特許第6825967号(P6825967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6825967-浴槽洗浄装置 図000002
  • 特許6825967-浴槽洗浄装置 図000003
  • 特許6825967-浴槽洗浄装置 図000004
  • 特許6825967-浴槽洗浄装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6825967
(24)【登録日】2021年1月18日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】浴槽洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20210121BHJP
   A47L 25/00 20060101ALI20210121BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   A47K3/00 Q
   A47L25/00 D
   F24H1/00 602L
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-74226(P2017-74226)
(22)【出願日】2017年4月4日
(65)【公開番号】特開2018-175001(P2018-175001A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】川島 剛
【審査官】 伊藤 翔子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−176426(JP,A)
【文献】 特開平10−234598(JP,A)
【文献】 特開2009−257659(JP,A)
【文献】 特開平06−007283(JP,A)
【文献】 特開2012−170614(JP,A)
【文献】 米国特許第04383341(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
A47L 25/00
F24H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤タンクから供給される洗剤と熱源機から供給される湯水とを混合して洗浄液を生成する洗剤混合部と、
浴槽に洗剤混合部で生成された洗浄液を噴射させる洗浄ノズルと、
洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の流量が所定の設定流量となるように調整する流量調整部と、
洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量を手動で設定する手動流量設定部と、
手動流量設定部で洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量が設定されると、設定後の洗浄液の設定流量を新たな設定流量として記憶する記憶部と、を備える浴槽洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴槽洗浄装置は、洗浄運転中に洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量を設定する流量設定モードでの運転を実行可能に構成されており、
流量設定モードでの運転に際し、手動流量設定部で洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量が設定される浴槽洗浄装置。
【請求項3】
請求項2に記載の浴槽洗浄装置は、
流量設定モードでの運転の前または後に連続して洗浄試運転モードでの運転を実行可能に構成されている浴槽洗浄装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽を自動で洗浄する浴槽洗浄装置に関する。特に、本発明は、洗浄運転中の洗浄液の設定流量を手動で設定する流量設定モードを備えた浴槽洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽内へ洗浄液を噴射させて浴槽の内壁面に付着した汚れを洗い落とす浴槽洗浄装置が知られている。例えば、浴槽の内壁面全周や浴槽蓋全面に亘って洗浄液が噴射されるように噴射角度が設定された浴槽洗浄装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
