(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
尿を吸収する吸収性物品に取り付けられた排尿センサーによって測定された、前記吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶部と、前記吸収性物品に取り付けられた加速度センサーによって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶部と、排尿タイプ判定部と、排尿態様判定部と、動きタイプ判定部と、提案表示部とを含んでおり、
前記排尿タイプ判定部は、前記排尿データ記憶部に記憶されたデータに基づいて、1日の排尿量が多いタイプと、1日の排尿回数が多いタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が適正なタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が少ないタイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記排尿態様判定部は、前記排尿データ記憶部に記憶されたデータに基づいて、排尿回数が夜に多い夜型タイプと、排尿回数が日中に多い日中型タイプと、一日中排尿が行われている一日中型タイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記動きタイプ判定部は、前記傾きデータ記憶部に記憶されたデータに基づいて、動きが日中に多い日中型タイプと、動きが夜に多い夜型タイプと、1日中動きが少ない1日傾眠型タイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記提案表示部は、前記排尿タイプ判定部、前記排尿態様判定部、及び前記動きタイプ判定部で各々タイプ分けされたタイプを掛け合わせて得られた、各々の掛け合わせタイプに対応するアドバイスを、アドバイス項目記憶部から取り出して表示する排尿タイプ分け提案装置。
タイプ分け表示部を含んでおり、該タイプ分け表示部は、前記吸収性物品を着用する着用者が、前記排尿タイプ判定部、前記排尿態様判定部、及び前記動きタイプ判定部で各々タイプ分けされたいずれのタイプに属するかを、まとめて表示できる請求項1記載の排尿タイプ分け提案装置。
尿を吸収する吸収性物品に取り付けられた排尿センサーによって測定された、前記吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶ステップと、前記吸収性物品に取り付けられた加速度センサーによって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶ステップと、排尿タイプ判定ステップと、排尿態様判定ステップと、動きタイプ判定ステップと、提案表示ステップとを含んでおり、
前記排尿タイプ判定ステップは、前記排尿データ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、1日の排尿量が多いタイプと、1日の排尿回数が多いタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が適正なタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が少ないタイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記排尿態様判定ステップは、前記排尿データ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、排尿回数が夜に多い夜型タイプと、排尿回数が日中に多い日中型タイプと、一日中排尿が行われている一日中型タイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記動きタイプ判定ステップは、前記傾きデータ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、動きが日中に多い日中型タイプと、動きが夜に多い夜型タイプと、1日中動きが少ない1日傾眠型タイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記提案表示ステップは、前記排尿タイプ判定ステップ、前記排尿態様判定ステップ、及び前記動きタイプ判定ステップで各々タイプ分けされたタイプを掛け合わせて得られた、各々の掛け合わせタイプに対応するアドバイスを、アドバイス項目記憶部から取り出して表示する排尿タイプ分け提案方法。
タイプ分け表示ステップを含んでおり、該タイプ分け表示ステップは、前記吸収性物品を着用する着用者が、前記排尿タイプ判定ステップ、前記排尿態様判定ステップ、及び前記動きタイプ判定ステップで各々タイプ分けされたいずれのタイプに属するかを、まとめて表示する請求項3記載の排尿タイプ分け提案方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の吸収性物品の当て方提案装置1を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。本発明の好ましい一実施形態に係る吸収性物品の当て方提案装置1は、
図1及び
図7に示すように、尿を吸収する吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20(
図1、
図3参照)によって測定された、吸収性物品10の尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを記憶する排尿データ記憶部50と、吸収性物品10に取り付けられた加速度センサー34によって測定された傾きデータを記憶する傾きデータ記憶部60とを含む。吸収性物品10の装着状態が、吸収性物品10からの尿漏れの発生の起因となる場合がある。本実施形態の当て方提案装置1は、例えば病院や介護施設等において、看護士等の介護者が、吸収性物品10から尿漏れが生じた際の吸収性物品10の傾きや位置ずれ等の装着状態を適切に把握して、次の交換時に尿漏れが生じないような当て方で、吸収性物品10を装着できるようにするために用いられる。
【0017】
本実施形態において、排尿センサー20が取り付けられる吸収性物品10(
図1、
図2参照)は、吸収性を備える吸収性物品である尿とりパッド11に排尿センサー20を取付けたものであり、使い捨ておむつ(おむつ本体)12と組合せて用いることが出来る。
【0018】
吸収性物品10は、使い捨ておむつ12と組合せて用いることが出来、吸収性物品10と組み合わされた使い捨ておむつ12は、
図2に示すように、腹側領域A、背側領域B及び股下領域Cに区分できる。ここで、腹側領域Aは着用時に着用者の腹側に位置する部位であり、背側領域Bは着用時に着用者の背側に位置する部位であり、股下領域Cは腹側領域Aと背側領域Bとの間に配される部位である。
図中の「Y方向」は、腹側領域Aから背側領域Bへ、或いは背側領域Bから腹側領域Aへ延びる方向であり、尿とりパッド11又は使い捨ておむつ12の長手方向と同じ方向でもある。また図中の「X方向」は、Y方向に直交する方向であり、尿とりパッド11又は使い捨ておむつ12の幅方向と同じ方向でもある。また
図4に示す「Z方向」は、尿とりパッド11又は使い捨ておむつ12の厚みと同じ方向でもある。
また、本明細書において、「肌対向面」とは、例えば尿とりパッド11を構成する後述する表面シート11aなどの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、例えば尿とりパッド11を構成する後述する表面シート11aなどの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
【0019】
本実施形態の吸収性物品10は、排尿センサー20が取り付けられた尿とりパッド11であり、おむつ本体(使い捨ておむつ)12と組み合わせて使うことが出来る。おむつ本体12は、
図2に示すように、特開2015−119784号公報に記載の使い捨ておむつと同様の構成を備える。
図2では、インナーとしての尿とりパッド11と、アウターとしてのおむつ本体(使い捨ておむつ)12とを組み合わせている。おむつ本体12は、内側の肌対向面側に尿とりパッド11が装着された本体部表面シート12aと、最も非肌対向面側に配された本体部裏面シート12bと、これら両シート12a,12bの間に配置された本体部吸収体12cとを有している。また、おむつ本体12には、幅方向Xにおける本体部吸収体12cの外方に、レッグギャザー形成用の本体部レッグ弾性部材(不図示)が、長手方向Yに伸長状態で配されている。本体部レッグ弾性部材(不図示)の収縮によって、レッグギャザー12dが形成されている。本体部表面シート12aの表面側には、さらに、例えば立体ギャザー(不図示)を形成するための、補助サイドシート(不図示)等を設けておくこともできる。
【0020】
本体部表面シート12a及び本体部裏面シート12bは、それぞれ、本体部吸収体12cの長手方向Yに沿う両側縁部、及び幅方向Xに沿う両端縁部から外方に延出している。本体部表面シート12a及び本体部裏面シート12bは、本体部吸収体12cの周縁から外方に延出した延出部において、接着剤や熱融着等によって互いに接合されており、内側に本体部吸収体12cを挟持・固定した状態で設けられている。
【0021】
以上のように形成されたおむつ本体12は、全体として長手方向Yの中央部分が内方に括れた形状を有している。おむつ本体12は、いわゆる展開型のおむつであり、背側領域Bの左右両側縁部に二対のファスニングテープ13が設けられ、腹側領域Aの外側の表面(非肌対向面)に、ファスニングテープ13を止着させるランディングテープ(不図示)が設けられている。尚、インナーとしての尿とりパッド11と組み合わせられるアウターは、使い捨ておむつの他、布パンツ、リハビリパンツ等であってもよい。また、センサー付き吸収性物品10は、センサーシート付き尿とりパッド11の他にも、センサー付き使い捨ておむつ(テープ止め,リハビリパンツ)等であってもよい。
【0022】
本実施形態における吸収性物品10の尿とりパッド11は、肌対向面側に配された液透過性の表面シート11aと、非肌対向面側に配された液難透過性の裏面シート11bと、これら両シート11a,11b間に配された吸収体11cとを備えている。尿とりパッド11について詳述すると、表面シート11a、裏面シート11b及び吸収体11cは、
図2〜
図4に示すように、尿とりパッド11又は使い捨ておむつ12の長手方向(Y方向)に長い長方形状を有している。表面シート11a及び裏面シート11bは、それぞれ、吸収体11cの長手方向(Y方向)に沿う左右両側縁及び長手方向(Y方向)の前後両端縁から外方に延出している。表面シート11aは、
図2に示すように、その長手方向(Y方向)の寸法が、裏面シート11bの長手方向(Y方向)の寸法と同じであるが、
図4に示すように、その幅方向(X方向)の寸法が、裏面シート11bの幅方向(X方向)の寸法より小さくなっている。表面シート11a及び裏面シート11bは、それぞれ、吸収体11cの周縁から外方に延出した延出部において直接的に又は他の部材を介在させ、接着剤又は熱融着等によって互いに接合されており、吸収体11cを挟持・固定している。尚、吸収体11cは、
図4に示すように、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コア11dを、1枚のコアラップシート11eで被覆して形成されている。
【0023】
尿とりパッド11は、
図3に示すように、縦長の吸収体11c(
図4(a)、(b)参照)を含んで構成されている。排尿センサー20は、尿とりパッド11を構成する裏面シート11bに取り付けられており、より具体的には裏面シート11bの着用者の肌に触れる側である肌対向面側とは反対側の外側(非肌対向面側)に取り付けられている。このように、排尿センサー20は、吸収性物品10を構成する複数のシートの内の一枚に取り付けられている。
排尿センサー20は、導電性インクを印刷基材22に塗布することで形成された、複数の印刷電極21(
図4(a)参照)によるセンサー素子20aを含んで設けられている。排尿センサー20は、複数の印刷電極21の間のインピーダンス変化に基づいて、尿とりパッド11に吸収された排尿の広がりを検知することができる。
【0024】
排尿センサー20は、
図2〜
図4に示すように、印刷基材22と、印刷基材22の表面に塗布された導電性インクによる、センサー素子20aを形成する複数の印刷電極21と、これらの複数の印刷電極21を接続する導線部23と、導線部23が接続される端子部24と、を含んで構成されている。印刷基材22は、例えば、液難透過性で電気絶縁のポリエチレンテレフタレートフィルムにより形成される。印刷電極21は、尿とりパッド11の裏面シート11bの表面と密着している。排尿センサー20は、粘着剤26が塗布された不織布からなる被覆シート27により覆われて(
図3、
図5参照)、被覆シート27に塗布された粘着剤26を介して尿とりパッド11の裏面シート11bの表面に貼付けられている。粘着剤26は、例えばスパイラル状等の任意の塗布パターンで塗布される。被覆シート27は、粘着剤26が塗布された塗布部分と、塗布されていない非塗布部分26aとを有している。被覆シート27が非塗布部分26aを有することにより、排尿センサー20は、印刷基材22の印刷電極21及び導線部23以外の部分が通気機能を保持する通気開口部25を形成している。裏面シート11bは液難透過性の電気絶縁シートであり、印刷基材22は液難透過性の電気絶縁基材であり、印刷電極21及び導線部23は、裏面シート11bと印刷基材22とに覆われている。尿とりパッド11の表面側には、例えば立体ギャザー(不図示)を形成するための、補助サイドシート(不図示)等を設けておくこともできる。また、本実施形態の排尿センサー20は、通気開口部25を有しているが、該通気開口部25を有していなくても良い。
【0025】
導電性インクは、好ましくは銀粉等の金属粉末を導電物質として配合したインクである。本実施形態の導線部23は、印刷電極21と同様に、印刷基材22の表面に塗布された、導電性インクによる印刷導電層28(
図4(a)、(b)参照)から成る。
【0026】
本実施形態の排尿センサー20は、印刷基材22の表面に塗布された導電性インクによる複数の印刷電極21によって複数のセンサー素子20aが形成されている。具体的には、複数の印刷電極21は、複数の正電極21aと、複数の負電極21bとを有しており、複数の正電極21aと複数の負電極21bとで複数のセンサー素子20aを構成している。排尿センサー20は、正電極21aと負電極21bとからなるセンサー素子20aを用いて、各センサー素子20aのインピーダンス変化を検出する。吸収性物品の当て方提案装置1は、検出されたインピーダンス変化に基づいて、着用者の排尿による尿とりパッド11の濡れの有無や、排尿時に尿とりパッド11によって吸収された尿の濡れ広がりを検出することができる。また、尿の濡れ広がりから、尿の吸収量(排尿量)等を測定したりすることができる。
