(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来のパルプ製造プロセスで処理される細砕セルロース繊維材料、例えば木材チップ、バイオマス又は他の細砕セルロース材料(便宜上、これらをここでは「チップ」という)は、非セルロース系有害物質を通常含んでいる。非セルロース系有害物質としては、砂、泥、石、種々の金属片(例えば、くぎ(nails)、金属線片(pieces of metal wire)、またはボルトとナット)、金属チップまたは他の重質セルロース材(例えばノット)が含まれる。この非セルロース系有害物質の密度は処理されるセルロース材料の密度よりも少なくとも10%(例えば少なくとも50%)高い。これらの非セルロース系有害物質の多くはパルプ化プロセスへ供給するためのチップの製造時に除去されるが、非セルロース系有害物質の一部は蒸解缶フィードシステムを通過し、任意の含浸槽まで、さらに蒸解缶それ自体にまで運ばれる。
【0003】
現存する多くの蒸解缶フィードシステムにおいて、砂、泥、石などの比較的に小さい非セルロース系有害物質は蒸解缶フィードシステム内で用いられる循環液体中に滞まっている。簡便のため、「砂」という用語は、本明細書において、上で特定した比較的に小さい非セルロース系有害物質を意味するために用いられる。循環液体(便宜上、ここでは、「液体」という)が、低圧フィーダー、高圧フィーダー、チップポンプ、スラリーポンプ、又は液体が必要とする類似の装置を有する蒸解缶フィードシステムにおいて運搬液体(transport liquor)として通常用いられる。
【0004】
蒸解缶フィードシステム内の液体は多くの機能と多くの供給源を有する。明瞭化のため、本明細書において、「同伴液体」(entrained liquor)は、砂分離槽に供給される液体を意味し、砂や他の固体物質をも含有している。
【0005】
液体は、蒸解缶フィードシステム内を循環されて、蒸解缶フィードシステム内のチップの運搬を補助・促進する。液体は適切な種類の液体であればいずれでもよく、これに限定されるものではないが、例えば新規水、新規蒸解液、黒液、緑液、循環された液体、蒸解溶液又はこれらの組み合せが挙げられる。
【0006】
通常、砂はある種の分離器によって蒸解缶フィードシステム内の液体から分離される。従来型の砂分離槽は、蒸解缶プラントでのチップコンベア設備を経由して循環される同伴液体から砂や固体粒子を分離するものである。米国特許第4,280,902号明細書は、不所望な固体粒子、特に砂を、デブリを含む液体すなわち同伴液体から分離するためのサイクロン型砂分離装置を記載している。固体粒子、特に砂を同伴液体から分離すると、本質的に砂を含まない(清浄な)液体が得られ、この本質的に砂を含まない(清浄な)液体は次いで戻されて蒸解缶フィードシステムの液体の一部となる。簡便のため、同伴液体から除去されて固体粒子を「砂」と称することにするが、これには他の不所望な固体粒子も存在している。
【0007】
砂分離槽は通常、円筒状形状であり、通常、上部セクションと下部セクションを有し、円筒状容器への正接方向の入口を含んでいる。一般に、円筒状容器は一般に円筒状形状を有する上部セクションと、一般にコーン又は円錐状形状を有する下部セクションとを含んでいる。本明細書において、円筒状容器の上部セクションを「円筒状部分」と言うこととする。このような装置において、デブリを含む液体は円筒状容器の上部セクションに導入されて、この円筒状部分において強制的な旋回運動が発生される。砂は同伴液体から分離されて重力および遠心力によって駆動されて、円筒状部分を下部セクション(通常、円錐状形状を有する分離室であっても良い)へと下向きに強制降下され、砂は下部セクション又は分離室から排出される。
【0008】
下部セクション又は分離室内には取換え可能な漏斗状インサートが配置されている。簡便のため、本明細書において、「取換え可能なインサート」と「インサート」は互換的に使用される。取換え可能なインサートは複数の開口を有し、砂が取換え可能なインサート内を通って固体粒子捕集セクション(捕集セクション)へと送られ、最終的に砂分離槽から排出される。
【0009】
砂分離槽内の取換え可能なインサートの位置は、旋回運動が阻害されるのを最小限にしつつ、砂の垂直方向の停滞を防止するレベルにある。本質的に砂を含まない(清浄な)液体のための出口は円筒状部分の上部に位置している。
【0010】
通常、取換え可能なインサートは漏斗のような形状の多孔金属片である。孔は垂直スロット又は円形状ホールでよく、取換え可能なインサートの全表面に分布している。取換え可能なインサートは(分離室内の)砂分離槽の下部セクションの内壁に取り付けられている。同伴液体が砂分離槽に入ると、砂分離槽内の旋回運動によって同伴液体中の液体と固体粒子(砂)が分離される。砂は下部セクションに下降し、結果として、強い旋回運動が生じるが、この旋回運動は取換え可能なインサートの複数の開口を通って、最後に砂分離槽の排出口を出る、複雑なフローパターンを有している。
【0011】
