(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記通信部と通信可能に接続されている前記自転車用コンポーネントについて、前記設定メニュー画面に含まれる前記画像と対応する項目についての設定が不可能である場合、前記設定が不可能である項目に関する前記画像を表示させないように前記表示部を制御する、請求項5に記載の自転車用表示装置。
前記電子機器は、前記自転車に搭載される自転車用コンポーネントおよび前記ライダーに装着されるセンサの少なくとも一方を含む、請求項9に記載の自転車用表示装置。
前記表示部は、前記複数の表示領域に、それぞれ、前記自転車の速度、バッテリの残量、時刻、ランプの状態、前記自転車用コンポーネントの動作モード、心拍数、血圧、およびケイデンスのいずれかに関する前記画像を表示可能である、請求項10に記載の自転車用表示装置。
前記制御部は、前記電子機器に関連する前記画像に対して予め定める優先順位に応じて、前記表示領域の大きさを変更する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の自転車用表示装置。
前記制御部は、前記通信部と通信可能に接続されている前記電子機器に第1の電子機器が含まれる場合、前記第1の電子機器に関連する画像を表示可能な第1の表示領域を前記画面に表示し、前記通信部と通信可能に接続されている前記電子機器に前記第1の電子機器が含まれない場合、前記第1の表示領域を前記画面に表示しない、請求項9〜13のいずれか一項に記載の自転車用表示装置。
前記制御部は、前記通信部と通信可能に接続されている前記電子機器に第1の電子機器および第2の電子機器が含まれる場合、前記第1の電子機器に関連する画像を表示可能な第1の表示領域、および、前記第2の電子機器に関連する画像を表示可能な第2の表示領域を前記画面に表示し、前記通信部と通信可能に接続されている前記電子機器に前記第1の電子機器が含まれ、前記第2の電子機器が含まれない場合よりも前記第1の表示領域を縮小する、請求項9〜14のいずれか一項に記載の自転車用表示装置。
前記通信部は、前記自転車用コンポーネントと有線で通信可能な通信ポート、および、前記自転車用コンポーネントと無線で通信可能な無線通信モジュールの少なくとも一方を含む、請求項1〜8、16のいずれか一項に記載の自転車用表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記自転車用表示装置では、自転車に搭載される自転車用コンポーネントの交換、または、追加等について考慮しておらず、表示部の表示に改善の余地が残されている。
【0005】
本発明の目的は、通信可能な自転車用コンポーネントに適した画像を表示部に表示可能とする自転車用表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に従う自転車用表示装置の一形態は、自転車に搭載可能な自転車用表示装置であって、前記自転車に搭載され、複数の動作モードで動作可能な自転車用コンポーネントと通信可能に接続される通信部と、複数の種類の前記自転車用コンポーネントの前記動作モードに関する画像を表示可能な表示部と、前記通信部と通信可能に接続されている前記自転車用コンポーネントの種類に応じて、前記表示部に表示させる前記画像を変更する制御部とを含む。
上記(1)に従えば、通信可能な自転車用コンポーネントに適した画像を表示部に表示させることができる。
【0007】
(2)前記(1)に記載の自転車用表示装置において、前記複数の種類の自転車用コンポーネントは、第1自転車用コンポーネント、および、第2自転車用コンポーネントを含み、前記制御部は、前記通信部が前記第1自転車用コンポーネントと通信可能に接続され、かつ、前記第2自転車用コンポーネントと通信可能に接続されていない場合、前記表示部に前記第1自転車用コンポーネントの前記動作モードに対応する前記画像を表示させ、前記通信部が前記第2自転車用コンポーネントと通信可能に接続され、かつ、前記第1自転車用コンポーネントと通信可能に接続されていない場合、前記表示部に前記第2自転車用コンポーネントの前記動作モードに応じた前記画像を表示させる。
上記(2)に従えば、第1自転車用コンポーネントおよび第2自転車用コンポーネントとの通信状態に応じて、第1自転車用コンポーネントおよび第2自転車用コンポーネントの一方に適した画像を表示部に表示させることができる。
【0008】
(3)前記(2)に記載の自転車用表示装置において、前記第1自転車用コンポーネントは、前記自転車の推進をアシストする第1モータを含み、前記第2自転車用コンポーネントは、前記自転車の推進をアシストする第2モータを含み、前記第1自転車用コンポーネントの前記複数の動作モードのそれぞれでは、前記第1モータの出力状態が異なり、前記第2自転車用コンポーネントの前記複数の動作モードのそれぞれでは、前記第2モータの出力状態が異なる。
上記(3)に従えば、第1自転車用コンポーネントの第1モータによるアシストに関する動作モードに適した画像、および第2自転車用コンポーネントの第2モータによるアシストに関する動作モードに適した画像を、表示部に選択的に表示させることができる。
【0009】
(4)前記(2)に記載の自転車用表示装置において、前記第1自転車用コンポーネントは、前記自転車の第1変速機を制御し、前記第2自転車用コンポーネントは、前記自転車の第2変速機を制御し、前記第1自転車用コンポーネントの前記複数の動作モードは、前記第1変速機の設定を変更可能なモードおよび操作装置の操作に応じて前記第1変速機に変速動作をさせるモードを含み、前記第2自転車用コンポーネントの前記複数の動作モードは、前記第2変速機の設定を変更可能なモードおよび前記操作装置の操作に応じて前記第2変速機に変速動作をさせるモードを含む。
上記(4)に従えば、第1変速機を制御する第1自転車用コンポーネントに適した画像、および第2変速機を制御する第2自転車用コンポーネントに適した画像を表示部に選択的に表示させることができる。
【0010】
(5)本発明に従う自転車用表示装置の一形態は、自転車に搭載可能な自転車用表示装置であって、前記自転車に搭載される自転車用コンポーネントと通信可能に接続される通信部と、前記自転車用コンポーネントに対応して設定可能な複数の項目に関する画像を含む設定メニュー画面を表示可能な表示部と、前記通信部と通信可能に接続されている前記自転車用コンポーネントの種類に応じて、前記設定メニュー画面の一部を変更して前記表示部に表示させる制御部とを含む。
上記(5)に従えば、通信可能な自転車用コンポーネントに適した設定メニュー画面を表示部に表示させることができる。
【0011】
(6)前記(5)に記載の自転車用表示装置において、前記制御部は、前記通信部と通信可能に接続されている前記自転車用コンポーネントについて、前記設定メニュー画面に含まれる前記画像と対応する項目についての設定が不可能である場合、前記設定が不可能である項目に関する前記画像を表示させないように前記表示部を制御する。
上記(6)に従えば、通信可能な自転車用コンポーネントに適さない項目に関する画像が設定メニュー画面に含まれないため、設定メニュー画面におけるユーザの操作性を向上させることができ、ユーザビリティに貢献できる。
【0012】
(7)前記(6)に記載の自転車用表示装置において、前記項目は、前記自転車に搭載される変速機の動作に関連する。
上記(7)に従えば、変速機に関してユーザの操作性を向上させることができる。
【0013】
(8)前記(7)に記載の自転車用表示装置において、前記項目は、前記自転車の変速比を変更する場合の前記変速機の制御方法に関連する。
上記(8)に従えば、変速機の制御方法を変更する場合のユーザの操作性が向上する。
【0014】
(9)本発明に従う自転車用表示装置の一形態は、自転車に搭載可能な自転車用表示装置であって、前記自転車に搭載されるまたは前記自転車に乗車しているライダーに装着される電子機器と通信可能に接続される通信部と、1つの画面に含まれる複数の表示領域のそれぞれに、前記電子機器に関連する画像を表示可能な表示部と、前記通信部と通信可能に接続されている前記電子機器に応じて、前記複数の表示領域のうちの少なくとも1つの前記表示領域の大きさを変更する制御部とを含む。
