特許第6826857号(P6826857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6826857-長尺体支持装置および支持方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6826857
(24)【登録日】2021年1月20日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】長尺体支持装置および支持方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 16/10 20060101AFI20210128BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20210128BHJP
   B65H 16/04 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   B65H16/10
   H01L21/68 N
   B65H16/04
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-199294(P2016-199294)
(22)【出願日】2016年10月7日
(65)【公開番号】特開2018-58694(P2018-58694A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 昌久
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−121874(JP,A)
【文献】 特開2003−063708(JP,A)
【文献】 特開2002−003023(JP,A)
【文献】 実開昭54−008504(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に孔を有するように巻かれた長尺体を支持する長尺体支持装置であって、
前記孔に挿入されることで前記長尺体を支持する支持軸と、
前記長尺体が前記支持軸の所定位置に支持されたことを判別する判別手段とを備え、
前記判別手段は、前記支持軸に挿入される長尺体が直接的または間接的に当接する当接部材と、前記当接部材の位置を検出する検出手段とを備え
前記当接部材は、その中央部に前記支持軸が挿通される開口部が形成され、前記長尺体を前記支持軸に挿入することで前記支持軸の軸心方向に移動可能に構成され、
前記検出手段は、前記長尺体を前記支持軸に挿入することで前記軸心方向に移動した前記当接部材の位置を検出することを特徴とする長尺体支持装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記当接部材を前記長尺体の挿入方向の反対方向に付勢し、前記支持軸に挿入される前記長尺体によって前記挿入方向に加わる衝撃を緩和する緩衝手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の長尺体支持装置。
【請求項3】
前記判別手段の判別結果を受けて所定の信号を出力する出力手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の長尺体支持装置。
【請求項4】
中央に孔を有するように巻かれた長尺体を支持する長尺体支持方法であって、
前記孔に支持軸が挿入されることで前記長尺体を支持する支持工程と、
前記長尺体が所定位置に支持されたことを判別する判別工程とを備え、
前記判別工程は、前記支持工程で挿入される長尺体に直接的または間接的に当接部材を当接させる当接工程と、前記当接部材の位置を検出する検出工程とを有し、
前記当接部材は、その中央部に前記支持軸が挿通される開口部が形成され、前記長尺体を前記支持軸に挿入することで前記支持軸の軸心方向に移動可能に構成され、
前記検出工程は、前記長尺体を前記支持軸に挿入することで前記軸心方向に移動した前記当接部材の位置を検出することを特徴とする長尺体支持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺体支持装置および支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中央に孔を有するように巻かれた長尺体を支持軸で支持する長尺体支持装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−115367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような従来の長尺体支持装置では、支持軸に対して長尺体が所定の位置からずれた位置で支持されていたとしても、それに気付く術がなく、稀に供給位置がずれた状態で当該長尺体が供給されてしまうという不都合を発生する。
