【文献】
手嶋英之ほか,"デジタルサイネージを用いたお手洗いの利用状況案内方法の改善に関する報告",電子情報通信学会技術研究報告,2015年 8月17日,第115巻,第18号,P.29-32
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自動で吐水状態を変更する自動水栓と、自動でソープ液を吐出するソープ・ディスペンサと、所定のコンテンツ・サーバから映像情報をインターネットを介して受信し映像情報を洗面台利用者に対して表示するデジタル・サイネージと、自動水栓、ソープ・ディスペンサ及びデジタル・サイネージを制御する制御基板と、をそれぞれ有する複数の洗面台と、複数の洗面台のそれぞれの洗面台の制御基板にインターネットを介して接続するクラウド・サーバと、クラウド・サーバにインターネットを介して接続する管理者端末と、クラウド・サーバからインターネットを介して通知を受けるソープ液販売業者端末と、を備える洗面システムであって、
それぞれの洗面台において、自動水栓とソープ・ディスペンサとデジタル・サイネージとは、制御基板に電気的に接続され、
制御基板は、
自動水栓の吐水状態の変更を行うために管理者が管理者端末を用いて指示する吐水状態変更操作指示をクラウド・サーバを介して受信し、さらに、自動水栓に吐水状態変更操作指示を送信し、
自動水栓から吐水状態の情報を受信し、ソープ・ディスペンサからソープ液の残量の情報を受信し、デジタル・サイネージから洗面台利用者に関する距離の情報を受信し、
所定の時間、吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を蓄積し、蓄積した吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を所定の時間毎にクラウド・サーバに送信し、
デジタル・サイネージから受信した距離の情報に応じて、映像モードを切り替えるように指示する映像モード切替指示をデジタル・サイネージに送信し、
クラウド・サーバは、情報処理部とコンテンツ制御部とを有し、
情報処理部は、
それぞれの洗面台の制御基板から蓄積された吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を所定の時間毎に受信し、
それぞれの洗面台の吐水状態の情報から、当該洗面台の利用者数を算出するとともに、それぞれの洗面台の吐水状態の情報と残量の情報と距離の情報と算出された利用者数とを集計する集計部と、
集計部に集計された吐水状態の情報及び距離の情報からそれぞれの洗面台の自動水栓の故障判定を行うとともに、集計部に集計された残量の情報から複数の洗面台のうちのソープ液の補充が必要なソープ・ディスペンサを有する洗面台を特定する判定部と、
を有し、
集計部に集計された吐水状態の情報と残量の情報と利用者数とを管理者端末に送信し、判定部に故障判定された自動水栓を管理者端末に通知し、判定部に判定されたソープ液の補充が必要なソープ・ディスペンサを有する洗面台の場所をソープ液販売業者端末に通知し、
管理者端末から受信した吐水状態変更操作指示を制御基板に送信し、
コンテンツ制御部は、
インターネットを介して接続される管理者端末に入力されて管理され、デジタル・サイネージがどの所定のコンテンツ・サーバに格納される映像情報をリクエストすべきか指定するURL指定情報を有し、
デジタル・サイネージから受信するコンテンツ・サーバ問合せに応じて、URL指定情報に基づき、指定されたコンテンツ・サーバにデジタル・サイネージが映像情報リクエストを送信するよう指示する映像情報リクエスト指示をデジタル・サイネージに送信し、
管理者端末は、
クラウド・サーバから送信された情報に基づいて、それぞれの洗面台について、又は、所定の条件に適合する洗面台について、吐水状態の情報と残量の情報と利用者数の情報とを管理者に閲覧可能に表示し、
クラウド・サーバから通知された情報に基づいて、故障判定された自動水栓を有する洗面台について、警告を表示し、
クラウド・サーバから送信又は通知された情報に関する自動水栓について、又は、所定の条件に適合する自動水栓について、管理者が吐水状態の変更を行うための操作を行うことによって、吐水状態変更操作指示をクラウド・サーバに送信し、
ソープ液販売業者端末は、クラウド・サーバから通知された情報に基づいて、ソープ液の補充が必要と判定されたソープ・ディスペンサを有する洗面台の場所をソープ液販売業者に閲覧可能に表示し、
自動水栓は、水栓制御部と、水栓制御部に電気的に接続する比例制御電磁弁と、水栓制御部に電気的に接続する流量センサと、を有し、
水栓制御部は、自動水栓の吐水状態の制御を行うとともに、制御基板から受信した流量変更操作指示に基づき、比例制御電磁弁を制御し、
比例制御電磁弁は、自動水栓の吐水/止水の切替又は吐水量の変更を行い、
流量センサは、自動水栓の吐水量を感知し、感知した吐水量の情報を含む吐水状態の情報を制御基板に出力し、
ソープ・ディスペンサは、ソープ液貯蔵部と残量感知部とを有し、
ソープ液貯蔵部は、ソープ・ディスペンサから吐出するソープ液を貯蔵し、
残量感知部は、ソープ液貯蔵部に貯蔵されるソープ液の残量を感知し、感知した残量の情報を制御基板に出力し、
デジタル・サイネージは、ディスプレイ部とデジタル・サイネージ制御部と距離センサとを有し、
距離センサは、デジタル・サイネージの近傍に位置する人物までの距離を計測し、計測した距離の情報を制御基板に出力し、
デジタル・サイネージ制御部は、
ディスプレイ部を所定の映像を表示するように制御する映像モードを有し、
制御基板から受信する映像モード切替指示に基づき、どの所定のコンテンツ・サーバに映像情報をリクエストすべきかクラウド・サーバのコンテンツ制御部に問い合わせるコンテンツ・サーバ問合せを送信し、
コンテンツ制御部から受信した映像情報リクエスト指示に基づき、映像情報リクエスト指示に指定されるコンテンツ・サーバに格納される映像情報を受信するための映像情報リクエストを当該コンテンツ・サーバに送信し、
当該コンテンツ・サーバから映像情報を受信し、
受信した映像情報を映像信号に変換してディスプレイ部に送信し、
ディスプレイ部は、映像信号に基づき映像を表示する、
洗面システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の発明は、洗面台を構成する自動水栓について、インターネットを介して監視又は操作されるように構成されていない。
【0005】
例えば、高速道路に併設されるサービスエリア又はパーキングエリアは、全国で約750箇所存在するが、1つのサービスエリア又はパーキングエリアに設けられている公共トイレには、自動水栓を備える洗面台が複数台設けられている。したがって、サービスエリア又はパーキングエリアに設けられている公共トイレに限定しても、全国で年間延べ9億9000万人に利用されているという調査データがあり、膨大な水道水量が消費されている。
【0006】
従来の公共トイレの洗面台に設けられる自動水栓は、個別に吐水量が調整されるように構成されており、メンテナンス作業員が各公共トイレの洗面台に出向き、1台1台の洗面台の自動水栓の吐水量を調整するという作業が必要であった。
【0007】
そして、複数の公共トイレに、過剰に吐水されている自動水栓がある場合には、それらの自動水栓の補修に出向くメンテナンス作業員に必要とされる労力が非常に大きいものとなるとともに、必要以上に消費される水道水量も非常に大きいものとなるという問題がある。また、複数の公共トイレの洗面台に設けられる自動水栓が、問題なく稼働しているかどうかを確認する点検作業を、メンテナンス作業員が複数の公共トイレを巡回して行う労力もまた非常に大きいという問題がある。特に、労働人口減少が進み人手不足が更に深刻なものとなる我が国において、これらの問題は、喫緊の課題である。