上記(9)に従えば、表示領域を大きくすることによってユーザが表示領域に表示される画像を把握しやすくなる。また、表示領域を小さくすることによってユーザが他の表示領域に表示される画像を把握しやすくなる。
【0015】
(10)前記(9)に記載の自転車用表示装置において、前記電子機器は、前記自転車に搭載される自転車用コンポーネントおよび前記ライダーに装着されるセンサの少なくとも一方を含む。
上記(10)に従えば、自転車に搭載される自転車用コンポーネントおよびライダーに装着されるセンサに適した表示を表示部に表示させることができる。
【0016】
(11)前記(10)に記載の自転車用表示装置において、前記表示部は、前記複数の表示領域に、それぞれ、前記自転車の速度、バッテリの残量、時刻、ランプの状態、前記自転車用コンポーネントの動作モード、心拍数、血圧、およびケイデンスのいずれかに関する前記画像を表示可能である。
上記(11)に従えば、自転車の速度、バッテリの残量、時刻、ランプの状態、自転車用コンポーネントの動作モード、心拍数、血圧、およびケイデンスのいずれかに関する画像を大きくまたは小さく表示することができる。
【0017】
(12)前記(9)〜(11)のいずれか一項に記載の自転車用表示装置において、前記制御部は、前記電子機器に関連する前記画像に対して予め定める優先順位に応じて、前記表示領域の大きさを変更する。
上記(12)に従えば、ユーザに把握させたい電子機器に関する画像を優先的に大きく、または、ユーザの把握の必要性が小さい電子機器に関連する画像を優先的に小さく表示することができる。
【0018】
(13)前記(12)に記載の自転車用表示装置において、前記制御部は、前記予め定める優先順位を変更可能に構成される。
上記(13)に従えば、所望の優先順位で電子機器に関連する画像を優先的に大きくまたは小さく表示することができる。
【0019】
(14)前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の自転車用表示装置において、前記表示部に前記画像を表示させるための情報を記憶する記憶部をさらに含む。
上記(14)に従えば、自転車用コンポーネントまたは電子機器から画像の情報を受け取らなくても、表示部に表示される内容を通信可能な自転車用コンポーネントに適した表示に変更することができる。
【0020】
(15)前記(1)〜(8)および(10)〜(14)のいずれか一項に記載の自転車用表示装置において、前記通信部は、前記自転車用コンポーネントと有線で通信可能な通信ポート、および、前記自転車用コンポーネントと無線で通信可能な無線通信モジュールの少なくとも一方を含む。
上記(15)に従えば、自転車用表示装置と自転車用コンポーネントとを有線接続および無線接続で通信可能に接続できる。
【0021】
(16)前記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の自転車用表示装置において、前記画像は、文字を含む。
上記(16)に従えば、文字を用いることでユーザに表示部に表示させる情報を正確に把握させることができる。
【0022】
(17)前記(1)〜(16)のいずれか一項に記載の自転車用表示装置において、前記画像は、アイコンを含む。
上記(17)に従えば、アイコンを用いることでユーザの視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本自転車用表示装置は、通信可能な自転車用コンポーネントに適した表示を表示部に表示できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
図1〜
図13を参照して、第1実施形態の自転車用表示装置を搭載する自転車について説明する。
【0026】
図1に示されるとおり、自転車10は、前輪12、後輪14、自転車本体16、駆動機構18、および、自転車用電子システム50を含む。自転車本体16は、フレーム20、フレーム20に接続されるフロントフォーク22、および、フロントフォーク22にステム24Aを介して着脱可能に接続されるハンドルバー24を含む。フロントフォーク22は、フレーム20に支持されて、前輪12の車軸12Aに接続される。
【0027】
自転車10は、人力駆動力が駆動機構18を介して後輪14に伝達されることによって走行する。駆動機構18は、クランク26、一対のペダル28、フロント回転体32、リア回転体34、および、チェーン36を含む。
【0028】
クランク26は、クランク軸38、および、一対のクランクアーム40を含む。クランク軸38は、フレーム20に連結される自転車用コンポーネント56のハウジングに回転可能に支持される。一対のクランクアーム40は、クランク軸38に取り付けられる。一対のペダル28は、ペダル本体28Aおよびペダル軸28Bを含む。ペダル軸28Bは、クランクアーム40のそれぞれに連結される。ペダル本体28Aは、ペダル軸28Bに対する回転が可能な状態でペダル軸28Bのそれぞれに支持される。
【0029】
フロント回転体32は、クランク軸38に直接または間接的に連結されている。フロント回転体32は、クランク軸38と同軸に設けられる。後輪14は、ハブ(図示略)を含む。一例では、フロント回転体32は、フロントスプロケットを含み、リア回転体34は、リアスプロケットを含む。チェーン36は、フロント回転体32とリア回転体34とに巻き掛けられている。ペダル28に加えられる人力駆動力によってクランク26が一方向に回転する場合、フロント回転体32、チェーン36、および、リア回転体34によって、後輪14も一方向に回転する。
【0030】
図2および
図3に示されるとおり、自転車用電子システム50は、バッテリユニット52、操作装置53、ランプ54、車速センサ55、自転車用コンポーネント56、変速装置58、および、自転車用表示装置90を含む。バッテリユニット52、操作装置53、ランプ54、車速センサ55、自転車用コンポーネント56、変速装置58、および、自転車用表示装置90は、自転車10に搭載される。自転車用コンポーネント56は、複数の動作モードで動作可能である。自転車用電子システム50を構成する各装置は、例えば電力通信線Lを用いたPLC(Power Line Communication)によって通信可能に接続される。別の例では、自転車用電子システム50を構成する各装置は、無線通信によって通信可能に接続される。無線通信の方式の一例は、BLUETOOTH(登録商標)およびANT+(登録商標)である。自転車用電子システム50を構成する各装置の一部を有線接続し、一部を無線接続することもできる。自転車用電子システム50に含まれる各装置のうち、電力通信線Lによってバッテリユニット52と接続されている装置は、バッテリユニット52から電力が供給される。自転車用電子システム50に含まれる各装置のうち、電力通信線Lによってバッテリユニット52と接続されていない装置は、バッテリユニット52とは異なるバッテリ等の電力供給源から電力が供給される。
【0031】
自転車用電子システム50は、複数の種類の自転車用コンポーネント56のいずれか、および、複数の種類の変速装置58のいずれかを選択して構成できる。複数の種類の自転車用コンポーネント56は、第1自転車用コンポーネント56Aおよび第2自転車用コンポーネント56Bを含む。変速装置58は、第1自転車用コンポーネント56Aと組み合わせ可能な第1変速装置58A、および、第2自転車用コンポーネント56Bと組み合わせ可能な第2変速装置58Bを含む。第1自転車用コンポーネント56Aは、例えばマウンテンバイク用のドライブユニットである。第2自転車用コンポーネント56Bは、例えばロードバイクまたはシティサイクル用のドライブユニットである。
【0032】
図2に示されるとおり、バッテリユニット52、操作装置53、第1自転車用コンポーネント56A、第1変速装置58A、および、自転車用表示装置90が通信可能に接続されることによって、第1自転車用電子システム50Aが構成される。
