【文献】
Grela F、外10名,The TLR7 agonist R848 alleviates allergic inflammation by targeting invariant NKT cells to produce I,J Immunol.,2011年 1月,Vol.186,No.1,Page.284-290
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のTLR-7/8アゴニストとを接触させ、免疫細胞からの、IFNγである免疫エフェクター分子の存在またはレベルの上昇を測定することを含み、ここで免疫エフェクター分子の存在またはレベルが被験者の細胞性応答のレベルを示し、前記限定量は、TLR-7/8アゴニストを抗原の非存在下でリンパ球と共にインキュベートする場合に最小限のバックグラウンド応答を誘導する量である、前記方法。
被験者が、マイコバクテリウム種、スタフィロコッカス種、ストレプトコッカス種、ボレリア種、エシェリキア・コリ、サルモネラ種、クロストリジウム種、シゲラ種、プロテウス種、バチルス種、ヘルペスウイルス、B型またはC型肝炎ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルス(HIV)からなるリストから選択される病原体による感染症を有する、請求項1に記載の方法。
被験者が、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性アジソン病多発性硬化症、副腎自己免疫疾患、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎および精巣炎、ベーチェット病、類天疱瘡、心筋症、セリアックスプルー皮膚炎、慢性疲労症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性、慢性炎症性ポリニューロパチー、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、クレスト症候群、寒冷凝集素病、クローン病、疱疹状皮膚炎、円板状エリテマトーデス、本態性混合クリオグロブリン血症、線維筋痛症、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少紫斑病(ITP)、IgA腎症、インスリン依存型糖尿病(I型)、扁平苔癬、狼瘡、メニエール病、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、多腺性症候群、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎および皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、関節リュウマチ、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、スティフマン症候群、全身性エリテマトーデス、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、血管炎、尋常性白斑ならびに炎症性腸疾患からなるリストから選択される病状を有する、請求項1に記載の方法。
被験者が、ABL1癌原遺伝子、エイズ関連癌、聴神経腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌、副腎皮質癌、原因不明骨髄化生、脱毛症、胞巣状軟部肉腫、肛門癌、血管肉腫、再生不良性貧血、星状細胞腫、毛細血管拡張運動失調症、基底細胞癌(皮膚)、膀胱癌、骨癌、腸癌、脳幹神経膠腫、脳およびCNS腫瘍、乳癌、CNS腫瘍、カルチノイド腫瘍、子宮頚癌、小児脳腫瘍、小児癌、小児白血病、小児軟部組織肉腫、軟骨肉腫、絨毛癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸癌、皮膚のT細胞リンパ腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、乳管癌、内分泌癌、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫、肝外胆管癌、眼癌、眼球メラノーマ、網膜芽細胞腫、ファロピウス管癌、ファンコニー貧血、線維肉腫、胆嚢癌、胃癌、消化器癌、消化管カルチノイド腫瘍、泌尿生殖器癌、生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛疾患、神経膠腫、婦人科癌、血液悪性腫瘍、有毛細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、遺伝性乳癌、組織球症、ホジキン病、ヒトパピローマウイルス、胞状奇胎、高カルシウム血症、下咽頭癌、眼内黒色腫、島細胞癌、カポジ肉腫、腎癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、子宮平滑筋肉腫、白血病、リー・フラウメニ症候群、口唇癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌、リンパ浮腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、男性乳癌、腎横紋筋肉腫様腫瘍、髄芽腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移癌、口腔癌、多発性内分泌腺腫、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄腫、脊髄増殖性疾患、鼻腔癌、上咽頭癌、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、神経線維腫症、ナイミーヘン症候群、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、眼癌、食道癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、オストミー卵巣癌、膵臓癌、副鼻腔癌、副甲状腺癌、耳下腺癌、陰茎癌、末梢性神経外胚葉性腫瘍、下垂体癌、真性赤血球増加症、前立腺癌、稀少癌および関連障害、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ロトムンド・トムソン症候群、唾液腺癌、肉腫、神経鞘腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌(SCLC)、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌(皮膚)、胃癌、滑膜肉腫、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行細胞癌(膀胱)、移行細胞癌(腎盂/尿管)、絨毛癌、尿道癌、泌尿器系癌、ウロプラキン、子宮肉腫、子宮癌、膣癌、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症ならびにウイルムス腫瘍から選択される癌を有する、請求項1に記載の方法。
限定量のTLR-7/8アゴニストをリンパ球と共にインキュベートして、IFNγである免疫エフェクター分子の存在または上昇を検出する方法による細胞性免疫応答の診断アッセイの作成における、前記TLR-7/8アゴニストの使用であって、前記限定量は、TLR-7/8アゴニストを抗原の非存在下でリンパ球と共にインキュベートする場合に最小限のバックグラウンド応答を誘導する量である、前記使用。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の詳細な説明
本明細書を通じて、特記しない限り、単語”含む(comprise)”または”含む(comprises)”もしくは”含んでいる(comprising)”などの変異形は、記載された要素もしくは整数もしくは方法段階または要素もしくは整数もしくは方法段階のグループを含むが、任意の他の要素もしくは整数もしくは方法段階または要素もしくは整数もしくは方法段階のグループを排除しないことを意味すると解される。
【0024】
本明細書において、単数形”ある(a)”、”ある(an)”および”その(the)”は、文脈により明確に否定されない限りは複数の側面を含む。従って、例えば、”あるT細胞(a T-cell)”は、1つのT細胞ばかりでなく2以上のT細胞も含み;”ある薬剤(an agent)”は、1つの薬剤ばかりでなく、2以上の薬剤も含み;”その開示(the disclosure)”は、その開示によって教示される1つまたは複数の側面を含む;などである。記載された側面は、用語”発明”に含まれる。すべての側面は、特許請求の範囲内で使用可能である。本明細書において、用語”T細胞”および”Tリンパ球”は同義で使用される。”免疫細胞”は、NK細胞などのリンパ球を含む。
【0025】
”薬剤”、”試薬”、”分子”および”化合物”との表記は、1つの実体および2以上のこのような実体の組み合わせを含む。”組み合わせ”はまた、薬剤が別々に提供され、別々に、または投薬の前に混合して、用いられるかまたは投薬される2成分(two-part)組成物などの多成分(multi-part)組成物を含む。例えば、多成分アッセイパックは、細胞性免疫応答が測定される抗原およびTLRアゴニストを含むことができる。故に、本開示の本側面は、乾燥され、ばらの、またはアッセイパック中のコンパートメント壁もしくは固体支持体に固定された薬剤を含む。
【0026】
本明細書において、被験者における細胞性免疫応答を検出する方法であって、被験者からのリンパ球を、
(i)抗原;および
(ii)限定量のTLRアゴニスト;
と共にインキュベートし、次いで、活性化リンパ球によって産生されるエフェクター分子のレベルをスクリーニングすることを含む前記方法を可能にする。
【0027】
リンパ球は、抗原との共インキュベーションによって活性化される。限定量のTLRアゴニストは、エフェクター分子の早期検出を促進する。
【0028】
用語”TLRアゴニスト”は、自然免疫系を増強する薬剤の1例である。他の適切な用語は、自然免疫系の増強物質、刺激薬、アクチベーターおよび誘導因子を含む。
【0029】
自然免疫刺激薬はTLRアゴニストを含む。TLRアゴニストは、R848(TLR-7/8リガンド)などのイミダゾキノリン化合物、Pam3CSK4(TLR-2リガンド)、リポマンナン(TLR-2リガンド)、ポリ(I:C)[TLR-3リガンド]、リポ多糖(TLR-4リガンド)およびCpGオリゴデオキシヌクレオチド(TLR-9リガンド)を含む。TLRアゴニストの選択に関しては、アゴニストは、高いものから順に、TLR-7/8>TLR-4>TLR-3>TLR-2に対するアゴニストから選択される。
【0030】
R848は、Nowroozalizadeh et al. (2009) Cytokine 46:325-31, Hemmi et al. (2002) Nature Immunology 3:196-200 and Peel et al. (1985) J Med Chem 28:298-302 に開示されている。”イミダゾキノリン”または”R848”との記載はイミダゾキノリン誘導体を含む。
【0031】
