特許第6827000号(P6827000)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6827000タイヤ状態検出装置、クランプインバルブ、タイヤバルブユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827000
(24)【登録日】2021年1月20日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】タイヤ状態検出装置、クランプインバルブ、タイヤバルブユニット
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/04 20060101AFI20210128BHJP
【FI】
   B60C23/04 H
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-566880(P2017-566880)
(86)(22)【出願日】2016年12月26日
(86)【国際出願番号】JP2016088723
(87)【国際公開番号】WO2018122924
(87)【国際公開日】20180705
【審査請求日】2018年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204033
【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山田 博久
(72)【発明者】
【氏名】森 大剛
【審査官】 浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−033808(JP,A)
【文献】 特表2011−513123(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0118057(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0068297(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに収容され、タイヤの状態を検出する検出部と、
前記ケースに設けられた取付部と、
前記取付部に設けられ、スナップインバルブが挿入されるように構成された挿入孔と、
前記取付部に設けられ、前記挿入孔にクランプインバルブが挿入された状態で、前記挿入孔の中心軸線に直交する方向において、前記挿入孔よりも外側に位置し、クランプインバルブと嵌合するように構成されたケース側嵌合部と、を備え、
前記挿入孔に挿入された前記スナップインバルブ、又は、前記ケース側嵌合部に嵌合されたクランプインバルブが固定具によって前記ケースに取り付けられるタイヤ状態検出装置。
【請求項2】
ケースと、
前記ケースに収容され、タイヤの状態を検出する検出部と、
前記ケースに設けられた取付部と、
前記取付部に設けられ、スナップインバルブが挿入されるように構成された挿入孔と、
前記取付部に設けられ、前記挿入孔の中心軸線に直交する方向において、前記挿入孔よりも外側に位置するケース側嵌合部と、を備えたタイヤ状態検出装置に取り付けられるように構成されたクランプインバルブであって、
前記挿入孔に挿入されるように構成された挿入部と、前記ケース側嵌合部に嵌合されるように構成されたバルブ側嵌合部を備え、
前記ケース側嵌合部と前記バルブ側嵌合部とが嵌合した状態で固定具によって前記ケースに取り付けられるように構成されたクランプインバルブ。
【請求項3】
タイヤ状態検出装置と、前記タイヤ状態検出装置に取り付けられたタイヤバルブと、を備えるタイヤバルブユニットであって、
前記タイヤ状態検出装置は、
ケースと、
前記ケースに収容され、タイヤの状態を検出する検出部と、
前記ケースに設けられた取付部と、
前記取付部に設けられ、前記タイヤバルブとしてスナップインバルブが挿入されるように構成された挿入孔と、
前記取付部に設けられ、前記挿入孔にクランプインバルブが挿入された状態で、前記挿入孔の中心軸線に直交する方向において、前記挿入孔よりも外側に位置し、前記タイヤバルブとしてクランプインバルブが嵌合するように構成されたケース側嵌合部と、
前記挿入孔に挿入された前記スナップインバルブ、又は、前記ケース側嵌合部に嵌合されたクランプインバルブを前記ケースに固定するように構成された固定具と、を備えるタイヤバルブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ状態検出装置、クランプインバルブ、タイヤバルブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールに装着されたタイヤの空気圧等、タイヤの状態を監視するタイヤ状態監視装置が知られている。タイヤ状態監視装置は、車両の各ホイールに装着されたタイヤバルブユニットと、受信機と、を備える。タイヤバルブユニットは、タイヤ状態検出装置と、タイヤ状態検出装置に取り付けられたタイヤバルブと、を備える。タイヤ状態検出装置は、タイヤの状態を検出する検出部と、検出部を収容するケースと、を備える。
