(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6826418
(24)【登録日】2021年1月19日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】アクチュエータ及びこのアクチュエータを用いるポンプ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/00 20060101AFI20210121BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20210121BHJP
H02K 5/173 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
H02K5/00 A
H02K7/14 B
H02K5/173 A
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-227524(P2016-227524)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2017-121166(P2017-121166A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2019年9月24日
(31)【優先権主張番号】201510818236.0
(32)【優先日】2015年11月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ビン リー
(72)【発明者】
【氏名】チュアン リン チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ピン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ション リ リー
【審査官】
池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−297744(JP,A)
【文献】
特開2004−245067(JP,A)
【文献】
米国特許第06208048(US,B1)
【文献】
米国特許第04647803(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/00
H02K 5/173
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ本体(70)を駆動するためのアクチュエータであって、
取付けブラケット(12)を含む基部(10)と、
伝達装置組立体(50)と、
ステータ(31)と、前記ステータ(31)に対して回転可能なロータ(32)と、前記ロータ(32)に固定された駆動軸(351)とを含むモータ(30)と、
を備え、
前記駆動軸(351)は、前記伝達装置組立体(50)に結合され、前記取付けブラケット(12)は、前記モータ(30)に部分的に組み込まれ、
前記取付けブラケット(12)は、前記モータ(30)と前記伝達装置組立体(50)との間に配置されたれ板(123)を備え、前記駆動軸は前記連結板を通って延びるとともに少なくとも1つの支持軸受によって回転可能に支持され、前記駆動軸を支持するよう構成された前記少なくとも1つの支持軸受の各々は、前記連結板の前記モータから離れた一側面に位置している、
アクチュエータ。
【請求項2】
前記モータ(30)は、外側ロータ式モータであって、前記ステータ(31)は前記取付けブラケット(12)に直接固定されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記取付けブラケット(12)は、前記連結板(123)の側面から前記駆動軸(351)の軸方向に沿って延びるスリーブ(125)をさらに含み、前記ステータ(31)は、前記スリーブ(125)上に支持され、前記駆動軸(351)は、スリーブ(125)に回転可能に収容され、前記ロータ(32)は、前記ステータ(31)の周りに回転可能に取り付けられる、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記基部(10)は後側カバー(15)をさらに含み、前記後側カバー(15)は、前記ステータ(31)から離れた前記取付けブラケット(12)の一側面に配置され、前記少なくとも1つの支持軸受は、2つの支持軸受(353)を含み、前記2つの支持軸受(353)は、それぞれ前記後側カバー(15)及び前記連結板(123)に近接して前記取付けブラケット(12)に固定される、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記モータ(30)はブラシレス直流モータ(30)であり、前記モータ(30)はコントローラ(33)をさらに含み、前記コントローラ(33)は、前記取付けブラケット(12)と前記ステータ(31)との間に配置される、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記取付けブラケット(12)は、前記伝達装置組立