(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示ドラムは前記中心軸に平行な平面で前記中心軸を共有する円筒体の側面の一部を切断した切断面を有する形状を成し、前記表示パネルを前記切断面に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の可変表示機構。
前記ドラム側ギアは、前記表示ドラムの半径よりも小さい半径を有するとともに、前記駆動側ギアの回転軸が前記表示ドラムの外周より外側に配置されることを特徴とする請求項4記載の可変表示装置。
前記複数のガイドローラは前記表示窓の形成されている領域において前記表示ドラムの外周面に沿って配置されることを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の可変表示装置。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機等の遊技機において、図柄を変動表示させる演出によって、大当たりなどの遊技者に有利な遊技状況となることなどを報知する可変表示装置がある。可変表示装置には、例えば、図柄を表面に表示したドラムを回転させるドラム式回転表示器のように、図柄の物理的な移動を遊技者に視認させる可変表示装置がある。このように図柄を物理的に移動させて遊技者に視認させる回転表示器として、図柄を描かれた無端ベルトを回転させるベルト式の回転表示器も知られている。
【0003】
例えば特許文献1では、ベルト式回転表示器による可変表示装置を開示している。複数の図柄を長手方向に順に描画した無端ベルトがガイド部材に架け渡される。かかるガイド部材によって、ベルトを遊技者に視認させる透視窓の領域において、側面視で略円弧状にベルトを配置させる。これにより、ベルトが立体的に回転しているように見せることができる。
【0004】
また、ベルト式回転表示器に他の表示器を組み合わせて多彩な表示を可能にしようとする可変表示装置も提案されている。
【0005】
例えば特許文献2では、ベルト式回転表示器に液晶表示器を組み合わせて演出を行う可変表示装置を開示している。筐体内部の上方に配置した駆動ローラと下部に配置した従動ローラとに架け渡して側面視で上下に長い扁平状になるように無端ベルトを配置し、前面パネルを透過させて従動ローラの前方(遊技者側)の無端ベルトを遊技者に視認可能とさせる。従動ローラの直上には無端ベルトを後方に押圧する押さえローラを配置して、従動ローラの上方において無端ベルトを前面パネルから離間させ、かかる離間させた無端ベルトと前面パネルとの間に無端ベルトに沿って液晶表示器を配置している。つまり、液晶表示器による表示領域とベルト式回転表示器による表示領域とを上下に並べて配置させている。かかる配置により、遊技機の厚みを増加させずにコンパクトにできるとしている。また、無端ベルトの図柄に対応する疑似図柄等を液晶表示器にも表示させるなど、多彩な表示を可能とするともしている。
【0006】
また、特許文献3では、ベルト式回転表示器にさらに別方向に回転する大きなドラム式回転表示器を組み合わせた可変表示装置を開示している。かかる可変表示装置は、遊技盤面であるベース板に設けられた透孔の後部において左右方向の水平軸を中心に回転可能に配置された回転体を備える。回転体は、上下一対の駆動ドラムに表示ベルトを架け渡したベルト式表示器を左右に3組並べて前方に備え、さらに前後方向の水平軸を中心に回転するドラム式表示器を後方に備える。つまり、ベース板の透孔を表示領域として固定した上で回転体を回転させ、遊技者に向けた表示面を変えて多彩な表示を可能としている。例えば、ベルト式回転表示器のみの表示や、上半分にベルト式回転表示器の底面を表示させて下半分にドラム式回転表示器の底面を表示させた組み合わせ表示などが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、ベルト式回転表示器と他の表示器を組み合わせて多彩な表示を与えることが要望される。