【0008】
また、公共トイレの洗面台利用者は、洗面台近傍に一定時間留まっているが、洗面台利用者の意識は、手指を洗浄する行為等にのみ向けられており、情報を入手することのない時間を消費することとなっている。
【0009】
したがって、本発明は、複数の公共トイレにおいて、洗面台の利用者に情報提供を可能とするとともに、自動水栓及びソープ・ディスペンサについて、インターネットを介して監視又は操作されることにより、メンテナンス作業員に必要とされる労力を大幅に削減することができるとともに、消費される水道水量を大幅に削減することができる洗面システム及びそれを用いた広告提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る洗面システムは、自動で吐水状態を変更する自動水栓と、自動でソープ液を吐出するソープ・ディスペンサと、所定のコンテンツ・サーバから映像情報をインターネットを介して受信し映像情報を洗面台利用者に対して表示するデジタル・サイネージと、自動水栓、ソープ・ディスペンサ及びデジタル・サイネージを制御する制御基板と、をそれぞれ有する複数の洗面台と、複数の洗面台のそれぞれの洗面台の制御基板にインターネットを介して接続するクラウド・サーバと、クラウド・サーバにインターネットを介して接続する管理者端末と、クラウド・サーバからインターネットを介して通知を受けるソープ液販売業者端末と、を備える洗面システムであって、それぞれの洗面台において、自動水栓とソープ・ディスペンサとデジタル・サイネージとは、制御基板に電気的に接続され、制御基板は、自動水栓の吐水状態の変更を行うために管理者が管理者端末を用いて指示する吐水状態変更操作指示をクラウド・サーバを介して受信し、さらに、自動水栓に吐水状態変更操作指示を送信し、自動水栓から吐水状態の情報を受信し、ソープ・ディスペンサからソープ液の残量の情報を受信し、デジタル・サイネージから洗面台利用者に関する距離の情報を受信し、所定の時間、吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を蓄積し、蓄積した吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を所定の時間毎にクラウド・サーバに送信し、デジタル・サイネージから受信した距離の情報に応じて、映像モードを切り替えるように指示する映像モード切替指示をデジタル・サイネージに送信し、クラウド・サーバは、情報処理部とコンテンツ制御部とを有し、情報処理部は、それぞれの洗面台の制御基板から蓄積された吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を所定の時間毎に受信し、それぞれの洗面台の吐水状態の情報から、当該洗面台の利用者数を算出するとともに、それぞれの洗面台の吐水状態の情報と残量の情報と距離の情報と算出された利用者数とを集計する集計部と、集計部に集計された吐水状態の情報及び距離の情報からそれぞれの洗面台の自動水栓の故障判定を行うとともに、集計部に集計された残量の情報から複数の洗面台のうちのソープ液の補充が必要なソープ・ディスペンサを有する洗面台を特定する判定部と、を有し、集計部に集計された吐水状態の情報と残量の情報と利用者数とを管理者端末に送信し、判定部に故障判定された自動水栓を管理者端末に通知し、判定部に判定されたソープ液の補充が必要なソープ・ディスペンサを有する洗面台の場所をソープ液販売業者端末に通知し、管理者端末から受信した吐水状態変更操作指示を制御基板に送信し、コンテンツ制御部は、インターネットを介して接続される管理者端末に入力されて管理され、デジタル・サイネージがどの所定のコンテンツ・サーバに格納される映像情報をリクエストすべきか指定するURL指定情報を有し、デジタル・サイネージから受信するコンテンツ・サーバ問合せに応じて、URL指定情報に基づき、指定されたコンテンツ・サーバにデジタル・サイネージが映像情報リクエストを送信するよう指示する映像情報リクエスト指示をデジタル・サイネージに送信し、管理者端末は、クラウド・サーバから送信された情報に基づいて、それぞれの洗面台について、又は、所定の条件に適合する洗面台について、吐水状態の情報と残量の情報と利用者数の情報とを管理者に閲覧可能に表示し、クラウド・サーバから通知された情報に基づいて、故障判定された自動水栓を有する洗面台について、警告を表示し、クラウド・サーバから送信又は通知された情報に関する自動水栓について、又は、所定の条件に適合する自動水栓について、管理者が吐水状態の変更を行うための操作を行うことによって、吐水状態変更操作指示をクラウド・サーバに送信し、ソープ液販売業者端末は、クラウド・サーバから通知された情報に基づいて、ソープ液の補充が必要と判定されたソープ・ディスペンサを有する洗面台の場所をソープ液販売業者に閲覧可能に表示し、自動水栓は、水栓制御部と、水栓制御部に電気的に接続する比例制御電磁弁と、水栓制御部に電気的に接続する流量センサと、を有し、水栓制御部は、自動水栓の吐水状態の制御を行うとともに、制御基板から受信した流量変更操作指示に基づき、比例制御電磁弁を制御し、比例制御電磁弁は、自動水栓の吐水/止水の切替又は吐水量の変更を行い、流量センサは、自動水栓の吐水量を感知し、感知した吐水量の情報を含む吐水状態の情報を制御基板に出力し、ソープ・ディスペンサは、ソープ液貯蔵部と残量感知部とを有し、ソープ液貯蔵部は、ソープ・ディスペンサから吐出するソープ液を貯蔵し、残量感知部は、ソープ液貯蔵部に貯蔵されるソープ液の残量を感知し、感知した残量の情報を制御基板に出力し、デジタル・サイネージは、ディスプレイ部とデジタル・サイネージ制御部と距離センサとを有し、距離センサは、デジタル・サイネージの近傍に位置する人物までの距離を計測し、計測した距離の情報を制御基板に出力し、デジタル・サイネージ制御部は、ディスプレイ部を所定の映像を表示するように制御する映像モードを有し、制御基板から受信する映像モード切替指示に基づき、どの所定のコンテンツ・サーバに映像情報をリクエストすべきかクラウド・サーバのコンテンツ制御部に問い合わせるコンテンツ・サーバ問合せを送信し、コンテンツ制御部から受信した映像情報リクエスト指示に基づき、映像情報リクエスト指示に指定されるコンテンツ・サーバに格納される映像情報を受信するための映像情報リクエストを当該コンテンツ・サーバに送信し、当該コンテンツ・サーバから映像情報を受信し、受信した映像情報を映像信号に変換してディスプレイ部に送信し、ディスプレイ部は、映像信号に基づき映像を表示する、ように構成されている。
【0011】
この発明によれば、複数の公共トイレにおいて、洗面台の利用者に情報提供を可能とするとともに、自動水栓及びソープ・ディスペンサについて、管理者が管理者端末を用いてインターネットを介して監視又は操作することにより、メンテナンス作業員に必要とされる労力を大幅に削減することができるとともに、消費される水道水量を大幅に削減することができる。
【0012】
この発明に係る洗面システムは、自動水栓は、さらに、水栓制御部に電気的に接続し吐水を温める電気温水器と水栓制御部に電気的に接続する温度センサとを有し、温度センサは、自動水栓の吐水の温度を感知し、感知した温度の情報を含む吐水状態の情報を制御基板に出力し、水栓制御部は、制御基板から受信した吐水状態変更操作指示に基づき、電気温水器を制御する、ように構成されていてもよい。