本開示は、抗原に暴露されたリンパ球からのエフェクター分子の産生の増加を教示する。このようなリンパ球は、”活性化された”または”刺激された”リンパ球である。この細胞を限定量のTLRアゴニストに暴露することによって増加が起こる。応答のレベルは、抗原もしくは限定量のTLRアゴニスト単独の存在下での別々の応答の合計またはTLRアゴニストが限定量でない場合よりも、抗原および限定量のTLRアゴニストの存在下でのほうが高い。このことは、被験者の細胞性免疫応答を評価するための、より感受性が高いアッセイを可能にする。従って、本開示は、限定量のTLRアゴニストの存在下での抗原によって刺激されたT細胞からのエフェクター分子の存在またはレベルを測定することによって被験者における細胞性反応を検出、評価または別のやり方でモニターするアッセイを可能にする。本アッセイはまた、細胞性応答の早期検出も可能にする。一実施形態において、本明細書において教示するアッセイは、細胞性アッセイの感度を高め、これによって低感度アッセイを用いることを可能にすることができる。さらにまた、細胞性免疫応答の程度または強さによって、病状の状態、進行および/または重症度を反映するかまたはその情報を与えることが提案される。例えば、応答の強さによって、被験者が潜在性または活動性または急性の感染症または病状を有するかどうかを判定することができる。
【0032】
調節性T細胞(T-reg細胞)の活性を調節するために追加の薬剤を加えることもできる。後者は、T-reg細胞のサプレッサー機能の抑制を含む。本明細書に含まれるTreg細胞を調節する薬剤は、CD25リガンド;JAK1またはTYK2をコードする遺伝物質に対するセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド;中和抗体;CpG含有オリゴヌクレオチド;TLR調節薬として機能するオリゴヌクレオチド;および他のTLR調節薬を含む。
【0033】
特定の実施形態において、T-reg細胞は、その活性が抑制される免疫応答サプレッサー細胞である。
【0034】
”CpG分子”は、CpG配列またはモチーフを含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0035】
TLRアゴニストに関する”限定量”は、QFT-Nil抗原チューブを用い、それ自体で、ゼロかまたは最小限のバックグラウンド応答を誘導する薬剤の量;1:1.5、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:101、1:102、1:103、1:104、1:105、1:106、1:107、1:110、1:111、1:112、1:113、1:114、1:115、1:116、1:117、1:118、1:119、1:120、1:121、1:122、1:123、1:124、1:125、1:126、1:127、1:128、1:129、1:130、1:131、1:132、1:133、1:134、1:135、1:136、1:137、1:138、1:139、1:140、1:141、1:142、1:143、1:144、1:145、1:146、1:147、1:148、1:149、1:150、1:151、1:152、1:153、1:154、1:155、1:156、1:157、1:158、1:159、1:159、1:160、1:161;1:162、1:163、1:164、1:165、1:166、1:167、1:168、1:169、1:170、1:171、1:172、1:173、1:174、1:175、1:176、1:177、1:178、1:179、1:180、1:181、1:182、1:183、1:184、1:185、1:186、1:187、1:188、1:189、1:190、1:191、1:192、1:193、1:194、1:195、1:196、1:197、1:198、1:199、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:450もしくは1:500または中間の量を含む1:1.5〜1:500の薬剤対抗原比;抗原未満の薬剤の量;および/またはQFT-Nil抗原チューブにおいて応答を生じるのに普通なら必要なはずの薬剤の準最適量を含む。本明細書において、アッセイは、エフェクター分子の検出に関して、少なくとも10%の改善を生じる。”少なくとも10%”は、約10%〜約50%を含む。
【0036】
本アッセイに用いられるTLRアゴニストの量は、アゴニストおよびアッセイ条件ならびに抗原および他の成分の濃度に応じて異なる。R848に関しては、限定量のこのTLRアゴニストは、0.01μg/ml〜約10μg/mlアッセイ流体を含む。これは、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10μg/mlを含む。一実施形態において、約0.05μg/ml〜約1.0μg/mlのR848が用いられる。
【0037】
本開示は、被験者における細胞性免疫応答を判定する手段を提供し、次には、病状または薬剤が、免疫抑制を誘導するかまたはそれと関連するかどうかの判定を教示する。本方法はまた、感染症、病的状態の診断、免疫能のレベルの判定および内因性もしくは外因性薬剤に対する免疫細胞応答の評価ならびにベリリウムもしくは他の毒物などの毒物への暴露の評価を可能にする。本アッセイはまた、特定の抗原、例えば疾患、感染症または汚染物質と関連する抗原に前もって暴露された被験者のスクリーニングを可能にする。
【0038】
従って、本明細書において教示される一側面は、被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させ、免疫細胞によって産生される免疫エフェクター分子のレベルを測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが被験者の細胞性免疫応答のレベルを示す前記方法を考える。
【0039】
本明細書において考えられる他の側面は、被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させ、免疫細胞からの免疫エフェクター分子のレベルの上昇を測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが被験者の細胞性応答のレベルを示し、応答のレベルが、病原体による感染症、自己免疫疾患、癌、炎症状態および毒物への暴露を含むリストから選択される疾患または状態の有無またはレベルまたはステージを示す前記方法である。
【0040】
本明細書において可能にされるさらに他の側面は、被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させ、免疫細胞からの免疫エフェクター分子のレベルの上昇を測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが細胞性応答のレベルを示し、病原体による感染症、自己免疫疾患、癌、炎症状態および毒物への暴露を含むリストから選択される疾患または状態の有無またはレベルまたはステージを示す前記方法である。
【0041】
本開示によって教示されるさらに他の側面は、被験者における疾患または状態の存在、非存在、レベルまたはステージを検出するためのアッセイであって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させ、免疫細胞からの免疫エフェクター分子のレベルの上昇を測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが疾患または状態を示す前記方法である。
【0042】
本開示はさらに、薬剤が被験者における免疫抑制を誘導するかどうかを判定する方法であって、薬剤への暴露後に、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させて、リンパ球からのエフェクター分子の存在およびレベルを測定することを含む前記方法において、エフェクター分子のレベルが、薬剤によって誘導される免疫抑制のレベルを判定する前記方法を考える。
【0043】
本側面によれば、薬剤は医薬または環境毒物であることができる。
【0044】
一実施形態において、リンパ球は血液試料に含まれる。一実施形態において、血液試料は、抗原および限定量のR848または他のイミダゾキノリンによって共刺激される。
【0045】
故に、本開示は、被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のR848またはその機能的等価物とを接触させ、免疫細胞によって産生される免疫エフェクター分子のレベルを測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが被験者の細胞性免疫応答のレベルを示す前記方法を教示する。
【0046】
本開示によって教示される他の側面は、被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のR848またはその機能的等価物とを接触させ、免疫細胞からの免疫エフェクター分子のレベルの上昇を測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが被験者の細胞性応答のレベルを示し、応答のレベルが、病原体による感染症、自己免疫疾患、癌、炎症状態および毒物への暴露を含むリストから選択される疾患または状態の有無またはレベルまたはステージを示す前記方法を考える。
【0047】
リンパ球を限定量のアゴニストと共にインキュベートして、エフェクター分子の存在または上昇を検出する方法による細胞性免疫応答の診断アッセイの作成における限定量のTLRアゴニストの使用もまた提供される。
【0048】
他の実施形態において、本明細書において、病状が被験者における免疫抑制を誘導しているかどうかを検出する方法であって、病状を有する被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させて、リンパ球からの免疫エフェクター分子の存在またはレベルを測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが、病状によって誘導されるかまたはそれと関連する免疫抑制の程度を示す前記方法が教示される。
【0049】
リンパ球をアゴニストと共にインキュベートして、エフェクター分子の存在または上昇を検出する方法による細胞性免疫応答の診断アッセイの作成における抗原および限定量のTLRアゴニストの使用もまた提供される。
【0050】
本使用は、病原体による感染症、自己免疫疾患、癌、炎症状態および/またはベリリウムもしくは他の環境毒物などの医薬もしくは毒物への暴露などの疾患または状態の存在、非存在、レベルまたはステージを検出またはモニタリングするための使用を含む。”免疫エフェクター分子”の測定は、1種類以上の異なる分子の測定を含む。
【0051】
本開示はさらに、被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からの調節性T細胞と、(i)サプレッサー調節性T細胞阻害薬;および(ii)免疫増強細胞またはそのサブセットのアクチベーターから選択される薬剤とを接触させ、さらにT細胞と抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させて、免疫細胞からの免疫エフェクター分子のレベルの上昇を測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが被験者の細胞性応答のレベルを示す前記方法を可能にする。
【0052】
