(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第1出力画像データを生成する第1出力画像生成処理を実行後、前記調整値を参照して前記第1出力画像データを調整する第2出力画像生成処理を実行し、
前記制御部は、前記画像形成部に、前記第2出力画像データに基づいてシートに前記第2出力画像を形成させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置及び画像処理方法の実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
[実施形態1]
まず、
図1を参照して、実施形態1に係る画像形成装置100の構成について説明する。
図1は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示す図である。本実施形態において、画像形成装置100は、カラー方式の複合機である。
【0012】
画像形成装置100は、筐体1、操作部2、原稿搬送装置3、読取装置4、給紙部5、補給部6、画像形成部7、定着装置8、排出部9、及び搬送部Lを備える。読取装置4、給紙部5、補給部6、画像形成部7、定着装置8、排出部9、及び搬送部Lは、筐体1の内部に収容される。なお、操作部2は、入力部の一例である。
【0013】
操作部2は、画像形成装置100に対するユーザーからの指示を受け付ける。操作部2は、ユーザーからの指示を受け付けると、ユーザーからの指示を示す信号を出力する。本実施形態において、操作部2は、ジョブの実行の指示を受け付ける。
【0014】
操作部2は、タッチパネル21及び複数の操作キー22を含む。タッチパネル21は、ディスプレー及びタッチセンサーを含む。
【0015】
ディスプレーは、各種画面を表示する。ディスプレーは、例えば、液晶ディスプレー又は有機ELディスプレー(Organic Electro Luminescence Display)である。
【0016】
タッチセンサーは、被検知体によるタッチを検知する。タッチセンサーは、被検知体によるタッチを検知した位置を示す検知信号を出力する。被検知体は、例えば、ユーザーの手指である。タッチセンサーは、例えば、抵抗膜方式のタッチセンサーである。
【0017】
複数の操作キー22は、例えば、テンキー、スタートキー、及びキャンセルキーを含む。
【0018】
原稿搬送装置3は、原稿載置トレイ31、原稿搬送部32及び原稿排出トレイ33を備える。原稿搬送部32は、原稿載置トレイ31に載置されたシート状の原稿Dを1枚ずつ原稿排出トレイ33まで搬送する。詳しくは、原稿搬送部32は、読取位置Rを経由して原稿排出トレイ33まで原稿Dを搬送する。読取位置Rは、原稿搬送装置3によって搬送された原稿Dの画像を読取装置4が読み取ることが可能な位置である。
【0019】
読取装置4は、原稿Dの画像を読み取って、原稿Dの画像を示す読取画像データを出力する。詳しくは、読取装置4は、コンタクトガラス41、及び読取機構42を備える。コンタクトガラス41は、原稿搬送装置3の底面と対向する。読取機構42は、光源421、キャリッジ422、光学系423、及びCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサー424を含む。光源421は、キャリッジ422に支持される。キャリッジ422は、副走査方向S1に移動する。光源421は、副走査方向S1に移動しながら、コンタクトガラス41上に載置された原稿Dに対して光を照射する。光学系423は、原稿Dから反射する光をCCDイメージセンサー424に導く。CCDイメージセンサー424は、光学系423によって導かれた光を電気信号に変換して、読取画像データを出力する。なお、原稿搬送装置3によって搬送される原稿Dの画像を読取装置4が読み取る場合、光源421は、読取位置Rを照射する。本実施形態において、読取装置4は、スキャナーである。なお、読取装置4は、読取部の一例である。また、読取画像データは、入力画像データの一例である。
【0020】
給紙部5は、複数のシートSを収容し、収容された複数のシートSを一枚ずつ給紙する。搬送部Lは、給紙されたシートSを排出部9まで搬送する。
【0021】
補給部6は、画像形成部7へトナーを補給する。トナーは、消耗品の一例である。補給部6は、開閉検知スイッチ、4つの装着部61、4つの部品検知スイッチ62、及び4つの部品情報読取部63を備える。以下、4つの装着部61を「第1装着部61Y」、「第2装着部61C」、「第3装着部61M」、及び「第4装着部61K」と記載する場合がある。
【0022】
