(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6826503
(24)【登録日】2021年1月19日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】間隙を有する抵抗性トレースを有する電子写真印刷用の定着器
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20210121BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
G03G15/20 510
H05B3/00 335
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-135306(P2017-135306)
(22)【出願日】2017年7月11日
(65)【公開番号】特開2018-18071(P2018-18071A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2020年7月9日
(31)【優先権主張番号】15/224,300
(32)【優先日】2016年7月29日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タブ・エイ・トレス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ジェイ・ギリス
(72)【発明者】
【氏名】アレン・ジェイ・トンプソン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エイ・ファイエット
【審査官】
三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−065914(JP,A)
【文献】
特開2017−227873(JP,A)
【文献】
特開2016−065915(JP,A)
【文献】
特開2009−244595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真印刷機において使用可能な定着ロールであり、シート上に画像を永久的に定着させるように前記シートが搬送される前記定着ロールと加圧ロールとの間にニップを形成するように構成された定着ロールであって、
単一の抵抗性トレースと、前記抵抗性トレースにわたって連続して前記抵抗性トレースの第1の側にタップされた共通トレースと、前記第1の側と反対側の前記抵抗性トレースの第2の側において前記抵抗性トレースの端部にタップされた第1及び第2の導電性トレースとを有するヒータ素子を備え、
前記ヒータ素子は、前記定着ロールの内側に配置されて、前記ニップの部分を加熱するように構成されており、
前記第1及び第2の導電性トレースが、前記導電性トレース間の導電性間隙によって導電的にセグメント化され、前記抵抗性トレースが、前記セグメント化された導電性トレース間の電流を防止するように、前記導電性間隙において前記抵抗性トレースの前記第2の側から前記抵抗性トレースの前記第1の側に向かって連続的に前記抵抗性トレースを通って延在する分離間隙を含み、
前記抵抗性トレースの一部が、前記第1及び第2の導電性トレースで挟まれた隙間に入り込んでおり、
前記分離間隙の少なくとも一部が、前記第1及び第2の導電性トレースで挟まれた前記隙間にある前記抵抗性トレースに存在する、
定着ロール。
【請求項2】
前記分離間隙が、前記第1の側に向かって前記抵抗性トレースにわたって少なくとも途中まで延在している、請求項1に記載の定着ロール。
【請求項3】
前記分離間隙が、前記第1及び第2の導電性トレースが延びる方向と直交する方向に対して傾いて延在している、請求項1に記載の定着ロール。
【請求項4】
前記抵抗性トレースはラインアレイパターンで配置され、前記抵抗性トレースはラインアレイ印刷に抵抗性インクを含み、前記分離間隙は前記ラインアレイ印刷の二つのラインの間に延在している、請求項1に記載の定着ロール。
【請求項5】
コピー用紙上に画像を印刷するように構成された電子写真装置であって、
前記コピー用紙上に画像を処理して記録する画像形成装置と、
前記画像を現像する画像現像装置と、
前記コピー用紙上に前記画像を転写する転写装置と、
前記コピー用紙上に前記画像を定着させる定着器とを備え、
前記定着器が、前記コピー用紙上に前記画像を永久的に定着させるために前記コピー用紙が搬送されるニップをその間に形成する定着ロール及び加圧ロールを含み、
前記定着ロールが、単一の抵抗性トレースと、前記抵抗性トレースにわたって連続して前記抵抗性トレースの第1の側にタップされた共通トレースと、前記第1の側と反対側の前記抵抗性トレースの第2の側において前記抵抗性トレースの端部にタップされた第1及び第2の導電性トレースとを有するヒータ素子を備え、
前記ヒータ素子は、前記定着ロールの内側に配置されて、前記ニップの部分を加熱するように構成されており、