【0005】
本発明の目的は、支持軸の所定位置に長尺体を確実に支持させることができる長尺体支持装置および支持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の長尺体支持装置は、中央に孔を有するように巻かれた長尺体を支持する長尺体支持装置であって、前記孔に挿入されることで前記長尺体を支持する支持軸と、前記長尺体が前記支持軸の所定位置に支持されたことを判別する判別手段とを備え、前記判別手段は、前記支持軸に挿入される長尺体が直接的または間接的に当接する当接部材と、前記当接部材の位置を検出する検出手段とを備え、前記当接部材は、その中央部に前記支持軸が挿通される開口部が形成され、前記長尺体を前記支持軸に挿入することで前記支持軸の軸心方向に移動可能に構成され、前記検出手段は、前記長尺体を前記支持軸に挿入することで前記軸心方向に移動した前記当接部材の位置を検出することを特徴とする。
【0007】
本発明の長尺体支持装置において、前記判別手段は、前記当接部材を前記長尺体の挿入方向の反対方向に付勢し、前記支持軸に挿入される前記長尺体によって前記挿入方向に加わる衝撃を緩和する緩衝手段を備えていることが好ましい。
本発明の長尺体支持装置は、前記判別手段の判別結果を受けて所定の信号を出力する出力手段を備えていることが好ましい。
【0008】
本発明の長尺体支持方法は、中央に孔を有するように巻かれた長尺体を支持する長尺体支持方法であって、前記孔に支持軸が挿入されることで前記長尺体を支持する支持工程と、前記長尺体が所定位置に支持されたことを判別する判別工程とを備え、前記判別工程は、前記支持工程で挿入される長尺体に直接的または間接的に当接部材を当接させる当接工程と、前記当接部材の位置を検出する検出工程とを有し、前記当接部材は、その中央部に前記支持軸が挿通される開口部が形成され、前記長尺体を前記支持軸に挿入することで前記支持軸の軸心方向に移動可能に構成され、前記検出工程は、前記長尺体を前記支持軸に挿入することで前記軸心方向に移動した前記当接部材の位置を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1または4に係る発明によれば、長尺体が支持軸の所定位置に支持されたことを判別する術を得たため、支持軸の所定位置に長尺体を確実に支持させることができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、長尺体を支持軸に支持させる際の衝撃から当該長尺体支持装置または当該長尺体支持装置が採用された処理装置を保護することができる。
請求項3に係る発明によれば、長尺体が支持軸の所定位置に支持されたことを当該長尺体支持装置の使用者に知らせることができるので、より確実に長尺体を支持軸の所定位置に支持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る長尺体支持装置を示す側面図。
図2】長尺体支持装置の動作説明図。
図3】本発明の変形例に係る長尺体支持装置を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1中手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0013】
図1、2において、処理装置としてのシート貼付装置10は、貫通孔の空いた筒部材AMに巻かれることで、中央に孔CHを有するように巻かれた長尺体としての原反RSを支持する長尺体支持装置20と、被着体としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」ともいう)WFに接着シートASを押圧して貼付する貼付手段30とを備え、ウエハWFを支持して搬送するウエハ搬送手段40の上方に配置されている。本実施形態の場合、原反RSは、帯状の剥離シートRLの一方の面に接着シートASが所定の間隔を空けて仮着されたものが採用されている。
【0014】
長尺体支持装置20は、孔CHに挿入されることで原反RSを支持する支持軸としての支持ローラ21と、支持ローラ21に対する原反RSの前後方向への移動を規制する移動規制手段22と、原反RSが支持ローラ21の所定位置に支持されたことを判別する判別手段23と、判別手段23の判別結果を受けて所定の信号を出力する出力手段24とを備えている。
【0015】
支持ローラ21は、円環状のフランジ部21Aと、フランジ部21Aに支持されたストッパ21Bとを備えている。
移動規制手段22は、その中心部に支持ローラ21が挿通される開口部が形成された筒状部材22Aに支持された円環状のガイド板22Bと、ガイド板22Bを支持ローラ21に固定するねじ部材やクランパ等の固定手段22Cとを備えている。
