(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記記録指示の回数または長さが所定の回数または長さ未満の場合には、前記第1の時間を変更しないことを特徴とする請求項1に記載の生体信号記録装置。
前記制御手段は、前記記録指示の回数または長さが予め定められた上限値に達すると、前記第1の時間の変更を行わないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の生体信号記録装置。
前記制御手段は、前記第1の時間が前記第2の時間より大きい場合、前記第2の時間を前記第1の時間以上となるように変更することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の生体信号記録装置。
前記制御手段は、前記記録指示が1回もしくは前記記録指示の長さが予め定められた長さ未満の場合、予め設定されている前記第1の時間を用いて前記生体信号を記録することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の生体信号記録装置。
前記制御手段は、前記記録指示を複数回検出した場合、前記記録指示の最初の検出から前記第1の時間遡った時刻以降の生体信号を記録することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の生体信号記録装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の例示的な実施形態について詳細に説明する。以下では、本発明に係る生体信号記録装置の一例としての心電計の実施形態について説明するが、本発明は生体信号を記録可能な任意の電子機器に適用可能である。このような電子機器には心電計やモニタ装置といった医療機器はもちろん、適切なアプリケーションソフトウェアが稼働するコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなど)も含まれる。
【0010】
(心電計の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る心電計100の構成例を示すブロック図である。
電極群110は、例えば四肢電極(4つ)および胸部電極(6つ)からなる。電極群110が有する電極の種類や数は、心電計100で計測する心電図信号(誘導)の種類および数によって決まる。
【0011】
電極群110(心電図電極)は心電計100の入力部111が備えるコネクタに接続される。入力部111は例えば保護回路、誘導選択器、増幅回路などを有し、予め設定された種類と数の心電図信号を出力する。
A/D変換部112は、入力部111から出力される心電図信号のそれぞれをデジタル化し、心電図波形データとして出力する。入力部111とA/D変換部112はアナログフロントエンド(AFE)とも呼ばれる。
【0012】
フィルタ処理部113は、A/D変換部112を通じて入力される心電図波形データに対し、制御部120からの設定に従ってノイズ除去フィルタを適用する。本実施形態において、フィルタ処理部113は、一例として、筋電ノイズ除去フィルタ、ACノイズ除去フィルタ、およびドリフトノイズ除去フィルタを選択的に適用可能であるものとするが、フィルタ処理の種類や数はこれらに限定されない。
スピーカ114は、制御部120が例えば警告音や音声メッセージを出力するために用いる。
【0013】
制御部120は例えばROM、RAMおよびプログラマブルプロセッサを含み、ROMに記憶された制御プログラムをRAMに展開してプログラマブルプロセッサが実行することにより、心電計100全体の動作を制御する。ROMには制御プログラムのほか、各種の設定値やGUIデータなどが記憶されており、制御プログラムの実行時に適宜用いられる。また、ROMの少なくとも一部は書き換え可能であってよい。
【0014】
なお、例えばフィルタ処理部113は、制御部120が有するプログラマブルプロセッサがプログラムを実行することによって実現してもよいし、ASICやASSPなどのハードウェアで実現してもよい。フィルタ処理部113はハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実現してもよい。
【0015】
