特許第6826077号(P6826077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6826077-エンコーダおよびデータ送信方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6826077
(24)【登録日】2021年1月18日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】エンコーダおよびデータ送信方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/244 20060101AFI20210121BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   G01D5/244 Z
   G01D5/244 K
   G08C19/00 U
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-149078(P2018-149078)
(22)【出願日】2018年8月8日
(65)【公開番号】特開2020-24154(P2020-24154A)
(43)【公開日】2020年2月13日
【審査請求日】2020年1月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】林 拓朗
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第00/014483(WO,A1)
【文献】 特開2016−217950(JP,A)
【文献】 特開2009−300354(JP,A)
【文献】 特開2016−189159(JP,A)
【文献】 特開2012−4815(JP,A)
【文献】 特開2015−106879(JP,A)
【文献】 特開2007−41735(JP,A)
【文献】 特開昭62−242816(JP,A)
【文献】 特開2001−143186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00−5/38
G01B 7/00−7/34
G08C 13/00−25/04
G05B 1/00−13/04、
17/00−17/02、
21/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた通信周期で、位置データを要求するための要求信号を制御装置から受信して、前記位置データを含む応答信号をシリアル通信により前記制御装置に送信するエンコーダであって、
前記位置データと、該位置データに付随する付随データとを含む、応答信号を生成する応答信号生成部と、
生成された前記応答信号を送信する送信部と、
を備え、
前記送信部は、前記応答信号の送信において、同じ通信周期内で送信される前記位置データと前記付随データとでは、前記付随データを前記位置データよりも先に送信し、
前記応答信号生成部は、前記付随データが送信されている間にも、送信されている前記付随データと同じ通信周期内で送信する前記位置データを生成する、エンコーダ。
【請求項2】
請求項1に記載のエンコーダであって、
前記送信部は、予め定められた前記位置データの送信開始タイミングまでに、前記応答信号生成部による前記位置データの生成が完了していない場合には、異常信号を前記制御装置に送信する、エンコーダ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエンコーダであって、
前記送信部は、前記位置データの生成の過程において異常が検出された場合には、異常信号を前記制御装置に送信する、エンコーダ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンコーダであって、
前記付随データは、前記位置データの生成処理の過程において得られるデータを含む、エンコーダ。
【請求項5】
予め定められた通信周期で、位置データを要求するための要求信号を制御装置から受信して、前記位置データを含む応答信号をシリアル通信により前記制御装置に送信するエンコーダにより実行されるデータ送信方法であって、
前記位置データと、該位置データに付随する付随データとを含む、応答信号を生成する応答信号生成ステップと、
生成された前記応答信号を送信する送信ステップと、
を含み、
前記送信ステップでは、前記応答信号の送信において、同じ通信周期内で送信される前記位置データと前記付随データとでは、前記付随データを前記位置データよりも先に送信し、
前記応答信号生成ステップのうちの前記位置データの生成は、生成される前記位置データと同じ通信周期内で送信する前記付随データが送信されている間にも行われる、データ送信方法。
【請求項6】
請求項に記載のデータ送信方法であって、
前記送信ステップは、予め定められた前記位置データの送信開始タイミングまでに、前記応答信号生成ステップによる前記位置データの生成が完了していない場合には、異常信号を前記制御装置に送信する、データ送信方法。
【請求項7】
請求項またはに記載のデータ送信方法であって、
前記送信ステップは、前記位置データの生成の過程において異常が検出された場合には、異常信号を前記制御装置に送信する、データ送信方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載のデータ送信方法であって、
