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特許6826168自動運転車両の遠隔制御方法、装置およびサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6826168
(24)【登録日】2021年1月18日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】自動運転車両の遠隔制御方法、装置およびサーバ
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/32 20090101AFI20210121BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20210121BHJP
   H04W 4/44 20180101ALI20210121BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20210121BHJP
【FI】
   H04W36/32
   G08G1/09 V
   H04W4/44
   H04W48/16 132
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-149709(P2019-149709)
(22)【出願日】2019年8月19日
(65)【公開番号】特開2020-39120(P2020-39120A)
(43)【公開日】2020年3月12日
【審査請求日】2019年8月19日
(31)【優先権主張番号】201811008173.2
(32)【優先日】2018年8月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224353
【氏名又は名称】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ジャリン
【審査官】 深津 始
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/038931(WO,A1)
【文献】 特開2013−162377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 −H04B 7/26
H04W 4/00 −H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信するステップと、
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得するステップと、
前記現在の地理位置情報に基づいて、各移動通信プロバイダを単位で、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得するステップであって、複数の無線ネットワーク候補は、複数の異なる移動通信プロバイダから提供される無線ネットワークであるステップと、
前記遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定するステップと、
前記目標無線ネットワークの前記目標無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップと、を含むことを特徴とする、自動運転車両の遠隔制御方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記遠隔制御要求の受信時刻を取得するステップと、
前記受信時刻および前記現在の地理位置情報に基づいて、各移動通信プロバイダを単位で、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在の地理位置情報に基づいて、各移動通信プロバイダを単位で、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得するステップは、
予め記憶されている地理位置、無線ネットワークおよび無線チャネルと、通信遅延との対応関係に基づいて、前記現在の地理位置情報における各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を取得するステップと、
各無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い前記目標無線チャネルを決定し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信時刻および前記現在の地理位置情報に基づいて、各移動通信プロバイダを単位で、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得するステップは、
前記受信時刻および前記現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を決定するステップと、
各無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い前記目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを決定するステップと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記目標無線ネットワークは、N(Nは1より大きい正の整数)個であり、
前記目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップの前に、
前記N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位を取得するステップと、
前記N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位に基づいて、優先順位の最も高い目標無線ネットワークを取得し、前記優先順位の最も高い目標無線ネットワークを前記目標無線ネットワークとするステップと、
前記優先順位の最も高い目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを取得して前記目標無線チャネルとするステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する受信モジュールと、
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する第1取得モジュールと、
前記現在の地理位置情報に基づいて、各移動通信プロバイダを単位で、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得する第2取得モジュールであって、複数の無線ネットワーク候補は、複数の異なる移動通信プロバイダから提供される無線ネットワークである第2取得モジュールと、
前記遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定する第1決定モジュールと、
前記目標無線ネットワークの前記目標無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する送信モジュールと、を含むことを特徴とする、自動運転車両の遠隔制御装置。
【請求項7】
前記装置は、
前記遠隔制御要求の受信時刻を取得する第3取得モジュールと、
前記受信時刻および前記現在の地理位置情報に基づいて、各移動通信プロバイダを単位で、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得する第2決定モジュールと、をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1決定モジュールは、具体的には、
予め記憶されている地理位置、無線ネットワークおよび無線チャネルと、通信遅延との対応関係に基づいて、前記現在の地理位置情報における各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を取得し、
各無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い前記目標無線チャネルを決定し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第2決定モジュールは、具体的には、
前記受信時刻および前記現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を決定し、