【0003】
タイヤバルブの種類としては、主として、スナップインバルブと、クランプインバルブの2種類が挙げられる。スナップインバルブは、金属製のバルブステムと、バルブステムの外周に設けられたゴム製の胴体部と、を備える。バルブステムの両端は、胴体部から突出している。スナップインバルブを備えるタイヤバルブユニットをホイールに装着する場合、ホイールに備えられた取付孔にスナップインバルブを圧入する。これにより、挿入孔の内面に胴体部が密着して、タイヤバルブユニットはホイールに装着される。
【0004】
クランプインバルブは、金属製のバルブステムを備える。クランプインバルブのバルブステムは、フランジ部と、締結部と、を備える。締結部は、バルブステムの軸線方向の一端寄りに位置している。締結部は、バルブステムの外周面にネジ溝を設けた部分である。フランジ部は、締結部よりもバルブステムの軸線方向の一端寄りに位置している。クランプインバルブを備えるタイヤバルブユニットをホイールに装着する場合、ホイールに備えられた取付孔にクランプインバルブを挿入する。この際、フランジとホイールとの間にグロメットが挟まれるようにする。そして、取付孔を通った締結部に締結ナットを螺合することで締結ナットとフランジ部でホイールを挟み込む。これにより、タイヤバルブユニットはホイールに装着される。
【0005】
特許文献1には、タイヤバルブとして、スナップインバルブ、及び、クランプインバルブの両方を取り付けることができるタイヤ状態検出装置が記載されている。特許文献1に記載のタイヤ状態検出装置のケースは、取付部を備え、取付部はケースの外面からケースの内面に凹む挿入孔を備える。タイヤバルブとしてスナップインバルブが用いられる場合、胴体部から突出したバルブステムの一部が取付部の挿入孔に挿入される。そして、挿入孔にバルブステムの一部が挿入された状態で固定具によって挿入孔からのスナップインバルブの抜けを規制し、タイヤ状態検出装置と、スナップインバルブとを一体化している。タイヤバルブとしてクランプインバルブが用いられる場合も、スナップインバルブの場合と同様にクランプインバルブのバルブステムの一端が挿入孔に挿入される。そして、固定具によって挿入孔からのクランプインバルブの抜けが規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2011−513123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載のタイヤ状態検出装置では、スナップインバルブが用いられる場合も、クランプインバルブが用いられる場合も同一の挿入孔に各バルブの一部が挿入される。したがって、スナップインバルブ、及び、クランプインバルブにおいて、挿入孔に挿入される部分の外形は、同一形状となるように製造される。
【0008】
スナップインバルブが用いられる場合、ホイール回転時に胴体部に作用する力を軽減するためにタイヤバルブユニットの軽量化が望まれている。スナップインバルブにおける挿入孔に挿入される部分を細くすることで、タイヤバルブユニットを軽量化することができる。しかしながら、スナップインバルブにおける挿入孔に挿入される部分を細くすると、クランプインバルブにおける挿入孔に挿入される部分も同一形状となるべく細くなる。クランプインバルブにおける挿入孔に挿入される部分を細くした場合、締結ナットを締結部に締結する際に、取付部に作用する力が大きくなり、取付部の変形などを招く。
【0009】
本発明の目的は、クランプインバルブ、及び、スナップインバルブを取り付け可能な取付部の変形を抑制できるタイヤ状態検出装置、クランプインバルブ、及び、タイヤバルブユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するタイヤ状態検出装置は、ケースと、前記ケースに収容され、タイヤの状態を検出する検出部と、前記ケースに設けられた取付部と、前記取付部に設けられ、スナップインバルブが挿入されるように構成された挿入孔と、前記取付部に設けられ、前記挿入孔の中心軸線に直交する方向において、前記挿入孔よりも外側に位置し、クランプインバルブと嵌合するように構成されたケース側嵌合部と、を備え、前記挿入孔に挿入された前記スナップインバルブ、又は、前記ケース側嵌合部に嵌合されたクランプインバルブが固定具によって前記ケースに取り付けられる。
【0011】
スナップインバルブをタイヤ状態検出装置に取り付ける場合、スナップインバルブは、挿入孔に挿入された状態でケースに取り付けられる。クランプインバルブをタイヤ状態検出装置に取り付ける場合、クランプインバルブは、ケース側嵌合部に嵌合された状態でケースに取り付けられる。したがって、1つの取付部を用いて、クランプインバルブ及びスナップインバルブの両方を取り付けることができる。