【0009】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ベルト式回転表示器と他の表示器とを組み合わせて多彩な表示をさせ得るコンパクトな可変表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による可変表示装置は、回動ユニットと該回動ユニットを中心軸周りに回動させる駆動機構とを含む遊技機用の可変表示装置であって、前記回動ユニットは、円筒状の表示ドラムと、前記表示ドラムの側面に取り付けられた表示パネルと、を含み、前記表示ドラムは、無端ベルトと、前記無端ベルトを循環搬送する駆動ローラ及び複数のガイドローラと、を内部に備え、前記表示ドラムはその中心軸の周りに回動するように前記可変表示装置に取り付けられるとともに、前記側面に前記無端ベルトの表面の一部を露出する表示窓を備え、前記駆動機構は、前記表示ドラムの前記表示窓を前面に向けた第1の姿勢と前記表示パネルを前面に向けた第2の姿勢との間で前記回動ユニットを回動させることを特徴とする。
【0011】
かかる発明によれば、無端ベルトによるベルト式回転表示器である円筒状の表示ドラムと平板状の表示器である表示パネルとの組み合わせによって多彩な演出をさせることができ、なおかつそれぞれの表示器をコンパクトに配置できる。
【0012】
上記した発明において、前記表示ドラムは前記中心軸に平行な平面で前記中心軸を共有する円筒体の側面の一部を切断した切断面を有する形状を成し、前記表示パネルを前記切断面に取り付けたことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、表示パネルを回動ユニットから大きくはみ出させずコンパクトに配置できる。
【0013】
上記した発明において、前記表示パネルの前記中心軸からの離間距離は、前記表示ドラムの半径よりも小さいことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、表示パネルを表示ドラムの回転半径内に配置できて、回動ユニットの回動を妨げずにそれぞれの表示器をコンパクトに配置できる。
【0014】
上記した発明において、前記表示ドラムは前記中心軸周りに回転するドラム側ギアをさらに備え、前記駆動機構は、前記ドラム側ギアに噛合する駆動側ギアを含み、前記ドラム側ギアは前記表示ドラムの円筒底面に沿って配置されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、表示ドラムの円筒底面側へ突出する駆動機構の寸法をドラム側ギアの厚さ程度にし得て、駆動機構をコンパクトに配置できる。
【0015】
上記した発明において、前記ドラム側ギアは、前記表示ドラムの半径よりも小さい半径を有するとともに、前記駆動側ギアの回転軸が前記表示ドラムの外周より外側に配置されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、駆動側ギアの一部を表示ドラムの底面側に重ねることになり、表示ドラムの外周側へ突出する駆動機構の寸法を小さくし得て、駆動機構をコンパクトに配置できる。
【0016】
上記した発明において、前記複数のガイドローラの一部は前記表示窓の形成されている領域において前記表示ドラムの外周面に沿って配置されることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、無端ベルトを表示ドラム内にコンパクトに配置しつつドラム式回転表示器のように見せることができる。
【0017】
上記した発明において、前記表示パネルはセグメント表示器であることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、表示器のコンパクトな配置に寄与し得る。
【0018】
上記した発明において、前記回動ユニットと前記駆動機構との組み合わせを複数含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、複数の図柄の組み合わせによる表示のできる表示装置をコンパクトに得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明による1つの実施例としての可変表示装置について、