取換え可能なインサートは通常、円錐状形状(または漏斗形状)であり、一端に大きな開口を、反対端に小さな開口を有する。一般に取換え可能なインサートは大きな開口端において、砂分離槽の垂直下部領域中の砂分離槽の内壁に取り付けられている。堅固なアタッチメントが通常用いられ、取換え可能なインサートを砂分離槽の内壁に連結している。
【0012】
砂分離槽に関しては、いくつかの不利益な運転条件が認められており、砂を同伴液体から分離するために必要とされる旋回運動および遠心力と重力により、取換え可能なインサートは損傷し、それ自身が破壊してしまう。さらに、取換え可能なインサートの不均一な摩耗も認められている。
【0013】
不均一な摩耗により、取換え可能なインサートのいくつかのセクションは完全に存在しなくなり、一方、他のセクションは元のままとなっている。取換え可能なインサートが摩耗すると(又は存在しなくなると)、砂が砂分離槽の内部の捕集領域壁に強く接触し、腐蝕を引き起こして、砂分離槽において構成材料が薄くなったり、ウィークスポット、さらにホールを生ずることになる。
【0014】
取換え可能なインサート内での砂の望ましくない複雑フローパターンが存在すると、取換え可能なインサート内の開口の閉塞などの有害な運転条件を引き起こす。望ましくないフローパターンは、取換え可能なインサート内の開口が閉塞した場合に、取換え可能なインサート内に非常に高い砂粒子速度のセクションまたは領域を生じてしまう。
【0015】
ある時点におけるこれらの有害な運転条件および不均一な摩耗条件によって、砂分離槽をオフラインにして、取換え可能なインサートを修理又は取り換えることが必要となる。
重力および遠心力、望ましくない砂フローパターンおよび砂フロー速度、並びに取換え可能なインサート内を移動する砂の研摩作用に対して容易に耐えることができる取換え可能なインサートを提供することの必要性が、長く認識されていた。本開示は、これらの必要性およびその他の必要性に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
前述した事項は、添付の図面で示したように、明細書の例示的態様の具体的な記載によって、さらに明らかになる。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、開示された態様を明確に示すことに主眼が置かれている。
【0029】
他に明示した場合を除き、下記の解釈上の規則が本開示(すなわち、明細書、特許請求の範囲、要約および/または図面)に適用される。
(a)ここで用いられた全ての言葉(words)は、その時々の種々の状況に応ずるような性(gender)又は数(単数または複数)を有するものと解釈される。
(b)明細書および特許請求の範囲で用いられた単数語である“a”、“an”および“the”は、文脈が明瞭に他を指示していない限り、複数の参照を含む。
(c)記載された範囲または数値の前に付された“about”という先行語は、当業者に公知であるかまたは予期される範囲または数値が測定方法に依存して変動する範囲内の近似した範囲または数値を意味する。
(d)“herein”、“hereby”、“hereof”、“hereto”、“hereinbefore”および“hereinafter”という言葉、並びにこれらと類似の意味を有する言葉は、他に特定しない限り、明細書全体に対するものであり、特定の段落、特許請求の範囲又は他の分節に対するものではない。
(e)見出しは便宜上のみのものであり、明細書のいかなる部分の意味または構成をコントロールしたり、意味または構成に影響を与えたりするものではない。
(f)“or”および“any”は排他的ではなく、“include”および“including”は限定的ではない。さらに“comprising”、“having”、“including”および“containing”の語は、他に特定しない限りオープンエンドターム(すなわち「含むが、限定されない」という意味)に解釈される。
【0030】
本開示は、蒸解缶フィードシステム(ファイバーラインフィードシステムとしても知られている)との関連で砂分離槽について記述するが、本開示は、同伴液体すなわち固体粒子を同伴した液体または薬液を固体粒子流と比較的に清浄な液体または薬液流とに分離するために、旋回力および旋回作用と重力および遠心力とが用いられる他の分離装置にも適用可能であることを理解されたい。
【0031】
適宜、明瞭化のため、図面間の類似の参照数字は類似の装置を示すために用いられている。
【0032】
図1は、蒸解缶または含浸槽に連結された循環ループを有する従来技術の蒸解缶フィードシステムを示しており、これは例えば米国特許第5,753,075号明細書の記載から公知のものである。’075特許のシステムにおいて、チップは、高圧フィーダーに代る、少なくとも1個、好ましくは2個の高圧懸濁液ポンプ251,251´によって、蒸解缶11の入口に移送される。高圧懸濁液ポンプ251,251´の代りに高圧フィーダー(HPF、当業界において公知のもの)のような他の加圧移送手段を用いることも可能である。
【0033】
