特許第6825596号(P6825596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6825596
(24)【登録日】2021年1月18日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20210121BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20210121BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20210121BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   H04N1/00 885
   G03G21/00 398
   G03G21/00 384
   B41J29/38
   B41J29/42 F
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-46682(P2018-46682)
(22)【出願日】2018年3月14日
(65)【公開番号】特開2019-161479(P2019-161479A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】大橋 陽
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 友佑
(72)【発明者】
【氏名】芝田 幸大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恵
(72)【発明者】
【氏名】山本 勇基
(72)【発明者】
【氏名】田垣 幸二
【審査官】 豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−022366(JP,A)
【文献】 特開2011−039937(JP,A)
【文献】 特開2016−101697(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0156799(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費電力の異なる複数の待機状態を切り替えて動作する情報処理装置であって、
予め規定された範囲内に存在する検出対象を検出する検出部と、
ユーザーの操作に応じて指示が入力される入力部と、
前記指示の入力されていない時間である無操作時間の長さを計測する計時部と、
前記検出部の検出結果と、前記無操作時間とに基づいて前記複数の待機状態を切り替える制御部と
画面画像を表示する画面を有する表示部と、
シートに印刷画像を形成する画像形成部と
を備え、
前記複数の待機状態は、第1待機状態と、前記第1待機状態よりも前記消費電力の少ない第2待機状態と、前記第2待機状態よりも前記消費電力の少ない第3待機状態とを含み、
前記制御部は、
前記第1待機状態において、前記無操作時間が第1時間継続したことを前記計時部が計測した場合、前記第1待機状態を前記第2待機状態に切り替え、
前記第2待機状態において、前記第2待機状態に切り替えた時刻から前記無操作時間が引き続き第2時間継続したことを前記計時部が計測した場合、前記第2待機状態を前記第3待機状態に切り替え、
前記第2待機状態及び前記第3待機状態のいずれか一方の待機状態において、前記検出部が前記検出対象を検出した場合、前記一方の待機状態を前記第1待機状態に切り替え、
前記検出部の検出結果に応じて前記第1待機状態に切り替えた時刻から、前記無操作時間が第3時間継続したことを前記計時部が計測した場合、前記第1待機状態を前記一方の待機状態に切り替え、
前記第1待機状態は、最小の待ち時間で前記画像形成部が前記印刷画像を形成可能なレディー状態を示し、
前記第2待機状態は、前記画面の消灯状態を含む低電力状態を示し、
前記第3待機状態は、前記消灯状態と、前記画像形成部の温度の低減状態とを含むスリープ状態を示す、情報処理装置。
【請求項2】