【0033】
図3に示されるとおり、バッテリユニット52、操作装置53、第2自転車用コンポーネント56B、第2変速装置58B、および、自転車用表示装置90が通信可能に接続されることによって、第2自転車用電子システム50Bが構成される。
【0034】
図1に示されるとおり、バッテリユニット52は、バッテリ62、および、バッテリ62をフレーム20に着脱可能に取り付けるためのバッテリホルダ64を備えている。バッテリ62は、充電可能な1または複数のバッテリセルを含む。バッテリ62は、バッテリ62と有線で電気的に接続されている自転車用電子システム50の各装置に電力を供給する。
【0035】
図4に示されるとおり、操作装置53は、ハンドルバー24に取り付けられる。操作装置53は、ユーザが操作可能に構成される。操作装置53は、ハンドルバー24の右側および左側にそれぞれ取り付けられる。
図2に示されるとおり、操作装置53は、操作部66、制御部68、および、通信部70を含む。操作装置53は、複数の操作部66を含む。一例では、操作部66は、ボタンである。制御部68は、操作部66が操作されたとき、操作された操作部66に応じた操作信号を通信部70から出力する。
【0036】
図1に示されるとおり、ランプ54は、フロントフォーク22に取り付けられる。ランプ54は、表示装置90の第2ボタン96Bの操作によって点灯状態と消灯状態とが切り替えられる。
【0037】
車速センサ55は、
図1に示すフロントフォーク22に取り付けられる。車速センサ55は、前輪12のスポーク12Bに取り付けられる磁石Mとの相対位置の変化に応じた値を出力する。車速センサ55は、リードスイッチを構成する磁性体リード、または、ホール素子を含むことが好ましい。
【0038】
図2に示されるとおり、第1自転車用コンポーネント56Aは、第1モータ72Aを含む。第1自転車用コンポーネント56Aは、駆動回路74A、制御部76A、通信部80A、記憶部78A、トルクセンサ82A、回転角度センサ84をさらに含む。
【0039】
第1モータ72Aは、自転車10の推進をアシストする。第1モータ72Aは、電気モータを含む。駆動回路74Aは、バッテリ62から第1モータ72Aに供給される電力を制御する。第1モータ72Aは、ペダル28から後輪
14までの人力駆動力の伝達経路、または、前輪12に回転を伝達するように設けられる。第1モータ72Aは、自転車10のフレーム20、後輪14、または、前輪12に設けられる。一例では、第1モータ72Aは、クランク軸38からフロント回転体32までの動力伝達経路に結合される。第1モータ72Aとクランク軸38との間の動力伝達経路には、クランク軸38を自転車10が前進する方向に回転させた場合に、クランク26の回転力によって第1モータ72Aが回転しないように第1のワンウェイクラッチ(図示略)が設けられるのが好ましい。第1自転車用コンポーネント56Aは、第1モータ72Aの回転を減速して出力する減速機を含んでいてもよい。クランク軸38とフロント回転体32との間の動力伝達経路には、クランク軸38を自転車10が前進する方向とは逆方向に回転させた場合に、クランク26の回転力によってフロント回転体32が回転しないように第2のワンウェイクラッチ(図示略)が設けられるのが好ましい。
【0040】
制御部76Aは、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部76Aは、1または複数の演算処理装置を含んでいてもよい。記憶部78Aには、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部78Aは、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。通信部80Aは、自転車用電子システム50の他の装置と通信可能に構成される。
【0041】
トルクセンサ82Aは、人力駆動力に応じた信号を出力する。トルクセンサ82Aは、クランク軸38に与えられる人力駆動力を検出する。トルクセンサ82Aは、クランク軸38からフロント回転体32までの間に設けられてもよく、クランク軸38またはフロント回転体32に設けられてもよく、クランクアーム40またはペダル28に設けられてもよい。トルクセンサ82Aは、例えば、歪センサ、磁歪センサ、光学センサ、および、圧力センサなどを用いて実現することができ、クランクアーム40またはペダル28に加えられる人力駆動力に応じた信号を出力するセンサであれば、いずれのセンサを採用することもできる。
【0042】
回転角度センサ84は、クランク26の回転角度を検出する。回転角度センサ84は、自転車10のフレーム20または第1自転車用コンポーネント56Aのハウジングに取り付けられる。回転角度センサ84は、第1の磁石の磁界を検出する第1の素子と、第2の磁石との位置関係に応じた信号を出力する第2の素子とを含む。第1の磁石は、クランク軸38またはクランクアーム40に設けられ、クランク軸38に同軸に配置される。第1の磁石は、環状の磁石であって、周方向に複数の磁極が交互に並んで配置されている。第1の素子は、フレーム20に対するクランク26の回転角度を検出する。第1の素子は、クランク26が1回転するとき、360度を同極の磁極の数で割った角度を1周期とした信号を出力する。回転角度センサ84が検出可能なクランク26の回転角度の最小値は、180度以下であり、好ましくは15度であり、さらに好ましくは、6度である。第2の磁石は、クランク軸38またはクランクアーム40に設けられる。第2の素子は、フレームに対するクランク26の基準角度(例えば、クランク26の上死点または下死点)を検出する。第2の素子は、クランク軸38の1回転を1周期とした信号を出力する。
【0043】
回転角度センサ84は、第1の素子および第2の素子に代えて、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成されてもよい。この場合、第1の磁石および第2の磁石に代えて、その周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石を、クランク軸38と同軸にクランク軸38に設ける。磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを用いることによって、1つのセンサで、クランク26の回転速度およびクランク26の回転角度を検出することができ、構成および組立を簡略化することができる。回転角度センサ84は、クランクの回転角度に加えて、クランク26の回転速度を検出することもできる。クランク26の回転速度は、第1の素子の出力、第2の素子の出力、および、磁気センサの出力のいずれを用いて検出してもよい。
【0044】
第1自転車用コンポーネント56Aの制御部76Aは、複数の動作モードで第1モータ72Aを制御する。複数の動作モードは、第1アシストモードA1、第2アシストモードA2、第3アシストモードA3、第4アシストモードA4、および、第5アシストモードA5を含む。第1自転車用コンポーネント56Aの複数の動作モードA1〜A5のそれぞれでは、第1モータ72Aの出力状態が異なる。制御部76Aは、操作装置53からの操作信号に基づいて、動作モードA1〜A5を切り替える。第1アシストモードA1は、クランク軸38に入力される人力駆動力に対する第1モータ72Aの出力の比率(以下、「第1アシスト比」)が高い。第3アシストモードA3は、第1アシスト比が低い。第2アシストモードA2は、第1アシスト比が第1アシストモードA1よりも低く、第3アシストモードA3よりも高い。第4アシストモードA4は、第1モータ72Aの駆動が停止され、第1アシスト比が「0」である。第5アシストモードA5は、押し歩きのためのモードであり、操作部66の操作および車速センサ55の出力に応じて第1モータ72Aの出力が制御される。
【0045】
第1変速装置58Aは、第1変速機84A、制御部86A、アクチュエータ87A、通信部88A、および、変速状態検出装置89Aを含む。