チップ20は、スチーミング槽221に導入されるが、このスチーミング槽は1個またはそれ以上のスチーム導管22によりスチームを受け入れている。スチーミングされたチップはスチーミング槽221から計量装置223に送られるが、この計量装置はポケットロータまたはスクリュータイプの装置でもよく、また他の適当な計量装置でもよい。
【0034】
計量装置223からの流出物は隔離装置224に送られるかまたは導管またはシュート226に直接供給される。使用される場合に隔離装置224は圧力隔離装置、例えばポケットロータータイプの隔離装置(低圧フィーダーとしても知られているもの)であり、この隔離装置は計量装置223とシュート226との間に配置されている。
【0035】
蒸解液(白液“WL”としても知られているもの)はライン226´を経由してシュート226に添加され、チップと蒸解液の懸濁液(図示せず)が形成される。この懸濁液は、シュート226から、カーブしている出口250を経由して高圧懸濁ポンプ251の入口に排出される。通常、高圧懸濁液ポンプ251の入口に行く懸濁液は、液体タンク253から蒸解缶フィード導管254経由で流入する液体で増量される。
【0036】
図1に示された態様は2個の高圧懸濁液ポンプを有するが、単一の高圧懸濁液ポンプのみを用いることもでき、また直列又は並列に連結された2個またはそれ以上の高圧懸濁液ポンプを用いることもできる。
【0037】
加圧され、通常、加熱された懸濁液は高圧懸濁液ポンプ251から蒸解缶フィード導管234に排出される。蒸解缶フィード導管234は懸濁液を連続蒸解缶11の入口に輸送する。過剰の液体が常法によりスクリーン12によって懸濁液から除去される。蒸解缶11からの黒液の抽出もスクリーン14によって起っており、スクリーン14からの黒液はさらに処理される。蒸解されたチップ(パルプ)16は蒸解缶11から排出され、高圧懸濁液ポンプ・蒸解缶フィードシステム210の下流でさらに処理される。
【0038】
懸濁液から除去された過剰な液体は、戻り導管235を経由して、高圧懸濁液ポンプ・蒸解缶フィードシステム210に、好ましくは液体タンク253に戻され、蒸解缶フィード導管254を経由して、導管250中のチップと蒸解液の懸濁液の形成に使用される。戻り導管235中の液体は砂粒子を含むことがあり、望むならば、戻り導管235中の液体は、所望の操作モードに従って、加圧または非加圧用途に設計された砂分離槽237を経由して運搬される。
【0039】
HPFを高圧懸濁液ポンプの代りに用いた場合には、戻り導管235の加圧液体の高圧懸濁液ポンプ251、251´への返送は
図1の装置の運転のために必須ではない。戻り導管235中の流れに由来するエネルギーは必要ならば化学パルプ工場のいかなる地点でも使用することができる。
図2はHPFを用いる蒸解缶フィードシステムを示す。
【0040】
シュート226が本質的に大気圧で運転される場合、戻り導管235中の戻り液体は、導管250に供給される前に本質的に大気圧に戻されることになる。このことを行うための1つの方法は圧力調節バルブ58および圧力検知計59を戻り導管235中に設けることである。
【0041】
圧力調節バルブ58の開閉は、予め定められた、より低い圧力が圧力調節バルブ58の下流の戻り導管235において優位になるようにコントロールされる。さらに液体タンク253は、「フラッシュタンク」として操作するように設計されており、その結果、戻り導管235中の高温の加圧液体が急速に蒸発して、例えばスチーム導管60を経由してスチーミング槽221をスチーミングするためのスチーム源として用いられる。
【0042】
好ましくは、戻り導管235中の加圧液体は高圧懸濁液ポンプ251´から増量導管61および増量導管62を経由して排出する流れを増量するために使用される。1つの選択肢として、戻り導管235中の加圧液体を用いて、ポンプ増量導管63経由で、ポンプコネクター導管252中の高圧懸濁液ポンプ251と252との間の液体流を増量することができ、その際にポンプ増量ポンプ64は使用しても使用しなくてもよい。必要ならば、蒸解缶フィード導管254からの液体は、ポンプコネクター導管252中の流れを増量するために使用される。蒸解缶フィード導管254からの液体は、液体タンク増量導管56および液体タンク増量導管57経由でポンプコネクター導管252に添加されてもよい。
【0043】
図1は、蒸解缶フィード導管234に配置された一方向(チェック)バルブ65(このバルブはチェックバルブまたは他の適当なバルブである)を示しており、この一方向(チェック)バルブ65は、加圧された液体流が高圧懸濁液ポンプ251または251´に戻されるのを防止している。さらに、従来型の自動の(例えばソレノイドで操作される)入口隔離バルブ66と戻り隔離バルブ67が、蒸解缶フィード導管234と戻り導管235にそれぞれ配置されており、蒸解缶フィード導管234と戻り導管235を高圧懸濁液ポンプ・蒸解缶フィードシステム210の残りから隔離している。蒸解缶フィード導管234と戻り導管235は加圧された液体を含んでいてもよい。
【0044】