ところで、浴槽の内壁面は、入浴者が入浴した状態における喫水線が接触する領域に最も汚れが付着しやすい。従って、洗浄運転を効率的に実行するためには、この最も汚れが多く付着する領域に洗浄液を噴射することが望ましい。そのため、特許文献1では、浴槽に注湯される標準湯量を設定し、標準湯量の湯水を注湯したときの喫水線と浴槽の内壁面とが接触する領域に洗浄液が噴射されるように噴射角度を設定している。
【0004】
しかしながら、各家庭によって浴槽の使用条件は異なる。例えば、毎回、複数人が同時に入浴する場合と、一人の入浴者のみが入浴する場合とでは、同じ浴槽の大きさであっても、定常的に浴槽に注湯される湯量が異なってくる。それゆえ、浴槽の大きさに応じた標準湯量が設定されていても、標準湯量の湯水が注湯されたときとは異なる位置に喫水線が形成されて、所期の洗浄効果が得られないという問題がある。
【0005】
また、上水の水道水圧力を利用して洗浄液を噴射させる浴槽洗浄装置では、地域によって水道水圧力が異なると、給湯器などの熱源機から浴槽洗浄装置に供給される湯水の流量が変動するため、洗浄液の流量が変動しやすい。さらに、熱源機は屋外に設置される場合も多く、設置環境によって熱源機から洗浄ノズルまでの配管長さが異なってくるため、配管長さの相違によっても、洗浄液の流量が変動しやすい。それゆえ、浴槽の大きさや使用条件に応じた標準湯量が予め想定され、その標準湯量で浴槽に注湯されている場合でも、想定されている標準湯量で湯水が注湯されたときの喫水線と浴槽の内壁面とが接触する領域に洗浄液が噴射されず、十分な洗浄効果が得られない虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−328124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、浴槽の使用条件や浴槽洗浄装置の設置環境に関わらず、所定の噴射位置に洗浄液を噴射させて、安定した洗浄性能が得られる浴槽洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
洗剤タンクから供給される洗剤と熱源機から供給される湯水とを混合して洗浄液を生成する洗剤混合部と、
浴槽に洗剤混合部で生成された洗浄液を噴射させる洗浄ノズルと、
洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の流量が所定の設定流量となるように調整する流量調整部と、
洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量を手動で設定する手動流量設定部と、
手動流量設定部で洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量が設定されると、設定後の洗浄液の設定流量を新たな設定流量として記憶する記憶部と、を備える浴槽洗浄装置が提供される。
【0009】
上記浴槽洗浄装置は、洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の流量が設定流量となるように調整する流量調整部と、洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量を手動で設定する手動流量設定部と、手動流量設定部で洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量が設定されると、設定後の洗浄液の設定流量を新たな設定流量として記憶する記憶部とを有するから、浴槽洗浄装置の設置現場で、浴槽の使用条件や浴槽洗浄装置の設置環境に応じて洗浄ノズルから噴射される洗浄液の噴射位置を手動で容易に変更することができる。
【0010】
好ましくは、上記浴槽洗浄装置は、洗浄運転中に洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量を設定する流量設定モードでの運転を実行可能に構成されており、
流量設定モードでの運転に際し、手動流量設定部で洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量が設定される。
【0011】
上記浴槽洗浄装置によれば、洗浄運転中に洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量を設定する流量設定モードでの運転が実行可能であるから、洗浄運転の全工程を実行することなく、浴槽洗浄装置の設置現場で、洗浄ノズルから適切な噴射位置に洗浄液が噴射されるかどうかを確認することができる。そして、上記浴槽洗浄装置によれば、流量設定モードでの運転に際し、手動流量設定部で洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の設定流量が設定されると、設定後の洗浄液の設定流量が新たな設定流量として記憶され、流量調整部で洗浄運転中に洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の流量が新たに設定された設定流量となるように調整されるから、適切な噴射位置に洗浄液を噴射させることができる。これにより、例えば、浴槽に注湯する標準湯量が想定されて、洗浄液の噴射位置が予め設定されている浴槽洗浄装置でも、浴槽洗浄装置の設置現場で、浴槽の使用条件や浴槽洗浄装置の設置環境に応じて洗浄液の噴射位置をより適切な位置に手動で容易に変更することができる。