開閉検知スイッチは、筐体1が備えるカバー部材の開閉を検知する。開閉検知スイッチは、カバー部材が閉じると、カバー部材が閉じたことを示す信号を出力する。カバー部材は、閉じた状態において筐体1の壁部の一部を構成する。一方、カバー部材が開いた状態になると、4つの装着部61が露出する。ユーザーは、カバー部材を開いた状態にすることにより、トナーカートリッジCを交換することができる。
【0023】
各装着部61には、トナーカートリッジCが装着自在に装着される。各トナーカートリッジCは、装着部品の一例である。各トナーカートリッジCは、カラー色のトナー又はブラック色のトナーを収容する。以下、カラー色のトナーを収容するトナーカートリッジCを「カラートナーカートリッジC1」と記載する場合がある。また、ブラック色のトナーを収容するトナーカートリッジCを「ブラックトナーカートリッジC2」と記載する場合がある。なお、カラートナーカートリッジC1は、第1装着部品の一例であり、ブラックトナーカートリッジC2は、第2装着部品の一例である。
【0024】
カラートナーカートリッジC1は、イエロー色のトナーを収容するイエロートナーカートリッジCy、シアン色のトナーを収容するシアントナーカートリッジCc、及びマゼンタ色のトナーを収容するマゼンタトナーカートリッジCmを含む。イエロートナーカートリッジCyは、第1装着部61Yに装着される。シアントナーカートリッジCcは、第2装着部61Cに装着される。マゼンタトナーカートリッジCmは、第3装着部61Mに装着される。ブラックトナーカートリッジC2は、第4装着部61Kに装着される。
【0025】
各トナーカートリッジCは、画像形成装置100の専用品と、画像形成装置100の専用品以外の交換部品とを含む。画像形成装置100の専用品は、第1交換部品の一例である。また、画像形成装置100の専用品以外の交換部品は、第2交換部品の一例である。専用品と専用品以外の交換部品とは、例えば、収容するトナーの特性が互いに異なる。以下、専用品のトナーカートリッジCが収容するトナーを「専用トナー」と記載し、専用品以外のトナーカートリッジCが収容するトナーを「非専用トナー」と記載する。専用トナーは、第1消耗品の一例であり、非専用トナーは、第2消耗品の一例である。
【0026】
各トナーカートリッジCは、記憶素子CMを備える。記憶素子CMは、例えば、RF(Radio Frequency Identification)タグのような非接触タグ(電子タグ)である。記憶素子CMは、トナーカートリッジCに関する情報を記憶する。以下、トナーカートリッジCに関する情報を「装着部品情報」と記載する。装着部品情報は、製造元を示す製造元情報、型式番号を示す型式番号情報、及びトナーカートリッジCのシリアル番号を示すシリアル情報を含む。
【0027】
4つの部品検知スイッチ62は、第1装着部61Y、第2装着部61C、第3装着部61M及び第4装着部61Kにそれぞれ配置される。各部品検知スイッチ62は、対応する装着部61にトナーカートリッジCが装着されていることを検知する。
【0028】
4つの部品情報読取部63は、第1装着部61Y、第2装着部61C、第3装着部61M及び第4装着部61Kにそれぞれ配置される。各部品情報読取部63は、対応する装着部61に装着されたトナーカートリッジCの記憶素子CMから装着部品情報を読み取り、装着部品情報を示す信号を出力する。以下、装着部品情報を記憶素子CMから読み取る処理を「部品情報読取処理」と記載する。各部品情報読取部63は、例えば、RFリーダーのような近距離無線通信機である。
【0029】
画像形成部7は、画像形成処理を実行する。詳しくは、画像形成部7は、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCの各々から供給されるトナー(専用トナー及び/又は非専用トナー)を使用してトナー像(出力画像)をシートSに形成する。
【0030】
画像形成部7は、4つの画像形成ユニット70、露光装置71、及び転写装置75を備える。
【0031】
露光装置71は、画像データに基づいて、各画像形成ユニット70が備える感光体ドラム74に静電潜像をそれぞれ形成する。
【0032】
4つの画像形成ユニット70はそれぞれ、補給部6から供給されたトナーを使用してトナー像を形成する。以下、4つの画像形成ユニット70を「第1画像形成ユニット70Y」、「第2画像形成ユニット70C」、「第3画像形成ユニット70M」、及び「第4画像形成ユニット70K」と記載する場合がある。第1画像形成ユニット70Yは、第1装着部61Yからイエロー色のトナーが供給されて、感光体ドラム74にイエロー色のトナー像を形成する。第2画像形成ユニット70Cは、第2装着部61Cからシアン色のトナーが供給されて、感光体ドラム74にシアン色のトナー像を形成する。第3画像形成ユニット70Mは、第3装着部61Mからマゼンタ色のトナーが供給されて、感光体ドラム74にマゼンタ色のトナー像を形成する。第4画像形成ユニット70Kは、第4装着部61Kからブラック色のトナーが供給されて、感光体ドラム74にブラック色のトナー像を形成する。