【0013】
この発明によれば、インターネットを介して、管理者が吐水温度を含む吐水状態の情報を管理者端末で監視することができ、管理者が指定する洗面台の自動水栓における吐水温度を管理者端末を用いて操作することができる。これにより、吐水温度が高すぎる自動水栓の吐水温度を下げることができ、消費される電力量を削減することができる。
【0014】
この発明に係る洗面システムは、デジタル・サイネージは、さらに、ハーフ・ミラーを有し、ハーフ・ミラーとハーフ・ミラーの背面側に位置するディスプレイ部とによりハーフ・ミラーを透過して映像が映し出されるように構成されていてもよい。
【0015】
この発明によれば、デジタル・サイネージの一部に映像を表示することで、デジタル・サイネージの他の部分が鏡として機能することとなり、洗面台利用者が自身の容姿をデジタル・サイネージで確認することができ、その際に洗面台利用者に情報を提供することができる。
【0016】
この発明に係る洗面システムは、デジタル・サイネージは、2次元コードを表示することが可能であるように構成されていてもよい。
【0017】
この発明によれば、デジタル・サイネージのディスプレイ部の表示面積に映像として表示することができる情報を超える情報を洗面台利用者に提供することができる。例えば、ある商品の広告表示を見た洗面台利用者が、当該商品についてより詳しい情報を得たいと考えた場合に、スマート・フォンで、当該商品の商品情報を掲載するWEBサイトのURLを2次元コードから読み取ることにより、洗面台利用者は、その場ですぐに、当該商品の商品情報を入手することができる。
【0018】
この発明に係る広告提供システムは、前記洗面システムを用いて、洗面台利用者に広告を提供する広告提供システムであって、コンテンツ制御部が有するURL指定情報に、広告主が提供する広告に係る映像情報を有するコンテンツ・サーバのURLを広告主端末を用いて入力可能であるように構成されていてもよい。
【0019】
この発明によれば、広告主は、自らが所望する広告を洗面台利用者に提供するために、クラウド・サーバが有するコンテンツ制御部が有するURL指定情報に、当該広告に係る映像情報を有するコンテンツ・サーバを指定するURLを入力することができる。そのため、この発明によれば、例えば、入札制により複数の広告主から特定の広告主を選定し、当該広告主が所望する広告を提供することができることとなり、本発明に係る広告提供システムを管理する管理者は、当該広告主から広告料を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
したがって、本発明に係る洗面システム及びそれを用いた広告提供システムによれば、複数の公共トイレにおいて、洗面台の利用者に広告を含む情報提供を可能とするとともに、自動水栓及びソープ・ディスペンサについて、インターネットを介して監視又は操作されることにより、メンテナンス作業員に必要とされる労力を大幅に削減することができるとともに、消費される水道水量を大幅に削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る洗面システム及びそれを用いた広告提供システムについて、図を参照して説明する。
図1は、本発明に係る洗面システム及びそれを用いた広告提供システムの概略的な構成を示した図である。
図2は、本発明に係る洗面台の公共トイレにおける使用状態を示す斜視図である。
図3は、本発明に係る洗面台の正面図である。
図4は、本発明に係る洗面台の側面図である。
なお、本明細書において、「吐水状態の情報」とは、自動水栓における吐水量の情報と吐水の温度の情報とを含む情報である。また、「吐水状態の変更」とは、自動水栓において、吐水/止水の切替、吐水量の変更又は吐水の温度の変更を行うことである。「映像情報」とは、動画情報、静止画情報又は文字情報等のディスプレイに映像又は画像として表示することのできる情報である。「コンテンツ・サーバ」とは、インターネットに接続されているサーバであって、映像情報を提供するサーバである。「管理者」とは、洗面システム又はそれを用いた広告提供システムを管理することのできる自然人又は法人であって、洗面システム若しくはそれを用いた広告提供システムの所有者又は公共トイレのメンテナンス作業員若しくはメンテナンス事業者である。「電気的な接続」とは、有線もしくは無線による電気的な通信接続又は電源を供給する手段による接続である。また、インターネット上での通信、指示又は情報のやり取りは、HTTPを利用して行われている。
【0023】
(洗面システム)
図1及び
図2に示すように、洗面システム1は、複数の洗面台10とクラウド・サーバ70と管理者端末80とソープ液販売業者端末90とを備える。広告提供システム2は、後述する。以下、洗面システム1のそれぞれの構成要素について、詳述する。
【0024】
複数の洗面台10は、複数の公共トイレPT(そのうちの1つが
図2に示される公共トイレPTである)に設けられている洗面台10である。複数の洗面台10は、管理者端末80によって、インターネットを介して監視又は操作される。複数の洗面台10は、自動で吐水状態を変更する自動水栓20と、自動でソープ液を吐出するソープ・ディスペンサ30と、所定のコンテンツ・サーバから映像情報iiをインターネットを介して受信し映像情報iiを洗面台利用者に対して表示するデジタル・サイネージ40と、自動水栓20、ソープ・ディスペンサ30及びデジタル・サイネージ40を制御する制御基板50と、をそれぞれ有する。それぞれの洗面台10において、自動水栓20とソープ・ディスペンサ30とデジタル・サイネージ40とは、制御基板50に電気的に接続されている。
【0025】
自動水栓20は、公共トイレPTで一般的に用いられているものであり、吐水口近傍に手指を近づけると、ハンドセンサ(図示しない)が感知して、吐水を開始し、手指の洗浄を可能とするものである。自動水栓20は、水栓制御部22と、水栓制御部22に電気的に接続し吐水を温める電気温水器23と、水栓制御部22に電気的に接続する温度センサ24と、水栓制御部22に電気的に接続する比例制御電磁弁25と、水栓制御部22に電気的に接続する流量センサ26と、を有する。水栓制御部22は、自動水栓20を制御する制御機構であり、自動水栓20の吐水状態すなわち吐水/止水の切替、吐水量及び吐水の温度の制御を行うとともに、制御基板50から受信した後述する吐水状態変更操作指示に基づき、電気温水器23と比例制御電磁弁25とを制御する。また、水栓制御部22は、ハンドセンサ(図示しない)に基づき、自動水栓20の吐水/止水の切替を制御する。電気温水器23は、水栓制御部22からの指示に基づきON/OFF制御又は比例制御によって、自動水栓20からの吐水を温め温度を変更するものである。温度センサ24は、自動水栓20の吐水の温度を感知し、感知した温度の情報を含む吐水状態の情報を制御基板50に出力する。比例制御電磁弁25は、水栓制御部22に比例制御されて、自動水栓20の吐水/止水の切替又は吐水量の変更を可能とする電磁弁である。比例制御電磁弁25は、電磁弁が開状態であるか閉状態であるかについて感知することができ、開閉状態の情報を制御基板50に出力する。流量センサ26は、自動水栓20の吐水量を感知し、感知した吐水量の情報を含む吐水状態の情報を制御基板50に出力する。
【0026】