前記付随データは、前記位置データの生成処理の過程において得られるデータを含む、データ送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダおよびデータ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示されるように、モータの回転角度等(位置)を検出するエンコーダ(位置検出器)と、当該エンコーダを制御するサーボアンプ等の制御装置(コントローラ)との間のシリアル通信において、エンコーダは、回転位置等を示す位置データの要求に係る要求信号(送信要求)を制御装置から受信すると、当該制御装置に位置データ(位置情報)を含む応答信号を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−90825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一定の通信周期において、制御装置とエンコーダとの間で、要求信号と応答信号が送受信される。当該通信周期は、制御装置に対するエンコーダの応答性の向上等のため、短縮が図られる場合がある。このような場合、エンコーダの位置データの生成のための時間が短くなり、位置データの送信開始タイミングまでに、位置データの生成が完了しないという問題が生じることがある。またこのようなことを防止するため、回転位置等の算出時間の短縮のために、高速な演算処理の実行が可能な、高価なA/Dコンバータ等が必要になりうる。
【0005】
本発明は、より安価な構成で、通信周期の短縮化を図りながら、データの送受信を行うことができるエンコーダおよびデータ送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、予め定められた通信周期で、位置データを要求するための要求信号を制御装置から受信して、前記位置データを含む応答信号をシリアル通信により前記制御装置に送信するエンコーダであって、前記位置データと、該位置データに付随する付随データとを含む、応答信号を生成する応答信号生成部と、生成された前記応答信号を送信する送信部と、を備え、前記送信部は、前記応答信号の送信において、同じ通信周期内で送信される前記位置データと前記付随データとでは、前記付随データを前記位置データよりも先に送し、前記応答信号生成部は、前記付随データが送信されている間にも、送信されている前記付随データと同じ通信周期内で送信する前記位置データを生成する。
【0007】
本発明の第2の態様は、予め定められた通信周期で、位置データを要求するための要求信号を制御装置から受信して、前記位置データを含む応答信号をシリアル通信により前記制御装置に送信するエンコーダにより実行されるデータ送信方法であって、前記位置データと、該位置データに付随する付随データとを含む、応答信号を生成する応答信号生成ステップと、生成された前記応答信号を送信する送信ステップと、を含み、前記送信ステップは、前記応答信号の送信において、同じ通信周期内で送信される前記位置データと前記付随データとでは、前記付随データを前記位置データよりも先に送し、前記応答信号生成ステップのうちの前記位置データの生成は、生成される前記位置データと同じ通信周期内で送信する前記付随データが送信されている間にも行われる
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より安価な構成で、通信周期の短縮化を図りながら、データの送受信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るエンコーダの機能について説明するための図である。
図2】実施形態に係るエンコーダによるデータ送信処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3Aは、従来技術に係るエンコーダを用いた場合におけるデータの通信について説明するための図である。図3Bは、従来技術に係るエンコーダを用いた場合におけるデータの通信について説明するための図である。図3Cは、実施形態に係るエンコーダを用いた場合におけるデータの通信について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るエンコーダおよびデータ送信方法について、好適な実施形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0011】
[実施形態]
図1は、本実施形態に係るエンコーダ10の機能について説明するための図である。エンコーダ10は、シリアル通信により各種情報を伝送する伝送回路12を介して、サーボアンプ等の制御装置14と接続されている。エンコーダ10は、制御装置14から位置データの要求を示す要求信号を受信すると、測定対象であるモータの回転位置等を算出し、算出した位置を示す位置データを含む応答信号を制御装置14に送信する。エンコーダ10と制御装置14との間の要求信号と応答信号の送受信は、一定の通信周期にて行われる。なお、以下では、測定対象のモータの回転位置等を位置とも記載する。
【0012】
エンコーダ10は、上記機能を実現するため、受信部16、検出部18、応答信号生成部20、および送信部22等を備える。
【0013】
受信部16および送信部22は、カスタムLSI(Large Scale Integrated circuit)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、および通信のための各種インターフェース回路等により構成することができる。集積回路が予め設計された電子回路に基づいて処理を実行、またはプロセッサが、メモリに記憶されたプログラムや各種情報を用いて処理を実行し、各種インターフェースを介することにより、受信部16および送信部22の各機能を実現する。検出部18は、磁気抵抗素子や受光素子等の検出素子を含む検出回路である。応答信号生成部20は、例えば、カスタムLSI等の集積回路、CPUやMPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、およびアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ(Analog−to−Digital Converter)等により構成することができる。集積回路が予め設計された電子回路に基づいて処理を実行、またはプロセッサが、メモリに記憶されたプログラムや各種情報を用いて処理を実行することにより、応答信号生成部20の後述するデータの生成機能を実現する。
【0014】