【0012】
クランプインバルブをホイールに装着する際には、クランプインバルブに締結ナットを締結する。この際、クランプインバルブにはねじりトルクが生じる。このねじりトルクによって、クランプインバルブから取付部に力が加わる。クランプインバルブから取付部に加わる力は、クランプインバルブの中心軸線から離れるにつれて小さくなる。ケース側嵌合部は、挿入孔の中心軸線に直交する方向において、挿入孔よりも外側に位置しているため、クランプインバルブが挿入孔に挿入されている場合に比べて、クランプインバルブの中心軸線から離れた位置でケースに接する。クランプインバルブを挿入孔にのみ挿入してケースに取り付けた場合に比べて、締結ナットを締結する際に、クランプインバルブから取付部に加わる力を軽減することができる。したがって、取付部の変形を抑制することができる。
【0013】
上記課題を解決するクランプインバルブは、ケースと、前記ケースに収容され、タイヤの状態を検出する検出部と、前記ケースに設けられた取付部と、前記取付部に設けられ、スナップインバルブが挿入されるように構成された挿入孔と、前記取付部に設けられ、前記挿入孔の中心軸線に直交する方向において、前記挿入孔よりも外側に位置するケース側嵌合部と、を備えたタイヤ状態検出装置に取り付けられるように構成されたクランプインバルブであって、クランプインバルブは、前記ケース側嵌合部に嵌合されるように構成されたバルブ側嵌合部を備え、前記ケース側嵌合部と前記バルブ側嵌合部とが嵌合した状態で固定具によって前記ケースに取り付けられるように構成される。
【0014】
クランプインバルブのバルブ側嵌合部と、ケースのケース側嵌合部とが嵌合した状態で、クランプインバルブは取付部に取り付けられる。ケース側嵌合部は、挿入孔の軸線方向に直交する方向において、挿入孔よりも外側に位置している。したがって、バルブ側嵌合部は、挿入孔よりもクランプインバルブの中心軸線から離れた位置でケースに接する。したがって、クランプインバルブが挿入孔にのみ挿入されている場合に比べて、クランプインバルブから取付部に作用する力を軽減することができる。すなわち、取付部に加わる力を軽減することができるクランプインバルブを用いることで、結果としてタイヤ状態検出装置の取付部の変形を抑制することができる。
【0015】
上記クランプインバルブは、前記挿入孔に挿入されるように構成された挿入部を備えることが好ましい。
これによれば、クランプインバルブからケースに加わる力は、挿入部の外面から挿入孔の内面にも加わる。したがって、クランプインバルブからケースに作用する力が分散され、取付部の変形を更に抑制することができる。
【0016】
上記課題を解決するタイヤバルブユニットは、タイヤ状態検出装置と、前記タイヤ状態検出装置に取り付けられたタイヤバルブと、を備えるタイヤバルブユニットであって、前記タイヤ状態検出装置は、ケースと、前記ケースに収容され、タイヤの状態を検出する検出部と、前記ケースに設けられた取付部と、前記取付部に設けられ、前記タイヤバルブとしてスナップインバルブが挿入されるように構成された挿入孔と、前記取付部に設けられ、前記挿入孔の中心軸線に直交する方向において、前記挿入孔よりも外側に位置し、前記タイヤバルブとしてクランプインバルブが嵌合するように構成されたケース側嵌合部と、前記挿入孔に挿入された前記スナップインバルブ、又は、前記ケース側嵌合部に嵌合されたクランプインバルブを前記ケースに固定するように構成された固定具と、を備える。
【0017】
これによれば、挿入孔の中心軸線に直交する方向において、挿入孔よりも外側でクランプインバルブとケースとが嵌合することで、取付部の変形を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、クランプインバルブ、及び、スナップインバルブを取り付け可能な取付部の変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ホイールに装着されたタイヤバルブユニットを示す斜視図。
図2】ホイールに装着されたタイヤバルブユニットを示す断面図。
図3】タイヤバルブとしてクランプインバルブを用いたタイヤバルブユニットの斜視図。
図4】タイヤバルブとしてスナップインバルブを用いたタイヤバルブユニットの斜視図。
図5】送信機の斜視図。
図6】取付部の正面図。
図7】スナップインバルブの斜視図。
図8】クランプインバルブの斜視図。
図9】タイヤバルブとしてクランプインバルブを用いたタイヤバルブユニットをホイールに装着するときの送信機の動きを示す図。
図10】クランプインバルブの変形例を示す斜視図。
図11】送信機の変形例を示す斜視図。
図12】クランプインバルブの変形例を示す斜視図。
図13】送信機の変形例を示す斜視図。
図14】固定具の変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、タイヤ状態検出装置、クランプインバルブ、及び、タイヤバルブユニットの一実施形態について説明する。
