(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は標識柱である。
本実施形態の標識柱1は、ベース5と、このベース5の上面に固定させて立設させるポール2とを備えている。
【0016】
ポール2は、円筒形の中空柱状体に形成させた本体筒21を備え、その上方の開口を塞ぐようにキャップ3を固定している。
また、本体筒21の外側面には照射された光を光源方向へ反射させる再帰反射性を有する反射シート23を貼着している。反射シート23は本体筒21の外側面に巻回させて貼着しており、本実施形態の本体筒21には3枚の反射シートを上下に間隔をあけて並設させている。
【0017】
ポール2は、車両の接触などにより弾性的に曲がり、その後元の状態へ復元する可撓性を有するように、本体筒21とキャップ3とを熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成しているが、これに限るものではなく、軟質ポリオレフィン、エラストマー、ゴムなどを好適に用いることができる。
【0018】
ベース5は、略円錐台形状に形成させ、その下面にはベース5の成形時にアンカーボルトを一体的に植設させている。ベース5の材質は、成型の容易さおよび車両等の踏みつけに対する復元性、耐久性等を考慮すると、熱可塑性ポリウレタンや軟質ポリオレフィン、エラストマーなどが好適であり、本実施形態のベース5は熱可塑性ポリウレタンで形成させている。
そして、ベース5の下面から下方へ突出する前記アンカーボルトの雄ねじを、路面などの施工場所に埋設固定したアンカーナットNへ螺結させて、ベース5を施工場所へ設置固定できるように設けている。
図1は、設置面Gへ埋設固定させたアンカーボルトNへ、ベース5から突出させたアンカーボルトを螺結させて標識柱1を立設させた状態を示している。
【0019】
図2は
図1の標識柱1のキャップ3を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は底面図である。
キャップ3は、本体筒21の上方に配置させて本体筒21の開口を塞ぐ天板部31と、天板部31の下方に突出させて前記本体筒の中空部分に挿入させる挿入部35とを形成させている。
【0020】
平面視円形の前記天板部31の中心に位置する中央部34には、上下に貫通する円形の空気抜き孔h1を1個形成させている。この空気抜き孔h1を形成させることで、標識柱1に車両などが接触してポール2が折れ曲がるなどの変形をしたときに、ポール2の本体筒21内の空気が前記空気抜き孔h1を通じて外側へ排出されるようになされ、内側の空気の圧力上昇によってポール2が破裂するなどの問題が抑制される。
【0021】
前記キャップ3は、天板部31の下面から下方へ延設させる挿入部35を本体筒21の内側へ挿入させて、本体筒21へ取り付けるように設けている。
前記挿入部35の外側面には、外方へ突出する突条35aを上下方向に沿って形成させており、突条35aは挿入部35の全周に亘り等間隔に配置させて複数形成させている。
【0022】
図3は
図2のA−A断面図であり、
図3は
図2のB−B断面図である。
前記キャップ3には、挿入部35から外側へ突出させる縁部37を形成させている。
前記縁部37は挿入部35の外周面の全周に亘って形成させており、縁部37の上面は前記天板部31の上面と面一に設けている。
前記縁部37の下面には、上方へ窪む溝状の収容凹部37bを形成させている。
具体的には、収容凹部37bは挿入部35の根本に沿って形成させており、挿入部35の根本近傍の全周に亘る環状溝状に形成させている。
【0023】
図5はキャップ3の挿入部35を本体筒21へ挿入させた状態を示す縦断面図である。
キャップ3を本体筒21へ取り付けた状態において、挿入部35の各突条35aは本体筒21の内側面に当接し、縁部37の当接部37aが全体的に本体筒21の上端面に当接する。
そして、縁部37の収容凹部37bが本体筒21の上端面から離間した状態となされ、本体筒21の上端面と収容凹部37bの下面との間に隙間S1が形成される。
【0024】