検出精度の向上の観点から、排尿センサー20は、複数の印刷電極21によって複数のセンサー素子20aが形成されていることが好ましい。
【0027】
本実施形態の複数の印刷電極21は、印刷基材22の表面に導電性インクを塗布することで、面状に形成されており、
図5に示すように、尿とりパッド11の長手方向Yに沿って間隔を空けて8か所配置されている。この8か所の印刷電極21を、以下、電極列ともいう。電極列は、正電極21aと負電極21bとが交互に配置された構成となっており、長手方向Yに隣り合う正電極21aと負電極21bとが、上述したセンサー素子20aを構成している。この電極列は、幅方向Xに所定間隔を空けて2列に配置されている。即ち、センサー素子20aは、全体として16か所の印刷電極21が幅方向X及び長手方向Yに均等に分散配置された構成となっている。幅方向Xに隣り合う2つの印刷電極21は、正電極に対して負電極、負電極に対して正電極の関係で配置されていてもよいが、本実施形態においては、正電極に対して正電極、負電極に対して負電極の関係で配置されている。尚、印刷電極21が配置されるか所数は、尿とりパッド11の長手方向Yに6か所から12か所が好ましい。
【0028】
複数の印刷電極21は、前述したように、尿とりパッド11の長手方向Yに縦長に2列配置されており、各電極列に8か所、合計16か所に配置されている(
図5参照)。各電極列に配置された8か所の印刷電極21は、長手方向Yに交互に配置された各々4か所の正電極21a及び負電極21bが、導線部23によって接続されている。具体的には、各電極列の4か所の正電極21aは、幅方向Xの内側、即ち中心線CL側で長手方向Yに直線状に延設して配置された導線部23aに接続されており、導線部23aの一端部は、長手方向Yの端部分に設けられた端子部24aに接続されている。尚、
図5に示す中心線CLは、尿とりパッド110又は使い捨ておむつ130の長手方向(Y方向)に延びる中心線である。
【0029】
また、各電極列の4か所の負電極21bは、長手方向Yに沿う両側部で該長手方向Yに直線状に延設して配置された導線部23b1に接続されており、導線部23b1の長手方向Yの一端部は、幅方向Xに直線状に延設して配置された導線部23b2の一端部に接続されている。導線部23b2の他端部は、長手方向Yの端部分に設けられた端子部24bに接続されている。このように、複数の正電極21a、導線部23a及び端子部24aは、排尿センサー20の平面視において、該排尿センサー20の内側(中心線CL寄り)に配置された構成となっている。一方、複数の負電極21b、導線部23b1,23b2及び端子部24bは、排尿センサー20の平面視において、複数の正電極21aを囲むように該複数の正電極21aの外側に配置された構成となっている。
本実施形態の排尿センサー20は、外側に配置された複数の負電極21bをアースしている。このように、外部ノイズの侵入を軽減して、測定精度を向上させる観点から、複数の負電極21bは、端子部24bを介してアースされていることが好ましい。
【0030】
本実施形態の排尿センサー20は、各印刷電極21、即ち正電極21aと負電極21bとは、同形の矩形形状に形成されているが、導電性インキの使用量を低減して、コストダウンを図る観点から、印刷電極21は、非塗布部を有するように例えば格子状に塗布して形成することができる。印刷電極21の形状(デザイン)、大きさ、配設形状等は、本実施形態のものに限定されることなく、適宜設計することができる。
【0031】
本実施形態の排尿センサー20は、各4か所の印刷電極21による各々の電極群を端子部24(端子部24a,24b)に接続するための導線部23(導線部23a,23b)が、印刷電極21と同様に、印刷基材22の表面に塗布された、導電性インクによる印刷導電層28(
図4(a)、(b)参照)によって形成されている。尿とりパッド11の裏面シート11bに容易に設ける観点から、このように、印刷導電層28によって導線部23を形成することが好ましい。
【0032】
本実施形態の排尿センサー20は、正電極21aに接続する端子部24aの数と、負電極21bに接続する端子部24bの数とが同じである。これら端子部24a,24bの設計は、尿取りパッド11に取り付けられるデータ収集部30の向きを一定にさせる態様であることが好ましい。このような態様として、例えば、これら端子部24a,24bの数又は形状をそれぞれ異ならせること、端子部24a,24bの配置を非対称(端子部24aを中心とした回転対称)とすることが挙げられる。
本実施形態では、端子部24(端子部24a,24b)には、公知の端子部として、導電性を有する金属製のスナップ24が用いられている。金属製のスナップ24は、
図4(b)に示すように、雌型ホック241と雄型ホック242とで構成されており、厚み方向Zにおいて雌型ホック241と雄型ホック242との間に被覆シート27、導線部23、及び印刷基材22を挟んだ状態で、これら金属のホック241,242が嵌合されている。端子部24(端子部24a,24b)は、金属製のコネクター、ファスナー、面ファスナー(マジックテープ(登録商標)等)、ねじ、フック、噛み込み式の留め具等を用いてもよい。
【0033】
本実施形態では、排尿センサー20を構成する印刷電極21及び導線部23(印刷導電層28)は、印刷基材22の表面に導電性インクを所定の配置形状(
図5参照)となるように塗布することによって形成されている。
【0034】
ここで、印刷基材22は、塗布された導電性インクを乾燥させる際に収縮しない物性を備えるものであることが好ましく、電気絶縁の樹脂フィルムであることがより好ましい。そのような素材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等の、融点が200℃以上のものが挙げられる。また、印刷基材22の厚さは、35〜75μmであることが好ましい。
【0035】
また、印刷基材22に塗布される導電性インクは、例えば分散剤、バインダ、樹脂、硬化剤等を混ぜた混合物であるインクに、導電物質として、例えばカーボン粉末を配合したものや、或いは銀や銅等の金属粉末を配合したものを用いることができる。導電性インクは、金属粉末として銀粉末を配合したものであることが好ましい。
【0036】
導電性インクを印刷基材22に塗布して、印刷電極21や印刷導電層28による導線部23を形成する際、導電性インクは、1回だけの印刷(塗布)としてもよいが、排尿を検出するための感度を高める観点から、複数回重ねて印刷(塗布)して形成することもできる。重ねて印刷する際の回数としては、1回〜10回が好ましい。導電性インクを塗布して印刷する方法としては、例えばインクジェットプリント、ロータリープリント、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等による公知の方法を採用することができる。
【0037】
本実施形態の印刷基材22は、当該印刷基材22における導電性インクが塗布されていない部分、即ち印刷電極21及び導線部23以外の領域の略全体が欠けている。具体的には、センサー素子20aを形成する正電極21aと負電極21bとの間の領域、即ち印刷基材22の印刷電極21及び導線部23以外の部分が欠けていることにより、接着剤の非塗布部分26aを介して、通気領域として機能する通気開口部25を形成する(
図5参照)。排尿センサー20が取り付けられた尿とりパッド11の裏面シート11bに、通気性を保持させる観点から、印刷基材22は、
図5に示すように、通気開口部25を有していることが好ましい。尚、印刷電極21及び導線部23は、これらを所望の印刷パターンで印刷基材22に印刷した後に、導電性インキが塗布されていない部分をカットしたり、あるいは、樹脂フィルムによる印刷基材22の全面に導電性インキを予め印刷した後に、導電性インキが印刷された印刷基材22を、所望の印刷パターンとなる形状にカットしたりすることによって形成することができる。また、通気領域となる通気開口部25は、周囲が縁部によって実質的に囲まれていれば良く、周囲の縁部の一部が連続していなくても良い。
【0038】
本実施形態において、印刷基材22に導電性インクを塗布して形成された印刷電極21及び印刷導電層28は、排尿センサー20を覆って尿とりパッド11の裏面シート11bに貼り付けられる、通気性を備える不織布からなる被覆シート27を用いて、裏面シート11bに取り付けられる。裏面シート11bの非肌対向面側(被覆シート27が張り付けられる側)には、被覆シート27を貼り付ける貼り付け予定位置に、被覆シート27を裏面シート11bに正確に貼り付けるための貼り付け用の印字が印刷されていることが好ましい。
【0039】
印刷電極21及び印刷導電層28は、これらを尿とりパッド11の裏面シート11bの表面(肌対向面側とは反対側の面)に密着させた状態で、被覆シート27を用いて、印刷基材22と共に裏面シート11bに取り付けられている。被覆シート27には、これの肌対向面側の内側面に、粘着剤26が塗布されている。被覆シート27は、これらの粘着剤を、印刷基材22が除去されて欠けた部分で形成される通気開口部25や、印刷基材22の外周部分の外方において、尿とりパッド11の裏面シート11bに貼り付けられて、裏面シート11bとの間に排尿センサー20を挟み込んだ状態で、排尿センサー20を覆って取り付けられる。これによって、印刷基材22と、導電性インクによる複数の印刷電極21と、導電性インクによる印刷導電層28からなる導線部23と、端子部24とを含む排尿センサー20が、尿とりパッド11の裏面シート11bの表面に印刷電極21を密着させた状態で、尿とりパッド11の裏面シート11bに沿って、裏面シート11bに重ねて配設されている。
【0040】
尿とりパッド11の裏面シート11b、表面シート11a及び吸収体11cとしては、従来、使い捨ておむつ、尿とりパッド11、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるものを特に制限なく用いることができる。裏面シート11bとしては、例えば、吸収性物品に用いられる液難透過性の絶縁シート(例えば透湿性の樹脂フィルム等)、或いは該絶縁シートに、各種製法による不織布(例えば、エアースルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等)を積層した積層シート等を用いることができる。表面シート11aとしては、例えば、親水性且つ液透過性の不織布や立体開孔フィルム等を用いることができる。吸収体11cを構成する吸収性コアとしては、例えば、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸収ポリマーの粒子を保持させたもの等を用いることができ、吸収体11cを構成するコアラップシートとしては、親水性シート、例えば、透水性の薄紙(ティッシュペーパー)や透水性の不織布からなるコアラップシート等を用いることができる。
また本実施形態では、被覆シート27を構成する不織布として、従来からおむつ等の吸収性物品に用いられている材質のものを用いることができる。
また、本実施形態では、被覆シート27に塗布される粘着剤26として、好ましくは肌用、下着用の粘着剤を用いることもできる。粘着剤として、例えばアクリル系、ゴム系等のものがあるが、好ましくはゴム系のものを用いることができる。
【0041】
さらに、本実施形態では、粘着剤26は、非塗布部分26aが存在する塗布パターンとして、スパイラル状、サミット状、オメガ状、カーテン状、ストライプ状等の、公知の塗布パターンを採用することができるが、排尿センサー20が取り付けられたシートに、通気性を保持させる観点から、印刷基材22の欠けている部分において非塗布部分26aが存在する塗布パターンであることが好ましく、スパイラル状であることがより好ましい。
【0042】
本実施形態の排尿センサー20は、
図5に示すように、複数の正電極21a及び複数の負電極21b(複数のセンサー素子20a)に、時間と共に周期的に変化するような電圧、例えば、所定周波数の矩形波となるような電圧を印加して、インピーダンスの変化を収集するデータ収集部30を含んで構成されている。
【0043】
データ収集部30は、
図6に示すように、インピーダンス変化を検出するインピーダンス検出部31と、インピーダンス検出部31で検出したインピーダンス変化データを保存するデータロガー32と、時刻データを出力するタイマー33と、吸収性物品10、より具体的には尿とりパッド11の装着状態を検知する加速度センサー34とを含んで構成されている。吸収性物品10(尿とりパッド11)の装着状態とは、例えば着用状態における吸収性物品10の傾き及び位置ずれを意味する。
【0044】
インピーダンス検出部31は、尿とりパッド11に取り付けられた排尿センサー20の複数のセンサー素子20aによる回路全体に電圧を印加して、複数のセンサー素子20aのインピーダンス変化を検出する。具体的には、インピーダンス検出部31は、
図6に示すように、所定の周波数信号を発振する発振器31aと、該発振器31aからの周波数信号を用いて複数のセンサー素子20aのインピーダンス変化の総量を検知するインピーダンス変化検出回路31bと、インピーダンス変化検出回路31bで検出されたインピーダンス変化の総量を電圧変化データに変換するインピーダンス変化電圧変換部31cとを含んで構成されている。
【0045】
インピーダンス変化検出回路31bは、例えば、センサー素子20aのインピーダンスZxと、抵抗値が既知のインピーダンス要素Z1〜Z3とでブリッジ回路を構成している。インピーダンス検出部31では、発振器31aを用いて、インピーダンス変化検出回路31bの入力端に所定の周波数信号(例えば、1.0〜1.8Vで300〜1300kHzの矩形波)を印加する。そして、インピーダンス変化電圧変換部31cで、インピーダンス要素Z1,Z2による分圧電圧と、インピーダンス要素Z3及びセンサー素子20aのインピーダンスZxによる分圧電圧との差電圧を検出し、インピーダンスZxの大きさに応じた電圧値の電圧データをデータロガー32に出力する。
【0046】
加速度センサー34は、公知の3軸加速度センサーを用いることが好ましい。3軸加速度センサーは、該センサーが取り付けられた吸収性物品10の傾き及び位置ずれに関するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の傾きデータをそれぞれ検出し、タイマー33から出力される時刻データと共にデータロガー32に出力する。このような3軸加速度センサーとして、例えば商品名「ADXL362」(ANALOG DEVICES社製)、マイクロパワー、3軸、デジタル出力MEMS加速度センサーを用いることができる。3軸加速度センサーを用いることで、着用者の姿勢の変位に伴って、吸収性物品の傾き及び位置ずれに関するXYZ軸の3方向の出力値(加速度センサーの傾きデータ)が変化することを利用して、吸収性物品の傾き及び位置ずれを、容易に且つ精度良く判定することが可能になる。
【0047】
データロガー32に出力される電圧データ及び加速度センサーの傾きデータは、タイマー33から出力される時刻データと共に、一定の時間ごとに繰り返し出力されて、保存されることが好ましい。データが出力される時間間隔は、0.1〜60秒が好ましく、0.1〜10秒がさらに好ましい。