各無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い前記目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを決定することを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記目標無線ネットワークは、N(Nは1より大きい正の整数)個であり、前記装置は、
前記N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位を取得する第4取得モジュールと、
前記N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位に基づいて、優先順位の最も高い目標無線ネットワークを取得し、前記優先順位の最も高い目標無線ネットワークを前記目標無線ネットワークとする第5取得モジュールと、
前記優先順位の最も高い目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを取得して前記目標無線チャネルとする第6取得モジュールと、をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
プロセッサと、メモリとを含み、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能なプログラムコードを読み出して、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行して、請求項1から5のいずれかに記載の自動運転車両の遠隔制御方法を実現することを特徴とする、サーバ。
【請求項12】
サーバと、自動運転車両とを含み、
前記サーバは、前記自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信し、前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得し、前記現在の地理位置情報に基づいて、各移動通信プロバイダを単位で、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得し、複数の無線ネットワーク候補は、複数の異なる移動通信プロバイダから提供される無線ネットワークであり、前記遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、前記目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して前記制御命令を送信し、
前記自動運転車両は、前記サーバに前記遠隔制御要求を送信し、前記サーバから送信された前記制御命令を受信することを特徴とする、自動運転車両の遠隔制御システム。
【請求項13】
コンピュータプログラムあって、
前記コンピュータプログラムおける命令がプロセッサによって実行される時に、請求項1から5のいずれかに記載の自動運転車両の遠隔制御方法が実現されることを特徴とする、コンピュータプログラム
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時に、請求項1から5のいずれかに記載の自動運転車両の遠隔制御方法が実現されることを特徴とする、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転の技術分野に関し、特に、自動運転車両の遠隔制御方法、装置およびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動運転の分野において、技術的故障や、自動運転車両が原因不明の突然の加速または減速、障害物に近すぎるなどの極端な状況に遭遇した場合には、遠隔手動運転方式で脱出する必要がある。
【0003】
関連技術において、遠隔制御側は、通常、単一の固定ネットワークの無線チャネルを用いて自動運転車両と遠隔でやり取りを行って自動運転車両の手動制御を行っている。しかしながら、ネットワーク環境が様々な要因により影響を受けるため、遠隔制御側と自動運転車両との間の無線通信が遅延して不安定となり、遠隔制御側の制御命令が自動運転車両にタイムリーに伝達することができず、自動運転車両の応答動作が制約され、車両運転の安全性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度で解決することを目的とする。
【0005】
本発明の第1の目的は、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する自動運転車両の遠隔制御方法を提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、自動運転車両の遠隔制御装置を提供することである。
【0007】
本発明の第3の目的は、サーバを提供することである。
【0008】
本発明の第4の目的は、自動運転車両の遠隔制御システムを提供することである。
【0009】
本発明の第5の目的は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することである。
【0010】
本発明の第6の目的は、コンピュータプログラム製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の実施例は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信するステップと、前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得するステップと、前記現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得するステップと、前記遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定するステップと、前記目標無線ネットワークの前記目標無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップと、を含む自動運転車両の遠隔制御方法を提供する。
【0012】
本発明の実施例の自動運転車両の遠隔制御方法は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、自動運転車両の現在の地理位置に合わせて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線ネットワークの目標無線チャネルを取得し、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に、対応する制御命令を送信する。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達するので、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上させることができる。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様の実施例は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する受信モジュールと、前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する第1取得モジュールと、前記現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得する第2取得モジュールと、前記遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定する第1決定モジュールと、前記目標無線ネットワークの前記目標無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する送信モジュールと、を含む自動運転車両の遠隔制御装置を提供する。
【0014】
本発明の実施例の自動運転車両の遠隔制御装置は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、自動運転車両の現在の地理位置に合わせて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線ネットワークの目標無線チャネルを取得し、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に、対応する制御命令を送信する。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができるので、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上させることができる。