T-reg機能の阻害薬またはモジュレーターの例は、限定するものではないが、CD25に対するポリクローナルもしくはモノクローナル抗体またはそれらの抗原結合フラグメント、CD25に対するヒト化もしくは脱免疫化(deimmunized)ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体またはポリクローナルもしくはモノクローナル抗体の組換え体もしくは合成体などのCD25リガンドを含む。薬剤の他の例は、Janusチロシンキナーゼ1(JAK1)もしくはチロシンキナーゼ2(TYK2)をコードするmRNAもしくはDNA(すなわち遺伝物質)に対するセンスもしくはアンチセンス核酸分子またはJAK1もしくはTYK2タンパク質の小分子阻害薬を含む。”小分子”は、国際特許公開第WO2005/118629号に記載の免疫グロブリン新規抗原受容体(IgNAR)を含む。よりさらなる適切な薬剤の例は、Toll様受容体(TLR)および/または他の機構を介して作用するCpG分子などの刺激剤である。故に、CpG含有オリゴヌクレオチドおよびTLR調節薬として機能するオリゴヌクレオチドもまた本開示の一部を構成する。
【0053】
T-reg細胞を調節するために、1種類の薬剤を用いることもできるし、2種類以上の薬剤を用いることもできる。例えば、CD25リガンドおよびJAK1/TYK2センスもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチド;CD25リガンドおよびTLR調節薬;JAK1/TYK2センスもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびTLR調節薬;またはCD25リガンド、JAK1/TYK2センスもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびTLR調節薬を用いてアッセイを行うことができる。あるいはまた、1種類のみの薬剤が用いられる。他の方法において、CpG含有オリゴヌクレオチドおよびTLR調節薬が用いられる。
【0054】
”被験者”は、霊長類の動物を含むヒトまたは非ヒト種、家畜動物(例えばヒツジ、ウシ、ブタ、ウマ、ロバ、ヤギ)、実験用試験動物(例えばマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター)、ペット動物(例えばイヌ、ネコ)、鳥類(例えば家禽鳥、飼鳥園鳥)、爬虫類および両生類を含む。本主題事項は、ヒト医学での利用可能性ばかりでなく、競馬、ドッグレースおよびラクダレース産業を含む家畜および獣医および野生生物用途を有する。例えば、本開示のアッセイは、運動性肺出血(EIPH)の徴候の有無に関してスクリーニングするために、激しい運動(レースなど)の前および/または後に、ウマにルーチンに行うことができる。すべてのウマは、運動時に、ある種のEIPHをある程度で示す。しかしながら、EIPHの亜臨床的形態は検出が困難である。
【0055】
”ヒト”は、ヒトの小児、高齢者および虚弱者集団などのヒトの特定の集団ばかりでなく、特定の民族のヒトの特定のコホートまたは集団も含む。
【0056】
他の実施形態において、被験者はヒトであり、病原微生物、ウイルスおよび寄生虫に対する反応性のスクリーニング、自己免疫状態、セリアック病の発症の可能性またはモニタリング、腫瘍学的チャレンジに対する被験者の応答のモニタリングおよび免疫不全もしくは免疫抑制の存在の判定に細胞性免疫応答が用いられる。後者は、例えば、種々の化学療法剤を含む特定の医薬によって生じる場合もあるし、あるいはまた環境毒物および汚染物質への暴露によって生じる場合もある。
【0057】
免疫エフェクター分子は、抗原による細胞の活性化または刺激に応答して産生される一連の分子のいずれかであることができる。IFN-γなどのインターフェロン(IFN)は特に有用な免疫エフェクター分子であるが、それ以外にも、特に有用な免疫エフェクター分子、例えばインターロイキン(IL)、例えばIL-2、IL-4、IL-6、IL-6(CXCL8)、IL-10、IL-12、IL-13、IL-16(LCF)もしくはIL-17、IL-1α(IL-1F1)、IL-1β(IL-1F2)、IL-1rα(IL-1F3)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば顆粒球(G)-CSFもしくは顆粒球マクロファージ(GM)-CSF、補体成分5a(C5a)、Groα(CXCL1)、sICAM-1(CD54)、IP-10(CXCL10)、I-TAC(CXCL11)、MCP-1(CCL2)、MIF(GIF)、MIP-1α(CCL3)、MIP-1β(CCL4)、RANTES(CCL5)またはMIG(CXCL9)を含む。
【0058】
本開示はまた、被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させ、免疫細胞からの免疫エフェクター分子のレベルを測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子のレベルが被験者の細胞性応答のレベルを示す前記方法を可能にする。
【0059】
本明細書において教示されるアッセイは、病原体による感染症、自己免疫疾患、癌、炎症性物質への暴露、医薬への暴露、ベリリウムもしくは他の毒物または汚染物質などの毒物への暴露ならびに免疫不全または免疫抑制(例えば病状によって誘導されたもの)などの被験者における疾患または状態の有無またはレベルまたはステージの検出を可能にする。
【0060】
TLRアゴニストは、反応容器中に固定されないでいることもできるし、ビーズまたは反応容器の側部もしくは底部などの固体支持体に固定されることもできる。アゴニストは乾燥形態であることもでき、これは使用前または使用中に再構成される。同様に、抗原は反応容器中に固定されないでいることもできるし、容器自身またはビーズまたは他の固体支持体などに固定されることもできる。
【0061】
一実施形態において、被験者から採取された試料は、一般に、採血管に保管される。採血管は、採血チューブまたは他の同様な容器を含む。好都合には、試料が全血の場合、採血管はヘパリン処理されている。あるいはまた、ヘパリンは、血液が採取された後に該チューブに添加される。全血が特に考えられ、最も便利な試料であるにもかかわらず、本開示は、リンパ液、脳脊髄液、組織液ならびに、鼻孔液および肺液を含む呼吸器液ばかりでなく、細胞枯渇を行った試料などの、免疫細胞を含む他の試料にもおよぶ。”全血”は、組織培養、培地、試薬、賦形剤などで希釈されていない全血を含む。一実施形態において、用語”全血”は、少なくとも10容量%の全血を含むアッセイ試料(すなわち反応混合物)を含む。用語”少なくとも10容量%”は、反応混合物の全アッセイ容量の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99および100容量%の血液量を含む。”全血”を含む試料から逸脱することなく、培地、酵素、賦形剤、抗原などの追加の薬剤を添加することができる。
【0062】
血液量は約0.5μl〜200mlであることができる。例は、0.5μl、1.5μl、10μl、20μl、50μl、100μl、500μl、1ml、5ml、10mlおよび20mlを含む。本開示はまた、アッセイにおける成分の混合を改善するための音響マイクロストリーミングの使用を可能にする。音響マイクロストリーミングは国際出願番号第PCT/AU01/00420号およびPetkovic-Duran et al.(2009)Biotechniques47:827-834に開示されている。
【0063】
故に、本明細書において、容器中で1以上のリンパ球と抗原および限定量のTLRアゴニストとを混合する方法であって、音響インピーダンスにおける不連続を確認し、流体内の混合を引き起こすように音響シグナルを加えるように前記容器内に前記成分を含む流体約0.5μl〜150μlを提供することを含む前記方法が考えられる。流体内で交互にカオス混合を行うために第2音響シグナルを加えることもでき、ここで第1および第2シグナルは、それぞれ約1Hz〜約20,000Hzから選択される各周波数を有することができる。
【0064】
採血管の使用は、標準的な自動化された実験室システムと適合しており、大規模およびランダムアクセスサンプリングに適している。また、採血管により取扱費が最少限度になり、全血および血漿への検査室の暴露を減少させ、故に、検査室の職員が、HIVまたはB型肝炎ウイルス(HBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)などの病原体に接触するリスクを減少させる。
【0065】
採血管をインキュベーション段階に結び付けることは特に効果的であり、デキストロースまたはグルコースなどの単糖の存在下で細胞をインキュベートするという任意選択の特徴と同様に、アッセイの感度を高める
【0066】
細胞性免疫系の細胞は、被験者からの採血後に長期間経過すると全血において免疫応答を引き起こす能力を失うため、介入なしでの応答は、採血24時間後には、多くの場合大幅に低下するかまたは生じない。労力の低減および専門のプラスチック製品の必要性のために、医院、診療所、外来患者用施設および獣医診療所などの医療の場所または農場における抗原での細胞性免疫刺激が許容される。抗原刺激が完了すれば、新鮮で活性な細胞という要件はもはや存在しない。IFN-γおよび他のサイトカインまたは免疫エフェクター分子は血漿中で安定であり、従って、試料を保存することもできるし、特別な条件または迅速という時間要件なしに輸送することもできる。
【0067】
インキュベーション段階は1〜50時間であることができ、例えば1〜40時間または8〜24時間であることができ、あるいは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50時間を含む中間的な時間であることもできる。24時間の時間が特に便利である。
【0068】
細胞性免疫を測定する能力は、微生物もしくはウイルスもしくは寄生虫などの病原体による感染症に反応する被験者の能力、自己免疫性糖尿病におけるような自己免疫応答を引き起こす被験者の能力、または癌もしくは他の腫瘍疾患に対して防御する被験者の能力、または炎症状態を検出する被験者の能力、またはベリリウムなどの毒物への被験者の暴露もしくは感度を検出する被験者の能力を評価するのに重要である。また、本明細書に記載のアッセイは、免疫抑制もしくは医薬によって誘導される免疫抑制を引き起こす病状の検出を可能にする。その結果として、”被験者における細胞性免疫応答の測定”は、感染疾患および自己免疫疾患の免疫診断、免疫能のマーカーならびに炎症性疾患、癌および毒物のマーカーを含む。重要なことに、組み合わされた自然免疫および/または獲得免疫反応性が測定される。さらにまた、少量の血液量を使用する能力は、例えば小児、高齢者および虚弱者集団にアッセイを容易に行えるようにする。本明細書に記載のアッセイは、免疫応答の早期検出または高感度検出を可能にする。
【0069】
一実施形態において、免疫抑制を引き起こす病状は慢性感染症および癌を含む。免疫抑制を引き起こすことがある医薬は、関節リウマチ、癌および炎症性腸疾患を治療するために用いられる医薬を含む。
【0070】
病原性または感染性病原体は細菌、寄生虫およびウイルスを含む。細菌の例は、特に、マイコバクテリウム種、スタフィロコッカス種、ストレプトコッカス種、エシェリキア・コリ、サルモネラ種、クロストリジウム種、シゲラ種、プロテウス種、バチルス種、ヘモフィルス種、ボレリア種などのグラム陽性菌およびグラム陰性菌を含む。マイコバクテリウム・ツベルクローシスは特に有用な標的であるが、同じく結核(TB)などのM.ツベルクローシスによる感染から生じる状態もまた特に有用な標的である。ウイルスの例は、肝炎ウイルス(B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス)、ヘルペスウイルスおよびヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含むが、それらによって引き起こされる疾患もまた含む。寄生虫は、プラスモジウム(Plasmodium)種、白癬、肝寄生虫などを含む。他の病原体は、酵母および真菌などの真核細胞を含む。