運転の一態様において、従来型の圧力スイッチ68が蒸解缶フィード導管234中の高圧懸濁液ポンプ251´の下流に配置されている。圧力スイッチ68は蒸解缶フィード導管234内の圧力をモニターするために使用され、圧力が予め定められた値から変動した場合に、従来型の圧力コントローラー69が自動的に蒸解缶11を高圧懸濁液ポンプ・蒸解缶フィードシステム210から隔離するが、この隔離は入口隔離バルブ66と戻り隔離バルブ67を自動的に閉鎖することによって達成される。
【0045】
図2は、低圧出口液体導管1110を経由して砂分離槽1237に連結されたHPF1100を有するHPF蒸解缶フィードシステム1000のセクションを示す。低圧出口導管1110はチップシュートポンプ1200を含み、砂分離槽1237に供給されるべき、HPF1100からの液体を加圧化している。低圧出口導管1110内の液体は、除去しないと、HPF蒸解缶フィードシステム1000のプロセス設備(槽、導管、ポンプなど)および上流のプロセス設備に重大な損傷を与える砂を含んでいる。
【0046】
低圧出口導管1110からの砂含有液体(同伴液体)は砂分離槽1237の垂直頂部近傍で砂分離槽1237に正接方向に導入される。遠心力により、砂は同伴液体から分離され、砂分離槽1237の底部より排出される。ここに「底部」とは、底部の垂直上方に配置された頂部を有する槽の垂直下端部を意味する。
【0047】
通常、砂は砂分離槽1237の底部からボールバルブ1400およびポケットバルブ1450を経由して廃棄部1500に排出される。本質的に砂を含まない(清浄な)液体1330は頂部排出部1350を経てレベルタンク1900に送られるかまたはイン−ラインドレイナー1800に送られ、低圧液体循環導管1810経由でフローメーター1700およびチェックバルブ1600を経てチップシュート1150に返送される。
【0048】
レベルタンク1900は、レベルタンク頂部出口
1950経由でスチーミング槽(図示せず)に除去されるスチーム流をも有してもよい。さらに、レベルタンク1900は、レベルタンク底部排出部1920を有し、液体がHPF蒸解缶フィードシステム1000内のメーク・アップ液体ポンプ(図示せず)に排出される。
【0049】
図3は、典型的な砂分離槽1237を示し、この砂分離槽1237は、頂部と底部を有する垂直に配向した、多くが円筒型の槽として示されている。底部は槽の頂部よりも垂直方向に低く存在する。
【0050】
デブリを含む液体1320(すなわち、砂粒子を捕捉し、同伴している液体)は正接方向入口1355より砂分離槽1237に入る。通常、正接方向入口1355は砂分離槽1237の垂直上部領域に配置されている。同伴液体1320は砂分離槽1237に入ると、砂分離槽1237内で旋回運動させられる。
【0051】
砂分離槽1237内の旋回運動によって、砂が液体から分離される。一旦分離されると、砂は重力および遠心力によって砂分離槽1237内を下向きに移動し、砂分離槽1237の底部領域にある取換え可能なインサート1360を通過する。
【0052】
取換え可能なインサート1360を通過した砂は砂捕集領域1365に捕集される。砂捕集領域1365は固体粒子捕集領域あるいは捕集領域と称することもある。砂は砂分離槽1237から砂排出部1380を経て除去されて、廃棄部1500に送られる。
【0053】
砂
排出部1380から排出するに先立ち、砂の旋回運動を破壊または停止するために、旋回している砂は旋回ブレーカー1370に送られる。旋回ブレーカー1370は、取換え可能なインサート1360を有するかまたは取換え可能なインサート1360の排出端部において取換え可能なインサート1360に付帯している。
【0054】
図4は、穴のある従来型の取換え可能なインサート、すなわち従来のデサインの穴を有する取換え可能なインサートを示し、この従来型の取換え可能な穴のあるインサートは、砂分離槽1237の垂直下端領域内に適合するように形成された金属プレートからなる。円形の穴1360Aは金属プレート内に形成され、穴1360Aと穴1360Aの間に陸領域1360Bが存在する。
【0055】
穴1360Aは穴のある従来型の取換え可能なインサートの全表面に配置され
ており、この穴1360Aは、砂が穴のある従来型の取換え可能なインサート1361の表面の内部から穴1360Aを通過して、取換え可能なインサート1360(
図3参照)を取り囲む砂捕集領域1365(
図3参照)へと移動することを可能にするに十分な単一の穴サイズのものである。穴1360Aは通常、直径が3/8インチ、間隔が1インチであり、チップが穴1360Aを通過したりまたは滞留するのを防止するに十分に小さいが、砂が通過するのに十分に大きい。穴の配置は特定のパターンに限定されない。砂は、砂分離槽1237から排出されて砂捕集領域1365に捕集される。
【0056】
図5は、典型的な砂分離槽1237を示す。デブリ含有液体1320は砂分離槽1237の垂直頂部近傍で正接方向入口1355から砂分離槽1237に入る。砂1335の旋回運動は砂分離槽1237内を垂直方向下向きに移動するように示されている。従来型の取換え可能なインサート1360は、金属プレート内に垂直スロット1360Cを有し、垂直スロット1360Cと垂直スロット1360Cとの間に陸領域1360Bが存在するように示されている。