【0048】
データロガー32は、インピーダンス検出部31から取得した電圧データと、加速度センサー34から取得した傾きデータとを保存する電子装置である。データロガー32は、後述するデータ取得部41の要求に応じて、又はデータ取得部41に接続されたことを検知すると、保存しているデータを該データ取得部41に無線又は有線で送信する。本実施形態では、データロガー32は、インピーダンスZxの大きさに応じた電圧値の電圧データ、及び吸収性物品10、より具体的には尿とりパッド11の装着状態に関するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度センサー34の傾きデータを、それぞれの時刻データと共に、データ取得部41を形成する情報処理装置400に無線送信する。
また、データ収集部30は、印刷電極21(正電極21a及び負電極21b)に電圧を印加するため、電源(本実施形態では電池)を有している。データ収集部30は、
図4(b)に示すように、端子部24a,24bを覆うように排尿センサー20に取り付けられており、本実施形態のデータ収集部30は、端子部24a、24bを介して正電極21a及び負電極21bに各々接続され、正電極21aと負電極21bの間に電圧を印加する。
【0049】
データロガー32からデータ取得部41に送信されるデータは、インピーダンスZxの大きさに応じた電圧値の電圧データと、吸収性物品10の装着状態に関するデータ収集部30(加速度センサー34)の傾きデータである。以下、データ収集部30(加速度センサー34)の傾きデータを、単に「傾きデータ」ともいう。前記電圧データ及び傾きデータは時刻データと共に、無線又は有線でデータ取得部41に送信される。前記電圧データを以下、インピーダンスの変化量のデータともいう。
データ取得部41は、所定時間ごとに、データ収集部30のデータロガー32に時刻データと共に保存されている、インピーダンスの変化量のデータと、傾きデータとを取得し、取得データベース42にこれらデータを一旦保存する。そして、データ取得部41は、取得したインピーダンスの変化量のデータと、傾きデータと、時刻データとを、排尿データ記憶部50に供給する。データ取得部41は、取得したインピーダンスの変化量のデータと、傾きデータとを、少なくとも1時間に1回、好ましくは1時間に複数回、より好ましくは15分間に1回、さらに好ましくは1〜10秒に1回、排尿データ記憶部50に供給する。
【0050】
本実施形態のデータ取得部41は、
図1に示すように、タブレット型のパーソナルコンピューターである情報処理装置400である。情報処理装置400は、表示装置としてLCDを、且つ入力装置としてタッチパネルを備える。このように、データ取得部41として、公知の汎用コンピュータを用いることができる。汎用コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、表示部401、入力部等を有しており、例えば、PC(Personal Computer)、サーバマシン、又は携帯端末(スマートフォンなど)等が挙げられる。表示部401は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)、ELディスプレイ(Electroluminescence display)等によって構成される。入力部は、例えばキーボードやタッチパネル等によって構成される。
【0051】
本実施形態では、吸収性物品の当て方提案装置1は、
図1及び
図7に示すように、排尿データ記憶部50と、傾きデータ記憶部60と、姿勢判定部70と、当て方提案部80とを有している情報処理装置100によって構成されている。本実施形態では、当て方提案装置1を構成する情報処理装置100は、データ取得部41を構成する情報処理装置400とは異なる装置となっている。当て方提案装置1を構成する情報処理装置100は、前述の汎用コンピュータの1つであるノート型PCであり、表示装置としてLCDを、且つ入力装置としてキーボードを備えている。
図1に示す情報処理装置100は、所定のプログラムが組み込まれていることで、
図7に示す排尿データ記憶部50と、傾きデータ記憶部60と、姿勢判定部70と、当て方提案部80とを有する吸収性物品の当て方提案装置1を構成している。このように、当て方提案装置1は、所定のプログラムを情報処理装置100に組み込むことで構成することができる。情報処理装置100が入出力インターフェースを備えている場合、前記所定のプログラムは、必要なときに前記入出力インターフェースと情報処理装置100とが利用可能な媒体を介して、他の装置から読み込まれても良い。ここで媒体とは、例えば入出力インターフェースに着脱可能な記録媒体、または通信媒体、即ち有線、無線、光などのネットワーク、または当該ネットワークを伝搬する搬送波やデジタル信号等を指す。また、前記プログラムにより実現される機能の一部または全部がハードウェア回路等により実現されても良い。
【0052】
そして、本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1は、尿を吸収する吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定された、吸収性物品10における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶部50と、吸収性物品10の好ましくは腹側に取り付けられたデータ収集部30の加速度センサー34によって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶部60と、排尿データ記憶部50及び傾きデータ記憶部60に記憶されているデータから、排尿時における着用者の姿勢を判定する姿勢判定部70と、吸収性物品10の交換時における着用者への吸収性物品10の当て方をアドバイスする当て方提案部80とを含んでいる。当て方提案部80は、例えば介護者によって入力された、吸収性物品10からの尿漏れを確認した時刻に基づいて、当該尿漏れを生じた吸収性物品10が着用されている時間帯を特定すると共に、排尿データ記憶部50及び傾きデータ記憶部60に記憶されているデータに基づいて、姿勢判定部70で判定された当該時間帯における排尿時の着用者の姿勢から、当該時間帯において吸収性物品10から尿漏れを生じた場所を推定して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品の当て方をアドバイスする。データ収集部30すなわち加速度センサー34が腹側に取り付けられていると、吸収性物品10における本体部吸収体12cと加速度センサー34との位置関係が一定に保たれ易くなるので好ましい。
【0053】
また、本実施形態では、当て方提案部80は、好ましくは傾きデータ記憶部60に記憶された当該時間帯における傾きデータから、当該時間帯における吸収性物品10のズレの有無を推定して、ズレを生じていると推定された場合の提案も含めて、吸収性物品10の当て方をアドバイスする。
【0054】
さらに、本実施形態では、吸収性物品の当て方提案装置1は、好ましくは推定された吸収性物品10から尿漏れを生じた場所に対応する、吸収性物品10の当て方に関するアドバイス項目を記憶するアドバイス項目記憶部85を備えており、当て方提案部80は、アドバイス項目記憶部85に記憶されたアドバイス項目を選択して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品10の当て方をアドバイスする。
【0055】
本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1を構成する排尿データ記憶部50は、吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定された、吸収性物品10における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、濡れデータ取得部51によって排尿時刻データと共に取得して、データベース90に記憶する。排尿データ記憶部50は、インピーダンスの変化が特定値以上である時点を、吸収性物品10が尿により濡れた、濡れ時と特定する。即ち、濡れデータ取得部51は、インピーダンスの変化量に基づいて、吸収性物品10の濡れの有無を判定すると共に、濡れがあったと判定した時点を濡れ時刻として特定する。
本実施形態の排尿データ記憶部50は、濡れの有無を判定する濡れ検出部54と、濡れ時刻を特定する濡れ時刻演算部52と、濡れ時刻において尿とりパッド11に吸収された尿吸収量を算定する尿吸収量演算部53とを含んでいる(
図7参照)。以下、濡れの有無、濡れがあった濡れ時刻及び尿吸収量のデータを纏めて濡れデータともいう。
濡れ検出部54は、インピーダンスの変化から濡れの有無を検出する。具体的には、濡れ検出部54は、測定されたインピーダンス変化量が排尿による濡れによるものか、又はノイズであるかを判定する。排尿による濡れ又はノイズの何れであるかは、インピーダンス変化量が特定値以上であるか否かで判定される。ノイズとしては、例えば汗等の排尿以外の事象により生じるインピーダンス変化がある。排尿があったと判定された場合、濡れ検出部54は、排尿があったと判定されたインピーダンス変化量を、着用者の排尿データとして濡れ時刻演算部52及び尿吸収量演算部53に供給する。
濡れ時刻演算部52は、濡れと判定されたインピーダンス変化量が測定された時点を濡れ時刻として、該濡れ時刻を排尿時刻データとしてデータベース90内の濡れ時刻蓄積テーブル92に記憶する。
尿吸収量演算部53は、排尿センサー20によって測定されたインピーダンス変化量から、各濡れ時刻の尿吸収量を算定する。尿吸収量は、インピーダンスの変化量を演算することにより求められる、排尿1回当たりに吸収性物品に吸収された尿の量である。尿吸収量演算部53は、濡れ時刻におけるインピーダンス変化量を用いて尿吸収量を演算し、その演算結果である尿吸収量をデータベース90内の尿吸収量蓄積テーブル93に着用者の排尿データとして記憶する。
尿吸収量演算部53は、排尿量を推定する際の計算精度を高めるために、加速度センサーにより着用者の姿勢を検出し、尿取りパッド11内の尿の分布を推定する。尿吸収量演算部53における排尿量計算は、推定された分布に適した計算式を選んだり、推定された分布に応じた係数をかけたりすること等を、考慮して行われることが好ましい。
【0056】
排尿データ記憶部50は、各濡れ時刻の尿吸収量を着用者の排尿データとして算定する尿吸収量演算部53を具備しなくても良いが、尿漏れを効果的に防ぐために、吸収性物品の濡れパターンを把握する観点から、排尿データ記憶部50は、尿吸収量演算部53を具備していることが好ましい。
【0057】
データベース90は、
図7に示すように、排尿データ記憶部50によって記憶される、着用者毎の濡れ時刻演算部52の演算結果である濡れ時刻(排尿時刻データ)を格納する濡れ時刻蓄積テーブル92、及び着用者毎に尿吸収量演算部53の演算結果である尿吸収量(排尿データ)を格納する尿吸収量蓄積テーブル93を有している。尿吸収量蓄積テーブル93は、尿とりパッド11、即ち吸収性物品10を取り替えた際に、尿吸収量がゼロにリセットされるよう構成されている。具体的には、尿吸収量蓄積テーブル93は、電極群を有する排尿センサー20の端子部24a,24bからデータ収集部30を外すと、インピーダンス変化検出回路31bによる電極間への電圧印加が切断されたことを検知して、尿吸収量の蓄積データ、すなわち尿吸収量及び尿吸収総量がゼロにリセットされるよう構成されている。尚、濡れ時刻蓄積テーブル92と尿吸収量蓄積テーブル93の情報のうち、濡れ時刻及び尿吸収量は、ゼロにリセットされる前に、データベース90にある濡れ情報テーブル95へ保存される。即ち、濡れ情報テーブル95には、濡れ時刻毎の尿吸収量の情報が保存される。
【0058】
本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1を構成する傾きデータ記憶部60は、吸収性物品10に取り付けられたデータ収集部30の加速度センサー34によって測定された傾きデータを、傾きデータ取得部61によって時刻データと共に取得して、データベース90に記憶する。傾きデータ記憶部60は、データ取得部41を形成する情報処理装置400から送られる、排尿センサー20に取り付けられたデータ収集部30の加速度センサー34によって計測された、吸収性物品10や尿とりパッド11の装着状態に関するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の傾きデータを、タイマー33によるそれぞれの時刻データと共に、傾きデータ取得部61により取得して、データベース90内の傾きデータ蓄積テーブル94にデータ収集部30の傾きデータとして記憶する。
【0059】
これらによって、後述する姿勢判定部70や当て方提案部80において、排尿データ記憶部50によって記憶された排尿時刻データと、傾きデータ記憶部60によって記憶された時刻データとを照らし合わせることで、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の傾きデータから、所定の排尿時刻や時間帯における、着用者の姿勢や、吸収性物品10や尿とりパッド11の装着状態や位置ずれを、判定できる。
【0060】
本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1を構成する姿勢判定部70は、排尿データ記憶部50及び傾きデータ記憶部60によって記憶されているデータから、排尿時における着用者の姿勢を判定する。姿勢判定部70は、吸収性物品10に取り付けられたデータ収集部30の加速度センサー34による傾きデータに基づき、吸収性物品10の傾き及び位置ずれに関する装着状態を判定する装着状態判定部71と、所定の排尿時刻や時間帯における装着状態の情報を出力する情報出力部72とを含んでいる。
【0061】
装着状態判定部71は、データ収集部30の加速度センサー34により測定された加速度センサーの傾きデータから、吸収性物品10の装着状態を判定する。吸収性物品10の装着状態とは、加速度センサー34が取り付けられている吸収性物品10(尿とりパッド11)の傾き及び位置ずれを意味する。
装着状態判定部71は、加速度センサー34のXYZ軸の各軸方向の出力値に基づいて加速度センサー34の傾きを特定することで、該加速度センサー34が取り付けられた吸収性物品10の傾きを特定する。加速度センサー34は、例えば
図8(a)〜(c)に示すように、吸収性物品10を装着した着用者の腹部側に腰幅方向にX軸が、身長方向にY軸が、前後方向にZ軸が、それぞれ沿うように配置されている。XYZ軸の各軸方向の傾きは、吸収性物品10の傾きを示すものであるが、吸収性物品10の傾きに影響を与える一つの要因として、吸収性物品10を着用した着用者の姿勢の影響が挙げられる。例えば、吸収性物品10を身体の向きに対してまっすぐの向きに着用した場合のXYZ軸の各軸方向の傾きは、座った姿勢〔
