特許第6826895号(P6826895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6826895
(24)【登録日】2021年1月20日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20210128BHJP
   B65D 83/06 20060101ALI20210128BHJP
   B65D 83/04 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   B65D47/06 400
   B65D83/06 F
   B65D83/04 H
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-8511(P2017-8511)
(22)【出願日】2017年1月20日
(65)【公開番号】特開2018-115024(P2018-115024A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】前田 健一郎
【審査官】 杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−67308(JP,A)
【文献】 特開平11−105946(JP,A)
【文献】 実公平03−019385(JP,Y2)
【文献】 特開2017−131603(JP,A)
【文献】 特開2011−111219(JP,A)
【文献】 特開2004−175426(JP,A)
【文献】 特開2005−88937(JP,A)
【文献】 特開2014−61898(JP,A)
【文献】 実開昭50−135550(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00−55/16
B65D 83/04−83/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内容物が容器に収容された包装体であって、
前記容器は、軸線方向一端側に開口する口部を有し前記複数の内容物を収容可能な容器本体と、
前記口部に装着され前記内容物が通過可能な孔部を有する栓部材と、
前記容器本体に対して着脱可能に設けられる蓋部材とを備え、
前記栓部材は、前記軸線方向に段差をもって配置された第1底壁部および第2底壁部と、前記第1底壁部と前記第2底壁部とを繋ぐ側壁部とを有し、
前記孔部は、前記側壁部を貫通して形成されているとともに、前記軸線方向視における最小開口幅が前記内容物の最小寸法よりも狭く形成され、
前記第1底壁部および前記第2底壁部は、前記軸線方向と直交して配置され、
前記側壁部は、前記軸線を含む平面に対して傾斜して配置されていることを特徴とする包装体
【請求項2】
前記栓部材は、前記口部の内周部に嵌合する筒壁部を有し、
前記孔部は、前記側壁部における前記筒壁部との交差部近傍に配置されていることを特徴とする請求項記載の包装体
【請求項3】
前記側壁部は、前記筒壁部に複数箇所で交差し、
前記孔部は、前記側壁部における前記筒壁部との各交差部の近傍にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項記載の包装体
【請求項4】
前記栓部材は、前記筒壁部の先端から前記軸線を中心として外側に延出し、前記筒壁部が前記口部の内部に挿入されたときに当該口部の先端に係合するフランジ部を有することを特徴とする請求項2または3記載の包装体
【請求項5】
前記第1底壁部と前記第2底壁部との少なくとも一方は、前記筒壁部の先端からの深さが前記内容物の最大寸法より大きいことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の包装体
【請求項6】
前記孔部は、長径方向の長さが前記内容物の最大径の1.3倍以上、1.5倍以下であり、短径方向の長さが前記内容物の最大厚さの1.1倍以上、1.2倍以下であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の包装体
【請求項7】
前記口部は、円筒形状に形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の包装体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上端に開口部を有する容器本体等に錠剤等の内容物を収容する場合、容器本体とそれに螺合、又は嵌合する蓋などで構成されることが一般的である。この場合、蓋を外し、容器本体を傾けることで内容物が取り出しやすい反面、多数の内容物が開口部から一度に排出される可能性がある。そこで、例えば、特許文献1には、底板に段差を設け、蓋に近い底板に錠剤排出用の貫通孔を配置した内蓋を用いる容器が開示されている。この容器では、底板によって錠剤の落下を規制しつつ、内蓋を容器本体から外すことなく貫通孔を介して錠剤を取り出し可能であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭49−58748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された容器では、容器本体を鉛直方向に振った場合に貫通孔から多数の内容物が排出される可能性がある。また、特許文献1に記載された容器では、容器本体を鉛直方向に振らずに傾けただけでも必要以上の内容物が排出され、必要以上の内容物への接触、内容物の不用意な落下、乳幼児のイタズラによる誤飲等に繋がる虞がある。