図1乃至6を用いて説明する。なお、可変表示装置1を正面から見て、左をX方向、上をZ方向、手前(前方)をY方向とする(
図1参照)。
【0021】
図1に示すように、可変表示装置1は、例えば、弾球遊技機などの遊技機に取り付けられて使用される。可変表示装置1は、内蔵する回動ユニット10によって正面の窓2aから図柄を表示させ、遊技状態についての報知などの変動表示の演出を行うことができる。
【0022】
図2を併せて参照すると、可変表示装置1は、前方カバー部材2と、右カバー部材3Rと、左カバー部材3Lと、奥側(−Y側)を覆うベース板4とを備える。なお、
図2は、前方カバー部材2及び右カバー部材3Rを取り外した(a)正面図及び(b)右側面図である。前方カバー部材2は、可変表示装置の前方及び側方の先方端部を覆うとともに、内部に備えられる略円筒状の回動ユニット10の前方に沿って円筒形の側面の一部をなすよう前方に突出した突出部分を有し、かかる突出部分に回動ユニット10を視認可能とする正面視で長方形の窓2aを備える。
【0023】
回動ユニット10は、後述するベルト21によるベルト式回転表示器である表示ドラム18と、その側面に取り付けられた平板状の表示器である表示パネル19とを備える。表示ドラム18は、中心軸Cを有する円筒体の側面の一部を中心軸Cに平行な平面で切り取った形状をその外形として有し、その切り取った切断面に表示パネル19を取り付けている。表示ドラム18は、左カバー部材3L及び右カバー部材3Rにそれぞれ軸体31及び回転ブッシュ32を介して中心軸Cの周りに回動自在に支持される。すなわち、表示ドラム18は、その左側の軸部分に左カバー部材3Lから延びる軸体31を回転自在に挿入されるとともに、右側の軸部分に取り付けられた回転ブッシュ32を右カバー部材3Rに設けられた孔33に回転自在に嵌められている。これにより、回動ユニット10も中心軸Cの周りに回動自在に支持されることになる。
【0024】
表示ドラム18は、左側面を覆うドラムベース11と、前方に内部のベルト21を視認可能とされる表示窓12aを有するとともに外周及び右側面を覆うドラムカバー12とを備える。ドラムベース11は複数の板状体による複層構造を有し、その内部に後述する回動ユニット基板52やFFC45等の配線の一部などを収容する。ドラムカバー12は、ドラム側ギアとして、表示ドラム18の円筒底面である右側面に沿って配置される中心軸C周りの外歯のセグメントギア13を設けられる。より詳細には、セグメントギア13は、その厚さ分だけ表示ドラム18の右方向(−X方向)に突出するようドラムカバー12の右側面に固定される。ドラムカバー12と一体に成型されていてもよい。セグメントギア13は、表示ドラム18の外周より小さい半径を有し、中心軸Cの下方から前方に亘って延在する。
【0025】
また、セグメントギア13に噛合する歯車33が右カバー部材3Rに取り付けられる。歯車33は、右カバー部材3Rに取り付けられるギアケース34内に一部収容されるとともに、ギアケース34の+X側に固定されたステッピングモータ35の軸36に固定されてその回転角度を制御されつつ駆動可能とされる。つまり、回動ユニット10は、ステッピングモータ35によって回動するよう駆動され、その回動の角度によって姿勢を制御される。なお、軸36は表示ドラム18の外周より外側に配置されている。
【0026】
ここで、セグメントギア13は、表示ドラム18の右側面に沿って配置されるから、これに噛合する駆動側の歯車33とともに、その厚さ程度だけ表示ドラム18の右側(−X側)に突出するようにできる。これにより、回動ユニット10を駆動させる駆動機構の一部である歯車33は、表示ドラム18の右側に突出する寸法をセグメントギア13の厚さ程度に小さくできて、コンパクトに回動ユニット10の駆動機構を配置できる。
【0027】