【0033】
転写装置75は、各画像形成ユニット70が形成したトナー像をシートSに転写する。
【0034】
定着装置8は、転写されたトナー像をシートSに定着させる。
【0035】
排出部9は、トナー像が定着されたシートSを筐体1の外部へ排出する。詳しくは、排出部9は、筐体1の外部に排出トレイ91を備える。排出部9は、トナー像が定着されたシートSを、シート排出口1aを介して排出トレイ91へ排出する。
【0036】
続いて、
図1及び
図2を参照して、実施形態1に係る画像形成部7の構成について更に説明する。
図2は、実施形態1に係る画像形成部7の構成を示す図である。なお、第1画像形成ユニット70Y〜第4画像形成ユニット70Kの構成は、形成するトナー像の色が異なるのみで他の構成は同様である。したがって、
図2では、第1画像形成ユニット70Yの構成についてのみ説明し、第2画像形成ユニット70C、第3画像形成ユニット70M、及び第4画像形成ユニット70Kの構成についての説明は省略する。
【0037】
図2に示すように、第1画像形成ユニット70Yは、感光体ドラム74に加え、帯電装置72、現像装置73、及び第1クリーニング機構77を備える。帯電装置72、現像装置73、画像形成装置100が備える第1撮像素子121、及び第1クリーニング機構77は、感光体ドラム74の周面に沿ってこの順で配置される。感光体ドラム74は、
図2に示す矢印R1方向(時計回り)に回転する。
【0038】
帯電装置72は、感光体ドラム74を所定の電位に均一に帯電させる。現像装置73は、補給部6(第1装着部61Y)から補給されたトナーを感光体ドラム74に供給して、感光体ドラム74上に形成された静電潜像を現像する。
【0039】
第1撮像素子121は、感光体ドラム74の表面に形成されたトナー像を撮像し、トナー像を示す読取画像データを出力する。第1撮像素子121は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである。
【0040】
第1クリーニング機構77は、感光体ドラム74の表面に付着しているトナーを回収する。
【0041】
転写装置75は、第1画像形成ユニット70Y〜第4画像形成ユニット70Kが有する各感光体ドラム74の表面に形成された各トナー像をシートSに転写する。本実施形態において、転写装置75は、二次転写方式によって各トナー像をシートSに転写する。
【0042】
転写装置75は、4つの一次転写ローラー751、中間転写ベルト752、駆動ローラー753、従動ローラー754、及び二次転写ローラー755を有する。
【0043】
中間転写ベルト752は、4つの一次転写ローラー751、駆動ローラー753、及び、従動ローラー754に張架される無端ベルトである。中間転写ベルト752は、駆動ローラー753の回転に応じて駆動する。
図2において、中間転写ベルト752は、反時計回りに周回する。従動ローラー754は、中間転写ベルト752の駆動に応じて回転駆動する。
【0044】
中間転写ベルト752は、第1画像形成ユニット70Y〜第4画像形成ユニット70Kと対向して配置される。本実施形態において、第1画像形成ユニット70Y、第2画像形成ユニット70C、第3画像形成ユニット70M、及び第4画像形成ユニット70Kは、中間転写ベルト752の下面の駆動方向Mにおいて、上流側から下流側に向けてこの順で配置される。
【0045】
各一次転写ローラー751は、対応する感光体ドラム74に中間転写ベルト752を介して対向する。各一次転写ローラー751は、不図示の駆動機構により、対応する感光体ドラム74に向けて押圧されたり、対応する感光体ドラム74から離れたりする。各一次転写ローラー751が対応する感光体ドラム74に向けて押圧されている場合、各感光体ドラム74の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト752に転写される。
【0046】