受信部16は、制御装置14から送信され、伝送回路12を介してシリアル通信により伝送されてきた要求信号を受信する。検出部18は、測定対象のモータの位置を検出し、位置を示すアナログ信号を生成する。
【0015】
応答信号生成部20は、エンコーダ10が制御装置14から要求信号を受信すると、当該要求信号に同期するタイミングでアナログ信号をラッチし、アナログ信号をデジタル信号に変換する。応答信号生成部20は、変換されたデジタル信号を用いて、モータの位置を示す位置データを生成する。
【0016】
応答信号生成部20は、位置データとともに制御装置14に送信される付随データを生成する。付随データとしては、例えば、緊急性を要しないデータ、エンコーダ10により常時取得されるデータ、位置データの生成処理の過程において得られるデータ等が挙げられる。応答信号生成部20は、位置データの生成過程において得られる付随データ以外の付随データの生成処理を、位置データの生成処理と並行して行う。
【0017】
送信部22は、位置データや付随データをシリアル通信により制御装置14に伝送するために、これらのデータからシリアルデータを生成し、生成したシリアルデータを制御装置14へ送信する。なお、位置データから生成されたシリアルデータも、以下では位置データと記載する。また、付随データから生成されたシリアルデータも以下では付随データと記載する。
【0018】
送信部22は、位置データより先に付随データを制御装置14へ送信する。送信部22が付随データを制御装置14に送信する間も、応答信号生成部20は、位置データの生成処理を継続して実行する。
【0019】
送信部22は、付随データの送信後であって、予め定められた位置データの送信の開始のタイミング(送信開始タイミングとも記載する。)において、位置データの送信処理を開始する。
【0020】
送信部22は、送信開始タイミングにおいて、応答信号生成部20による位置データの生成が完了していない場合、制御装置14へ異常を示す特定の信号(異常信号とも記載する)を送信する。送信部22は、応答信号生成部20が送信開始タイミングまでに生成した位置データとともに異常信号を送信してもよいし、位置データに代えて異常信号を送信してもよい。以下、エンコーダ10によるデータ送信処理について説明する。
【0021】
図2は、本実施形態に係るエンコーダ10によるデータ送信処理の一例を示すフローチャートである。当該データ送信処理は、一定の通信周期で繰り返される。
【0022】
ステップS1において受信部16は、制御装置14から要求信号を受信すると、ステップS2において応答信号生成部20は、応答信号の生成処理を開始する。
【0023】
ステップS3において応答信号生成部20は、付随データの生成が完了したか否かを判定する。付随データの生成が完了していない場合には(ステップS3:NO)、エンコーダ10の処理は、ステップS3に留まる。付随データの生成が完了した場合には(ステップS3:YES)、ステップS4において送信部22は、制御装置14への付随データの送信を開始する。
【0024】
ステップS5において送信部22は、付随データの送信が完了したか否かを判定する。付随データの送信が完了していない場合には(ステップS5:NO)、エンコーダ10の処理は、ステップS5に留まる。付随データの送信が完了した場合には(ステップS5:YES)、ステップS6において送信部22は、送信開始タイミングに達したか否かを判定する。送信開始タイミングに達していない場合には(ステップS6:NO)、エンコーダ10の処理はステップS6に留まる。送信開始タイミングに達した場合には(ステップS6:YES)、ステップS7において応答信号生成部20は、位置データの生成が完了したか否かを判定する。
【0025】
位置データの生成が完了していない場合には(ステップS7:NO)、ステップS8において送信部22は、制御装置14に対し異常信号を送信する。位置データの生成が完了している場合には(ステップS7:YES)、ステップS9において送信部22は、制御装置14への位置データの送信を開始する。
【0026】
ステップS10において送信部22は、位置データの送信が完了したか否かを判定する。位置データの送信が完了していない場合には(ステップS10:NO)、送信部22の処理はステップS10に留まる。位置データの送信が完了した場合には(ステップS10:YES)、当該通信周期におけるエンコーダ10の処理は終了する。
【0027】
図3A、3Bは、従来技術に係るエンコーダを用いた場合におけるデータの通信について説明するための図である。図3Cは、本実施形態に係るエンコーダを用いた場合におけるデータの通信について説明するための図である。なお、図3A〜3Cにおいて、CRC(Cyclic Redundancy Check)は誤り検出符号を意味する。なお、付随データは、位置データとCRC以外のデータである。
【0028】
図3A図3Bに示されるように、従来技術に係るエンコーダは、付随データより先に位置データを送信する。図3Cに示されるように、本実施形態に係るエンコーダ10は、位置データより先に付随データを送信する。図3Aは、通信周期が十分に長い周期T0の場合における通信について示す。図3B図3Cは、周期T0に比べ通信周期が短縮された周期T1の場合における通信について示す。
【0029】
図3A図3Cに示されるように、エンコーダ10と従来技術に係るエンコーダは、時刻t0において要求信号の受信処理を開始し、時刻t1において要求信号の受信処理を終了するものとする。またエンコーダ10と従来技術に係るエンコーダは、要求信号の受信後、当該要求信号に同期する所定のタイミングの時刻t2において、検出部18が生成したアナログ信号をラッチし、応答信号の生成を開始するものとする。応答信号の送信開始の時点は、通信周期と、応答信号の送信に必要な時間とによって定められてもよく、応答信号の送信開始の時点は、図3Aの場合では時刻t3、図3B図3Cの場合では時刻t3より早い時刻t4であるものとする。
【0030】