第1変速機84Aは、自転車10の変速比を段階的に変更可能である。一例では、第1変速機84Aは、クランク軸38の回転速度に対する後輪14の回転速度の比率である変速比を変更可能に構成される。第1変速機84Aは、内装変速機を含む。内装変速機は、後輪14のハブに設けられる。内装変速機は、クランク26とフロント回転体32との間の動力伝達経路に設けられてもよい。別の例では、第1変速機84Aは、複数のフロントスプロケットまたは複数のリアスプロケットの間でチェーン36を掛け替えることによって、変速比を変更可能に構成される。この場合、第1変速機84Aは、外装変速機(ディレイラ)を含む。外装変速機は、複数のフロントスプロケット間でチェーン36を掛け替えるフロント外装変速機、および、複数のリアスプロケット間でチェーン36を掛け替えるリア外装変速機の少なくとも一方を含む。第1変速機84Aが外装変速機を含まない場合、フロント回転体32は、フロントプーリを含み、リア回転体34は、ベルトによってフロント回転体32と連結されるリアプーリを含む構成としてもよい。第1変速機84Aが外装変速機を含まない場合、フロント回転体32は、フロントベベルギアを含み、リア回転体34は、ドライブシャフトによってフロント回転体32と連結されるリアベベルギアを含む構成としてもよい。第1変速機84Aが外装変速機を含む場合、フロント回転体32およびリア回転体34の少なくともいずれか一方は、歯数の異なる複数
のスプロケットを含む。
【0046】
制御部86Aは、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。制御部86Aは、1または複数の演算処理装置を含んでいてもよい。制御部86Aは、操作装置53または自転車用コンポーネント56から変速比を変更するための信号が入力された場合、アクチュエータ87Aを駆動する。
【0047】
アクチュエータ87Aは、電動モータを含む。第1変速機84Aは、アクチュエータ87Aが駆動されることにより、変速動作を行って自転車10の変速比を段階的に変更する。第1変速機84Aが内装変速機である場合、変速動作は第1変速機84Aの内部の遊星歯車機構を構成する歯車の連結状態を変更する動作を含む。第1変速機84Aが外装変速機である場合、変速動作はスプロケット間におけるチェーン36の掛け替えの動作を含む。内装変速機は、CVT(Continuously Variable Transmission)機構を含んでいてもよい。一例では、CVT機構は、入力体、出力体、および、伝達体を含む遊星機構によって構成され、伝達体が回転させられることによって変速比が連続的に変更される。第1変速装置58Aは、第1変速機84Aおよびアクチュエータ87A以外の構成を含んでいてもよい。
【0048】
通信部88Aは、自転車用電子システム50の他の装置と通信可能に構成される。例えば、通信部88Aは、操作装置53および第1自転車用コンポーネント56Aの少なくとも一方からのアクチュエータ87Aを動作させるための制御信号を受信する。また、制御部86Aによって生成された情報を第1自転車用コンポーネント56Aまたは表示装置90の少なくとも一方に送信する。
【0049】
変速状態検出装置89Aは、第1変速機84Aの動作状態を検出する。一例では、変速状態検出装置89Aは、自転車10の変速比の変更にともなって移動する第1変速装置58Aの移動部(図示略)の位置を検出する。第1変速機84Aが外装変速機の場合、移動部は、例えば外装変速機に含まれるリンク機構またはチェーンプレートである。第1変速機84Aが内装変速機の場合、移動部は、例えば遊星歯車機構の歯車の結合状態を切り替える回転体である。変速状態検出装置89Aは、アクチュエータ87Aの動作量、動作角度などを検出することによって、移動部の位置を検出する。
【0050】
第1自転車用コンポーネント56Aは、自転車10の第1変速機84Aを制御する。第1自転車用コンポーネント56Aの複数の動作モードは、第1変速機84Aの設定を変更可能なモード(以下、「調整モードC1」)および操作装置53の操作に応じて第1変速機84Aに変速動作をさせるモード(以下、「変速モードC2」)を含む。
【0051】
調整モードC1では、第1自転車用コンポーネント56Aの制御部76Aは、操作装置53に第1変速装置58Aの移動部の位置を調整するための操作が行われた場合、操作装置53からの操作信号に応じて移動部の位置を段階的に調整する。
【0052】
変速モードC2では、第1自転車用コンポーネント56Aの制御部76Aは、操作装置53に第1変速機84Aを動作させるための操作が行われた場合、第1変速装置58Aの制御部86Aに第1変速機84Aを動作させるための制御信号を送信する。第1変速装置58Aの制御部86Aは、制御信号に応じてアクチュエータ87Aを駆動させ、自転車10の変速比を変更する。
【0053】
図3に示されるとおり、第2自転車用コンポーネント56Bは、第2モータ72Bを含む。第2自転車用コンポーネント56Bは、駆動回路74B、制御部76B、通信部80B、記憶部78B、および、トルクセンサ82Bをさらに含む。
【0054】
第2モータ72Bは、自転車10の推進をアシストする。第2モータ72B、駆動回路74B、制御部76B、通信部80B、記憶部78B、および、トルクセンサ82Bは、それぞれ第1自転車用コンポーネント56Aの第1モータ72A、駆動回路74A、制御部76A、通信部80A、記憶部78A、および、トルクセンサ82Aと同様に構成される。第1自転車用コンポーネント56Aの第1モータ72A、駆動回路74A、制御部76A、通信部80A、記憶部78A、および、トルクセンサ82Aのそれぞれの構造および機能は、第2自転車用コンポーネント56Bの第2モータ72B、駆動回路74B、制御部76B、通信部80B、記憶部78B、および、トルクセンサ82Bのそれぞれの構造および機能と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0055】
第2自転車用コンポーネント56Bの制御部76Bは、複数の動作モードで第2モータ72Bを制御する。複数の動作モードは、第1アシストモードB1、第2アシストモードB2、第3アシストモードB3、第4アシストモードB4、および、第5アシストモードB5を含む。第2自転車用コンポーネント56Bの複数のアシストモードB1〜B5のそれぞれでは、第2モータ72Bの出力状態が異なる。制御部76Bは、操作装置53からの操作信号に基づいて、アシストモードB1〜B5を切り替える。第1アシストモードB1は、クランク軸38に入力される人力駆動力に対する第2モータ72Bの出力の比率(以下、「第2アシスト比」)が高い。第3アシストモードB3は、第2アシスト比が低い。第2アシストモードB2は、第2アシスト比が第1アシストモードB1よりも低く、第3アシストモードB3よりも高い。第4アシストモードB4は、第2モータ72Bの駆動が停止され、第2アシスト比が「0」である。第5アシストモードB5は、押し歩きのためのモードであり、操作部66の操作および車速センサ55の出力に応じて第2モータ72Bの出力が制御される。
【0056】
第2変速装置58Bは、第2変速機84B、制御部86B、および、アクチュエータ87B、通信部88
B、および、変速状態検出装置89Bを含む。第2変速機84B、制御部86B、および、アクチュエータ87B、通信部88B、および、変速状態検出装置89Bは、第1変速装置58Aの第1変速機84A、制御部86A、および、アクチュエータ87A、通信部88A、および、変速状態検出装置89Aと同様に構成される。第1変速装置58Aの第1変速機84A、制御部86A、および、アクチュエータ87A、通信部88A、および、変速状態検出装置89Aのそれぞれの構造および機能は、第2変速装置58Bの第2変速機84B、制御部86B、および、アクチュエータ87B、通信部88B、および、変速状態検出装置89Bのそれぞれの構造および機能と同一であってもよく、異なっていてもよい。第2変速装置58Bは、変速状態検出装置89Bを含んでいなくてもよい。
【0057】
第2自転車用コンポーネント56Bは、自転車10の第2変速機84Bを制御する。第2自転車用コンポーネント56Bの複数の動作モードは、第2変速機84Bの設定を変更可能なモード(以下、「調整モードE1」)および操作装置53の操作に応じて第2変速機84Bに変速動作をさせるモード(以下、「変速モードE2」)を含む。