前記第1及び第2の導電性トレースが、前記導電性トレース間において導電性間隙によって導電的にセグメント化され、前記抵抗性トレースが、前記セグメント化された導電性トレース間の電流を防止するように、前記導電性間隙において前記抵抗性トレースの前記第2の側から前記抵抗性トレースの前記第1の側に向かって連続的に前記抵抗性トレースを通って延在する分離間隙を含み、
前記抵抗性トレースの一部が、前記第1及び第2の導電性トレースで挟まれた隙間に入り込んでおり、
前記分離間隙の少なくとも一部が、前記第1及び第2の導電性トレースで挟まれた前記隙間にある前記抵抗性トレースに存在する、
電子写真装置。
【請求項6】
前記分離間隙が、前記第1及び第2の導電性トレースが延びる方向と直交する方向に沿って延在している、請求項5に記載の電子写真装置。
【請求項7】
前記分離間隙が、前記第1の側に向かって前記抵抗性トレースを横切って少なくとも途中まで延在している、請求項5に記載の電子写真装置。
【請求項8】
前記分離間隙が、前記第1及び第2の導電性トレースが延びる方向と直交する方向に対して傾いて延在している、請求項5に記載の電子写真装置。
【請求項9】
前記分離間隙が、前記第1の側に向かって前記抵抗性トレースを横切って前記共通トレースまで延在している、請求項5に記載の電子写真装置。
【請求項10】
前記抵抗性トレースがラインアレイパターンで配置されている、請求項5に記載の電子写真装置。
【請求項11】
前記抵抗性トレースはラインアレイ印刷に抵抗性インクを含み、前記分離間隙は前記ラインアレイ印刷の二つのラインの間に延在している、請求項10に記載の電子写真装置。
【請求項12】
前記ラインアレイ印刷が前記共通トレースに直交する角度で行われている、請求項11に記載の電子写真装置。
【請求項13】
電子写真印刷機において使用可能な定着器であって、
定着ロールと、
シート上に画像を永久的に定着させるように前記シートが搬送される前記定着ロールと加圧ロールとの間にニップを形成する加圧ロールと、を備え、
前記定着ロールが、単一の抵抗性トレースと、前記抵抗性トレースにわたって連続して前記抵抗性トレースの第1の側にタップされた共通トレースと、前記第1の側と反対側の前記抵抗性トレースの第2の側において前記抵抗性トレースの端部にタップされた第1及び第2の導電性トレースとを有するヒータ素子を含み、
前記ヒータ素子は、前記定着ロールの内側に配置されて、前記ニップの部分を加熱するように構成されており、
前記第1及び第2の導電性トレースが、前記導電性トレース間の導電性間隙によって導電的にセグメント化され、前記抵抗性トレースが、前記セグメント化された導電性トレース間の電流を防止するように、前記導電性間隙において前記抵抗性トレースの前記第2の側から前記抵抗性トレースの前記第1の側に向かって連続的に前記抵抗性トレースを通って延在する分離間隙を含み、
前記抵抗性トレースの一部が、前記第1及び第2の導電性トレースで挟まれた隙間に入り込んでおり、
前記分離間隙の少なくとも一部が、前記第1及び第2の導電性トレースで挟まれた前記隙間にある前記抵抗性トレースに存在する、
定着器。
【請求項14】
前記分離間隙が、前記第1及び第2の導電性トレースが延びる方向と直交する方向に沿って延在している、請求項13に記載の定着器。
【請求項15】
前記分離間隙が、前記第1の側に向かって前記抵抗性トレースを横切って少なくとも途中まで延在している、請求項13に記載の定着器。
【請求項16】
前記分離間隙が、前記第1及び第2の導電性トレースが延びる方向と直交する方向に対して傾いて延在している、請求項13に記載の定着器。
【請求項17】
前記分離間隙が、前記第1の側に向かって前記抵抗性トレースを横切って前記共通トレースまで延在している、請求項13に記載の定着器。
【請求項18】
前記抵抗性トレースがラインアレイパターンで配置されている、請求項13に記載の定着器。
【請求項19】
前記抵抗性トレースはラインアレイ印刷に抵抗性インクを含み、前記分離間隙は前記ラインアレイ印刷の二つのラインの間に延在している、請求項18に記載の定着器。
【請求項20】
前記ラインアレイ印刷が前記共通トレースに直交する角度で行われている、請求項19に記載の定着器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、静電画像印刷装置に関し、より具体的には、印刷装置における複数の用紙幅に対応するように構成された定着器に関する。
【背景技術】
【0002】
静電写真印刷において、電子写真又は印刷又は複写として一般に知られている、重要なプロセスステップは、「定着」として知られている。電子写真プロセスの定着ステップにおいて、紙シートなどの画像形成基材上に画像様式で配置されたトナーなどの乾式マーキング製造材料は、基材上に永久的にトナーを溶融あるいは定着させるために熱及び/又は圧力を受ける。このようにして、耐久性のある汚れのない画像が基材上に描画される。
【0003】