【0012】
好ましくは、上記浴槽洗浄装置は、流量設定モードでの運転の前または後に連続して洗浄試運転モードでの運転を実行可能に構成される。
【0013】
上記浴槽洗浄装置によれば、流量設定モードでの運転の前または後に連続して洗浄試運転モードでの運転が実行可能に構成されているから、浴槽洗浄装置の設置時に、施工者による設定忘れを防止でき、確実に設定流量を設定することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、浴槽洗浄装置の設置現場で、洗浄液の噴射位置を手動で容易に変更できるから、定常的な入浴者の人数などの浴槽の使用条件だけでなく、水道水圧力や配管長さなどの浴槽洗浄装置の設置環境が異なっていても、安定した洗浄性能が得られる浴槽洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る浴槽洗浄装置を示す概略構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1に係る浴槽洗浄装置の試運転での制御動作を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施の形態2に係る浴槽洗浄装置を示す概略構成図である。
図4図4は、本発明の実施の形態2に係る浴槽洗浄装置の試運転での制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る浴槽洗浄装置を説明する。
図1は、本実施の形態に係る浴槽洗浄装置を示す概略構成図である。図1に示すように、浴室BR内には、浴室壁に沿って浴槽1が配設され、浴室BR外(例えば、屋外)には、熱源機である給湯器6が配設されている。図示しないが、浴槽1は、貯水部を構成する浴槽内周壁と、貯水部の開口縁から全周に亘って外方へ水平に張り出す上縁フランジ部と、浴槽1の外側面を構成するエプロンとを備え、上縁フランジ部の下方には浴槽内空間10が形成されている。
【0017】
浴槽1の底部には浴槽水を排水するための排水栓2と、湯水や洗浄液を噴射する洗浄ノズル7とが設けられている。図示しないが、洗浄ノズル7は、洗浄管43を介して供給される湯水や洗浄液を浴槽1の貯水部の内周面全域に亘って放射状に噴射する噴射口を備える。この噴射口は、湯水や洗浄液の流量に応じて、湯水や洗浄液の噴射位置が貯水部の内周面の上下域に変動するように構成されている。なお、洗浄ノズル7は、浴槽1と別に設けられてもよい。浴槽1の上縁フランジ部には、排水スイッチ5が設けられており、排水スイッチ5は、上縁フランジ部の下方に設けられた排水栓2を開閉する排水栓コントローラ50と接続されている。従って、使用者が排水スイッチ5を操作したり、後述するリモコンRの洗浄スイッチを操作したりすると、排水栓2が開栓され、浴槽1内の浴槽水が排水される。
【0018】
図示しないが、給湯器6は、ガスバーナと、給湯熱交換器とを備える。ガスバーナには、ガス供給管78が接続されている。給湯熱交換器には、給水源から上水を供給するための給水管63と、カランやシャワーなどの給湯栓65や後述する本体ユニット4に給湯器6から加熱された湯水を供給する給湯管66とが接続されている。また、給湯器6内には、湯張り運転や給湯運転を制御する給湯器コントローラ60が組み込まれており、給水管63に設けられた給水センサや給湯管66に設けられた給湯温度センサなどの各種センサ、給水管63、給湯管66、及びガス供給管78に設けられた各種制御弁、点火装置、電源ボックスや、図示しない給湯器用のリモコンは、給湯器コントローラ60と電気配線を介して接続されている。なお、本実施の形態では、給湯器6は給湯熱交換器のみを有するが、浴槽1に循環金具を設けるとともに、給湯器6に給湯熱交換器及び風呂熱交換器を設け、追焚き機能を有する給湯器を用いてもよい。また、電気式給湯器やヒートポンプ式給湯器を用いてもよい。
【0019】