二次転写ローラー755は、中間転写ベルト752を介して駆動ローラー753に対向する。二次転写ローラー755は、不図示の駆動機構により、駆動ローラー753に向けて押圧されたり、駆動ローラー753から離れたりする。二次転写ローラー755が駆動ローラー753に向けて押圧されている場合、二次転写ローラー755と駆動ローラー753との間に転写ニップが形成される。中間転写ベルト752上のトナー像は、シートSが転写ニップを通過することによりシートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、搬送部Lによって定着装置8(
図1参照)へ搬送される。
【0047】
第2クリーニング機構757は、中間転写ベルト752上のトナーを回収する。
【0048】
また、画像形成装置100は、第2撮像素子122を更に備える。第2撮像素子122は、中間転写ベルト752の表面に形成されたトナー像を撮像し、トナー像を示す読取画像データを出力する。本実施形態において、第2撮像素子122は、中間転写ベルト752の下面の駆動方向Mにおいて第4画像形成ユニット70Kよりも下流に配置される。第2撮像素子122は、例えば、CCDイメージセンサー、又はCMOSイメージセンサーである。
【0049】
本実施形態において、画像形成装置100は、画像形成モード及び非画像形成モードの間で動作モードを切り替える。画像形成装置100の動作モードが画像形成モードである場合、画像形成部7によって形成された画像は、シートSに転写される。一方、画像形成装置100の動作モードが非画像形成モードである場合、画像形成部7によって形成された画像は、シートSに転写されない。詳しくは、感光体ドラム74の表面に形成されたトナー像は、第1撮像素子121によって撮像された後、第1クリーニング機構77によって回収される。また、中間転写ベルト752上のトナー像は、第2撮像素子122によって撮像された後、第2クリーニング機構757によって回収される。
【0050】
続いて、
図1〜
図3を参照して、実施形態1に係る画像形成装置100の構成について更に説明する。
図3は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0051】
図3に示すように、画像形成装置100は、記憶部10、及び制御部11を更に備える。
【0052】
記憶部10は、各種のデータを記憶する。記憶部10は、ストレージデバイス及び半導体メモリーによって構成される。ストレージデバイスは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)によって構成される。半導体メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を構成する。
【0053】
記憶部10は、色変換テーブルT1を記憶する。色変換テーブルT1は、制御部11が画像データを生成する際に参照される。色変換テーブルT1は、デバイス依存の色空間とデバイス非依存型の色空間との対応関係を示す。デバイス依存の色空間は、RGB空間及びCMY(CMYK)色空間を含む。デバイス非依存の色空間は、Lab色空間を含む。本実施形態において、色変換テーブルT1は、RGB/Lab変換テーブル、及びLab/CMYK変換テーブルを含む。RGB/Lab変換テーブルは、色成分値をRGB値からLab値へと変換する際、又はLab値からRGB値へと変換する際に参照される。Lab/CMYK変換テーブルは、色成分値をLab値からCMYK値へと変換する際、又はCMYK値からLab値へと変換する際に参照される。制御部11は、色変換テーブルT1を参照して、例えば、読取装置4から出力された読取画像データの各画素が示す色成分値を、RGB値からLab値へと変換し、Lab値に変換された各画素の色成分値をCMYK値へと変換する。
【0054】
また、本実施形態において、記憶部10は、テスト画像を示すテスト画像データG1を記憶する。本実施形態では、テスト画像データG1の各画素の色成分は、RGB値で示される。なお、テスト画像は、例えば、各色のソリッド画像を含む。
【0055】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーによって構成される。また、制御部11は、画像形成処理用の集積回路を備える。画像形成処理用の集積回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成される。制御部11は、記憶部10に記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成装置100の各部の動作を制御する。
【0056】