前記第3時間は、前記第1時間よりも短い、請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消費電力の異なる電力供給状態と電力非供給状態とを相互に遷移させる画像処理装置が知られている。このような画像処理装置として、特許文献1に記載の画像処理装置は、被動作部の不使用状態が所定時間以上継続する場合に、電力非供給状態へ遷移させる。特許文献1に記載の画像処理装置は、電力非供給状態への遷移の際にセンサーで人を検出した場合、電力非供給状態へ遷移する時期を延期できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−186720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像処理装置では、消費電力の異なる複数の電力非供給状態への遷移が可能である場合、通行人を検出したことによる電力非供給状態から電力供給状態への遷移後に、遷移前の所望の電力非供給状態と同じ状態に遷移しない可能性がある。従って、所望の電力非供給状態を維持することが困難であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、所望の省電力状態を維持する効率性を向上させることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、消費電力の異なる複数の待機状態を切り替えて動作する。前記情報処理装置は、検出部と、入力部と、計時部と、制御部とを備える。前記検出部は、予め規定された範囲内に存在する検出対象を検出する。前記入力部には、ユーザーの操作に応じて指示が入力される。前記計時部は、前記指示の入力されていない時間である無操作時間の長さを計測する。前記制御部は、前記検出部の検出結果と、前記無操作時間とに基づいて前記複数の待機状態を切り替える。前記複数の待機状態は、第1待機状態と、前記第1待機状態よりも前記消費電力の少ない第2待機状態と、前記第2待機状態よりも前記消費電力の少ない第3待機状態とを含む。前記制御部は、前記第1待機状態において、前記無操作時間が第1時間継続したことを前記計時部が計測した場合、前記第1待機状態を前記第2待機状態に切り替える。前記制御部は、前記第2待機状態において、前記第2待機状態に切り替えた時刻から前記無操作時間が引き続き第2時間継続したことを前記計時部が計測した場合、前記第2待機状態を前記第3待機状態に切り替える。前記制御部は、前記第2待機状態及び前記第3待機状態のいずれか一方の待機状態において、前記検出部が前記検出対象を検出した場合、前記一方の待機状態を前記第1待機状態に切り替える。前記制御部は、前記検出部の検出結果に応じて前記第1待機状態に切り替えた時刻から、前記無操作時間が第3時間継続したことを前記計時部が計測した場合、前記第1待機状態を前記一方の待機状態に切り替える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報処理装置によれば、所望の省電力状態を維持する効率性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置を示す構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置を示す図である。
図3】(a)及び(b)は、複数の待機状態の切替え処理を示すタイミングチャートである。
図4】(a)及び(b)は、複数の待機状態の切替え処理を示すタイミングチャートである。
図5】複数の待機状態の切替え処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1図2とを参照して、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の構成を説明する。図1は、情報処理装置100を示す構成図である。図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100を示す図である。情報処理装置100は、例えば、画像形成装置、又はパーソナルコンピューターである。以下では、情報処理装置100が画像形成装置である実施形態について説明する。画像形成装置は、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ、又はこれらの機能を兼ね備えた複合機である。
【0011】
図1に示すように、情報処理装置100は、記憶部50と、制御部10と、入力部30と、検出部20と、計時部40と、表示部60とを備える。
【0012】
記憶部50は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)によって構成される。記憶部50は、各種のデータ、制御プログラム、及びアプリケーションプログラムを記憶する。データは、例えば、各種の時間の閾値情報、待機状態を示す履歴情報、及び画像データである。制御プログラムは、情報処理装置100の各部の動作を制御するためのプログラムであり、制御部10によって実行される。