また、上記したように、セグメントギア13の外周側の半径は、表示ドラム18の外周の半径より小さく、さらに半径軸36は表示ドラム18の外周より外側に配置されているので、歯車33はその一部を表示ドラム18の右側面に重ねるように配置される。これによって、軸36及びステッピングモータ35を表示ドラム18の外周面に近接させて配置できる。つまり、回動ユニット10の駆動機構の一部である歯車33及びステッピングモータ35は、表示ドラム18の外周側へ突出する寸法を小さくでき、回動ユニット10の駆動機構としてコンパクトに配置される。このような配置とすることで、例えば、遊技機内の限られた空間において表示ドラム18の寸法を大きくし得て好ましい。
【0028】
ドラムカバー12はその外周側に突出する突出片14を備える。突出片14は、回動ユニット10の回動に伴って変化する姿勢のうちの2か所において、フォトインタラプタからなる回動姿勢検出センサ43及び44によってそれぞれ検出可能とされる。回動姿勢検出センサ43及び44は、それぞれベース板4に固定されるセンサ基台41及び42に取り付けられ、回動ユニット10が表示窓12aを正面に向けた基準姿勢と、表示パネル19を正面に向けた変動姿勢とで突出片14を検出できるよう配置される。
【0029】
ここで、表示ドラム18は、上記したように中心軸Cを有する円筒体の側面の一部を中心軸Cに平行な平面で切り取った形状を有し、これによってドラムカバー12の上方に形成される切断面12bに略平板形状の表示パネル19を取り付けている。つまり、表示パネル19は、前方に配置される表示窓12aの上方に配置される。表示パネル19は、例えばセグメント表示器であって、7つのセグメントをそれぞれに対応したカラーLEDによって発光させ、数字等の文字や記号などの図柄を変動表示できる。
【0030】
図3を併せて参照すると、表示パネル19は、上記したように切断面12bに取り付けられる。これによって、平板状の表示パネル19は、その取り付けを容易とするとともに、回動ユニット10から大きくはみ出さず、表示ドラム18の内部にも干渉せず、コンパクトに配置される。特に、表示パネル19は、離間距離Dを表示ドラム18の半径より小さくされることが好ましい。ここで、離間距離Dは、表示パネル19のうち中心軸Cから最も離れた位置にある点19aまでの距離をいう。つまり、上記した中心軸Cを有する円筒体の仮想外周面Aの内側に表示パネル19をよりコンパクトに配置させ、回動ユニット10の回動を妨げないようにするのである。なお、
図3は、理解しやすいように、ドラムカバー12を取り外した右側面図にドラムカバー12の断面形状を点線で表示したものであり、その外周形状は、側面視で、ドラムベース11の外周形状とほぼ同一である。
【0031】
表示ドラム18は、その内部に樹脂フィルムからなる無端ベルトであるベルト21を備える。ベルト21は、演出用の図柄を備えるとともに所定の経路に沿って循環搬送可能とされる。ベルト21は、滑り止めのゴムを外周に備える駆動ローラ22と、4つのガイドローラ23a〜23dと、前面ガイドローラ24と、ベルト21の張力を調整する張力調整ローラ25とに架け渡されて、その循環経路を画定される。また、張力調整ローラ25は、軸支されたアーム25aの先端に回転自在に取り付けられており、アーム25aに接続される図示しないばねによってベルト21を外側に向けて押圧するよう付勢され、ベルト21の張力を適当な範囲で調整できる。
【0032】
特に、ガイドローラ23dのようにベルト21の表側の面に当接させて、ガイドローラ23c及び駆動ローラ22に対してベルト21を裏面側に凸とするように配置すると、ベルト21の配置される表示ドラム18の内部空間に対して循環経路を長くすることができ、ベルト21の長さ方向の図柄の表示領域を大きくして図柄寸法を大きくし得る。
【0033】
図3に
図4を併せて参照すると、前面ガイドローラ24は、バックライトユニット26の左右に回転自在に軸支されて、左右で対を成す前面ガイドローラ24の組を上下方向に4組並べるように配置される。また、前面ガイドローラ24は、上下に配置されたガイドローラ23a及び23bとともにドラムカバー12の表示窓12aに沿って略円筒面状に配置され、ベルト21を前方(+Y方向)に向けて凸となる円筒面状にさせることができる。これにより、表示窓12a内に視認されるベルト21について、円筒体形状のドラム式回転表示器を視認しているように遊技者に感じさせることができる。また、ベルト21の1周の長さを表示窓12aに沿った円筒面を延長した円筒体の外周の長さと同一にすることも好ましい。これによって、ベルト21を循環搬送させることで、ドラム式回転表示器のドラムと同様の曲率と回転周期とを与え、ドラム式回転表示器を視認しているように感じさせることができる。