商業印刷に使用される定着装置の最も一般的な設計は、基材が通過するためのニップを形成する定着ロール及び加圧ロールと典型的に称される2つのロールを含む。典型的には、定着ロールは、さらに、その内部に配置された、供給された電流に応答して熱を放射する1つ以上のヒータ素子を含む。ヒータ素子からの熱は、熱及び圧力の組み合わせが正常に画像を定着するように、定着されることになる画像を有する基材の側面が順次接触する定着ロールの表面を通過する。例えば、米国特許第7,193,180号明細書に示されるように、基材、基材上に形成された第1の抵抗性トレース及び少なくとも部分的に第1のトレースに重複するように形成された第2の抵抗性トレースを備えるヒータによって定着ベルトを加熱するように構成された抵抗ヒータが開示される。
【0004】
ハガキサイズのシートからロールの全長にわたって延在するシートに至るまで異なるサイズのシートが定着装置を通過することができるという事実を考慮に入れるように定着器において設置が行われることができる。さらに、特定サイズのシートがニップを通って供給されているという事実を考慮に入れるようにヒータ素子又は定着ロールの内部素子を制御することが知られている。例えば、米国特許第7,228,082号明細書は、シート上に画像を定着させる定着器を含む印刷機を開示している。定着器は、選択的に活性化可能な複数の所定サイズの定着領域を有する無端ベルトを含み、複数の所定サイズの定着領域は、ベルトのプロセス方向に沿って略平行に配置される。手段は、選択された所定サイズのシートのうちの1つに対応するように複数の所定サイズの定着領域のうちの1つ以上を活性化するために含まれる。この設計のマルチタップシリアル制御セラミックヒータは、発熱材料への導体界面が局所的にヒータ温度を低下させるコールドスポットを形成し且つ画質の問題を引き起こす定着ロールにおける径方向の低温領域を形成するという欠点を有する。
【0005】
現在の中心位置合わせ固体ヒータは、複数の加熱トレース、又は、例えば、米国特許第5,171,969号明細書、米国特許第6,423,941号明細書、米国特許第6,580,883号明細書及び米国特許第7,193,181号明細書に示されるような1つのトレース上の複数のタップ間を切り替えるためのリレーを必要とする。複数の加熱トレースは、1つの加熱トレースのみが熱伝達についての最適位置にあることができるので、伝熱性能、それゆえに拡張性を傷つけることが示されている。中間加熱トレース導電性タップを有する構成は、自由度に影響を及ぼして傷つけ且つ余分なピンを有するより大きな引出接続を必要とするコールドスポットを有する。複数タップ設計による現在の単一の加熱トレースは、複数のトレース設計と比較して余分な引出コネクタピンを必要とし、シリアル制御又は媒体幅の完全な知識を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下は、本教示の1つ以上の実施形態又は例のいくつかの態様の基本的な理解を提供するための簡略化された概要を提示する。この要約は、広範な概要ではなく、本教示の重要な又は重大な要素を特定することも、本開示の範囲を説明することも意図するものではない。むしろ、その主な目的は、後で提示する詳細な説明の前置きとして、簡略化した形態で1つ以上の概念を単に提示することに過ぎない。さらなる目的及び利点は、図面の説明、本開示の詳細な説明、及び特許請求の範囲においてより明白になるであろう。
【0007】
上記及び/又は他の態様並びに本開示において具現化される有用性は、異なる媒体幅を加熱するための複数のタップインを有する単一の抵抗加熱トレースを含むようにヒータを構成することによって画像形成されたシートに接触する定着器の表面において均一性を提供する中心位置合わせヒータを含む定着器を提供することによって達成されることができる。タップインは、加熱トレースの中央右側に配置されている。そして、このラインは、異なる加熱領域を焼成するときに専用の共通部として機能することができる。各セグメントからの電流は、隣接ブリードダウン経路が導電性素子の寿命に影響を与えるのを防止する非横導通路に分離される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願明細書に示される態様によれば、電子写真印刷機において使用可能な定着ロールは、定着ロールと加圧ロールとの間にシート上に画像を永久的に定着させるようにシートが搬送されるニップを形成するように構成されている。定着ロールは、単一の抵抗性トレースと、抵抗性トレースにわたって連続して抵抗性トレースの第1の側にタップされた共通トレースと、第1の側と反対側の抵抗性トレースの第2の側において抵抗性トレースの端部にタップされた第1及び第2の導電性トレースとを有するヒータ素子を含む。第1及び第2の導電性トレースは、導電性トレース間の導電性間隙によって導電的にセグメント化される。抵抗性トレースは、セグメント化された導電性トレース間の電流を防止するように、導電性間隙において抵抗性トレースの第1の側から導電性間隙の第2の側及び共通トレースに向かって連続的に抵抗性トレースを通って延在する分離間隙を含む。
【0009】
例示的な実施形態が本願明細書において記載される。しかしながら、本願明細書に記載された装置及びシステムの特徴を組み込んだ任意のシステムが例示的な実施形態の範囲及び精神に包含されることが想定される。