【0013】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーと、電源制御モジュールとを含むハードウェア回路である。制御部10は、記憶部50に記憶された制御プログラムをプロセッサーが読み出して実行することによって、情報処理装置100の各部の動作を制御する。また、プロセッサーは、記憶部50に記憶されたアプリケーションプログラムを読み出して実行する。電源制御モジュールは、各部の動作に必要な電力の供給を制御する。また、制御部10は、検出部20から検出結果を示す信号を受け取る。また、制御部10は、計時部40から計測結果を示す信号を受け取る。
【0014】
入力部30には、ユーザーの操作に応じて各種の指示が入力される。詳細には、入力部30は、例えば、タッチパネル機能と種々のハードウェアボタンとを有する操作パネルである。各種の指示は、例えば、原稿読取り指示、コピー印刷指示、又は各種の設定指示である。読取り指示は、原稿の画像を読み取る指示である。コピー印刷指示は、原稿をコピーして印刷する指示である。各種の設定指示は、情報処理装置100の各種の設定を変更する指示である。各種の設定は、例えば、情報処理装置100の待機状態を切り替える時間の閾値に対する設定である。
【0015】
検出部20は、予め規定された範囲内に存在する検出対象を検出する。詳細には、検出部20は、反射式センサーのような人感センサーである。検出対象は、例えば、人体である。検出部20は、例えば、操作パネルに配置される。検出部20は、投光部と受光部とを含む。検出部20は、投光部から赤外線を発して、検出対象から反射される赤外線を受光部で受けることによって、検出対象を検出する。検出部20は、予め規定された範囲に検出対象が存在することを検出し、検出結果を示す信号(以下、「検出信号」と記載することがある。)を制御部10に出力する。検出部20は、検出対象が情報処理装置100から離れると、予め規定された範囲内に検出対象が存在しないことを検出する。なお、検出部20は、可視光又は超音波を検出するセンサーであってもよい。
【0016】
計時部40は、無操作時間の長さを計測する。無操作時間は、入力部30に各種の指示が入力されていない時間を示す。計時部40は、例えば、タイマー回路である。計時部40は、計測結果を示す信号(以下、「計時信号」と記載することがある。)を制御部10に出力する。
【0017】
表示部60は、例えば、タッチパネル機能を有するディスプレーであり、操作パネルに配置される。このような表示部60は、入力部30を兼ね得る。ディスプレーは、例えば、液晶ディスプレー、又は有機ELディスプレー(Organic ElectroLuminescence display)である。
【0018】
情報処理装置100は、複数の待機状態を切り替えて動作する。複数の待機状態の各々は、消費電力が異なる。詳細には、制御部10は、検出部20の検出結果と、無操作時間とに基づいて複数の待機状態を切り替える。すなわち、制御部10は、情報処理装置100の各部の動作を制御することによって、情報処理装置100の待機状態を切り替える。なお、複数の待機状態の詳細については、図3を参照して後述する。
【0019】
図2に示すように、情報処理装置100は、図1を参照して説明した記憶部50と、制御部10と、入力部30と、検出部20と、計時部40と、表示部60とに加えて、画像形成部70と、読取部80と、給送部90と、搬送部91と、排出部92とを更に備え得る。
【0020】
表示部60は、画面画像を表示する画面61を有する。画面画像は、各種の指示を入力するための画像であり、メッセージ画像、ソフトウェアボタン画像、及びアイコン画像を含む。制御部10は、画面61の点灯状態を変更するように表示部60を制御し得る。
【0021】
読取部80は、入力部30に入力される読取り指示に応じて、原稿Gの画像を読み取る。読取部80は、読み取った画像から画像データを生成する。給送部90は、複数のシートPを収容し、搬送部91へシートPを給送する。シートPは、例えば、紙製又は合成樹脂製のシートである。搬送部91は、複数の搬送ローラー対を含み、画像形成部70にシートPを搬送する。
【0022】
画像形成部70は、電子写真方式によってシートPに印刷画像(例えば、原稿Gの画像)を形成し、印刷画像を加熱及び加圧してシートPに印刷画像を定着させる。具体的には、画像形成部70は、感光体ドラムと、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写装置と、クリーニング装置と、除電装置と、定着装置71とを含む。定着装置71は、シートPを加熱及び加圧することによって未定着のトナー(印刷画像を示すトナー画像)を溶融させ、シートPにトナーを定着させる。制御部10は、例えば、定着装置71の温度を変更するように画像形成部70を制御し得る。
