【文献】
池田圭一,AirStationαで何ができるのか?,NETWORK magazine,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2008年 6月26日,第13巻、第8号,第100-101ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線中継装置と前記サービス識別情報に基づき接続された第1の無線端末の第1の位置情報と、当該第1の無線端末と当該無線中継装置との無線通信における第1の品質情報とを、当該無線中継装置から受信する受信部と、
前記第1の位置情報及び前記第1の品質情報と、自己と前記サービス識別情報に基づき接続された第2の無線端末の第2の位置情報及び自己と前記第2の無線端末との無線通信の第2の品質情報とを用いて、前記第1及び第2の無線端末、前記無線中継装置及び自己の受信レベルマップを生成し、前記第1及び第2の無線端末のうち特定の無線端末の位置情報の変化を検出した場合に、前記受信レベルマップを参照して当該特定の無線端末の移動後の接続先を予測し、当該予測した接続先への切り替えを制御する切替制御部と、
を備える無線基地局。
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線中継装置と前記サービス識別情報に基づき接続された第1の無線端末の第1の位置情報と、当該第1の無線端末と当該無線中継装置との無線通信における第1の品質情報とを、当該無線中継装置から受信し、
前記第1の位置情報及び前記第1の品質情報と、自己と前記サービス識別情報に基づき接続された第2の無線端末の第2の位置情報及び自己と前記第2の無線端末との無線通信の第2の品質情報とを用いて、前記第1及び第2の無線端末、前記無線中継装置及び自己の受信レベルマップを生成し、前記第1及び第2の無線端末のうち特定の無線端末の位置情報の変化を検出した場合に、前記受信レベルマップを参照して当該特定の無線端末の移動後の接続先を予測し、当該予測した接続先への切り替えを制御する、
無線基地局における無線通信方法。
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線中継装置と前記サービス識別情報に基づき接続された第1の無線端末の第1の位置情報と、当該第1の無線端末と当該無線中継装置との無線通信における第1の品質情報とを、当該無線中継装置から受信する受信処理と、
前記第1の位置情報及び前記第1の品質情報と、自己と前記サービス識別情報に基づき接続された第2の無線端末の第2の位置情報及び自己と前記第2の無線端末との無線通信の第2の品質情報とを用いて、前記第1及び第2の無線端末、前記無線中継装置及び自己の受信レベルマップを生成し、前記第1及び第2の無線端末のうち特定の無線端末の位置情報の変化を検出した場合に、前記受信レベルマップを参照して当該特定の無線端末の移動後の接続先を予測し、当該予測した接続先への切り替えを制御する切替制御処理と、
をコンピュータに実行させる無線通信プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0017】
<実施の形態1>
ここで、本実施の形態が解決しようとする課題について改めて説明する。
図18は、課題の発生を説明するための図である。無線LAN親機930は、ホームゲートウェイ220を介してインターネット210と接続されている。また、無線LAN親機930は、SSID_Xが設定されており、SSID_Xを含めたビーコン信号を出力する。無線LAN中継機940は、無線LAN親機930と無線接続することにより、ホームゲートウェイ220を介してインターネット210と接続されている。そして、無線LAN中継機940は、無線LAN親機930に設定されているSSIDと同一のSSID_Xが設定されており、SSID_Xを含めたビーコン信号を出力する。
【0018】
無線子機250aは、地点Aに存在しているものとする。無線子機250aは、無線LAN親機930又は無線LAN中継機940のいずれか一方と無線接続し、接続先を介して、インターネット210と通信が可能となる。ここで、無線子機250aは、SSID_Xが示す無線LAN機器と接続するように設定されているものとする。そして、地点Aにおいて、無線子機250aは、無線LAN親機930及び無線LAN中継機940の両方からビーコン信号を受信可能であるものとする。
【0019】
この場合、無線子機250aは、双方のビーコン信号に共通のSSID_Xが含まれることを検出し、無線LAN親機930から受信した信号の受信レベルと無線LAN中継機940から受信した信号の受信レベルとを比較する。そして、無線子機250aは、比較の結果、受信レベルがより大きい無線LAN機器と無線接続を行う。ここで、
図19は、無線子機の移動前後の無線信号の受信レベルの例を示す図である。この場合、無線子機250aは、地点Aにおいて無線LAN中継機940の受信レベルが高いと判定し、無線LAN中継機940と無線接続する。
【0020】
その後、無線子機250aは、地点Aから地点Bへ移動したものとする。尚、無線子機250aは、地点Bにおいては無線子機250bとして示すものとする。そして、地点Bにおいて、無線子機250bは、無線LAN親機930及び無線LAN中継機940の両方から無線信号を受信可能であるものとする。また、
図19の例のように、無線子機250bは、地点Bにおいて無線LAN中継機940と比べて無線LAN親機930の方が受信レベルが高いと判定するものとする。しかしながら、無線子機250bは、既に接続済みの無線LAN中継機940との接続を維持する。そのため、無線子機250bは、無線LAN中継機940との帰属関係が解消されず、より受信レベルの高い無線LAN親機930と直接接続することができない。よって、無線子機250bは、相対的に不安定な無線通信環境に接続されて続けてしまう。このように、既存の無線通信システムでは、適切な無線ハンドオーバが行われず、最適な無線通信ができない場合がある。本実施の形態は、このような課題を解決するためになされたものであり、以下に説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態1にかかる無線通信システム1000の全体構成を示すブロック図である。無線通信システム1000は、無線基地局1と、無線中継装置2と、無線端末3とを備える。無線基地局1は、外部ネットワークと接続され、無線中継装置2及び無線端末3と無線接続することにより、外部ネットワークとの通信を実現する無線通信装置である。また、無線基地局1は、無線通信における親機である。無線基地局1は、SSID等のサービス識別情報11が設定されている。無線中継装置2は、無線端末3が無線基地局1と直接接続できないか、電波状況が悪い場合のために、無線端末3と無線基地局1との無線通信を中継するための無線通信装置である。また、無線中継装置2は、サービス識別情報21が設定されている。サービス識別情報21は、サービス識別情報11と同一の値である。無線端末3は、無線基地局1又は無線中継装置2のいずれか一方と無線接続して、外部ネットワークと通信を行う無線通信装置である。また、無線端末3は、無線通信における子機である。尚、無線通信の方式として無線LANが挙げられるが、これに限定されない。
【0022】
すなわち、無線端末3は、同一のサービス識別情報が設定された無線基地局1又は無線中継装置2のいずれか一方と、サービス識別情報に基づき接続されるものである。サービス識別情報に基づく接続とは、例えば、無線端末3が指定されたSSIDが示す無線通信装置と無線接続されることを示す。そして、上述したように、無線端末3は、当初、無線基地局1及び無線中継装置2のうち受信レベルの高い装置と接続を確立する。
【0023】
無線中継装置2は、無線端末3との無線通信における第1の品質情報を無線基地局1へ送信する。ここで、無線端末3が無線中継装置2と接続されている場合、無線中継装置2は、無線端末3から無線中継装置2への無線信号を受信し、受信信号の計測結果を第1の品質情報とする。また、無線端末3が無線基地局1と接続されている場合であっても、無線中継装置2は、無線端末3から無線基地局1への無線信号を監視するものとする。そして、無線中継装置2は、自己において受信される当該無線信号の計測結果を、無線中継装置2と無線端末3との無線通信における第1の品質情報として検出するものとする。