【0010】
以下の図面を参照して、開示された装置、機構及び方法の様々な例示的な実施形態が詳細に記載され、同様の参照符号は、類似又は同一の要素を指定している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の定着装置の実施形態を含む例示的なトナー画像形成静電写真機の関連要素を示す正面図である。
【
図3】
図3は、異なる媒体幅を加熱するための複数のタップインを有する単一の抵抗性トレースを使用する
図2の定着器の第1の実施形態の従来のヒータ部の平面図である。
【
図4】
図4は、例示的な実施形態にかかる定着器のヒータ部の平面図である。
【
図5】
図5は、例示的な実施形態にかかる定着器のヒータ部の平面図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態にかかる定着器のヒータ部の平面図である。
【
図7】
図7は、
図4の例示的なヒータ部に対応する回路図である。
【
図8】
図8は、
図5の例示的なヒータ部に対応する回路図である。
【
図9】
図9は、例示的な実施形態にかかる定着器のヒータ部の平面図である。
【
図10】
図10は、トレース分離深さの影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願明細書に開示された装置、システム及び方法の実例が以下に提供される。装置、システム及び方法の実施形態は、以下に記載された例の任意の1つ以上、及び任意の組み合わせを含むことができる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されることができ、以下に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が完全且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。したがって、例示的な実施形態は、本願明細書において記載される装置、機構及び方法の精神及び範囲内に含まれることができるような全ての代替例、変更例及び均等物を包含するように意図される。
【0013】
開示されたプリンタ及び定着システムは、従来の制御システムの適切な動作によって動作されて制御されることができる。多くの先行特許及び商用製品によって教示されるような従来の又は汎用のマイクロプロセッサについてのソフトウェア命令により、画像形成、印刷、紙処理、並びに他の制御機能及びロジックをプログラミングして実行することは、周知であって好ましい。そのようなプログラミング又はソフトウェアは、当然のことながら、特定の機能、ソフトウェア種類及び利用されるマイクロプロセッサ又は他のコンピュータシステムに応じて変化することができるが、本願明細書において提供されるものなどの機能的説明から及び/又はコンピュータ技術のソフトウェアにおける一般的な知識とともに従来の機能の予備知識から過度の実験なしに利用可能であるか又は容易にプログラミング可能である。あるいは、任意の開示された制御システム又は方法は、標準論理回路又は単一チップVLSI設計を使用して、部分的に又は完全にハードウェアにおいて実装されてもよい。
【0014】
本開示の詳細を不必要に不明瞭にしないように、周知の出発材料、処理技術、構成要素、装置及び他の周知の詳細の説明が単に要約されてもよいか又は省略されてもよいことを最初に指摘する。それゆえに、詳細は、そうでない場合には周知であり、それらの詳細に関連する選択肢を示唆又は指示するように本開示の適用にそれを残す。本願明細書において示される特定の構成要素の取り付け、構成要素の作動、又は構成要素の駆動システムの多くが単なる例示に過ぎず、同一の新規な動作及び機能が他の多くの公知の又は容易に利用可能な代替手段によって提供されることができることは、各エンジニアなどによって理解されるであろう。
【0015】
量に関連して使用される修飾語「約(about)」は、記載された値を含み、文脈によって指示される意味を有する(例えば、少なくとも特定量の測定に関連する誤差の程度を含む)。特定値によって使用される場合、その値を開示することも考慮する必要がある。
【0016】
本願明細書における値の任意の数値範囲を指す場合、そのような範囲は、記載された範囲の最小値と最大値との間のありとあらゆる数及び/又は分数を含むように理解される。文脈上明確に指示されていない限り、本願明細書に記載された他の数値的特性及び/又は要素的範囲のそれぞれに同じことが適用される。
【0017】
用語「印刷媒体」、「印刷基材」及び「印刷シート」は、一般に、プレカット又はウェブ供給のいずれかにかかわらず、紙、ポリマー、マイラー材料、プラスチック、又は他の画像形成に適切な物理的印刷媒体基材、シート、ウェブなどの通常柔軟な物理的シートを指す。
【0018】