【0023】
搬送部91は、印刷画像の定着されたシートPを排出部92に搬送する。排出部92は、情報処理装置100の外部にシートPを排出する。
【0024】
続いて、図1図2とを参照しつつ、図3を更に参照して、情報処理装置100の構成の詳細と、複数の待機状態Sの詳細とについて説明する。図3(a)及び(b)は、情報処理装置100における複数の待機状態Sの切替え処理を示すタイミングチャートである。
【0025】
複数の待機状態Sは、第1待機状態S1と、第2待機状態S2と、第3待機状態S3とを含む。図3(a)は、制御部10が第2待機状態S2(時刻TM2〜時刻TM3)から第1待機状態S1へ検出信号Dに応じて待機状態Sを切り替える場合を示す。図3(b)は、制御部10が第3待機状態S3(時刻TM5〜時刻TM6)から第1待機状態S1へ検出信号Dに応じて待機状態Sを切り替える場合を示す。
【0026】
第1待機状態S1は、例えば、消費電力Wが通常値である状態(以下、「通常状態」と記載することがある。)を示す。第1待機状態S1の消費電力Wは、例えば、消費電力W1である。通常状態は、例えば、レディー状態である。レディー状態は、最小の待ち時間で画像形成部70がシートPに印刷画像を形成可能な状態である。すなわち、レディー状態において入力部30に各種の印刷指示(例えば、コピー印刷指示、又は、情報処理装置100のステータス印刷指示)が入力された場合、画像形成部70は、レディー状態以外の待機状態Sよりも短い時間でシートPに印刷画像を形成する。
【0027】
第2待機状態S2は、第1待機状態S1よりも消費電力Wの少ない状態を示す。詳細には、第2待機状態S2の消費電力Wは、例えば、消費電力W2である。第1待機状態S1が通常状態である実施形態において、第2待機状態S2は、通常状態よりも消費電力Wが少ない省電力状態を示す。省電力状態において、電源制御モジュールは、情報処理装置100の各部への電力の供給量を通常状態よりも低減させる。第2待機状態S2は、例えば、低電力状態である。低電力状態は、省電力状態の一例であり、表示部60の画面61の消灯状態を含む。消灯状態は、例えば、表示部60が、液晶ディスプレーのバックライトを消灯した状態を示す。
【0028】
第3待機状態S3は、第2待機状態S2よりも消費電力Wの少ない状態を示す。詳細には、第3待機状態S3の消費電力Wは、例えば、消費電力W3である。第3待機状態S3は、例えば、スリープ状態である。スリープ状態は、省電力状態の一例であり、表示部60の消灯状態と、画像形成部70の温度の低減状態とを含む。画像形成部70の温度の低減状態は、第1待機状態S1及び第2待機状態S2よりも、例えば、定着装置71の温度を低減させた状態を示す。
【0029】
図3(a)に示すように、制御部10は、第1待機状態S1において、無操作時間Nが第1時間T1継続したことを計時部40が計測した場合、第1待機状態S1を第2待機状態S2に切り替える。具体的には、第1時間T1は、時刻TM1から時刻TM2までの時間Tを示す。第1時間T1は、例えば、3分である。計時部40は、無操作時間Nが第1時間T1継続したことを計測すると、計時信号を制御部10に出力する。制御部10は、計時信号に基づいて第1待機状態S1を第2待機状態S2に切り替える。
【0030】
さらに、図3(b)に示すように、制御部10は、第2待機状態S2において、第2待機状態S2に切り替えた時刻TM2から無操作時間Nが引き続き第2時間T2継続したことを計時部40が計測した場合、第2待機状態S2を第3待機状態S3に切り替える。具体的には、第2時間T2は、時刻TM2から時刻TM5までの時間Tを示す。計時部40は、無操作時間Nが第2時間T2継続したことを計測すると、計時信号を制御部10に出力する。制御部10は、計時信号に基づいて第2待機状態S2を第3待機状態S3に切り替える。
【0031】
なお、第1時間T1と、第2時間T2とは、ユーザーの操作に応じて情報処理装置100に設定されてもよいし、デフォルトで予め設定されていてもよい。通常状態への復帰時間を短くすることを優先する場合(例えば、スリープ状態よりも低電力状態を優先する場合)、第2時間T2を長くするように入力部30を介して設定を変更すればよい。例えば、第2時間T2は、240分である。情報処理装置100の消費電力Wを低減させることを優先する場合(例えば、スリープ状態を優先する場合)、第2時間T2を短くするように入力部30を介して設定を変更すればよい。例えば、第2時間T2は、3分である。
【0032】