【0071】
本明細書において考えられる、検出に関する自己免疫疾患は、特に、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性アジソン病多発性硬化症、副腎自己免疫疾患、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎および精巣炎、ベーチェット病、類天疱瘡、心筋症、セリアックスプルー皮膚炎、慢性疲労症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性、慢性炎症性ポリニューロパチー、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、クレスト症候群、寒冷凝集素病、クローン病、疱疹状皮膚炎、円板状エリテマトーデス、本態性混合クリオグロブリン血症、線維筋痛症、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少紫斑病(ITP)、IgA腎症、インスリン依存型糖尿病(I型)、扁平苔癬、狼瘡、メニエール病、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、多腺性症候群、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎および皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、関節リュウマチ、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、スティフマン症候群、全身性エリテマトーデス、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、血管炎ならびに尋常性白斑を含む。
【0072】
これらの感染体に暴露される被験者における潜在的なまたは実際の細胞性応答を評価することが一般に重要である。本開示の方法は、これらの状態の存否ばかりでなく、疾患プロセスのレベルまたはステージを検出するためにも用いられることができる。
【0073】
免疫抑制を引き起こすことがある他の病状は炎症性疾患状態を含む。
【0074】
本開示により考えられる炎症性疾患状態の例は、限定するものではないが、損傷または疾患に冒された組織を保護することになる特定の部位における発赤、腫れ、痛みおよび熱感の応答を引き起こす疾患および障害を含む。本開示の方法を用いて治療することができる炎症性疾患は、限定するものではないが、アクネ、アンギナ、関節炎、誤嚥性肺炎、疾患、蓄膿、胃腸炎、炎症、腸感冒、NEC、壊死性腸炎、骨盤内炎症性疾患、咽頭炎、PID、胸膜炎、赤く腫れた咽頭、発赤、潮紅、咽頭痛、胃インフルエンザおよび尿路感染症、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーを含む。非ヒト用途に関しては、本開示は、ウマにおけるEIPHおよび動物における種々の状態、例えばタスマニアデビルにおける顔面腫瘍病にまでおよぶ。
【0075】
癌治療もまた、細胞性免疫に多少は依存する。癌自体は、または癌の治療に用いられる薬物は、免疫抑制を引き起こすことがある。本明細書において考えられる癌は、制御されていない細胞増殖(例えば腫瘍の形成)を特徴とし、分化した種々の細胞へのこれらの細胞の分化が認められない一群の疾病・疾患を含む。このような疾病・疾患は、ABL1癌原遺伝子、エイズ関連癌、聴神経腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌、副腎皮質癌、原因不明骨髄化生、脱毛症、胞巣状軟部肉腫、肛門癌、血管肉腫、再生不良性貧血、星状細胞腫、毛細血管拡張運動失調症、基底細胞癌(皮膚)、膀胱癌、骨癌、腸癌、脳幹神経膠腫、脳およびCNS腫瘍、乳癌、CNS腫瘍、カルチノイド腫瘍、子宮頚癌、小児脳腫瘍、小児癌、小児白血病、小児軟部組織肉腫、軟骨肉腫、絨毛癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸癌、皮膚のT細胞リンパ腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、乳管癌、内分泌癌、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫、肝外胆管癌、眼癌、眼球メラノーマ、網膜芽細胞腫、ファロピウス管癌、ファンコニー貧血、線維肉腫、胆嚢癌、胃癌、消化器癌、消化管カルチノイド腫瘍、泌尿生殖器癌、生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛疾患、神経膠腫、婦人科癌、血液悪性腫瘍、有毛細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、遺伝性乳癌、組織球症、ホジキン病、ヒトパピローマウイルス、胞状奇胎、高カルシウム血症、下咽頭癌、眼内黒色腫、島細胞癌、カポジ肉腫、腎癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、子宮平滑筋肉腫、白血病、リー・フラウメニ症候群、口唇癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌、リンパ浮腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、男性乳癌、腎横紋筋肉腫様腫瘍、髄芽腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移癌、口腔癌、多発性内分泌腺腫、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄腫、脊髄増殖性疾患、鼻腔癌、上咽頭癌、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、神経線維腫症、ナイミーヘン症候群、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、眼癌、食道癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、オストミー卵巣癌、膵臓癌、副鼻腔癌、副甲状腺癌、耳下腺癌、陰茎癌、末梢性神経外胚葉性腫瘍、下垂体癌、真性赤血球増加症、前立腺癌、稀少癌および関連障害、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ロトムンド・トムソン症候群、唾液腺癌、肉腫、神経鞘腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌(SCLC)、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌(皮膚)、胃癌、滑膜肉腫、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行細胞癌(膀胱)、移行細胞癌(腎盂/尿管)、絨毛癌、尿道癌、泌尿器系癌、ウロプラキン、子宮肉腫、子宮癌、膣癌、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症ならびにウイルムス腫瘍を含む。
【0076】
抗原は、病原体由来であることもできるし、病状または癌と関連することもできるし、毒物であることもできる。あるいはまた、感染症、病状、癌または毒物は、細胞性免疫を抑制することがあり、その場合、被験者が事前暴露された任意の抗原を用いることができる。
【0077】
本明細書において教示される他の側面は、被験者からのリンパ球を限定量のTLRアゴニストと共にインキュベートして、エフェクター分子の存在または上昇を検出する方法による細胞性免疫応答の診断アッセイの作成における限定量のTLRアゴニストの使用である。
【0078】
免疫エフェクター分子の検出は、タンパク質レベルまたは核酸レベルで測定されることができる。従って、免疫エフェクター分子の”存在またはレベル”は、直接的または間接的データを含む。例えば、高レベルのサイトカインmRNAは、サイトカインレベルの増加を示す間接的データである。
【0079】
免疫エフェクターへのリガンドは、これらの分子の検出および/または定量に特に有用である。免疫エフェクターへの抗体は特に有用である。本明細書において考えられるアッセイの技術は当該技術分野で公知であり、例えばラジオイムノアッセイ、サンドイッチアッセイ、ELISAおよびエリスポットを含む。”抗体”は、抗体の一部、哺乳動物化(例えばヒト化)抗体、脱免疫化抗体、組換えもしくは合成抗体ならびにハイブリッドおよび一本鎖抗体を含む。皮膚試験に関しては、ヒトにおいて、エフェクター分子を検出するために、特に、ヒト化または脱免疫化抗体が本明細書において考えられる。
【0080】
免疫エフェクター分子またはその抗原性フラグメントで免疫化することによって、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体のどちらも得ることができ、どちらのタイプでもイムノアッセイに用いることができる。両方のタイプの血清を得る方法は当該分野で公知である。ポリクローナル血清は、それほど好ましくはないが、免疫エフェクターまたはその抗原性部分の有効量を適切な実験動物に注射し、その動物から血清を採取し、公知の免疫吸着剤技術のいずれかによって特異的血清を分離することによって比較的容易に調製される。本方法によって産生される抗体は、事実上どんなタイプのイムノアッセイにも使用できるが、該抗体は、産物の潜在的不均一性のために、一般にあまり好ましくない。
【0081】
イムノアッセイにおけるモノクローナル抗体の使用は、それらを大量に産生できることおよびその産物の均一性のために特に有用である。不死化細胞株と、免疫原性調製物に対して感作されたリンパ球との融合によって誘導される、モノクローナル抗体産生のためのハイブリドーマ細胞株の調製は、当業者に公知の技術によって行われることができる。
【0082】
従って、本明細書において可能にされる他の側面は、被験者からのリンパ球を含む試料における免疫エフェクター分子を検出する方法であって、試料または試料のアリコートと、免疫エフェクター分子またはその抗原性フラグメントに特異的な抗体とを、抗体-エフェクター複合体が形成されるのに十分な時間および条件下で接触させ、次いで複合体を検出することを含む前記方法において、リンパ球と抗原および限定量のTLRアゴニストとのインキュベーション後に免疫エフェクター分子が生成される前記方法である。
【0083】
”試料”は、全血または、リンパ球を含むその分画を含む。この方法は、平面または球形固体支持体上のマイクロアレイ、マクロアレイおよびナノアレイを含む。マイクロアレイまたはマクロアレイが有用である。また、”試料”は、5μl、10μl、20μl、50μlおよび100μlを含む約0.5μl〜1000μlの少量試料ばかりでなく、1ml、2ml、5ml、10mlまたは20mlなどの1ml〜約200mlの大量もまた含む。
【0084】
米国特許第4,016,043号、第4,424,279号および第4,018,653号を参照することにより認められるように、広範囲のイムノアッセイ技術が利用可能である。
【0085】