【0024】
無線基地局1は、受信部12と、切替制御部13とを備える。受信部12は、無線中継装置2から第1の品質情報を受信する。切替制御部13は、第1の品質情報と、無線基地局1と無線端末3との無線通信の第2の品質情報とに基づいて、無線端末3における無線通信の接続先の切り替えを制御する。ここで、無線端末3が無線基地局1と接続されている場合、無線基地局1は、無線端末3から無線基地局1への無線信号を受信し、受信信号の計測結果を第2の品質情報とする。また、無線端末3が無線中継装置2と接続されている場合であっても、無線基地局1は、無線端末3から無線中継装置2への無線信号を監視するものとする。そして、無線基地局1は、自己において受信される当該無線信号の計測結果を、無線基地局1と無線端末3との無線通信における第2の品質情報として検出するものとする。尚、第1の品質情報及び第2の品質情報とは、例えば、信号の誤り率、RSSI(Received Signal Strength Indication)、無線リンク速度、又は、実行スループット等の少なくとも1つが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
ここで、無線端末3における無線通信の接続先の切り替えの制御とは、次のようなものである。例えば、無線端末3の現在の接続先における無線端末3からの無線信号の受信レベルが、非接続先における受信レベルより低くなった場合に、切替制御部13は、無線端末3における無線通信の接続先の切り替えが必要と判定する。そして、切替制御部13は、上記非接続先を、無線端末3の新たな接続先として決定する。そして、切替制御部13は、現在の接続先における無線端末3との接続を切断する。例えば、現在の接続先が無線中継装置2である場合、切替制御部13は、無線中継装置2に対して接続の切断要求を送信して、無線中継装置2において接続を切断させる。また、現在の接続先が無線基地局1である場合、切替制御部13は、無線基地局1と無線端末3との接続を切断する。これにより、無線端末3は、再度、無線基地局1及び無線中継装置2のうち、現時点でより受信レベルの高い無線機器を新たな接続先として選択し、新たな接続先との無線接続を確立する。
【0026】
図2は、本実施の形態1にかかる無線通信方法のうち無線中継装置2の処理の流れを示すフローチャートである。無線中継装置2は、第1の品質情報を無線基地局1へ送信する(S11)。
【0027】
図3は、本実施の形態1にかかる無線通信方法のうち無線基地局1の処理の流れを示すフローチャートである。無線基地局1の受信部12は、第1の品質情報を無線中継装置2から受信する(S21)。そして、無線基地局1の切替制御部13は、第1の品質情報と第2の品質情報とに基づいて、無線端末3における無線通信の接続先の切り替えを制御する(S22)。
【0028】
以上のことから、同一のサービス識別情報が設定された無線基地局と無線中継装置とのいずれか一方と無線端末が接続され、無線端末の移動等により無線信号の受信状況が劣化した場合であっても、無線端末がより受信状況の良い無線機器と接続できるようになる。そのため、本実施の形態により、無線ハンドオーバを適切に行うことができる。
【0029】
<実施の形態2>
本実施の形態2は、上述した実施の形態1の一実施例である。すなわち、本実施の形態2にかかる無線中継装置は、自己と2以上の前記無線端末のそれぞれとの無線通信における2以上の前記第1の品質情報を多重化して前記無線基地局へ送信するものである。同様に、本実施の形態2にかかる無線基地局の前記受信部は、前記無線中継装置と2以上の前記無線端末のそれぞれとの無線通信における2以上の前記第1の品質情報が多重化された情報を、前記無線中継装置から受信するものである。これにより、複数の無線端末が帰属している場合であっても、無線中継装置と無線基地局の間の通信量を抑制しつつ、複数の無線端末の品質情報を効率的に無線基地局へ集約することができる。
【0030】
また、前記切替制御部は、前記無線端末が前記無線中継装置と接続されている間に、前記第1の品質情報が前記第2の品質情報より劣化していると判定した場合に、前記無線基地局を前記接続先として決定する。そして、前記切替制御部は、前記無線中継装置に対して前記無線端末との接続の切断要求を送信することが望ましい。これにより、無線端末と接続中の無線中継装置において無線通信の品質が劣化した場合であっても、速やかに接続先の切り替えを促すことができる。
【0031】
さらに、前記第1の品質情報は、少なくとも前記無線中継装置と前記無線端末との無線通信における誤り率及び受信レベルを含むとよい。また、前記第2の品質情報は、少なくとも前記無線基地局と前記無線端末との無線通信における受信レベルを含むとよい。この場合、前記切替制御部は、前記第1の品質情報に含まれる前記誤り率の変化と、前記第1の品質情報に含まれる前記受信レベルと前記第2の品質情報に含まれる前記受信レベルとの比較結果により、前記接続先の切り替え要否を判定するとよい。そして、前記切替制御部は、前記接続先の切り替えが必要と判定された場合に、現在の前記接続先における前記無線端末との接続を切断するように制御するとよい。これにより、接続先の切り替えの判定を精度良く実現できる。
【0032】
さらに、前記無線中継装置は、前記無線中継装置の識別情報、自己の上位に接続される装置の識別情報、及び、自己の接続順序を示す情報をビーコン信号に含めて出力するとよい。また、前記無線基地局は、当該無線基地局の識別情報をビーコン信号に含めて出力するとよい。これにより、無線中継装置が多段に接続される場合であっても、ビーコン信号を通じて通信負荷を高めずに上位及び下位の接続関係を共有することができる。
【0033】
また、前記無線中継装置は、前記第1の品質情報を無線LAN規格に規定されるフレームに含めて前記無線基地局へ送信するとよい。同様に、無線基地局の前記受信部は、前記第1の品質情報を含めた無線LAN規格に規定されるフレームを、前記無線中継装置から受信するとよい。この場合、前記切替制御部は、前記無線中継装置から受信した前記フレームの中から前記第1の品質情報を検出し、自己と前記無線端末との無線通信を監視して前記第2の品質情報を検出するとよい。さらに、前記切替制御部は、前記検出した第1及び第2の品質情報に基づいて前記接続先の切り替えを制御するとよい。これにより、既存の無線LAN規格を流用できるため、本実施形態を適用するにあたっての改修コストを抑えることができる。
【0034】
図4は、本実施の形態2にかかる無線通信システム2000の全体構成を示すブロック図である。無線通信システム2000は、インターネット210と、ホームゲートウェイ220と、無線LAN親機230と、無線LAN中継機240と、無線子機251、252、253・・・とを備える。インターネット210は、外部ネットワークの一例である。ホームゲートウェイ220は、インターネット210と接続された通信装置である。
【0035】
無線LAN親機230は、上述した無線基地局1の一例であり、無線LANの親機である無線LANアクセスポイントの機能を有する。また、無線LAN親機230は、ホームゲートウェイ220とLAN等の通信ネットワークにより通信可能である。そのため、無線LAN親機230は、ホームゲートウェイ220を介してインターネット210と接続されている。また、無線LAN親機230は、サービス識別情報の一例であるSSID231が設定されている。
【0036】
無線LAN中継機240は、上述した無線中継装置2の一例であり、無線LANの中継機能を有する。また、無線LAN中継機240は、無線LAN親機230と無線接続することで、インターネット210と接続される。また、無線LAN中継機240は、SSID231と同一のSSID241が設定されている。そして、無線LAN中継機240は、無線子機251〜253と無線LAN親機230との無線通信を中継することができる。つまり、無線LAN中継機240は、無線LAN親機230に帰属している。尚、無線LAN中継機240は、複数台で多段に無線接続されていてもよい。
【0037】