図8(a)参照〕、仰向けの姿勢〔
図8(b)参照〕、及び仰向けで横(左)を向いた姿勢〔
図8(c)参照〕で各々異なる。吸収性物品10を身体の向きに対してまっすぐの向きに着用した状態とは、吸収性物品10を、着用者の前後方向と、吸収性物品10の長手方向とを一致させて着用した状態をいう。一方、吸収性物品10を着用した時の姿勢が同じ姿勢であっても、例えば、吸収性物品10の当て方等により、吸収性物品10の向きが身体の向きに対して左右に斜めに向いた状態で着用している場合がある。この場合、XYZ軸の各軸方向の傾きは、吸収性物品10を着用させた向き(吸収性物品10の当て方)に応じてそれぞれ異なる。装着状態判定部71は、加速度センサー34のXYZ軸の各軸方向の出力値に基づいて、加速度センサー34の傾きを特定する。即ち、加速度センサー34の傾きデータは、XYZ軸の各軸方向の傾きの出力値である。
装着状態判定部71がデータ収集部30の加速度センサー34を用いて吸収性物品10の傾きを特定する方法は、
図8(a)〜(c)に示すような方法に制限されず、任意の方法を用いることができる。
【0062】
姿勢判定部70の装着状態判定部71は、吸収性物品10の着用時の姿勢の影響も考慮して、吸収性物品10の傾きを判定している。具体的には、加速度センサー34の傾き、即ち加速度センサー34によるXYZ軸の3軸の出力値と、吸収性物品10を身体の向きに対してまっすぐに着用した場合の着用者の姿勢との関係を検証した上で作成した表1に示す装着状態判定テーブルと、
図9に示す装着状態判定フローとに従って、吸収性物品10の傾きを判定する。表1及び
図9において、吸収性物品10の傾きの「上横」とは、裏面シート11bの腹側領域Aが、鉛直方向の「上」側に位置するように、且つ尿とりパッド11の長手方向が鉛直方向と直交する方向に対し略水平(横)となるように、尿とりパッド11が置かれた状態を指す。また、「上斜」とは、裏面シート11bの腹側領域Aが、鉛直方向の「上」側に位置するように、且つ尿とりパッド11の長手方向が鉛直方向に対し、身長方向に沿うY軸の頭側を上げて傾くようにして、尿とりパッド11が置かれた状態を指す。また、「下斜」とは、裏面シート11bの腹側領域Aが、鉛直方向の「上」側に位置するように、且つ尿とりパッド11の長手方向が鉛直方向に対し、身長方向に沿うY軸の頭側を下げて傾くようにして、尿とりパッド11が置かれた状態を指す。また、「下横」とは、裏面シート11bの腹側領域Aが、鉛直方向の「下」側に位置するように、且つ尿とりパッド11の長手方向が鉛直方向と直交する方向に対し略水平(横)となるように、尿とりパッド11が置かれた状態を指す。これら吸収性物品10(尿とりパッド11)の傾きは、X軸の出力値により、さらに左向きと右向きとに区別される。本実施形態において、吸収性物品10を身体の向きに対してまっすぐに着用した場合、吸収性物品10の傾きが「上横」は仰向け、「上斜」は座る、「下斜」は膝を曲げる、「下横」はうつ伏せ、というように吸収性物品10の傾きと各姿勢とは対応する傾向がある。
例えば、吸収性物品10が身体の向きに対してまっすぐに着用されており、加速度センサー34の傾き(出力値)が、X軸が170、Y軸が170、Z軸が125である場合、吸収性物品10(尿とりパッド11)の傾きは、「上横」であり、吸収性物品10がこのような傾きであるとき、着用者は吸収性物品をおおむね仰向けの姿勢で着用している。即ち、本実施形態の装着状態判定部71は、X軸が170、Y軸が170、Z軸が125である出力値に基づき、前記「上横」を「着用者が仰向で着用しているときの吸収性物品の傾き「上横」と判定する。
【0064】
姿勢判定部70の装着状態判定部71が行う吸収性物品10の傾きの判定について、
図9に示す装着状態判定フローを用いて吸収性物品10が身体の向き対してまっすぐに着用された場合の事例を説明する。例えば、Z軸の出力値を表1の装着状態判定テーブルと対比し、218以上である場合には、吸収性物品10の傾きと「下横」と判定する。この場合、着用者の姿勢はうつ伏せの傾向にある。吸収性物品10の傾きZ軸の出力値が217以下である場合に、Y軸の出力値を表1の装着状態判定テーブルと対比し、160以下である場合には、吸収性物品10の傾きを「上斜」と判定して、さらにX軸の出力値を表1の装着状態判定テーブルと対比する。この結果、X軸の出力値が150以下である場合には、「上斜右」と判定し、X軸の出力値が180以上である場合には、「上斜左」と判定する。X軸の出力値が150以下でも、180以上でもない場合には、「上斜」と判定する。本実施形態において、吸収性物品10の傾きが「上斜右」である場合、着用者の姿勢は、座る横向きで且つ右向きの傾向にある。また、吸収性物品10の傾きが「上斜左」である場合、着用者の姿勢は、座る横向きで且つ左向きの傾向にある。
【0065】
また、Z軸の出力値が217以下である場合に、Y軸の出力値を表1の装着状態判定テーブルと対比し、181以上である場合には、吸収性物品10の傾きを「下斜」と判定して、さらにX軸の出力値を表1の装着状態判定テーブルと対比する。この結果、X軸の出力値が150以下である場合には、吸収性物品10の傾きを「下斜右向き」と判定し、X軸の出力値が180以上である場合には、吸収性物品10の傾きを「下斜左向き」と判定する。X軸の出力値が150以下でも、180以上でもない場合には、膝曲げ正面の姿勢時の傾き「下斜」と判定する。本実施形態において、吸収性物品10の傾きが「下斜右」である場合、着用者の姿勢は、膝曲げ横向きで且つ右向きの傾向にある。また、吸収性物品10の傾きが「下斜左」である場合、着用者の姿勢は、膝曲げ横向きで且つ左向きの傾向にある。
【0066】
さらに、Z軸の出力値が217以下である場合に、Y軸の出力値を表1の装着状態判定テーブルと対比し、160以下でも、181以上でもない場合には、吸収性物品10の傾きを「上横」と判定し、さらにX軸の出力値を表1の装着状態判定テーブルと対比する。この結果、X軸の出力値が150以下である場合には、仰向け横向きで且つ右向きの姿勢時の傾き吸収性物品10の傾きを「上横右向き」と判定する。X軸の出力値が180以上である場合には、仰向け横向きで且つ左向きの姿勢時の傾き吸収性物品10の傾きを「上横左向き」と判定する。X軸の出力値が150以下でも、180以上でもない場合には、仰向け正面の姿勢時の傾き「上横」と判定する。本実施形態において、吸収性物品10の傾きが「上横右向き」である場合、着用者の姿勢は、仰向け横向きで且つ右向きの傾向にある。また、吸収性物品10の傾きが「上横左向き」である場合、着用者の姿勢は、仰向け横向きで且つ左向きの傾向にある。
このように、姿勢判定部70の装着状態判定部71は、吸収性物品10の傾きが「下横」、「上横」、「上横横向き」、「上斜」、「上斜横向き」、「下斜」及び「下斜横向き」の何れであるかを判定することができる。「上横横向き」や「上斜横向き」等の各姿勢における「横」は、右向き又は左向きを意味する。また、本実施形態では、装着状態判定部71は、吸収性物品10の傾きに影響を与える一つの要因として着用者の姿勢を考慮して判定しているが、おむつパッドの当て方等により、必ずしも常時、吸収性物品10を身体の向き対してまっすぐに着用しているとは限らないため、着用時の身体の向きに対する吸収性物品10の向きの影響等も併せて考慮し、実際の吸収性物品10の傾きを正確に判定することができる。
【0067】
姿勢判定部70の装着状態判定部71は、吸収性物品10の傾きの他、該吸収性物品10の位置ずれを判定することもできる。吸収性物品10の位置ずれとは、例えば吸収性物品10(尿とりパッド11)の股下領域Cが着用者の排泄部(股下部分)に当接するように装着された位置から、吸収性物品10が前後方向(長手方向Y)又は左右方向(幅方向X)にずれた状態や吸収性物品10の厚み方向にずれた状態を意味する。吸収性物品10の位置ずれは、着用状態における吸収性物品10が動くことにより生じるところ、下記式(1)により求められる吸収性物品10の動きKが2以上である場合を吸収性物品10の位置ずれが生じたと判断する。即ち、装着状態判定部71は、加速度センサー34の測定時における吸収性物品10の動きKに基づいて、該測定時における吸収性物品10の位置ずれの有無を判断する。
下記式(1)におけるnは、所定の時間間隔で測定されたXYZ軸の3方向の各出力値(傾きデータ)のデータ数である。具体的には、前記3方向の各出力値の60データに基づいて、下記式(1)から吸収性物品10の動きKを求める。本実施形態では、XYZ軸の3方向の各出力値を10分間に60回測定している。即ち、本実施形態では10秒間隔で前記3方向の各出力値を1回測定している。この測定の時間間隔は、任意の設定にすることができ、測定回数nも任意に設定することが出来る。
【0069】
吸収性物品10の傾き及び位置ずれの有無に関するデータは、データベース90の濡れ情報テーブル95に記憶される。より具体的には、これらのデータは、装着状態判定部71から濡れ情報テーブル95に供給され、濡れ情報テーブル95に保存された上述の濡れ時刻(排尿時刻データ)及び尿吸収量(排尿データ)と関連付けられて、当該該濡れ情報テーブル95に保存される。以下、濡れ時刻と、その時刻における吸収性物品10の傾き及び位置ずれの有無に関する情報を、濡れ時の装着状態の情報ともいう。
【0070】
姿勢判定部70の情報出力部72は、排尿時における吸収性物品10の装着状態の情報を出力する。本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1は、情報出力部72によって、情報処理装置100の表示部101に、濡れ情報テーブル95に記憶された、排尿時の排尿時における吸収性物品10の装着状態の情報を出力する。この表示部101には、
図10に示すように、濡れ時刻に該当する時間帯と、吸収性物品10の傾き及び位置ずれに関する情報とが示されている。具体的には、本実施形態に係る吸収性物品10を24時間着用した場合のタイムスケジュールが示されており、濡れ時刻に該当する時間帯、即ち濡れがあった時間帯の欄が着色されていると共に、吸収性物品10の傾き及び位置ずれの情報も示されている(
図10参照)。
図10には、吸収性物品の傾きを「おむつの傾き」として示している。例えば、尿吸収量について、午前11時45分〜午後12時00分の欄に比して、午後12時00分〜午後12時15分の欄は着色が濃くなっている。これは、午前11時45分〜午後12時15分の間に濡れ、即ち排尿があったことを示している。また、午前11時45分〜午後12時15分の時間帯における吸収性物品10の傾きは「上斜」の傾きであったことが示されている。また、吸収性物品10の傾きが午前3時45分の時点から、「下斜」から「上横」の傾きに変わり、且つ吸収性物品10に位置ずれが生じていたことが示されている。即ち、午前3時45分の着用者の寝返りによって、吸収性物品10の傾きの変化と共に、位置ずれが生じていたことが分かる。また、午前3時45分以降に尿漏れを発見した場合、午前3時45分の吸収性物品10の傾きの変化又は位置ずれが尿漏れの原因であることが予想される。
これにより、被介護者が着用する吸収性物品10に尿漏れを発見した場合に、介護者は、後述する当て方提案部80において、尿漏れを発見した時点以前の濡れ時の装着状態から、尿漏れの発生原因となり得る装着状態を把握することができる。また、介護者等は、このような尿漏れが発見された際の吸収性物品10の装着状態を踏まえた、当て方提案部80による提案に従って、吸収性物品10の当て方(装着状態)を調整する等の尿漏れの防止対策を打つことができる。
【0071】
本実施形態では、排尿データ記憶部50は、尿吸収量演算部53を含んでおり、尿吸収量演算部53は、インピーダンスから、各々の排尿時に測定された尿吸収量を算定する。姿勢判定部70の情報出力部72は、
図10に示すように、排尿によって濡れた濡れ時の装着状態の情報と共に、尿吸収量演算部53により算定された尿吸収量の情報を出力する。本実施形態の尿吸収量の情報は、
図10に示すように、濡れ時刻に該当する時間帯の欄の着色の濃淡を、尿吸収量によって変化させている。排尿によって濡れた濡れ時の装着状態の情報と共に、尿吸収量の情報を出力することにより、介護者等は、尿吸収量に応じた吸収容量の吸収性物品を利用することができ、尿漏れを効果的に防止し得る。尿吸収量に応じた吸収容量の吸収性物品とは、該尿吸収量よりも大きい吸収容量を有する吸収性物品を意味する。例えば、
図10に示すタイムスケジュールにおいて午前9時及び午前11時に尿漏れが発見されず、午後1時に尿漏れを発見した場合、
図10では午前9時〜午後1時までの時間帯は吸収性物品10の傾きの変化及び位置ずれは生じていないことが示されている。従って、午後1時に発見された尿漏れは、吸収性物品の傾きの変化又は位置ずれに起因するものではないことが示唆される。これより、尿漏れの防止策として、午前9時〜午後1時の時間帯の尿吸収量よりも大きい吸収容量の吸収性物品を利用することが示唆される。このように、情報出力部64は、濡れ時の装着状態の情報と共に、尿吸収量の情報を出力することが好ましい。
図10に示す濡れパターンのデータ情報は、15分毎の尿吸収量を、その量に対応する色の濃淡で表している。即ち、色が濃いほど、尿吸収量が多く、色が薄いほど、尿吸収量が少ない。
図10では、排尿回数が多いほど、吸収性物品10へ排出される排尿量が多くなるため、排尿回数に伴って尿吸収量を示す色が濃くなっている。また、吸収性物品の交換があると、尿吸収量は0となり、吸収性物品の交換時刻に該当する尿吸収量の欄は無色(白)になる。そして、尿吸収量の欄は、尿吸収量に伴って、薄い色から始まり、濃い色となっていく。尿吸収量は、その量に対応する文字、記号等で段階的に表してもよい。また、濡れがあった場合の濡れの表示は、濡れがあった時刻のみとしてもよい。
【0072】
本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1を構成する当て方提案部80は、吸収性物品10の交換時における着用者への吸収性物品10の当て方をアドバイスする。すなわち、当て方提案部80は、例えば介護者によって入力された、吸収性物品10からの尿漏れが確認された時刻に基づいて、当該尿漏れを生じた吸収性物品10が着用されている時間帯を特定すると共に、排尿データ記憶部50及び傾きデータ記憶部60によってデータベース90に記憶されているデータに基づいて、姿勢判定部70で判定された当該時間帯における排尿時の着用者の姿勢から、当該時間帯において吸収性物品10から尿漏れを生じた場所を推定して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品10の当て方をアドバイスする。
【0073】