ソープ・ディスペンサ30は、公共トイレPTで一般的に用いられているものであり、ソープ液の吐出口近傍に手指を近づけると、ハンドセンサ(図示しない)が感知して、ソープ液を一定量吐出し、手指の洗浄を可能とするものである。ソープ・ディスペンサ30は、ソープ液貯蔵部32と残量感知部34とを有する。ソープ液貯蔵部32は、ソープ・ディスペンサ30から吐出するためのソープ液を貯蔵するものである。残量感知部34は、ソープ液貯蔵部32に貯蔵されるソープ液の残量を感知し、感知した残量の情報を制御基板50に出力する。残量感知部34は、例えば、重量センサとして利用されるForce Sensing Resistorであり、ソープ液貯蔵部32の底面に敷かれて、ソープ液貯蔵部32の重量を感知することによりソープ液の残量を感知するものである。
【0027】
デジタル・サイネージ40は、映像表示を可能とするディスプレイ部を有し、ディスプレイ部に表示される映像を利用者に提供することによって、利用者に情報を提供するものである。デジタル・サイネージ40は、ディスプレイ部42とデジタル・サイネージ制御部44と距離センサ46とを有する。ディスプレイ部42は、例えば、液晶ディスプレイであり、映像信号を映像に変換することが可能であり、デジタル・サイネージ制御部44からの映像信号に基づき映像を表示する。デジタル・サイネージ制御部44は、ディスプレイ部42を所定の映像を表示するように制御する映像モードimを有する。映像モードimは、CMモードcmとスクリーンセーバ・モードsmとを含む。デジタル・サイネージ制御部44は、後述する制御基板50から受信する映像モード切替指示imciに基づき、どの所定のコンテンツ・サーバに映像情報iiをリクエストすべきかを後述するクラウド・サーバ70のコンテンツ制御部78に問い合わせるコンテンツ・サーバ問合せcsrを送信する。ここで、所定のコンテンツ・サーバとは、インターネットに接続されているコンテンツ・サーバであって、クラウド・サーバ50のコンテンツ制御部78において指定されるコンテンツ・サーバである。またここで、映像モード切替指示imciは、CMモード切替指示cmciとスクリーンセーバ・モード切替指示smciとを含む。デジタル・サイネージ制御部44は、コンテンツ制御部78から受信した後述する映像情報リクエスト指示iiriに基づき、映像情報リクエスト指示iiriにおいて指定されるURLにおけるコンテンツ・サーバに格納される映像情報iiを受信するための映像情報リクエストiirを当該コンテンツ・サーバに送信する。デジタル・サイネージ制御部44は、当該コンテンツ・サーバから映像情報iiを受信し、受信した映像情報iiを映像信号に変換してディスプレイ部42に送信する。ここで、映像情報リクエスト指示iiriは、後述するように、CMモードcm又はスクリーンセーバ・モードsmに対応して、デジタル・サイネージ制御部44が映像情報iiをリクエストすべきコンテンツ・サーバのURLを指定して、デジタル・サイネージ制御部44に映像情報リクエストiirを当該コンテンツ・サーバに送信するように指示するものである。これにより、デジタル・サイネージ制御部44は、当該コンテンツ・サーバに映像情報リクエストiirを送信し、当該コンテンツ・サーバが映像情報リクエストiirに対応する映像情報iiをデジタル・サイネージに送信することで、当該コンテンツ・サーバから映像情報iiを受信することができる。デジタル・サイネージ制御部44は、受信した映像情報iiをメモリに格納して、次の映像モード切替指示imciを受信するまで、映像情報iiを映像信号に変換してディスプレイ部42に映像信号を送信し続ける。ディスプレイ部42は、受信した映像信号を映像として表示する。
距離センサ46は、例えば、赤外線による三角測距方式のものであり、また例えば、タイム・オブ・フライト方式のものであってもよい。距離センサ46は、デジタル・サイネージ40の近傍に位置する人物であって洗面台10の利用者までの距離を計測し、計測した距離の情報を制御基板50に出力する。距離センサ46は、例えば、
図3に示すように、洗面カウンタの前面に、設けられている。
【0028】
デジタル・サイネージ40は、さらに、ハーフ・ミラー4hmを有し、ハーフ・ミラー4hmとハーフ・ミラー4hmの背面側に位置するディスプレイ部42とによりハーフ・ミラー4hmを透過して映像が映し出されるように構成されている。これにより、例えば、広告モードcmにおいて、広告表示をディスプレイ部42の下部に行うことで、ディスプレイ部42の上部は、鏡として利用されることができる。すなわち、洗面台10の利用者が、デジタル・サイネージ40に近づいた際には、ディスプレイ部42は、鏡として機能すると同時に、利用者の視界に広告としての映像を提供することができる。
【0029】
デジタル・サイネージ40は、2次元コードを表示することが可能であるように構成されている。例えば、2次元コードであるQRコード(登録商標)は、CMモードcmにおけるディスプレイ部42の映像に合わせて表示され、当該商品又は役務についてより詳細な情報を提供する映像情報を有するコンテンツ・サーバのURLが符号化されている。これにより、洗面台利用者は、当該映像に示されていた広告に係る商品又は役務について、QRコード(登録商標)をスマート・フォン等で読み取ることで、QRコード(登録商標)を通じて、当該商品又は役務についてより詳細な情報を提供する映像情報を有するコンテンツ・サーバのURLを入手することができる。
【0030】
制御基板50は、洗面台10の各構成要素とクラウド・サーバ50との間の通信、指示又は情報のやりとりにおける中継を担うものであるとともに、デジタル・サイネージ40の映像モードimを距離センサ46からの距離の情報に応じて変更する映像モード切替指示imciをデジタル・サイネージ40に行うものである。制御基板50は、例えば、5Vの電圧で稼働し、8bitのCPUを主とし、8kbのRAMを搭載するものである。
【0031】
制御基板50は、自動水栓20から吐水状態の情報を受信し、ソープ・ディスペンサ30からソープ液の残量の情報を受信し、デジタル・サイネージ40から洗面台利用者に関する距離の情報を受信する。そして、制御基板50は、所定の時間例えば10秒間、吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報をメモリに蓄積し、蓄積した吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を所定の時間毎にクラウド・サーバ70に送信する。後述するように、クラウド・サーバ70は、集計された吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を管理者端末80に送信することで、管理者は、それぞれの洗面台10について、監視し、またそれらの情報に基づいて操作することができる。そして、制御基板50は、自動水栓20の吐水状態の変更を行うために管理者が管理者端末80を用いて指示する吐水状態変更操作指示をクラウド・サーバ70を介して受信し、さらに、自動水栓20に吐水状態変更操作指示を送信する。ここで、吐水状態変更操作指示は、自動水栓20の吐水/止水の切替と吐水量の変更と吐水の温度の変更とを含む管理者が行う操作によって管理者端末80が発する指示である。
【0032】
また、制御基板50は、デジタル・サイネージ40から受信した距離の情報に応じて、映像モードimを切り替えるように指示する映像モード切替指示imciをデジタル・サイネージ40に送信する。この、制御基板50が距離の情報に応じて映像モード切替指示imciをデジタル・サイネージ40に送信する処理フローを、