図1、及び、図2に示すように、タイヤバルブユニット10Aは、ホイール11に装着される。ホイール11のリム12は、円形状の取付孔13を備える。ホイール11には、タイヤ14が装着されている。
【0021】
図3に示すように、タイヤバルブユニット10Aは、タイヤ状態検出装置としての送信機20と、送信機20に取り付けられたクランプインバルブ40と、送信機20にクランプインバルブ40を固定する固定具としてのボルト80と、を備える。
【0022】
図4に示すように、クランプインバルブ40に代えてスナップインバルブ60を送信機20に取り付けることで、送信機20と、スナップインバルブ60と、ボルト80と、を備えるタイヤバルブユニット10Bが構成される。タイヤバルブとして、スナップインバルブ60を用いる場合と、クランプインバルブ40を用いる場合とで、送信機20は共用される。すなわち、送信機20と、タイヤバルブとを備えるタイヤバルブユニットは、タイヤバルブとして、クランプインバルブ40、又は、スナップインバルブ60を備える。
【0023】
図5に示すように、送信機20は、ケース21と、ケース21に収容された検出部としての圧力センサ22と、を備える。また、図示は省略するが、送信機20は、種々の電子部品、バッテリ、アンテナ、送信回路などをケース21内に備える。送信機20は、圧力センサ22が検出した圧力データ(タイヤ14の空気圧データ)を受信機に送信する。受信機は、車両に搭載されたものでもよいし、ユーザーの所持する携帯端末であってもよい。受信機は、タイヤ14の圧力を監視して、タイヤ14の圧力に異常が生じた場合には、報知を行う。
【0024】
ケース21は、例えば、樹脂製である。ケース21は、上記した圧力センサ22などが収容される箱状の収容部(収容体)23と、収容部23から立設した取付部24と、を備える。収容部23と取付部24とは一体成型されている。
【0025】
取付部24は、板状であり、板厚方向の一端に第1面25を備え、板厚方向の他端に第2面26を備える。取付部24は、第1面25から第2面26に向けて板厚方向に凹む嵌合凹部27と、板厚方向に貫通した挿入孔28とを備える。ケース側嵌合部としての嵌合凹部27は、収容部23からの取付部24の立設方向の両縁に至るまで、すなわち取付部24の基端から先端にまで延びている。本実施形態では、取付部24の立設方向の全体に亘って嵌合凹部27は延びている。嵌合凹部27は、第1面25と平行である底面29と、底面29に交わる2つの対向面(内側面)30とを備える。2つの対向面30同士は、平行であり、対向面30同士の間隔は一定である。
【0026】
図2図5、及び、図6に示すように、挿入孔28は、嵌合凹部27の底面29から第2面26まで延びている。挿入孔28と嵌合凹部27とは連続している。挿入孔28は、非円形状の第1孔31と、円形状の第2孔32とを備える。第1孔31と第2孔32とは、挿入孔28の軸線方向に並んでいる。第1孔31は、嵌合凹部27の底面29に開口しており、第2孔32は第2面26に開口している。第1孔31は、互いに平行であり、かつ、嵌合凹部27の対向面30と同一面上に位置する二つの平坦面33と、平坦面33同士を繋ぐ円弧状の曲面34とで内周面を構成している。挿入孔28の中心軸線に直交する方向において、嵌合凹部27は挿入孔28よりも外側まで拡がっている。
【0027】
図7に示すように、スナップインバルブ60は、筒状のバルブステム61と、バルブステム61の外周に設けられた円筒状の胴体部71と、を備える。バルブステム61は金属製であり、胴体部71はゴム製である。バルブステム61には、図示しないバルブ機構が内蔵されている。
【0028】
バルブステム61の両端部は、胴体部71から突出している。胴体部71から突出した両端部のうち一方を外側突出部62とし、他方を内側突出部63とする。外側突出部62は、ホイール11にタイヤバルブユニット10Bが装着された状態で、タイヤ14外に位置する。内側突出部63は、ホイール11にタイヤバルブユニット10Bが装着された状態で、タイヤ14内に位置する。
【0029】
外側突出部62は円筒状である。図示は省略するが、外側突出部62にはバルブステム61内への異物の侵入を抑止するためのキャップが装着される。内側突出部63の外形は、挿入孔28の第1孔31の形状と相似である。内側突出部63は、非円形状の筒状であり、互いに平行である二つの平坦面64と、平坦面64同士を繋ぐ二つの円弧状の曲面65とで外周面を構成している。内側突出部63は、内周に雌ネジ孔67を備える。
【0030】
バルブステム61の軸線方向に直交する方向での内側突出部63の大きさは、第1孔31に内側突出部63を挿入可能である一方で、第1孔31から第2孔32への内側突出部63の挿入が規制される大きさである。また、バルブステム61の軸線方向に直交する方向での内側突出部63の寸法のうち最も長い寸法は、外側突出部62の直径よりも小さい。すなわち、内側突出部63は、外側突出部62よりも細い。内側突出部63は、バルブステム61の軸線方向に直交する方向に延びる通気孔66を備える。通気孔66は、内側突出部63の外周面と内周面とを繋いでいる。本実施形態において、通気孔66は、内側突出部63の平坦面64に開口している。