【0057】
砂は、砂排出部1380を通過する前に砂捕集領域1365内に蓄積し、本質的に砂を含まない(清浄な)液体1330が砂分離槽1237の頂部排出部1350から除去される。
【0058】
図6は、
図5に示したスロットのある従来型の取換え可能なインサート1362を拡大して示す。
図6にも垂直スロット1360Cおよび垂直スロット1360Cと垂直スロット1360Cの間の陸領域1360Bが示されている。垂直スロット1360Cは通常、8mmの幅と72mmの長さを有する。
【0059】
8mmの幅を有する垂直スロット1360Cは、穴1360Aの直径と比べたときスロットの断面積を20%だけ減少させることができる。幅寸法をそのように減少させることは、チップが垂直スロット1360Cを通過したり、垂直スロット1360Cがチップによって閉塞されるのを防止するために好ましい。
【0060】
長さが72mmの垂直スロット1360Cは、垂直スロット1360Cの数を(穴1360Aと比べて)減少させ、これにより垂直スロット1360Cと垂直スロット1360Cの間の距離(垂直スロット1360Cと垂直スロット1360Cの間の距離は垂直スロットの中心線と垂直スロットの中心線で求められる)を増加させる。垂直方向スロット1360Cと垂直スロット1360Cの間の距離を増加させることによって、スロットのある従来型の取換え可能なインサート1362は穴のある従来型の取換え可能なインサートにおいて存在するよりも十分な陸領域1360
B(ブランク領域とも言う)を有する。取換え可能なインサートの陸領域1360
Bを増加させて、穴のある従来型の取換え可能なインサート1361よりも腐蝕しにくいスロットのある従来型の取換え可能なインサート1362を得ることは重要である。
【0061】
穴のある従来型の取換え可能なインサート1361およびスロットのある従来型の取換え可能なインサート1362の製造方法では、金属板の平坦片を必要とし、平坦のままで、開口、穴またはスロットは特別なパターンまたはアレンジメントなしに金属板に形成される。
【0062】
一旦、開口が形成されると、金属板は取換え可能なインサートに形成される。金属板の両端部が会うところにシーム1366が存在する。シーム1366は金属の両末端部を溶接することにより形成されるが、他の許容し得る方法として、金属両端部を互いに固着する方法が用いられる。
【0063】
図7は、本発明の一態様の取換え可能な多孔インサート1363を示し、この取換え可能な多孔インサートの孔は垂直スロット1363Aであり、この垂直スロット1363Aは取換え可能な多孔インサート1363上に縦列と横列に配置されている。
【0064】
垂直スロット1363Aの縦列の配置は、ライン“a”が取換え可能な多孔インサート1363の円錐軸の正接となるようにライン“a”と平行である。この平行配置は、砂が取換え可能な多孔インサート1363の円錐形に基づく旋回運動で移動するときに、砂が垂直スロット1363Aを通って除去されるために必要である。垂直スロット1363Aをライン“a”に平行な縦列に位置させると、垂直スロット1363Aを通過する砂に与えられる遠心力によって砂が垂直スロット1363Aに指向される。
【0065】
砂に作用する遠心力によってスロットを有する取換え可能なインサート内で砂の流れのパターンが提供され、砂の流れのパターンを認識し、垂直スロット1363Aを遠心力のパターンに従ったパターンに配置することにより、個々の砂粒子は砂分離器に存在する遠心力によって垂直スロット1363Aへと移動する。垂直スロット1363Aを示唆されたパターンで提供することによって、より多くの砂が金属の表面にぶつかるよりも開口へと流れる。砂が金属の表面にぶつかると金属が摩耗される。示唆されたパターンに提供された垂直スロット1363Aは、取換え可能な多孔インサート1363Aの長寿命化をもたらす。
【0066】
縦列の垂直スロット1363Aは、本質的に、取換え可能な多孔インサート1363Aの頂部1363Cから底部1363Dまでの垂直線に延びている。垂直スロット1363Aは、取換え可能な多孔インサートの全面に亘って同一の長さ“L”と幅“W”を有する。典型的には、垂直スロット1363Aの幅“W”は6mm以下、例えば4mmまたは2mmであり、木片、パルプ繊維、または砂以外の物質がスロットを通過するのを防止している。長さ、幅または長さ/幅の比率の測定とは、木片、パルプ繊維、または砂以外の物質がスロットを通過するのを防止するために好ましい。例えば長さ/幅の1つの好ましい比率は12/1、すなわち長さが48mmで幅が4mmである。他の例として、36mmの長さと3mmの幅が用いられる。スロットの長さは、木片、パルプ繊維、または砂以外の物質がスロットを通過するのを防止するように、蒸解缶フィードシステムへの原料に基づく、所望の幅を用いて定められる。幅“W”を6mm以下を維持することによって、より小さいピンチップ(pin chips)またはファイン(fines)が砂とともに同伴液体から除去される。
【0067】