以下で、アッセイの1つのタイプを説明する。非標識抗体を固体支持体に固定し、免疫エフェクター分子(例えばサイトカイン)に関して試験される試料をこの結合分子に接触させる。適切なインキュベーション時間後、すなわち抗体-免疫エフェクター分子複合体を形成させるのに十分な時間後に、次いで、検出可能シグナルを生じることができるレポーター分子で標識された、エフェクター分子に特異的な二次抗体を添加し、新たな複合体である抗体-エフェクター-標識抗体を形成させるのに十分な時間インキュベートする。未反応物をすべて洗い流し、レポーター分子によって生成されるシグナルを観察することによって、エフェクター分子の存在を判定する。結果は、単に目に見えるシグナルを観察することによって定性的に行うこともできるし、既知量の抗原を含む対照試料と比較することによって定量することもできる。この一般化された技術は、任意の多くの変形と同様に当業者に公知である。
【0086】
これらのアッセイにおいて、本免疫エフェクターに特異性を有する一次抗体は、固体表面に共有結合的または受動結合的に結合している。固体表面は、一般的にはガラスまたはポリマーであり、最も一般に用いられるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンである。固体支持体はチューブ、ビーズ、スフェア、ディスクまたはマイクロプレートの形態であることもでき、あるいはイムノアッセイの実施に適した任意の他の表面であることもできる。結合プロセスは当該分野で公知であり、一般に架橋共有結合または物理的吸着からなり、ポリマー-抗体複合体は試験試料に備えて洗浄される。次いで、試験される試料のアリコートを固相複合体に加え、抗体中に存在する任意のサブユニットの結合を可能にするのに十分な時間(例えば2〜120分あるいはより便利には終夜)、適切な条件下(例えば約20℃〜約40℃)でインキュベートする。インキュベーション時間後に、抗体サブユニット固相を洗浄し、乾燥し、エフェクター分子の一部に特異的な二次抗体と共にインキュベートする。二次抗体はレポーター分子に結合され、これはエフェクター分子への二次抗体の結合を示すために用いられる。
【0087】
このアッセイには多くの変形が存在する。特に有用な変形の1つは、全部または多くの成分が実質的に同時に混合される同時アッセイである。さらにまた、サイトカインへの抗体の結合は、最初に述べた抗体に対する標識抗体の結合によって判定することができる。
【0088】
本明細書において、"レポーター分子"は、その化学的性質により、抗原に結合した抗体の検出を可能にする分析的に同定できるシグナルを提供する分子を意味する。検出は定性的であることも、定量的であることもできる。このタイプのアッセイにおいて最も一般に用いられるレポーター分子は、酵素、フルオロフォアまた放射性核種含有分子(すなわち放射性同位体)および化学発光分子のいずれかである。適切なフルオロフォアの例を表1に示す。エンザイムイムノアッセイの場合は、一般に、グルタルアルデヒドまたは過ヨウ素酸塩により二次抗体に酵素が結合される。しかしながら、当然ではあるが、当業者が容易に入手できる、さまざまな異なる結合技術が存在する。一般的に用いられる酵素は、特に、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼおよびアルカリホスファターゼを含む。一般に、対応する酵素による加水分解に際して検出可能な色変化を生じさせるために、特定の酵素と共に用いられる基質が選択される。適切な酵素の例は、アルカリホスファターゼおよびペルオキシダーゼを含む。上記の発色基質よりはむしろ蛍光物質を生じる蛍光基質を用いることもまた可能である。すべての場合において、一次抗体-抗原複合体に酵素-標識抗体を添加し、結合させ、次いで過剰の試薬を洗い流す。次いで、複合体である抗体-抗原-抗体に、適切な基質を含有する溶液を加える。基質は、二次抗体に結合されている酵素と反応し、定性的な視覚シグナルを生じるが、通例これを分光測定法により定量して、試料中に存在していた抗原量の示度を得ることができる。また、本開示は、実質的に同時アッセイにまでおよぶ。
【0089】
代わりに、蛍光化合物、例えばフルオレセインおよびローダミンを、抗体の結合能を変化させないで抗体に化学的に結合させることができる。特定の波長の光を照射することにより活性化されるとき、蛍光色素標識抗体は光エネルギーを吸収し、その分子は励起状態になり、次いで、光学顕微鏡で視覚的に検出できる特徴的な色の光を放出する。蛍光標識抗体を、一次抗体-抗原複合体に結合させる。非結合試薬を洗浄で除いた後、残った3元複合体を適切な波長の光にさらすとき検出される蛍光は、対象とする抗原の存在を示す。免疫蛍光法およびエンザイムイムノアッセイ技術は、共に当該技術分野でよく確立された方法であり、本方法に特に好ましい。しかしながら、他のレポーター分子、例えば放射性同位体、化学発光分子または生物発光分子もまた用いることができる。
【0090】
金コロイドを含む一連の他の検出系も用いることができ、このような検出系もすべて本発明に含まれる。
【0091】
また、本開示は、免疫エフェクターをコードする遺伝子配列のRNA発現産物を検出するPCR分析を含む遺伝子アッセイなどの遺伝子アッセイを考える。
【0092】
一実施形態において、PCRはプライマー対を用いて行われるが、その片方または両方は、一般に、区別できるシグナルを与えることができる同じまたは異なるレポーター分子で標識されている。フルオロフォアの使用は、本開示の実施に特に有用である。適切なフルオロフォアの例は、表1に示すリストから選択することができる。他の標識は、発光色素、燐光色素および赤外色素も含む。これらの色素またはフルオロフォアは、抗体のレポーター分子としても使用できる。
【表1】
【0093】
蛍光発光を分析するのに適切な方法はいずれも本発明に含まれる。この点において、本明細書において教示される技術は、限定するものではないが、2光子および3光子時間分解蛍光分光法、例えば、Lakowicz et al. (1997) Biophys. J. 72:567 に開示されているもの、蛍光寿命イメージング、例えば、Eriksson et al. (1993) Biophys. J. 2:64 に開示されているものおよび蛍光共鳴エネルギー転移、例えば、Youvan et al. (1997) Biotechnology et elia 3:1-18 に開示されているものを含む。
【0094】
ルミネセンスおよび燐光は、当該技術分野で公知のように、それぞれ適切なルミネセンスまたは燐光標識から生じさせることができる。これに関して、このような標識を検出する任意の光学的手段を用いることができる。
【0095】
赤外放射は、適切な赤外色素から生じさせることができる。本開示に使用できる典型的な赤外色素は、限定するものではないが、Lewis et al. (1999) Dyes Pigm. 42(2):197, Tawa et al. Mater. Res. Soc. Symp. Proc.488 [Electrical, Optical and Magnetic Properties of Organic Solid-State Materials IV], 885-890, Daneshvar et al (1999) J. Immunol. Methods 226(1-2):119-128, Rapaport et al. (1999) Appl. Phys. Lett. 74(3):329-331 and Durig et al. (1993) J. Raman Spectrosc. 24(5):281-285 に記載されているものを含む。赤外色素を調べるために、適切な赤外分光法はいずれも用いることができる。これに関して、例えば、フーリエ変換赤外分光法、例えば、Rahman et al. (1998) J. Org. Chem. 63:6196. に記載されているものを用いることができる。
【0096】
適切には、光およびX線を含む入射電磁放射の回折、反射、分極または屈折から電磁界散乱を生じさせることができる。mRNAレベルまたはタンパク質レベルを定量するためにこのような散乱を用いることができる。
【0097】
フルオロフォア発光を分析するのにフローサイトメトリーは特に有用である。
【0098】
当該技術分野で公知のように、フローサイトメトリーは、粒子(例えば標識mRNA、DNAまたはタンパク質)を流体流に懸濁させて1以上のレーザー光の通路を通過させるときに、その粒子の化学的および物理的特性を迅速に分析することを含むハイスループット技術である。各粒子がレーザー光を遮断するとき、各細胞または粒子により放出される散乱光および蛍光を検出し、例えば以下に記載のような任意の適切な計測アルゴリズムを用いて記録する。
【0099】
最新のフローサイトメーターは、最大100,000細胞/粒子s
-1までのこれらのタスクを行うことができる。光フィルターアレイおよびダイクロイックミラーを用いて、異なる波長の蛍光を分離し検出することができる。さらに、異なる励起波長を有する多数のレーザーを用いることができる。従って、例えば、試料中の種々の免疫エフェクターまたは複数の被験者からの免疫エフェクターを対象とし試験するために、種々のフルオロフォアを用いることができる。
【0100】
本開示の方法に使用できる適切なフローサイトメーターは、通常、15mWで作動し、488nmのスペクトル線を用いるアルゴンイオン空冷式レーザーである単一励起レーザーを用いて5〜9個の光学パラメータ(表2参照)を測定するものを含む。より最新のフローサイトメーターは、アルゴンイオンレーザー(488または514nm)に加えて、HeNeレーザー(633nm)またはHeCdレーザー(325nm)などの多重励起レーザーを用いることができる。
【表2】
【0101】
例えば、Biggs et al. (1999) Cytometry 36:36-45 は、3つの励起レーザーを用いる11パラメータフローサイトメーターを構築しており、粒子の免疫表現型を検査(すなわち分類)するための、前方および側方散乱測定に加えて9つの区別できるフルオロフォアを使用することを明らかにした。主に減衰係数、量子収量およびすべてのフルオロフォア間のスペクトルの重なり量によって、パラメータの選択を適切に用いることができる(Malemed et al. (1990) "Flow cytometry and sorting", 2
nd Ed., New York, Wiley-Liss)。当然のことながら、本開示は、特定のフローサイトメーターまたは特定のパラメータセットに限定されない。この点において、本発明は、従来のフローサイトメーターの代わりに、微細加工フローサイトメーター、例えばFu et al. (1999) Nature Biotechnology 17:1109-1111 に開示されているものも考える。
【0102】
一人の被験者からの多数の免疫エフェクターのハイスループットスクリーニングまたはスクリーニングのために、本明細書において可能にされるアッセイを自動化または半自動化することができる。自動化は、好都合には、コンピュータソフトウェアによって制御される。
【0103】
従って、本開示は、さらに、解析し、対照と比較し、任意選択で患者の年齢、性別、体重および他の病状などの他の情報を考慮し、次いで例えば、疾患の重症度もしくは進行もしくは状態または疾患の進行の確率指数に関する危険因子などのレポートを提供する、クライアントサーバーまたは他のアーキテクチャプラットフォームによって中央処理装置に被験者の細胞性免疫応答に関するデータが提供されるウェブベースおよび非ウェブベースシステムを考える。従って、血液を輸送可能なチューブに採取し、次いでこれを所定の場所において細胞性免疫応答に関して分析し、次いで、クライアントサーバーまたは他のアーキテクチャープラットフォームを介して、電子レポートの形態で臨床ケアプロバイダーに結果を送るビジネス方法もまた提供される。
【0104】