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、内容物の不用意な排出を規制してチャイルドレジスタンス機能を高めた包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従えば、複数の内容物が容器に収容された包装体であって、前記容器は、軸線方向一端側に開口する口部を有し前記複数の内容物を収容可能な容器本体と、前記口部に装着され前記内容物が通過可能な孔部を有する栓部材と、前記容器本体に対して着脱可能に設けられる蓋部材とを備え、前記栓部材は、前記軸線方向に段差をもって配置された第1底壁部および第2底壁部と、前記第1底壁部と前記第2底壁部とを繋ぐ側壁部とを有し、前記孔部は、前記側壁部を貫通して形成されているとともに、前記軸線方向視における最小開口幅が前記内容物の最小寸法よりも狭く形成され、前記第1底壁部および前記第2底壁部は、前記軸線方向と直交して配置され、前記側壁部は、前記軸線を含む平面に対して傾斜して配置されていることを特徴とする包装体が提供される。
【0008】
また、上記本発明の一態様に係る包装体において、前記栓部材は、前記開口部の内周部に嵌合する筒壁部を有し、前記孔部は、前記側壁部における前記筒壁部との交差部近傍に配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、上記本発明の一態様に係る包装体において、前記側壁部は、前記筒壁部に複数箇所で交差し、前記孔部は、前記側壁部における前記筒壁部との各交差部の近傍にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、上記本発明の一態様に係る包装体において、前記栓部材は、前記筒壁部の先端から前記軸線を中心とする外側に延出し、前記筒壁部が前記開口部の内部に挿入されたときに当該開口部の先端に係合するフランジ部を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記本発明の一態様に係る包装体において、前記第1底壁部と前記第2底壁部との少なくとも一方は、前記筒壁部の先端からの深さが前記内容物の最大寸法より大きいことを特徴とする。
【0012】
また、上記本発明の一態様に係る包装体において、前記孔部は、長径方向の長さが前記内容物の最大径の1.3倍以上、1.5倍以下であり、短径方向の長さが前記内容物の最大厚さの1.1倍以上、1.2倍以下であることを特徴とする。
【0013】
また、上記本発明の一態様に係る包装体において、前記開口部は、円筒形状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、内容物の不用意な排出を規制してチャイルドレジスタンス機能を高めた包装体を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態を示す図であって、容器1の分解斜視図である。
図2】本実施形態に係る中栓30を上方から視た平面図である。
図3図2におけるA−A線視断面図である。
図4】錠剤状の内容物Tの一例を示す外観斜視図である。
図5】容器1から内容物Tを排出する手順を示す図である。
図6】容器1を軸線J周りに回転した状態の外観斜視図である。
図7】容器1を軸線J周りに回転した状態の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の包装体であって、複数の内容物が容器に収容された包装体の実施の形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0017】
図1は、容器1の分解斜視図である。容器1は、上方に開口する口部20を頂部に有し内容物を収容する容器本体10と、口部20に装着される中栓(栓部材)30と、容器本体10に対して着脱可能に設けられる蓋部材40とを有している。
【0018】
なお、以下の説明においては、容器1において容器本体10が配置される側を下側とし、蓋部材40が配置される側を上側として、各部材の形状や位置関係を説明する。但し、これは、あくまで説明の便宜のために上下方向を定義したものであって、本発明の容器の構成や実際に使用される際の設置姿勢を限定するものではない。
【0019】
容器本体10は、例えばポリエチレン等のオレフィン系合成樹脂を用いたブロー成型により一体形成されている。容器本体10は、内容物として、例えば、錠剤等の粒状のものを例示できる。
【0020】
容器本体10は、鉛直方向に延びる軸線Jに沿って延びる胴部21と胴部21の上端側に配置された口部20とを有している。口部20と胴部21とは、それぞれ略円筒形状に同軸で形成されている。口部20の外径は、胴部21の外径よりも小さく形成されている。口部20および胴部21の内部には、内容物が収容される収容空間22が形成されている。口部20の外周部には、軸線J周りに雄ねじ部23が形成されている。
【0021】