体(50)を収容する収容チャンバ(121)を定める、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記伝達装置組立体(50)は、軸受座(51)と、伝達装置軸受(53)と、偏心ブッシュ(55)とを含み、前記伝達装置軸受(53)は前記軸受座(51)に取り付けられ、前記軸受座(51)は前記収容チャンバ(121)に収容され、前記軸受座(51)の一側は前記ポンプ本体(70)に結合され、前記偏心ブッシュ(55)は、前記駆動軸(351)に固定的にスリーブ嵌めされかつ前記伝達装置軸受(53)に回転可能に取り付けられる、請求項6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記偏心ブッシュ(55)は、円筒形でありかつ貫通穴を定め、前記偏心ブッシュ(55)の軸線は前記貫通穴の軸線からオフセットしており、前記駆動軸(351)は、前記偏心ブッシュ(55)が前記駆動軸(351)と一緒に回転するように、前記偏心ブッシュ(55)の貫通穴を貫通する、請求項7に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記ステータ(31)は電機子であり、前記ロータ(32)は複数の永久磁石を備えた励磁組立体である、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
ポンプ(100)であって、
ポンプ本体(70)と、請求項1から9のいずれかに記載のアクチュエータと、
を備えるポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプの分野に関し、より具体的には、アクチュエータ及びこのアクチュエータを用いるポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
駆動装置の一種として、様々な用途でモータが広く使用される。モータの一般的な応用例は、モータを使用してポンプを駆動し、水の送給又は排気を行う機能を達成することである。モータを使用してポンプを駆動し、水の送給又は排気の仕事を行なう現在の一般的な機構において、従来のモータ一式は概してポンプに組み付けられ、モータの出力軸はポンプに結合され、ポンプが駆動されて回転する。モータは、独立して動作可能なモータ一式であり、2つの軸受、エンドカバー等の構成要素を含むので、駆動装置全体は大型で重量がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、小型のアクチュエータ及びこのアクチュエータを用いるポンプに対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様において、ポンプ本体を駆動するために用いるアクチュエータが提供される。アクチュエータは、取付けブラケットと、伝達装置組立体と、基部に収容されたモータとを備える。モータは、ステータと、ロータと、ロータに固定された駆動軸とを含む。駆動軸は伝達装置組立体に結合される。基部は取付けブラケットを含む。取付けブラケットは、モータに部分的に組み込まれる。
【0005】
好ましくは、取付けブラケットは、モータと伝達装置組立体との間に配置された連結板と、連結板の側面から駆動軸の軸方向に沿って延びるスリーブとを備え、ステータはスリーブ上に支持され、駆動軸はスリーブに回転可能に収容され、ロータは、ステータの周りに回転可能に取り付けられる。
【0006】
好ましくは、スリーブは、連結板と一体形成される。
【0007】
好ましくは、基部は後側カバーをさらに含み、後側カバーは、ステータから離れた取付けブラケットの一側面に配置され、アクチュエータは、駆動軸を回転可能に支持する2つの支持軸受をさらに備え、2つの支持軸受は、それぞれ後側カバー及び連結板に近接して取付けブラケットに固定される。
【0008】
好ましくは、スリーブは少なくとも1つの案内部材を形成し、これによりステータをスリーブに所定の向きで取り付けることが可能になっている。
【0009】
好ましくは、モータはブラシレス直流モータであり、モータはコントローラをさらに含み、コントローラは、取付けブラケットとステータとの間に配置される。
【0010】
好ましくは、コントローラは連結板上に固定される。
【0011】
好ましくは、基部は、モータを収容する前側カバーをさらに含み、連結板及び前側カバーはスナップ結合によって結合される。
【0012】
好ましくは、取付けブラケットは、伝達装置組立体を収容する収容チャンバを定める。
【0013】
好ましくは、伝達装置組立体は、軸受座と、伝達装置軸受と、偏心ブッシュとを含み、伝達装置軸受は軸受座に取り付けられ、軸受座は収容チャンバに収容され、軸受座の一側はポンプ本体に結合され、偏心ブッシュは、駆動軸に固定的にスリーブ嵌めされて伝達装置軸受に回転可能に取り付けられる。
【0014】
好ましくは、偏心ブッシュは、円筒形でありかつ貫通穴を定め、偏心ブッシュの軸線は貫通穴の軸線からオフセットしており、駆動軸は、偏心ブッシュが駆動軸と一緒に回転するように偏心ブッシュの貫通穴を貫通する。
【0015】