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明第3の態様の実施例は、プロセッサと、メモリと、を含むサーバを提供する。前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能なプログラムコードを読み出して、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行し、上記実施例に記載の自動運転車両の遠隔制御方法を実現する。
【0016】
本発明の実施例のサーバは、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、自動運転車両の現在の地理位置に合わせて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線ネットワークの目標無線チャネルを取得し、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に、対応する制御命令を送信する。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができるので、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上させることができる。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明第4の態様の実施例は、サーバと、自動運転車両とを含む自動運転車両の遠隔制御システムを提供する。前記サーバは、前記自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信し、前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得し、前記現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、前記目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得し、前記遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、前記目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して前記制御命令を送信し、前記自動運転車両は、前記サーバに前記遠隔制御要求を送信し、前記サーバから送信された前記制御命令を受信する。
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明第5の態様の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。当該プログラムがプロセッサによって実行される時に、上記実施例に記載の自動運転車両の遠隔制御方法が実現される。
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明第6の態様の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供する。前記コンピュータプログラム製品における命令がプロセッサによって実行される時に、上記実施例に記載の自動運転車両の遠隔制御方法が実現される。
【0020】
本発明の付加的な特徴および利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明らかになり、または本発明の実践によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の上記及び/または付加的な特徴及び利点は、下記の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、理解しやすくなる。
図1】本発明の一実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の別の実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御方法のフローチャートである。
図3】本発明のさらに別の実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御方法のフローチャートである。
図4】本発明の一実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御装置の概略構成図である。
図5】本発明の別の実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御装置の概略構成図である。
図6】本発明のさらに別の実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御装置の概略構成図である。
図7】本発明の一実施例によって提供されるサーバの概略構成図である。
図8】本発明の一実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例について詳細に説明し、前記実施例が図面に示されている。同一又は類似の符号は常に同一又は類似の要素を表す。以下に図面を参照ながら説明された実施例は、例示であり、本発明を解釈するためのものであるので、本発明を限定するものであると理解してはならない。
【0023】
本発明の実施例の自動運転車両の遠隔制御方法、装置、サーバおよび遠隔制御システムについて、図面を参照しながら以下に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御方法のフローチャートである。
【0025】
図1に示すように、当該自動運転車両の遠隔制御方法は、以下のステップ101〜ステップ105を含む。
【0026】
ステップ101において、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
【0027】
なお、当該実施例の自動運転車両の遠隔制御方法は、サーバに位置する自動運転車両の遠隔制御装置に適用される。
【0028】
具体的には、自動運転車両が遠隔制御を必要とすることを決定した場合、自動運転車両は、遠隔制御に対応するサーバに遠隔制御要求を送信してもよい。
【0029】
ここで、自動運転車両が遠隔制御を必要とすることは、自動運転車両が既存の運転条件範囲外の状況に遭遇したこと、自動運転車両の突然の加速または減速、自動運転車両の自動運転制御ストラテジーが故障したことなどを含むが、それらに限定されない。当該実施例は、これについて限定しない。
【0030】
たとえば、自動運転車両の前方に変わった形状の障害物がある場合、自動運転車両は、前方へ引き続き進むことを停止し、サーバに遠隔制御要求を送信する。そして、サーバによって自動運転車両が制御され、前方へ引き続き進むか、または車線を変更する。
【0031】
ステップ102において、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
【0032】
なお、使用シーンが異なると、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する方式も異なる。以下、例を挙げて説明する。
【0033】
一例として、遠隔制御要求に自動運転車両の車両識別情報が含まれる場合、サーバは、位置に基づく位置決めサーバに、車両識別情報が含まれる位置決め要求を送信する。それに応じて、位置決めサーバは、車両識別情報に対応する地理位置情報を取得し、サーバに地理位置情報をフィードバックする。位置決めサーバによってフィードバックされた地理位置情報は、自動運転車両の現在の地理位置情報である。
【0034】
別の例として、遠隔制御要求に自動運転車両の車両識別情報が含まれる場合、サーバは、車両識別情報に対応する地理位置情報を取得する。取得した地理位置情報は、自動運転車両の現在の地理位置情報である。
【0035】
別の例として、遠隔制御要求に自動運転車両の全地球測位情報が含まれる場合、サーバは、全地球測位情報に対応する地理位置情報を取得する。取得した地理位置情報は、自動運転車両の現在の地理位置情報である。
【0036】