【0058】
調整モードE1では、第2自転車用コンポーネント56Bの制御部76Bは、操作装置53に第2変速装置58Bの移動部の位置を調整するための操作が行われた場合、操作装置53からの操作信号に応じて移動部の位置を段階的に調整する。
【0059】
変速モードE2は、手動変速モードE21および自動変速モードE22を含む。
手動変速モードE21では、第2自転車用コンポーネント56Bの制御部76Bは、操作装置53に第2変速機84Bを動作させるための操作が行われた場合、第2変速装置58Bの制御部86Bに第2変速機84Bを動作させるための制御信号を送信する。第2変速装置58Bの制御部86Bは、制御信号に応じてアクチュエータ87Bを駆動させ、自転車10の変速比を変更する。
【0060】
自動変速モードE22では、第2自転車用コンポーネント56Bの制御部76Bは、自転車10の走行状態に基づいて第2変速機84Bを制御可能に構成される。例えば、第2自転車用コンポーネント56Bの制御部76Bは、車速センサ55の出力およびクランク26の回転速度の少なくとも一方に基づいて第2変速機84Bを動作させる。クランク26の回転速度は、第1自転車用コンポーネント56Aの回転角度センサ84と同様のセンサを、第2自転車用電子システム50Bに設けることによって取得するようにしてもよい。
【0061】
自転車用表示装置90(以下、「表示装置90」)は、自転車10に搭載可能である。表示装置90は、通信部91、表示部92、および、制御部93を含む。一例では、表示装置90は、記憶部94、ハウジング95(
図4参照)、および、操作部96をさらに含む。操作部96は、第1ボタン96Aおよび第2ボタン96Bを含む。操作部96は、表示部92上に設けられるタッチパネルを含んでいてもよい。
【0062】
図4に示されるとおり、ハウジング95は、自転車本体16に取り付け可能なホルダ95Aに着脱可能に連結される。一例では、ホルダ95Aは、ハンドルバー24に取り付けられる。表示装置90は、ホルダ95Aによって自転車10に搭載される。ハウジング95には、ホルダ95Aに設けられる被係合部に係合可能な係合部(図示略)が設けられる。ハウジング95は、通信部91、制御部93、および、記憶部94を収容する。表示部92、第1ボタン96A、および、第2ボタン96Bは、ハウジング95から露出するようにハウジング95に設けられる。表示装置90とバッテリ62とが有線で接続されている場合、第1ボタン96Aが押されることによって、バッテリ62から各装置への電力が供給されるオン状態と、バッテリ62から各装置への電力が供給されないオフ状態とが切り替わる。第2ボタン96Bが押されることによって、ランプ54の点灯状態と消灯状態とが切り替わる。例えば表示装置90がバッテリ62とは異なるバッテリを備え、自転車用コンポーネント56と無線で通信する構成の場合、第1ボタン96Aが押されることによって、表示装置90の起動状態と、停止状態とが切り替わる。この場合、バッテリユニット52は、有線で接続されている各装置に、常に電力を供給する構成としてもよく、バッテリ62から各装置への電力が供給されるオン状態と、バッテリ62から各装置への電力が供給されないオフ状態とが切り替える電源スイッチを備えていてもよい。
【0063】
通信部91は、自転車用コンポーネント56と通信可能に接続される。通信部91は、自転車用コンポーネント56と有線で通信可能な通信ポートを含む。別の例では、通信部91は、自転車用コンポーネント56と無線で通信可能な無線通信モジュールを含む。通信部91は、通信ポートおよび無線通信モジュールの両方を含んでもよい。表示装置90が有線によって自転車用コンポーネント56およびバッテリユニット52の少なくとも一方に接続される場合には、ハウジング95にはケーブルと接続するための開口部が設けられる。
【0064】
表示部92は、1以上の画像Pによって構成される画面Dを表示可能である。画像Pは、文字およびアイコンの少なくとも一方を含む。一例では、表示部92は、液晶ディスプレイを含む。別の例では、表示部92は、セグメントディスプレイまたは有機ELディスプレイを含む。表示部92は、それぞれ自転車用電子システム50に関連する画像Pを表示可能な複数の領域Rを含む画面D1(
図5参照)を表示可能である。表示部92は、自転車用コンポーネント56に対応して設定可能な複数の項目に関する画像Pを含む設定メニュー画面D2(
図11参照)を表示可能である。表示部92は、設定可能な1つの項目に関する画像Pを含む設定メニュー画面D3(
図9、
図10、
図12、および、
図13参照)を表示可能である。設定メニュー画面D3は、設定可能な項目ではない項目に関連する画像P(例えば、時刻、バッテリ62の残量、および、ランプの点灯状態に関する画像P)を含んでもよい。
【0065】
図5に示されるとおり、表示部92は、複数の種類の自転車用コンポーネント56の動作モードに関する画像Pを表示可能である。表示部92は、複数の表示領域Rに、それぞれ、自転車10の速度、バッテリ62の残量、時刻、ランプ54の状態、自転車用コンポーネント56の動作モード、心拍数、血圧、およびケイデンスのいずれかに関する画像Pを表示可能である。
【0066】
制御部93は、通信部91が第1自転車用コンポーネント56Aと通信可能に接続され、かつ、第2自転車用コンポーネント56Bと通信可能に接続されていない場合、表示部92に第1自転車用コンポーネント56Aの動作モードに対応する画像P1を表示させる。制御部93は、通信部91が第2自転車用コンポーネント56Bと通信可能に接続され、かつ、第1自転車用コンポーネント56Aと通信可能に接続されていない場合、表示部92に第2自転車用コンポーネント56Bの動作モードに応じた画像P1を表示させる。
【0067】
図2および
図3に示す制御部93は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。制御部93は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部93は、さらにタイマおよびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。GPUは、CPUまたはMPUに内蔵されていてもよく、CPUまたはMPUと別体であってもよい。
【0068】
記憶部94には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部94は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部94は、表示部92に画像Pを表示させるための情報を記憶する。記憶部94に記憶されている画像Pを表示させるための情報の少なくとも一部は、第1自転車用コンポーネント56Aおよび第2自転車用コンポーネント56Bの一方または両方に対応付けられている。接続されている自転車用コンポーネント56の種類の特定は、表示装置90の制御部93が接続されている自転車用コンポーネント56の識別情報を取得し、記憶部94に記憶された自転車用コンポーネント56の種類に関する情報に基づいて制御部93が判定してもよい。接続されている自転車用コンポーネント56の種類の特定は、ユーザが操作部96または操作部96の所定のスイッチまたはボタンを操作するか、または通信部91と通信可能に接続される外部の装置等を用いて行ってもよい。
【0069】
記憶部94は、自転車10の設定情報を記憶する。設定情報は、例えばタイヤの径、自転車用コンポーネント56の取付角度が含まれる。設定情報は、自転車用コンポーネント56、または自転車用電子システム50の外部の装置から取り込むことができる。自転車用電子システム50に外部の装置が接続された状態で、外部の装置に設定情報を更新するための操作が行われた場合、表示装置90の制御部93は、外部の装置から送信される設定情報に基づいて、表示装置90の記憶部94に記憶される設定情報を更新する。また、自転車用コンポーネント56の制御部76A,76Bは、外部の装置から送信される設定情報に基づいて、自転車用コンポーネント56の記憶部78A,78Bに記憶される設定情報を更新する。
