Aと前方映像101Aと後方映像102Aとを通常より広い切出範囲で、右側方映像104Aを通常の切出範囲で切出す切出処理を行う。そして、制御部41は、合成処理部453によって、切出処理を行った映像データを合成する合成処理を行う。このようにして、出入口部P側を表示する周辺映像の表示範囲を広くした俯瞰映像100Aを生成する。
【0055】
または、出入口部Pの方向を撮影した周辺映像を広い切出範囲で切出すことによって、出入口部P側を表示する周辺映像の表示範囲を広くした俯瞰映像100Aを生成してもよい。この場合、制御部41は、切出処理部452によって、視点変換処理を行った周辺映像データから、左側方映像103Aと前方映像101Aと後方映像102Aとを通常より広い切出範囲で、右側方映像104Aを通常の切出範囲で切出す切出処理を行う。そして、制御部41は、合成処理部453によって、切出処理を行った映像データを合成する合成処理を行う。このようにして、出入口部P側を表示する周辺映像の表示範囲を広くした俯瞰映像100Aを生成する。
【0056】
図6を用いて、俯瞰映像100Aについて説明する。俯瞰映像100Aは、一点鎖線で示す通常の俯瞰映像100に対して、左側方が広く生成されている。俯瞰映像100Aは、例えば、前方と後方と右側方は車両V1から2m程度の範囲が表示され、左側方は車両V1から5m程度の範囲が表示されている。俯瞰映像100Aは、車両V1と出入口部Pとの相対的な位置関係を認識可能である。
【0057】
上述したように、本実施形態は、出入口部P側を表示する周辺映像の表示範囲を広くした俯瞰映像100Aを生成することができる。本実施形態によれば、このような俯瞰映像100Aを表示することで、出入口部Pを認識しやすくすることができる。本実施形態は、車両周辺を確認可能に表示することができる。
【0058】
[第三実施形態]
図7を参照しながら、本実施形態に係る俯瞰映像生成システム1について説明する。
図7は、第三実施形態に係る俯瞰映像生成システムで生成した俯瞰映像の一例を示す図である。本実施形態の俯瞰映像生成システム1は、俯瞰映像生成部45における処理が、第一実施形態の俯瞰映像生成部45と異なる。
【0059】
俯瞰映像生成部45は、出入口部P側を相対的に広く表示するように表示範囲Aをずらした俯瞰映像100Bを生成する。本実施形態では、俯瞰映像生成部45は、出入口部Pを表示する左側方映像103Bと前方映像101Bとを相対的に広くするように表示範囲Aを左前方にずらした俯瞰映像100Bを生成する。後方映像102Bと右側方映像104Bとは、通常の俯瞰映像100より狭くなっている。
【0060】
制御部41は、切出処理部452によって、視点変換処理を行った周辺映像データから、左側方映像103Bと前方映像101Bとを通常より左前方に広くした切出範囲で、後方映像102Bと右側方映像104Bとを通常より狭い切出範囲で切出す切出処理を行う。そして、制御部41は、合成処理部453によって、切出処理を行った映像データを合成する合成処理を行う。このようにして、出入口部P側を相対的に広く表示するように表示範囲Aをずらした俯瞰映像100Bを生成する。
【0061】
図7を用いて、俯瞰映像100Bについて説明する。俯瞰映像100Bは、
図7に一点鎖線で示す通常の俯瞰映像100の表示範囲Aを左前方にずらして生成されている。俯瞰映像100Bは、車両V1と出入口部Pとの相対的な位置関係を認識可能である。
【0062】
上述したように、本実施形態は、出入口部P側に表示範囲Aをずらした俯瞰映像100Bを生成することができる。本実施形態によれば、このような俯瞰映像100Bを表示することで、出入口部Pを認識しやすくすることができる。本実施形態は、車両周辺を確認可能に表示することができる。
【0063】
[第四実施形態]
図8を参照しながら、本実施形態に係る俯瞰映像生成システム1について説明する。
図8は、第四実施形態に係る俯瞰映像生成システムで生成した俯瞰映像の一例を示す図である。本実施形態の俯瞰映像生成システム1は、俯瞰映像生成部45における処理が、第一実施形態の俯瞰映像生成部45と異なる。
【0064】
俯瞰映像生成部45は、出入口部P側を拡大して表示するように表示範囲Aを変更した俯瞰映像100Cを生成する。本実施形態では、俯瞰映像生成部45は、出入口部Pを表示する左側方映像103Cの前方と、前方映像101Cの左側方とが拡大されるように表示範囲Aを変更した俯瞰映像100Cを生成する。