図2は、中栓30を上方から視た平面図である。図3は、図2におけるA−A線視断面図である。図3においては、中栓30が嵌合する容器本体10の口部20が二点鎖線にて部分的に示されている。中栓30は、軸線Jに沿って形成された有底円筒状の筒壁部31と、筒壁部31の先端(上端)から軸線Jを中心として外側に延出するフランジ部32とを有している。筒壁部31は、口部20の内周部に嵌合する。フランジ部32は、筒壁部31が口部20の内部に挿入されたときに当該口部20の先端に上方から係合する。
【0022】
中栓30は、筒壁部31の下端部に配置された第1底壁部36、第2底壁部37および側壁部38を有している。第1底壁部36および第2底壁部37は、軸線Jを中心とする径方向(図2において第1底壁部36は左側、第2底壁部37は右側)に離間して配置されている。また、第1底壁部36および第2底壁部37は、それぞれ軸線Jと直交する水平面と平行に、且つ、軸線J方向に段差をもって配置されている。具体的には、第1底壁部36は、第2底壁部37に対して上側に配置されている。
【0023】
下側に位置する第2底壁部37の筒壁部31の上端(先端)からの深さL1は、内容物の最大寸法よりも大きく形成されている。図4は、錠剤状の内容物Tの一例を示す外観斜視図である。内容物Tは、最大径D、最大厚さHの略円柱状に形成されている。本実施形態における内容物Tは、最大径Dが最大厚さHよりも大きいため、内容物Tの最大寸法は最大径Dとなり、最小寸法は最大厚さHとなる。従って、第2底壁部37までの深さL1は、内容物Tの最大径Dよりも大きく形成されている。
【0024】
側壁部38は、径方向に延び第1底壁部36と第2底壁部37とを繋いでいる。側壁部38は、第1底壁部36と第2底壁部37とが水平方向および鉛直方向に離間する距離に応じて、軸線Jを含む平面に対して角度θで傾斜している。角度θは、一例として、30°である。
【0025】
側壁部38は、当該側壁部38を貫通する孔部50を有している。孔部50は、軸線J方向に側壁部38を貫通している。孔部50は、側壁部38の長さ方向に間隔をあけて複数(ここでは二つ)設けられている。側壁部38は、筒壁部31と二箇所で交差している。孔部50は、側壁部38と筒壁部31との交差部の近傍にそれぞれ配置されている。各孔部50は、側壁部38の長さ方向に延びて形成されている。各孔部50の外側の端部は、筒壁部31の内周面と面一に形成されている。
【0026】
孔部50は、内容物Tが通過可能な大きさに形成されている。孔部50は、図2および図3に示すように、長さL2で、側壁部38の厚さ方向に視たときの幅W1が最大幅である。孔部50の長さL2は、内容物Tの最大径Dよりも大きく形成されている。孔部50の最大幅W1は、内容物Tの最大厚さHよりも大きく形成されている。また、軸線J方向に視たときの開口幅(最小開口幅)W2は、内容物Tの最大厚さHよりも小さく形成されている。従って、内容物Tは、側壁部38の厚さ方向については、孔部50を通過可能であり、軸線J方向については通過不能である。
【0027】
孔部50の長径方向の長さL2としては、内容物Tの最大径Dの1.3倍以上、1.5倍以下であることが好ましい。また、孔部50の短径方向の幅W1としては、内容物Tの最大厚さHの1.1倍以上、1.2倍以下であることが好ましい。長さL2および幅W1が上記の下限値を下回る場合は、内容物Tが孔部50を通過しづらくなる可能性がある。長さL2および幅W1が上記の上限値を上回る場合は、二個以上の内容物Tが一度に通過する可能性が生じる。従って、長さL2および幅W1が上記の範囲であれば、内容物Tが孔部50を円滑に通過可能であり、孔部50を介して内容物Tを一個ずつ排出することが可能になる。
【0028】
蓋部材40は、有蓋円筒状に形成されている。蓋部材40の内周部には、雄ネジ部23と螺合する雌ネジ部(図示せず)が形成されている。蓋部材40は、雌ネジ部が容器本体10の雄ネジ部23と螺合することにより、容器本体10に装着され、雌ネジ部と雄ネジ部23との螺合を解除することにより容器本体10から離脱する。
【0029】
上記の構成の容器1から内容物Tを排出する手順について、図5乃至図7を参照して説明する。
収容空間22に複数の内容物Tを収容し、蓋体40を離脱させた容器本体10を、図5に示されるように、第1底壁部36が下側となる状態で口部20を下側に向けて傾けると、内容物Tは、主として口部20の内周面と第1底壁部36および側壁部38で囲まれた領域に集まる。このとき、側壁部38の外側の面(収容空間22とは逆側の面)は上側に向いているため、内容物Tの孔部50からの自重による排出は行われない。また、容器本体10を軸線J方向に振った場合でも、孔部50は軸線J方向に視たときの開口幅W2が内容物Tの最大厚さHよりも小さく形成されているため、孔部50からの内容物Tの排出が阻止される。
【0030】
図6および図7は、容器1を軸線J周りに回転した状態の外観斜視図である。図6および図7においては、容器本体10の図示を省略し、中栓30のみが図示されている。
図6に示すように、容器1を軸線J周りに、図6中、時計回り方向に、例えば、約90°回転させると容器1の回転に伴って内容物Tは、自重により口部20の内周面に沿って周方向に相対移動する。また、側壁部38は、外側の面が鉛直面と平行になり、一方の孔部50が下側に位置する。
【0031】