解析部1201は制御部120が実現する心電図波形データの自動解析機能に相当し、計測した心電図波形データに対して自動解析処理を適用する。自動解析処理は、大きく分けて計測処理と所見分類処理の2つに大別できる。計測処理は、心電図の区分点(P、QRS、T)を検出し、計測値(RーR間隔、STレベル、PQ、QRS幅、QT等)を求める処理である。また、所見分類処理は、計測値と予め判定された判定条件とから所見を決定する処理である。なお、ここで挙げた計測値は単なる例示であり、他の計測値を求めてもよい。
【0016】
カードスロット116にはメモリカードを着脱可能であり、制御部120は装着されたメモリカードに心電図検査データを記録したり、装着されたメモリカードから記録済みの心電図検査データを読み出したりすることができる。なお、心電図検査データは、心電図波形データおよび被検者情報のデータを含む。心電図波形データの自動解析を行った場合、検査データは自動解析結果のデータも含む。心電図検査データは所定のデータ形式で検査ごとに生成される。なお、心電図検査データは複数のデータファイルで構成されてもよいし、1つのデータファイルで構成されてもよい。
【0017】
操作部117はユーザ(医療関係者)が心電計100に各種設定や指示を入力する入力デバイスであり、ボタン、キー、タッチパネル(ソフトウェアキー)などが一般的に用いられるが、これらに限定されない。音声入力のような物理的な入力操作を必要としない入力方法がサポートされてもよい。操作部117は通常記録の開始指示・終了指示を与えるための通常記録ボタンと、レビュー記録指示を与えるためのレビュー記録ボタンとを有する。
【0018】
表示部118は、LCDなどの表示装置であり、制御部120の制御に従い、計測中の心電図、あるいはカードスロット116に装着されたメモリカードに記憶された心電図検査データに基づく心電図および/または解析レポートや、メニュー画面などを表示する。本実施形態において表示部118はタッチディスプレイであるものとする。
プリンタ119は、例えばサーマルプリンタであり、制御部120の制御に従い、心電図波形や解析レポートを所定のフォーマットで印刷出力する。
【0019】
電源部121は例えば二次電池や商用電源(ACアダプタ)であり、心電計100の各部へ電力を供給する。
【0020】
外部I/F123は外部機器を有線接続するための汎用インタフェースである。本実施形態において外部I/F123はUSB2.0規格に準拠したインタフェースであるものとするが、他の規格に準拠した汎用インタフェースであってもよい。また、外部I/F123の数は2つ以上であってもよい。外部I/F123にはUSB接続可能な任意の外部機器200(例えばUSBメモリやパーソナルコンピュータ)を接続可能である。
【0021】
このような構成を有する心電計100を用いて例えば心電図信号の計測及び記録を行う場合、心電計100の電源がONの状態で、被検者の体表面の所定の位置に電極群110の一端に設けられた電極パッドや電極クリップを取り付け、電極群110の他端に設けられたコネクタを入力部111に接続する。
【0022】
入力部111に電極群110が接続されると、検出された心電図信号が入力部111に入力され、A/D変換部112、フィルタ処理部113などの処理を経て心電図波形データとして制御部120に入力される。制御部120は内部のRAMの一部をバッファとして用い、直近の所定秒数分の心電図波形データを一時的に蓄積する。また、制御部120は、バッファ内の心電図波形データを用いて、表示部118への心電図の表示を開始する。
【0023】
本実施形態の心電計は少なくとも以下の計測モードを有する。
(1)12誘導自動計測モード
記録開始指示の入力時点から予め定められた期間(例えば10秒間)に計測された12誘導心電図信号について、自動解析結果を含んだ心電図検査データを記録するとともに、表示部118および/またはプリンタ119に出力する。
(2)12誘導手動計測モード
記録開始指示が入力されてから、記録停止指示が入力されるまで、12誘導のうち指定された一部の誘導の心電図波形をリアルタイムにプリンタ119から出力する。
(3)不整脈計測モード
12誘導のうち指定された3種類の誘導について、記録開始指示が入力されてから、予め定められた期間(例えば数分)に計測された誘導の波形をリアルタイムにプリンタ119から出力する。