制御部11は、第1出力画像生成処理、装着部品判定処理、テスト画像形成処理、調整値生成処理、及び第2出力画像生成処理を実行する。本実施形態において、制御部11は、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのすべてが専用品である場合に第1出力画像生成処理を実行する。また、制御部11は、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのうちの少なくとも1つが専用品以外のトナーカートリッジCである場合にテスト画像形成処理、調整値生成処理、及び第2出力画像生成処理を実行する。
【0057】
次に、
図1〜
図4を参照して、実施形態1に係る第1出力画像生成処理について説明する。
図4は、実施形態1に係る第1出力画像生成処理を示すフローチャートである。本実施形態において、第1出力画像生成処理は、ジョブの実行を指示する信号を操作部2から制御部11が受信すると開始される。なお、
図4では、ジョブがコピージョブである場合を例に説明する。
【0058】
制御部11は、ジョブの実行を指示する信号を操作部2から受信すると、
図4に示すように、画像読取処理を読取装置4に実行させて読取画像データを取得する(ステップS102)。次いで、制御部11は、記憶部10に記憶された色変換テーブルT1を参照して、読取画像データから第1出力画像データを生成する(ステップS104)。詳しくは、制御部11は、色変換テーブルT1を参照して、読取画像データが示す各画素の色成分値を変換する。次いで、制御部11は、第1出力画像データを記憶部10に記憶させて(ステップS106)、第1出力画像生成処理を終了する。なお、第1出力画像データは、ジョブが完了すると、記憶部10から削除される。
【0059】
制御部11は、第1出力画像生成処理が終了すると、第1出力画像データに基づく画像形成処理を画像形成部7に実行させる。この結果、ジョブが実行されて、第1出力画像がシートSに形成される。第1出力画像は、第1画像データに基づいて、画像形成部7が専用品のトナーカートリッジC(専用トナー)を使用してシートSに形成した画像を示す。第1出力画像は、第1色彩を示す。
【0060】
続いて、
図1〜
図8を参照して、実施形態1に係る装着部品判定処理、テスト画像形成処理、調整値生成処理、及び第2出力画像生成処理について説明する。以下では、ジョブの実行中に4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのうちの少なくとも1つが交換される場合を例に実施形態を説明する。
【0061】
まず、
図1〜
図5を参照して、実施形態1に係る装着部品判定処理について説明する。
図5は、実施形態1に係る装着部品判定処理を示すフローチャートである。装着部品判定処理は、カバー部材が閉じたことを示す信号を補給部6(開閉検知スイッチ)から制御部11が受信すると開始される。
【0062】
図5に示すように、制御部11は、装着部品情報を取得する(ステップS202)。詳しくは、制御部11は、部品情報読取処理を各部品情報読取部63に実行させて装着部品情報を取得する。次いで、制御部11は、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのすべてが専用品であるか否かを判定する(ステップS204)。制御部11は、例えば、各部品情報読取部63が取得した装着部品情報の各々と、記憶部10に記憶された部品情報とが一致するか否かによってトナーカートリッジCが専用品であるか否かを判定する。部品情報は、例えば、専用品の製造元情報、及び型式番号情報を含む。
【0063】
制御部11は、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのうちの少なくとも1つが専用品以外のトナーカートリッジCであると判定すると(ステップS204:No)、テスト画像形成処理を実行して(ステップS206)、装着部品判定処理を終了する。
【0064】
一方、制御部11は、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのすべてが専用品であると判定すると(ステップS204:Yes)、テスト画像形成処理を実行することなく、装着部品判定処理を終了する。
【0065】
次に、
図1〜
図6を参照して実施形態1に係るテスト画像形成処理について説明する。
図6は、実施形態1に係るテスト画像形成処理(
図5のステップS206)を示すフローチャートである。テスト画像形成処理は、制御部11が4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのうちの少なくとも1つが専用品以外のトナーカートリッジCであると判定すると(
図5のステップS204:No)、開始される。
【0066】