本体筒21へ取り付けたキャップ3を固定させる方法として、挿入部35の外側面と本体筒21の内側面とを融着させる方法や、挿入部35と本体筒21とを接着剤によって接着させる方法等を、好適に用いることができる。
キャップ3を本体筒21へ融着させて固定するとき、突条35aと本体筒21との当接部分で樹脂を溶融させて接合させることができるが、このとき、製造条件の変動などの要因により、樹脂が多量に溶融する場合がある。このように融着工程の際に溶融樹脂が多量に生じたとき、前記隙間S1へ余剰の溶融樹脂が流れ込み、隙間S1に収容されて留まるように設けている。
上記のように設けることで、融着工程で溶融樹脂が多量に生じたときでも、隙間S1へ効率的に収容させ、キャップ3の当接部37aと本体筒21の上端面との間から溶融樹脂が外側へ漏れ出す不具合を抑制できる。
【0025】
キャップ3を本体筒21へ融着させて固定させる方法としては、挿入部35を本体筒21へ挿入させた状態で一方を他方に対して回転させ、両者の当接部分に生じさせた摩擦熱を利用して融着させる回転融着を好適に用いることができる。
キャップ3の天板部31には、この回転融着を行うための治具を取り付ける取付孔h2を形成している。
また、取付孔h2の周囲には、天板部31の他の部位より板厚を大きく設けた厚肉部32を設けており、厚肉部32は天板部31の下面から下方へ突出する筒状に形成している。
【0026】
また、キャップ3を本体筒21へ接着させて固定するとき、挿入部35の外周面や本体筒21の内周面に接着剤を多量に塗布した場合でも、上記の融着固定の場合と同様に、前記隙間S1へ余剰の接着剤が流れ込み、隙間S1へ収容させて外側へ漏れ出さないように設けている。
尚、キャップ3を本体筒21へ接着固定する場合は、前記各取付孔h2や厚肉部32を形成しなくてもよい。
【0027】
図2、3に示すように、前記天板部31の下面には、上方へ窪む溝部33を形成させている。
溝部33は、天板部31の中心に位置する中央部34から外側へ向かう径方向に形成させており、8本の溝部33を等間隔に配置させて放射状に設けている。
具体的には、前記各溝部33の内側の端部は、板厚を他の天板部31と同じ大きさに設けた中央部4の近傍に位置させて形成している。前記各溝部33のうち、前記各取付孔h2の間に配置させた4個の溝部33は、その外側の端部を前記挿入部35の近傍に位置させて形成している。前記各溝部33のうち、前記各取付孔h2へ向けて形成させた4個の溝部33は、その外側の端部を前記厚肉部32の近傍に位置させて形成している。
変形部39を構成する各溝部33を形成することで、厚みが他より小さくなされた溝部33の部分で天板部31が変形しやすくなされる。
【0028】
図6は
図1の標識柱の上部が踏み潰された状態の概要を示す図である。
標識柱1のポール2は、車両に接触して曲がるように変形したときでも、車両が通過した後に元の状態に復元する可撓性を備えているが、接触車両の車輪Tがポール2を踏み潰すように接触する場合がある。
このとき、設置面Gと車輪Tとの間で押し潰されるポール2の本体筒21は、瞬間的に円筒状の筒壁が
図6に示すよりも更に扁平なほぼ平板のような形状となされるまで変形する。そして、キャップ3は、本体筒21の内側へ挿入された円筒状の挿入部35が、前記本体筒21の変形と同様に、瞬間的にほぼ平板状の扁平形状となされるまで変形し、平面視円形の天板部31は中央が折れ曲がるように変形する。
【0029】
図2、3に示すように、前記キャップ3は、天板部31の下面に変形部39を構成する溝部33を形成しているので、溝部33の位置でその形成方向に沿って天板部31が折れ曲がるような変形が容易になされるように設けている。
前記各溝部31は、平面視円形の前記天板部31の中心に位置する中央部34の近傍から外側へ向かう径方向へ形成しているので、前記天板部31は中央が折れ曲がるような変形が容易となされている。即ち、前記キャップ3は、標識柱1のポール2が車両の車輪に踏み潰されたときに、上記したような天板部31中央の折れ曲がり変形が容易になされる。
上記のように天板部31が容易に変形するように設けることで、キャップ3が車両に踏み潰されたときに、本体筒21の変形にキャップ3が追随して変形しやすくなるので、キャップ3が本体筒21から引き離されにくくなり、キャップ3と本体筒21との固定が外れにくくなされる。