給水管63及び給湯管66はそれぞれ、給湯栓65側と浴室BRの天井壁の裏面に配設された本体ユニット4側とに分岐している。給水管63及び給湯管66からそれぞれ本体ユニット4側に分岐する上流側の第1温調用給水管63a及び第1湯水供給管66aには、逆止弁71,72と、湯水混合部80とが接続されている。より詳細には、湯水混合部80は、上流側の第1温調用給水管63aに上流側から順に介設された、給水温センサ81、水量センサ83、及び水量調整弁85と、上流側の第1湯水供給管66aに上流側から順に介設された、湯温センサ82、湯量センサ84、及び湯量調整弁86とを備える。また、逆止弁71,72近傍の上流側の第1温調用給水管63a及び第1湯水供給管66aの配管周囲にはそれぞれ、凍結防止用ヒータ73,74が配設されている。上流側の第1温調用給水管63a及び第1湯水供給管66aは、水量調整弁85及び湯量調整弁86の下流側で合流して、1つの上流側の第2湯水供給管66bを構成している。上流側の第2湯水供給管66bには、温度センサ75が介設されている。
【0020】
上流側の第2湯水供給管66bは、補水用電磁弁46を介して、湯水貯留部である湯水タンク47に接続されている。また、湯水混合部80と湯水タンク47とを接続する上流側の第2湯水供給管66bからは、湯張り用湯水供給管66dが分岐しており、湯張り用湯水供給管66dは、湯張り用電磁弁90を介して、浴槽1の上方に位置する框水栓79と接続されている。上流側の第2湯水供給管66bの分岐部と湯張り用電磁弁90との間の湯張り用湯水供給管66dの配管周囲には、凍結防止用ヒータ76が配設されている。
【0021】
図示しないが、湯水タンク47の上部には、上流側の第2湯水供給管66bから供給される湯水が吐出する補水口と、補水口よりも下方に位置するオーバーフロー口とが設けられている。また、湯水タンク47の底部には、流出口が設けられており、流出口には、ポンプ48に湯水を供給するための下流側の第3湯水供給管66cが接続されている。さらに、オーバーフロー口には、浴槽パン内に延設されたオーバーフロー管68が接続されている。従って、補水口とオーバーフロー口との間には吐水口空間が形成され、上流側の第2湯水供給管66bと下流側の第3湯水供給管66cとは湯水タンク47によって縁切りされている。このため、湯水タンク47は、逆流防止部としても機能する。
【0022】
下流側の第3湯水供給管66cには、上流側から順に、ポンプ48と、下流側電磁弁49とが介設されている。本体ユニットコントローラ40からの制御信号でポンプ48を駆動及び停止させるとともに、下流側電磁弁49を開弁及び閉弁させることにより、湯水タンク47から洗浄液生成ユニット3へ湯水が供給及び停止され、それによって洗浄ノズル7から湯水や洗浄液の噴射及び停止が行われる。また、本体ユニットコントローラ40からの制御信号でポンプ48の駆動電圧を制御することにより、洗浄ノズル7から噴射される湯水や洗浄液の流量が調整される。従って、本実施の形態では、ポンプ48及び本体ユニットコントローラ40におけるポンプ48の駆動制御部が、洗浄ノズル7から噴射する洗浄液の流量を調整する流量調整部として機能する。
【0023】
図示しないが、本体ユニット4は、上記した湯水混合部80、湯水タンク47、ポンプ48等の各構成部品が収容されたケーシングを備え、ケーシング内の湯水混合部80の近傍には、ケーシング内の温度を検知する低温感知用温度センサ77が配設されている。また、本体ユニット4には、本体ユニットコントローラ40が組み込まれており、既述した給水温センサ81、湯温センサ82、水量センサ83、湯量センサ84、水量調整弁85、湯量調整弁86、凍結防止用ヒータ73,74,76、温度センサ75、低温感知用温度センサ77、補水用電磁弁46、ポンプ48、下流側電磁弁49、湯張り用電磁弁90、リモコンRや、図示しない湯水タンク47内の電極、電源ボックスは、本体ユニットコントローラ40と電気配線を介して接続されている。さらに、本体ユニットコントローラ40は、後述する洗浄ユニットコントローラ30と双方向通信可能に接続されている。
【0024】
浴槽1の上縁フランジ部の下方に位置する浴槽内空間10には、洗浄液生成ユニット3を構成する、洗剤を貯留する洗剤タンク41と、ベンチュリ式の洗剤混合部51と、洗剤タンク41からの洗剤を洗剤混合部51に導く洗剤導入管44とが配設されており、洗剤導入管44には、洗剤混合部51への洗剤の供給を調整する第1及び第2洗剤弁42a,42bが介設されている。洗剤混合部51と洗浄ノズル7とは、洗浄管43を介して接続されている。なお、浴槽内空間10の大きさ等に応じて、洗剤タンク41、第1及び第2洗剤弁42a,42b、並びに洗剤混合部51を浴槽内空間10内でそれぞれ離間させて配設してもよい。
【0025】