図6に示すように、制御部11は、記憶部10に記憶された色変換テーブルT1を参照して、テスト画像データG1から出力テスト画像データG2を生成する(ステップS302)。詳しくは、記憶部10は、色変換テーブルT1を参照して、テスト画像データG1が示す各画素の色成分値を変換して出力テスト画像データG2を生成する。次いで、制御部11は、出力テスト画像データG2に基づく画像形成処理を画像形成部7に実行させて(ステップS304)、テスト画像形成処理を終了する。この結果、テスト画像がシートSに形成される。本実施形態において、制御部11は、テスト画像形成処理を終了すると、タッチパネル21に第1メッセージM1を表示させて、ユーザーに第1メッセージM1を通知する。第1メッセージM1は、排出部9から排出されたシートS(テスト画像が形成されたシートS)をコンタクトガラス41の上に載置した後、画像読取処理の実行指示の操作を行うようにユーザーに促すメッセージである。
【0067】
ユーザーは、第1メッセージM1が示す内容にしたがって、テスト画像が形成されたシートSをコンタクトガラス41の上に載置する。その後、ユーザーは、操作部2を操作することによって画像読取処理の実行を指示する。制御部11は、操作部2から画像読取処理の実行を指示する信号を受信すると、調整値生成処理を実行する。
【0068】
続いて、
図1〜
図7を参照して、実施形態1に係る調整値生成処理について説明する。
図7は、実施形態1に係る調整値生成処理を示すフローチャートである。
【0069】
図7に示すように、制御部11は、テスト画像が形成されたシートSの画像読取処理を読取装置4に実行させて、読取テスト画像データG3を取得する(ステップS402)。制御部11は、読取テスト画像データG3を解析して、調整値Aを生成する(ステップS404)。調整値Aは、第1画像データの各画素の色成分値を調整するための値である。本実施形態において、調整値Aは、各画素の色成分値をRGB値からLab値へ変換する際に参照される。制御部11は、生成した調整値Aを記憶部10に記憶させて(ステップS406)、調整値生成処理を終了する。なお、制御部11は、4つの装着部61のうちの少なくとも1つのトナーカートリッジCが変化したと判定すると、調整値Aを記憶部10から削除する。制御部11は、例えば、交換前の各装着部61に装着されたトナーカートリッジCの装着部品情報と、交換後における各装着部61に装着されたトナーカートリッジCの装着部品情報とに基づいて、装着部61に装着されたトナーカートリッジCが変化したか否かを判定する。
【0070】
次に、
図1〜
図8を参照して、実施形態1に係る第2出力画像生成処理について説明する。
図8は、実施形態1に係る第2出力画像生成処理を示すフローチャートである。第2出力画像生成処理は、制御部11が調整値生成処理を終了すると開始される。
【0071】
図8に示すように、制御部11は、記憶部10から第1出力画像データを取得する(ステップS502)。本実施形態において、第1出力画像データは、実行中のジョブが開始される際に、第1出力画像生成処理によって生成されて記憶部10に記憶されている(
図4のステップS106)。次いで、制御部11は、調整値Aを参照して、第1出力画像データに基づいて第2出力画像データを生成する(ステップS504)。詳しくは、制御部11は、調整値Aを参照して、第1出力画像データが示す各画素の色成分値を調整して第2出力画像データを生成する。制御部11は、第2出力画像データを生成すると、第2出力画像生成処理を終了する。
【0072】
制御部11は、第2出力画像生成処理が終了すると、第2出力画像データに基づく画像形成処理を画像形成部7に実行させる。この結果、調整値Aによって調整された第2出力画像がシートSに形成される。第2出力画像は、第1画像データが示す色成分値を、調整値Aを参照して調整した画像データ(第2画像データ)に基づいて、画像形成部7が専用品以外のトナーカートリッジCを使用して形成した画像を示す。第2出力画像が示す第2色彩は、第3出力画像が示す第3色彩よりも第1色彩(
図4参照)に近い。第3出力画像は、調整値Aで調整されていない画像データ(第1画像データ)に基づいて、画像形成部7が専用品以外のトナーカートリッジCを使用して、シートSに形成した画像を示す。
【0073】