判別手段23は、支持ローラ21に挿入される原反RSが直接的に当接する当接部材23Aと、当接部材23Aを原反RSの挿入方向IDの反対方向に付勢し、支持ローラ21に挿入される原反RSによって挿入方向IDに加わる衝撃を緩和する緩衝手段としてのコイルばね23Bと、当接部材23Aの位置を検出する検出手段23Cとを備えている。
当接部材23Aは、その中心部に支持ローラ21が挿通される開口部が形成された円板形状とされ、支持ローラ21の軸心方向(前後方向)に移動可能に構成されている。
コイルばね23Bは、一端側(後側)がフランジ部21Aに支持され、他端側(前側)で当接部材23Aを支持している。
検出手段23Cは、カメラや顕微鏡等の撮像手段や、当接部材23Aまでの距離を測定する光学センサや近接センサ等の距離測定手段で構成される。
出力手段24は、判別手段23の判別結果を受けて所定の信号としての光を出力する表示灯24Aを備えている。
【0016】
貼付手段30は、支持ローラ21で支持された原反RSを案内するガイドローラ31と、剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板32と、接着シートASをウエハWFに押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ33と、ピンチローラ34とで剥離シートRLを挟み込み、駆動機器としての回動モータ35によって駆動される駆動ローラ36と、剥離シートRLを回収する回収ローラ37とを備え、その全体および支持ローラ21がフレーム38に支持されている。
【0017】
ウエハ搬送手段40は、駆動機器としてのリニアモータ41と、リニアモータ41のスライダ41Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によってウエハWFを吸着保持可能な支持面42Aを有するテーブル42とを備えている。
【0018】
以上のシート貼付装置10において、ウエハWFに接着シートASを貼付する手順について説明する。
先ず、各部材が初期位置に配置された図1中実線で示す状態のシート貼付装置10に対し、当該シート貼付装置10の使用者(以下、単に「使用者」という)が図2(A)に示すように、原反RSを挿入方向IDに移動させて支持ローラ21にセットする。この際、原反RSが当接部材23Aに当接した後、コイルばね23Bの付勢力に抗して当接部材23Aが後側に押され、図2(B)に示すように、当接部材23Aがストッパ21Bに当接する。そして、当接部材23Aがストッパ21Bに当接すると、検出手段23Cが当接部材23Aを検出し、原反RSが支持ローラ21に所定距離挿入され、支持ローラ21の軸心方向の所定位置に支持されたと判別する。すると、出力手段24が電気や電波等の所定の外部出力信号を出力し、表示灯24Aがその外部出力信号を受けて光を点灯させる。これにより、使用者は、原反RSが支持ローラ21の所定位置にセットされたことを認識することができる。
【0019】
次いで、ストッパ21Bに当接した当接部材23Aとで原反RSを挟み込むように、使用者が図2(B)に示すようにガイド板22Bを支持ローラ21に差し込み、固定手段22Cでガイド板22Bを支持ローラ21に固定した後、図1に示すように原反RSを掛け回す。その後、使用者が操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転の信号を入力すると、貼付手段30が回動モータ35を駆動し、原反RSを繰り出す。そして、先頭の接着シートASが剥離板32で所定長さ剥離されたことがカメラ等の撮像手段や光学センサ等の図示しない検知手段に検知されると、貼付手段30が回動モータ35の駆動を停止し、スタンバイ状態となる。
【0020】
次に、使用者または多関節ロボット等の図示しない搬送手段により、テーブル42上にウエハWFを載置すると、ウエハ搬送手段40が図示しない減圧手段を駆動し、当該ウエハWFを支持面42Aで吸着保持した後、リニアモータ41を駆動し、テーブル42を左方に移動させる。そして、ウエハWFが所定の位置に到達したことがカメラ等の撮像手段や光学センサ等の図示しない検知手段に検知されると、貼付手段30が回動モータ35を駆動し、テーブル42の移動速度に合わせて原反RSを繰り出す。これにより、接着シートASが剥離板32で剥離シートRLから剥離され、押圧ローラ33によって図1中二点鎖線で示すようにウエハWFに押圧されて貼付され、次の接着シートASが剥離板32で所定長さ剥離されたことが図示しない検知手段に検知されると、貼付手段30が回動モータ35の駆動を停止し、再びスタンバイ状態となる。
【0021】