無線子機251〜253は、上述した無線端末3の一例であり、無線LANの子機の機能を有している。また、無線子機251〜253は、少なくとも1台以上であればよい。無線子機251〜253のそれぞれは、無線通信の接続先としてSSID231(すなわち、SSID241と同じ値)が指定されているものとする。そのため、無線子機251〜253のそれぞれは、無線LAN親機230又は無線LAN中継機240のいずれか一方と接続され、これらを介してインターネット210と通信可能である。
【0038】
尚、ホームゲートウェイ220、無線LAN親機230、無線LAN中継機240、並びに、無線子機251〜253の各部は、専用のハードウェアデバイス又は論理回路によって構成されても良い。または、ホームゲートウェイ220、無線LAN親機230、無線LAN中継機240、並びに、無線子機251〜253の各部は、CPU(Central Processing Unit)を用いて実行されるコンピュータプログラムの制御により動作する一般的な情報処理装置により構成されても良い。
【0039】
ここで、無線LAN親機230及び無線LAN中継機240は、既存の無線LAN規格に規定される無線LANフレームに独自のエレメントを含めて、無線信号の送受信を行う。
図5は、本実施の形態2にかかるビーコンの無線LANフレームの例を示す図である。まず、前提として、ビーコンの無線LANフレームは、フレーム本体にSSIDが含まれる。そして、無線LAN親機230及び無線LAN中継機240は、定期的にビーコン信号を出力することで、周囲へ自己のSSIDを通知することができる。
【0040】
そして、無線LANフレームのフレーム本体には、Vendor Specification Element領域が含まれる。Vendor Specification Element領域は、ベンダー独自の情報を記載する場合に配置可能な領域である。Vendor Specification Elementは、Element ID、Length、Organization Identifier 及びVendor-specific Contentにより構成され、このVendor-specific Content領域がベンダー独自の情報を記載可能な領域である。本実施の形態では、フレームのVendor-specific Content領域に、無線LAN親機230又は無線LAN中継機240に応じた独自エレメントの情報を記載する。具体的には、無線LAN親機230は、Vendor-specific Content領域に少なくとも自己の識別情報である親機IDを設定する。また、無線LAN中継機240は、Vendor-specific Content領域に少なくとも自己の識別情報である中継機ID、自己の上位に接続される装置の識別情報、及び、自己の接続順序を示す情報を設定する。ここで、「自己の上位に接続される装置の識別情報」とは例えば、接続する親機又は上位の中継機のMacアドレス等である。また、「自己の接続順序を示す情報」とは例えば、中継機の上位/下位の順位ID等である。
【0041】
図6は、本実施の形態2にかかる無線LAN中継機240の品質情報送信処理の流れを説明するためのフローチャートである。まず、無線LAN中継機240は、各無線子機251〜253との無線通信の品質を計測する(S101)。例えば、無線LAN中継機240は、無線通信の品質として、無線子機から受信した無線信号の誤り率やRSSI等を計測する。
【0042】
次に、無線LAN中継機240は、無線子機ごとの計測結果を子機情報として設定した無線LANフレームを生成する(S102)。そして、無線LAN中継機240は、生成した無線LANフレームを無線LAN親機230へ送信する(S103)。
【0043】
ここで、
図7は、本実施の形態2にかかる無線LAN親機230及び無線LAN中継機240の間で通信する無線LANフレームの例を示す図である。Vendor-specific Content領域には、子機情報CA、CB・・・CXが設定されていることを示す。子機情報CAには、子機AのMacアドレス、誤り率/RSSIレベル、及び、子機Aの接続先IDが少なくとも含まれる。誤り率/RSSIレベルは、無線LAN中継機240が子機Aとの無線通信の品質を計測したことより得られた品質情報の一例である。子機Aの接続先IDは、子機Aと無線接続が確立している無線機器の識別情報であり、例えば、無線LAN親機230又は無線LAN中継機240のMacアドレス等である。尚、子機情報CB、・・・CXも子機情報CAと同様である。
【0044】
図8は、本実施の形態2にかかる無線LAN親機230の切替制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。まず、無線LAN親機230は、無線LAN中継機240から上述した無線LANフレームを受信する(S111)。そして、無線LAN親機230は、受信した無線LANフレーム内の各子機情報から品質情報を検出する(S112)。
【0045】
また、ステップS111及びS112と並行して、無線LAN親機230は、自己が受信した各無線子機からの無線信号の品質を計測する(S113)。そして、無線LAN親機230は、各無線子機の品質情報を検出する(S114)。つまり、無線LAN親機230は、計測結果を品質情報とする。
【0046】
その後、無線LAN親機230は、無線子機ごとに誤り率の変化を検出する(S115)。例えば、無線LAN親機230は、無線子機251について無線LAN中継機240側で検出された誤り率の履歴と比較して、誤り率の増減を判定する。尚、このとき、無線LAN親機230は、無線子機251について無線LAN親機230側で検出された誤り率に基づいて、誤り率の増減を判定してもよい。すなわち、無線LAN親機230は、無線子機251について無線LAN親機230側で検出された誤り率の履歴と比較して、誤り率の増減を判定する。そして、これらについて、無線子機252及び253等についても同様に行う。
【0047】
ステップS115と並行して、無線LAN親機230は、無線子機ごとに無線LAN中継機240側で検出された受信レベルと、無線LAN親機230側で検出された受信レベルとを比較する(S116)。例えば、無線LAN親機230は、無線子機251について無線LAN中継機240及び無線LAN親機230のそれぞれで計測されたRSSIの値を比較し、いずれが大きいかを判定する。そして、これについて、無線子機252及び253等についても同様に行う。
【0048】
ステップS115及びS116の後、無線LAN親機230は、各無線子機について接続先の切り替えが必要か否かを判定する(S117)。ここで、無線LAN親機230は、ステップS115及びS116の結果を総合的に考慮して、無線子機ごとに接続先の切り替えの要否を判定する。つまり、無線LAN親機230は、無線帯域の占有率を考慮して接続先の切り替えの要否を判定する。
【0049】
例えば、無線子機252が無線LAN中継機240と接続されているものとする。そして、ステップS115で誤り率の劣化が検出され、ステップS116で無線子機252と未接続の無線LAN親機230の受信レベルが、現在の接続先の無線LAN中継機240の受信レベルと比べて同等か高いと判定されたものとする。この場合、無線LAN親機230は、無線子機252の無線通信の接続先の切り替えが必要と判定する。
【0050】
また、ステップS115で誤り率の変化が検出されなくとも、ステップS116で無線子機252と未接続の無線LAN親機230の受信レベルが、現在の接続先の無線LAN中継機240の受信レベルと比べて高くと判定されたものとする。この場合も、無線LAN親機230は、無線子機252の無線通信の接続先の切り替えが必要と判定する。
【0051】
ステップS117において、いずれの無線子機についても接続先の切り替えが不要と判定した場合、ステップS111及びS113へ戻る。一方、少なくともいずれかの無線子機について接続先の切り替えが必要と判定した場合、無線LAN親機230は、切り替え対象の無線子機の現在の接続先が無線LAN中継機240か否かを判定する(S118)。現在の接続先が無線LAN中継機240である場合、無線LAN親機230は、無線LAN中継機240に対して、切り替え対象の無線子機との接続を切断させるための切断要求を送信する(S119)。例えば、