図3Bにおける位置データの生成の開始から送信開始タイミングまでの時間T3(T3=t4−t2)は、図3Aにおける位置データの生成の開始から送信開始タイミングまでの時間T2(T2=t3−t2)より短い。このため、図3Bに示すような通信周期が短い場合における位置データの生成に係る処理速度が、図3Aに示すような通信周期が長い場合における位置データの生成に係る処理速度と同等の場合、送信開始タイミングで位置データを送信できない。このため、図3Bに示すような通信周期が短い場合の位置データの生成に係るエンコーダの処理速度は、図3Aに示すような通信周期が長い場合の位置データの生成に係るエンコーダの処理速度より、高速でなければならない。これにより、通信周期の短縮に従い、エンコーダにおけるA/Dコンバータ等の機器には、高速な処理が実行可能な、より高価なものが必要になる。
【0031】
ここで、図3Cに示されるように、付随データを先に送信する本実施形態に係るエンコーダ10の場合、送信開始タイミングは、時刻t4より、付随データの送信にかかる時間T4後の時刻t5となる。応答信号生成部20には、時刻t2から時刻t5までの時間T5が、位置データの生成のために割り当てられる。このため、通信周期を短縮しても、図3Bの場合に必要とされるような高速なA/Dコンバータ等の機器が必要にはならない。
【0032】
本実施形態に係るエンコーダ10によれば、高価なA/Dコンバータ等を用いなくとも、送信部22が付随データを位置データより先に送信することで、付随データの送信処理の間、応答信号生成部20は位置データの生成を行うことができる。従って、通信周期を短縮しても送信開始タイミングにおいて位置データの送信ができ、応答性が向上する。
【0033】
また、何らかの理由により、位置データの生成が送信開始タイミングにおいて完了していない場合に、エンコーダ10から制御装置14へ異常信号が送信されることにより、制御装置14は、迅速に異常を検知することができる。
【0034】
上記実施形態について以下の変形が可能である。
【0035】
[変形例]
本変形例に係るエンコーダ10は、位置データの生成処理において異常が発生した場合において、制御装置14に異常信号を送信する。本変形例に係るエンコーダ10における応答信号生成部20は、位置データの生成処理において異常が発生した場合に、当該異常を検出する。送信部22は、制御装置14に異常信号を送信する。なお、当該異常信号は、上記実施形態における異常信号とは異なる信号であってもよい。例えば、上記実施形態における異常信号は、位置データの生成が送信開始タイミングに間に合わなかったことを示す特定の信号で、本変形例における異常信号は、位置データの生成過程において異常があったことを示す特定の信号であってもよい。
【0036】
本変形例に係るエンコーダ10によれば、位置データの生成処理に問題が発生した場合において、制御装置14は、迅速にその情報を取得することができる。
【0037】
[実施形態から得られる技術的思想]
上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
【0038】
<第1の技術的思想>
予め定められた通信周期(T0、T1)で、位置データを要求するための要求信号を制御装置(14)から受信して、位置データを含む応答信号をシリアル通信により制御装置(14)に送信するエンコーダ(10)は、位置データと、位置データに付随する付随データとを含む、応答信号を生成する応答信号生成部(20)と、生成された応答信号を送信する送信部(22)と、を備え、送信部(22)は、応答信号の送信において、位置データよりも先に付随データを送信する。
【0039】
これにより、より安価な構成で、通信周期の短縮化を図りながら、データの送受信を行うことができる。
【0040】
エンコーダ(10)における送信部(22)は、予め定められた位置データの送信開始タイミング(t5)までに、応答信号生成部(20)による位置データの生成が完了していない場合には、異常信号を制御装置(14)に送信してもよい。これにより、送信開始タイミング(t5)において位置データの生成が完了していない場合、制御装置(14)は、迅速に異常を検知することができる。
【0041】
エンコーダ(10)における送信部(22)は、位置データの生成の過程において異常が検出された場合には、異常信号を制御装置(14)に送信してもよい。これにより、位置データの生成処理に何らかの問題が発生した場合において、制御装置(14)は、迅速に異常を検知することができる。
【0042】
<第2の技術的思想>
予め定められた通信周期(T0、T1)で、位置データを要求するための要求信号を制御装置(14)から受信して、位置データを含む応答信号をシリアル通信により制御装置(14)に送信するエンコーダ(10)により実行されるデータ送信方法は、位置データと、位置データに付随する付随データとを含む、応答信号を生成する応答信号生成ステップと、生成された応答信号を送信する送信ステップと、を含み、送信ステップは、応答信号の送信において、位置データよりも先に付随データを送信する。
【0043】
これにより、より安価な構成で、通信周期の短縮化を図りながら、データの送受信を行うことができる。
【0044】
データ送信方法における送信ステップは、予め定められた位置データの送信開始タイミング(t5)までに、応答信号生成ステップによる位置データの生成が完了していない場合には、異常信号を制御装置に送信してもよい。これにより、送信開始タイミング(t5)において位置データの生成が完了していない場合、制御装置(14)は、迅速に異常を検知することができる。
【0045】
データ送信方法における送信ステップは、位置データの生成の過程において異常が検出された場合には、異常信号を制御装置(14)に送信してもよい。これにより、位置データの生成処理に何らかの問題が発生した場合において、制御装置(14)は、迅速に異常を検知することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…エンコーダ 12…伝送回路
14…制御装置 16…受信部
18…検出部 20…応答信号生成部
22…送信部 T0、T1…周期
t5…送信開始タイミング
図1
図2
図3