天井裏の本体ユニット4と、浴室BR内の洗浄液生成ユニット3とは、浴槽1の一側方の浴室壁を貫通する湯水管67によって接続されている。より詳細には、湯水管67は、上流端が本体ユニット4の下流側電磁弁49と接続され、下流端が洗浄液生成ユニット3の洗剤混合部51と接続されている。従って、第1及び第2洗剤弁42a,42bが開弁された状態で、ポンプ48を駆動させるとともに、下流側電磁弁49を開弁させて、湯水タンク47に貯留された湯水を湯水管67を介して洗剤混合部51に供給すると、湯水が洗剤混合部51を通過する際に生じる負圧によって、洗剤と湯水とが混合されて洗浄液が生成され、洗浄管43を通って、洗浄ノズル7から洗浄液が噴射され、浴槽1の洗浄が行われる。また、第1及び第2洗剤弁42a,42bが閉弁された状態で、同様にポンプ48を駆動させるとともに、下流側電磁弁49を開弁させて、湯水タンク47に貯留された湯水を湯水管67から洗剤混合部51に供給すると、洗浄ノズル7から湯水のみが噴射され、浴槽1の予備洗浄やすすぎが行われる。
【0026】
図示しないが、洗浄液生成ユニット3は、上記した洗剤混合部51や第1及び第2洗剤弁42a,42bが収容されたケーシングを備える。また、洗浄液生成ユニット3には、洗浄ユニットコントローラ30が組み込まれており、既述した第1及び第2洗剤弁42a,42bや図示しない洗剤タンク41の電極は、洗浄ユニットコントローラ30と電気配線を介して接続されている。さらに、洗浄ユニットコントローラ30は、排水栓コントローラ50及び本体ユニットコントローラ40と双方向通信可能に接続されている。
【0027】
浴室BR内には、湯張り運転及び洗浄運転用のリモコンRが配設されており、本実施の形態ではリモコンRが手動流量設定部として機能する。リモコンRには、運転スイッチ101、湯張り運転を行う湯張りスイッチ102、洗浄運転を行う洗浄スイッチ103、洗浄運転後に、湯張り運転を行う洗浄・湯張りスイッチ104、湯張り温度を設定する湯張り温度設定スイッチ105、さし湯やさし水運転を開始及び停止させるさし湯及びさし水スイッチ106、洗浄コースを選択する洗浄コース設定スイッチ107、タイマスイッチ108、及び運転状態や設定温度が表示される表示部110などが設けられている。また、図示しないが、リモコンRは、本体ユニットコントローラ40と電気配線を介して接続されており、洗浄ユニットコントローラ30や排水栓コントローラ50と本体ユニットコントローラ40を介して接続されている。各コントローラは、CPU、ROM、RAMを備えるマイクロコンピュータから構成されており、格納されている制御プログラムに従って、排水栓2、洗浄液生成ユニット3、本体ユニット4、及び給湯器6を作動させ、湯張り運転や洗浄運転等が実行される。
【0028】
図示しないが、給湯器コントローラ60は、ガスバーナの燃焼を制御する給湯制御部を備え、本体ユニットコントローラ40は、洗浄運転を制御する洗浄運転制御部、試運転を制御する試運転制御部を備える。また、本体ユニットコントローラ40のメモリには、洗浄ノズル7から噴射させる洗浄液の設定流量を複数段階(ここでは、レベル0〜6の7段階)で変更するためのポンプ48の駆動電圧の設定値が格納されているととともに、工場出荷時にはその1つが初期値として登録されている。
【0029】
次に、図2を参照して、本実施の形態の浴槽洗浄装置における試運転モードの制御動作について説明する。なお、給湯器6は、給水管63に設けられた給水センサ(図示せず)で検知される水量が所定水量以上になるとガスバーナを点火させ、給水センサで検知される水量が所定水量未満になるとガスバーナを消火させる点消火制御を行うように構成されている。
【0030】
給湯器6、洗浄液生成ユニット3、本体ユニット4、リモコンRなどの設置工事が終了した後、洗剤タンク41へ洗剤が投入され、給湯器用のリモコンの運転スイッチがオン操作された状態で、例えば、施工者がリモコンRの洗浄・湯張りスイッチ104と洗浄コース設定スイッチ107とを同時押しする試運転スイッチのオン操作を行うと、洗浄液の設定流量を設定する流量設定モード、洗浄試運転モード及び湯張り試運転モードの各運転を連続して行う試運転モード制御プログラムが起動され、まず流量設定モードでの運転が開始される(ステップST1)。
【0031】
この流量設定モードの運転では、排水栓コントローラ50により排水栓2が開栓され、排水栓2が開栓されてから所定の排水時間が経過すると、本体ユニットコントローラ40は、本体ユニット4側のみに湯水混合部80から湯水が供給されるように補水用電磁弁46を開弁させる。すると、水道水圧力によって給水管63から給湯器6に上水が供給され、図示しない給水センサで所定水量以上の水量が検知されると、給湯器コントローラ60は、ガスバーナを点火させて給湯運転を開始させる。給湯運転が開始すると、湯水混合部80において、温度センサ75で検知される湯水の温度が所定の温度となるように水量調整弁85及び湯量調整弁86の開度が調整され、上流側の第1温調用給水管63a並びに第1及び第2湯水供給管66a,66bを介して湯水タンク47に所定の温度に調整された湯水が供給される(ステップST2〜ST4)。