【0070】
図5に示す画面D1の一例では、画面D1は、第1表示領域R1、第2表示領域R2、第3表示領域R3、第4表示領域R4、第5表示領域R5、第6表示領域R6、第7表示領域R7、および、第8表示領域R8から構成される。第1表示領域R1には、文字の画像Pを用いて時刻が表示される。時刻は、制御部93のタイマを用いて表示される。第2表示領域R2には、ランプ54が点灯状態の場合、点灯状態を示すアイコンの画像Pが表示され、消灯状態の場合、アイコンは表示されない。第3表示領域R3には、文字の画像Pを用いて自転車10の速度が表示される。自転車10の速度の表示には、車速センサ55から取得された情報が用いられる。
【0071】
第5表示領域R5には、モータ72A,72Bの動作モードに関する画像P1が表示される。画像P1は、アシスト比に関する情報を含む。画像P1は、文字およびアイコンを含む。第1自転車用コンポーネント56Aが接続されている場合では、第1モータ72Aの動作モードごとにユーザが直感的に動作モードの概要を理解し得る文字と、各動作モードにおけるアシスト力の大きさを示すアイコンを組み合わせた画像P1が表示される。第2自転車用コンポーネント56Bが接続されている場合では、第2モータ72Bの動作モードごとにユーザが直感的に動作モードの概要を理解し得る文字と、各動作モードにおけるアシスト力の大きさを示すアイコンを組み合わせた画像P1が表示される。第1自転車用コンポーネント56Aの第1〜第3アシストモードは、アシスト力の大小関係が対応する第2自転車用コンポーネント56Bの第1〜第3アシストモードと、それぞれアシスト力およびモータの最大出力トルクの少なくともいずれか一方が同じであってもよいし、異なっていてもよい。したがって、第1モータ72Aと、第2モータ72Bとを、動作モードを示す文字が異なる動作モードで制御している場合、第1モータ72Aおよび第2モータ72Bには、同様の制御が行われてもよく、異なる制御が行われてもよい。第1モータ72Aと、第2モータ72Bを、動作モードを示す文字が同一の動作モードで制御している場合、第1モータ72Aおよび第2モータ72Bには、同様の制御が行われてもよく、異なる制御が行われてもよい。
【0072】
表1は、第5表示領域R5に表示される第1自転車用コンポーネント56Aの動作モードに対応する画像P1に含まれる文字の一例を示す。表2は、第2自転車用コンポーネント56Bの動作モードに対応する画像P1に含まれる文字の一例を示す。一例では、記憶部94には、表1および表2に示す画像P1に関するテーブルが記憶されている。記憶部94は、自身が接続されている自転車用コンポーネント56が第1自転車用コンポーネント56Aである場合には、表1に基づいて画像P1を表示する。記憶部94は、自身が接続されている自転車用コンポーネント56が第2自転車用コンポーネント56Bである場合には表2に基づいて画像P1を表示する。
【0075】
第6表示領域R6には、文字を用いて変速機84A,84Bの動作モードに関する画像P2が表示される。変速機84A,84Bの動作モードは、自転車用コンポーネント56が例えば車速およびクランク26の回転速度等の自転車10の走行状態に応じて変速機84A,84Bを制御可能な自動変速モードと、操作部66への操作に応じてのみ変速機84A,84Bを制御可能な手動変速モードを含む。自動変速モードの場合には、表示部92には例えば「Auto」の文字から構成される画像P2が表示される。手動変速モードの場合には、表示部92には例えば「Manual」の文字から構成される画像P2が表示される。自転車用電子システム50が、自動変速モードで動作不能な第1変速装置58Aを含む場合、操作装置53に自動変速モードに切り替えるための操作が行われても表示装置90の制御部93は、自動変速モードに関する画像P2を表示しない。
【0076】
第7表示領域R7には、現在の変速段数が文字およびアイコンによって表示される。操作部66の操作、または、自転車用コンポーネント56による制御によって変速段数が変化すると、変更後の変速段数に応じた画像Pが表示される。
【0077】
第8表示領域R8には、自転車10の走行に関する画像Pが表示される。第8表示領域R8に表示される画像Pは、操作部66の操作に応じて、予め定める順番で変更される。第8表示領域R8に表示可能な画像Pは、現在のトリップにおける走行距離、積算走行距離、現在のトリップにおける現在のアシストモードでの走行距離、バッテリ62の残量から推定される各アシストモードでの走行可能距離、複数のトリップにおける走行時間、平均車速、最高車速、および、クランク26の回転速度(ケイデンス)を含む。
図7は、第1自転車用コンポーネント56Aが接続されている場合における第8表示領域R8の表示の変更の一例を示す。
図8は、第2自転車用コンポーネント56Bが接続されている場合における第8表示領域R8の表示の変更の一例を示す。第2自転車用電子システム50Bは、回転角度センサ84を含まないため、クランク26の回転速度に関する画像P3は、予め定める順序に含まれない。第2自転車用電子システム50Bが、回転角度センサ84を含んでいたとしても、クランク26の回転速度に関する画像P3は、予め定める順序に含まれないようにしてもよい。
【0078】
図6を参照して、制御部93によって実行される表示部92に表示される画像Pまたは画面Dを変更するための制御について説明する。
制御部93は、第1ボタン96Aが押されて表示装置90に電力が供給されると、ステップS11において、通信部91と通信可能に接続されている自転車用コンポーネント56の種類を特定し、ステップS12に移行する。制御部93は、自転車用コンポーネント56と最初に通信可能に接続されたときに、接続された自転車用コンポーネント56の種類を記憶部94に記憶しておき、電力が供給された場合に記憶部94に記憶されている情報に基づいて接続されている自転車用コンポーネント56の種類を特定してもよい。別の例では、制御部93は、第1ボタン96Aが押されて表示装置90に電力が供給されるごとに、自転車用コンポーネント56と通信を行って自転車用コンポーネント56識別情報を取得して、接続されている自転車用コンポーネント56の種類を特定してもよい。
【0079】
制御部93は、ステップS12において、予め定められる初期の画面D(例えば、
図5の画面D1)に表示させる項目に関する情報を取得し、表示部92に表示させて、ステップS13に移行する。
【0080】
制御部93は、ステップS13において、画面Dに表示中の項目の画像Pの変更要求があったか否かを判定する。具体的には、制御部93は、操作装置53の操作部66または表示装置90の操作部96に画面Dに表示中の項目に関する操作が行われた場合、画面Dに表示中の項目の内容が、自転車10の走行および時刻に応じて変化した場合、画面Dに表示中の項目の画像Pの変更要求があったと判定する。制御部93は、自転車用電子システム50に含まれる装置が画面Dに表示中の項目の内容を変更する動作を行った場合、画面Dに表示中の項目の画像Pの変更要求があったと判定してもよい。制御部93は、画面Dに表示中の項目の画像Pの変更要求があったと判定した場合、ステップS14に移行し、画像Pの変更が可能か否かを判定する。制御部93は、画像Pの変更が不可能と判定した場合には、ステップS13の処理に移行する。例えば、制御部93は、接続される自転車用コンポーネント56が変更要求のあった画像Pと対応する機能を有していない場合に、画像Pの変更が不可能と判定する。また、例えば、制御部93は、変速比が最大のときに、変速比を大きくする操作が操作装置53の操作部66に行われた場合、画像Pの変更が不可能と判定する。第1表示領域R1、第3表示領域R3、第4表示領域R4および第8表示領域R
8に表示される項目の内容は、自転車10の走行および時刻に応じて変化する。
【0081】