【0031】
胴体部71の一部は、外側突出部62から内側突出部63に向けて直径が大きくなる。胴体部71は、全周に亘って凹設された装着溝72を一部に備える。胴体部71は、バルブステム61の軸線方向において、装着溝72の両側に第1挟持部73及び第2挟持部74を備える。第1挟持部73は外側突出部62と対応する側に配置され、第2挟持部74は内側突出部63と対応する側に配置される。第1挟持部73の直径及び第2挟持部74の直径は、装着溝72での胴体部71の直径よりも長い。タイヤバルブユニット10Bがホイール11に装着される前において、装着溝72での胴体部71の直径は取付孔13の直径よりも大きい。
【0032】
タイヤバルブユニットに用いられるタイヤバルブとして、スナップインバルブ60を採用する場合には、取付部24の挿入孔28にスナップインバルブ60の内側突出部63が挿入される。そして、挿入孔28の第2孔32に挿入されたボルト80を内側突出部63の雌ネジ孔67に螺合することで、送信機20とスナップインバルブ60とを一体化したタイヤバルブユニット10Bが構成される。この際、内側突出部63の各平坦面64が、第1孔31の内周面に当接することで、スナップインバルブ60の回転が規制される。
【0033】
図8に示すように、クランプインバルブ40は、筒状のバルブステム41を備える。バルブステム41は、金属製である。バルブステム41には、図示しないバルブ機構が内蔵されている。バルブステム41は、ステム本体42と、ステム本体42に一体のバルブ取付部51とを備える。ステム本体42と、バルブ取付部51とは、バルブステム41の軸線方向に並んでいる。
【0034】
ステム本体42は、軸線方向の一端に外側端部43を備え、軸線方向の他端にフランジ部44を備える。ステム本体42は、軸線方向における外側端部43と、フランジ部44との間に締結部45を備える。外側端部43は、ホイール11にタイヤバルブユニット10Aが装着された状態で、タイヤ14外に位置する。フランジ部44は、ホイール11にタイヤバルブユニット10Aが装着された状態で、タイヤ14内に位置する。
【0035】
図示は省略するが、外側端部43にはバルブステム41内への異物の侵入を抑止するためのキャップが装着される。締結部45は、バルブステム41の外周面にネジ溝を備えた部分であり、雄ネジとして機能する。
【0036】
図3に示すように、締結部45には、締結ナット81が螺合される。締結部45の直径は、ホイール11の取付孔13の直径よりも僅かに短い。フランジ部44は、バルブステム41の直径を局所的に大きくした部分であり、その直径は、取付孔13の直径よりも大きい。すなわち、フランジ部44は、取付孔13を通ることが規制された部分である。
【0037】
図8に示すように、バルブ取付部51は、ステム本体42の軸線方向においてフランジ部44に連続して設けられている。バルブ取付部51は、フランジ部44に連続する筒状の連続部52と、連続部52の端面からバルブステム41の軸線方向に突出した筒状の嵌合凸部53と、嵌合凸部53からバルブステム41の軸線方向に突出した筒状の挿入部54と、を備える。連続部52は、バルブステム41の軸線方向に直交する方向に延びる通気孔55を備える。通気孔55は、連続部52の内周面と外周面とを繋げている。
【0038】
バルブ側嵌合部としての嵌合凸部53は、バルブステム41の軸線方向に直交する方向すなわち径方向において、挿入部54よりも外側まで延びている。本実施形態では、連続部52の縁に至るまで嵌合凸部53は延びている。嵌合凸部53は、連続部52に交わる二つのバルブ側対向面56を備える。バルブ側対向面56の一部は、バルブステム41の軸線方向に直交する方向において、挿入部54よりも外側に位置している。二つのバルブ側対向面56は、互いに平行である。バルブ側対向面56同士の間隔は、嵌合凹部27の対向面30同士の間隔よりも僅かに短い。
【0039】
挿入部54は、軸線方向の寸法が異なること、及び、通気孔66を備えていないことを除いて、スナップインバルブ60の内側突出部63と同一形状である。具体的にいえば、挿入部54は非円形状の筒状であり、互いに平行であり、かつ、バルブ側対向面56と同一面上に位置する二つの平坦面57と、平坦面57同士を繋ぐ二つの円弧状の曲面58とで外周面を構成している。挿入部54は、内周に雌ネジ孔59を備える。バルブステム41の軸線方向に直交する方向での挿入部54の大きさは、挿入部54を第1孔31に挿入可能である一方で、第1孔31から第2孔32への挿入部54の挿入が規制される大きさである。
【0040】