図7に示すように、無線LAN親機230は、無線LANフレームのVendor-specific Content領域に無線子機ごとの切断要求の有無を指定した情報を設定する。一方、ステップS118において現在の接続先が無線LAN中継機240でない場合、無線LAN親機230は、自己と切り替え対象の無線子機との接続を切断する(S120)。そのため、ステップS119又はS120の後、無線子機と現在の接続先との無線接続は切断され、当該無線子機による再度の受信レベルの比較により新たな接続先が選択され、接続が確立される。これにより、現在の接続先との無線通信状況が劣化した無線子機において、適切に無線ハンドオーバを行うことができる。
【0052】
図9は、本実施の形態2にかかる無線LAN中継機240の構成を示すブロック図である。無線LAN中継機240は、無線データ処理部310と、無線終端部320と、無線アンテナ部330とを少なくとも備える。無線アンテナ部330は、無線LAN親機230又は無線子機251〜253からの無線信号を受信し、受信した無線信号を電気信号(無線アナログ信号)に変換する。そして、無線アンテナ部330は、変換した無線アナログ信号を無線データ送受信部322へ出力する。また、無線アンテナ部330は、無線データ送受信部322から送信対象の無線アナログ信号を受け付け、無線信号に変換して発信する。
【0053】
無線終端部320は、無線アンテナ部330から受け付けた無線アナログ信号に対する処理と、送信対象の無線アナログ信号を無線アンテナ部330へ出力する処理とを行う。無線終端部320は、無線MAC終端部321と、無線データ送受信部322と、独自エレメント検出部323と、独自エレメント送信部324と、RSSI受信部325とを備える。
【0054】
無線データ送受信部322は、無線アンテナ部330から受け付けた無線アナログ信号を無線LAN中継機240内の各部で処理するためのデジタル信号に変換して、無線MAC終端部321及びRSSI受信部325へ出力する。また、無線データ送受信部322は、無線MAC終端部321から受け付けた通信データのデジタル信号をアナログ信号に変換して、無線アンテナ部330へ出力する。
【0055】
無線MAC終端部321は、無線データ送受信部322から受け付けたデジタル信号である無線LANフレームを独自エレメント検出部323へ出力する。また、無線MAC終端部321は、無線子機251等からの受信信号であるデジタル信号から誤り率を算出し、独自エレメント送信部324へ出力する。また、無線MAC終端部321は、送信対象の無線LANフレームに、独自エレメント送信部324から受け付けた独自エレメントを挿入して、無線データ送受信部322へ出力する。
【0056】
独自エレメント検出部323は、無線MAC終端部321から受け付けた無線LANフレームの中から独自エレメントを検出し、無線動作制御部313へ出力する。例えば、独自エレメント検出部323は、無線LANフレームの中から無線子機ごとの切断要求の有無を検出する。
【0057】
RSSI受信部325は、無線アンテナ部330から受け付けた無線アナログ信号のRSSIレベル(受信レベル)を計測して、計測値を数値化し、独自エレメント送信部324へ出力する。RSSI受信部325は、少なくとも無線子機から発信された無線アナログ信号についてRSSIレベルを計測するものであればよい。
【0058】
独自エレメント送信部324は、無線子機ごとに、無線MAC終端部321から受け付けた誤り率と、RSSI受信部325から受け付けたRSSIレベルとを含む子機情報を生成する。このとき、独自エレメント送信部324は、子機情報に該当する無線子機のMacアドレス及び当該無線子機の接続先IDを含める。そして、独自エレメント送信部324は、複数の子機情報を多重化して1つの独自エレメントとして生成する。そして、独自エレメント送信部324は、生成した独自エレメントを無線MAC終端部321へ出力する。また、独自エレメント送信部324は、定期的に、ビーコン信号用の独自エレメントを生成し、無線MAC終端部321へ出力する。このとき、独自エレメント送信部324は、自己の識別情報である中継機ID、自己の上位に接続される装置の識別情報、及び、自己の接続順序を示す情報を含めてビーコン信号用の独自エレメントに含める。
【0059】
無線データ処理部310は、送受信対象の通信データに対する各種処理を行う。無線データ処理部310は、データ送受信部311と、無線接続シーケンス動作部312と、無線動作制御部313とを備える。無線接続シーケンス動作部312は、無線LAN中継機としての接続シーケンス処理を行う。データ送受信部311は、無線接続後に通信データの送受信を行う。無線動作制御部313は、独自エレメント検出部323から受け付けた切断要求に応じて、指定された無線子機との接続の切断動作を行う。
【0060】
図10は、本実施の形態2にかかる無線LAN親機230の構成を示すブロック図である。無線LAN親機230は、無線データ処理部410と、無線終端部420と、無線アンテナ部430とを備える。無線アンテナ部430は、上述した無線アンテナ部330と同様の構成である。
【0061】
無線終端部420は、無線MAC終端部421と、無線データ送受信部422と、独自エレメント検出部423と、独自エレメント送信部424と、RSSIレベル検出部425とを備える。尚、無線MAC終端部421、無線データ送受信部422、独自エレメント検出部423及び独自エレメント送信部424について、上述した無線MAC終端部321、無線データ送受信部322、独自エレメント検出部323及び独自エレメント送信部324と同様の機能については説明を省略する。
【0062】
無線MAC終端部421は、無線子機251等からの受信信号であるデジタル信号から誤り率を算出し、例えば、独自エレメント検出部423へ出力する。つまり、無線MAC終端部421は、無線LAN親機230自身が計測した無線信号の誤り率を独自エレメント検出部423へ出力する。
【0063】
独自エレメント検出部423は、無線MAC終端部421から受け付けた無線LANフレームの中から独自エレメントを検出し、接続/切断制御部414へ出力する。例えば、独自エレメント検出部423は、無線LANフレームの中から無線子機ごとの子機情報を検出する。そして、独自エレメント検出部423は、検出した子機情報のうち誤り率及びRSSIレベルを抽出し、無線子機と誤り率及びRSSIレベルとを対応付けて接続/切断制御部414へ出力する。また、独自エレメント検出部423は、無線MAC終端部421から受け付けた誤り率を、無線LAN親機230自身が検出した誤り率として接続/切断制御部414へ出力する。
【0064】
RSSIレベル検出部425は、少なくとも無線子機から発信された無線アナログ信号についてRSSIレベルを計測して、計測されたRSSIレベルを接続/切断制御部414へ出力する。
【0065】
独自エレメント送信部424は、接続/切断制御部414から無線子機ごとの切断要求の有無を示す情報を受け付け、無線子機ごとに、切断要求の有無を指定した情報を設定した子機情報を生成する。そして、独自エレメント送信部424は、複数の子機情報を多重化して1つの独自エレメントとして生成する。そして、独自エレメント送信部424は、生成した独自エレメントを無線MAC終端部421へ出力する。
【0066】
無線データ処理部410は、データ送受信部411と、無線接続シーケンス動作部412と、無線動作制御部413と、接続/切断制御部414とを備える。尚、データ送受信部411、無線接続シーケンス動作部412及び無線動作制御部413について、上述したデータ送受信部311、無線接続シーケンス動作部312及び無線動作制御部313と同様の機能については説明を省略する。
【0067】