より具体的には、当て方提案部80は、例えば介護者等が、目視により尿漏れを発見し、その尿漏れを発見した時刻の情報を入力することで、発見時刻記憶部81を介して、尿漏れ発見時刻をデータベース90の濡れ情報テーブル95に記憶することができる。また、当て方提案部80の情報出力部82は、濡れ情報テーブル95に格納されている、排尿によって濡れた濡れ時の吸収性物品10の装着状態の情報と、尿漏れ発見時刻の情報とを情報処理装置100の表示部101等に出力することができる。当て方提案部80は、吸収性物品10からの尿漏れの発生を、尿漏れの発見時刻を濡れ情報テーブル95に記録することによって認識しても良い。また、おむつ本体12に別の排尿センサーを取り付けておき、この排尿センサーが、尿とりパッド11から漏れ出た尿によるインピーダンス変化を検出することによって、尿漏れの発生を認識しても良い。あるいは、尿漏れを発見した時刻に使用していた吸収性物品10の使用時間帯と、濡れ情報に基づく排尿時刻とを照合し、この排尿時刻を尿漏れ発生時刻として認識しても良い。
【0074】
当て方提案部80は、
図12に示すように、例えば午後10時15分に吸収性物品10からの尿漏れを発見したら、尿吸収量(排尿データ)から、尿漏れが生じた時間帯を推測することで特定する。尿漏れが生じた時間帯を特定したら、加速度センサー34の傾きデータによるおむつの傾きから、姿勢判定部70によって判定された当該時間帯における排尿時の着用者の姿勢を推測して特定する。尿漏れが生じた時間帯における着用者の姿勢を特定したら、特定された排尿時の着用者の姿勢から、当該時間帯において吸収性物品10から尿漏れを生じた場所を推定すると共に、特定された排尿時の着用者の姿勢に応じたおむつ(吸収性物品)の当て方を、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品の当て方としてアドバイスする。
【0075】
また、本実施形態では、当て方提案部80は、上述のように、好ましくは傾きデータ記憶部60によって記憶された当該時間帯における傾きデータから、当該時間帯における吸収性物品10のズレの有無を推定して、ズレを生じていると推定された場合の提案も含めて、吸収性物品10の当て方をアドバイスできるようになっている。
【0076】
当て方提案部80の情報出力部82は、
図11(a)及び(b)に示すように、吸収性物品10から尿漏れが生じた際における吸収性物品10の装着状態の情報を出力することができる。
図11(a)及び(b)では、尿漏れが発生した吸収性物品10の濡れ時の装着状態と共に、該吸収性物品10の使用時刻(図中、1:00〜6:00)が示されている。斯かる構成により、尿漏れ発生時刻を、尿漏れが発見された吸収性物品10の使用開始時刻から該吸収性物品10の使用終了時刻(交換時刻)までの時間帯に絞り込むことができ、尿漏れの原因となった装着状態をより正確に把握することができる。このように、情報出力部82は、尿漏れが発生した吸収性物品10の濡れ時の装着状態の情報と共に、該吸収性物品10の使用開始時刻及び交換時刻の情報を出力することが好ましい。吸収性物品10の使用開始時刻及び交換時刻の情報は、例えば、データベース90の濡れ情報テーブル95、又は生活情報テーブル97に記憶することができる。濡れ情報テーブル95又は生活情報テーブル97に記憶された吸収性物品10の使用開始時刻及び交換時刻の情報は、例えば、情報出力部82によって出力することができる。
【0077】
また、本実施形態では、吸収性物品の当て方提案装置1は、好ましくは推定された吸収性物品10から尿漏れを生じた場所に対応する、吸収性物品10の当て方に関するアドバイス項目を記憶するアドバイス項目記憶部85を、好ましくは当て方提案部80に備えている。当て方提案部80は、アドバイス項目記憶部85に記憶されたアドバイス項目を選択して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品10の当て方をアドバイスする。アドバイス項目記憶部85は、尿漏れ時の吸収性物品10の装着状態に対し、その尿漏れを防止し得る当て方のアドバイス情報を、データベース90の当て方情報テーブル96に記憶させる。当て方提案部80は、当て方情報テーブル96に記憶されて格納されているアドバイス情報の中から適切なアドバイスを選択し、それを情報出力部82に出力させる。当て方情報テーブル96には、吸収性物品10の傾き又は位置ずれに起因する尿漏れに対し、該尿漏れを防止し得る吸収性物品の当て方(装着状態)に関するアドバイス情報が格納されている。
例えば、尿漏れ時の吸収性物品10(尿とりパッド11)の傾きが、膝立ち仰向け時の傾き「下斜」であり、さらに位置ずれも生じていた場合、当て方提案部80は、当て方情報テーブル96から、下斜時の傾きであり、且つ位置ずれが生じた装着状態に起因する尿漏れを防止し得るアドバイス情報を選択する。当て方提案部80により選択されたアドバイス情報は、情報出力部82によって、
図11(a)に示すように出力される。
また、例えば、尿漏れ時の吸収性物品10(尿とりパッド11)の傾きが、仰向け左向き時の傾き「上横左向き」である場合、当て方提案部80は、当て方情報テーブル76から、上横左時の装着状態に起因する尿漏れを防止し得るアドバイス情報を選択する。当て方提案部80により選択されたアドバイス情報は、情報出力部82によって、
図11(b)に示すように出力される。
このように、当て方提案部80は、濡れ時の吸収性物品10の装着状態に基づき、吸収性物品10の装着状態についてのアドバイス情報を記憶するアドバイス項目記憶部85を含むことが好ましい。アドバイス項目記憶部85により記憶されたアドバイス情報は、情報出力部82によって濡れ時の吸収性物品10の装着状態の情報と共に、出力されてもよい。
【0078】
すなわち、当て方提案部80は、
図13に示すように、入力された尿漏れを確認した時刻に基づいて、尿漏れを生じた吸収性物品10が着用されている時間帯が特定されて、当該時間帯における排尿時の着用者の姿勢から吸収性物品10の装着状態が判定されると、例えば
図13に示すようなアドバイス項目記憶部85に記憶された選択可能なアドバイス項目を、情報出力部82によって情報処理装置100の表示部101等に出力する。
【0079】
また、当て方提案部80は、当該時間帯における吸収性物品10のズレの有無を判定して、ズレがあると判定した場合に、
図13に示すように、ズレを生じている場合の提案も含めて、吸収性物品10の当て方のアドバイス情報を、情報出力部82によって情報処理装置100の表示部101等に出力する。
【0080】
本実施形態では、被介護者のケア管理を容易に行う観点から、本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1は、濡れ時の吸収性物品10の装着状態の情報に加えて、着用者に関する着用者情報と、着用者の生活に関する生活情報を表示してもよい。このとき、前述の濡れ情報テーブル95等を有するデータベース90は、
図7に示すように、着用者情報が蓄積されている着用者情報テーブル98に加え、更に、生活情報が蓄積されている生活情報テーブル97を有することが好ましい。そして、着用者情報テーブル98が、着用者情報記憶部86から提供された着用者情報を格納するのに加えて、生活情報テーブル97が、生活情報記憶部87により入力された生活情報を更に格納することが好ましい。
【0081】
着用者情報は、主に、看護者や介護者等によりキーボード等の入力部を介して入力され、着用者情報記憶部86に提供される。
着用者情報として、例えば着用者の性別、年齢、身長、体重、着用者を識別・特定するためのID番号(文字との組み合わせも可)、要介護度、着用者のベッド番号、部屋番号(病室番号)、部屋名(病室名)等が挙げられる。生活情報は、例えば、体温、血圧、脈拍等の体調についての情報、喜怒哀楽等の気分についての情報、トイレや尿とりパッド、おむつや布パンツ等への排便の有無、便の性状、量や排便時刻等の排便に関する情報、トイレでの排尿の有無、尿の性状、量や排尿時刻等の排尿に関する情報、おむつや尿とりパッド等への排尿の有無、天秤等で測定した尿とりパッドの重量、尿等を含んだ尿とりパッドの重量或いは尿の量、尿の性状等の情報、残尿についてその性状や量等についての情報、導尿の実施時刻、尿の量や性状等についての情報、布パンツ、おむつ、尿とりパッド等の交換の有無や交換時刻についての情報、アウター(尿とりパッドの外に履くもの)はおむつか布パンツか、おむつはテープ止めタイプかパンツタイプか、おむつや布パンツの大きさ等のアウターの種類についての情報、尿とりパッドの種類、尿とりパッドの大きさ等についての情報、尿とりパッド、おむつ、布パンツ等からの尿や便等の漏れの有無、漏れの多少等の尿や便等の漏れについての情報、入浴や足浴などの実施の有無、実施時刻・実施時期、入浴や足浴等にかけた時間などについての入浴情報、食事の時刻・時間、食事の量、食事の種類、水分量等の食事情報、飲料水等の飲み物の摂取時刻、量、種類等の飲み物の情報、飲水量や飲水時刻等の飲水についての情報、点滴の実施時刻、種類、点滴の量等の点滴情報、就床時刻、就寝時刻、入眠時刻、起床時刻、就床時間、睡眠時間などの睡眠情報、体の動き等の情報、リハビリ、レクリェーション等の運動や認知機能の維持・向上の活動について、その実施時刻・時間、種類などの活動状況、面会の時刻・時間、面会者等についての面会状況情報、環境の温度や湿度等についての情報、これらの生活情報の記録日時等についての情報、記録終了の日時等から適宜選択することができ、また、これらに限られない。生活情報テーブル77を有するときは、生活情報も着用者情報同様に、主に、看護者や介護者等によりキーボード等の入力部を介して入力され、生活情報記憶部87に提供される。
【0082】
介護者の間で被介護者の濡れパターンのデータを共有し、被介護者のケアをより適切に行う観点から、本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1は、データベース90内に格納された濡れ時刻、吸収性物品10の傾き及び位置ずれの情報に加えて、吸収性物品の情報、着用者情報及び生活情報の少なくとも1つを、吸収性物品の当て方提案装置1を構成する情報処理装置100の表示部101等に出力し得るよう構成されていることが好ましい。
【0083】
本実施形態の情報出力部82は、情報処理装置100の表示部101に、濡れ時の吸収性物品10の装着状態の情報等を表示するが、吸収性物品10の傾き毎に色の異なる発光素子を発光させることにより、濡れ時の吸収性物品10の装着状態の情報等を出力しても良い。発光素子としてLED等が挙げられる。また、情報出力部82をスピーカ等の音発生デバイスとして、音声ガイド等を出力することにより前記情報の出力を行っても良い。このように、情報出力部82が濡れ時の装着状態の情報等を出力する態様として、画像、文字若しくは発光等による視覚的態様の他、音声等の聴覚的態様、又はそれらの組み合わせにより前記情報を出力することができる。さらに、視覚的又は聴覚的態様に限られず、例えば振動による触覚的態様等、本発明の吸収性物品の当て方提案装置1の利用者が認識可能な任意の態様で、前記情報を出力することができる。
【0084】
次に、本発明の好ましい一実施形態に係る吸収性物品の当て方提案方法を、前述の吸収性物品の当て方提案装置1を用いて行う実施形態を例に、
図14のフローチャートを参照しながら説明する。本実施形態の吸収性物品の当て方提案方法は、尿を吸収する吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定された、吸収性物品10における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶ステップS1と、吸収性物品10に取り付けられた加速度センサー34によって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶ステップS2と、排尿データ記憶ステップ及び傾きデータ記憶ステップで記憶されたデータから、排尿時における着用者の姿勢を判定する姿勢判定ステップS3と、吸収性物品の交換時における着用者への吸収性物品の当て方をアドバイスする当て方提案ステップS4とを含んでいる。当て方提案ステップS4は、例えば介護者によって入力された、吸収性物品からの尿漏れを確認した時刻に基づいて、当該尿漏れを生じた吸収性物品10が着用されている時間帯を特定すると共に、排尿データ記憶ステップ及び傾きデータ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、姿勢判定ステップで判定された当該時間帯における排尿時の着用者の姿勢から、当該時間帯において吸収性物品10から尿漏れを生じた場所を推定して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品10の当て方をアドバイスする。
【0085】
また、本実施形態の吸収性物品の当て方提案方法では、好ましくは当て方提案ステップS4は、傾きデータ記憶ステップS2で記憶された当該時間帯における傾きデータから、当該時間帯における吸収性物品のズレの有無を推定して、ズレを生じていると推定された場合の提案も含めて、吸収性物品10の当て方をアドバイスする。
【0086】
さらに、本実施形態の吸収性物品の当て方提案方法では、好ましくは推定された吸収性物品10から尿漏れを生じた場所に対応する、吸収性物品10の当て方に関するアドバイス項目を記憶するアドバイス項目記憶ステップS5を備えており、当て方提案ステップS4では、アドバイス項目記憶ステップS5で記憶されたアドバイス項目を選択して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品の当て方をアドバイスする。
【0087】
本実施形態の吸収性物品の当て方提案方法により、被介護者の吸収性物品10からの尿漏れを発見した場合に、介護者は、尿漏れを発見した時点以前の濡れ時の吸収性物品10の装着状態から、尿漏れの発生原因となり得る装着状態を把握することができる。排尿データ記憶ステップS1は、本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1の排尿データ記憶部50によって行われる。傾きデータ記憶ステップS2は、本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1の傾きデータ記憶部60によって行われる。姿勢判定ステップS3は、本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1の姿勢判定部70によって行われる。当て方提案ステップS4は、本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1の当て方提案部80によって行われる。アドバイス項目記憶ステップS5は、本実施形態の吸収性物品の当て方提案装置1のアドバイス項目記憶部85によって行われる。
【0088】
次に、本発明の好ましい一実施形態に係る吸収性物品装着状態提示システムについて説明する。吸収性物品装着状態提示システム1S(
図14参照)は、吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定される吸収性物品の尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づき、前記吸収性物品への着用者の排尿による濡れデータを取得する濡れデータ取得装置500と、吸収性物品10に取り付けられた加速度センサー34によって測定される加速度センサーの傾きデータに基づき、吸収性物品の着用者の排尿時における吸収性物品10の装着状態を判定し、その判定結果を提示する装着状態情報提示装置600とを含む。