従って、知識ベースのコンピュータソフトウェアおよびハードウェアもまた本開示の一部を形成する。これは、感染症、癌もしくは炎症を含む病状または医薬または毒物が免疫抑制を引き起こすかまたはそれと関連するかどうかを確かめるための臨床ケアを容易にする。
【0105】
一実施形態において、本開示によって可能にされるアッセイは、病理学サービスと関連する、既存のまたは新規に開発された知識ベースのアーキテクチャーまたはプラットフォームにおいて用いられることができる。例えば、アッセイからの結果は、アルゴリズムが記憶されており、事後確率予測値を得るために用いられる処理システムに通信ネットワーク(例えばインターネット)または電話接続によって伝送され、それは細胞性免疫応答指数または免疫抑制指数に変換され、次いでそれは診断レポートまたは予測レポートの形態でエンドユーザーに送付される。また、そのレポートは、臨床ケア管理および個別化医療の基礎を形成することができる。
【0106】
従って、本アッセイは、リンパ球を抗原および限定量のTLRアゴニストに暴露させた後、免疫エフェクター分子の濃度を検出するのに必要な試薬ならびに判定および臨床医へのレポートの伝送を容易にするコンピュータハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むキットまたはコンピュータベースシステムの形態であることができる。
【0107】
例えば、本開示は、被験者の細胞性免疫応答状態の判定をユーザーに可能にする方法であって、
(a)対照に対する、被験者における細胞性免疫応答状態としての相関を提供する免疫エフェクター分子であって、抗原および限定量のTLRアゴニストへのリンパ球の暴露後に測定される前記免疫エフェクター分子のレベルまたは濃度の形態でのデータを通信ネットワークを介して受信すること;
(b)1変量または多変量解析によって被験者データを処理して免疫応答値を提供すること;
(c)所定の値と比較した免疫応答値の結果に従って被験者の状態を判定すること;および
(d)通信ネットワークを介して、ユーザーに被験者の状態の徴候を送信すること
を含む前記方法を教示する。
【0108】
”1変量”または”多変量”解析は、1変量または多変量解析関数を実行するためのアルゴリズムを含む。
【0109】
好都合には、本方法は、一般に、さらに、
(a)遠隔エンドステーションを用いてユーザーにデータを判定させること;および
(b)エンドステーションからベースステーションに通信ネットワークを介してデータを伝送すること
を含む。
【0110】
ベースステーションは第1および第2処理システムを含むことができ、その場合、該方法は、
(a)データを第1処理システムに伝送すること;
(b)データを第2処理システムに伝送すること;および
(c)第1処理システムに1変量または多変量解析関数を実行させて細胞性免疫応答値を得ること
を含むことができる。
【0111】
また、本方法は、
(a)1変量または多変量解析関数の結果を第1処理システムに伝送すること;および
(b)被験者の状態を第1処理システムに判定させること
を含むことができる。
【0112】
この場合、本方法はまた、
(a)第1ファイアウォールを介して通信ネットワークと第1処理システムとの間でデータを伝送すること;および
(b)第2ファイアウォールを介して第1処理システムと第2処理システムとの間でデータを伝送すること
の少なくとも1つを含む。
【0113】
第2処理システムは、所定のデータおよび/または1変量もしくは多変量分析関数を保存するように適合されたデータベースに連結されることができ、該方法は、
(a)データベースに問い合わせて、少なくとも選択された所定のデータを得るか、またはデータベースからの1変量または多変量解析関数にアクセスすること;および
(b)選択された所定のデータを被験者データと比較することまたは細胞性免疫応答もしくは免疫抑制のレベルの予測される確率指数を得ること
を含む。
【0114】
第2処理システムはデータベースに連結されることができ、該方法は、データをデータベースに保存することを含む。
【0115】
本方法はまた、ベースステーションに
(a)決済情報であって、ユーザーによる決済の提供を表す決済情報を判定させること;および
(b)決済情報の判定に応じて比較を実行させること
を含むことができる。
【0116】
本開示はまた、細胞性免疫応答または免疫抑制に関する被験者の状態を判定するためのベースステーションであって、
(a)保存方法;
(b)処理システムであって、
(c)通信ネットワークを介してユーザーからの被験者データであって、免疫エフェクター分子のレベルを含む前記データにおいて、対照に関するエフェクター分子のレベルが、細胞性免疫応答状態への相関を提供し、抗原および限定量のTLRアゴニストへのリンパ球の暴露後に免疫エフェクター分子が判定される前記データを受信し;
(d)前記データと所定のデータとを比較することを含むアルゴリズム関数を実行し;
(e)比較を含むアルゴリズム関数の結果に従って被験者の状態を判定し;
(c)通信ネットワークを介してユーザーに被験者の状態の徴候を出力するように適合された前記処理システム
を含む前記ベースステーションを提供する。
【0117】
該処理システムは、データを判定するように適合された遠隔エンドステーションからのデータを受信するように適合されることができる。
【0118】
該処理システムは、
(a)第1処理システムであって、
(i)データを受信し;
(ii)データを比較することを含む1変量または多変量解析関数の結果に従って被験者の状態を判定するように適合された前記第1処理システム;および
(b)第2処理システムであって、
(i)処理システムからのデータを受信し;
(ii)比較を含む1変量または多変量解析関数を実行し;
(iii)第1処理システムに結果を伝送するように適合された前記第2処理システム
を含むことができる。
【0119】
該処理システムはデータベースに連結されることができるが、該処理システムは、データベースにデータを保存するように適合されている。
【0120】
本実施形態によれば、免疫エフェクター分子のレベルは、単独でスクリーニングすることもできるし、あるいは他のバイオマーカーまたは疾患指標と組み合わせてスクリーニングすることができる。”変化した”レベルは、免疫エフェクター分子の濃度の増加もしくは上昇または減少もしくは低下を意味する。
【0121】
免疫エフェクター分子の濃度またはレベルの測定によって、対照に対する濃度に基づく診断ルールの確立が可能となる。あるいはまた、診断ルールは、統計的機械学習アルゴリズムの適用に基づく。このようなアルゴリズムは、訓練データ(既知の疾患もしくは細胞性免疫応答状態)において観察されるエフェクター分子と疾患状態との間の関係を用いて関係を推定し、次いでそれを未知の状態を有する被験者の状態を予測するために用いる。被験者が特定レベルの細胞性免疫応答および/または病状を有するという確率指数を提供するアルゴリズムを用いることができる。このアルゴリズムは1変量または多変量解析関数を実行する。
【0122】
従って、本開示は、統計的機械学習アルゴリズムの適用に基づく診断ルールを提供する。このようなアルゴリズムは、関係を推定するために、訓練データ(既知の免疫状態を有する)において観察される免疫エフェクター分子と細胞性免疫応答または免疫抑制のレベルとの間の関係を用い、次いでそれを未知の免疫状態を有する患者の状態を予測するために用いる。訓練データにおける関係を推定するために、本開示を実質的に変化させることなく多くの異なる形態を用いることができることは、データ解析分野の当業者に明らかであろう。
【0123】
本開示は、さらに、アルゴリズムを作成するための、既知の細胞性免疫応答レベルを有する被験者からの免疫エフェクター分子のレベルを含む訓練データの知識ベースの使用であって、未知の免疫応答レベルを有する被験者からの同じ免疫エフェクター分子のレベルを含むデータの第2知識ベースの入力によって、細胞性免疫応答の性質を予測する確率指数を提供する前記使用を考える。
【0124】
用語”訓練データ”は、対照に関する免疫エフェクター分子のレベルの知識を含む。ここで免疫エフェクター分子は、自然免疫および/または適応免疫系を増強する抗原および限定量の適用し得る1以上の薬剤でリンパ球を暴露した後に判定される。”対照”は、”正常な”免疫応答を有する被験者における免疫エフェクター分子のレベルとの比較を含むが、試験に基づく統計的に判定されるレベルであることもできる。
【0125】
従って、用語”訓練データ”は、免疫エフェクター分子のレベルを含む。
【0126】
免疫エフェクター分子のレベルまたは濃度は、本明細書において”第2知識データベース”と呼ぶ入力テストデータを提供する。第2知識データベースは、対照と比較して考慮されるか、あるいは、既知の免疫状態を有する被験者における免疫エフェクターのレベルの情報を含む”第1知識データベース”によって作成されるアルゴリズムに入力される。第2知識データベースは、細胞性免疫応答に関して未知の状態の被験者からのものである。アルゴリズムの出力または対照との比較は、特定レベルの免疫応答または免疫抑制を有する被験者の確率因子または危険因子であり、本明細書において”確率指数”と呼ぶ。
【0127】
免疫エフェクター分子のレベルから生成されるデータは入力データである。免疫エフェクターレベルを含むデータの入力は、対照と比較されるか、あるいは、あるいは、被験者が例えば免疫抑制状態を有する可能性のリスク値を提供するアルゴリズム入力される。免疫抑制の存在を確かめるために、治療レジメンをモニターすることもできる。免疫抑制のレベルは、被験者が(例えば癌治療または病原体感染の治療中に)二次感染に罹るリスクまたは再発するリスクを高める可能性がある。
【0128】
前述のように、免疫エフェクター分子のレベルによって被験者が自然免疫および/または適応免疫応答を引き起こすことができる程度を判定することによって免疫応答または免疫抑制状態を診断する方法は、第1知識ベースデータによって作成されるアルゴリズムにおける第2知識ベースデータまたは、既知の免疫状態を有する被験者における同じエフェクター分子のレベルを提供する。被験者の試料において自然免疫および/または適応免疫系の刺激後に免疫エフェクター分子の存在および/または速度を判定することを含む免疫応答を検出する方法もまた提供される。”速度”は、被験者の試料におけるエフェクター分子の経時的濃度変化を意味する。
【0129】
前述のように、本明細書において、用語”試料”は、限定するものではないが、全血、全血分画、組織抽出物および新たに採取した細胞を含む1以上のリンパ球を含む任意の試料を意味する。
【0130】
本開示の方法は、疾患の鑑別と病期診断に用いることができる。また、本開示は、状態の進行をモニターし、特定の治療が有効かどうかをモニターするために用いることもできる。特に、本方法は、手術、癌治療等または投薬もしくは毒物への暴露後に免疫抑制をモニターするために用いることができる。
【0131】
一実施形態において、本開示は、被験者における免疫抑制をモニターするための方法であって、
(a)被験者からの試料を提供し;
(b)抗原および限定量のTLRアゴニストによる刺激後に免疫エフェクター分子のレベルを判定し;
ここで、対照に関する免疫エフェクターのレベルが、細胞性免疫応答状態への相関を提供し、前記レベルのアルゴリズムへの入力が、特定レベルの免疫応答を有する被験者の確率指数を提供し;
(c)後の時点で段階(a)および(b)を繰り返し、段階(b)の結果と段階(c)の結果とを比較し、ここで確率指数の差が被験者における状態の進行を示すこと、
を含む前記方法を考える。
【0132】