【0032】
次いで、湯水タンク47内の電極で所定水位まで湯水が貯留されたことが検知されると、本体ユニットコントローラ40は、補水用電磁弁46を閉弁させる。そして、メモリに登録されている初期値(例えば、6.5L/minの流量が得られる駆動電圧)でポンプ48を駆動させるとともに、下流側電磁弁49並びに第1及び第2洗剤弁42a,42bを開弁させる。これにより、洗剤混合部51に洗剤及び湯水が供給されて洗浄液が生成され、初期値の設定流量で洗浄ノズル7から浴槽1内に洗浄液が噴射される(ステップST5〜ST8)。
【0033】
このとき、洗浄ノズル7から噴射される洗浄液の噴射位置が、想定されている標準湯量の湯水を注湯したときの喫水線と浴槽1の内壁面とが接触する領域と一致していなければ、施工者はリモコンRの洗浄コース設定スイッチ107のUP/DOWNキーを操作して、ポンプ48の駆動電圧を増減させる。すると、洗浄コース設定スイッチ107での流量変更の操作に応じて、所定の範囲(例えば、5.0L/min〜8.0L/minの流量の範囲)で洗浄液の流量が変更される。そして、想定されている標準湯量の湯水を注湯したときの喫水線と浴槽1の内壁面とが接触する領域に重点的に洗浄液が噴射されるようになったことが確認されて、施工者がリモコンRの洗浄・湯張りスイッチ104を再度押すと、変更後の流量を洗浄運転中の新たな設定流量とするため、設定値がメモリに登録される。また、下流側電磁弁49並びに第1及び第2洗剤弁42a,42bを閉弁させ、さらにポンプ48を停止させて、流量設定モードでの運転を終了させる(ステップST9〜ST15)。
【0034】
流量設定モードでの運転により設定流量が設定されると、洗浄試運転モードに移行する。図示しないが、この洗浄試運転モードの運転では、湯水のみを噴射させる予備すすぎ工程→洗浄液を噴射させる洗浄工程→湯水のみを噴射させるすすぎ工程の順に各工程が実行され、各工程において、上記と同様にして、補水用電磁弁46、下流側電磁弁49並びに第1及び第2洗剤弁42a,42bを開閉させるとともに、流量設定モードで設定された設定値でポンプ48を駆動させて、洗浄ノズル7から湯水や洗浄液を噴射させる(ステップST16〜ST17)。
【0035】
洗浄試運転モードでの運転が終了すると、湯張り試運転モードに移行する。図示しないが、この湯張り試運転モードの運転では、排水栓2を閉栓させるとともに、框水栓79側のみに湯水混合部80から湯水が供給されるように、湯張り用電磁弁90を開弁させる。すると、上記と同様にして、水道水圧力によって給水管63から給湯器6に上水が供給されて、給湯運転が開始される。給湯運転が開始すると、温度センサ75で検知される湯水の温度が所定の温度となるように水量調整弁85及び湯量調整弁86の開度が調整され、所定の設定湯量まで湯張り用湯水供給管66dを介して框水栓79から浴槽1に湯水が供給される(ステップST18〜ST19)。
【0036】
所定の設定湯量に到達すると、湯張り用電磁弁90を閉弁させ、給湯器6の運転を停止させて、リモコンRから試運転完了を報知させる(ステップST20)。
【0037】
上記浴槽洗浄装置によれば、洗浄ノズル7から噴射される洗浄液の噴射位置が、想定されている標準湯量の湯水を注湯したときの喫水線と浴槽1の内壁面とが接触する領域と一致していなければ、施工者等がリモコンRを手動で特定操作することにより、ポンプ48の駆動を制御して洗浄液の流量を調整し、メモリに適切な設定流量を登録できるから、浴槽洗浄装置の設置現場で、洗浄液の噴射位置を確認しながら、洗浄運転に適切な位置に洗浄液の噴射位置を変更することができる。
【0038】
また、上記浴槽洗浄装置によれば、洗浄ノズル7から噴射させる洗浄液の設定流量を設定する流量設定モードでの運転が実行可能に構成されているから、洗浄運転の全工程を行うことなく、洗浄液の噴射位置の確認及び変更をすることができる。そして、流量設定モードでの運転において、想定されている標準湯量の湯水が注湯されたときに形成される喫水線と浴槽1の内壁面とが接触する領域に洗浄液が噴射されていないことが確認された場合、施工者等はリモコンRを操作することにより、洗浄運転における洗浄液の設定流量を容易に変更することができる。これにより、浴槽1に注湯する標準湯量が想定されて、洗浄液の噴射位置が予め設定されている浴槽洗浄装置において、浴槽洗浄装置の設置現場で、浴槽1の使用条件や浴槽洗浄装置の設置環境に応じて、適切な設定流量で洗浄液を噴射させることができる。なお、流量設定モードでの運転の後に連続して洗浄試運転モードでの運転を実行させれば、設定流量の変更を忘れることがないから、確実に設定を行うことができる。