【0065】
制御部41は、切出処理部452によって、視点変換処理を行った周辺映像データから、左前方を拡大するような切出範囲で切出す切出処理を行う。そして、制御部41は、合成処理部453によって、切出処理を行った映像データを合成する合成処理を行う。
【0066】
図8を用いて、俯瞰映像100Cについて説明する。俯瞰映像100Cは、左前方が拡大されて生成されている。俯瞰映像100Cは、車両V1と出入口部Pとの相対的な位置関係を認識可能である。
【0067】
上述したように、本実施形態は、出入口部P側を拡大した俯瞰映像100Cを生成することができる。本実施形態によれば、このような俯瞰映像100Cを表示することで、出入口部Pを認識しやすくすることができる。本実施形態は、車両周辺を確認可能に表示することができる。
【0068】
[第五実施形態]
図9を参照しながら、本実施形態に係る俯瞰映像生成システム1について説明する。
図9は、第五実施形態に係る俯瞰映像生成システムで生成した俯瞰映像の一例を示す図である。本実施形態の俯瞰映像生成システム1は、俯瞰映像生成部45における処理が、第一実施形態の俯瞰映像生成部45と異なる。
【0069】
俯瞰映像生成部45は、出入口部P側を強調表示した俯瞰映像100Dを生成する。本実施形態では、俯瞰映像生成部45は、合成処理部453によって、合成した俯瞰映像に、出入口部Pを強調表示する出入口アイコン105Dを合成して俯瞰映像100Dを生成する。
【0070】
図9を用いて、俯瞰映像100Dについて説明する。俯瞰映像100Dは、出入口部Pの幅を強調表示する出入口アイコン105Dを含む。出入口アイコン105Dは、出入口部Pの幅に対応した帯状のアイコンである。
【0071】
上述したように、本実施形態は、出入口部P側を強調表示した俯瞰映像100Dを生成することができる。本実施形態によれば、このような俯瞰映像100Dを表示することで、出入口部Pを認識しやすくすることができる。本実施形態は、車両周辺を確認可能に表示することができる。
【0072】
これまで本発明に係る俯瞰映像生成システム1について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0073】
図示した俯瞰映像生成システム1の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0074】
俯瞰映像生成システム1の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0075】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0076】
周辺情報取得部43は、車両V1の周辺情報として、映像データ取得部42で取得した周辺映像に画像処理を実行して、車両V1の前方の信号機が赤であることを検出してもよい。周辺情報取得部43は、車両V1の周辺情報として、画像処理によって、先行車両V2のブレーキランプが点灯していることを検出してもよい。周辺情報取得部43は、車両V1の周辺情報として、図示しないセンサによって検出した車両V1と先行車両V2との車間距離L1が閾値以下となったこと検出してもよい。そして、俯瞰映像生成部45は、これらの情報に基づいて、車両V1が停止する可能性があると判定してもよい。
【0077】
上記の実施形態では、他車両V3は、右折して出入口部Pに進入しようとしている車両として説明したがこれに限定されるものではない。他車両V3は、出入口部Pから右折して退出しようとしている車両でもよい。
【0078】
俯瞰映像生成部45は、所定条件を満たす場合に俯瞰映像100を生成するものとして説明したがこれに限定されない。俯瞰映像生成部45は、俯瞰映像生成システム1が起動されている間、俯瞰映像100を生成するようにしてもよい。この場合、表示制御部49によって、車両V1の側方に他車両V3が出入り可能な出入口部Pが存在し、かつ、車両V1の停止や減速が予測され、他車両V3の出入口部Pへのスムースな出入りを難しくする可能性があると判定される場合、俯瞰映像100を表示するように制御すればよい。