接続/切断制御部414は、独自エレメント検出部423から、無線LAN中継機240における無線子機ごとの誤り率及びRSSIレベルを受け付ける。また、接続/切断制御部414は、独自エレメント検出部423から無線LAN親機230における無線子機ごとの誤り率を受け付ける。さらに、接続/切断制御部414は、RSSIレベル検出部425から無線LAN親機230における無線子機ごとのRSSIレベルを受け付ける。そして、接続/切断制御部414は、上述したステップS115及びS116の処理を実行する。その後、接続/切断制御部414は、上述したステップS117及びS118の判定処理を実行する。そして、接続/切断制御部414は、独自エレメント送信部424に対して無線子機ごとの切断要求の有無を示す情報を出力する。具体的には、ステップS118でYESの場合、接続/切断制御部414は、独自エレメント送信部424に対して、切り替え対象の無線子機について切断要求有を示す情報、切り替え対象外の無線子機について切断要求無を示す情報を出力する。また、ステップS118でNOの場合、接続/切断制御部414は、無線動作制御部413に対して切り替え対象の無線子機との接続を切断するように指示をする。これに応じて、無線動作制御部413は、切り替え対象の無線子機との接続の切断動作を行う。
【0068】
図11から
図13は、本実施の形態2にかかる無線接続及び切断の流れを説明するためのシーケンス図である。まず、
図11において、無線LAN親機230と無線LAN中継機240との間で通常の接続シーケンスにより、無線接続が確立する。このとき、送受信されるビーコン信号には、上述した通り、独自エレメント内に親機IDや中継機IDが含まれている。
【0069】
具体的には、無線LAN親機230は、無線LANフレームのフレーム本体にSSID231を設定する。また、無線LAN親機230は、無線LANフレームのVendor Specification Element領域のVendor-specific Content領域に自己の識別情報である親機IDを設定する。そして、無線LAN親機230は、当該設定したビーコン信号を出力する(S201)。そして、無線LAN中継機240は、無線LAN親機230からのビーコン信号をスキャンして受信し、ビーコン信号からSSIDを抽出する。また、無線LAN中継機240は、受信したビーコン信号内のVendor-specific Content領域から親機IDを抽出する。そして、無線LAN中継機240は、無線LAN親機230との間で接続シーケンスを実行する(S202)。
【0070】
すなわち、無線LAN中継機240は、無線LAN親機230に対して接続するSSIDを含むプローブ要求(Probe Request)信号を送信する。無線LAN親機230は、無線LAN中継機240からのプローブ要求を受信すると、プローブ要求に対する応答であるプローブ応答(Probe Response)信号を、無線LAN中継機240に対して送信する。これにより、無線LAN親機230と無線LAN中継機240とが物理的に通信可能となる。
【0071】
これ以降、無線LAN中継機240は、無線LAN親機230に対して認証要求(Authentication Request)及びアソシエーション要求(Association Request)を送信する。そして、無線LAN親機230は、無線LAN中継機240からの認証要求に応じて認証応答(Authentication Response)を返信し、アソシエーション要求に応じてアソシエーション応答(Association Response)を返信する。これらにより、無線LAN親機230と無線LAN中継機240との間で無線接続が確立する。その後、無線LAN親機230と無線LAN中継機240との間でデータの送受信が行われる(S203)。
【0072】
続いて、
図12は
図11の続きであり、無線LAN中継機240と(例えば)無線子機252との間で無線接続が確立する。具体的には、まず、無線子機252が地点Aに存在するものとする。そして、無線LAN中継機240は、無線LANフレームにSSID241及び独自エレメントに中継機ID等を含むビーコン信号を出力する(S204)。また、無線LAN親機230は、無線LANフレームにSSID231及び独自エレメントに親機IDを含むビーコン信号を出力する(S205)。
【0073】
そこで、無線子機252は、無線LAN親機230及び無線LAN中継機240からのビーコン信号をスキャンして受信し、各ビーコン信号からSSIDを抽出する。そして、無線子機252は、受信した各ビーコン信号の受信レベルを計測し、受信レベルを比較して大小を判定する(S206)。ここでは、無線LAN中継機240から受信したビーコン信号の受信レベルが、無線LAN親機230から受信したビーコン信号の受信レベルと比べて大きいものとする。そのため、無線子機252は、無線通信の接続先を無線LAN中継機240に決定する(S207)。その後、無線子機252は、無線LAN中継機240との間で接続シーケンスを実行する(S208)。
【0074】
すなわち、無線子機252は、無線LAN中継機240に対して接続するSSIDを含むプローブ要求(Probe Request)信号を送信する。無線LAN中継機240は、無線子機252からのプローブ要求を受信すると、プローブ要求に対する応答であるプローブ応答(Probe Response)信号を、無線子機252に対して送信する。これにより、無線子機252と無線LAN中継機240とが物理的に通信可能となる。
【0075】
これ以降、無線子機252は、無線LAN中継機240に対して認証要求(Authentication Request)及びアソシエーション要求(Association Request)を送信する。そして、無線LAN中継機240は、無線子機252からの認証要求に応じて認証応答(Authentication Response)を返信し、アソシエーション要求に応じてアソシエーション応答(Association Response)を返信する。これらにより、無線子機252と無線LAN中継機240との間で無線接続が確立する。
【0076】
ここで、無線LAN親機230は、無線子機252との間で無線接続が確立していないが、無線子機252から無線LAN中継機240への無線信号が受信可能である。そのため、無線LAN親機230は、無線子機252から送信された無線信号について、無線通信の品質を計測する(S209)。
【0077】
また、無線LAN中継機240は、無線子機252から無線LAN中継機240への無線信号を受信し、無線通信の品質を計測する(S210)。そして、無線LAN中継機240は、計測された誤り率及びRSSIレベルをVendor-specific Content領域に設定した無線LANフレームを生成する。その後、無線LAN中継機240は、生成した無線LANフレームを無線LAN親機230に対して送信する。つまり、無線LAN中継機240は、無線LAN親機230に対して誤り率及びRSSIレベルを送信する(S211)。
【0078】
また、上述した通りステップS208により、無線接続が確立したため、無線子機252と無線LAN中継機240との間でデータの送受信が行われる(S212)。
【0079】
続いて、
図13は
図12の続きであり、無線子機252が地点Aから地点Bへ移動したものとする(S213)。尚、このとき、無線子機252は引き続き、無線LAN親機230からのビーコン信号等の無線信号の受信レベルを計測しているものとする。そして、無線子機252は、無線LAN中継機240との間でデータの送受信(S214)を行っており、無線LAN中継機240から受信したデータ信号の受信レベルを計測しているものとする。このとき、無線子機252において、無線LAN親機230からの(ビーコン信号等の)無線信号の受信レベルが、無線LAN中継機240からの(S214等の)無線信号の受信レベルより高くなったものとする。
【0080】
尚、このとき、無線LAN親機230は、ステップS209と同様に、無線子機252から送信されたステップS214の無線信号について、無線通信の品質を計測している(S215)。また、無線LAN中継機240は、ステップS210と同様に、ステップS214の無線信号について、無線通信の品質を計測し(S216)、無線LAN親機230に対して誤り率及びRSSIレベルを送信する(S217)。
【0081】