上記で概説した”アルゴリズム”または”アルゴリズム関数”は、1変量または多変量解析関数の実行を含む。前述のものに加えて、様々な種々のアーキテクチャーおよびプラットフォームを実行することができる。本開示を実行するのに適した任意の形態のアーキテクチャーを用いることができることは明らかであろう。しかしながら、有益な技術の1つは分散アーキテクチャの使用である。特に、各地理的位置に多くのエンドステーションを提供することができる。このことは、データ帯域幅のコストおよび必要条件を抑えるばかりでなく、1つのベースステーションが輻輳を生じるかまたは障害が生じた場合に他のエンドステーションが引き継ぐことを可能にすることによってシステムの効率を上げることができる。また、このことは、負荷分割を可能にし、常にシステムへのアクセスが利用可能であることを確実にする。
【0133】
この場合は、異なるエンドステーションを利用することができるように、同じ情報および署名をベースステーションが含むことを可能にする必要があるであろう。
【0134】
一例において、エンドステーションは、インターネットなどの通信ネットワークを介して被験者データを伝送し、そのレポートを受信することができるPDA、携帯電話などの携帯用デバイスであることができることもまた明らかであろう。
【0135】
上記の側面において、用語”データ”は、限定量のTLRアゴニストの存在下で抗原によって刺激した後の免疫エフェクターのレベルまたは濃度を意味する。”通信ネットワーク”は、インターネットおよび携帯電話ネットワークならびに固定電話回線を含む。サーバーが用いられるとき、一般にはクライアントサーバーであり、より具体的にはシンプル・オブジェクト・アプリケーション・プロトコル(SOAP)である。
【0136】
本開示の一側面は、限定量のTLRアゴニストの存在下で抗原に対する応答を測定することによって被験者の細胞性免疫応答を明らかにする実験を含む。一実施形態において、末梢血試料、血液の濃縮白血球分画試料または気管支肺胞洗浄試料などの1以上の試料は、特定の疾患(例えば自己免疫疾患、病原体への感染またはベリリウムへの暴露)を有するかまたはそれが疑われる被験者から得られたものであることができ、その免疫反応性は、エフェクターT細胞(例えばCD4
+T細胞)からのエフェクター分子を測定することによって測定されることができる。このアッセイは、抗原および限定量のTLRアゴニストの存在下で行われる。
【0137】
免疫結合法は、試料における反応成分の量を検出または定量する方法を含み、この方法は、結合プロセス中に形成される任意の免疫複合体の検出または定量を必要とする。この場合に、限定量のTLRアゴニストの存在下で抗原によるリンパ球の刺激後にサイトカインを含むことが疑われる試料を得、抗体と試料を接触させ、次いで、特定の条件下で形成された免疫複合体の量を検出または定量することが考えられる。
【0138】
選択された生体試料を、免疫複合体(一次免疫複合体)を形成させるのに有効な条件下で十分な時間抗体と接触させることは、一般に、試料に組成物を添加し、その混合物を、抗体が免疫複合体を形成するのに、すなわち存在する任意のエフェクター分子と結合するのに十分な時間インキュベートする問題である。この時間の後、組織切片、ELISAプレート、エリスポット、ドットブロットまたはウェスタンブロットなどの試料-抗体組成物は、一般に、任意の非特異的に結合した抗体種を除去するために洗浄され、一次免疫複合体中で特異的に結合した抗体のみが検出されるようにする。
【0139】
特定の実施形態において、本開示は、ヒト被験者における疾患または状態の存在、非存在、レベルまたはステージを検出する方法であって、反応混合物中に全量の少なくとも10%を含む全血と抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させ、T細胞からの免疫エフェクター分子のレベルの存在または上昇を測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子の存在またはレベルが疾患または状態を示す前記方法を教示する。
【0140】
他の実施形態において、本開示は、前述の方法と共に用いるキットを可能にする。一実施形態において、免疫検出キットが考えられる。他の実施形態において、金属または化学的に誘導された疾患を発症しているかまたは発症が疑われる被験者からの試料の分析のためのキットが考えられる。より特定の実施形態において、疾患を発症しているかまたは発症が疑われる被験者からの試料の分析のためのキットが考えられる。一実施形態において、キットは、疾病状態が発症する前後に、あるいは被験者に医薬が投与されるかまたは毒物もしくは汚染物質に暴露される前後に被験者の細胞性免疫応答を評価するためのものである。抗原も用いられる場合、キットは特定の抗原を含むこともできる。
【0141】
キットの免疫検出試薬は、所定の抗体もしくは抗原に結合性であるかまたは結合している検出可能な標識および二次結合リガンドに結合性であるかまたは結合している検出可能な標識を含む種々の形態のいずれか1つを採用することができる。例示的な二次リガンドは、一次抗体または抗原に結合親和性を有する二次抗体およびヒト抗体に結合親和性を有する二次抗体である。
【0142】
本キットに使用するためのさらに適切な免疫検出試薬は、一次抗体または抗原に結合親和性を有する二次抗体に加えて、二次抗体に結合親和性を有する三次抗体であって、検出可能な標識に結合された前記三次抗体を含む2成分試薬を含む。
【0143】
該キットはさらに、標識または非標識にかかわらず、適切に分注された抗原またはエフェクター分子を含むことができ、これは、検出アッセイのための検量線を作成するために用いることができる。
【0144】
該キットは、完全にコンジュゲートされた形態で、または中間の形態で、またはキットのユーザーによってコンジュゲートされるように別々の部分として抗体標識コンジュゲートを含むことができる。キットの成分は、水溶液形または凍結乾燥形でパッケージングされることができる。
【0145】
いずれかのキットの容器手段は、一般に、その中に試薬、抗体または抗原を入れることができ、一般に適切に分注された少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジまたは他の容器手段を含む。二次もしくは三次結合リガンドまたは追加成分が提供される場合は、該キットは、一般に、このリガンドまたは成分を入れることができる2番目、3番目または他の追加の容器も含む。本開示によって教示されるキットはまた、一般的には、商業販売のために、抗体、抗原および任意の他の試薬の容器を密閉して含む手段を含む。このような容器は、その中に所望のバイアルが保持される射出成形または中空成形プラスチック容器を含むことができる。
【0146】
被験者における細胞性免疫応答またはそのレベルを検出するための改善されたアッセイであって、被験者からのリンパ球と抗原とをインキュベートし、エフェクター分子の存在または上昇を検出することを含む前記アッセイにおいて、改善が、リンパ球と限定量のTLRアゴニストとをインキュベートすることをさらに含む前記アッセイもまた本明細書において考えられる。
【0147】
本開示はさらに、病原体感染、自己免疫疾患もしくは癌を有するかまたはこのような状態または障害を発症する傾向を有する被験者の治療法であって、被験者からのリンパ球源と抗原および限定量のTLRアゴニストとを接触させ、T細胞からの免疫エフェクター分子のレベルの存在または上昇を測定することを含む前記方法において、免疫エフェクター分子の存在またはレベルが被験者の細胞性応答のレベルを示し、それが状態または障害の存在、非存在、レベルまたは状態を示し、次いで状態または障害を治療する前記方法を提供する。
【0148】
本明細書において、”TLRアゴニスト”は、R848などのTLR-7/8アゴニストを含む。
【0149】
限定するものではない以下の実施例によって、本明細書で教示される側面をさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0150】
アッセイの開発
ヘパリン添加血試料を、真空チューブ(Li-Hep Vacuette[登録商標]チューブ(Greiner Bio-one社、ドイツ))に採取する。
【0151】
血液試料のアリコートを、ヒトQFT試験(Cellestis社、オーストラリア)の製造業者の推奨する多数の異なるサイズの採血管中で、種々の濃度のToll様受容体アゴニスト:イミダゾキノリン化合物-TLR-7/8リガンド、R848(GL Synthesis社)、リポマンナンTLR-2リガンド(InvivoGen社、サンディエゴ)、Pam3CSK4 TLR-2リガンド(InvivoGen社、サンディエゴ)、ポリ(I:C)TLR-3リガンド(InvivoGen社、サンディエゴ)、リポ多糖TLR-4リガンド(Sigma社、オーストラリア)およびCpGオリゴデオキシヌクレオチドTLR-9リガンド(Hycult Biotechnology社、オランダ);またはT細胞受容体アゴニスト:フィトヘムアグルチニン(Cellistis社、オーストラリア)、抗ヒトCD3ε抗体(マウスIgG
1クローンUCHT1;eBioscience社、サンディエゴ)およびT細胞受容体複合体に対する抗体;または生理食塩水対照と共にインキュベートした。T細胞受容体非依存性刺激薬は、酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)、コンカナバリンA(ConA)およびポークウィードマイトジェンを含む。アリコートは、1μl〜1000μlなどの少量であることもできるし、0.5ml〜200mlなどの大量であることもできる。
【0152】
実験によっては、インキュベーション開始前に、血液に種々の濃度でグルコースが添加される。
【0153】
刺激された血液試料を、抗原および限定量のTLRアゴニストの存在下、37℃で16〜24時間を含む1〜48時間インキュベートし、その後、固まった血球の上部から血漿を採取した。次いで、各血漿試料中に存在するIFN-γの量を、製造業者の使用説明書に従い、QFT ELISA(Cellestis社、オーストラリア)を用いて定量した。あるいはまた、試料のIFN-γは、製造業者の使用説明書に従い、より感度の高いQFT-TB Gold ELISA(Cellestis社、オーストラリア)を用いて定量した。
【0154】
各ELISAプレート上で行ったIFN-γ標準ELISA吸光度値を用いて検量線を作成し、それから、各試験血漿試料中に存在するIFN-γの量をIU/mL値に変換した。
【0155】
一実施形態において、血液試料のアリコート1mlを、供給された状態またはEBウイルス(EBV)EBNA1タンパク質(JPT Peptide Technologies社)を含むペプチドセットでスパイクしたQFT-Nilチューブ(Cellestis社、オーストラリア)中、またはCMVチューブ(QFT-CMV、Cellesits社、オーストラリア)中のいずれかで、種々の濃度のR848(GL Synthesis社)と共にインキュベートした。
【実施例2】
【0156】
QFT-Nilチューブ中でのR848へのバックグラウンド応答
QFT-Nilチューブ中の全血1mlに種々の濃度のR848を添加した。血液を37℃で16〜24時間インキュベートし、次いでチューブを遠心分離し、血漿のIFNγ濃度をELISA(lU/ml)によって測定した。
図1および表3は種々の濃度のR848に対するバックグラウンド応答を示す。
各濃度に対して平均値およびSEM値がプロットされている。
【表3】
【0157】
QFT-Nilチューブ中で、0.05μg/ml R848以下では、R848単独に対するバックグラウンド応答は有意差無しであることを示している。QFT-Nilチューブに0.1μg/ml R848を添加するとき、多くのドナーにおいて顕著なバックグラウンド応答が認められる。
【実施例3】
【0158】