図5に基づいて、次の段落で説明する。
【0033】
図5に示すように、制御基板50は、ステップs501において、映像モード切替指示imciを送信するための処理を開始する。ステップs502において、制御基板50は、距離センサ46から、距離の情報を受信するまで待機する。ステップs503において、制御基板50は、距離センサ46から、距離の情報を受信する。ステップs504において、制御基板50は、距離の情報から、洗面台利用者までの距離が50cm未満であるか50cm以上であるかを判断する。ステップs504において、距離が50cm未満であれば、フローはステップs505に進み、ステップs505において、制御基板50は、映像モード切替指示imciのうちのCMモード切替指示cmciをデジタル・サイネージ40に送信する。ステップs504において、距離が50cm以上であれば、フローはステップs506に進み、ステップs506において、制御基板50は、ステップs502における待機時間が10秒を超えるか10秒以下であるかを判断する。ステップs506において、待機時間が10秒を超えるのであれば、フローはステップs507に進み、ステップs507において、制御基板は、映像モード切替指示imciのうちのスクリーンセーバ・モード切替指示smciをデジタル・サイネージ40に送信する。ステップs506において、待機時間が10秒以下であれば、フローはステップs502の待機に戻る。ステップs505又はステップs507の後、フローはステップ502の待機に戻る。
【0034】
クラウド・サーバ70は、インターネットに接続される物理サーバ又はそれによって提供されるサービスであって、例えば、PaaS形式のものであってもよく、IaaS形式のものであってもよい。クラウド・サーバ70は、制御基板50から送信された、それぞれの公共トイレPTのそれぞれの洗面台10について、吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を集計するとともに、それらの情報から洗面台10の各機器の故障判定を行い、また、集計した各情報及び故障判定された洗面台10の情報を管理者端末80に送信又は通知する。さらに、クラウド・サーバ70は、デジタル・サイネージ40からの問合せに対して、どの所定のコンテンツ・サーバに映像情報をリクエストするかをデジタル・サイネージ40に指示する。
【0035】
クラウド・サーバ70は、各情報の集計及び故障判定を行う情報処理部72と、デジタル・サイネージ40がリクエストする映像情報を制御するコンテンツ制御部78とを有する。
【0036】
情報処理部72は、クラウド・サーバ70内のアプリケーション・プログラム又は論理回路によって実現される機能の1つである。情報処理部72は、それぞれの洗面台10の制御基板50から蓄積された吐水状態の情報、残量の情報及び距離の情報を所定の時間毎、例えば10秒間毎に受信する。情報処理部72は、受信したそれぞれの洗面台10の吐水状態の情報から、当該洗面台10の利用者数を算出するとともに、それぞれの洗面台10の吐水状態の情報と残量の情報と距離の情報と算出された利用者数とを集計する集計部74と、集計部74に集計された吐水状態の情報及び距離の情報からそれぞれの洗面台10の自動水栓20の故障判定を行うとともに、集計部74に集計された残量の情報から複数の洗面台10のうちのソープ液の補充が必要なソープ・ディスペンサ30を有する洗面台10を特定する判定部76と、を有する。
【0037】
集計部74が、それぞれの洗面台10について、洗面台利用者までの距離の情報を集計する処理の処理フローを、
図6に基づいて、次の段落で説明する。
【0038】
図6に示すように、集計部74は、特定の洗面台10について、ステップs741aにおいて、距離の情報を集計する処理を開始する。ステップs742aにおいて、集計部74は、制御基板50から蓄積された距離の情報が送信されるまで待機する。ステップs743aにおいて、集計部74は、制御基板50から送信された距離の情報を受信する。ステップs744aにおいて、集計部74は、距離の情報を記録する。
【0039】
集計部74が、それぞれの洗面台10について、吐水状態の情報のうちの吐水の温度の情報を集計する処理の処理フローを、
図7に基づいて、次の段落で説明する。
【0040】
図7に示すように、集計部74は、特定の洗面台10について、ステップs741bにおいて、吐水の温度の情報を集計する処理を開始する。ステップs742bにおいて、集計部74は、制御基板50から蓄積された温度の情報が送信されるまで待機する。ステップs743bにおいて、集計部74は、制御基板50から送信された温度の情報を受信する。ステップs744bにおいて、集計部74は、温度の情報を記録する。
【0041】
集計部74が、それぞれの洗面台10について、吐水状態の情報のうちの吐水量の情報を集計する処理と吐水量の情報から洗面台の利用者数を算出する処理との処理フローを、
図8に基づいて、次の段落で説明する。
【0042】
図8に示すように、集計部74は、特定の洗面台10について、ステップs741cにおいて、吐水量の情報を集計する処理と吐水量の情報から洗面台の利用者数を算出する処理とを開始する。ステップs742cにおいて、集計部74は、制御基板50から蓄積された吐水量の情報が送信されるまで待機する。ステップs743cにおいて、集計部74は、制御基板50から送信された吐水量の情報を受信する。ステップs744cにおいて、集計部74は、吐水量が0を超える値であるか0であるかを判断する。吐水量が0を超える値であれば、フローはステップs745cに進み、ステップs745cにおいて、集計部74は、吐水量を記録する。ステップs744cにおいて、吐水量が0であれば、フローはステップs742cの待機に戻る。そして、ステップs745cの後、フローはステップs746cに進み、ステップs746cにおいて、今回の吐水量を感知し始めた時刻(今回開始時刻)と前回の吐水量を感知し始めた時刻(前回開始時刻)とを比較し、その時間差が10秒を超えるか10秒以内であるかを判断する。今回開始時刻と前回開始時刻との時間差が10秒を超えるのであれば、フローはステップs747cに進み、ステップs747cにおいて、集計部74は、その洗面台10について、利用者数+1として算出し記録する。ステップs746cにおいて、今回開始時刻と前回開始時刻との時間差が10秒以内であれば、フローはステップs748cに進む。ステップs746c又はステップs747cから進んだステップs748cにおいて、集計部74は、その洗面台10について、今回開始時刻を記録する。ステップs748cの後、フローはステップs742cの待機に戻る。
なお、ステップs746cにおける判断は、吐水量の情報から、前回開始時刻と今回開始時刻との間の時間が、10秒を超えるのであれば、別の人物が自動水栓20を利用したものとして人数を+1算出するためのものであり、10秒以内であれば、同一人物が自動水栓20を利用したものとして人数を+1算出しないためのものである。
【0043】
判定部76が、それぞれの洗面台10について、自動水栓20の比例制御電磁弁25と流量センサ26とハンドセンサ(図示しない)と、距離センサ46と、において、集計部74に集計された吐水状態の情報及び距離の情報から、各機器が故障しているか否かを判定する故障判定を行う処理の故障判定アルゴリズムを、
図9に基づいて、次の段落で説明する。