そして、無線LAN親機230は、上述したステップS115からS117のように、無線子機252の接続先の切替判定を行う(S218)。ここでは、無線LAN親機230は、無線子機252の接続先が無線LAN親機230の切り替える必要があると判定する。そして、無線LAN親機230は、無線子機252の現在の接続先が無線LAN中継機240であるため(ステップS118でYES)、Vendor-specific Content領域のうち無線子機252に対する切断要求を有に設定した無線LANフレームを生成する。そして、無線LAN親機230は、生成した無線LANフレームを無線LAN中継機240に対して送信する(S219)。
【0082】
その後、無線LAN中継機240は、無線LAN親機230から受信した無線LANフレームのVendor-specific Content領域の中から、無線子機252に対する切断要求が有である旨を検出する。そして、無線LAN中継機240は、無線子機252との無線接続を切断する(S220)。
【0083】
その後、無線子機252は、無線LAN親機230及び無線LAN中継機240のそれぞれから受信した無線信号の受信レベルを比較して大小を判定する(S221)。そして、ここでは、無線子機252は、無線LAN親機230から受信した無線信号の受信レベルが、無線LAN中継機240から受信した無線信号の受信レベルと比べて大きいと判定し、新たな接続先を無線LAN親機230に決定する(S222)。その後、無線子機252は、無線LAN親機230との間で接続シーケンスを実行する(S223)。
【0084】
すなわち、無線子機252は、無線LAN親機230に対して接続するSSIDを含むプローブ要求(Probe Request)信号を送信する。無線LAN親機230は、無線子機252からのプローブ要求を受信すると、プローブ要求に対する応答であるプローブ応答(Probe Response)信号を、無線子機252に対して送信する。これにより、無線子機252と無線LAN親機230とが物理的に通信可能となる。
【0085】
これ以降、無線子機252は、無線LAN親機230に対して認証要求(Authentication Request)及びアソシエーション要求(Association Request)を送信する。そして、無線LAN親機230は、無線子機252からの認証要求に応じて認証応答(Authentication Response)を返信し、アソシエーション要求に応じてアソシエーション応答(Association Response)を返信する。これらにより、無線子機252と無線LAN親機230との間で無線接続が確立する。そして、無線子機252と無線LAN親機230との間でデータの送受信が行われる(S224)。これにより、無線子機252が地点Aにおいて無線LAN中継機240と接続されていた状態から地点Bへ移動した際に、無線LAN親機230への無線ハンドオーバが適切に行われる。
【0086】
図14は、本実施の形態2にかかる無線子機が地点Aから地点Bへ移動した場合について説明するための図である。
図14は、
図18における無線LAN親機930及び無線LAN中継機940が、本実施の形態にかかる無線LAN親機230及び無線LAN中継機240に置き換わった者である。そして、無線子機250aは、地点Aにおいて受信レベルがより大きい無線LAN中継機240との間で無線接続が確立されている。この状態において、無線子機250aが地点Bへ移動し、地点Bの無線子機250bにおいて、無線LAN中継機240と比べて無線LAN親機230の方が受信レベルが大きくなったものとする。このとき、無線LAN親機230は、無線LAN中継機240に対して切断要求を送信し、無線LAN中継機240は無線子機250bとの接続を切断する。そのため、無線子機250bは、地点Bにおいて受信レベルがより大きい無線LAN親機230との間で無線接続を確立する。
【0087】
<実施の形態3>
本実施の形態3は、上述した実施の形態2の改良例である。すなわち、本実施の形態3にかかる無線中継装置は、前記無線中継装置と接続された第1の無線端末の第1の位置情報を前記第1の品質情報と共に前記無線基地局へ送信する。また、前記受信部は、前記無線中継装置と接続された第1の無線端末の第1の位置情報を前記第1の品質情報と共に当該無線中継装置から受信する。そして、切替制御部は、無線中継装置から受信した第1の位置情報及び第1の品質情報と、自己と接続された第2の無線端末の第2の位置情報及び第2の品質情報とを用いて、第1及び第2の無線端末、無線中継装置及び無線基地局の分布情報を生成する。続いて、切替制御部は、前記第1及び第2の無線端末のうち特定の無線端末の位置情報の変化を検出した場合に、前記分布情報を参照して当該特定の無線端末の移動後の接続先を予測し、当該予測した接続先への切り替えを制御する。これにより、最適な無線通信を実現するための新たな接続先への無線ハンドオーバの信頼性を向上できる。また、無線端末の移動に伴い、接続先を予測するため、切替処理の完了時間を早めることができる。
【0088】
図15は、本実施の形態3にかかる無線通信システム3000の全体構成を示すブロック図である。無線通信システム3000は、上述した無線通信システム2000との違いとして、無線LAN親機230及び無線LAN中継機240が無線LAN親機230a及び無線LAN中継機240aに、置き換わったものである。また、複数の無線端末の例として無線子機251が地点A、無線子機252が地点B、無線子機253が地点C,無線子機254が地点Dに存在するものとする。また、無線子機251及び253は無線LAN中継機優先接続エリアA2に、無線子機252及び254は無線LAN親機優先接続エリアA1に存在するものとする。
【0089】
ここで、無線LAN親機優先接続エリアA1は、無線LAN親機230aとの無線接続が優先されるべきエリアである。無線LAN親機優先接続エリアA1は、例えば、無線LAN親機230aからの無線信号の受信レベルが無線LAN中継機240からの無線信号の受信レベルと比べて高い領域であることを示す。また、無線LAN中継機優先接続エリアA2は、無線LAN中継機240bとの無線接続が優先されるべきエリアである。無線LAN中継機優先接続エリアA2は、例えば、無線LAN中継機240bからの無線信号の受信レベルが無線LAN親機230aからの無線信号の受信レベルと比べて高い領域であることを示す。そして、無線LAN親機優先接続エリアA1及び無線LAN中継機優先接続エリアA2は、無線LAN親機230a及び無線LAN中継機240bの設置場所において予め定められた位置情報の領域である。または、無線LAN親機優先接続エリアA1及び無線LAN中継機優先接続エリアA2は、周辺箇所で事前に計測された受信レベルにより割り出された領域である。
【0090】
無線子機251から254のそれぞれは、GPS(Global Positioning System)機能を有し、自己の位置情報を取得し、無線通信の接続先へ取得した位置情報を送信する。
【0091】
無線LAN中継機240aは、接続された無線子機から位置情報を受信し、無線子機ごとに位置情報を含めて子機情報を生成する。そして、無線LAN中継機240aは、生成した子機情報を設定して無線LANフレームを生成する。そして、無線LAN中継機240aは、生成した無線LANフレームを無線LAN親機230aへ送信する。つまり、無線LAN中継機240aは、接続された無線子機については位置情報及び品質情報を無線LAN親機230aへ送信する。
【0092】
図16は、本実施の形態3にかかる無線LAN親機230a及び無線LAN中継機240aの間で通信する無線LANフレームの例を示す図である。Vendor-specific Content領域には、子機情報CA2、CB2・・・が設定されていることを示す。子機情報CA2には、上述した子機情報CAに加えて、子機Aの位置情報が含まれる。尚、子機情報CB2、・・・も子機情報CA2と同様である。
【0093】
図15に戻り説明を続ける。
無線LAN親機230aは、上述した無線LAN親機230の機能に加えて、受信レベルマップ232を内部に保持する。受信レベルマップ232は、無線子機251から254のそれぞれにおける位置情報と、無線子機251から254のそれぞれと無線LAN親機230a及び無線LAN中継機240のそれぞれとの受信レベルとを対応付けた情報である。また、受信レベルマップ232は、無線LAN親機230a及び無線LAN中継機240の位置情報を含んでも良い。つまり、受信レベルマップ232は、無線子機251から254、無線LAN親機230a及び無線LAN中継機240の分布情報の一例である。