ウエハWFへの接着シートASの貼付が完了すると、ウエハ搬送手段40がリニアモータ41および図示しない減圧手段の駆動を停止する。そして、使用者または図示しない搬送手段が、接着シートASが貼付されたウエハWFを次工程に搬送すると、ウエハ搬送手段40がリニアモータ41を駆動し、テーブル42を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0022】
以上のような実施形態によれば、原反RSが支持ローラ21の所定位置に支持されたことを判別する術を得たため、支持ローラ21の所定位置に原反RSを確実に支持させることができる。
【0023】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0024】
例えば、長尺体支持装置20は、支持ローラ21および当接部材23Aに代えて、図3(A)、(B)に示すように、支持ローラ21Cおよび当接部材23Eを備えてもよい。支持ローラ21Cは、その外周面に螺旋状に形成された案内溝21Dを備えている。当接部材23Eは、長円形状を有する板状に形成され、支持ローラ21Cが挿通される開口部23Fと、開口部23Fの内縁から当該開口部23Fの中心側に突出し、案内溝21Dに係止される突出部23Gとを備えている。
長尺体支持装置20は、支持ローラ21、21Cをそれらの軸心を中心に回動させる駆動機器を備えてもよく、図3(A)、(B)に示す構成を採用する場合、当該駆動機器で支持ローラ21Cを回動させ、当接部材23Eを図3(A)に示す初期位置に移動させてから支持ローラ21Cに原反RSを支持させるとよい。そして、支持ローラ21Cに原反RSを支持させる際に当接部材23Eが案内溝21Dに沿って移動し、原反RSが支持ローラ21の所定位置に到達したときに、図3(B)に示すように、検出手段23Cが当接部材23Aを検出することになる。なお、支持ローラ21Cが駆動機器で駆動しない場合、使用者が支持ローラ21Cを回動させ、当接部材23Eを初期位置に移動さればよい。
長尺体支持装置20は、巻かれた長尺体として、筒部材AMに巻かれることなく、原反RSだけで中央に孔CHを有するように巻かれたものや、孔CHが貫通孔であるものや、孔CHが貫通孔でないものが採用されてもよいし、筒部材AMの幅方向(前後方向)の長さが原反RSの幅方向(前後方向)の長さよりも短いものや、筒部材AMの幅方向の長さが原反RSの幅方向の長さよりも長いものが採用されてもよく、筒部材AMの幅方向の長さが原反RSの幅方向の長さよりも長いものが採用された場合、当接部材23A、23Eやガイド板22Bは、支持ローラ21、21Cに挿入された原反RSが筒部材AMを介して間接的に当接するように構成してもよいし、筒部材AMを交わすことができる穴を設けて原反RSが直接的に当接するように構成してもよい。
支持軸は、円柱形状に限らず、円筒形状や多角形状でもよいし、フレーム38に対して回転不能に設けられ、原反RSが支持軸に対して回転してもよいし、フレーム38とは別の支持体に支持されていてもよい。
ストッパ21Bは、単体でもよいし、複数設けてもよいし、原反RSの幅方向の長さや挿入距離に応じて前後方向に移動させ、支持ローラ21、21Cに対する原反RSの所定位置を調整できる構成としてもよいし、採用されなくてもよいし、形状、材質、配置位置等は何ら限定されるものではない。
移動規制手段22は、三角形や四角形以上の多角形や、楕円形等、円以外の外形形状のガイド板22Bが採用されてもよいし、なくてもよい。
移動規制手段22は、前記実施形態で示したものに代えてまたは併用して、支持軸の外周面が拡収縮したり、支持軸の外周面から突起物が出没したりして支持ローラ21に対する原反RSの前後方向への移動を規制するものでもよく、このような突起物が出没するものは、支持軸に単数または複数設けてもよい。
判別手段23は、当接部材23A、23Eが支持ローラ21、21Cに対して前後方向に傾くことを規制する傾き規制手段を備えていてもよく、当該規制手段により当接部材23A、23Eが傾いた状態で検出手段23Cに検出されることが防止され、支持ローラ21の所定位置に原反RSを精度よく支持させることができる。
当接部材23Aは、三角形や四角形以上の多角形や、楕円形等どのような形状でもよく、支持ローラ21に挿入される原反RSが直接的または間接的に当接し、かつ、検出手段23Cでその位置が検出できるものであればどんなものでもよい。
緩衝手段は、板ばね、皿ばね、ゴム、樹脂、スポンジ等の弾性部材やショックアブソーバや駆動機器等で構成してもよいし、支持ローラ21、21Cの外周面に支持されてもよいし、採用されなくてもよく、緩衝手段が採用されない場合、当接部材23A、23Eは、支持ローラ21、21Cから抜けてもよいし、当接部材23A、23Eが支持ローラ21、21Cから抜けることを嫌う場合は、支持ローラ21、21Cの軸心方向に移動でき、当該支持ローラ21、21Cから抜けないように紐や糸等で当接部材23A、23Eを支持ローラ21、21Cに繋いでおいたり、支持ローラ21、21Cに一段径の細い部分を形成し、当該径の細い部分を当接部材23A、23Eが支持ローラ21、21Cの軸心方向に移動できるようにしておいたりすればよい。