タイヤバルブユニットに用いられるタイヤバルブとして、クランプインバルブ40が採用される場合には、取付部24の挿入孔28にクランプインバルブ40の挿入部54が挿入される。更に、取付部24の嵌合凹部27にはクランプインバルブ40の嵌合凸部53が嵌合される。そして、ボルト80を挿入部54の内周面に設けられた雌ネジに螺合することで、送信機20とクランプインバルブ40とを一体化したタイヤバルブユニット10Aが構成される。この際、挿入部54の各平坦面57が、第1孔31の内周面に当接し、嵌合凸部53のバルブ側対向面56が嵌合凹部27の対向面30に当接することで、クランプインバルブ40の回転が規制される。
【0041】
次に、本実施形態の送信機20、クランプインバルブ40、及び、タイヤバルブユニット10A,10Bの作用について説明する。
図2及び図3に示すように、クランプインバルブ40を備えるタイヤバルブユニット10Aをホイール11に装着する際には、クランプインバルブ40の外側端部43を、円環状のグロメット82、及び、ホイール11の取付孔13に挿入する。本実施形態では、ホイール11の内側からホイール11の外側に外側端部43が挿入される。グロメット82は、タイヤ14の内外をシールする部材であり、例えば、ゴム製である。なお、ホイール11の内側とは、ホイール11にタイヤ14が装着された場合に、タイヤ14内に位置する部分であり、ホイール11の外側とは、ホイール11にタイヤ14が装着された場合に、タイヤ14外に位置する部分である。
【0042】
次に、取付孔13を貫通し、ホイール11外に突出した締結部45に締結ナット81を螺合する。締結ナット81を回転させると、締結ナット81とタイヤバルブユニット10Aとが供回りする。図9に示すように、タイヤバルブユニット10Aが締結ナット81と供回りすると、ケース21の一部がホイール11に接触し、タイヤバルブユニット10Aの回転が規制される。この状態で締結ナット81を回転させることで、締結ナット81は締結部45に螺合される。したがって、クランプインバルブ40から取付部24に力が加わり、この力の反力を利用して、締結ナット81は締結部45に螺合される。締結ナット81が螺合されると、フランジ部44とホイール11に挟まれたグロメット82によりタイヤ14の内外のシール性が確保される。
【0043】
ここで、締結ナット81を螺合する際には、クランプインバルブ40にねじりトルクが生じる。このねじりトルクによって、クランプインバルブ40からケース21の取付部24に力が加わる。ケース21に加わる力は、クランプインバルブ40の中心軸線から離れた部分ほど小さくなる。
【0044】
本実施形態では、ケース21に嵌合凹部27を設けて、クランプインバルブ40には嵌合凹部27に嵌合される嵌合凸部53を設けている。クランプインバルブ40から取付部24に加わる力は、嵌合凸部53のバルブ側対向面56から嵌合凹部27の対向面30に加わるとともに、挿入部54の外周面から第1孔31の内周面に加わる。挿入孔28の中心軸線に直交する方向において、嵌合凸部53の一部は、挿入孔28よりも外側に位置する。したがって、嵌合凸部53から取付部24に加わる力は、クランプインバルブ40の挿入部54を挿入孔28に挿入するのみで取付部24にクランプインバルブ40を取り付ける場合に比べて小さくなる。
【0045】
スナップインバルブ60を備えるタイヤバルブユニット10Bをホイール11に装着する際には、スナップインバルブ60の外側突出部62をホイール11の内側から取付孔13に挿入する。胴体部71は、弾性変形しながら取付孔13に圧入されていく。そして、取付孔13内に装着溝72が位置するまでスナップインバルブ60を取付孔13に挿入すると、装着溝72と取付孔13とが密着し、タイヤバルブユニット10Bがホイール11に装着される。タイヤ14の内外のシール性は、胴体部71によって確保されることになる。
【0046】
車両の走行時には、タイヤ14、及び、ホイール11が回転し、タイヤバルブユニット10Bには遠心力が作用する。この遠心力は、タイヤバルブユニット10Bの重量が重いほど強くなる。遠心力による胴体部71の破断を抑制するためにタイヤバルブユニット10Bの軽量化が望まれている。
【0047】
クランプインバルブ40の挿入部54とスナップインバルブ60の内側突出部63のみを取付部24の挿入孔28に挿入して取り付け可能とする構造においては、クランプインバルブ40の挿入部54と、スナップインバルブ60の内側突出部63の外形とが同一形状となる。この場合、スナップインバルブ60の軽量化のために、内側突出部63を細くすると、クランプインバルブ40の挿入部54も細くなる。クランプインバルブ40の挿入部54を細くすると、クランプインバルブ40の中心軸線からケース21に接する部分までの距離が短くなり、タイヤバルブユニット10Aをホイール11に取り付ける際に、取付部24に加わる力が大きくなる。結果として、取付部24が変形するおそれがある。取付部24が変形すると、締結ナット81を螺合する際に、クランプインバルブ40が取付部24からの反力を受けることができず、タイヤバルブユニット10Aをホイール11に装着できないおそれがある。