(4)リズム計測モード
12誘導のうち指定された1種類の誘導について、記録開始指示が入力されてから、予め定められた期間(例えば数分)に計測された誘導の波形をリアルタイムにプリンタ119から出力する。
なお、これらの計測モードおよび動作は単なる例示であり、これらの全ての計測モードを有する必要はなく、また他の計測モードや動作も可能である。
【0024】
操作部117から記録開始指示が入力されると、制御部120は設定されている計測モードに応じた記録動作を実行し、設定された記録時間の経過、あるいは操作部117からの記録終了指示の入力を検出すると記録動作を終了する。
【0025】
自動解析処理を実行する場合、制御部120(解析部1201)は、バッファに蓄積された記録期間分の心電図波形データについて自動解析処理を実行する。制御部120は、心電図波形データとその自動解析結果のデータ、被検者情報のデータを含んだ検査データを生成し、カードスロット116に装着されたメモリカードあるいは外部I/F123に接続された外部機器200に記録する。
【0026】
なお、検査データのフォーマットに制限はなく、複数のデータファイルから構成されても、1つのデータファイルで構成されてもよい。例えば被検者情報と心電図波形データとを含んだデータファイルと、自動解析結果のデータとが別のデータファイルとして生成される場合、同じ検査に係る複数のデータファイルを判別できるように記録する。例えば、それぞれのデータファイルを同じフォルダに記録したり、同じファイル名で拡張子を異ならせて記録したりすることができる。また、検査データが1つのデータファイルで構成される場合、心電図波形データとその自動解析結果のデータ、被検者情報のデータを含んだデータファイルを生成する。これらは単なる例示であり、他の方法で検査データを生成してもよい。
【0027】
12誘導自動計測モードの場合、制御部120は、自動解析処理が終了すると、バッファに蓄積されている心電図波形とその自動解析結果とを所定のフォーマットで表示部118および/またはプリンタ119に出力する。
【0028】
(レビュー記録の説明)
本実施形態におけるレビュー記録動作を説明する前に、
図2を用いてレビュー記録の記録区間について説明する。
レビュー記録の記録区間(開始時刻と終了時刻)は、レビュー記録時間(第1の時間)と、自動記録時間(第2の時間)とによって定まる。具体的には、
・レビュー記録の開始時刻:レビュー記録指示を検出した時点から、レビュー記録時間遡った時刻
・レビュー記録の終了時刻:レビュー記録開始時刻から自動記録時間後の時刻
である。なお、自動記録時間は、12誘導自動計測モードにおける自動記録時間の設定値であるが、レビュー記録の実行は必ずしも12誘導自動計測モードで動作している場合に限定されない。他の計測モードで動作している場合でもレビュー記録を実行することができる。
【0029】
図2(a)は、レビュー記録時間が8秒、自動記録時間が10秒の場合のレビュー記録区間を示している。この場合、過去の8秒分の計測データと、記録指示後の2秒分の計測データとがレビュー記録される。
図2(b)は、レビュー記録時間、自動記録時間とも10秒の場合のレビュー記録区間を示している。この場合、過去の10秒分の計測データがレビュー記録され、記録指示後の計測データはレビュー記録されない。
図2(c)および(d)については、後で説明する。
【0030】
(検査画面)
図3(a)は、心電計100の記録スタンバイ時および記録時における画面(検査画面300)の例を示す図である。ここでは、被検者に電極が装着され、記録指示(通常記録またはレビュー記録)の入力待ち状態(記録スタンバイ時)であるものとする。
【0031】
検査画面300は、見出し領域301と、心電図領域302と、ファンクションキー領域303とを有する。
見出し領域301には、被検者情報や検査の種類、フィルタ処理部113で適用するフィルタの種類などが表示されるほか、メニューボタン304が配置されている。なお、見出し領域301に表示される情報の数や種類は単なる例示である。なお、表示画面内の「ボタン」「キー」は、ソフトウェアキーであり、本実施形態では画面に表示されるボタンやキーの画像の領域への所定のタッチ操作(例えばタップ操作)を、そのボタンやキーの操作として制御部120が認識するように構成されているものとする。従って、以下の説明における「キー」や「ボタン」への「操作」は、「キー」や「ボタン」の画像領域への所定のタッチ操作を意味する。ただし、ソフトウェアキーの操作はタッチ操作によるものに限定されない。例えばハードウェアキーやボタンの操作を、対応付けられたソフトウェアキーの操作と認識するように構成してもよい。