出力手段24は、判別手段23の判別結果を受けて所定の信号としての文字や記号または音を出力するものでもよいし、判別手段23の判別結果を受けてシート貼付装置10の動作抑制(インターロック)を解除するものでもよい。
【0025】
貼付手段30は、天地反転して配置したり横置きに配置したりして、ウエハWFの下面や側面等に接着シートASを貼付するように構成してもよいし、帯状の接着シートが帯状の剥離シートRLに仮着された原反や、剥離シートRLに仮着されていない帯状の接着シートからなる原反が採用された場合、切断手段で帯状の接着シートを所定形状に切断して接着シートASを形成し、当該接着シートASを貼付してもよい。
貼付手段30の構成物は、フレーム38とは別の支持体に支持されていてもよい。
【0026】
ウエハ搬送手段40は、テーブル42の位置を固定しておきまたは、テーブル42を移動させつつ貼付手段30を移動させて接着シートASをウエハWFに貼付してもよいし、シート貼付装置10に対して他の装置でウエハWFを移動させる場合、なくてもよい。
【0027】
長尺体は、帯状の剥離シートRLに所定の間隔で複数の接着シートASが仮着された接着シート原反、基材と接着剤層とからなる帯状の接着シート、単層または複層の紙の他、電線、針金、糸、布、ロープ、ホース、鋼板、樹脂板等であってもよく、何ら限定されるものではない。
処理装置は、例えば、原反RSを巻き取る巻取装置、原反RSを検査する検査装置、原反RSを所定の長さに切断する切断装置、原反RSを使用して接着シートASとしての保護シートをウエハWFから剥離する剥離装置等、何ら限定されるものではなく、本願発明の長尺体支持装置20は、それら装置における原反RSを繰り出す側の支持軸や、原反RSを巻き取る側の支持軸として採用することができる。
【0028】
また、本発明における接着シートASおよび被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体に貼付することができる。
【0029】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、支持軸は、孔に挿入されることで長尺体を支持可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラが採用されている場合、各ローラを回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、各ローラの表面をゴムや樹脂等の弾性変形が可能な部材で構成してもよいし、各ローラを弾性変形しない部材で構成してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材が採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材を採用したり、大気やガス等のエアの吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧手段や押圧部材の押圧部をゴムや樹脂等の弾性変形が可能な部材で構成してもよいし、弾性変形しない部材で構成してもよいし、剥離手段や剥離部材が採用されている場合は、板状部材、丸棒、ローラ等で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材を支持または保持する構成のものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤、粘着剤、磁力、ベルヌーイ吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断刃が採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッター、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等の切断部材を採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断部材を移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
20 長尺体支持装置
21 支持ローラ(支持軸)
23 判別手段
23A 当接部材
23B コイルばね(緩衝手段)
23C 検出手段
24 出力手段
CH 孔
RS 原反(長尺体)
図1
図2
図3