【0044】
図9に示すように、判定部76は、比例制御電磁弁25についての故障判定として、距離センサ46が距離の情報を出力せず、すなわち、距離センサ46が人体の存在を感知せず、ハンドセンサが信号を出力せず、すなわち、ハンドセンサが手指の存在を感知せず、さらに、流量センサ26が0を超える吐水量の情報を出力するのであれば、比例制御電磁弁25が故障し開状態のままで固定されていると判定する。
判定部76は、比例制御電磁弁25についての故障判定として、距離センサ46が距離の情報を出力し、すなわち、距離センサ46が人体の存在を感知し、ハンドセンサが信号を出力し、すなわち、ハンドセンサが手指の存在を感知し、さらに、流量センサ26が0である吐水量の情報を出力するのであれば、比例制御電磁弁25が故障し閉状態のままで固定されていると判定する。
判定部76は、流量センサ26についての故障判定として、比例制御電磁弁25が開状態の情報を出力し、流量センサが0である吐水量の情報を出力するのであれば、流量センサ26が故障していると判定する。
判定部76は、流量センサ26についての故障判定として、比例制御電磁弁25が閉状態の情報を出力し、流量センサが0を超える吐水量の情報を出力するのであれば、流量センサ26が故障していると判定する。
判定部76は、ハンドセンサについての故障判定として、距離センサ46が距離の情報を出力し、すなわち、距離センサ46が人体の存在を感知し、ハンドセンサが信号を出力せず、すなわち、ハンドセンサが手指の存在を感知せず、さらに、流量センサ26が0を超える吐水量の情報を出力するのであれば、ハンドセンサが故障していると判定する。
判定部76は、距離センサ46についての故障判定として、距離センサ46が距離の情報を出力せず、すなわち、距離センサ46が人体の存在を感知せず、ハンドセンサが信号を出力し、すなわち、ハンドセンサが手指の存在を感知し、さらに、流量センサ26が0を超える吐水量の情報を出力するのであれば、距離センサ46が故障していると判定する。
【0045】
集計部74が、それぞれの洗面台10について、ソープ・ディスペンサ30のソープ液の残量の情報を集計する処理の処理フローと、判定部76が、集計部74に集計された残量の情報から当該ソープ・ディスペンサ30がソープ液の補充が必要かソープ・ディスペンサであるか否かを判定し残量が補充を必要とする水準を下回るのであれば警告をソープ液販売業者端末に通知する処理の処理フローと、を、
図10に基づいて、次の段落で説明する。
【0046】
図10に示すように、集計部74及び判定部76は、特定の洗面台10について、ステップs741dにおいて、ソープ液の残量の情報を集計する処理及び残量が補充を必要とする水準を下回るのであれば警告メールを送信する処理を開始する。ステップs742dにおいて、集計部74は、制御基板50から蓄積された残量の情報が送信されるまで待機する。ステップs743dにおいて、集計部74は、制御基板50から送信された残量の情報を受信する。ステップs744dにおいて、集計部74は、残量の情報を記録する。ステップ765において、判定部76は、残量が所定の警告水準を下回っているか所定の警告水準以上であるかを判断する。残量が所定の警告水準を下回っていれば、フローはステップs767に進み、ステップs767において、判定部76は、警告フラグがONであるかOFFであるかを判断する。警告フラグがOFFであれば、フローはステップs768に進み、ステップs768において、判定部76は、警告フラグをONに切り替える処理を行う。ステップs769において、判定部76は、残量に関する警告を記録する。ステップs770において、判定部76(情報処理部72)は、残量が所定の警告水準を下回ったことによりソープ液の補充が必要であると判定されたソープ・ディスペンサ30を有する当該洗面台10の場所をソープ液販売業者端末90に警告メールを送信することで通知する。ステップs770の後、フローはステップs742dの待機に戻る。ステップs765において、残量が所定の警告水準以上であれば、フローはステップs766に進み、ステップs766において、判定部76は、警告フラグをOFFに切り替える。ステップs766の後、フローはステップs742dの待機に戻る。ステップs767において、警告フラグがONであれば、フローは、ステップs742dの待機に戻る。
【0047】
情報処理部72は、集計部74に集計された吐水状態の情報と残量の情報と利用者数とを管理者端末80に送信する。さらに、情報処理部72は、判定部76に故障判定された自動水栓20を管理者端末80に通知する。さらに、情報処理部72は、判定部76に判定されたソープ液の補充が必要なソープ・ディスペンサ30を有する洗面台10の場所をソープ液販売業者端末90に、例えばメールを送信することで、通知する。さらに、情報処理部72は、管理者端末80から受信した吐水状態変更操作指示を制御基板50に送信する。
【0048】
コンテンツ制御部78は、クラウド・サーバ70内のアプリケーション・プログラム又は論理回路によって実現される機能の1つである。コンテンツ制御部78は、インターネットを介して接続される管理者端末80に入力されて管理され、デジタル・サイネージ40がどの所定のコンテンツ・サーバに格納される映像情報iiをリクエストすべきか指定するURL指定情報79を有する。
【0049】
URL指定情報79は、デジタル・サイネージ40からのコンテンツ・サーバ問合せcsrに対して、デジタル・サイネージ40の映像モードimに対応してコンテンツ・サーバのURLを指定するためのリスト情報である。URL指定情報79は、
図11に示すような、映像モードimとコンテンツ・サーバのURLとの対応関係が指定されているものであり、例えば、デジタル・サイネージ40が、CMモードcmとなる際には、Aコンテンツ・サーバのURLを指定するものであり、スクリーンセーバ・モードsmとなる際には、Bコンテンツ・サーバのURLを指定するものである。
【0050】
コンテンツ制御部78は、デジタル・サイネージ40から受信するコンテンツ・サーバ問合せcsrに応じて、URL指定情報79に基づき、指定されたコンテンツ・サーバ、例えばAコンテンツ・サーバにデジタル・サイネージ40が映像情報リクエストiirを送信するよう指示する映像情報リクエスト指示iiriをデジタル・サイネージ40に送信する。
【0051】
ここで、デジタル・サイネージ40のデジタル・サイネージ制御部42が、制御基板50から受信する映像モード切替指示imciに基づき、インターネットを介して、クラウド・サーバ70と所定のコンテンツ・サーバとの間で処理を行い、さらにディスプレイ部42に映像信号を送信するまでの処理フローを、
図12に基づいて、次の段落で説明する。
【0052】