【0094】
無線LAN親機230aの受信部は、無線LAN中継機240aから
図16に示す無線LANフレームを受信する。無線LAN親機230aの切替制御部は、受信した無線LANフレームから子機情報CA2、CB2、・・・を抽出する。そして、例えば、無線LAN中継機240aと無線子機251とが接続されている場合、無線LAN親機230aは、無線子機251に対応する子機情報から、無線子機251の位置情報及び品質情報を検出する。また、例えば、無線LAN親機230aと無線子機252とが接続されている場合、無線LAN親機230aは、無線子機252からの受信信号から無線子機252の位置情報及び品質情報を検出する。そして、無線LAN親機230aは、各無線子機の位置情報及び品質情報から受信レベルマップ232を生成し、内部の記憶部(不図示)に保存する。尚、無線LAN親機230aは、別途、無線LAN親機230a及び無線LAN中継機240aの位置情報を保持していてもよい。または、無線LAN親機230aは、無線LAN親機230a及び無線LAN中継機240aの位置情報を含めて受信レベルマップ232を生成してもよい。
【0095】
その後、無線LAN親機230aは、各無線子機の位置情報を監視する。そして、無線LAN親機230aは、無線子機251〜254のうち特定の無線子機(例えば、無線子機251)の位置情報の変化を検出したものとする。つまり、無線LAN親機230aは、特定の無線子機の移動を検出する。この場合、無線LAN親機230aは、受信レベルマップ232を参照して、移動が検出された無線子機の移動先における無線通信の接続先を予測する。例えば、無線LAN親機230aは、無線LAN中継機優先接続エリアA2に含まれる地点Aに存在した無線子機251が、無線LAN親機優先接続エリアA1に向けて移動していることを検出したものとする。この場合、無線LAN親機230aは、受信レベルマップ232から無線子機251の移動後の接続先を無線LAN親機230aと予測する。そして、無線LAN親機230aは、無線子機251の接続先を予測した無線LAN親機230aへ切り替えるために制御を行う。具体的には、無線LAN親機230aは、無線LAN中継機240aに対して無線子機251との接続の切断要求を送信する。
【0096】
このように、本実施の形態では、無線端末の位置情報の変化を用いて新たな接続先を予測し、予測した接続先への切り替えを制御する。そのため、実施の形態2と比べて切り替え先の妥当性が高く、より早く切り替えることができる。
【0097】
<実施の形態4>
本実施の形態4は、上述した実施の形態2又は3の改良例である。すなわち、本実施の形態4では、子機情報に無線リンク速度や実行スループットをさらに含めるものである。これにより、新たな接続先を決定する精度を向上できる。
【0098】
図17は、本実施の形態4にかかる無線LAN親機及び無線LAN中継機の間で通信する無線LANフレームの例を示す図である。Vendor-specific Content領域には、子機情報CA3、CB3・・・が設定されていることを示す。子機情報CA3には、上述した子機情報CAに加えて、無線LAN中継機において受信された子機Aからの無線信号の無線リンク速度及び実行スループットが含まれる。尚、子機情報CA3には、上述した子機情報CA2のように子機Aの位置情報が含まれていても良い。尚、子機情報CB3、・・・も子機情報CA3と同様である。
【0099】
<実施の形態5>
本実施の形態5は、上述した実施の形態2から4の改良例である。すなわち、本実施の形態5にかかる無線基地局の切替制御部は、前記接続先の切り替え回数が一定時間内に所定回数以内となるように制御するものである。これにより、切り替えが頻繁になって無線通信が不安定になることを防ぎ、より安定した無線通信を提供できる。
【0100】
<その他の実施の形態>
尚、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0101】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0102】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0103】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線中継装置、又は、自己のいずれか一方と前記サービス識別情報に基づき接続された少なくとも1つの無線端末と当該無線中継装置との無線通信における第1の品質情報を、当該無線中継装置から受信する受信部と、
前記第1の品質情報と、自己と前記無線端末との無線通信の第2の品質情報とに基づいて、前記無線端末における無線通信の接続先の切り替えを制御する切替制御部と、
を備える無線基地局。
(付記A2)
前記受信部は、
前記無線中継装置と2以上の前記無線端末のそれぞれとの無線通信における2以上の前記第1の品質情報が多重化された情報を、前記無線中継装置から受信する
付記A1に記載の無線基地局。
(付記A3)
前記切替制御部は、
前記無線端末が前記無線中継装置と接続されている間に、前記第1の品質情報が前記第2の品質情報より劣化していると判定した場合に、前記無線基地局を前記接続先として決定し、
前記無線中継装置に対して前記無線端末との接続の切断要求を送信する
付記A1又はA2に記載の無線基地局。
(付記A4)
前記第1の品質情報は、少なくとも前記無線中継装置と前記無線端末との無線通信における誤り率及び受信レベルを含み、
前記第2の品質情報は、少なくとも前記無線基地局と前記無線端末との無線通信における受信レベルを含み、
前記切替制御部は、
前記第1の品質情報に含まれる前記誤り率の変化と、前記第1の品質情報に含まれる前記受信レベルと前記第2の品質情報に含まれる前記受信レベルとの比較結果により、前記接続先の切り替え要否を判定し、
前記接続先の切り替えが必要と判定された場合に、現在の前記接続先における前記無線端末との接続を切断するように制御する
付記A1乃至A3のいずれか1項に記載の無線基地局。
(付記A5)
前記受信部は、
前記無線中継装置と接続された第1の無線端末の第1の位置情報を前記第1の品質情報と共に当該無線中継装置から受信し、
前記切替制御部は、
前記無線中継装置から受信した前記第1の位置情報及び前記第1の品質情報と、自己と接続された第2の無線端末の第2の位置情報及び前記第2の品質情報とを用いて、前記第1及び第2の無線端末、前記無線中継装置及び前記無線基地局の分布情報を生成し、
前記第1及び第2の無線端末のうち特定の無線端末の位置情報の変化を検出した場合に、前記分布情報を参照して当該特定の無線端末の移動後の接続先を予測し、当該予測した接続先への切り替えを制御する
付記A1乃至A4のいずれか1項に記載の無線基地局。
(付記A6)
前記無線基地局は、
当該無線基地局の識別情報をビーコン信号に含めて出力する、
付記A1乃至A5のいずれか1項に記載の無線基地局。
(付記A7)
前記受信部は、
前記第1の品質情報を含めた無線LAN(Local Area Network)規格に規定されるフレームを、前記無線中継装置から受信し、
前記切替制御部は、
前記無線中継装置から受信した前記フレームの中から前記第1の品質情報を検出し、
自己と前記無線端末との無線通信を監視して前記第2の品質情報を検出し、
前記検出した第1及び第2の品質情報に基づいて前記接続先の切り替えを制御する
付記A1乃至A6のいずれか1項に記載の無線基地局。
(付記A8)
前記切替制御部は、
前記接続先の切り替え回数が一定時間内に所定回数以内となるように制御する
付記A1乃至A7のいずれか1項に記載の無線基地局。
(付記A9)
前記無線端末が前記無線中継装置と接続されている場合、前記無線端末から前記無線中継装置への無線信号についての計測結果を前記第2の品質情報とする
付記A1乃至A8のいずれか1項に記載の無線基地局。
(付記B1)
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線基地局、又は、自己のいずれか一方と前記サービス識別情報に基づき接続された少なくとも1つの無線端末との無線通信における第1の品質情報を前記無線基地局へ送信する