【0048】
一方で、取付部24に加わる力を小さくするためにクランプインバルブ40の挿入部54を太くすると、スナップインバルブ60の内側突出部63も太くなり、スナップインバルブ60の重量が増加する。
【0049】
本実施形態では、嵌合凸部53と嵌合凹部27の嵌合により、クランプインバルブ40を用いた場合の取付部24の変形が抑制されている。したがって、取付部24の強度を考慮することなく、スナップインバルブ60の内側突出部63の太さを定めることができる。クランプインバルブ40を取り付ける場合の取付部24の強度を考慮して、内側突出部63の太さを定める場合に比べて、内側突出部63を細くすることができ、スナップインバルブ60の軽量化が図られる。したがって、スナップインバルブ60に求められている軽量化の要求を満たすことができ、クランプインバルブ40に求められている取付部24の変形抑止の要求も満たすことができる。
【0050】
なお、クランプインバルブ40を備えるタイヤバルブユニット10Aにおいては、遠心力により力が加わる部分が金属製のバルブステム41であるため、遠心力を軽減するための軽量化を考慮する必要がない。また、スナップインバルブ60を備えるタイヤバルブユニット10Bにおいては、挿入孔28に圧入することでホイール11への取り付けが行われるため、ねじりトルクによって生じる力を考慮する必要がない。
【0051】
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)1つの取付部24にスナップインバルブ60、及び、クランプインバルブ40の両方を取り付け可能としたことで、タイヤバルブとして、スナップインバルブ60及びクランプインバルブ40のいずれが用いられる場合であっても、送信機20を兼用することができる。
【0052】
取付部24は、スナップインバルブ60の内側突出部63又はクランプインバルブ40の挿入部54が挿入される挿入孔28と、クランプインバルブ40の嵌合凸部53が嵌合される嵌合凹部27と、を備える。挿入孔28の中心軸線に直交する方向において、嵌合凹部27は挿入孔28よりも外側まで拡がっており、嵌合凹部27の一部は挿入孔28よりも外側に位置している。タイヤバルブとしてクランプインバルブ40を用いる場合には、嵌合凹部27に嵌合凸部53が嵌合される。このため、タイヤバルブユニット10Aをホイール11に装着する際に、クランプインバルブ40から取付部24に加わる力を軽減することができる。したがって、取付部24の変形を抑制することができる。
【0053】
(2)嵌合凹部27と嵌合凸部53との嵌合によって、クランプインバルブ40をホイール11に取り付ける際に取付部24が変形することを抑制している。したがって、挿入孔28に挿入されるスナップインバルブ60の内側突出部63は、クランプインバルブ40の太さを考慮することなく定めることができる。したがって、スナップインバルブ60の軽量化が図られ、ひいては、遠心力により胴体部71に加わる力が抑制される。これにより、胴体部71の破断や変形が抑制され、スナップインバルブ60を備えるタイヤバルブユニット10Bの長寿命化が図られる。
【0054】
(3)クランプインバルブ40は、挿入孔28に挿入される挿入部54を備える。クランプインバルブ40から取付部24に加わる力は、挿入部54から挿入孔28の内面にも加わる。したがって、クランプインバルブ40から取付部24に加わる力は、嵌合凸部53から嵌合凹部27に加わる力と、挿入部54から挿入孔28の内面に加わる力に分散れ、局所的に力が加わることを抑制することができる。
【0055】
(4)1つの取付部24にスナップインバルブ60、及び、クランプインバルブ40の両方を取り付け可能としたことで、スナップインバルブ60用の取付部と、クランプインバルブ40用の取付部とを個別に設けることなく送信機20を共用することができる。したがって、スナップインバルブ60用の取付部、及び、クランプインバルブ40用の取付部を個別に設ける場合に比べてケース21の軽量化が図られる。
【0056】
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
図10に示すように、嵌合凸部91は、挿入部54と分離されていてもよい。図10に示すクランプインバルブ40は、連続部52の端面に挿入部54、及び、二つの嵌合凸部91を備える。嵌合凸部91は、バルブステム41の軸線方向に直交する方向において、挿入部54よりも外側に位置している。二つの嵌合凸部53は、挿入部54から離間した位置に設けられており、挿入部54を挟んで位置している。このクランプインバルブ40は図11に示す送信機20に取り付けられる。
【0057】
図11に示すように、送信機20の取付部24は、挿入孔28と、二つの嵌合凹部92とを備える。二つの嵌合凹部92は、挿入孔28と分離されている。嵌合凹部92は、挿入孔28の中心軸線に直交する方向において、挿入孔28よりも外側に位置している。各嵌合凹部92には、各嵌合凸部91が嵌合される。