【0032】
心電図領域302には、計測中の誘導波形が所定のフォーマットでリアルタイムに表示される。表示される誘導波形の数や種類は設定されている計測モードに応じて異なる。
図3(a)では、12誘導自動計測モードでの表示例を示している。
【0033】
ファンクションキー領域303には、ユーザが心電計100に対して指示を与えるためのソフトウェアキーが配置される。ここでは、4つのファンクションキーF1〜F4と、ファンクションキー領域303に表示するファンクションキーの切り替えを指示するためのページ送りキー305が配置される。ファンクションキーは所謂ショートカットキーであり、ファンクションキーに割り当てられたメニュー項目をメニューの複数階層を辿ることなく直接呼び出すことができる。
【0034】
ファンクションキー領域303に表示されるファンクションキーF1〜F4の機能は、ページ送りキー305が操作されるごとに、例えばページ数が増加する方向に切り替わる(最大ページの次は最初のページに戻る)。
図3(b)については後述する。
【0035】
次に、
図4を参照して、本実施形態におけるレビュー記録処理について説明する。
図4のフローチャートに示す処理は、制御部120がROMに記憶された制御プログラムを実行することによって実現される。
【0036】
S401で制御部120は、例えば操作部117に含まれるレビュー記録ボタンの操作が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定されればS403に処理を進め、検出されたと判定されなければS401の処理を繰り返す。
【0037】
S403で制御部120は、ROMに記憶されているレビュー記録時間と自動記録時間の設定に従って、レビュー記録区間(記録開始時刻および記録終了時刻)を設定し、処理をS405に進める。
【0038】
S405で制御部120は、操作回数カウンタの値を1増やして処理をS407に進める。操作回数カウンタは例えばS401からS403に移行する際に0に初期化される変数であってよい。制御部120は操作回数カウンタの値を、自身が有するRAMの所定アドレスに記憶する。
【0039】
S407で制御部120は、直近にレビュー記録ボタンの操作を検出してから所定時間経過したか否かを判定し、経過したと判定されればS411に、経過したと判定されなければS409に処理を進める。本実施形態では、直近のレビュー記録ボタンの操作からの経過時間が所定時間未満である複数のレビュー記録ボタンの操作を、一連の操作と見なす。
【0040】
S409で制御部120はレビュー記録ボタンの操作が検出されたか否かを判定し、レビュー記録ボタンの操作が検出されたと判定されればS405に、検出されたと判定されなければS407に、処理を進める。
【0041】
S405〜S409の処理により、一連の操作と見なされるレビュー記録ボタンの操作回数が操作回数カウンタの値として得られる。
【0042】
S411で制御部120は、操作回数カウンタの値が2以上か否か(レビュー記録ボタンが2回以上操作されたか否か)を判定し、2以上と判定されればS413に、2以上と判定されなければS415に、処理を進める。
【0043】
S413で制御部120は、操作回数カウンタの値(レビュー記録ボタンの操作回数)に応じて、レビュー記録区間を変更して、処理をS415に進める。具体的には、制御部120は、操作回数カウンタの値が大きいほど、レビュー記録時間を長くする。ただし、レビュー記録時間が予め定めた上限値(例えばバッファに蓄積できる最大期間)に達した場合には、レビュー記録時間を上限値とする。なお、レビュー記録ボタンの操作が複数回検出された場合(操作回数カウンタの値が2以上の場合)であっても、レビュー記録区間の記録開始時刻は、レビュー記録ボタンの操作の最初の検出を基準として決定される。
【0044】
つまり、上限値を超えなければレビュー記録時間の設定値[秒]+(操作回数カウンタの値−1)×増分[秒]を変更後のレビュー記録時間とする。また、レビュー記録時間の設定値[秒]+(操作回数カウンタの値−1)×増分[秒]が上限値を超える場合には、変更後のレビュー記録時間を上限値に固定する。