【0034】
また、前面ガイドローラ24はバックライトユニット26の左右に分かれてベルトの幅方向の端部のみを支持するよう配置されており、バックライトユニット26の前方の全面から発する光をベルト21に照射させることができる。なお、バックライトユニット26は、最表面に円筒面の一部の形状となる曲面を有する拡散シート26aを備え、その内側に図示しないバックライトレンズと、さらに内側の図示しない複数のカラーLEDと、を備え、拡散シート26aにおいて面発光を可能とされる。
【0035】
再び
図3を参照すると、略円筒形状の駆動ローラ22は、その内面に内歯の歯車部22aを備える。また、歯車部22aは歯車27に噛合される。歯車27は、ベルト循環用のステッピングモータ28の回転軸に固定され、その回転角度を制御される。つまり、駆動ローラ22は、その回転角度をステッピングモータ28によって制御される。なお、ステッピングモータ28は、その右側(−X側)、すなわち紙面手前側に位置するドラムカバー12に固定される。
【0036】
ドラムベース11の右側(−X側)の面には、2組のフォトインタラプタからなる循環位置検出センサ29が備えられ、ベルト21の左側(+X側)の端部をギャップ内に通過させるように配置される。ベルト21の同端部には、循環位置検出センサ29の発光ダイオードからの光を遮る遮光部分と透過させる透光部分とが部分的に設けられ、これらを検知することでベルト21の循環位置を検出できる。これによって、ベルト21の図柄を正確な表示位置に停止させることができるが、詳細は公知であるため説明を省略する。
【0037】
図5(a)を参照すると、回動ユニット10に電源や制御信号を供給するための配線として、FFC(フレキシブルフラットケーブル)45が備えられる。FFC45は、ベース板4に固定された中継基板51にその一端を接続させ、他端をドラムカバー12の外周面から通過させて、回動ユニット10の内部に備えられる回動ユニット基板52(
図2参照)に接続させる。ここで回動ユニット10は、上記したように表示窓12aを正面に向けた基準姿勢と、表示パネル19を正面に向けた変動姿勢との2つの姿勢の間で回動する。そのため、FFC45は、例えば基準姿勢(
図5(a))にあるときに下方にたるんでおり、変動姿勢(
図5(b))にあるときに他端側を上方に引っ張られてそのたるみを減じるように配置される。ここで、FFC45のたるみを減じる動作を妨げないよう、センサ基台41の左側(+X側)には曲面部41aが形成されている。
【0038】
図6に示すように、可変表示装置1は、中継基板51と回動ユニット基板52とを備える。中継基板51は、ベース板4に取り付けられており(
図2参照)、可変表示装置1の取り付けられる遊技機の副制御基板等と接続可能とされる。中継基板51には、回動ユニット10の回動姿勢を検出する回動姿勢検出センサ43及び44と、回動ユニット10を回動させるステッピングモータ35とが接続されるとともに、ステッピングモータ35の駆動信号を生成する駆動回路などを含む。また、中継基板51は、副制御基板等からの信号に基づき、回動姿勢検出センサ43及び44からの入力を参照しつつステッピングモータ35の動作を制御することができる。
【0039】
中継基板51は、さらに上記したFFC45によって回動ユニット基板52に接続される。回動ユニット基板52は、ベルト21の循環位置を検出する循環位置検出センサ29と、ベルト21を循環搬送させるためのステッピングモータ28と、ベルト21のバックライトユニット26と、表示パネル19とに接続され、ステッピングモータ28、バックライトユニット26のLED及び表示パネル19のLEDの駆動信号を生成する駆動回路を含む。また、回動ユニット基板52は、中継基板51を介して受信する副制御基板等からの信号に基づき、循環位置検出センサ29からの入力を参照しつつステッピングモータ28の動作を制御するとともに、バックライトユニット26の点灯動作及び表示パネル19の表示動作を制御することができる。