ステップ103において、現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得する。
【0037】
複数の無線ネットワーク候補は、複数の異なる移動通信ネットワークであってもよい。たとえば、複数の無線ネットワーク候補は、複数の異なる移動通信プロバイダから提供される無線ネットワークであってもよい。
【0038】
例示的な一実施形態として、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得した後、予め記憶されている地理位置、無線ネットワークおよび無線チャネルと、通信遅延との対応関係に基づいて、現在の地理位置情報における各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を取得し、その後、各無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い目標無線チャネルを決定し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得する。
【0039】
なお、各地理位置について、スニッフィング技術によって各無線ネットワークの無線チャネルに対応する通信遅延を取得することができる。
【0040】
スニッフィング技術によって各無線ネットワークの無線チャネルに対応する通信遅延を取得する具体的なプロセスは、以下の通りである。各地理位置について、サーバは、所定の無線ネットワークの所定の無線チャネルを介して、現在の地理位置に位置するテスト端末にPINGプローブパケットを送信してPINGプローブパケットの送信時刻を記録し、テスト端末からのPING応答パケットの受信時刻を取得し、送信時刻と受信時刻とに基づいて、現在の地理位置における所定の無線ネットワークの所定の無線チャネルの通信遅延を決定する。
【0041】
ここで、テスト端末は、通信機能を有するあらゆる電子機器であってもよく、たとえばスマートフォン、自動運転車両、携帯式機器などの電子機器であってもよい。当該実施例は、テスト端末について限定しない。
【0042】
ステップ104において、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定する。
【0043】
ここで、制御命令は、車線変更命令、引き続き前方へ進む命令、運転モード調整命令などであってもよい。
【0044】
なお、異なる使用シーンでは、自動運転車両の実際状況が異なるので、その対応する遠隔制御要求に含まれる情報が異なり、または、送信される遠隔制御要求のタイプが異なる。したがって、遠隔制御要求に基づいて決定される制御命令も異なるので、実際の使用において、自動運転車両から送信された遠隔制御要求に含まれる情報の実際の状況に合わせた制御命令を決定してもよいが、当該実施例は、これについて限定しない。
【0045】
なお、サーバが自動運転車両の周辺環境情報および車両状態情報に基づいて、対応する制御命令を決定することができるように、遠隔制御要求に含まれる情報は、自動運転車両の車両識別情報または自動運転車両の全地球測位情報を含むことができるほか、自動運転車両の周辺環境情報および車両状態情報などをも含むことができる。
【0046】
ステップ105において、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0047】
本発明の実施例の自動運転車両の遠隔制御方法は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、自動運転車両の現在の地理位置に合わせて複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線ネットワークの目標無線チャネルを取得し、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に、対応する制御命令を送信する。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する。
【0048】
図2は、本発明の別の実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御方法のフローチャートである。
【0049】
図2に示すように、当該自動運転車両の遠隔制御方法は、以下のステップ201〜ステップ206を含む。
【0050】
ステップ201において、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
【0051】
ステップ202において、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
【0052】
なお、上記のステップ101〜102に関する解釈や説明は、この実施例のステップ201〜202にも適用されるが、ここでは詳しい説明を省略する。
【0053】
ステップ203において、遠隔制御要求の受信時刻を取得する。
【0054】
ステップ204において、受信時刻および現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得する。
【0055】
なお、ある無線ネットワークのある地理位置について、当該無線ネットワークでは、異なる時間帯で使用される無線チャネルが異なる場合がある。したがって、例示的な一実施形態として、受信時刻および自動運転車両の現在の地理位置情報を受信した後、受信時刻および現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を決定し、各無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを決定することができる。
【0056】
具体的には、予め記憶されている時間帯、地理位置、無線ネットワークおよび無線チャネルと、通信遅延との対応関係に基づいて、受信時刻の時間帯および現在の地理位置における、各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を取得し、その後、各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い目標無線チャネルを決定し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを決定することができる。
【0057】
ステップ205において、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定する。
【0058】
ステップ206において、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0059】
本発明の実施例の自動運転車両の遠隔制御方法は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求の受信時刻および自動運転車両の現在の地理位置に合わせて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得し、その後、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に、対応する制御命令を送信する。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上させることができる。
【0060】
本発明の一実施例において、目標無線ネットワークは、N(Nは1より大きい正の整数)個であり、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する前に、図3に示すように、下記のステップ301〜ステップ303をさらに含む。
【0061】
ステップ301において、N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位を取得する。
【0062】
なお、使用シーンが異なると、N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位を取得する方式が異なる。以下、例を挙げて説明する。
【0063】
一例として、予め記憶されている地理位置および無線ネットワークと、優先順位との対応関係に基づいて、現在の地理位置における各目標無線ネットワークの優先順位を取得する。
【0064】
別の例として、現在の地理位置における各目標無線ネットワークの履歴使用回数を取得し、各目標無線ネットワークの履歴使用回数の大きさに基づいて、各目標無線ネットワークの優先順位を決定する。
【0065】