【0039】
また、上記浴槽洗浄装置によれば、吐水口空間を有する湯水タンク47によって上流側の第2湯水供給管66bと下流側の第3湯水供給管66cとは縁切りされているから、給湯器6に供給される上水の水道水圧力が変動しても、ポンプ48によって吐出される湯水の流量が変動することもない。従って、浴室BRから離れた場所に給湯器6が設置されていても、設定流量からのずれを防止できる。
【0040】
従って、本実施の形態の浴槽洗浄装置によれば、浴槽洗浄装置の設置現場で、洗浄液の噴射位置を手動で変更できるから、定常的な入浴者の人数などの浴槽1の使用条件だけでなく、水道水圧力や配管長さなどの浴槽洗浄装置の設置環境が異なっていても、安定した洗浄性能が得られる浴槽洗浄装置を提供することができる。また、本実施の形態の浴槽洗浄装置によれば、浴槽1の使用条件や浴槽洗浄装置の設置条件に応じて洗浄液の噴射位置を変更できるから、例えば、異なる入浴者が連続して入浴し、入浴ごとに浴槽を洗浄する必要がある介護施設において、浴槽1上に浴槽蓋が載置されていない状態でも、浴槽1の内壁面の所定の噴射位置に洗浄液を重点的に噴射させて、浴槽1からの洗浄液の飛散を防止することができる。
【0041】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る浴槽洗浄装置は、実施の形態1の本体ユニット4に設けられていた湯水タンク47、ポンプ48、及び下流側電磁弁49を有しておらず、上流側の第2湯水供給管66bに、洗浄ノズル7からの洗浄液の噴射及び停止を行う開閉弁55を備える。そのため、上流側の第1温調用給水管63a及び第1湯水供給管66aにそれぞれ設けられた水量調整弁85及び湯量調整弁86の開度を調整して、洗浄液の流量が調整される。従って、本実施の形態では、湯水供給路に配設された水量調整弁85及び湯量調整弁86、並びにこれらの開度を制御する本体ユニットコントローラ40の弁駆動部が、洗浄液の流量を調整する流量調整部として機能する。なお、洗浄液の噴射及び停止、並びに洗浄液の流量の調整以外の基本的な構成は、実施の形態1のそれと略同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については、同一の引用番号を使用して説明を省略する。
【0042】
図3は、本実施の形態に係る浴槽洗浄装置の概略構成図である。図3に示すように、湯水混合部80の下流側には、開閉弁55、逆止弁56、及び大気開放弁57が介設されている。従って、本実施の形態では、これら逆止弁56及び大気開放弁57が逆流防止部として機能する。また、下流側の第3湯水供給管66cには、框水栓79側と洗浄液生成ユニット3側とに流路を切り替える切替電磁弁91が介設されている。より詳細には、切替電磁弁91は、三方弁から構成され、入力側に下流側の第3湯水供給管66cが接続され、出力側に湯水管67と、框水栓79に接続された湯張り用湯水供給管66dとが接続されている。なお、図示しないが、本体ユニットコントローラ40のメモリには、洗浄ノズル7から噴射させる洗浄液の設定流量を複数段階(ここでは、レベル0〜6の7段階)で変更するために、実施の形態1におけるポンプ48の駆動を制御する設定値の代わりに、水量センサ83と湯量センサ84との合計流量の設定値が格納されており、工場出荷時にはその1つが初期値として登録されている。
【0043】
次に、図4を参照して、本実施の形態の浴槽洗浄装置における試運転モードの制御動作について説明する。実施の形態1と同様に、施工者がリモコンRの洗浄・湯張りスイッチ104と洗浄コース設定スイッチ107とを同時押しする試運転スイッチのオン操作を行うと流量設定モードでの運転が開始されて、排水栓コントローラ50により排水栓2が開栓され、排水栓2が開栓されてから所定の排水時間が経過すると、本体ユニットコントローラ40は、開閉弁55を開弁させるとともに、洗浄液生成ユニット3側のみに湯水が供給されるように、切替電磁弁91の流路を切り替える。すると、水道水圧力によって給水管63から給湯器6に上水が供給され、図示しない給水センサで所定水量以上の水量が検知されると、給湯器コントローラ60は、ガスバーナを点火させて給湯運転を開始させる。給湯運転が開始すると、湯水混合部80において、温度センサ75で検知される湯水の温度が所定の温度となり、湯量がメモリに登録されている初期値となるように、水量調整弁85及び湯量調整弁86の開度が調整され、第1及び第2洗剤弁42a,42bを開弁させる。これにより、洗剤混合部51に洗剤及び湯水が供給されて洗浄液が生成され、初期値の設定流量で洗浄ノズル7から浴槽1内に洗浄液が噴射される(ステップST21〜ST25)。