ピンチップやファインを同伴液体中に維持しながら、砂を同伴液体から分離するのが好ましい。6mm以下、例えば4mm以下または2mm以下の幅を有する垂直スロット1363Aは、ピンチップやファインが垂直スロット1363Aを通過したり、または垂直スロット1363Aを砂粒子で閉塞させるのを防止する。1つの態様において、垂直スロット1363Aが砂の通過を可能とし、かつ十分な横列と縦列のスロットが砂の通過のために必要な開放空間を提供する場合には、6mm以下の幅を有する垂直スロット1363Aが、対応して望ましい垂直スロット1363Aのサイズとともに用いられる。
【0068】
1つの例示的態様において、垂直スロット1363Aは6mm以下の幅と72mm以下の長さを有し、対応する比率を有するものであり、砂捕集領域1365は望ましくないチップピンやファインが垂直スロット1363Aを通過し、砂捕集領域1365に流入することから保護される。チップピンやファインは蒸解缶または含浸槽を通って処理された粒子であり、粒子内に摩耗性の蒸解液を含んでいる。
チップピンやファインは、分離された同伴液体の本質的に砂を含まない(清浄な)液体部分とともに残り、さらなる処理のためにプロセスに戻されるのが望ましい。チップピンやファインが砂捕集領域1365に流入するのを減少させることにより、砂捕集のための付加的スペースが提供され、また
図1および
図2に示した蒸解缶フィードシステム内で砂分離槽237または1237がチップピンやファイン内の液体により腐蝕する可能性が減少する。
【0069】
垂直スロット1363Aと垂直スロット1363Aの間には陸領域1363Bが存在し、この陸領域1363Bは取換え可能な多孔インサート1363のための構造的サポートを提供するために必要である。陸領域1363Bは金属の表面領域の約75%〜約95%からなり、十分な構造的サポートを提供して、取換え可能な多孔インサートがそれ自体で破壊するのを防止している。陸領域1363Bの存在により十分な構造的サポートを提供することによって、取換え可能な多孔インサート1363の寿命が延びることとなる。また陸領域の割合が高いと、取換え可能な多孔インサートの破壊可能性が減少または防止されることにより、砂捕集領域1365がより一層保護される。
【0070】
さらに、取換え可能な多孔インサートを形成するために用いられた金属板は砂の摩耗性により不均一に摩耗することがあり、従来型の取換え可能なインサートに認められた、この不均一摩耗を解消するため、本発明の取換え可能な多孔インサートの1つの態様は金属板の表面に適用されたハードコーティングを含み、またもう1つの態様は厚みを増加した金属板を含む。
【0071】
金属板の頂部、例えば金属板の上の方の20〜40%、25〜35%、20〜30%または25〜30%の部分は、取付け前に、炭化タングステンまたは他の好適な材料などのハードコーティングで処理してもよい(本例において、“頂部”は取換え可能な多孔インサートの入口における金属部分の最も広い領域を意味する。)。ハードコーティング層は厚さが0.3mmを超えないのが理想的である。ハードコーティングを適用するための好ましい方法の1例は、溶融金属を金属板の表面にスプレーする高速度酸素燃料(High Velocity Oxygen Fuel:HVOF)コーティング法である。
【0072】
ハードコーティングを用いない場合、金属板の頂部、例えば金属板の上の方の20〜40%、25〜35%、20〜30%または25〜30%の部分を厚い金属板、例えば残りの金属板よりも10%、15%または20%厚い金属板、または2〜8mmまたは4〜6mm厚い金属板で形成することも可能である。
【0073】
ハードコーティングが用いられるかまたはより厚い金属板が用いられるかに拘らず、金属摩耗率が従来型の取換え可能なインサートよりも減少しない場合であっても、金属板の不均一摩耗が防止されるので、取換え可能なインサートの長寿命化が達成される。
【0074】
図8は、本発明のもう1つの態様による取換え可能な多孔インサート13630を示す。取換え可能な多孔インサート13630の孔は垂直スロット13630Aであり、垂直スロット13630Aと垂直スロット13630Aの間に陸領域13630Bが存在する。垂直スロット13630Aは、取換え可能な多孔インサート13630上に縦列と横列に配置されている。
【0075】
図7の垂直スロット1363Aのように、垂直スロット13630Aは、ライン“a”が取換え可能な多孔インサート13630の円錐軸の正接となるようにライン“a”に平行に配列されている。
図7の垂直スロット1363Aと同様に、
図8の垂直スロット13630Aは本質的に同一の長さ“L”を有するが、
図7と異なり、
図8の垂直スロット13630Aは全てが同一の幅“W”を有するものではない。
【0076】
砂が頂部13630Cから底部13630Dへと取換え可能な多孔インサート13630を垂直方向下向きに移動するにつれて、垂直スロット13630Aの幅“W”は変化し、この変化は頂部13630Cにおいて、より広い幅“W”、底部13630Dにおいて、より狭い幅“W”である(