制御部10は、第2待機状態S2及び第3待機状態S3のいずれか一方の待機状態Sにおいて、検出部20が検出対象を検出した場合、待機状態Sを第1待機状態S1に切り替える。詳細には、検出部20は、検出信号Dを制御部10に出力する。制御部10は、検出信号Dに応じて待機状態Sを第1待機状態S1に切り替える。記憶部50には、第1待機状態S1に切り替える直前の待機状態S(以下、「元の待機状態S」、又は「元の省電力状態」と記載することがある。)を示す履歴情報が記憶される。
【0033】
例えば、図3(a)に示すように、制御部10は、第2待機状態S2において時刻TM3に検出信号Dを受け取ると、第2待機状態S2を第1待機状態S1に切り替える。一方、例えば、図3(b)に示すように、制御部10は、第3待機状態S3において時刻TM6に検出信号Dを受け取ると、第3待機状態S3を第1待機状態S1に切り替える。
【0034】
制御部10は、検出部20の検出結果に応じて第1待機状態S1に切り替えた時刻から、無操作時間Nが第3時間T3継続したことを計時部40が計測した場合、第1待機状態S1を元の待機状態Sに切り替える。具体的には、制御部10は、検出信号Dに応じて第1待機状態S1に切り替えた場合、かつ、第1待機状態S1に切り替えた時刻から無操作時間Nが第3時間T3(例えば、3分)継続した場合に、計時部40から計時信号を受け取る。制御部10は、複数の待機状態Sのうちの元の待機状態Sに第1待機状態S1を切り替える。
【0035】
例えば、図3(a)に示すように、制御部10は、検出信号Dに応じて第1待機状態S1に切り替えた時刻TM3から時刻TM4まで無操作時間Nが継続すると、元の待機状態Sである第2待機状態S2に第1待機状態S1を切り替える。また、例えば、図3(b)に示すように、制御部10は、検出信号Dに応じて第1待機状態S1に切り替えた時刻TM6から時刻TM7まで無操作時間Nが継続すると、元の待機状態Sである第3待機状態S3に第1待機状態S1を切り替える。
【0036】
なお、第3時間T3は、デフォルトで予め短い時間として設定されることが好ましい。例えば、第3時間T3が第1時間T1以上であっても、制御部10は、検出信号Dに応じて第1待機状態S1に切り替えた時刻から無操作時間Nが継続する場合、第1時間T1よりも第3時間T3による無操作時間Nの継続を優先する。すなわち、制御部10は、第1時間T1の経過を無視して、第3時間T3の経過に従って元の待機状態Sへの切替え処理を実行する。
【0037】
以上、図1図3を参照して説明したように、本実施形態によれば、情報処理装置100は、消費電力Wの異なる複数の待機状態Sを切り替えて動作する。制御部10は、第1待機状態S1において、無操作時間Nが第1時間T1継続した場合、第1待機状態S1を第2待機状態S2に切り替える。制御部10は、第2待機状態S2において、第2待機状態S2に切り替えた時刻TM2から無操作時間Nが引き続き第2時間T2継続した場合、第2待機状態S2を第3待機状態S3に切り替える。制御部10は、第2待機状態S2及び第3待機状態S3のいずれか一方の待機状態Sにおいて検出部20が検出対象を検出した場合、第1待機状態S1に切り替える。制御部10は、検出部20の検出結果に応じて第1待機状態S1に切り替えた時刻から、無操作時間Nが第3時間T3継続した場合、第1待機状態S1を元の待機状態Sに切り替える。このようにして、例えば、通行人を検出したことによる第1待機状態S1への切り替え後に一定時間経過した場合、制御部10は、待機状態Sを元の省電力状態に戻すことができる。従って、ユーザーの意図しない第1待機状態S1への切り替え後であっても、切り替え前に維持していた所望の省電力状態へ、他の省電力状態を経由することなく待機状態Sを戻すことができる。その結果、所望の省電力状態を維持する効率性を向上させることができる。
【0038】
なお、本実施形態によれば、情報処理装置100は、表示部60と、画像形成部70とを更に備えることが好ましい。第1待機状態S1、第2待機状態S2、及び第3待機状態S3は、それぞれレディー状態、低電力状態、及びスリープ状態であり得る。レディー状態は、最小の待ち時間で画像形成部70が印刷画像を形成可能な状態である。低電力状態は、表示部60の消灯状態を含む。スリープ状態は、表示部60の消灯状態と、画像形成部70の温度の低減状態とを含む。従って、消費電力Wの比較的大きな通常状態から所望の省電力状態へ待機状態Sを効率良く戻すことができる。
【0039】
また、図4(a)及び(b)に示すように、第3時間T3は、第1時間T1よりも短いことが好ましい。図4(a)及び(b)は、複数の待機状態Sの切替え処理を示すタイミングチャートである。図4(a)は、図3(a)を参照して説明した切替え処理と同様に、制御部10が第2待機状態S2(時刻TM2〜時刻TM3)から第1待機状態S1へ検出信号Dに応じて待機状態Sを切り替える場合を示す。図4(b)は、図3(b)を参照して説明した切替え処理と同様に、制御部10が第3待機状態S3(時刻TM5〜時刻TM6)から第1待機状態S1へ検出信号Dに応じて待機状態Sを切り替える場合を示す。