【0040】
次に、可変表示装置1の動作について、
図2、
図3、
図5乃至
図8を用いて説明する。
【0041】
図2に示すように、可変表示装置1は、初期状態として表示窓12aを正面(+Y方向)に向けた基準姿勢に回動ユニット10の回動角度を制御している。つまり、前方カバー部材2の窓2aに表示窓12aを合わせるように回動ユニット10を向け、窓2a及び表示窓12aから遊技者にベルト21を視認させる。このとき、ベルト21を表示ドラム18内で循環搬送させて、ベルト21の図柄を変動表示させることができる。
【0042】
図6を参照すると、可変表示装置1を取り付ける遊技機の副制御基板等から、中継基板51を介して回動ユニット基板52がベルト21を循環搬送させる演出を行う信号を受信する。回動ユニット基板52は受信した信号に基づくとともに、さらに循環位置検出センサ29からの信号を参照しつつ、ステッピングモータ28及びバックライトユニット26の動作を制御するための信号を送出する。
【0043】
図3を併せて参照すると、ステッピングモータ28を回転させると、歯車27及び駆動ローラ22の内面の歯車部22aを介して駆動ローラ22を回転させてベルト21を循環搬送させることができる。このとき、上記したように、循環位置検出センサ29によって、ベルト21の左側(+X側)の端部の遮光部分と透光部分とを検知することでベルト21の循環位置を検出し、ベルト21の図柄を正確な表示位置に停止させることができる。
【0044】
続いて、
図5を参照すると、可変表示装置1は、さらに、回動ユニット10を基準姿勢(
図5(a))から表示パネル19を正面に向けた変動姿勢(
図5(b))まで回動させることができる。
【0045】
すなわち、
図6を併せて参照すると、上記した副制御基板等から、中継基板51が回動ユニット10を回動させる演出を行う信号を受信する。中継基板51は受信した信号に基づくとともに、さらに回動姿勢検出センサ43及び44からの信号を参照しつつ、ステッピングモータ35の動作を制御するための信号を送出する。
【0046】
図2を併せて参照すると、ステッピングモータ35を回転させると、軸36、軸36に固定された歯車33、及び、歯車33に噛合するセグメントギア13を介して回動ユニット10を回動させることができる。このとき、上記したように、回動姿勢検出センサ43又は44によって、突出片14を検出することで基準姿勢と変動姿勢とを検出することができ、それぞれの姿勢で正確に回動ユニット10を停止させることができる。なお、例えば、セグメントギア13の両端部がそれぞれ当接するように右カバー部材3Rの内側面に突起を設けて、これをストッパーとして回動ユニット10の回動する角度を規制して、停止する向きを正確に制御するようにしてもよい。
【0047】
回動ユニット10が表示パネル19を正面に向けた変動姿勢で停止している場合、表示パネル19において、数字や記号などの図柄を変動表示させることができる。
【0048】
図6を参照すると、上記した副制御基板等から、中継基板51を介して回動ユニット基板52が表示パネル19を変動表示させる演出を行う信号を受信する。回動ユニット基板52は受信した信号に基づいて、表示パネル19に図柄を変動表示させる。
【0049】
このような動作を可能とすることによって、可変表示装置1は、例えば、以下のような変動表示の演出を行うことができる。
【0050】
図7に示すように、3つの可変表示装置1a、1b及び1cは、例えば横方向(X軸方向)に並べて使用される。つまり、表示ドラム18や表示パネル19により表示される図柄を横方向に並べて表示させ、遊技状態についての報知などの変動表示の演出を行うのである。このように、回動ユニット10とその駆動機構との組み合わせを複数含む表示装置を得ることもできる。
【0051】