図8参照)。垂直スロット13630Aの幅“W”を、砂が垂直方向下向きに移動するにつれて徐々に変化させるが、幅“W”は横列間または各横列内では変化させないようにすることも可能である。
【0077】
もう1つの態様において、幅“W”の徐々の変化が複数セットの横列で起こり、例えば最初の3つの横列を第1セットの横列とし、各垂直スロット13630Aの幅“W”は同一とする。第1セットの横列の垂直方向下の第2セットの横列における各垂直スロット13630Aは先の横列と異なる幅“W”を有する。他のセットの横列は、先のセットの横列と同一または異なる幅“W”を有する。
【0078】
もう1つの態様において、垂直スロット13630Aの横列は幅“W”が徐々に変化し、最も幅広の垂直スロットは(頂部よりも)底部にあり、垂直スロットの頂部の横列は最も狭い垂直幅“W”を有する。
【0079】
より大きな(またはより幅広の)スロットが除去される砂の速度と濃度をオフセットするために用いられるので、垂直スロットの幅“W”を変化させることは、砂除去効率に正のインパクトを与える。取換え可能な多孔インサート13630の頂部近傍により狭いスロットを配置させることは、砂の濃度と速度が最も高いときに、砂の除去に正のインパクトを与える。
【0080】
垂直スロットの幅“W”の寸法が徐々に変化する場合に、最も広い幅“W”は約6mmを超えるべきでなく、最も狭い幅“W”は1mmよりも小さくすべきではない。示唆されるような幅“W”の寸法は、木片、ピンチップ、ファイン、または砂以外の物質が垂直スロットを通過することを可能にする。
【0081】
図9は、本発明のもう1つの態様による取換え可能な多孔インサート13631を示す。この取換え可能な多孔インサート13631の孔は垂直スロット13631Aであり、垂直スロット13631Aと垂直スロット13631Aの間に陸領域13631Bが存在する。垂直スロットは取換え可能な多孔インサート13631上に縦列および横列に配置されている。
【0082】
図7の垂直スロット1363Aのように、垂直スロット13631Aは、ライン“a”が取換え可能な多孔インサート13631の円錐軸の正接になるようにライン“a”に平行に配置されている。
図7の垂直スロット1363Aと同様に、
図9の垂直スロット13631Aは本質的に同一の幅“W”を有し、
図7と異なり、
図9の垂直スロット13631Aは同一の長さ“L”を有するものではない。
【0083】
砂が頂部13631Cから底部13631Dへと取換え可能な多孔インサート13631を垂直方向下向きに移動するにつれて、垂直スロット13631Aの長さ“L”が変化し、この変化は取換え可能な多孔インサート13631の頂部13631Cにおいて、より長い長さ“L”であり、底部13631Dにおいて、より短い長さ“L”である(
図9参照)。長さ“L”は、砂が垂直方向下向きに移動するにつれて徐々に変化するものであり、各横列においては変化しない。
【0084】
もう1つの態様において、長さ“L”の徐々の変化は複数セットの横列で起こり、例えば最初の2つの横列を第1セットの横列とし、各垂直スロット13631Aの長さ“L”は同一とする。第1セットの横列の垂直方向下の第2セットの横列の各垂直スロット13631Aは第1セットの横列と異なる長さ“L”を有する。他のセットの横列は、先のセットの横列と同一または異なる長さ“L”を有する。
【0085】
もう1つの態様において、垂直スロット13631Aの横列は、最も長い垂直スロットが(頂部よりも)底部にあり、頂部の垂直スロットの横列が最も短い垂直長さ“L”を有するように長さ“L”が徐々に変化する。
【0086】
垂直スロットの長さ“L”を変化させることは、より大きい(本例では垂直方向により長い)垂直スロットが、除去されるべき砂の最高濃度が存在するところに位置しているので、砂除去効率に正のインパクトを与える。垂直スロット長さ“L”寸法が徐々に変化する場合、最長の長さは約100mmを超えるべきでなく、最短の“L”寸法は5mmより小さくすべきではない。例えば、50mmの最大長さおよび10mmの最小長さが好適である。長さ“L”寸法のこれらの範囲により、木片、ピンチップ、ファイン、パルプ繊維、または砂以外の物質が垂直スロットを通過するのが防止される。
【0087】
図10は、本発明のもう1つの態様による取換え可能な多孔インサート13632を示す。この取換え可能な多孔インサート13632の孔は垂直スロット13632Aであり、垂直スロット13632Aと垂直スロット13632Aの間に陸領域13632Bが存在する。垂直スロット13632Aは取換え可能な多孔インサート13632上に縦列と横列に配置されている。
【0088】
図7の垂直スロット1363Aのように、垂直スロット13632Aは、ライン“a”が取換え可能な多孔インサート13632の円錐軸の正接になるようにライン“a”に平行に配置されている。
図7の垂直スロット1363Aと異なり、
図10の垂直スロット13632Aは本質的に同一の幅“W”または長さ”L”を有しない。
【0089】