好ましくは、ステータは電機子であり、ロータは複数の永久磁石を持つ励磁組立体である。
【0016】
別の態様において、ポンプ本体と、ポンプ本体を駆動するためのアクチュエータとを備えるポンプが提供され、アクチュエータは、基部と、基部に収容された伝達装置組立体と、モータとを含み、モータは、外側ロータ式モータであり、基部に直接固定されたステータと、ステータの周りに回転可能に取り付けたロータと、伝達装置組立体に結合されかつロータに固定された駆動軸とを含む。
【0017】
好ましくは、基部は、取付けブラケットと、取付けブラケットの一側面に取外し可能に取り付けられた前側カバーとを含み、ステータは取付けブラケットに直接固定され、前側カバーはステータ及びロータを収容する。
【0018】
好ましくは、スリーブは取付けブラケットから突出し、ステータはスリーブ上に固定的に支持される。
【0019】
好ましくは、駆動軸は、スリーブに回転可能に挿入される。
【0020】
好ましくは、基部は後側カバーをさらに含み、後側カバーは、ステータから離れた取付けブラケットの一側面に配置され、アクチュエータは、駆動軸を回転可能に支持する2つの支持軸受をさらに備え、2つの支持軸受は、それぞれ、後側カバー及びステータに近接して取付けブラケットに取り付けられる。
【0021】
好ましくは、駆動軸は、偏心した動力伝達組立体を介してポンプ本体に結合される。
【0022】
好ましくは、伝達装置組立体は、軸受座と、伝達装置軸受と、偏心ブッシュとを含み、伝達装置軸受は軸受座に取り付けられ、軸受座の一側はポンプ本体に結合され、偏心ブッシュは、駆動軸に固定的にスリーブ嵌めされて伝達装置軸受に回転可能に取り付けられる。
【0023】
好ましくは、偏心ブッシュは、円筒形でありかつ貫通穴を定め、偏心ブッシュの軸線は貫通穴の軸線からオフセットしており、駆動軸は、偏心ブッシュが駆動軸と一緒に回転するように偏心ブッシュの貫通穴を貫通する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の好ましい実施形態によるポンプの斜視図である。
【
図2】
図1のポンプを部分的に分解した斜視図である。
【
図4】
図1のポンプを分解して別の角度から見た斜視図である。
【
図6】
図1のポンプの線VI−VIに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
本発明の実施形態の技術的解決法は、以下のように添付図面を参照して明確かつ完全に説明される。明らかに、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく単にその一部である。本開示の実施形態に基づいて、当業者によって何らの創造的努力なしに得られるあらゆる他の実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0027】
ある構成要素が別の構成要素に「固定される」と説明される場合、別の構成要素に直接固定することができること、又は中間の構成要素があってもよいことに留意されたい。ある構成要素が別の構成要素に「結合される」と説明される場合、別の構成要素に直接結合することができ、又は中間の構成要素があってもよい。ある構成要素が別の構成要素上に「配置される」と説明される場合、別の構成要素上に直接配置することができ、又は中間の構成要素があってもよい。
【0028】
別段の定めがない限り、全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって理解される通常の意味を有する。本開示中で用いる用語は、限定というよりもむしろ例示である。
【0029】
図1及び
図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるポンプ100は、ポンプ本体70と、ポンプ本体70を駆動するためのアクチュエータとを含む。アクチュエータは、基部10と、基部10に取り付けられたモータ30と、モータ30の周りに取り付けられた伝達装置組立体50と、2つの支持軸受353とを含む。モータ30は、伝達装置組立体50に結合する駆動軸351を含む。
【0030】
本実施形態では、基部10は、内部にモータ30及び伝達装置組立体50を収容するように構成される。ポンプ本体70は、基部10と底部支持体80との間に取り付けられる。底部支持体80は、ポンプ100全体を支持面上に支持するために使用される。
【0031】
基部10は、取付けブラケット12、前側カバー14、及び後側カバー15を含む。前側カバー14及び後側カバー15は、取付けブラケット12の反対側の側面に取り付けられる。
【0032】
図3を参照すると、本実施形態では、取付けブラケット12は、1つの部品として一体形成されたプラスチック部材であり、結果的に製造工程が短縮される。他の実施形態では、取付けブラケット12は、金属又は合金材料を溶接又は接合することよって作られた溶接要素又は接合要素とすることもできる。取付けブラケット12は、連結板123、ベースプレート124、及びスリーブ125を含む。
【0033】
図4及び