【0045】
なお、レビュー記録時間の設定値とは無関係に、
初期値[秒]+(操作回数カウンタの値−1)×増分[秒]を変更後のレビュー記録時間としてもよい。この場合も、初期値[秒]+(操作回数カウンタの値−1)×増分[秒]が上限値を超える場合には変更後のレビュー記録時間を上限値に固定する。
【0046】
なお、レビュー記録時間が変更される場合、例えば
図3(b)に示すように、変更後のレビュー記録時間をユーザに知らせるメッセージを提示してもよい。また、確定後の変更後のレビュー記録時間を知らせるだけでなく、S403で操作回数カウンタの値を増やした際に、現在のカウンタ値に対応する変更後のレビュー記録時間を知らせてもよい。
【0047】
S415で制御部120は、レビュー記録時間が自動記録時間より長いか否かを判定し、長いと判定されればS417に、長いと判定されなければS419に、処理を進める。
【0048】
S417で制御部120は自動記録時間を延長する。具体的には、制御部120は、自動記録時間をレビュー記録時間以上となるようにする。ここで、S417の処理の意味について
図2(c)、(d)を用いて説明する。
【0049】
上述したように、レビュー記録区間は、レビュー記録時間と自動記録時間とによって定まる。そして、レビュー記録時間が自動記録時間より長い場合、レビュー記録指示の検出時の直前の計測データについて、レビュー記録されない区間が生じる。
【0050】
図2(c)は、レビュー記録時間が12秒、自動記録時間が10秒の場合のレビュー記録区間を示している。この場合、レビュー記録指示の検出時から12秒遡った時刻以降の10秒分がレビュー記録区間となる。したがって、レビュー記録指示の検出直前の2秒間の計測データはレビュー記録から漏れることになる。
【0051】
そのため、本実施形態では、レビュー記録時間が自動記録時間より長い場合には自動記録時間をレビュー記録時間以上になるように延長することで、レビュー記録指示の検出直前の区間がレビュー記録から漏れることを防止する。
図2(d)は、
図2(c)と同様にレビュー記録時間が12秒、自動記録時間が10秒の場合に、自動記録時間を12秒に延長した際のレビュー記録区間を示している。
【0052】
図4に戻り、S419で制御部120は、レビュー記録区間の計測データを格納した心電図データファイルを生成し、メモリカードまたは外部機器200に記録する。
【0053】
(変形例1)
本実施形態では、レビュー記録時間が自動記録時間より長い場合、自動記録時間をレビュー記録時間以上となるように延長した。レビュー記録時間が自動記録時間より長くなるのは、S413におけるレビュー記録区間の変更による場合だけでなく、もともとそのような値が設定されている場合もある。
【0054】
このような場合、通常のレビュー記録操作(レビュー記録ボタンの操作回数が1回)の場合において、
図2(c)に示したようなレビュー記録されない区間が発生する。そのため、自動記録時間より長いレビュー記録時間の設定自体を禁止するように構成することができる。
【0055】
図5(a)は自動記録時間とレビュー記録時間の設定画面例を示している。ここでは、各記録時間に設定する値を直接テキストボックスに入力する画面であるが、値の設定には他の任意の形式のユーザインタフェースを用いることができる。
【0056】
図5(a)でOKボタンが操作された際、制御部120は自動記録時間とレビュー記録時間の設定値を確認し、レビュー記録時間に自動記録時間より長い値が設定されている場合には
図5(b)に示すようなエラー画面を表示部118に表示することができる。これにより、レビュー記録時間に自動記録時間より長い値が設定されることを防止できる。
【0057】
なお、ユーザが意図的にレビュー記録時間に自動記録時間より長い値を設定したい場合を想定し、レビュー記録時間に自動記録時間より長い値を設定することを禁止する代わりに、
図5(c)に示すような警告(確認)画面を表示部118に表示してもよい。制御部120は、確認ボタンが操作されればユーザが意図的にレビュー記録時間に自動記録時間より長い値を設定しているとして、設定値をそのままとする。一方、再設定ボタンが操作された場合、制御部120は