前記溝部31は、前記天板部31の折れ曲がり変形を促すという目的から、その長さは長い方がよく、天板部31の下面において中心から挿入部25の内周面までの長さの二分の一以上の長さに形成するのが好ましい。
【0030】
また、天板部31の周方向へ等間隔に配置させて放射状に形成している8個の前記溝部33は、天板部31の中央部34の両側に2個1組で合計4組設けている。このように一列に配置させた2個1組の溝部33で変形部39を形成することで、前記天板部31は中央部34を挟む2個1組で形成された各溝部33の位置で天板部31がより容易に折れ曲がり変形するようになされる。
尚、前記溝部33を形成する場合、その個数は限定されるものではないが、標識柱1があらゆる方向から踏み倒される可能性を考えれば、中央部34を挟む2個1組に配置させて、2組4個以上の溝部33を等間隔に配置させて形成するのが好ましく、4組8個以上の溝部33を等間隔に配置させて形成するのがより好ましい。
【0031】
前記キャップ3の挿入部35の外周面には、上下方向へ向かう突条35aを等間隔に配置させて全周に亘って形成させている。このため、キャップ3が外力を受けて変形するとき、挿入部35の筒壁は、斜め方向への変形よりも隣接する各突条35aの間の位置で前記突条35aに沿って折れ曲がるような変形が容易になされるように設けている。
即ち、前記キャップ3は、標識柱1のポール2が車両の車輪に踏み潰され、キャップ3の挿入部35の円筒形状が扁平形状となるように変形するときに、挿入部35の筒壁が前記突条35aに沿って容易に折れ曲がり変形する。
このため、前記キャップ3の挿入部35は、扁平形状となるように変形する本体筒21の変形に追随して変形しやすくなされるので、挿入部35が本体筒21から引き離されにくくなり、キャップ3と本体筒21との固定が外れにくくなされる。
尚、
図2(ハ)に示すように、外側の端部を前記挿入部35の近傍に位置させて形成している4個の前記各溝部33は、その外側の端部を隣接する各突条35aの間に位置するように配置させているので、前記各突条35a間における挿入部35の折れ曲がり変形と、前記溝部33の位置における前記天板部31の折れ曲がり変形とが組み合わされて、キャップ3がより容易に変形して、本体筒21からの脱離が効果的に抑制される。
【0032】
また、
図1〜6に示す標識柱1のキャップ3は、挿入部35の上方に配置させて本体筒21の外側に位置させる天板部31及び縁部37の上下方向の大きさを、本体筒21の内側へ挿入させる挿入部35の上下方向の大きさをよりも小さく設けている。このため、標識柱1へ車両などが接触するときに、本体筒21の外側に配置させたキャップ3の天板部31や縁部37へ車両が直接接触しにくくなされるので、キャップ3の本体筒21からの脱離を抑制する効果が期待できる。
【0033】
図7は本発明に係る標識柱1のキャップ3の実施の他の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、
図8は
図7の底面図であり、
図9は
図7のA−A断面図である。
図7〜9に示すキャップ3は、
図1〜6に示す標識柱1のキャップ3と同様に、本体筒21の上方に配置させて本体筒21の開口を塞ぐ天板部31と、天板部31の下方に突出させて前記本体筒21の中空部分に挿入させる挿入部35とを形成させており、挿入部35を本体筒21の内側へ挿入させて、本体筒21へ取り付けるように設けている。
【0034】
前記キャップ3は、前記天板部31の縁から下方へ突出するように延設させる円筒状の筒部38を形成させており、前記筒部38の下端から円筒状の前記挿入部35を形成させている。
前記筒部38はその外径を前記本体筒21の外径と同じ大きさに形成させており、前記挿入部35はその外径を前記本体筒21の内径より若干小径に形成させている。
即ち、挿入部25を本体筒21へ挿入させてキャップ3を取り付けたときに、筒部38と挿入部37の境界である筒部38の下端面が縁部37の当接部37aとなされて本体筒21の筒壁の上端面へ当接すると共に、筒部38の外周面が本体筒21の外周面と面一となされる。