QFTチューブへのR848の添加による抗原への追加免疫応答
0.5μg/ml EBV EBNA 1 pepMixを含むQFT-NilチューブまたはQFT-CMVチューブのいずれかにおいて全血1mlに種々の濃度のR848を添加した。血液を37℃で16〜24時間インキュベートし、次いでチューブを遠心分離し、血漿のIFNγ濃度をELISAによって測定した(IU/mlで示す)。
図2および表4(EBV+R848)ならびに
図3(CMV+R848)および表5は、抗原+R848の併用への応答から、同じ濃度のR848単独へのバックグラウンド応答を差し引いて算出した各ドナーの個々の値を示す。従って、これらのグラフは、R848の添加によって認められる抗原応答における追加免疫を示す。個々のドナーのデータポイントばかりでなく、各濃度のデータセットに関する平均値および標本平均の標準誤差に印がつけられている。
【表4】
【表5】
【0159】
これらの実験は、EBV EBNA1ペプチドプールおよびQFT-CMVペプチドの両方に対する応答が、R848の存在下で追加免疫されることができることを示している。EBV応答に関して、0.05μg/ml R848が添加されるとき、顕著な追加免疫が認められる。QFT-CMVチューブにおいては、0.05μg/ml R848が添加されるときの応答は、EBVでみられる応答ほどは強力ではない。しかしながら、0.1μg/ml R848が添加されるときの追加免疫はより強力である。
【0160】
結論として、抗原-R848併用刺激への応答は、抗原およびR848のそれぞれ単独への応答を加えあわせたものを超える。
【実施例4】
【0161】
TB疑い例およびTB患者におけるQFT-TB応答を増強するためのR848を用いる臨床治験
臨床治験の一部として、QFT-TBチューブにおける刺激薬としてのR848を試験した。活動性TB疾患を有する患者(培養により確定した)、TBを有することが疑われる患者およびそれらの家族の接触者(HHC)を本治験にリクルートした。標準的なQFT-TB gold in tubeに加えて、2つの異なる濃度のR848(0.05μg/mlおよび0.01μg/ml)を添加した、QFT-Nilチューブにおいて単独、および現行のQFT-TBチューブとの併用の両方での、2つの追加の試験を用いた。
【0162】
患者データを表6に示す。
【表6】
【0163】
0.05μg/mlおよび0.1μg/mlでのR848の添加は、被験者におけるQFT-TB応答を顕著に増強させた。このことは、QFT-TB試験単独(それぞれ、P<0.001およびP<0.0001)に対する肯定応答を示している[
図4]。
【0164】
現行のQFT-TBチューブでは試験陰性だった患者の内2名は、R848をチューブ(両方の試験濃度で)に添加したとき陽性となった。これらの患者は、共にTB疑い例だった。
【0165】
主題事項の側面が記載されたことは、当業者には明らかであろう。本開示が、すべてのこのような変形および修飾を含むことが理解されるべきである。本開示はまた、個別的または総合的に、任意の2以上の段階または特徴のありとあらゆる組み合わせで、本明細書に言及または指摘された段階、特徴、組成物および化合物のすべてを含む。
【0166】
次に、本発明の態様を示す。
1. 被験者における細胞性免疫応答活性を測定する方法であって、被験者からのリンパ球と、抗原および限定量のToll様受容体(TLR)アゴニストとを接触させ、免疫細胞からの免疫エフェクター分子のレベルの存在または上昇を測定することを含み、ここで免疫エフェクター分子の存在またはレベルが被験者の細胞性応答のレベルを示す前記方法。
2. TLRアゴニストがR848(イミダゾキノリン)、リポマンナンおよびポリ(I:C)から選択される、上記1に記載の方法。
3. TLRアゴニストがR848である、上記2に記載の方法。
4. 被験者がヒトである、上記1に記載の方法。
5. 試料が無希釈の全血である、上記1に記載の方法。
6. 全血が、ヘパリンを含むチューブに採取される、上記1に記載の方法。
7. 免疫エフェクター分子がインターフェロン-γ(IFNγ)である、上記1に記載の方法。
8. 免疫エフェクター分子が、当該分子特異的な抗体で検出される、上記1に記載の方法。
9. 被験者が、マイコバクテリウム種、スタフィロコッカス種、ストレプトコッカス種、ボレリア種、エシェリキア・コリ、サルモネラ種、クロストリジウム種、シゲラ種、プロテウス種、バチルス種、ヘルペスウイルス、B型またはC型肝炎ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルス(HIV)からなるリストから選択される病原体による感染症を有する、上記1に記載の方法。
10. 被験者が、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによる感染症を有する、上記9に記載の方法。
11. 被験者が、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性アジソン病多発性硬化症、副腎自己免疫疾患、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎および精巣炎、ベーチェット病、類天疱瘡、心筋症、セリアックスプルー皮膚炎、慢性疲労症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性、慢性炎症性ポリニューロパチー、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、クレスト症候群、寒冷凝集素病、クローン病、疱疹状皮膚炎、円板状エリテマトーデス、本態性混合クリオグロブリン血症、線維筋痛症、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少紫斑病(ITP)、IgA腎症、インスリン依存型糖尿病(I型)、扁平苔癬、狼瘡、メニエール病、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、多腺性症候群、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎および皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、関節リュウマチ、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、スティフマン症候群、全身性エリテマトーデス、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、血管炎、尋常性白斑ならびに炎症性腸疾患からなるリストから選択される病状を有する、上記1に記載の方法。
12. 疾患がセリアック病である、上記11に記載の方法。
13. 被験者が、ABL1癌原遺伝子、エイズ関連癌、聴神経腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌、副腎皮質癌、原因不明骨髄化生、脱毛症、胞巣状軟部肉腫、肛門癌、血管肉腫、再生不良性貧血、星状細胞腫、毛細血管拡張運動失調症、基底細胞癌(皮膚)、膀胱癌、骨癌、腸癌、脳幹神経膠腫、脳およびCNS腫瘍、乳癌、CNS腫瘍、カルチノイド腫瘍、子宮頚癌、小児脳腫瘍、小児癌、小児白血病、小児軟部組織肉腫、軟骨肉腫、絨毛癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸癌、皮膚のT細胞リンパ腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、乳管癌、内分泌癌、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫、肝外胆管癌、眼癌、眼球メラノーマ、網膜芽細胞腫、ファロピウス管癌、ファンコニー貧血、線維肉腫、胆嚢癌、胃癌、消化器癌、消化管カルチノイド腫瘍、泌尿生殖器癌、生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛疾患、神経膠腫、婦人科癌、血液悪性腫瘍、有毛細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、遺伝性乳癌、組織球症、ホジキン病、ヒトパピローマウイルス、胞状奇胎、高カルシウム血症、下咽頭癌、眼内黒色腫、島細胞癌、カポジ肉腫、腎癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、子宮平滑筋肉腫、白血病、リー・フラウメニ症候群、口唇癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌、リンパ浮腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、男性乳癌、腎横紋筋肉腫様腫瘍、髄芽腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移癌、口腔癌、多発性内分泌腺腫、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄腫、脊髄増殖性疾患、鼻腔癌、上咽頭癌、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、神経線維腫症、ナイミーヘン症候群、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、眼癌、食道癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、オストミー卵巣癌、膵臓癌、副鼻腔癌、副甲状腺癌、耳下腺癌、陰茎癌、末梢性神経外胚葉性腫瘍、下垂体癌、真性赤血球増加症、前立腺癌、稀少癌および関連障害、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ロトムンド・トムソン症候群、唾液腺癌、肉腫、神経鞘腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌(SCLC)、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌(皮膚)、胃癌、滑膜肉腫、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行細胞癌(膀胱)、移行細胞癌(腎盂/尿管)、絨毛癌、尿道癌、泌尿器系癌、ウロプラキン、子宮肉腫、子宮癌、膣癌、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症ならびにウイルムス腫瘍から選択される癌を有する、上記1に記載の方法。
14. 被験者が毒物に暴露された、上記1に記載の方法。
15. 限定量のTLRアゴニストをリンパ球と共にインキュベートして、エフェクター分子の存在または上昇を検出する方法による細胞性免疫応答の診断アッセイの作成における、限定量のTLRアゴニストの使用。
16. 被験者の細胞性免疫応答状態の判定をユーザーに可能にする方法であって、
(a)対照に対する、ユーザーからの細胞性免疫応答状態に関する相関を提供する免疫エフェクター分子であって、抗原および限定量のTLRアゴニストへのリンパ球の暴露後に測定される前記免疫エフェクター分子のレベルまたは濃度の形態でのデータを通信ネットワークを介して受信すること;
(b)1変量または多変量解析によって被験者データを処理して免疫応答値を提供すること;
(c)所定の値と比較した免疫応答値の結果に従って被験者の状態を判定すること;および
(d)通信ネットワークを介して、ユーザーに被験者の状態の徴候を送信すること
を含む前記方法。
【0167】
参考文献