本願明細書において使用される用語「印刷装置」、「画像形成機」又は「印刷システム」は、ディジタル複写機又はプリンタ、スキャナ、画像印刷機、電子写真装置、静電装置、ディジタルプロダクションプレス、文書処理システム、画像再生機、製本機、ファクシミリ機、多機能機、又は一般に印刷プロセスなどを実行する上で有用であり、いくつかのマーキングエンジン、供給機構、走査アセンブリ並びに給紙機、仕上げ機などの他の印刷媒体処理ユニットを含むことができる装置を指す。「印刷システム」は、シート、ウェブ、基材などを扱うことができる。印刷システムは、任意の表面などにマークを付けることができ、入力シート上のマークを読み取る任意の機械であるか又はそのような機械の任意の組み合わせである。
【0019】
ここで
図1を参照すると、静電又はトナー画像形成機8が示されている。周知であるように、画像形成可能面12を有し且つ方向13において回転可能な電荷受容体又は感光体10は、帯電装置14によって均一に帯電され、表面12上に静電潜像を形成するように露光装置16によって像様に露光される。その後、潜像は、例えば、そのような潜像に対する帯電したトナー粒子22の供給を適用するための現像ロール20を含む現像装置18によって現像される。現像ロール20は、当該技術分野においてよく知られているように、磁気ブラシロール又はドナーロールなどの様々な設計のいずれかからなることができる。帯電したトナー22は、潜像の適切に帯電した領域に付着する。そして、感光体10の表面は、矢印13によって示されるように、30として一般に示される転写領域へと移動する。同時に、所望の画像が印刷されることになる印刷シート24がシート供給スタック36から引き出され、シート経路40に沿って転写領域30まで搬送される。
【0020】
転写領域30において、印刷シート24は、この時点でその上にトナー粒子を担持する感光体10の表面12と接触して又は少なくとも近接してもたらされる。転写領域30においてコロトロン又は他の電荷源32は、感光体10上のトナー像を印刷シート24に静電的に転写させる。そして、印刷シート24は、当該技術分野においてよく知られているように、本開示の高精度加熱及び定着装置200を有する定着ステーションを含む後続ステーションに転送された後、排紙トレイ60に転送される。そのような表面12から印刷シート24へのトナー像の転写に続いて、表面12上に残存しているいかなる残留トナー粒子も、例えばクリーニングブレード46を含むトナー像露出表面クリーニング装置44によって除去される。
【0021】
さらに示されるように、複写機8は、電子中央処理装置(CPU)、電子記憶装置102及びディスプレイ又はユーザインターフェース(UI)100を有する好ましくはプログラム可能な自己完結型の専用ミニコンピュータである参照符号90によって一般に示されるコントローラ又は電子制御サブシステム(ESS)を含む。UI100において、ユーザは、印刷されることになる複数の異なる所定サイズのシートのいずれかを選択することができる。従来のESS90は、センサ、ルックアップテーブル202及び接続部の助けを借りて、生成されて定着されるトナー像の画素数などの画像データを読み出し、捕捉し、準備して処理することができる。そのため、それは、本開示の定着装置200を含む機械8の構成要素及び他のサブシステムについての主制御システムである。
【0022】
ここで
図2を参照すると、本開示の定着装置200が詳細に図示されており、静電複写機8における未定着トナー像213の均一で高品質な加熱に適している。図示されるように、定着装置200は、定着ロール210などの定着ベルト部材と定着ニップ206を形成する、取り付けられた回転可能な加圧部材204を含む。ヒータ90Aは、定着ロール210の内径と接触して配置されている。ヒータ90Bは、設計構成によって必要とされる選択肢である。未定着トナー像213を担持するコピー用紙24は、それゆえに、高品質定着のために定着ニップ206を通って矢印211の方向に供給されることができる。
【0023】
図3は、ヒータ90Aの従来の要素を示している。ヒータ素子300は、異なる媒体幅を加熱するように構成された複数のタップインを有する全体素子にわたって単一の固体抵抗性トレース302を使用する。抵抗性トレース302は、ヒータ素子を収容することができるセラミック基材(図示しない)又は他の適切な構造に取り付けられることができる印刷された抵抗である。印刷された抵抗性トレース302は、セラミック基材上の印刷レイアウト上に蒸着されることができる抵抗性インクから形成される。同様に、当業者によってよく理解されるように、様々な電気素子は、電気的機能インクによって印刷されることができ、そのような素子は、特定の誘電性、抵抗性、導電性、半導電性を呈するように作製されることができる。抵抗性トレースは、抵抗性インク及び導電性インクによる導電経路によって製造されることができる。
【0024】
抵抗性トレース302は、抵抗性トレースの両側に導電経路を有する。抵抗性トレースの反対側端部は、異なるレベルのシリアル制御用抵抗を有することができる。単一の導電性トレースは、ヒータ素子300にわたって連続し、異なる加熱領域の焼成時に専用の共通部として機能するように抵抗性トレース302の全体に沿って接続された共通部304として称される。抵抗性トレース302の全体に沿って共通に配置することにより、異なる加熱領域の焼成時に周囲において切り替えされる必要がない専用の共通ラインが設けられ、良好に単一のトレース設計の利点を可能とする。