図12に示すように、デジタル・サイネージ制御部42は、ステップs421において、制御基板50から受信する映像モード切替指示imciを受信して映像信号を送信するまでの処理を開始する。ステップs422において、デジタル・サイネージ制御部42は、制御基板50から映像モード切替指示imciを受信するまで待機する。ステップs423において、デジタル・サイネージ制御部42は、制御基板50から映像モード切替指示imciすなわちCMモード切替指示cmci又はスクリーンセーバ・モード切替指示smciを受信する。ステップs424において、デジタル・サイネージ制御部42は、受信した映像モード切替指示imciがCMモード切替指示cmciであるかスクリーンセーバ・モード切替指示smciであるかを判断する。受信した映像モード切替指示imciがCMモード切替指示cmciであれば、フローはステップs425に進み、ステップs425において、デジタル・サイネージ制御部42は、クラウド・サーバ70のコンテンツ制御部78に、CMモードcmに対応するコンテンツ・サーバ問合せcsrを送信する。ステップs426において、デジタル・サイネージ制御部42は、CMモードcmに対応する映像情報リクエスト指示iiriを受信する。ステップs427において、デジタル・サイネージ制御部42は、受信した映像情報リクエスト指示iiriにおいて指定されているコンテンツ・サーバ、例えばAコンテンツ・サーバに、映像情報リクエストiirを送信する。ステップs428において、デジタル・サイネージ制御部42は、当該コンテンツ・サーバから映像情報iiを受信する。ステップs429において、デジタル・サイネージ制御部42は、受信した映像情報iiを映像信号に変換して、ディスプレイ部42に送信する。ステップs429の後、デジタル・サイネージ制御部42は、受信した映像情報iiを映像信号に変換して、ディスプレイ部42に送信を続けながら、ステップs422の待機に戻る。
一方、ステップs424において、受信した映像モード切替指示imciがスクリーンセーバ・モード切替指示smciであれば、フローはステップs430に進み、ステップs430において、デジタル・サイネージ制御部42は、クラウド・サーバ70のコンテンツ制御部78に、スクリーンセーバ・モードsmに対応するコンテンツ・サーバ問合せcsrを送信する。ステップs431において、デジタル・サイネージ制御部42は、スクリーンセーバ・モードsmに対応する映像情報リクエスト指示iiriを受信する。ステップs432において、デジタル・サイネージ制御部42は、受信した映像情報リクエスト指示iiriにおいて指定されているコンテンツ・サーバ、例えばBコンテンツ・サーバに、映像情報リクエストiirを送信する。ステップs433において、デジタル・サイネージ制御部42は、当該コンテンツ・サーバから映像情報iiを受信する。ステップs434において、デジタル・サイネージ制御部42は、受信した映像情報iiを映像信号に変換して、ディスプレイ部42に送信する。ステップs434の後、デジタル・サイネージ制御部42は、受信した映像情報iiを映像信号に変換して、ディスプレイ部42に送信を続けながら、ステップs422の待機に戻る。
【0053】
管理者端末80は、洗面システム1又は後述する広告提供システム2の管理者が使用する端末であり、インターネットを介してクラウド・サーバ70との間で情報又は指示を送受信可能であるとともに閲覧可能であり、かつ、吐水状態を操作可能である端末である。管理者端末80は、いわゆるパソコンでもよく、また、タブレット端末、例えばiPad(登録商標)でもよい。管理者端末80は、クラウド・サーバ70から送信された情報に基づいて、それぞれの洗面台10について、又は、所定の条件に適合する洗面台10について、吐水状態の情報と残量の情報と利用者数の情報とを管理者に閲覧可能に表示する。
例えば、
図13に示すように、管理者端末80は、洗面台Aについて、クラウド・サーバ70の集計部74に集計又は算出された、吐水状態の情報すなわち吐水量の情報と吐水の温度の情報と、ソープ液の残量の情報と、利用者数と、を、閲覧可能に表示する。また、管理者端末80は、吐水量を操作するための操作部が表示されており、操作部を指で左右にスライドするように操作することで、洗面台Aについて、吐水量を操作することができる。
また、例えば、
図14に示すように、管理者端末80は、公共トイレAについて、又は、公共トイレAに設けられている複数の洗面台10のそれぞれについて、クラウド・サーバ70の集計部74に集計又は算出された、吐水状態の情報すなわち吐水量の情報と吐水の温度の情報と、利用者数と、を、閲覧可能に表示する。
また、例えば、
図15に示すように、管理者端末80は、管理者が管理する全ての公共トイレPTについて、又は、複数の公共トイレPTのそれぞれについて、クラウド・サーバ70の集計部74に集計又は算出された、吐水状態の情報すなわち吐水量の情報と吐水の温度の情報と、利用者数と、を、閲覧可能に表示する。
【0054】
管理者端末80は、クラウド・サーバ70から通知された情報に基づいて、故障判定された自動水栓20を有する洗面台10について、警告を表示する。
例えば、
図16に示すように、管理者端末80は、洗面台Aについて、距離センサ46に異常があれば、クラウド・サーバ70の判定部76に故障判定されて管理者端末80に通知される警告に基づいて、警告画面を表示する。
【0055】
管理者端末80は、クラウド・サーバ70から送信又は通知された情報に関する自動水栓20について、又は、所定の条件に適合する自動水栓20について、管理者が吐水状態の変更を行うための操作を行うことによって、吐水状態変更操作指示をクラウド・サーバ70に送信する。
例えば、
図13に示すように、管理者が、管理者端末80の画面に表示された一人あたりの吐水量を見て、洗面台Aの吐水量が多すぎると判断した場合には、吐水量を操作するための操作部を操作することによって、吐水量を減少させることができ、この吐水量を減少させる操作によって、管理者端末80は、吐水状態変更操作指示をクラウド・サーバ70に送信する。また、例えば、
図13に示すように、管理者が、管理者端末80の画面に表示された吐水温度を見て、温度が高すぎると判断した場合には、電気温水器23の電源のON/OFFを切り替えるための操作部を操作することによって、温度を低下させることができ、この電源のON/OFFを切り替えるための操作によって、管理者端末80は、吐水状態変更操作指示をクラウド・サーバ70に送信する。
【0056】
ソープ液販売業者端末90は、洗面システム1のそれぞれの洗面台10のソープ・ディスペンサ30に用いられているソープ液の販売業者が使用する端末であり、インターネットを介してクラウド・サーバ70から通知された情報例えばメールを受信可能であるとともに閲覧可能である端末である。ソープ液販売業者端末90は、いわゆるパソコンでもよく、また、タブレット端末、例えばiPad(登録商標)でもよい。ソープ液販売業者端末90は、ソープ液販売業者に、クラウド・サーバ70から通知された情報に基づいて、ソープ液の補充が必要と判定されたソープ・ディスペンサ30を有する洗面台10の場所をソープ液販売業者に閲覧可能に表示する。
【0057】
(作用効果)
洗面システム1によれば、複数の公共トイレPTにおいて、洗面台10の利用者に情報提供例えば広告の提供や交通情報の提供を可能とするとともに、自動水栓20及びソープ・ディスペンサ30について、管理者が管理者端末80を用いてインターネットを介して監視又は操作することにより、メンテナンス作業員に必要とされる労力を大幅に削減することができるとともに、消費される水道水量を大幅に削減することができる。
【0058】
洗面システム1によれば、自動水栓20は、水栓制御部25に電気的に接続し吐水を温める電気温水器23と水栓制御部25に電気的に接続する温度センサ24とを有し、温度センサ24は、自動水栓20の吐水の温度を感知し、感知した温度の情報を含む吐水状態の情報を制御基板50に出力し、水栓制御部25は、制御基板50から受信した吐水状態変更操作指示に基づき、電気温水器23を制御する、ように構成されているので、インターネットを介して、管理者が吐水温度を含む吐水状態の情報を管理者端末80で監視することができ、管理者が指定する洗面台10の自動水栓20における吐水温度を管理者端末を用いて操作することができる。これにより、吐水温度が高すぎる自動水栓20の吐水温度を下げることができ、消費される電力量を削減することができる。