以上、実施形態1について説明した。本実施形態において、制御部11は、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのうちの少なくとも1つが専用品以外であると判定すると、色変換テーブルT1の調整値Aを生成する。第2出力画像が示す第2色彩は、第3出力画像が示す第3色彩よりも、第1出力画像が示す第1色彩に近い。第2出力画像は、第2画像データに基づいて、専用品以外のトナーカートリッジC(非専用トナー)を使用して形成された画像を示す。第3出力画像は、第1画像データに基づいて、画像形成部7が専用品以外のトナーカートリッジC(非専用トナー)を使用して、シートSに形成した画像を示す。第1出力画像は、第1出力画像データに基づいて、専用品のトナーカートリッジC(専用トナー)を使用して形成された画像である。したがって、画像形成装置100は、専用品以外のトナーカートリッジCを使用して形成した画像の品質を向上させることができる。
【0074】
なお、本実施形態では、制御部11が、4つの装着部61に装着されたトナーカートリッジCのうちの少なくとも1つが専用品以外であると判定すると、テスト画像形成処理を実行する場合を例に説明したが、制御部11がテスト画像形成処理を実行する場合はこれに限定されない。例えば、制御部11は、カラートナーカートリッジC1が専用品以外であり、且つ、ブラックトナーカートリッジC2が専用品であると判定した場合において、ユーザーによって指定されたジョブが、カラートナーカートリッジC1を使用して出力画像を形成するジョブである場合に、テスト画像形成処理を実行し、ユーザーによって指定されたジョブが、ブラックトナーカートリッジC2のみを使用して出力画像を形成する場合、テスト画像形成処理を実行しなくてもよい。
【0075】
あるいは、制御部11は、装着部61に装着されたトナーカートリッジCが専用品から専用品以外に変化したか否かを判定し、トナーカートリッジCが専用品から専用品以外に変化した後、画像形成部7が出力画像を形成したシートSの枚数が所定枚数以上になると、テスト画像形成処理を実行してもよい。
【0076】
所定枚数は、画像形成装置100の構成(機種)に応じて、例えば、管理者によって設定される。所定枚数は、画像形成部7によって使用されるトナーが、専用トナーから非専用トナーへ切り替わるまでの間に、画像形成部7によって出力画像が形成されるシートSの想定枚数を示す。想定枚数は、例えば、第1装着部61Yに装着されるトナーカートリッジCが専用品から専用品以外に変化した場合、第1画像形成ユニット70Yが有する現像装置73が収容するトナー(イエロー色のトナー)がすべて非専用トナーに変化するまでに、画像形成部7が出力画像の形成に使用すると想定されるシートSの枚数を示す。したがって、制御部11は、トナーの特性に応じた調整値Aを生成することができる。この結果、色彩の再現性を更に向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態において、調整値Aは、各画素の色成分値をRGB値からLab値へ変換する際に参照される場合を例に説明したが、調整値Aは、例えば、各画素の色成分値をLab値からCMYK値に変換する際に参照されてもよい。あるいは、調整値Aは、各画素の色成分値をRGB値からLab値へ変換する際、及びLab値からCMYK値に変換する際に参照されてもよい。
【0078】
また、本実施形態において、制御部11は、シートSに形成されたテスト画像の画像読取処理を読取装置4に実行させて、読取テスト画像データG3を取得する場合を例に説明したが、制御部11は、例えば、感光体ドラム74に形成されたテスト画像の画像読取処理を第1撮像素子121に撮像させて第1撮像素子121(読取部の一例)から出力される読取画像データを取得してもよい。あるいは、制御部11は、感光体ドラム74から中間転写ベルト752に転写されたトナー像を第2撮像素子122に撮像させて、第2撮像素子122(読取部の一例)から出力される読取画像データを取得してもよい。
【0079】
また、本実施形態において、画像形成部7が二次転写方式でシートSに画像を転写する場合を例に説明したが、画像形成部7は、一次転写方式でシートSに画像を転写してもよい。この場合、第2撮像素子122は、省略可能である。
【0080】
[実施形態2]
続いて、
図1〜
図7、及び
図9を参照して、実施形態2に係る画像形成装置100について説明する。実施形態2は、第2出力画像生成処理が実施形態1と異なる。以下、実施形態2について実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
【0081】
本実施形態において、制御部11は、読取テスト画像データG3の各画素の色成分の実測値(RGB値)と理論値(RGB値)との差に応じて、第2出力画像生成処理するか否かを決定する。理論値は、テスト画像データG1に基づいて算出される。以下、読取テスト画像データG3の各画素における色成分の実測値と理論値との差を「色空間における距離」と記載する。色空間における距離が大きい程、テスト画像の色彩の再現性が悪く、色空間における距離が小さい程、テスト画像の色彩の再現性が良い。