【0025】
セグメント化された導電性トレース306、308を分離するものは、A3及びA4用紙などに対応する異なる用紙幅の加熱を可能とするように抵抗性トレース302の端部に接続された素子を加熱している。換言すれば、例えば使用される基材に応じてヒータ素子300の特定部分のみが加熱されるように導電性トレース306、308が分割される。例えば、定着器の一端におけるセグメント化された小さな導電性トレースは、レターサイズの代わりにA4用紙が使用される場合に電源が切られることができる。これは、ヒータ90A、定着ベルト又はロール210及び加圧部材又はロール204の寿命を拡張する。導電性トレース306、308は、導電性トレース間のコールドスポットの懸念を緩和するのに十分小さい導電性トレース間隙310(例えば、約0.75mm)によって分離される。ヒータ90Aは、従来は導電性トレースに結合されたコネクタパッドにおいて電圧(例えば、120ボルト)を印加することによって加熱されることが理解されるべきである。共通トレースは、0ボルトなどの共通電圧に維持されることができる。導電性トレース306、308は、例えば異なる紙サイズにしたがって、どのトレースが加熱されるかに応じて0ボルト及び120ボルトなどの異なる電圧において制御されることができる。
【0026】
従来のヒータ素子300は、2015年8月27日に出願された米国特許出願第14/838,005号及び2016年3月8日に出願された米国特許出願第15/063,537号においてより詳細に記載されるヒータ90Aの例である。本発明者らは、
図3に示されるヒータ素子の設計が導電性トレース306、308の間に電位差が存在しない場合に問題なく動作することを発見した。しかしながら、例えば、隣接する導電性トレース306がないが、導電性トレース308の一方が加熱される場合など、隣接する導電性トレース間に電位差が存在する場合、電流は、加熱された導電性トレースから非加熱導電性トレースに漏洩することがあり、非加熱導電性トレースの電源が切られるのを防止することができる。換言すれば、1つの導電性トレースがその低下した電位を有する場合、他のトレースは、導電性トレースを分離する導電性トレース間隙にわたって横方向の電流を低下したトレースに供給し続ける。導電性トレース間隙にわたるこの望ましくない横方向電流は、導電性トレース間隙に起因する電気アークとして現れることさえあるバーンアウト経路につながる欠陥を形成することがある。隣接する非給電導電性トレースは、関連する発熱抵抗によって出血され、両者間の抵抗性トレース302を介して供給される。これは、ヒータ素子、並びに定着ロール及びベルト部材との早すぎるバーンアウトの問題を生じさせる。
【0027】
本発明者らは、導電性トレース間隙にわたる横方向電流を除去する電流経路間隙を実装することによってこの問題をなくした。それゆえに、各導電性トレース306、308からの電流は、隣接ブリードダウン経路がバーンアウトの問題を生じさせるのを防止する非横方向導通経路に分離される。
図4は、
図3のヒータ素子300と同様のヒータ素子400を示している。ヒータ素子400は、ヒータ90Aの素子全体にわたってセラミック基材(例えば、窒化アルミニウム)上の印刷レイアウト上に蒸着されることができる抵抗性インクから形成される固体抵抗性トレース402を含む。抵抗性トレース402は、共通導電性トレース304に向かって中間方向において導電性トレース間隙310から抵抗性トレースに延在する開放した又は連続した分離間隙404を含む。中間方向という用語は、分離間隙が発生する抵抗性トレースの側に垂直な抵抗性トレースを横切る方向、すなわち抵抗性トレースを直接横切る方向に対応する。
【0028】
特定の理論に限定されるものではないが、分離間隙404は、共通部に向かって抵抗性トレースを横切って少なくとも途中まで延在することができる。しかしながら、本発明は、50%未満の分離間隙もまた本発明の範囲内であることから、抵抗性トレースを横切る途中に限定されるものではない。例えば、以下により詳細に記載される
図10からわかるように、50%の間隙は、導電性トレース間隙を横切る横方向電流を約99%低減させることができ、40%の間隙は、横方向電流を約97%だけ低減させることができ、20%の間隙は、横方向電流を約90%だけ低減させることができ、10%の間隙は、横方向電流を約80%だけ低減させることができる。したがって、50%よりもはるかに小さい分離間隙は、隣接ブリードダウン経路の問題に対する解決策を提供する本発明の範囲内と考えられる。
【0029】
ヒータ素子の寸法は、単なる例示に過ぎず、任意の特定の寸法に範囲を限定するものではないことが理解される。