制御部93は、画像Pの変更が可能と判定した場合、ステップS15に移行し、変更要求と対応する項目の画像Pを変更する。例えば、操作部66にシフトアップのための操作が行われた場合、制御部93は第7表示領域R7に表示される画像Pを、変更後の変速段数に合致するものに変更する。また、例えば、操作部66に第8表示領域R8の表示内容を切り替えるための操作が行われた場合、第8表示領域R8に表示される画像Pを予め定める順序に応じて変更する。
【0082】
制御部93は、ステップS13において画面Dに表示中の項目の画像Pの変更要求がないと判定した場合、ステップS16に移行して設定または表示される画面Dを変更する操作が行われたか否かを判定する。具体的には、操作装置53の操作部66または表示装置90の操作部96に画面Dに表示される画像Pを変更する操作、または、画面Dを切り替える操作が入力された場合、ステップS17に移行する。制御部93は、ステップS17において、画面Dの変更が可能か否かを判定する。制御部93は、画面Dの変更が不可能と判定した場合には、ステップS13の処理に移行する。例えば、制御部93は、接続される自転車用コンポーネント56が変更要求のあった画面Dと対応する機能を有していない場合に、画面Dの変更が不可能と判定する。
【0083】
制御部93は、画面Dの変更が可能と判定した場合、ステップS18において画面Dの変更要求と対応する画面Dに切り替える。例えば、表示部92に
図5の画面D1が表示されている状態において、操作部66に自転車用コンポーネント56A,56Bを変速モードから調整モードに切り替える操作が行われた場合、表示部92に
図9に示す変速装置58の移動部の位置の調整を行うための画面D2を表示させる。
【0084】
制御部93は、ステップS18において、ステップS16において検出された操作装置53の操作部66または表示装置90の操作部96の操作に基づいて、画面Dの切り替えを実行し、再びステップS13の処理に戻る。本制御は、第1ボタン96Aが押されて表示装置90への電源の供給が停止されると終了する。制御部93は、ステップS18において、操作装置53の操作部66または表示装置90の操作部96の操作が所定時間行われない場合に、再びステップS13の処理に移行してもよい。
【0085】
制御部93は、通信部91と通信可能に接続されている自転車用コンポーネント56の種類に応じて、表示部92に表示させる画像P1を変更する。
図5に示される第5表示領域R5に表示される画像P1は、自転車用電子システム50に第1自転車用コンポーネント56Aが含まれる場合と、第2自転車用コンポーネント56Bが含まれる場合とで異なる。
図5に示される第6表示領域R6に表示される画像P2は、自転車用電子システム50に第1自転車用コンポーネント56Aが含まれる場合と、第2自転車用コンポーネント56Bが含まれる場合とで異なる。
図9および
図10に示されるとおり、変速装置58に含まれる移動部の位置を調整するための画面D2において、移動部の段階的な位置を示す文字が自転車用電子システム50に含まれる変速装置58の種類に応じて変更される。自転車用電子システム50においては、自転車用コンポーネント56を介して変速装置58の移動部の位置が変更されるため、移動部の段階的な位置を示す文字は自転車用コンポーネント56の種類に応じて変更される。
【0086】
制御部93は、通信部91と通信可能に接続されている自転車用コンポーネント56について、設定メニュー画面D2に含まれる画像Pと対応する項目についての設定が不可能である場合、設定が不可能である項目に関する画像Pを表示させないように表示部92を制御する。項目は、自転車10に搭載される変速機84A,84Bの動作に関連する。項目は、自転車10の変速比を変更する場合の変速機84A,84Bの制御方法に関連する。
【0087】
図2に示す第1変速装置58Aの第1変速機84Aが、ディレイラによって構成される場合、ディレイラには衝撃が与えられたときにアクチュエータ87Aと第1変速機84Aとの力の伝達を切り離すセーバ機構が設けられている。アクチュエータ87Aと第1変速機84Aとの力の伝達がセーバ機構によって切り離された場合、変速状態検出装置89Aの出力から検出される第1変速装置58Aの移動部の位置と、実際の移動部の位置とが異なる。第1自転車用コンポーネント56Aの制御部76Aは、アクチュエータ87Aと第1変速機84Aとの力の伝達が行われる状態にセーバ機構を復帰させ、第1変速装置58Aの移動部の検出される位置と、実際の推定される位置とが一致するように第1変速装置58Aを制御する復帰制御を実行する。
【0088】
図11に示す設定メニュー画面D2が表示部92に表示されている状態において、セーバ機構を復帰させる復帰制御を実行させる操作が行われた場合、第1自転車用電子システム50Aでは、表示装置90の制御部93は、表示部92に
図12に示す制御の実行を確認する画面D2を表示させる。セーバ機構を復帰させる復帰制御を実行させる操作は、設定メニュー画面D2に表示されている項目(
図11では、「RD protection reset」)を選択することによって行われる。
図12の状態において、操作装置53を介して第1変速装置58Aの移動部の検出される位置と実際の移動部の位置とを一致させる制御を実行する操作が行われた場合、表示装置90の制御部93は、表示部92に
図13に示すユーザの動作を促す画像Pを含む画面Dを表示する。ユーザの動作は、クランク26を手動で回転させる動作を含む。ユーザの動作を促す画像Pは、クランク26の模式図とクランク26の回転を促す矢印マークとを含む。クランク26の模式図とクランク26の回転を促す矢印マークとは、クランク26の模式図が回転しているように見えるように動画として表示されてもよい。制御部93は、第1変速機84Aがリアディレイラであれば最も歯数の最も多いリアスプロケットに対応する位置に移動部が移動するように、アクチュエータ87Aを動作させることによって、変速状態検出装置89Aの検出結果に基づく第1変速装置58Aの移動部の位置と、実際の移動部の位置とを一致させる。制御部93は、変速状態検出装置89Aの検出結果に基づいて、第1変速装置58Aの移動部を最も歯数の最も多いリアスプロケットに対応する位置なるようにアクチュエータ87Aを駆動させた後、予め定める時間が経過するまで、
図13に示す画面Dを表示させる。制御部93は、予め定める時間が経過すると、
図11に示す設定メニュー画面D2を表示部92に表示させる。
【0089】
図3に示す第2変速装置58Bの第2変速機84Bが内装変速機によって構成され、
図11に示す設定メニュー画面D2が表示部92に表示されている状態において、セーバ機構を復帰させる復帰制御を実行させる操作が行われた場合、第2自転車用電子システム50Bでは、
図12および
図13に示される画面Dに移行せず、
図11の設定メニュー画面D2の表示を維持する。
【0090】
(第2実施形態)
図2、
図3、
図5、
図14、および、
図15を参照して、第2実施形態の表示装置90について説明する。第2実施形態の表示装置90は、接続される電子機器の種類に応じて画面D1において表示される画像Pの大きさが変更される点以外では、第1実施形態の表示装置90と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0091】
図2および
図3に示される通信部91は、自転車10に搭載されるまたは自転車10に乗車しているライダーに装着される電子機器と通信可能に接続される
。自転車10に搭載される自転車用コンポーネント56およびライダーに装着されるセンサの少なくとも一方を含む電子機器には、自転車用電子システム50を構成する各装置が含まれる。電子機器には、バッテリユニット52、操作装置53、ランプ54、車速センサ55、および、自転車用コンポーネント56が含まれる。
【0092】
図5に示されるとおり、表示部92は、1つの画面D1に含まれる複数の表示領域Rのそれぞれに、電子機器に関連する画像Pを表示可能である。制御部93は、通信部91と通信可能に接続されている電子機器に応じて、複数の表示領域Rのうちの少なくとも1つの表示領域Rの大きさを変更する。制御部93は、電子機器に関連する画像に対して予め定める優先順位に応じて、表示領域Rの大きさを変更する。制御部93は、予め定める優先順位を変更可能に構成される。