ステップ302において、N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位に基づいて、優先順位の最も高い目標無線ネットワークを取得し、優先順位の最も高い目標無線ネットワークを目標無線ネットワークとする。
【0066】
ステップ303において、優先順位の最も高い目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを取得して目標無線チャネルとする。
【0067】
本発明の実施例の自動運転車両の遠隔制御方法は、自動運転車両と通信する際に、通信遅延の最も短い目標無線チャネルが複数の目標無線ネットワークに対応すると判定された場合、目標無線ネットワークの優先順位に基づいて、優先順位の最も高い目標無線ネットワークを決定し、優先順位の最も高い目標無線ネットワークの無線チャネルを使用して自動運転車両と遠隔でインタラクションを行う。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、サーバと自動運転車両とのリアルタイム通信が確保され、自動運転車両の運転安全性が向上し、自動運転車両の遠隔インタラクションニーズが満たされる。
【0068】
上記の実施例を実現するために、本発明は、自動運転車両の遠隔制御装置をさらに提供する。
【0069】
図4は、本発明の一実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御装置の概略構成図である。
【0070】
図4に示すように、当該自動運転車両の遠隔制御装置は、受信モジュール110と、第1取得モジュール120と、第2取得モジュール130と、第1決定モジュール140と、送信モジュール150と、を含む。
受信モジュール110は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
第1取得モジュール120は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
第2取得モジュール130は、現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得する。
第1決定モジュール140は、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定する。
送信モジュール150は、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0071】
本発明の一実施例において、第1決定モジュール150は、具体的には、予め記憶されている地理位置、無線ネットワークおよび無線チャネルと、通信遅延との対応関係に基づいて、現在の地理位置情報における各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を取得し、各無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い目標無線チャネルを決定し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得する。
【0072】
本発明の一実施例において、図4に示す構成に加えて、当該装置は、図5に示すように、遠隔制御要求の受信時刻を取得する第3取得モジュール160と、受信時刻および現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得する第2決定モジュール170と、をさらに含んでもよい。
【0073】
本発明の一実施例において、第2決定モジュール170は、具体的には、受信時刻および現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を決定し、各無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを決定する。
【0074】
具体的には、第2決定モジュール170は、予め記憶されている時間帯、地理位置、無線ネットワーク、および無線チャネルと、通信遅延と、の対応関係に基づいて、受信時刻が位置する時間帯および現在の地理位置における各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延を取得し、その後、各無線ネットワーク候補の無線チャネル候補のそれぞれに対応する通信遅延に基づいて、通信遅延の最も短い目標無線チャネルを決定し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを決定する。
【0075】
本発明の一実施例において、目標無線ネットワークは、N(Nは1より大きい正の整数)個である。図4に示す構成に加えて、当該装置は、図6に示すように、N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位を取得する第4取得モジュール180と、N個の目標無線ネットワークのそれぞれに対応する優先順位に基づいて、優先順位の最も高い目標無線ネットワークを取得し、優先順位の最も高い目標無線ネットワークを目標無線ネットワークとする第5取得モジュール190と、優先順位の最も高い目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを取得して目標無線チャネルとする第6取得モジュール200と、をさらに含む。
【0076】
なお、上記の図6に示す装置の実施例における第4取得モジュール180と、第5取得モジュール190と、第6取得モジュール200との構成は、上記の図5に示す装置の実施例に含まれてもよいが、当該実施例は、これについて限定しない。
【0077】
なお、自動運転車両の遠隔制御方法の実施例に関する上記の解釈や説明は、当該実施例の自動運転車両の遠隔制御装置にも適用するため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0078】
本発明の実施例の自動運転車両の遠隔制御装置は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求の受信時刻および自動運転車両の現在の地理位置に合わせて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得し、その後、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に、対応する制御命令を送信する。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上させることができる。
【0079】
上記の実施例を実現するために、本発明は、サーバをさらに提供する。
【0080】
図7は、本発明の一実施例によって提供されるサーバの概略構成図である。
【0081】
図7に示すように、当該サーバは、プロセッサ71と、メモリ72と、通信インタフェース73と、バス74とを含む。
プロセッサ71と、メモリ72と、通信インタフェース73とは、バス74によって接続されて互いに通信する。メモリ72には、実行可能なコンピュータプログラムが記憶されている。プロセッサ71は、メモリ72に記憶されている実行可能なコンピュータプログラムコードを読み出して、実行可能なコンピュータプログラムコードに対応するプログラムを実行することによって、上記実施例の自動運転車両の遠隔制御方法を実行する。
【0082】
本発明の実施例のサーバは、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求の受信時刻および自動運転車両の現在の地理位置に合わせて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得し、その後、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に、対応する制御命令を送信する。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上させることができる。
【0083】
図8は、本発明の一実施例によって提供される自動運転車両の遠隔制御システムの概略構成図である。
【0084】
図8に示すように、当該システムは、サーバ10と、自動運転車両20とを含む。