これにより、口部20の内周面に沿って相対移動する内容物Tは、一方の孔部50に臨むことになる。このとき、内容物Tが孔部50を通過可能な姿勢であれば、内周面に沿った周方向への相対移動によって、あるいは他の内容物Tに後方から押圧された勢いで孔部50から突出、あるいは排出される。また、図6に示した状態で内容物Tが孔部50から排出されない場合でも、容器1をさらに軸線J周りに回転させ、初期状態からの回転角度が90°を超えると、図7に示すように、側壁部38の外側の面は下側に向くため、内容物Tは自重により孔部50から排出される。
【0032】
内容物Tが孔部50から排出された先には、筒壁部31の先端からの深さが内容物Tの最大径Dよりも大きい第2底壁部37が配置されているため、孔部50から排出された内容物Tは、中栓30において筒壁部31、第2底壁部37および側壁部38で囲まれたポケット状の領域に保持されやすくなる。
【0033】
なお、容器1の回転方向は、上述した時計回り方向に限られず、反時計回り方向に回転させた場合には、上記一方の孔部50とは異なる他方の孔部50が下側に位置することになり、当該他方の孔部50を介して内容物Tが排出される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の容器1においては、軸線J方向に視たときの孔部50の開口幅W2が内容物Tの最大厚さHよりも小さく形成されているため、容器本体10を軸線J方向に振った場合でも、孔部50からの内容物Tの排出を阻止できる。また、本実施形態の容器1においては、一旦、口部20が下側になるように容器本体10を傾けた後に、当該容器本体10を軸線J周りに回転させることで内容物Tを排出可能となるため、不用意な内容物Tの排出を阻止することができる。そのため、本実施形態の容器1においては、必要以上の内容物への接触、内容物の不用意な落下、乳幼児のイタズラによる誤飲等を抑制することが可能になり、チャイルドレジスタンス機能を高めることができる。
【0035】
また、本実施形態の容器1においては、孔部50の大きさについて、長径方向の長さL2を内容物Tの最大径Dの1.3倍以上、1.5倍以下と規定し、短径方向の幅W1を内容物Tの最大厚さHの1.1倍以上、1.2倍以下と規定しているため、内容物Tが孔部50を円滑に通過可能であり、孔部50を介して内容物Tを一個ずつ排出することが可能にである。
【0036】
また、本実施形態の容器1においては、側壁部38と筒壁部31との複数の交差部のそれぞれの近傍に孔部50を配置しているため、操作者の利き腕あるいは容器1を把持した際の姿勢等に依存せずに、容器1を時計回り方向または反時計回り方向のいずれの方向に回転しても同様に内容物Tを排出することが可能になる。
【0037】
また、側壁部38の孔部50と筒壁部31の内周面とが離間している場合には、容器1の回転に伴って筒壁部31の内周面を相対移動する内容物Tが孔部50を通過する際に、孔部50と内周面との間に位置する側壁部38が障壁となって内容物Tが引っ掛かる可能性がある。これに対して、本実施形態の容器1においては、孔部50の外側の端部が筒壁部31の内周面と面一、すなわち、孔部50の外側の端部が筒壁部31の内周面で形成されているため、容器1の回転に伴って相対移動する内容物Tが連続的に孔部50を通過することが可能となり、内容物Tを円滑に排出することができる。
【0038】
さらに、本実施形態の容器1においては、筒壁部31の先端からの第2底壁部37の深さが内容物Tの最大径Dよりも大きいため、孔部50から排出された内容物Tを中栓30に保持しやすくなる。そのため、孔部50から排出された内容物Tが不用意に落下する事態を抑制することが可能になり、チャイルドレジスタンス機能を一層高めることができる。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0040】
例えば、上記実施形態では、中栓30が筒壁部31において口部20の内周面に嵌合する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、中栓30が容器本体10の雄ネジ部23に螺合する雌ネジ部と、蓋部材40の雌ネジ部に螺合する雄ネジ部とを有する構成や、中栓30が雌ネジ部を有し、容器本体10が中栓30の雌ネジ部に螺合する第1雄ネジ部と、蓋部材40の雌ネジ部に螺合する第2雄ネジ部とを有する構成であってもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、筒壁部31の先端からの第2底壁部37の深さが内容物Tの最大径Dよりも大きい構成を例示したが、第1底壁部36についても筒壁部31の先端からの深さが内容物Tの最大径Dよりも大きい構成であってもよい。
【0042】
また、上記実施形態で例示した側壁部38が軸線Jを含む平面に対して傾斜する角度θとしては、軸線J方向への排出を抑制する観点から0°以上、45°以下が好ましい。
【0043】
また、上記実施形態で示した孔部50の形状は、略矩形に限定されず、内容物の形状・大きさに応じて他の形状を適宜選択可能である。
【0044】
また、上記実施形態では、口部20が円筒状である構成を例示したが、この構成に限られるものではなく、例えば断面矩形の角筒状であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…容器、 10…容器本体、 20…口部、 30…中栓(栓部材)、 31…筒壁部、 32…フランジ部、 36…第1底壁部、 37…第2底壁部、 38…側壁部、 40…蓋部材、 50…孔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7