濡れデータ取得装置500は、排尿センサー20によって測定されるインピーダンスの変化が特定値以上である時点を濡れ時と特定する。
装着状態情報提示装置600は、加速度センサ−34の傾きデータに基づき、前記吸収性物品の傾き及び位置ずれに関する装着状態を判定する装着状態判定部61’と、濡れ時の前記装着状態の情報を出力する情報出力部64’とを含む。
【0089】
本実施形態の吸収性物品装着状態提示システム1S(
図15参照)は、濡れデータ取得装置500と、装着状態情報提示装置600とが、通信回線を介して協働する。通信回線は、有線又は無線の何れであっても良い。通信回線の例としては、例えば、通信ケーブル、ローカルエリアネットワーク(LAN)回線及びインターネット回線等のネットワーク回線が挙げられる。
本実施形態の吸収性物品装着状態提示システム1Sの導入例として、濡れデータ取得装置500と、装着状態情報提示装置600とが、別々の部屋に設置され、両装置500,600が無線通信回線を介して協働する実施形態が挙げられる(
図15参照)。以下、斯かる実施形態を例に本発明の吸収性物品装着状態提示システム1Sを説明する。
【0090】
本実施形態において、吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンスの経時的な変化は、前述の吸収性物品の当て方提案装置1と同様に、吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定される。本実施形態の排尿センサー20は、前述のデータ収集部30と同じ構成を含んでおり、インピーダンス検出部31から取得した電圧データ(インピーダンス要素による分圧電圧どうしの差電圧)を時刻データと共にデータロガー32に保存する。また、前述したように、加速度センサー34の傾きデータもデータロガー32に保存される。このデータロガー32が保存するデータ(インピーダンスの変化量のデータ及び加速度センサー34の傾きデータ)は、有線又は無線通信を介して濡れデータ取得装置500のデータ取得部41’に送られる(
図14参照)。
【0091】
本実施形態の濡れデータ取得装置500はノート型PCであるが、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、ネットブック型PC、ハンドヘルド型PC、タブレット型PCのパソコン、サーバマシン、又は携帯端末(スマートフォンなど)等の汎用コンピュータを用いることができる。
【0092】
濡れデータ取得装置500は、
図16に示すように、インピーダンスの経時的な変化量(以下、濡れデータともいう)と、加速度センサー34の傾きデータを記録する濡れ情報記録部55’と、該濡れデータを装着状態情報提示装置600に送信する送信部56’とを含む。濡れデータ取得装置500として、前述した情報処理装置を用いることができる。
本実施形態の濡れ情報記録部55’は、インピーダンスの経時的な変化量と共に、濡れ検出部により特定された濡れ時刻、該濡れ時刻時のインピーダンスの変化量、及び加速度センサー34の傾きデータをそれぞれ濡れデータ取得装置500内のデータベース57’に保存する。本実施形態のように、濡れデータ取得装置500は、インピーダンスの経時的な変化量を演算する機能、即ち、濡れ時刻演算部を有していても良い。
本実施形態の送信部56’は、データベース57内の濡れデータ及び加速度センサー34の傾きデータを、無線通信回線を介して、濡れデータを装着状態情報提示装置600に送信する。濡れデータの送信のタイミングは、濡れデータが取得されたタイミング等の任意のタイミングとすることができる。また、介護者等が濡れデータの送信を実行するための操作を行うことにより、前記送信が実行されても良い。
【0093】
装着状態情報提示装置600は、加速度センサー34によって測定される加速度センサーの傾きデータに基づき、着用者の濡れ時における吸収性物品10の装着状態を判定し、該装着状態の情報を提示する。本実施形態の装着状態情報提示装置600は、前述した装着状態判定部61’及び情報出力部64’の他に、濡れデータを受信するデータ受信部65’を含む。装着状態情報提示装置600として、前述の情報処理装置を用いることができる。
データ受信部65’は、無線通信回線を介して濡れデータ取得装置500から送信された濡れデータ及び加速度センサー34の傾きデータを受信する。この濡れデータ及び加速度センサー34の傾きデータは、装着状態情報提示装置600のデータベース66’内に記憶される。
本実施形態の装着状態情報提示装置600における装着状態判定部61’は、データ受信部65’により受信して、データベース66’内に記憶された濡れデータ及び加速度センサー34の傾きデータに基づき、濡れ時刻における吸収性物品10の傾き及び位置ずれを判定する。そして、同装置600における情報出力部64’は、前記濡れデータに含まれる濡れ時刻の情報、並びに加速度センサー34の傾きデータに基づいて前記装着状態判定部61’が判定した吸収性物品10の傾き及び位置ずれの情報を、濡れ時の装着状態の情報として、濡れデータ取得装置500の表示部501等に出力する。また、装着状態情報提示装置600の表示部601(
図15参照)に同様の内容を表示してもよい。
装着状態情報提示装置600の情報出力部64’が出力する情報は、前記濡れ時の装着状態の情報以外に、前述の濡れ情報テーブル95、生活情報テーブル97又は着用者情報テーブル98に保存される情報を出力することが好ましい。前述の濡れ情報テーブル95、生活情報テーブル97又は着用者情報テーブル98に保存される情報は、濡れデータ取得装置500及び装着状態情報提示装置600は、少なくとも何れか一方のデータベース57’,66’内に記憶することができる。
【0094】
濡れデータ取得装置500及び装着状態情報提示装置600の少なくとも何れか一方は、インピーダンスの経時的な変化量を演算する機能を有していても良い。インピーダンスの変化量を演算する機能とは、該インピーダンスの変化量から尿吸収量を演算する機能、即ち前述した尿吸収量演算部53が具備する機能である。例えば、装着状態情報提示装置600は、前述の演算機能を有さずに、濡れデータ取得装置500から尿吸収量の情報を受信するよう構成されていても良い。また、濡れデータ取得装置500は、前述の演算機能を有さずに、インピーダンスの変化量の情報を装着状態情報提示装置600に送信し、該装着状態情報提示装置600が、インピーダンスの変化量を尿吸収量に算出するよう構成されていても良い。
【0095】
情報出力部64’は、前述した吸収性物品10の装着状態等の情報を、無線通信回線を介して、濡れデータ取得装置500が備える表示部501等に出力する。情報出力部64が前記情報を出力する出力先は、濡れデータ取得装置500及び装着状態情報提示装置600の少なくとも何れか一方であることが好ましい。
【0096】
次に本発明の好ましい一実施形態に係る排尿タイプ分け提案装置700について説明する。本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700(
図17参照)は、尿を吸収する吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定された、吸収性物品10における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶部701と、吸収性物品10に取り付けられた加速度センサー34によって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶部702と、排尿タイプ判定部703と、排尿態様判定部704と、動きタイプ判定部705と、提案表示部706とを含んでいる。排尿タイプ判定部703は、排尿データ記憶部701に記憶されたデータに基づいて、1日の排尿量が多いAタイプと、1日の排尿回数が多いBタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が適正なCタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が少ないDタイプとに、着用者をタイプ分けする。排尿態様判定部704は、排尿データ記憶部701に記憶されたデータに基づいて、排尿回数が夜に多い排尿夜型タイプと、排尿回数が日中に多い排尿日中型タイプと、一日中排尿が行われている排尿一日中型タイプとに、着用者をタイプ分けする。動きタイプ判定部705は、傾きデータ記憶部702に記憶されたデータに基づいて、動きが日中に多い動き日中型タイプと、動きが夜に多い動き夜型タイプと、1日中動きが少ない動き1日傾眠型タイプとに、着用者をタイプ分けする。提案表示部706は、排尿タイプ判定部703、排尿態様判定部704、及び動きタイプ判定部705で各々タイプ分けされたタイプを掛け合わせて得られた、各々の掛け合わせタイプに対応するアドバイスを、アドバイス項目記憶部(タイプ分け情報テーブル)707から取り出して表示する。
【0097】
排尿データ記憶部701は、上述の吸収性物品の当て方提案装置1の排尿データ記憶部50と同様の構成を備えている。傾きデータ記憶部702は、上述の吸収性物品の当て方提案装置1の傾きデータ記憶部60と同様の構成を備えている。
【0098】
排尿タイプ判定部703は、着用者の排尿の特徴を見つける機能を備えており、排尿データ記憶部701によって記憶されたデータに基づいて、1日の排尿量が多いAタイプと、1日の排尿回数が多いBタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が適正なCタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が少ないDタイプとに、着用者をタイプ分けする。排尿タイプ判定部703は改善アドバイス記憶部703aを備えている。改善アドバイス記憶部703aは、例えば介護者によって入力された、タイプ分けされた着用者に適した改善アドバイス情報を、データベース90のタイプ分け情報テーブル707に記憶させることができる。
【0099】
排尿タイプ判定部703でタイプ分けされた着用者に適した改善アドバイス情報は、1日の排尿量が多いAタイプの着用者に対しては、例えば「吸収量が多いようです。水分を取り過ぎていませんか?量が多い原因を調べて貰いましょう!」であり、1日の排尿回数が多いBタイプの着用者に対しては、例えば「1日の吸収回数が多いようです。心配なことやストレスはありませんか?」であり、1日の排尿量及び排尿回数が適正なCタイプの着用者に対しては、例えば「排尿量、回数ともに良いようです。この状態を維持して行きましょう!」であり、1日の排尿量及び排尿回数が少ないDタイプの着用者に対しては、例えば「排尿量、回数が少ないようです。水分はとっていますか?原因を調べて貰いましょう!」である。
【0100】
排尿態様判定部704は、着用者の排尿の様子から、最適なパッドやケア商品を提案する機能を備えており、排尿データ記憶部701によって記憶されたデータに基づいて、排尿回数が夜に多い排尿夜型タイプと、排尿回数が日中に多い排尿日中型タイプと、一日中排尿が行われている排尿一日中型タイプとに、着用者をタイプ分けする。排尿態様判定部704は、改善アドバイス記憶部704aを備えている。改善アドバイス記憶部704aは、例えば介護者によって入力された、タイプ分けされた着用者に適した改善アドバイス情報を、データベース90のタイプ分け情報テーブル707に記憶させることができる。
【0101】
排尿態様判定部704でタイプ分けされた着用者に適した改善アドバイス情報は、排尿回数が夜に多い排尿夜型タイプの着用者に対しては、例えば「寝る前の飲水量や、日中の活動、足浴、温める等工夫してみましょう!日中布パンツを検討してみては!また、原因を調べてみましょう!」であり、排尿回数が日中に多い排尿日中型タイプの着用者に対しては、例えば「このままの状態を維持していきましょう!」であり、一日中排尿が行われている排尿一日中型タイプの着用者に対しては、例えば「快適に過ごせるよう、パッドや交換時間を工夫しましょう。また、肌トラブル防止にケア剤の活用も工夫しましょう!また、原因を調べてもらいましょう!」である。
【0102】
動きタイプ判定部705は、着用者の動きの様子から、着用者の過ごし方を提案する機能を備えており、傾きデータ記憶部702によって記憶されたデータに基づいて、動きが日中に多い動き日中型タイプと、動きが夜に多い動き夜型タイプと、1日中動きが少ない動き1日傾眠型タイプとに、着用者をタイプ分けする。動きタイプ判定部705は、改善アドバイス記憶部705aを備えている。改善アドバイス記憶部705aは、例えば介護者によって入力された、タイプ分けされた着用者に適した改善アドバイス情報を、データベース90のタイプ分け情報テーブル707に記憶させることができる。
【0103】
動きタイプ判定部705でタイプ分けされた着用者に適した改善アドバイス情報は、動きが日中に多い動き日中型タイプの着用者に対しては、例えば「そのまま維持しましょう!」であり、動きが夜に多い動き夜型タイプの着用者に対しては、例えば「ブライトケアや日中の活動UP等の工夫をしましょう!」であり、1日中動きが少ない動き1日傾眠型タイプの着用者に対しては、例えば「昼の声掛け等、夜のメリハリがつくように工夫しましょう!」である。
【0104】
提案表示部706は、排尿タイプ判定部703、排尿態様判定部704、及び動きタイプ判定部705で各々タイプ分けされたタイプを掛け合わせて得られた、各々の掛け合わせタイプに対応するアドバイスを、アドバイス項目記憶部であるデータベースのタイプ分け情報テーブル707から取り出して、各々の改善アドバイス記憶部703a,704a,705aによって記憶された改善アドバイス情報を、各々の掛け合わせタイプに適するように適切に掛け合わせた状態で、提案表示部706によって表示部に表示させることができる。
【0105】
これらによって、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700によれば、排尿タイプ、排尿様態、動きタイプの組合せによる着用者の排尿や動きの情報から、着用者の生活の様子を推定して、生活に関する情報を提案することができる。このように、介護者に着用者の生活の質の向上に役立つ情報を提案することができる。
【0106】
また、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700は、タイプ分け表示部708を含んでいる。タイプ分け表示部708は、吸収性物品を着用する着用者が、排尿タイプ判定部703、排尿態様判定部704、及び動きタイプ判定部705で各々タイプ分けされたいずれのタイプに属するかを、例えば
図18に示すチャートによって、まとめて表示できる。
【0107】