サーバ10は、自動運転車両20から送信された遠隔制御要求を受信し、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両20の現在の地理位置情報を取得し、現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得し、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して制御命令を送信する。
自動運転車両20は、サーバ10に遠隔制御要求を送信し、サーバ10から送信された制御命令を受信する。
【0085】
なお、自動運転車両の遠隔制御方法および装置に関する上記の解釈や説明は、当該実施例の自動運転車両の遠隔制御システムにも適用するため、当該実施例は、これについて限定しない。
【0086】
本発明の実施例の自動運転車両の遠隔制御システムは、サーバが自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求の受信時刻および自動運転車両の現在の地理位置に合わせて、複数の無線ネットワーク候補の無線チャネル候補から通信遅延の最も短い目標無線チャネルを取得し、目標無線チャネルに対応する目標無線ネットワークを取得し、その後、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に、対応する制御命令を送信する。よって、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、自動運転車両の低遅延の通信要件が満たされ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する。
【0087】
上記の実施例を実現するために、本発明は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時に、前述した実施例に記載の自動運転車両の遠隔制御方法が実行可能である。
【0088】
上記の実施例を実現するために、本発明は、コンピュータプログラム製品をさらに提供し、コンピュータプログラム製品における命令が、プロセッサによって実行される時に、前述した実施例に記載の自動運転車両の遠隔制御方法が実行される。
【0089】
本発明の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参照した説明は、当該実施例或いは例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本開示の少なくとも1つの実施例或いは例に含まれる。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すものではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、いずれか1つ或いは複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、相互に矛盾しない限り、当業者は、本明細書において説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0090】
なお、「第1」、「第2」の用語は、単に目的を説明するためのものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはならない。よって、「第1」、「第2」が限定されている特徴は少なくとも1つの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどを意味する。
【0091】
フローチャートにおける、又はここで他の形態で記載された任意のプロセス又は方法は、特定ロジック機能又はプロセスのステップを実現するための1つ又は複数の実行可能な命令コードを含むモジュール、セグメント又は一部を表すと理解されてもよい。また、本発明の好ましい実施形態の範囲は、ここで示された又は論議された順番ではなく、係る機能に応じてほぼ同時の形態又は逆の順番で機能を実行することができる他の実現を含むことができる。これは、当業者であれば理解すべきことである。
【0092】
フローチャートで示された又はここで他の形態で説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順番付けられたリストと見なすことができ、任意のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に具体的に実装されて、命令実行システム、装置、又はデバイス(例えばコンピュータに基づいたシステム、プロセッサを含むシステム、又は他の命令実行システム、装置又はデバイスから命令を獲得して命令を実行するシステム)に利用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置又はデバイスと組み合わせて利用される。本願明細書において、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、命令実行システム、装置又はデバイスによって、又は、命令実行システム、装置又はデバイスと組み合わせて使用するためのプログラムを含む、格納、通信、伝播、又は伝送することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非限定的なリスト)として、1つ又は複数の配線を備える電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバデバイス、及びポータブルコンパクトディスク読み出し専用リメモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記プログラムが印刷され得る紙又は他の適切な媒体であってもよく、例えば、紙や他の媒体を光学的スキャンし、次に編集し、解釈し、又は必要な場合に他の適切な形態で処理して前記プログラムを電子的に取得して、コンピュータメモリに格納するからである。
【0093】
なお、本出願の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され且つ適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実現することができる。例えば、ハードウェアで実現される場合に、別の実施形態と同様に、本分野において周知である、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を備える離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を備える特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの当分野の周知技術のいずれか1つ又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
【0094】
通常の当業者であれば、上記の実施例に係る方法に含まれる全部又は一部のステップは、プログラムによってハードウェアを命令することで実行することができると理解することができる。前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納することができ、当該プログラムが実行される場合に、方法実施例におけるステップの1つ又はそれらの組み合わせが実行される。
【0095】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに集積されてもよいし、それぞれが個別の物理的存在であってもよいし、2つ以上のユニットが1つのモジュールに集積されてもよい。前記集積モジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。前記集積モジュールがソフト機能モジュールの形態で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合に、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。
【0096】
上記の記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなどであってもよい。以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は例示であって、本発明を制限するものであると理解してはならない。通常の当業者であれば、本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、置換、変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8