砂が頂部13632Cから底部13632Dへと取換え可能な多孔インサート13632を垂直方向下向きに移動するにつれて、垂直スロット13632Aの長さ“L”および幅“W”の両者が変化し、この変化は、取換え可能な多孔インサート13632の頂部13632Cにおいて、より長い長さ“L”およびより広い幅“W”であり、底部13632Dにおいて、より短い長さ“L”およびより狭い幅“W”である(
図10参照)。いくつかの態様において、長さ“L”と幅“W”の変化は、砂が垂直方向下向きに移動するにつれて徐々の変化であり、変化は各横列においては存在しない。もう1つの態様において、長さ“L”と幅“W”の徐々の変化は複数セットの横列で起こり、例えば最初の2つの横列は第1セットの横列であり、各垂直スロット13632Aの長さ“L”と幅“W”は同一である。第1セットの横列の垂直方向下の第2セットの横列の各垂直スロット13632Aは、先のセットの横列と異なる長さ“L”および幅“W”を有する。他のセットの横列は先のセットの横列と同一または異なる長さ“L”と幅“W”を有する。
【0090】
いくつかの態様において、垂直スロット13632Aの横列は、長さ“L”と幅“W”が徐々に変化し、最も長く最も広い垂直スロットが(頂部よりも)底部にあり、頂部の垂直スロットの横列は最も短く最も狭い垂直スロット寸法を有する。
【0091】
図7〜
図10には示していないが、横列と縦列の垂直スロットは、ライン“a”に対して15〜185°の角度を有することも可能であり、例えば30〜150°、45〜135°、60〜120°、15〜60°または120〜185°が好ましい。選択された角度範囲は、砂が砂分離槽を垂直方向下向きに移動するときの砂の流れのパターンに対応する。砂の流れのパターンは、複数のファクター、すなわち砂分離槽の寸法、砂分離槽に入る同伴液体の体積および同伴液体中の砂の濃度の関数である。砂分離槽中の砂の下向きへの流れを観察することにより、上記角度が決定される。用いられる角度は、領域の寸法および槽に供給される同伴液体の体積に依存する。
【0092】
本明細書において提示されたものは、同伴液体を固体粒子(本質的に砂)と本質的に砂を含まない(清浄な)液体流とに分離するための砂分離槽である。この砂分離槽は、少なくとも円筒状部分の上部セクションと少なくとも下部セクション;同伴液体を受け入れるための、円筒状部分の上部セクションへの正接方向入口;本質的に砂を含まない(清浄な)液体を排出するための、円筒状部分の頂部にある出口;固体粒子を排出するための、下部セクションの底部にある出口;を含み、下部セクションは円錐状部分を有している。円錐状部分は、固体粒子捕集領域によって取り囲まれた円錐形状の取換え可能なインサートを有している。円錐形状の取換え可能なインサートは金属板であり、この金属板は下部セクションの円錐状部分内に適合するような寸法の円錐形状に形成された孔を有する。金属板中の孔は長さ“L”と幅“W”を有するスロットであり、これらのスロットは、横列と縦列のパターンで配列され、縦列のスロットは取換え可能なインサートの円錐軸の正接によって形成されたラインに平行である。
【0093】
少なくともいくつかの態様において、スロットは徐々に変化する幅“W”、徐々に変化するスロット長さ“L”、徐々に変化するスロット幅“W”および徐々に変化するスロット長さ“L”を有する。
【0094】
本明細書で提示されるものは、分離装置のための取換え可能な多孔インサートであり、この分離装置のための取換え可能な多孔インサートは、円錐形状を有する金属板を含んでおり、この円錐形状は一端において、より大きな開口を、他端において、より小さい開口を有している。多数の孔が円錐形状の金属板に存在しており、多数の孔のそれぞれは、長さ“L”と幅“W”を有し、長さ“L”と幅“W”は互いに異なっている。多数の孔はスロットでもよい。多数の孔は金属板中に縦列と横列のパターンを形成しており、縦列の孔は全て金属板に配置され、縦列の孔は取換え可能なインサートの円錐軸の正接によって形成されたラインに平行である。
【0095】
少なくともいくつかの態様において、取換え可能な多孔インサートは砂分離槽において使用するに好適である。またいくつかの態様において、孔の幅“W”は取換え可能なインサートの一端から他端へと徐々に変化し、一方、長さ“L”は変化しない。いくつかの態様において、多数の孔の幅“W”は6mm以下である。
【0096】
取換え可能な多孔インサートのいくつかの態様として、形成された取換え可能なインサートにおいて、円錐形状の金属板の底部1363D、13630D、13631D、13632Dに比べて大きな開口を有する場合に、円錐形状の金属板の頂部1363C、13630C、13631C、13632Cは、その端部の25〜30%にハードコーティングが形成されていてもよい。少なくともいくつかの態様において、円錐形状の金属板は、円錐形状の金属板がより大きな開口を有する端部においてより厚くなっている。
【0097】
以上、本発明を、最も実用的で好ましい態様と現在考えられるものとの関係で説明してきたが、本発明は開示された態様に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる種々の変更および均等な構成を包含するものであることが理解されるべきである。