【0093】
図14を参照して、表示領域Rの大きさを変更する制御について説明する。
制御部93は、ステップS21において複数の表示領域Rを含む画面D1の表示要求があったか否かを判定する。例えば表示装置90に電力が供給された場合、または、画面D2および画面D3が表示されている状態で画面D1に変更される操作が操作部66に行われた場合に、制御部93は、複数の表示領域Rを含む画面D1の表示要求があったと判定する。
【0094】
制御部93は、複数の表示領域Rの表示要求があるまでステップS21の処理を繰り返す。制御部93は、複数の表示領域Rの表示要求があったと判定した場合、ステップS22において接続されている電子機器の種類を特定し、ステップS23に移行する。電子機器の種類の特定は、
図6のステップS11における自転車用コンポーネント56の種類の特定と同様に行われる。
【0095】
制御部93は、ステップS23において、画面D1に含まれる表示領域Rの大きさ
の変更が必要か否かを判定する。具体的には、記憶部94に予め記憶されている画面D1に表示可能な全ての項目について、項目に画像Pを表示するための情報を取得できる電子機器が接続されていない場合、制御部93は、該当する画像Pを表示する表示領域Rを削除または縮小し、他の表示領域Rを拡大する必要があると判定する。また、記憶部94に予め記憶されている画面D1に表示可能な項目を追加する電子機器が接続されている場合、制御部93は、該当する画像Pを表示する表示領域Rを追加し、他の表示領域Rを縮小する必要があると判定する。
【0096】
制御部93は、表示領域Rの大きさの変更が必要と判定した場合、ステップS24において、予め定める優先順位に基づいて表示領域Rの大きさを変更し、ステップS25において、複数の表示領域Rを含む画面Dを表示部92に表示する。制御部93は、ステップS23において、表示領域Rの大きさの変更が必要ではないと判定した場合、ステップS24の処理を行わず、ステップS25において、複数の表示領域Rを含む画面Dを表示部92に表示する。
【0097】
例えば、自転車用電子システム50に自転車用コンポーネント56が含まれない場合、表示部92は、
図5の画面D1から第5表示領域R5を削除し、予め定める優先順位が高い表示領域Rを拡大する。例えば、表3に示す優先順位に関する情報が記憶部94に記憶されている場合、第5表示領域R5が削除されるので、
図15に示されるように第5表示領域R5の次に優先順位の高い第6表示領域R6を拡大する。
【0099】
また、例えば、自転車用電子システム50に含まれる電子機器にさらにライダーの心拍数を検出するセンサが含まれる場合、
図5の画面Dにおいて予め定める優先順位が低い領域Rを縮小する。例えば、表4に示す優先順位に関する情報が記憶部94に記憶されている場合、第3表示領域R3が縮小されるので、
図16に示されるように余白に心拍数に関する画像Pを表示する第9表示領域R9を追加する。
【0101】
制御部93は、例えば設定メニュー画面D2に予め定める優先順位を変更するためのモードに移行するための項目を表示させ、この項目が選択されると、操作部66または操作部96によって、予め定める優先順位に関する情報を変更することができるように構成されてもよい。制御部93は、通信部91と通信可能な外部の装置からの指令に応じて、予め定める優先順位に関する情報を変更するように構成されてもよい。
【0102】
(変形例)
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う自転車用表示装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う自転車用表示装置は、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0103】
・制御部93は、通信部91と通信可能に接続されている自転車用コンポーネント56の種類に応じて、設定メニュー画面D2の一部を変更して表示部92に表示させることもできる。例えば、自転車用電子システム50が第1自転車用コンポーネント56Aを含む場合は、
図11に示される設定メニュー画面D2を表示部92に表示させる。自転車用電子システム50が第2自転車用コンポーネント56Bを含む場合は、変速状態検出装置89Aの検出結果に基づく第1変速装置58Aの移動部の位置と実際の位置とを一致させ、セーバ機構を復帰させる機能がない。このため、
図17に示されるように、変速状態検出装置89Aの検出結果に基づく第1変速装置58Aの移動部の位置と実際の位置とを一致させ、セーバ機構を復帰させる機能を実行させるための項目を省略して、設定メニュー画面D2を表示部92に表示させる。
【0104】
・第1実施形態の自転車用コンポーネント56は、変速装置58、サスペンションおよびアジャスタブルシートポストの少なくとも1つを含んでいてもよい。要するに、複数の動作モードで動作可能な自転車用コンポーネントであれば、いずれの自転車用コンポーネントにも表示装置90を適用可能である。
【0105】
・第2実施形態の制御部93は、記憶部94に記憶される複数の表示領域Rを含む画面D1に関する情報を更新可能に構成されてもよい。例えば、電子機器が追加または削除されるときに記憶部94に記憶される画面D1の表示領域Rに関する情報が変更され、以降において画面D1を表示する場合には記憶部94に記憶される情報に基づいて画面D1が表示される。この場合、
図18に示すように、制御部93は、ステップS31において自転車用電子システム50に電子機器が追加または自転車用電子システム50から電子機器が削除されたか否かを判定する。制御部93は、所定周期ごとに自転車用電子システム50に含まれる電子機器の情報を取得してもよく、外部の装置から送信される電子機器の追加または削除の情報に基づいて自転車用電子システム50に電子機器が追加または自転車用電子システム50から電子機器が削除されたか否かを判定してもよい。制御部93は、電子機器が追加または削除されたと判定した場合、ステップS32において、接続されている電子機器の種類を特定して、ステップS33に移行する。制御部93は、接続されている電子機器の情報に基づいて、画面D1における表示領域Rの大きさの変更が必要か否かを判定する。制御部93は、表示領域Rの大きさの変更が必要ないと判定した場合は、処理を終了する。制御部93は、表示領域Rの大きさの変更が必要と判定した場合、ステップS34において予め定める優先順位に基づいて表示領域Rの大きさを変更し、ステップS35において変更した画面D1に関する情報を記憶部94に記憶して処理を終了する。
【0106】
・操作装置53は、表示装置90または自転車用電子システム50を構成する他の装置と一体に構成されてもよい。
・表示装置90から記憶部94を省略し、自転車用コンポーネント56の記憶部78A,78Bに表示部92に表示させる内容を記憶してもよい。操作装置53の操作に応じて自転車用コンポーネント56は、表示部92に表示させる情報を表示装置90に送信する。表示装置90は、自転車用コンポーネント56から送信された情報に基づいて表示部92に画像Pを表示させる。
【0107】
・表示装置90は、スマートフォン、または、タブレットPCによって構成されてもよい。また、表示装置90は、ライダーに装着可能に構成されてもよい。
・表示装置90から操作部96が省略されてもよい。この場合、表示装置90への電力の供給を開始するための操作部が、自転車用電子システム50の他の装置に設けられてもよい。また、自転車用電子システム50の他の装置のオン状態とオフ状態と表示装置90がオン状態とオフ状態とが同期するように構成されてもよい。
【0108】
・自転車用電子システム50において、バッテリユニット52、操作装置53、ランプ54、車速センサ55、自転車用コンポーネント56、変速装置58、および、自転車用表示装置90の少なくとも一つは、電力線通信ではなく、電力のみを電送する電力線および通信信号のみを電送する通信線の少なくとも一方を介して、自転車用コンポーネント56の制御部76Bと接続されていてもよい。