図5(a)の設定画面を再度表示する。
【0058】
(変形例2)
上述の実施形態では一連の操作と見なされるレビュー記録指示の回数によってレビュー記録区間(レビュー記録時間)を変更する構成であった。しかし、レビュー記録指示の長さ(例えば記録指示の入力の継続検出時間)によってレビュー記録区間(レビュー記録時間)を変更するようにしてもよい。
【0059】
この場合、
図4のフローチャートに示した処理の一部を
図6に示すように変更すればよい。すなわち、レビュー記録ボタンの操作が検出された場合、制御部120はS601で検出継続カウンタの値を1増やす。検出継続カウンタはレビュー記録ボタンの操作が連続して検出される時間を計測するための1手段であり、タイマやフリーランカウンタなど他の構成を用いてもよい。
【0060】
S603で制御部120は、レビュー記録ボタンの操作が検出されなくなったか否かを判定し、検出されなくなったと判定されればS605へ処理を進め、検出されなくなったと判定されなければS601へ処理を戻す。
【0061】
S605で制御部120は継続操作カウンタの値が予め定められた閾値以上か否かを判定し、閾値以上と判定されればS607へ、閾値以上と判定されなければS415へ、処理を進める。ここで、制御部120は、継続操作カウンタの値(すなわち、記録指示の長さ)が閾値未満であれば、レビュー記録ボタンの操作が通常の(設定値に基づく)レビュー記録指示の実行指示と見なす。
【0062】
S607で制御部120は、継続操作カウンタの値(レビュー記録指示の長さ)に応じて、レビュー記録区間を変更して、処理をS415に進める。具体的には、制御部120は、継続操作カウンタの値が大きいほど、レビュー記録時間を長くする。ただし、レビュー記録時間が予め定めた上限値(例えばバッファに蓄積できる最大期間)に達した場合には、レビュー記録時間を上限値とする。
【0063】
つまり、上限値を超えなければレビュー記録時間の設定値[秒]+(継続操作カウンタの値−閾値)/単位時間に相当するカウンタ値×増分[秒]を変更後のレビュー記録時間とする。このように、制御部120は、記録指示の長さが単位時間に達するごとに一定時間(増分)ずつレビュー記録時間を延長することができる。なお、この場合も、算出した値が上限値を超える場合には、変更後のレビュー記録時間を上限値に固定する。
【0064】
なお、レビュー記録時間の設定値とは無関係に、
初期値[秒]+(継続操作カウンタの値−閾値)/単位時間に相当するカウンタ値×増分[秒]を変更後のレビュー記録時間としてもよい。この場合も、算出した値が上限値を超える場合には変更後のレビュー記録時間を上限値に固定する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態では、レビュー記録指示の回数や長さに応じてレビュー記録時間を変更するようにしたので、設定画面を呼び出して設定時間を変更するよりも容易である。また、本実施形態によるレビュー記録時間の変更は記憶されている設定値には影響を与えないので、設定値を元に戻す必要もない。さらに、従来と同様の操作に対しては設定値に従ったレビュー記録が実行されるので、ユーザを混乱させることもない。
【0066】
またレビュー記録時間が自動記録時間より長い値である場合には自動記録時間をレビュー記録時間以上となるように変更することにより、レビュー記録指示の直前の区間でレビュー記録されない区間が生じることを抑制できる。そのため、意図せずレビュー記録されないという事態を抑制できる。また、自動記録時間より長いレビュー記録時間の設定を禁止あるいは警告することで、レビュー記録指示の直前の区間でレビュー記録されない区間が発生する設定を回避したり、意図的な設定を許容したりすることができる。
【0067】
なお、本発明に係る生体情報処理装置は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンのような汎用情報処理装置に、上述した動作を実行させるプログラム(アプリケーションソフトウェア)として実現することもできる。従って、このようなプログラムおよび、プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等の光学記録媒体や、磁気ディスクのような磁気記録媒体、半導体メモリカードなど)もまた本発明を構成する。