【0059】
洗面システム1によれば、デジタル・サイネージ40は、ハーフ・ミラー4hmを有し、ハーフ・ミラー4hmとハーフ・ミラー4hmの背面側に位置するディスプレイ部42とによりハーフ・ミラー4hmを透過して映像が映し出されるように構成されているので、デジタル・サイネージ40の一部に映像を表示することで、デジタル・サイネージ40の他の部分が鏡として機能することとなり、洗面台利用者が自身の容姿をデジタル・サイネージ40で確認することができ、その際に洗面台利用者に情報を提供することができる。
【0060】
洗面システム1によれば、デジタル・サイネージ40は、2次元コードを表示することが可能であるように構成されているので、デジタル・サイネージ40のディスプレイ部42の表示面積に映像として表示することができる情報を超える情報を洗面台利用者に提供することができる。例えば、ある商品の広告表示を見た洗面台利用者が、当該商品についてより詳しい情報を得たいと考えた場合に、スマート・フォンで、当該商品の商品情報を掲載するWEBサイトのURLを2次元コードから読み取ることにより、洗面台利用者は、その場ですぐに、当該商品の商品情報を入手することができる。
【0061】
(広告提供システム)
広告提供システム2は、洗面システム1を用いて、洗面台利用者に広告を提供する広告提供システムであって、クラウド・サーバ70のコンテンツ制御部78が有するURL指定情報79に、広告主が提供する広告に係る映像情報を有するコンテンツ・サーバのURLを広告主端末を用いて入力可能であるように構成されている。
【0062】
例えば、広告主は、広告主端末(図示しない)を用いて、インターネットを介して、クラウド・サーバ70にアクセス可能である。広告提供システム2は、クラウド・サーバ70の機能として実装される入札機能を用いて、入札制により複数の広告主から特定の広告主を選定することができる。選定された広告主は、自己が所望する広告に係る映像情報を作成し、当該映像情報を、インターネットに接続される特定のコンテンツ・サーバに格納する。そして、当該広告主は、広告主端末を用いて、当該映像情報を格納するコンテンツ・サーバを指定するURLを、クラウド・サーバ70のコンテンツ制御部78が有するURL指定情報に入力する。
【0063】
(作用効果)
広告提供システム2によれば、広告主は、自らが所望する広告を洗面台利用者に提供するために、クラウド・サーバ70が有するコンテンツ制御部78が有するURL指定情報79に、当該広告に係る映像情報iiを有するコンテンツ・サーバを指定するURLを入力することができる。そのため、広告提供システム2によれば、例えば、入札制により複数の広告主から特定の広告主を選定し、当該広告主が所望する広告を提供することができることとなり、広告提供システム2を管理する管理者は、当該広告主から広告料を得ることができる。
【0064】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配列等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【0065】
(変形例)
例えば、洗面システム1及びそれを用いた広告提供システム2は、以下のような構成を備えていてもよい。
【0066】
デジタル・サイネージ40は、さらに、デジタル・カメラ(図示しない)を有する。デジタル・カメラは、単数であっても複数であってもよいが、洗面台利用者の容姿を正面側から捉え、捉えた画像を、鏡像としてディスプレイ部42に表示する。そして、デジタル・サイネージ40は、デジタル・カメラが捕らえた画像情報を、インターネットを介して、制御基板50又はクラウド・サーバ70に送信する。制御基板50又はクラウド・サーバ70は、送信された画像情報から、洗面台利用者の性別や年齢層の情報を抽出することができる。これにより、管理者は、洗面台利用者の利用者分布を把握することができる。また、広告主は、当該洗面台利用者の属性に応じた広告の提供をすることが可能となる。例えば、洗面台利用者が20代の女性であれば、化粧品の広告を提供し、洗面台利用者が40代の男性であれば、自動車の広告を提供する、というような広告提供方法を構築することができる。
また、制御基板50又はクラウド・サーバ70は、送信された画像情報に加工を施して、ディスプレイ部42で、洗面台利用者に表示することができる。例えば、公共トイレPTがデパートに設置されている場合は、ディスプレイ部42に表示される洗面台利用者の容姿の画像において、肌のシミ、色合い、目の大きさ、顔の輪郭、体形のバランス等を加工することによって、洗面台利用者に自己の容姿が美しくなったような印象を与えることができる。また例えば、洗面台利用者の肌の状態を分析して、洗面台利用者の肌に適した化粧品の広告を提供することができる。
【0067】
デジタル・サイネージ40は、さらに、距離センサ46からの距離の情報に応じて洗面台10の周辺の空気に芳香を放出する芳香器(図示しない)を有する。芳香器は、制御基板50又はクラウド・サーバ70に接続されている。洗面システム1及びそれを用いた広告提供システム2は、洗面台利用者が所定の距離よりも洗面台10に接近した際には、制御基板50又はクラウド・サーバ70から指示されて、芳香器から芳香が放出されるように構成されている。これにより、洗面台利用者は、公共トイレPTをより快適に利用することができる。
【0068】
デジタル・サイネージ40は、さらに、距離センサ46からの距離の情報に応じて音楽を再生する音響部(図示しない)を有する。音響部は、制御基板50又はクラウド・サーバ70に接続されている。洗面システム1及びそれを用いた広告提供システム2は、洗面台利用者が所定の距離よりも洗面台10に接近した際には、制御基板50又はクラウド・サーバ70から指示されて、音響部から音楽が再生されるように構成されている。これにより、洗面台利用者は、公共トイレPTをより快適に利用することができる。
【0069】
クラウド・サーバ70の集計部74は、距離センサ46からの距離の情報に基づいて、洗面台10の利用者数を算出するように構成されていてもよい。例えば、集計部74は、距離の情報から、利用者が50cm未満に10秒間を超えて滞在していると判断する場合には、利用者数を+1と算出して記録するように、構成されていてもよい。
【0070】
管理者端末80又はクラウド・サーバ70は、所定の条件に適合する複数の洗面台10について、一括して操作できるように構成されていてもよい。例えば、管理者端末80又はクラウド・サーバ70は、渇水地域に設置されている複数の公共トイレPTが備える洗面台10について、一括して吐水量を50%削減できる節水モードが実装されており、管理者が管理者端末80の画面上で節水モードをONにすることで、渇水地域に設置されている複数の公共トイレPTが備える洗面台10について、一括して吐水量を50%削減できる。
【0071】
自動水栓20は、手指を感知する情報がハンドセンサから受信しない状態となると、所定の時間経過後に、吐水を停止するように構成されているが、吐水を停止するまでの所定の時間が、管理者端末80又はクラウド・サーバ70によって、操作されるように構成されていてもよい。これにより、吐水停止までの時間を減少することで、洗面台10において、手指の洗浄に供することなく消費されていた水道水量が削減されることとなる。