図6を参照すると、取付けブラケット12は収容チャンバ121を定め、収容チャンバ121は、連結板123及びベースプレート124によって境界付けされる。収容チャンバ121は、伝達装置組立体50を収容するように構成される。連結板123は、収容チャンバ121に対向する一側面に、複数のキャッチ1231及び複数の係合ブロック1232を形成する。本実施形態では、複数のキャッチ1231及び複数の係合ブロック1232は、連結板123の円周方向に沿って離間して配置される。連結板123は、駆動軸が貫通するようになった貫通穴を定める。軸受ジャケット1233(
図6に示す)は、連結板123の一側面から、複数のキャッチ1231から離れて、連結板123の貫通穴の周りに突出する。
【0034】
ベースプレート124は、連結板123と実質的に直交する。ベースプレート124は、駆動軸351と直交する軸方向を有する貫通穴1241を定める。貫通穴1241は収容チャンバ121と連通する。ポンプ本体70は、貫通穴1241を介して伝達装置組立体50に結合するように構成される。
【0035】
本実施形態では、スリーブ125は実質的に円筒形である。スリーブ125は、収容チャンバ121から離れた連結板123の一側面から突出する。軸方向穴を定めるスリーブ125は軸受穴1233と連通し、これにより駆動軸351は、スリーブ125及び軸受穴1233を通って回転可能に延びることができる。スリーブ125は、外周面上に少なくとも1つの案内部材1251を形成する。案内部材1251は、スリーブ125の軸方向に沿って延びる。案内部材1251を設けることで、モータ30をスリーブ125の周りで所定の向きで取り付けることが容易になる。
【0036】
本実施形態では、前側カバー14は、側面に開口部140が形成された実質的に中空の立方体部材である。前側カバー14は、モータ30をカバーし、開口部140が連結板123に向かい合った状態で連結板123に結合される。前側カバー14は、開口部に隣接しかつその周りに複数のキャッチ142を形成し、複数のキャッチ142は、係合ブロック1232と協働的に係合して、前側カバー14を連結板123に固定的に取り付ける。また、キャッチ142は、連結板123上に形成することができ、これに対応して、ブロック1232は前側カバー14上に形成されることを理解されたい。
【0037】
後側カバー15は、収容チャンバ121を閉じるために、モータ30から離れた取付けブラケット12の一側面に取り付けられる。後側カバー15は、取付けブラケット12に向かい合う側面にある凹部150と、凹部と連通する貫通穴151とを定め、駆動軸351を回転可能に収容するように構成される。
【0038】
モータ30は、アウターロータ式モータであり、スリーブ125上に支持されるステータ31と、ステータを回転可能に取り囲みかつ駆動軸351に固定されたロータ32とを含む。1つの実施形態では、モータ30は、ブラシレス直流モータであり、コントローラ33をさらに含む。本実施形態では、ステータ31は電機子であり、コアと該コアの周りに巻き付けられた巻線とを含む。ロータ32は、複数の永久磁石を含む励磁組立体である。他の実施形態では、ステータ31は励磁組立体とすることができることを理解されたい。これに対応して、ロータ32は電機子とすることができる
【0039】
ステータ31は、スリーブ125の周りに取り付けられる。スリーブ125に接触するステータ31の内面には、案内部材1251と一致する複数の案内溝(図示せず)が形成されており、ステータは、所定の向きでスリーブ125に取り付けることができる。ロータ32は、ステータ31の周りで回転可能に取り付けられる。ステータ31に通電すると、ロータ32はステータ31の周りで回転する。本発明では、コントローラ33は、スリーブ125が通る貫通穴を備えたPCBに基づいている。本実施形態では、コントローラ33は、連結板123とステータ31との間に取り付けられる。複数のキャッチ1231は、コントローラ33と係合して、連結板123の一側面にコントローラ33を固定する。コントローラ33及びステータ31は電気的に接続され、ステータ31の電流の振幅及び方向を制御することによって、ステータ31に電力を供給しかつモータ30の出力を制御する。コントローラ33は、外部電源に接続するために電線332を含む。
【0040】
図6を参照すると、各支持軸受353は、それぞれ後側カバー15の凹部150及び取付けブラケット12の軸受ジャケット1233に取り付けられる。ガスケット355は取付け溝151内に配置され、対応する支持軸受353と後側カバー15との間に挟み込まれる。本実施形態では、ガスケット355は波形ガスケット355であり、支持軸受353と後側カバー15の端面との間の距離を調整するために及び支持軸受353と後側カバー15との間の振動を低減するために用いられる。駆動軸351の一端はロータ32に固定され、駆動軸351の他端は、順番に、スリーブ125、2つの支持軸受353の一方、伝達装置組立体50、及び2つの支持軸受353の他方を通る。従って、駆動軸351は、スリーブ125及び2つの支持軸受353によって回転可能に支持される。
【0041】