【0040】
例えば、第1時間T1、及び第3時間T3は、それぞれ3分、及び1分である。制御部10は、検出部20の検出結果に応じて第1待機状態S1に切り替えた時刻(図4(a)に示す時刻TM3、又は図4(b)に示す時刻TM6)から無操作時間Nが第3時間T3継続した場合、第1時間T1(図4(a)に示す時刻TM3〜TM8、又は図4(b)に示す時刻TM6〜TM9)よりも短い時間で第1待機状態S1を元の待機状態Sへ切り替える。このようにして、情報処理装置100は、所望の省電力状態である元の待機状態Sに早期に復帰できる。従って、情報処理装置100の消費電力Wを低減するとともに、ユーザーが情報処理装置100を使用する利便性を向上させることができる。
【0041】
続いて、図1図5を参照して、情報処理装置100の動作を説明する。図5は、複数の待機状態Sの切替え処理を示すフローチャートである。ステップS101〜ステップS133が実行されることによって、情報処理装置100は、複数の待機状態Sの切替え処理を実行する。具体的には、以下の通りである。
【0042】
ステップS101において、制御部10は、第1待機状態S1を実行する。処理は、ステップS103に進む。
【0043】
次に、ステップS103において、計時部40は、第1待機状態S1における無操作時間Nを計測する。計時部40は、計時信号を制御部10に出力する。処理は、ステップS105に進む。
【0044】
次に、ステップS105において、制御部10は、無操作時間Nが第1時間T1継続したか否かを計時信号に基づいて判定する。第1時間T1継続した場合(ステップS105でYes)に、処理はステップS107に進む。一方、第1時間T1継続していない場合(ステップS105でNo)に、制御部10は、処理をステップS101へ進め、第1待機状態S1の実行を継続する。
【0045】
ステップS105でYesの場合に、ステップS107において、制御部10は、第2待機状態S2を実行する。すなわち、制御部10は、第1待機状態S1を第2待機状態S2に切り替える。処理は、ステップS109に進む。
【0046】
次に、ステップS109において、制御部10は、検出対象が検出されたか否かを検出信号Dに基づいて判定する。検出対象が検出された場合(ステップS109でYes)に、処理はステップS111に進む。一方、検出対象が検出されていない場合(ステップS109でNo)に、処理はステップS119に進む。
【0047】
ステップS109でYesの場合に、ステップS111において、制御部10は、第1待機状態S1を実行する。すなわち、制御部10は、第2待機状態S2を第1待機状態S1に切り替える。処理は、ステップS113に進む。
【0048】
次に、ステップS113において、計時部40は、第1待機状態S1における無操作時間Nを計測する。計時部40は、計時信号を制御部10に出力する。処理は、ステップS115に進む。
【0049】
次に、ステップS115において、制御部10は、無操作時間Nが第3時間T3継続したか否かを計時信号に基づいて判定する。第3時間T3継続した場合(ステップS115でYes)に、処理はステップS117に進む。一方、第3時間T3継続していない場合(ステップS115でNo)に、制御部10は、無操作時間Nが第3時間T3継続するまでS115を繰り返す。
【0050】
ステップS115でYesの場合に、ステップS117において、制御部10は、第2待機状態S2を実行する。すなわち、制御部10は、第1待機状態S1を第2待機状態S2に切り替える。そして、処理は終了する。
【0051】
ステップS109でNoの場合に、ステップS119において、計時部40は、第2待機状態S2における無操作時間Nを計測する。計時部40は、計時信号を制御部10に出力する。処理は、ステップS121に進む。
【0052】
次に、ステップS121において、制御部10は、無操作時間Nが第2時間T2継続したか否かを計時信号に基づいて判定する。第2時間T2継続した場合(ステップS121でYes)に、処理はステップS123に進む。一方、第2時間T2継続していない場合(ステップS121でNo)に、制御部10は、処理をステップS107へ進め、第2待機状態S2の実行を継続する。
【0053】
ステップS121でYesの場合に、ステップS123において、制御部10は、第3待機状態S3を実行する。すなわち、制御部10は、第2待機状態S2を第3待機状態S3に切り替える。処理は、ステップS125に進む。