図4に示される例示的なヒータ素子において、ヒータ素子400は、約350mmにわたる長さ及び約12mmの上下幅を有することができるヒータ90Aの一部である。特定のサイズに限定されるものではないが、導電性トレース306、308及び共通導電性トレース304は、約1.75mmの幅を有することができ、共通部304を直接横切る導電性トレース306、308の間の中間距離は、約5.25mmとすることができる。分離間隙は、間隙が連続的である限り非常に狭くすることができ、誘電体材料によって充填されることができる。
図4において、分離間隙404は、1mm未満の幅とすることができ、必要に応じて、コールドスポットの懸念を軽減するのを可能とする約0.75mmの導電性トレース間隙にわたる横方向電流の程度におそらく依存する検討により、抵抗性トレース402にわたって任意の距離の長さを有する約0.25mm〜0.5mmの広さとすることができる。5.25mmの導電性トレース306、308と共通部304との間の距離について、分離間隙404は、少なくとも0.5mm、少なくとも1.0mm、少なくとも2.0mm、又は抵抗性トレースの最大中間幅までの任意の距離(例えば、
図4において垂直な抵抗性トレースを横切る上下)とすることができる。
図10は、5.25mmの固体抵抗性トレース402にわたるトレース分離長さの影響を示している。わかるように、1.0mmの分離間隙404は、90%以上だけ通常のトレースに対する間隙出力比を低減し、2.0mmの分離間隙は、97%以上だけ通常のトレースに対する間隙出力比を低減し、3.0mmの分離間隙は、99%以上だけ通常のトレースに対する間隙出力比を低減する。
【0030】
図7は、共通導電性トレース304に対応するCT−A、導電性トレース306に対応するCT−B1、及び導電性トレース308に対応するCT−B2を有する回路図においてヒータ素子400を示している。抵抗性トレース402は、導電性トレース間隙310において分離間隙404を有するヒータ素子を横切って示されている。分離間隙404は、異なるサイズの基材(例えば、A4、A3、レター、封筒)のクロスプロセス幅加熱の温度均一性を提供するように異なる時間に通電されることができる導電性トレース306(CT−B1)と308(CT−B2)との間の横方向電流経路及び隣接ブリードダウン経路をなくす。
【0031】
ヒータ素子400の製造方法は、抵抗性トレース402を形成するようにセラミック基材(例えば、窒化アルミニウム)上の印刷レイアウトにおいて抵抗性インクを(例えば、シルクスクリーニングを介して)蒸着することを含むことができる。印刷レイアウトは、加熱領域を提供する分離を画定する抵抗性インクにおける分離間隙を含む。抵抗性トレースの両側の固体部分は、複数の部分にわたって均一な電圧を提供するように導電性トレース材料によって上書きされる。そして、導電性トレース306、308及び導電性の共通部304は、接続点の合わせ面を提供するように各端部におけるコネクタパッド(図示しない)に取り付けられる。導電性トレース306についてのコネクタパッドはまた、電圧ドライバから電圧を受けることができる。導電性接続点を除く全ての領域は、当業者によって容易に理解されるように誘電体によってオーバーコートされることができる。誘電体は、望ましくない横方向電流を最小限に抑えるために抵抗性トレース分離間隙404及び導電性トレース間隙310を埋めることができる。
【0032】
図5は、
図4のヒータ素子400と同様のヒータ素子500を示している。具体的には、ヒータ素子500は、同じ側の導体間の抵抗経路を直接なくすようにラインアレイパターンによる中央主抵抗を有する隣接する加熱セグメント間の横方向電流経路を除去する。例えば、ヒータ素子500は、ヒータ90Aの素子全体にわたってセラミック基材(例えば、窒化アルミニウム)上の印刷レイアウト上の抵抗性トレースにわたって中間ラインアレイパターン506に蒸着されることができる抵抗性インクから形成されたラインアレイ抵抗性トレース502を含む。抵抗性トレース502は、共通導電性トレース304に向かってプロセス方向において導電性トレース間隙310から抵抗性トレースに延在する開放した又は連続した分離間隙404を含む。分離間隙404は、抵抗性トレース502にわたって任意の距離の長さを有する約0.25mm〜0.5mmの広さとすることができる。実際には、分離間隙404は、ラインアレイパターン506におけるライン間においてプロセス方向に延在することができる。
【0033】
ヒータ素子500の製造方法は、ラインアレイ抵抗性トレース502を形成するようにセラミック基材上のラインアレイ印刷レイアウトにおいて抵抗性インクを(例えば、シルクスクリーニングを介して)蒸着させることを含むことができる。抵抗性ラインアレイは、好ましくは分離間隙の反対側に加熱領域を画定する所定の分離間隙404を有する同じ抵抗材料の固体部分によって各側において接合される。抵抗性トレースの両側の固体部分は、アレイにおけるラインにわたって均一電圧を提供するように導電性トレース材料によって上書きされる。そして、導電性トレース306、308及び導電性の共通部304は、接続点の合わせ面を提供するように各端部におけるコネクタパッド(図示しない)に取り付けられる。導電性接続点を除く全ての領域は、当業者によって容易に理解されるように誘電体によってオーバーコートされることができる。誘電体は、望ましくない横方向電流を最小限に抑えるのを助けるために抵抗性トレース分離間隙404及び導電性トレース間隙310を埋めることができる。