【0058】
図12に示すように、クランプインバルブ40は、嵌合凸部に代えて嵌合凹部93を備えていてもよい。嵌合凹部93は、連続部52の端面からバルブステム41の軸線方向に凹んでいる。このクランプインバルブ40は図13に示す送信機20に取り付けられる。
【0059】
図13に示すように、送信機20の取付部24は、嵌合凹部に代えて、嵌合凸部94を備えていてもよい。嵌合凸部94は、挿入孔28の中心軸線に直交する方向において、挿入孔28よりも外側に位置している。この場合、取付部24の嵌合凸部94がクランプインバルブ40の嵌合凹部93に嵌合される。したがって、取付部24に設けられるケース側嵌合部と、クランプインバルブ40に設けられるバルブ側嵌合部とは、互いに嵌合し合う形状であれば、その凹凸関係はどのような形状でもよい。例えば、嵌合凸部及び嵌合凹部の両方を、取付部24及びクランプインバルブ40のそれぞれが備えていてもよい。
【0060】
図14に示すように、固定具100として、ボルト80以外を用いてもよい。図14に示すように、固定具100は、矩形平板状の連結部101と、連結部101の短手方向に延びる一対の辺それぞれから延びる腕部102と、連結部101の長手方向に延びる一対の辺それぞれから延びる係止部103と、を備える。固定具100は、金属製である。2つの腕部102は、連結部101から同一方向に向けて湾曲して延びる。腕部102は、取付部24に設けられた溝104に掛かり、取付部24に固定される。
【0061】
上記した固定具100を用いる場合、スナップインバルブ60の内側突出部63、及び、クランプインバルブ40の挿入部54には、周壁を貫通する貫通孔110が設けられる。
【0062】
固定具100は、係止部103同士の間に取付部24が挿入されるように設けられる。そして、係止部103は、貫通孔110を介して内側突出部63内、又は、挿入部54内に突出する。これにより、スナップインバルブ60、又は、クランプインバルブ40の軸線方向への移動が規制され、スナップインバルブ60、又は、クランプインバルブ40はケース21に取り付けられる。なお、上記した固定具100を用いる場合、挿入孔28は、第1面25から第2面26に亘って同一の大きさとなる。具体的にいえば、内側突出部63及び挿入部54が挿通可能な大きさとなる。
【0063】
・クランプインバルブ40は、挿入部54を備えていなくてもよい。この場合、嵌合凹部27と嵌合凸部53との嵌合によって、クランプインバルブ40は取付部24に取り付けられる。
【0064】
・スナップインバルブ60の内側突出部63、及び、クランプインバルブ40の挿入部54にボルト80を螺合する際に、各タイヤバルブの回転を規制できれば、スナップインバルブ60の内側突出部63、及び、クランプインバルブ40の挿入部54は真円形状でもよい。同様に、取付部24の挿入孔28は真円形状でもよい。また、固定具として、各タイヤバルブに回転力が作用しない固定具を用いる場合も、スナップインバルブ60の内側突出部63、及び、クランプインバルブ40の挿入部54は真円形状でもよい。
【0065】
・スナップインバルブ60の内側突出部63、及び、クランプインバルブ40の挿入部54は、四角形状などの多角形状や、楕円形状としてもよい。この場合、内側突出部63及び挿入部54の形状に合わせて、挿入孔28の形状も変更する。
【0066】
・バルブ取付部51は、連続部52を備えていなくてもよい。この場合、フランジ部44に連続して嵌合凸部53が設けられる。通気孔66は、フランジ部44、嵌合凸部53、及び、挿入部54のいずれかに設けられる。
【0067】
・取付部24に各タイヤバルブを取り付けることができれば、内側突出部63及び挿入部54の外形と、挿入孔28の第1孔31の形状とは相似でなくてもよい。
・嵌合凹部27は、取付部24の立設方向に交差する方向に延びていてもよい。また、嵌合凹部27は、取付部24の縁に至るまで延びていなくてもよい。すなわち、嵌合凹部27は、嵌合凸部53を嵌合することができれば、どのような大きさ、形状であってもよい。
【0068】
・取付部は、収容部23を構成する壁部の一部など、ケース21の一部分であればよい。
・検出部として、タイヤ14内の温度を検出する温度センサや、ホイールに作用する遠心力を検出する加速度センサ等、圧力センサ22以外のセンサを用いてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10A,10B…タイヤバルブユニット、20…送信機(タイヤ状態検出装置)、21…ケース、22…圧力センサ(検出部)、24…取付部、27…嵌合凹部(ケース側嵌合部)、28…挿入孔、40…クランプインバルブ、53…嵌合凸部(バルブ側嵌合部)、60…スナップインバルブ、80…ボルト(固定具)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14