図8(a)に示すように、可変表示装置1a、1b及び1cでは、前方カバー部材2に設けられた窓2aから回動ユニット10が視認可能とされる。ここで、3つの回動ユニット10は、いずれも基準姿勢で停止しており、窓2aからドラムベース11と、ドラムカバー12とを視認可能とするとともに、これらに囲まれた表示窓12aからベルト21を視認可能としている。なお、表示パネル19は、表示窓12aの上方に配置されているが、遊技者からは視認されない。すなわち、窓2aは、その上端に表示窓12aの上方のドラムカバー12を視認可能とさせており、さらにその上方の表示パネル19を視認不可能とさせている。
【0052】
例えば、左右の可変表示装置1a及び1cにおいてベルト21の循環搬送により図柄の変動表示をさせ、色違いの「7」図柄のいわゆるダブルテンパイ形(横3ラインと斜め2ラインの5ライン表示とした場合の斜め2ラインでのテンパイ形)で停止させたとする。このとき、中央の可変表示装置1bでは、いわゆるリーチ動作としての変動表示を行う。例えば、ベルト21を循環搬送させてその搬送方向や速度を変化させたり、バックライトユニット26によりバックライトの色を変化させ又はバックライトを点滅させたりする。
【0053】
次いで、
図8(b)に示すように、中央の可変表示装置1bでは、回動ユニット10を変動姿勢まで回動させて、窓2aから表示パネル19を視認可能とさせる。上記したリーチ動作の続きとして、さらに表示パネル19による変動表示を行う。例えば、表示パネル19の7つのセグメントのそれぞれを点灯、消灯、色変化させ、複数の色の複数の数字や記号などに、順次、図柄を変化させ、上記したベルト21の「7」図柄の一方と同色又は対応する色の数字「7」を表示させて大当たりを報知する。
【0054】
さらに、
図8(c)に示すように、中央の可変表示装置1bでは、回動ユニット10を基準姿勢まで回動させて、窓2aを介して表示窓12aからベルト21を視認可能とさせるとともに、前方中央に左右でテンパイしている「7」図柄のうち一方と同色の「7」図柄を停止させ、大当たり図柄の「7」を改めて報知する。
【0055】
このように、表示ドラム18のベルト21による表示と表示パネル19による表示とを混合させた多彩な変動表示による演出を可能とする。さらに、例えば、大当たりを報知するリーチ動作のときに表示パネル19を視認可能とさせる演出の選択率を高く、大当たりを報知しないときのリーチ動作のときに表示パネル19を視認可能とさせる演出の選択率を低く設定するなどして、リーチ動作中の見かけの大当たりの期待度を変化させることもできる。
【0056】
以上のように、可変表示装置1によれば、表示ドラム18のベルト21による変動表示と表示パネル19の変動表示との組み合わせによって多彩な演出を可能とする。その上で、表示ドラム18の回動の外周側の面である側面に表示パネル19を取り付けるのでベルト21と表示パネル19とをコンパクトに配置できる。
【0057】
特に、表示ドラムを円筒リールによるドラム式回転表示器とした場合では不可能な切断面12b上に表示パネル19を配置できて、コンパクトである。このようにコンパクトに表示ドラム18及び表示パネル19を配置することで、回動ユニット10を回動させてその姿勢を変更するだけで、表示ドラム18によるベルト式回転表示器と表示パネル19によるセグメント表示器とを入れ換えて表示できる。さらに、上記したように、ベルト式回転表示器である表示ドラム18を視認している遊技者にドラム式回転表示器を視認していると感じさせることができれば、かかる遊技者は、表示ドラム18と表示パネル19とがどのような動作で入れ替わっているのかわからない。これによって、可変表示装置1による演出に対しての興趣を高めることができる。
【0058】
なお、表示パネル19はセグメント表示器としたが、液晶表示器やドットマトリクス表示器など、回動ユニット10の回動を妨げないように配置できるものであれば、他の表示器や役物にすることもできる。
【0059】
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく改変例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した請求項の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。