図18に示すチャートは、横軸は一日の吸収量すなわち一日の総排尿量、縦軸は一日の排尿回数となっており、特定の着用者がチャート内のどこに位置するかによって、排尿のタイプを判別することが可能である。すなわち、
図18に示すチャートでは、排尿タイプ判定部703でタイプ分けされた、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、及びDタイプは、例えばこれらが属する区画されたAタイプゾーン、Bタイプゾーン、Cタイプゾーン、及びDタイプゾーンによって、一見してこれらのタイプを識別できるようになっている。排尿態様判定部704でタイプ分けされた排尿夜型タイプ、排尿日中型タイプ、及び排尿一日中型タイプは、例えば排尿夜型タイプを星印、排尿日中型タイプを丸印、排尿一日中型タイプを四角印として各々表示することによって、一見してこれらのタイプを識別できるようになっている。動きタイプ判定部705でタイプ分けされた、動き日中型タイプ、動き夜型タイプ、及び1日傾眠型タイプは、例えば動き日中型タイプを白色、動き夜型タイプを黒色、1日傾眠型タイプを灰色に各々着色することによって、一見してこれらのタイプを識別できるようになっている。
【0108】
吸収性物品を着用する着用者が、排尿タイプ判定部703、排尿態様判定部704、及び動きタイプ判定部705で各々タイプ分けされたいずれのタイプに属するかを、まとめて表示することにより、着用者のタイプが一目でわかるとともに、タイプ間の境界にある等の、着用者の状態を細かく把握でき、着用者の生活改善の手法の検討を容易に行うことが可能になる。
【0109】
次に、本発明の好ましい一実施形態に係る排尿タイプ分け提案方法を、前述の排尿タイプ分け提案装置700を用いて行う実施形態を例に、
図19のフローチャートを参照しながら説明する。本実施形態の吸収性物品の当て方提案方法は、尿を吸収する吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定された、吸収性物品10における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶ステップS11と、吸収性物品10に取り付けられた加速度センサー34によって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶ステップS12と、排尿タイプ判定ステップS13と、排尿態様判定ステップS14と、動きタイプ判定ステップS15と、提案表示ステップS16とを含んでいる。排尿タイプ判定ステップS13は、排尿データ記憶ステップS11で記憶されたデータに基づいて、1日の排尿量が多いタイプと、1日の排尿回数が多いタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が適正なタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が少ないタイプとに、着用者をタイプ分けする。排尿態様判定ステップS14は、排尿データ記憶ステップS11で記憶されたデータに基づいて、排尿回数が夜に多い夜型タイプと、排尿回数が日中に多い日中型タイプと、一日中排尿が行われている一日中型タイプとに、着用者をタイプ分けする。動きタイプ判定ステップS15は、傾きデータ記憶ステップS12で記憶されたデータに基づいて、動きが日中に多い日中型タイプと、動きが夜に多い夜型タイプと、1日中動きが少ない1日傾眠型タイプとに、着用者をタイプ分けする。提案表示ステップS16は、排尿タイプ判定ステップS13、排尿態様判定ステップS14、及び動きタイプ判定ステップS15で各々タイプ分けされたタイプを掛け合わせて得られた、各々の掛け合わせタイプに対応するアドバイスを、アドバイス項目記憶部であるタイプ分け情報テーブル707から取り出して表示する。
【0110】
また、本実施形態の排尿タイプ分け提案方法では、好ましくはタイプ分け表示ステップS17を含んでおり、タイプ分け表示ステップS17は、吸収性物品10を着用する着用者が、排尿タイプ判定ステップS13、排尿態様判定ステップS14、及び動きタイプ判定ステップS15で各々タイプ分けされたいずれのタイプに属するかを、まとめて表示する。
【0111】
本実施形態の排尿タイプ分け提案方法により、着用者の排尿タイプ、排尿態様、動きタイプを一目で把握でき、着用者の課題の把握と対応策の策定が容易となる。排尿データ記憶ステップS11は、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700の排尿データ記憶部701によって行われる。傾きデータ記憶ステップS12は、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700の傾きデータ記憶部702によって行われる。排尿タイプ判定ステップS13は、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700の排尿タイプ判定部703によって行われる。排尿態様判定ステップS14は、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700の排尿態様判定部704によって行われる。動きタイプ判定ステップS15は、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700の動きタイプ判定部705によって行われる。提案表示ステップS16は、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700の動きタイプ判定部705によって行われる。タイプ分け表示ステップS17は、本実施形態の排尿タイプ分け提案装置700のタイプ分け表示部708によって行われる。
【0112】
次に本発明の好ましい一実施形態に係る肌トラブル対処方提案装置800について説明する。本実施形態の肌トラブル対処方提案装置800(
図20参照)は、尿を吸収する吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定された、吸収性物品10における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶部801と、吸収性物品10に取り付けられた加速度センサー34によって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶部802と、最初排尿後経過時間判定部803と、最初排尿後姿勢判定部804と、肌トラブル対処方法提案部805とを含んでいる。最初排尿後経過時間判定部803は、排尿データ記憶部801に記憶されたデータに基づいて、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、予め設定された所定の時間を経過したか否かを判定する。最初排尿後姿勢判定部804は、傾きデータ記憶部802に記憶されたデータに基づいて、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された所定の時間が経過したか否かを判定する。肌トラブル対処方法提案部805は、最初排尿後姿勢判定部804によって判定された、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された所定の時間を経過したか否かに応じた対処方法を、対処方法記憶部(最初排尿後情報テーブル)806から取り出して提案する。
【0113】
排尿データ記憶部801は、上述の吸収性物品の当て方提案装置1の排尿データ記憶部50と同様の構成を備えている。傾きデータ記憶部802は、上述の吸収性物品の当て方提案装置1の傾きデータ記憶部60と同様の構成を備えている。
【0114】
最初排尿後経過時間判定部803は、排尿データ記憶部801に記憶されたデータに基づいて、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、次に吸収性物品10が交換されるまでの時間として、予め設定された例えば3時間の所定の時間を経過したか否かを判定する。最初に排尿が吸収されてから例えば3時間の所定の時間を経過した場合と経過していない場合の双方について、最初排尿後姿勢判定部804によって、その間に姿勢の変更があったか否かを判定する。
【0115】
最初排尿後姿勢判定部804は、傾きデータ記憶部802に記憶されたデータに基づいて、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された例えば3時間の所定の時間が経過したか否かを判定する。すなわち、最初排尿後姿勢判定部804は、最初排尿後経過時間判定部803で、最初に排尿が吸収されてから例えば3時間の所定の時間を経過していないと判定された場合には、その間に姿勢の変更があったか否かを判定し、姿勢の変更あっと判定されたら、肌トラブルの危険がないとして、肌トラブル対処方法提案部805によって、肌トラブルの危険がない旨を表示させる。その間に姿勢の変更がないと判定されたら、例えば圧迫による肌トラブルの危険があるとして、肌トラブル対処方法提案部805によって、例えば介護者に体位の変換を促す提案を表示させる。
【0116】
また、最初排尿後姿勢判定部804は、最初排尿後経過時間判定部803によって最初に排尿が吸収されてから、例えば3時間の所定の時間を経過したと判定された場合には、例えば
図21に示す尿吸収量とおむつの傾きとの時系列情報において、その間に姿勢の変更があったか否かを判定する。
図21に示す9時から13時までの時間帯では、9時に最初の排尿が確認されてから、次に吸収性物品10が交換される13時まで4時間の間、着用者は座ったままの同じ状態を保持しており、したがって着用者が同じ姿勢を保持した状態で、3時間の所定の時間が経過したと判断される。このような場合には、例えば褥瘡による肌トラブルの危険があるとして、肌トラブル対処方法提案部805によって、例えば着用者の姿勢を変えさせるよう促す警報を、例えば表示者向けに表示させる。
図21に示す23時30分から3時45分までの時間帯では、23時30分に排尿が確認されてから、吸収性物品10が交換されないまま3時間以上経過しているが、着用者は、右向きに寝た状態からリクライニング程度に姿勢を変更させている。このような場合も、例えば湿潤による肌トラブルの危険があるとして、肌トラブル対処方法提案部805によって、例えば介護者に向けた保護オイルの塗布を促す提案を表示させる。
【0117】
これらによって、本実施形態の肌トラブル対処方提案装置800によれば、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、同じ姿勢で長時間過ごすことで、肌荒れなどにつながり易くなるのを、効果的に回避することが可能になると共に、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、同じ姿勢を長時間保持した場合でも、肌ケアのための適切なアドバイスを提示することが可能になる。
【0118】
次に、本発明の好ましい一実施形態に係る肌トラブル対処方提案方法を、前述の肌トラブル対処方提案装置800を用いて行う実施形態を例に、
図22のフローチャートを参照しながら説明する。本実施形態の肌トラブル対処方提案方法は、尿を吸収する吸収性物品10に取り付けられた排尿センサー20によって測定された、吸収性物品10における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶ステップS21と、吸収性物品10に取り付けられた加速度センサー34によって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶ステップS22と、最初排尿後経過時間判定ステップS23と、最初排尿後姿勢判定ステップS24と、肌トラブル対処方法提案ステップS25とを含んでいる。最初排尿後経過時間判定ステップS23は、排尿データ記憶ステップS21で記憶されたデータに基づいて、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、予め設定された所定の時間を経過したか否かを判定する。最初排尿後姿勢判定ステップS24は、傾きデータ記憶部802で記憶されたデータに基づいて、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された所定の時間が経過したか否かを判定する。肌トラブル対処方法提案ステップS25は、最初排尿後姿勢判定ステップS24によって判定された、吸収性物品10を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された所定の時間を経過したか否かに応じた対処方法を、対処方法記憶部806から取り出して提案する。
【0119】
本実施形態の肌トラブル対処方提案方法によれば、上述の肌トラブル対処方提案装置800と同様の作用効果が奏される。排尿データ記憶ステップS21は、本実施形態の肌トラブル対処方提案装置800の排尿データ記憶部801によって行われる。傾きデータ記憶ステップS22は、本実施形態の肌トラブル対処方提案装置800の傾きデータ記憶部802によって行われる。最初排尿後経過時間判定ステップS23は、本実施形態の肌トラブル対処方提案装置800の最初排尿後経過時間判定部803によって行われる。最初排尿後姿勢判定ステップS24は、本実施形態の肌トラブル対処方提案装置800の最初排尿後姿勢判定部804によって行われる。肌トラブル対処方法提案ステップS25は、本実施形態の肌トラブル対処方提案装置800の肌トラブル対処方法提案部805によって行われる。
【0120】
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の吸収性物品の当て方提案装置1は、データ取得部41を具備しておらず、インピーダンス変化量のデータを、当て方提案装置1である情報処理装置100とは別の情報処理装置400が取得していたが、当て方提案装置1自体がデータ取得部41を具備しており、該当て方提案装置1が、インピーダンス変化量のデータを取得しても良い。
【0121】
上述した本発明の実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品の当て方提案装置、吸収性物品の当て方提案方法、排尿タイプ分け提案装置、排尿タイプ分け提案方法、肌トラブル対処方提案装置、及び肌トラブル対処方提案方法を開示する。
【0122】
<1> 尿を吸収する吸収性物品に取り付けられた排尿センサーによって測定された、前記吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶部と、前記吸収性物品に取り付けられた加速度センサーによって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶部と、前記排尿データ記憶部及び前記傾きデータ記憶部に記憶されているデータから、排尿時における着用者の姿勢を判定する姿勢判定部と、吸収性物品の交換時における着用者への吸収性物品の当て方をアドバイスする当て方提案部とを含んでおり、