【0054】
次に、ステップS125において、制御部10は、検出対象が検出されたか否かを検出信号Dに基づいて判定する。検出対象が検出された場合(ステップS125でYes)に、処理はステップS127に進む。一方、検出対象が検出されていない場合(ステップS125でNo)に、制御部10は、処理をステップS123へ進め、第3待機状態S3の実行を継続する。
【0055】
ステップS125でYesの場合に、ステップS127において、制御部10は、第1待機状態S1を実行する。すなわち、制御部10は、第3待機状態S3を第1待機状態S1に切り替える。処理は、ステップS129に進む。
【0056】
次に、ステップS129において、計時部40は、第1待機状態S1における無操作時間Nを計測する。計時部40は、計時信号を制御部10に出力する。処理は、ステップS131に進む。
【0057】
次に、ステップS131において、制御部10は、無操作時間Nが第3時間T3継続したか否かを計時信号に基づいて判定する。第3時間T3継続した場合(ステップS131でYes)に、処理はステップS133に進む。一方、第3時間T3継続していない場合(ステップS131でNo)に、制御部10は、無操作時間Nが第3時間T3継続するまでS131を繰り返す。
【0058】
ステップS131でYesの場合に、ステップS133において、制御部10は、第3待機状態S3を実行する。すなわち、制御部10は、第1待機状態S1を第3待機状態S3に切り替える。そして、処理は終了する。
【0059】
以上、図面(図1図5)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の消費電力の大きさ、時間の長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の時間、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0060】
(1)図1図2とを参照して説明した検出部20は、反射式センサーであったが、本発明はこれに限られない。検出部20は、例えば、焦電式センサー又は、カメラであってもよい。焦電式センサーは、人体が動くことで生じる熱(赤外線量)の変化を検出する。カメラは、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーのような撮像素子を含む。
【0061】
(2)図1図5を参照して説明した入力部30は、操作パネルであったが、本発明はこれに限られない。入力部30は、情報処理装置100の各部を動作させる指示が入力され得る構成でありさえすればよい。情報処理装置100が通信部を更に備える実施形態において、外部装置から通信部に指示が入力されてもよい。このような実施形態において、通信部は、入力部30の一例に相当する。通信部は、ネットワークを介して各種の外部装置との間で有線又は無線通信可能に接続され、各種の信号及びデータを送受信する。指示は、例えば、情報処理装置100に印刷処理を実行させる印刷ジョブである。
【0062】
(3)図1図5を参照して説明した第1待機状態S1は、通常状態(例えば、レディー状態)であったが、本発明はこれに限られない。第1待機状態S1は、第2待機状態S2と第3待機状態S3とよりも消費電力Wの多い待機状態Sでありさえすればよい。第1待機状態S1は、例えば、第2待機状態S2と、第3待機状態S3とは異なる省電力状態であってもよい。省電力状態は、低電力状態と、スリープ状態とには限られず、その他の待機状態Sもあり得る。
【0063】
(4)図2を参照して説明した情報処理装置100は、電子写真方式の複合機であったが、本発明はこれに限られない。情報処理装置100が画像形成装置である実施形態において、情報処理装置100は、シートPに印刷画像を形成可能な構成でありさえすればよい。情報処理装置100は、例えば、インクジェット記録方式のプリンターであってもよい。例えば、情報処理装置100がインクジェット記録方式のプリンターである場合、画像形成部70は、記録ヘッドを含み得る。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、情報処理装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
100 情報処理装置
10 制御部
20 検出部
30 入力部
40 計時部
N 無操作時間
S、S1、S2、S3 待機状態
T、T1、T2、T3 時間
TM1〜TM9 時刻
W 消費電力
図1
図2
図3
図4
図5