【0044】
洗浄ノズル7から噴射される洗浄液の噴射位置が、想定されている標準湯量の湯水を注湯したときの喫水線と浴槽1の内壁面とが接触する領域と一致していなければ、実施の形態1と同様に、施工者はリモコンRの洗浄コース設定スイッチ107のUP/DOWNキーを操作して、水量センサ83と湯量センサ84との合計流量の設定値を増減させる。すると、洗浄コース設定スイッチ107での流量変更の操作に応じて、所定の範囲で洗浄液の流量が変更される。そして、想定されている標準湯量の湯水を注湯したときの喫水線と浴槽1の内壁面とが接触する領域に重点的に洗浄液が噴射されるようになったことが確認されて、施工者がリモコンRの洗浄・湯張りスイッチ104を再度押すと、変更後の流量を洗浄運転中の新たな設定流量とするため、設定値がメモリに登録される。また、開閉弁55並びに第1及び第2洗剤弁42a,42bを閉弁させて、流量設定モードの運転を終了させる(ステップST26〜ST32)。以後の動作は、実施の形態1と同様であり、洗浄試運転モード及び湯張り試運転モードでの運転が順次、実行される(ステップST33〜ST37)。
【0045】
上記浴槽洗浄装置によれば、実施の形態1と同様に、施工者等がリモコンRを手動で特定操作することにより、水量調整弁85及び湯量調整弁86の開度を制御して洗浄液の流量を調整し、メモリに適切な設定流量を登録できるから、浴槽洗浄装置の設置現場で、洗浄液の噴射位置を確認しながら、洗浄運転に適切な位置に洗浄液の噴射位置を変更することができる。
【0046】
また、上記浴槽洗浄装置によれば、実施の形態1と同様に、湯張り運転や洗浄運転の全工程を行うことなく、流量設定モードでの運転において洗浄液の噴射位置の確認及び変更をすることができるから、浴槽1に注湯する標準湯量が想定されて、洗浄液の噴射位置が予め設定されている浴槽洗浄装置において、浴槽洗浄装置の設置現場で、浴槽1の使用条件や浴槽洗浄装置の設置環境に応じて、適切な設定流量で洗浄液を噴射させることができる。なお、流量設定モードでの運転の後に連続して洗浄試運転モードでの運転を実行させれば、設定流量の変更を忘れることがないから、確実に設定を行うことができる。
【0047】
従って、本実施の形態の浴槽洗浄装置も、実施の形態1と同様に、浴槽1の使用条件だけでなく、浴槽洗浄装置の設置環境が異なっていても、安定した洗浄性能が得られる浴槽洗浄装置を提供することができる。
【0048】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態1では、予め設定された設定値でポンプを駆動制御することより洗浄ノズルから噴射させる洗浄液の流量を調整しているが、流量センサを設けて、洗浄液の流量を調整してもよい。
(2)上記実施の形態ではいずれも、手動流量設定部としてリモコンのスイッチが用いられているが、DIPスイッチ等により流量を設定してもよい。
(3)上記実施の形態ではいずれも、本体ユニットと洗浄液生成ユニットとを別体とした浴槽洗浄装置が用いられているが、浴室や浴槽の大きさに応じてこれらを一体にした浴槽洗浄装置を用いてもよい。
(4)上記実施の形態ではいずれも、洗浄運転における設定流量として、標準湯量の湯水を注湯したときの喫水線と浴槽の内壁面とが接触する領域が洗浄液の噴射位置となるよう単一の設定流量を設定しているが、浴槽の使用条件に応じて異なる設定流量を設定してもよいし、洗浄運転中に異なる噴射位置に洗浄液を噴射させるため複数の設定流量を設定してもよい。
(5)上記実施の形態ではいずれも、湯張り用湯水供給管を備えた浴槽洗浄装置が用いられているが、湯張り用湯水供給管を設けず、洗浄運転のみを行う浴槽洗浄装置であってもよい。
(6)上記実施の形態ではいずれも、流量設定モードの運転で洗剤を含む洗浄液を噴射させているが、湯水のみを噴射させて設定流量を設定してもよい。
(7)上記実施の形態ではいずれも、洗浄試運転モード及び湯張り試運転モードの運転を含む試運転モードが実行されているが、流量設定モードの運転のみを実行させてもよい。また、流量設定モードでの運転前に洗浄試運転モードでの運転を実行させてもよい。ただし、流量設定モードでの運転後に洗浄試運転モードでの運転を連続して実行させることにより、設定流量にて洗浄試運転モードの運転を実行できるため、より好ましい。
【符号の説明】
【0049】
1 浴槽
2 排水栓
4 本体ユニット
6 給湯器(熱源機)
7 洗浄ノズル
40 本体ユニットコントローラ
48 ポンプ
51 洗剤混合部
85 水量調整弁
86 湯量調整弁
R リモコン(手動流量設定部)
図1
図2
図3
図4