該当て方提案部は、介護者によって入力された、前記吸収性物品からの尿漏れを確認した時刻に基づいて、当該尿漏れを生じた前記吸収性物品が着用されている時間帯を特定すると共に、前記排尿データ記憶部及び前記傾きデータ記憶部に記憶されているデータに基づいて、前記姿勢判定部で判定された当該時間帯における排尿時の着用者の姿勢から、当該時間帯において前記吸収性物品から尿漏れを生じた場所を推定して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品の当て方をアドバイスする吸収性物品の当て方提案装置。
【0123】
<2> 前記当て方提案部は、前記傾きデータ記憶部に記憶された当該時間帯における前記傾きデータから、当該時間帯における前記吸収性物品のズレの有無を推定して、ズレを生じていると推定された場合の提案も含めて、吸収性物品の当て方をアドバイスする、前記<1>に記載の吸収性物品の当て方提案装置。
【0124】
<3> 推定された前記吸収性物品から尿漏れを生じた場所に対応する、吸収性物品の当て方に関するアドバイス項目を記憶するアドバイス項目記憶部を備えており、前記当て方提案部は、前記アドバイス項目記憶部に記憶されたアドバイス項目を選択して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品の当て方をアドバイスする、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品の当て方提案装置。
【0125】
<4> 前記傾きデータおよび前記排尿データは、0.1〜60秒ごとに保存されている、前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の吸収性物品の当て方提案装置。
【0126】
<5> 前記傾きデータおよび前記排尿データは、0.1〜10秒ごとに保存されている、前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の吸収性物品の当て方提案装置。
【0127】
<6> 前記加速度センサーは、前記吸収性物品の腹側に取り付けられている、前記<1>〜<5>のいずれか1に記載の吸収性物品の当て方提案装置。
【0128】
<7> 尿を吸収する吸収性物品に取り付けられた排尿センサーによって測定された、前記吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶ステップと、前記吸収性物品に取り付けられた加速度センサーによって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶ステップと、前記排尿データ記憶ステップ及び前記傾きデータ記憶ステップで記憶されたデータから、排尿時における着用者の姿勢を判定する姿勢判定ステップと、吸収性物品の交換時における着用者への吸収性物品の当て方をアドバイスする当て方提案ステップとを含んでおり、
該当て方提案ステップは、介護者によって入力された、前記吸収性物品からの尿漏れを確認した時刻に基づいて、当該尿漏れを生じた前記吸収性物品が着用されている時間帯を特定すると共に、前記排尿データ記憶ステップ及び前記傾きデータ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、前記姿勢判定ステップで判定された当該時間帯における排尿時の着用者の姿勢から、当該時間帯において前記吸収性物品から尿漏れを生じた場所を推定して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品の当て方をアドバイスする吸収性物品の当て方提案方法。
【0129】
<8> 前記当て方提案ステップは、前記傾きデータ記憶ステップで記憶された当該時間帯における前記傾きデータから、当該時間帯における前記吸収性物品のズレの有無を推定して、ズレを生じていると推定された場合の提案も含めて、吸収性物品の当て方をアドバイスする、前記<7>に記載の吸収性物品の当て方提案方法。
【0130】
<9> 推定された前記吸収性物品から尿漏れを生じた場所に対応する、吸収性物品の当て方に関するアドバイス項目を記憶するアドバイス項目記憶ステップを備えており、前記当て方提案ステップでは、前記アドバイス項目記憶ステップで記憶されたアドバイス項目を選択して、推定された場所から尿漏れが生じないような吸収性物品の当て方をアドバイスする、前記<7>又は<8>に記載の吸収性物品の当て方提案方法。
【0131】
<10> 前記傾きデータ記憶ステップおよび前記排尿データ記憶ステップでは、0.1〜60秒ごとの前記傾きデータおよび前記排尿データを記憶する、前記<7>〜<9>のいずれか1に記載の吸収性物品の当て方提案方法。
【0132】
<11> 前記傾きデータ記憶ステップおよび前記排尿データ記憶ステップでは、0.1〜10秒ごとの前記傾きデータおよび前記排尿データを記憶する、前記<7>〜<9>のいずれか1に記載の吸収性物品の当て方提案方法。
【0133】
<12> 前記加速度センサーは、前記吸収性物品の腹側に取り付けられている、前記<7>〜<11>のいずれか1に記載の吸収性物品の当て方提案方法。
【0134】
<13> 尿を吸収する吸収性物品に取り付けられた排尿センサーによって測定された、前記吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶部と、前記吸収性物品に取り付けられた加速度センサーによって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶部と、排尿タイプ判定部と、排尿態様判定部と、動きタイプ判定部と、提案表示部とを含んでおり、
前記排尿タイプ判定部は、前記排尿データ記憶部に記憶されたデータに基づいて、1日の排尿量が多いタイプと、1日の排尿回数が多いタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が適正なタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が少ないタイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記排尿態様判定部は、前記排尿データ記憶部に記憶されたデータに基づいて、排尿回数が夜に多い夜型タイプと、排尿回数が日中に多い日中型タイプと、一日中排尿が行われている一日中型タイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記動きタイプ判定部は、前記傾きデータ記憶部に記憶されたデータに基づいて、動きが日中に多い日中型タイプと、動きが夜に多い夜型タイプと、1日中動きが少ない1日傾眠型タイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記提案表示部は、前記排尿タイプ判定部、前記排尿態様判定部、及び前記動きタイプ判定部で各々タイプ分けされたタイプを掛け合わせて得られた、各々の掛け合わせタイプに対応するアドバイスを、アドバイス項目記憶部から取り出して表示する排尿タイプ分け提案装置。
【0135】
<14> タイプ分け表示部を含んでおり、該タイプ分け表示部は、前記吸収性物品を着用する着用者が、前記排尿タイプ判定部、前記排尿態様判定部、及び前記動きタイプ判定部で各々タイプ分けされたいずれのタイプに属するかを、まとめて表示できる前記<13>に記載の排尿タイプ分け提案装置。
【0136】
<15> 前記傾きデータおよび前記排尿データは、0.1〜60秒ごとに保存されている、前記<13>又は<14>に記載の排尿タイプ分け提案装置。
【0137】
<16> 前記傾きデータおよび前記排尿データは、0.1〜10秒ごとに保存されている、前記<13>又は<14>に記載の排尿タイプ分け提案装置。
【0138】
<17> 前記加速度センサーは、前記吸収性物品の腹側に取り付けられている、前記<13>〜<16>のいずれか1に記載の排尿タイプ分け提案装置。
【0139】
<18> 尿を吸収する吸収性物品に取り付けられた排尿センサーによって測定された、前記吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶ステップと、前記吸収性物品に取り付けられた加速度センサーによって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶ステップと、排尿タイプ判定ステップと、排尿態様判定ステップと、動きタイプ判定ステップと、提案表示ステップとを含んでおり、
前記排尿タイプ判定ステップは、前記排尿データ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、1日の排尿量が多いタイプと、1日の排尿回数が多いタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が適正なタイプと、1日の排尿量及び排尿回数が少ないタイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記排尿態様判定ステップは、前記排尿データ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、排尿回数が夜に多い夜型タイプと、排尿回数が日中に多い日中型タイプと、一日中排尿が行われている一日中型タイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記動きタイプ判定ステップは、前記傾きデータ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、動きが日中に多い日中型タイプと、動きが夜に多い夜型タイプと、1日中動きが少ない1日傾眠型タイプとに、着用者をタイプ分けし、
前記提案表示ステップは、前記排尿タイプ判定ステップ、前記排尿態様判定ステップ、及び前記動きタイプ判定ステップで各々タイプ分けされたタイプを掛け合わせて得られた、各々の掛け合わせタイプに対応するアドバイスを、アドバイス項目記憶部から取り出して表示する排尿タイプ分け提案方法。
【0140】
<19> タイプ分け表示ステップを含んでおり、該タイプ分け表示ステップは、前記吸収性物品を着用する着用者が、前記排尿タイプ判定ステップ、前記排尿態様判定ステップ、及び前記動きタイプ判定ステップで各々タイプ分けされたいずれのタイプに属するかを、まとめて表示する、前記<18>に記載の排尿タイプ分け提案方法。
【0141】
<20> 前記傾きデータ記憶ステップおよび前記排尿データ記憶ステップでは、0.1〜60秒ごとの前記傾きデータおよび前記排尿データを記憶する、前記<18>又は<19>に記載の排尿タイプ分け提案方法。
【0142】
<21> 前記傾きデータ記憶ステップおよび前記排尿データ記憶ステップでは、0.1〜10秒ごとの前記傾きデータおよび前記排尿データを記憶する、前記<18>又は<19>に記載の排尿タイプ分け提案方法。
【0143】
<22> 前記加速度センサーは、前記吸収性物品の腹側に取り付けられている、前記<18>〜<21>のいずれか1に記載の排尿タイプ分け提案方法。
【0144】
<23> 尿を吸収する吸収性物品に取り付けられた排尿センサーによって測定された、前記吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶部と、前記吸収性物品に取り付けられた加速度センサーによって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶部と、最初排尿後経過時間判定部と、最初排尿後姿勢判定部と、肌トラブル対処方法提案部とを含んでおり、
前記最初排尿後経過時間判定部は、前記排尿データ記憶部に記憶されたデータに基づいて、吸収性物品を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、予め設定された所定の時間を経過したか否かを判定し、
前記最初排尿後姿勢判定部は、前記傾きデータ記憶部に記憶されたデータに基づいて、吸収性物品を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された所定の時間が経過したか否かを判定し、
前記肌トラブル対処方法提案部は、前記最初排尿後姿勢判定部によって判定された、吸収性物品を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された所定の時間を経過したか否かに応じた対処方法を、対処方法記憶部から取り出して提案する肌トラブル対処方提案装置。
【0145】
<24> 前記傾きデータおよび前記排尿データは、0.1〜60秒ごとに保存されている、前記<23>に記載の肌トラブル対処方提案装置。
【0146】
<25> 前記傾きデータおよび前記排尿データは、0.1〜10秒ごとに保存されている、前記<23>に記載の肌トラブル対処方提案装置。
【0147】
<26> 前記加速度センサーは、前記吸収性物品の腹側に取り付けられている、前記<23>〜<25>のいずれか1に記載の肌トラブル対処方提案装置。
【0148】
<27> 尿を吸収する吸収性物品に取り付けられた排尿センサーによって測定された、前記吸収性物品における尿の濡れ広がりによるインピーダンス変化に基づく着用者の排尿データを、排尿時刻データと共に記憶する排尿データ記憶ステップと、前記吸収性物品に取り付けられた加速度センサーによって測定された傾きデータを、時刻データと共に記憶する傾きデータ記憶ステップと、最初排尿後経過時間判定ステップと、最初排尿後姿勢判定ステップと、肌トラブル対処方法提案ステップとを含んでおり、
前記最初排尿後経過時間判定ステップは、前記排尿データ記憶ステップで記憶されたデータに基づいて、吸収性物品を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、予め設定された所定の時間を経過したか否かを判定し、
前記最初排尿後姿勢判定ステップは、前記傾きデータ記憶部で記憶されたデータに基づいて、吸収性物品を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された所定の時間が経過したか否かを判定し、
前記肌トラブル対処方法提案ステップは、前記最初排尿後姿勢判定ステップによって判定された、吸収性物品を交換した後に最初に排尿が吸収されてから、着用者が同じ姿勢を保持した状態で、予め設定された所定の時間を経過したか否かに応じた対処方法を、対処方法記憶部から取り出して提案する肌トラブル対処方提案方法。
【0149】
<28> 前記傾きデータ記憶ステップおよび前記排尿データ記憶ステップでは、0.1〜60秒ごとの前記傾きデータおよび前記排尿データを記憶する、前記<27>に記載の肌トラブル対処方提案方法。
【0150】
<29> 前記傾きデータ記憶ステップおよび前記排尿データ記憶ステップでは、0.1〜10秒ごとの前記傾きデータおよび前記排尿データを記憶する、前記<27>に記載の肌トラブル対処方提案方法。
【0151】
<30> 前記加速度センサーは、前記吸収性物品の腹側に取り付けられている、前記<27>〜<29>のいずれか1に記載の肌トラブル対処方提案方法。