【0035】
前記挿入部35の外周面には、周方向へ向かって全周に亘り外側へ突出する突条35aを形成させており、前記突条35aは、上下に間隔をあけて複数形成させている。
前記各突条35aは、その外径を前記本体筒21の内径と略同一又は若干大きく形成させており、挿入部35を本体筒21へ挿入させたときに、各突条35aが本体筒21の内周面へ当接又は圧接されるように設けている。
図7〜9に示すキャップ3は、
図1〜6に示すキャップ3と同様に、本体筒21の内側へ挿入部35を挿入させ、接着や融着などの方法によって本体筒21へ強固に固定することができる。
【0036】
前記天板部31の下面には、上方へ窪む溝部33を形成して変形部39を構成している。
前記溝部33は、天板部31の中心から外側へ向かう径方向に形成しており、周方向へ等間隔に配置させて8個の溝部33を形成させている。
前記各溝部33は、その内側の端部を天板部31の中心に配置させており、換言すると、各溝部33は天板部31の中心で連結している。
また、各溝部33は、連結している内側の端部付近の溝の深さを、他よりも浅く形成している。具体的には、各溝部33は、天板部31の中心に位置する中央部34において溝の深さを浅く形成しており、換言すると、各溝部31の形成された位置における天板部31の板厚は、中央部34の部分をより厚肉に形成している。
【0037】
前記キャップ3の挿入部35は、その内周面に上下方向へ向かう凹溝35bを形成している。
前記凹溝35aは、周方向へ等間隔に配置させて8個形成させており、前記各溝部31に対応する位置に形成させている。
具体的には、前記各凹溝35bは下端が挿入部35bの下端に至り、上端が前記筒部38を通って天板部31に至り、前記各溝部31へ連結させている。
【0038】
前記キャップ3は、天板部31の下面に変形部39を構成する各溝部33を形成しているので、
図1〜6に示すキャップ3と同様に、溝部33の位置で前記天板部31が中央から折れ曲がる変形が容易となされている。即ち、標識柱1のポール2が車両の車輪に踏み潰されたときに、本体筒21の変形にキャップ3が追随して変形しやすくなるので、キャップ3が本体筒21から引き離されにくくなり、キャップ3と本体筒21との固定が外れにくくなされる。
【0039】
また、前記各溝部33は、天板部31の中心の両側に2個1組で合計4組8個設けると共に、各溝部33の端を天板部の中心で連結させているので、2個1組で一列に配置させた各溝部33で構成される変形部39の位置で天板部31が中央から折れ曲がる変形をより容易に生じるように設けている。更に、天板部31の中心近傍に位置する中央部34において、各溝部33の溝の深さを浅くして厚肉に設けているので、各溝部33の位置における天板部31の折れ曲がり変形が繰り返し生じた場合でも、各溝部33が連結する中央部34へ負荷が集中して天板部31が損傷するような問題を抑制できる。
尚、
図7〜9に示すキャップ3は、各溝部33の溝の深さを中央部34で浅く設けて変形に対する耐久性を向上させているが、これに限るものではなく、
図1〜6に示すキャップ3のように、各溝部33の端部を連結させずに、中央部34の両側に2個1組で設けるように形成させてもよい。
【0040】
前記キャップ3の挿入部35の内周面には、上下方向へ向かう凹溝35bを等間隔に配置させて全周に亘って形成させているので、薄肉となされた各凹溝35bの形成位置で挿入部35の筒壁が折れ曲がるように変形しやすくなされている。
即ち、
図7〜9に示すキャップ3は、標識柱1のポール2が車両の車輪に踏み潰され、キャップ3の挿入部35の円筒形状が扁平形状となるように変形するときに、挿入部35の筒壁が前記凹溝35bに沿って容易に折れ曲がり変形する。
このため、前記キャップ3の挿入部35は、扁平形状となるように変形する本体筒21の変形に追随して変形しやすくなされるので、挿入部35が本体筒21から引き離されにくくなり、キャップ3と本体筒21との固定が外れにくくなされる。