無線中継装置。
(付記B2)
自己と2以上の前記無線端末のそれぞれとの無線通信における2以上の前記第1の品質情報を多重化して前記無線基地局へ送信する
付記B1に記載の無線中継装置。
(付記B3)
前記第1の品質情報は、少なくとも前記無線中継装置と前記無線端末との無線通信における誤り率及び受信レベルを含む、
付記B1又はB2に記載の無線中継装置。
(付記B4)
前記無線中継装置と接続された第1の無線端末の第1の位置情報を前記第1の品質情報と共に前記無線基地局へ送信する
付記B1乃至B3のいずれか1項に記載の無線中継装置。
(付記B5)
前記無線中継装置の識別情報、自己の上位に接続される装置の識別情報、及び、自己の接続順序を示す情報をビーコン信号に含めて出力する
付記B1乃至B4のいずれか1項に記載の無線中継装置。
(付記B6)
前記第1の品質情報を無線LAN(Local Area Network)規格に規定されるフレームに含めて前記無線基地局へ送信する
付記B1乃至B5のいずれか1項に記載の無線中継装置。
(付記B7)
前記無線端末が前記無線基地局と接続されている場合、前記無線端末から前記無線基地局への無線信号についての計測結果を前記第1の品質情報とする
付記B1乃至B6のいずれか1項に記載の無線中継装置。
(付記C1)
無線基地局と、
前記無線基地局と同一のサービス識別情報が設定された無線中継装置と、
前記無線基地局と前記無線中継装置のいずれか一方と前記サービス識別情報に基づき接続された少なくとも1つの無線端末と、
を備える無線通信システムであって、
前記無線中継装置は、
前記無線端末との無線通信における第1の品質情報を前記無線基地局へ送信し、
前記無線基地局は、
前記無線中継装置から受信した前記第1の品質情報と、自己と前記無線端末との無線通信の第2の品質情報とに基づいて、前記無線端末における無線通信の接続先の切り替えを制御する
無線通信システム。
(付記C2)
前記無線中継装置は、
当該無線中継装置と2以上の前記無線端末のそれぞれとの無線通信における2以上の前記第1の品質情報を多重化して前記無線基地局へ送信する
付記C1に記載の無線通信システム。
(付記C3)
前記無線基地局は、
前記無線端末が前記無線中継装置と接続されている間に、前記第1の品質情報が前記第2の品質情報より劣化していると判定した場合に、前記無線基地局を前記接続先として決定し、
前記無線中継装置に対して前記無線端末との接続の切断要求を送信する
付記C1又はC2に記載の無線通信システム。
(付記C4)
前記第1の品質情報は、少なくとも前記無線中継装置と前記無線端末との無線通信における誤り率及び受信レベルを含み、
前記第2の品質情報は、少なくとも前記無線基地局と前記無線端末との無線通信における受信レベルを含み、
前記無線基地局は、
前記第1の品質情報に含まれる前記誤り率の変化と、前記第1の品質情報に含まれる前記受信レベルと前記第2の品質情報に含まれる前記受信レベルとの比較結果により、前記接続先の切り替え要否を判定し、
前記接続先の切り替えが必要と判定された場合に、現在の前記接続先における前記無線端末との接続を切断するように制御する
付記C1乃至C3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記C5)
前記無線中継装置は、
当該無線中継装置と接続された第1の無線端末の第1の位置情報を前記第1の品質情報と共に前記無線基地局へ送信し、
前記無線基地局は、
前記無線中継装置から受信した前記第1の位置情報及び前記第1の品質情報と、自己と接続された第2の無線端末の第2の位置情報及び前記第2の品質情報とを用いて、前記第1及び第2の無線端末、前記無線中継装置及び前記無線基地局の分布情報を生成し、
前記第1及び第2の無線端末のうち特定の無線端末の位置情報の変化を検出した場合に、前記分布情報を参照して当該特定の無線端末の移動後の接続先を予測し、当該予測した接続先への切り替えを制御する
付記C1乃至C4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記C6)
前記無線中継装置は、
当該無線中継装置の識別情報、自己の上位に接続される装置の識別情報、及び、自己の接続順序を示す情報をビーコン信号に含めて出力し、
前記無線基地局は、
当該無線基地局の識別情報をビーコン信号に含めて出力する、
付記C1乃至C5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記C7)
前記無線中継装置は、
前記第1の品質情報を無線LAN(Local Area Network)規格に規定されるフレームに含めて前記無線基地局へ送信し、
前記無線基地局は、
前記無線中継装置から受信した前記フレームの中から前記第1の品質情報を検出し、
自己と前記無線端末との無線通信を監視して前記第2の品質情報を検出し、
前記検出した第1及び第2の品質情報に基づいて前記接続先の切り替えを制御する
付記C1乃至C6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記C8)
前記無線基地局は、
前記接続先の切り替え回数が一定時間内に所定回数以内となるように制御する
付記C1乃至C7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記C9)
前記無線中継装置は、
前記無線端末が前記無線基地局と接続されている場合、前記無線端末から前記無線基地局への無線信号についての計測結果を前記第1の品質情報とし、
前記無線基地局は、
前記無線端末が前記無線中継装置と接続されている場合、前記無線端末から前記無線中継装置への無線信号についての計測結果を前記第2の品質情報とする
付記C1乃至C8のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記D1)
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線中継装置、又は、自己のいずれか一方と前記サービス識別情報に基づき接続された少なくとも1つの無線端末と当該無線中継装置との無線通信における第1の品質情報を、当該無線中継装置から受信し、
前記第1の品質情報と、自己と前記無線端末との無線通信の第2の品質情報とに基づいて、前記無線端末における無線通信の接続先の切り替えを制御する、
無線基地局における無線通信方法。
(付記E1)
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線基地局、又は、自己のいずれか一方と前記サービス識別情報に基づき接続された少なくとも1つの無線端末との無線通信における第1の品質情報を前記無線基地局へ送信する、
無線中継装置における無線通信方法。
(付記F1)
無線基地局と、
前記無線基地局と同一のサービス識別情報が設定された無線中継装置と、
前記無線基地局と前記無線中継装置のいずれか一方と前記サービス識別情報に基づき接続された少なくとも1つの無線端末と、
を用いた無線通信方法であって、
前記無線中継装置が、
前記無線端末との無線通信における第1の品質情報を前記無線基地局へ送信し、
前記無線基地局が、
前記無線中継装置から受信した前記第1の品質情報と、自己と前記無線端末との無線通信の第2の品質情報とに基づいて、前記無線端末における無線通信の接続先の切り替えを制御する
無線通信方法。
(付記G1)
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線中継装置、又は、自己のいずれか一方と前記サービス識別情報に基づき接続された少なくとも1つの無線端末と当該無線中継装置との無線通信における第1の品質情報を、当該無線中継装置から受信する受信処理と、
前記第1の品質情報と、自己と前記無線端末との無線通信の第2の品質情報とに基づいて、前記無線端末における無線通信の接続先の切り替えを制御する切替制御処理と、
をコンピュータに実行させる無線通信プログラム。
(付記H1)
自己と同一のサービス識別情報が設定された無線基地局、又は、自己のいずれか一方と前記サービス識別情報に基づき接続された少なくとも1つの無線端末との無線通信における第1の品質情報を前記無線基地局へ送信する処理
をコンピュータに実行させる無線通信プログラム。