【0034】
図8は、共通導電性トレース304に対応するCT−A、導電性トレース306に対応するCT−B1、及び導電性トレース308に対応するCT−B2を有する回路図においてヒータ素子500を示している。ラインアレイ抵抗性トレース502は、導電性トレース間隙310において分離間隙404を有するヒータ素子を横切って示されている。ラインアレイ抵抗性トレース502のラインアレイパターン506は、固体抵抗性トレース402よりも低いインクバルク抵抗率を使用し、抵抗性トレースにおける後の電流経路をなくす。
図7からわかるように、ラインアレイパターン506におけるライン間に延在することができる分離間隙404は、異なるサイズの基材(例えば、A4、A3、レター、封筒)のクロスプロセス幅加熱の温度均一性を提供するように異なる時間に同様に通電されることができる導電性トレース306(CT−B1)と308(CT−B2)との間の横方向電流経路及び隣接ブリードダウン経路をなくす。
【0035】
図6は、
図4のヒータ素子400と同様のヒータ素子600を示している。具体的には、ヒータ素子600は、低温部の懸念もなくしながら同じ側の導体間の抵抗経路を直接なくすように傾斜したラインアレイパターンによる中央主抵抗を有する隣接する加熱セグメント間の横方向電流経路を除去する。例えば、ヒータ素子600は、ヒータ90Aの素子全体にわたってセラミック基材(例えば、窒化アルミニウム)上の印刷レイアウト上に傾斜したラインアレイパターン606に蒸着されることができる抵抗性インクから形成された傾斜したラインアレイ抵抗性トレース602を含む。抵抗性トレース602は、共通導電性トレース304に向かって導電性トレース間隙310から抵抗性トレースに延在する開放した又は連続した分離間隙604を含む。アレイの傾斜したラインの角度は、好ましくはアレイラインの長大化及びそこからのいかなる非効率も回避するように60度未満の角度を有する、直接傾斜したラインアレイ抵抗性トレース602にわたって中間方向から、ゼロから90度よりも大きい任意の角度とすることができる。
【0036】
分離間隙404と同様の分離間隙604は、1.0mm未満の幅と、抵抗性トレース602にわたって任意の距離の長さを有する約0.25mm〜0.5mmの広さとすることができる。実際には、分離間隙604は、傾斜したラインアレイパターン606におけるライン間においてプロセス方向に延在することができる。ヒータ素子600は、抵抗性トレース602にわたって直接中間方向に延在する分離間隙604を示している。分離間隙604は、共通部304に向かって任意の角度で導電性間隙310から延在することができることが理解されるべきである。分離間隙604は、
図6からわかるように、傾斜したラインアレイパターン606におけるライン間に延在することができる。
【0037】
上述したヒータ素子500と同様に、傾斜したラインアレイ抵抗性トレース602を有するヒータ素子600は、導電性トレース306及び308の間の横方向電流経路及び隣接ブリードダウン経路をなくす。さらに、傾斜した抵抗性アレイにより、ヒータ素子600は、導電性トレース306及び308の間の可能な低温部をなくす。ヒータ素子600の製造方法は、ヒータ素子500の製造方法とほぼ同様である。しかしながら、ヒータ素子600の製造方法は、傾斜したラインアレイ抵抗性トレース602を形成するようにセラミック基材(例えば、窒化アルミニウム)上の傾斜したラインアレイ印刷レイアウトにおいて抵抗性インクを(例えば、シルクスクリーニングを介して)蒸着させることを含むことができる。
【0038】
図9は、分離隙間が抵抗性トレースにわたって中間方向の代わりに傾斜しているという主な相違点を有する
図4のヒータ素子400と同様のヒータ素子900を示している。ヒータ素子900は、ヒータ90Aの素子全体にわたってセラミック基材上に蒸着されることができる抵抗性インクから形成された固体抵抗性トレース902を含む。抵抗性トレース902は、共通導電性トレース304に向かって直接中間方向から所定角度で抵抗性トレースへと導電性トレース間隙310から延在する開放した又は連続した分離間隙904を含む。
【0039】
特定の理論に限定されるものではないが、分離間隙904は、共通部に向かって抵抗性トレース902を横切って少なくとも途中まで連続的に延在することができる。しかしながら、本発明は、50%未満の分離間隙もまた本発明の範囲内であることから、抵抗性トレースを横切る途中に限定されるものではない。上述した分離間隙と同様に、分離間隙904は、1.0mmの幅及び約0.25mm〜0.5mmの広さとすることができる。ヒータ素子900は、ヒータ素子400によって上述したように、隣接する導電性トレース306、308の間の望ましくない横方向電流を除去する。さらに、所定角度で分離間隙904を挿入することにより、ヒータ素子900は、導電性トレース306及び308の間の可能な低温部をなくす。