伝達装置組立体50は、軸受座51と、軸受座51に取り付けられた伝達装置軸受53と、伝達装置軸受53に取り付けられた偏心ブッシュ55とを含む。本実施形態では、軸受座51は、略環状かつ中空であり、その一側面に、ポンプ本体70に結合するための結合部511を形成する。伝達装置軸受53は軸受座51に固定される。偏心ブッシュ55は、駆動軸351上に固定的にスリーブ嵌めされ、伝達装置軸受53に回転可能に取り付けられる。
【0042】
本実施形態では、偏心ブッシュ55は、円筒形であり、駆動軸351が貫通する貫通穴を定める。偏心ブッシュ55の軸線は貫通穴551の軸線からオフセットしている。換言すると、偏心ブッシュ55の壁部の厚さは、外周方向に沿って一定ではない。
【0043】
本実施形態では、ポンプ本体70は、アクチュエータによって駆動され、液体を排水するようになっている。ポンプ本体70は、はめ合い部材71と、押し組立体73と、シーツリング75とを含む。はめ合い部材71は、チャンバ12と、該チャンバ712と連通する少なくとも2つの通路713a及び713bとを定める。各通路713a及び713bの一端はチャンバ712と連通し、各通路713a及び713bの他端は、一方向弁(図示せず)に接続して、液体の入口通路及び出口通路を形成する。押し組立体73は、連結部材731と、チャンバ712に張り出すようになったポンプヘッド733とを含む。連結部材731の一端は結合部511に結合され、連結部材731の他端は、ポンプヘッド733の略中央領域に結合される。
【0044】
本実施形態では、ポンプヘッド733は、弾性材料で作られており、略円板形状である。ポンプヘッド733の外径は、チャンバ712の外径よりも大きい。環状シール7331は、ポンプヘッド733の円周方向に沿って配置される。環状シール7331の両側は、それぞれベースプレート124及びはめ合い71に当接し、チャンバ712はシールされた環境を形成する。連結部材731は、ポンプヘッド733を所定の範囲で軸方向に変形させてチャンバ712の内部に真空環境を作ることができる。シールリング75は、チャンバ712の周りではめ合い部材71上に配置され、シールの有効性をさらに高める。
【0045】
底部支持体80は、ベースプレート124から離れたはめ合い部材71の一側面に配置される。本実施形態では、底部支持体80は、順番に底部支持体80及びはめ合い部材71を貫通する複数のねじ81によって、ベースプレート124に結合される。底部支持体80をしっかりと固定するために、底部支持体80とねじ81との間に受け板83を配置することができる。受け板83は、ガスケット又はワッシャ等の緩み防止構成要素とすることもできることを理解されたい。
【0046】
ポンプを組み立てる際に、ポンプヘッド733を備えた連結部材731の端部は、ベースプレート124の貫通穴1241を通って結合部511に結合される。ねじ81は、順番に軸受板83、底部支持体80、及びはめ合い部材71を通って延び、ベースプレート124上にポンプ本体70を組み付ける。
【0047】
使用時、モータ30に通電する。駆動軸351はロータ32と一緒に回転する。偏心ブッシュ55は駆動軸351と同期して回転する。偏心ブッシュ55は、非対称に設計されているので、軸受座51と、軸受座に結合した押し組立体73とを駆動して、貫通穴1241の軸方向に沿って前後に移動させる。詳細には、偏心ブッシュ55のより厚い壁側がベースプレート124のより近くに徐々に移動する回転時期において、偏心ブッシュ55は、軸受座51及び押し組立体73をはめ合い部材71に向かって駆動する。偏心ブッシュ55のより薄い壁側がベースプレート124のより近くに徐々に移動する別の回転時期において、偏心ブッシュ55は、軸受座51及び押し組立体73をはめ合い部材71から遠くへ駆動する。押し組立体73がはめ合い部材71から遠くへ移動する際に、チャンバ712内の空気圧は低下して吸引力が生じて、一方の一方向弁及び通路713aを通じてチャンバ712に液体を引き込む。押し組立体73がはめ合い部材71に向かって移動する際に、チャンバ712内の空気圧は上昇し、他方の一方向弁及び通路713bを通じてチャンバ内の液体を排水し、結果的に液体の排水がもたらされる。
【0048】
本発明は1又は2以上の実施形態を参照して説明されるが、上記の実施形態の説明は、当業者が本発明を実施又は使用できるようにするためだけに用いられる。当業者であれば、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく様々な修正が可能であることを理解できるはずである。本明細書に例示された実施形態は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲を参照することによって決定される。
【符号の説明】
【0049】
10 基部
12 取付けブラケット
14 前側カバー
15 後側カバー
30 モータ
31 ステータ
32 ロータ
33 コントローラ
50 伝達装置組立体
70 ポンプ本体
80 底部支持体
100 ポンプ
121 収容チャンバ
123 連結板
124 ベースプレート
125 スリーブ
140 開口部
151 貫通穴
332 電線
351 駆動軸
352 支持軸受
353 ガスケット
1231 キャッチ