更に、前記各凹溝35bは、その上部を前記天板部31の各溝部31へ連結させているので、前記各凹溝35bにおける挿入部35の折れ曲がり変形と、前記溝部33の位置における前記天板部31の折れ曲がり変形とが組み合わされて、キャップ3がより容易に変形して、本体筒21からの脱離が効果的に抑制される。
尚、
図7〜9に示すキャップ3は、各凹溝35bと各溝部33とをそれぞれ連結させているが、これに限るものではなく、連結させなくてもよい。
【0041】
図10〜13は、本発明に係る標識柱1のキャップ3の実施の他の一形態をそれぞれ示す底面図である。
図10〜13に示す各キャップ3は、天板部31の下面に設ける変形部39の構成のみが、
図1〜6に示すキャップ3と異なる事項である。
即ち、
図10〜13に示す各キャップ3は、本体筒21の開口を塞ぐ平面視円形の天板部31と、前記本体筒の中空部分に挿入させる挿入部35と、挿入部35から外側へ突出する縁部37を備えており、前記天板部31には空気抜き孔h1と取付孔h2と厚肉部32を形成させ、前記挿入部35には上下方向に沿う突条35aを全周に亘って形成させ、縁部37には環状溝状の収容凹部37bを形成させている。
【0042】
図10に示すキャップ3は、天板部31の下面に形成する溝部33によって変形部39を構成しており、前記溝部33は間隔を開けて平行方向に複数形成させている。
具体的には、
図10において、前記各溝部33を図中左右方向へ向け、上下方向に間隔をあけて形成している。
詳細には、前記各溝部33は溝部33aと溝部33bとを備え、上下方向の中央に配置させた溝部33aを天板部31の中心に位置する中央部34の両側に2個1組に一列に配置させて設けると共に、前記各溝部33aに対し平行に配置させて溝部33bを設けている。
換言すると、前記各溝部33aは天板部31の径方向へ向けて形成させて変形部39を構成し、前記各溝部33bは径方向に対し平行な方向へ向けて形成させてそれぞれ変形部39を構成している。
【0043】
図10の前記キャップ3は、天板部31の下面に変形部39を構成する溝部33a、33bを形成しているので、溝部33a、33bの位置でその形成方向に沿って天板部31が折れ曲がるような変形が容易となされる。
即ち、前記キャップ3は、車両の車輪に踏み潰されるなどして図中上下方向に押し潰されるような力が加えられたときに、各溝部33aや、各溝部33bの形成位置で天板部31が容易に折れ曲がり変形する。そして、本体筒21の変形にキャップ3が追随して変形しやすくなることで、キャップ3と本体筒21との固定が外れにくくなされている。
また、変形部39を構成する前記各溝部33aを、中央部34を挟む2個1組で一列に配置させて形成しているので、前記キャップ3が車両の車輪に踏み潰されたときに、前記天板部31が中央で容易に折れ曲がり変形する。
【0044】
図11に示すキャップ3は、天板部31の下面に形成する溝部33によって変形部39を構成している。
具体的には、前記溝部33は、図中上下方向へ向けて形成した溝部331と、図中左右方向へ向けて形成した溝部332とを備えており、前記溝部331を左右方向に間隔をあけて配置させて複数形成させると共に、前記各溝部332を上下方向に間隔をあけて配置させて複数形成させ、前記各溝部331と前記各溝部332とを連結させて格子状の溝に形成させている。
詳細には、前記各溝部331は、左右方向の中央に配置させた溝部331aと、溝部331aに対し平行方向に配置させた溝部331bとを備え、前記溝部331aを天板部31の中心に位置する中央部34の両側に2個1組に一列に配置させて設けている。
また、前記各溝部332は、左右方向の中央に配置させた溝部332aと、溝部332aに対し平行方向に配置させた溝部332bとを備え、前記溝部331aを天板部31の中心に位置する中央部34の両側に2個1組に一列に配置させて設けている。
換言すると、前記各溝部331a及び各溝部332aはそれぞれ天板部31の径方向へ向けて形成させて変形部39を構成し、前記各溝部331b及び各溝部332bは径方向に対し平行な方向へ向けてそれぞれ形成させて変形部39を構成している。
【0045】