【0082】
図9は、実施形態2に係る第2出力画像生成処理を示すフローチャートである。
図9に示すように、制御部11は、色空間における距離が閾値α未満であるか否かを判定する(ステップS602)。本実施形態において、制御部11は、読取テスト画像データG3が示す画素のうち、すべての画素の色空間における距離が閾値α未満であるか否かを判定する。制御部11は、読取テスト画像データG3が示す画素のうち、すべての画素の色空間における距離が閾値α未満であると判定すると(ステップS602:Yes)、第2出力画像生成処理を終了する。一方、制御部11は、読取テスト画像データG3が示す画素のうちの少なくとも1つの画素の色空間における距離が閾値α未満ではないと判定すると(ステップS602:No)、
図8を参照して説明したのと同様に、第1出力画像データを取得し(ステップS502)、第2出力画像データを生成して(ステップS504)、第2出力画像データ生成処理を終了する。制御部11は、第2出力画像データを生成すると、第2出力画像データに基づく画像形成処理を画像形成部7に実行させる。この結果、調整値Aで調整された出力画像がシートSに形成される。
【0083】
以上、実施形態2について説明した。本実施形態によれば、制御部11は、色空間における距離が閾値α未満であると判定した場合、第2出力画像データを生成しない。換言すると、制御部11は、色空間における距離が閾値α未満でないと判定した場合にのみ、第2出力画像データを生成する。したがって、専用品以外のトナーを使用して形成された画像の品質の低下を抑制しつつ、ユーザーの利便性の低下を抑制することができる。
【0084】
なお、例えば、コピージョブのような画像形成処理に対して課金が設定されている画像形成装置100において、第2出力画像生成処理によって形成された第2出力画像データに基づく画像形成処理に対して課金するか否かを管理者が設定できるようにしてもよい。
【0085】
また、本実施形態において、制御部11は、読取テスト画像データG3が示す画素において、色空間における距離が閾値α未満である画素の数が少なくとも1つである場合に、第1出力画像データを取得したが、制御部11は、読取テスト画像データG3が示す画素において、色空間における距離が閾値α未満である画素の数が少なくとも2つである場合に、第1出力画像データを取得してもよい。
【0086】
また、本実施形態において、制御部11は、読取テスト画像データG3が示す画素のうち、すべての画素の色空間における距離が閾値α未満であるか否かを判定したが、制御部11は、読取テスト画像データG3が示す画素のうち、所定の画素の色空間における距離が閾値α未満であるか否かを判定してもよい。所定の画素は、例えば、読取テスト画像データG3が示す画素のうち、トナーの特性が変化することによって色彩が大きく変化すると想定される画素である。所定の画素は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0087】
また、本実施形態において、色空間における距離が、読取テスト画像データG3の画素の色成分の実測値(RGB値)とテスト画像データG1に基づいて算出された理論値(RGB値)との差である場合を例に説明したが、色空間における距離は、例えば、読取テスト画像データG3の各画素の色成分値を色変換テーブルT1で変換した後の色成分値(例えば、CMYK値)とテスト画像データG1に基づいて算出された理論値(例えば、CMYK値)との差であってもよい。
【0088】
以上、本発明の実施形態について、図面(
図1〜
図9)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態で示す構成や数値は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0089】
例えば、本発明の実施形態において、画像形成装置100が複合機である場合を例に説明したが、画像形成装置100は、例えば、コピー機又はプリンターであってもよい。
【0090】
また、本発明の実施形態では、カラー方式の画像形成装置100に本発明が適用される場合を例に説明したが、本発明は、例えば、モノクロ方式の画像形成装置にも適用可能である。
【0091】
また、本発明の実施形態では、電子写真方式の画像形成装置100に本発明が適用される場合を例に説明したが、本発明は、例えば、インクジェット方式の画像形成装置にも適用可能である。この場合、装着部品は、インクカートリッジである。