図11の前記キャップ3は、天板部31の下面に変形部39を構成する溝部331、332を形成しているので、溝部331、332の位置でその形成方向に沿って天板部31が折れ曲がるような変形が容易となされる。
即ち、前記キャップ3は、車両の車輪に踏み潰されるなどして図中上下方向または図中左右方向に押し潰されるような力が加えられたときに、各溝部331や、各溝部332の形成位置で天板部31が容易に折れ曲がり変形する。そして、本体筒21の変形にキャップ3が追随して変形しやすくなることで、キャップ3と本体筒21との固定が外れにくくなされている。
また、変形部39を構成する前記各溝部331aや各溝部332aを、中央部34を挟む2個1組で一列に配置させて形成しているので、前記キャップ3が車両の車輪に踏み潰されたときに、前記天板部31が中央で容易に折れ曲がり変形する。
【0046】
図12に示すキャップ3、及び
図13に示すキャップ3は、天板部31の下面に凹部36を形成し、列状に配置させた複数の凹部36を組み合わせて変形部39を構成している。
図12に示すキャップ3は前記各凹部36をそれぞれ「十」の字形状の窪みに形成させており、
図13に示すキャップ3は前記各凹部36をそれぞれ円形の窪みに形成させている。
【0047】
図12に示すキャップ3、及び
図13に示すキャップ3は、前記各凹部36は、図中上下方向及び図中左右方向へそれぞれ間隔をあけて配置させており、前記天板部31の下面の略全面に亘って形成させている。
前記各凹部36は、上下方向へ列状に配置させた各凹部36を組み合わせて変形部39を構成するように設けると共に、左右方向へ列状に配置させた各凹部36を組み合わせて変形部39を構成するように設けている。
【0048】
図12に示すキャップ3、及び
図13に示すキャップ3は、各凹部36を組み合わせて構成する変形部39の位置で、その方向に沿って天板部31が折れ曲がるような変形が容易となされる。
即ち、前記キャップ3は、車両の車輪に踏み潰されるなどして図中上下方向または図中左右方向に押し潰されるような力が加えられたときに、前記変形部39を構成する各凹部36の形成位置で、天板部31が容易に折れ曲がり変形する。そして、本体筒21の変形にキャップ3が追随して変形しやすくなることで、キャップ3と本体筒21との固定が外れにくくなされている。
【0049】
また、
図12に示すキャップ3、及び
図13に示すキャップ3は、天板部31の中央部34の図中左右両側に横向きの変形部39が2個1組で一列に配置されて設けられるように前記各凹部36を形成しているので、キャップ3が車両の車輪に図中上下方向に踏み潰されたときに、前記変形部39の位置である天板部31の中央で容易に折れ曲がり変形する。
また、前記キャップ3は、天板部31の中央部34の図中上下両側に縦向きの変形部39が2個1組で一列に配置されて設けられるように前記各凹部36を形成しているので、キャップ3が図中左右方向に潰されたときに、前記変形部39の位置である天板部31の中央で容易に折れ曲がり変形する。
尚、
図12に示すキャップ3、及び
図13に示すキャップ3は、列状に配置された各凹部36を組み合わせて構成される変形部39によって、天板部31が図中上下方向又は図中左右方向に折れ曲がる変形が容易に生じるように設けているが、各凹部36を形成していない場合と比較して、天板部31が図中斜め方向に折れ曲がる変形も容易に生じることは言うまでもない。
【0050】
尚、本発明に係る標識柱1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、
図1〜7に示すキャップ3や、
図10〜13に示す各キャップ3は、挿入部35の外周面に突条35aを形成しているが、これに限るものではなく、挿入部35の外周面に上下方向へ向かう凹溝35bを形成してもよい。この場合、凹溝35bは、前記溝部33の位置に対応させて形成するのが好ましい。
【0051】
また、
図1〜6に示すキャップ3、
図7〜9に示すキャップ3、
図10〜13に示す各キャップ3は、天板部31の中央部34の板厚の大きさと、溝部33以外の他の天板部31の板厚とを同じ大きさに形成しているが、これに限るものではなく、中央部34の板厚の大きさを他より大きく設けても良い。