(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貯蔵タンク(20)の圧力に実質的に一致する狭い圧力範囲内で作動するために、少なくとも1つの発電−水力式機械(PT3)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
前記発電−水力式機械(PT1、PT2、PT3)が、低圧の液体源と前記少なくとも1つの変換チャンバ(CH1、CH2、CH3)との間で相互に平行して水力作動式に設置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
前記貯蔵タンク(20)が、水中にあり、そして水中環境から水を受け取るために下部が開放しており、更にその貯蔵タンク(20)が、そのタンクの浸水の深さによって規定される圧力で空気ポケットを囲むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
前記発電−水力式機械(PT1、PT2、PT3)におけるエネルギーの流れを継続的に維持するために、少なくとも2つの変換チャンバ(CH1、CH2、CH3)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
− 液体が汲み上げられ、変換チャンバ(CH1、CH2、CH3)内で液体ピストンを形成し、特定の量の空気が、この空気が圧縮空気貯蔵タンク(20)の圧力に達するまで前記変換チャンバ内に貯留され、その後、圧縮空気が前記変換チャンバから前記貯蔵タンク(20)に移動する、および/または
− 圧縮空気が、特定の量の液体を中に含む変換チャンバ(CH1、CH2、CH3)に進入することで、前記液体がタービンを通るように押し出されることによって、液体がタービンを回転させる、
電気エネルギーを圧縮空気エネルギーに変換しその逆を行うための方法であって、
前記液体の汲み上げ動作またはタービンの回転動作が、異なる圧力範囲内で行われるように設けられた少なくとも2段階の汲み上げ動作またはタービンの回転動作でそれぞれ連続して行われることを特徴とする、前記方法。
前記タービンの回転動作中において、かつ特定の量の圧縮空気をまだ水を中に含んでいる前記変換チャンバ内に進入させた後において、前記貯蔵タンク(20)から発生する圧縮空気のための入口が閉鎖され、そして前記変換チャンバ内に存在する前記圧縮空気が膨張され、更に、残っている液体がタービンを回転させるために押し戻されることを特徴とする、請求項15に記載の変換方法。
− 前記液体が、電気送電網から生じる電気エネルギーによって作動する少なくとも1つの電気モータによって駆動される発電−水力式機械(PT1、PT2、PT3)によって汲み上げられること、
− 前記液体が、前記電気送電網に戻される電気エネルギーを生成するために、発電機を駆動する発電−水力式機械(PT1、PT2、PT3)によってタービンを回転させることを特徴とする、請求項15に記載の変換方法。
− 前記汲み上げ動作中において、かつ前記圧縮空気が前記貯蔵タンク(20)内に移動した後に、前記変換チャンバ(CH1、CH2、CH3)内に含まれる前記液体が排出されること、
− 前記タービンの回転動作中であり、かつ前記変換チャンバ(CH1、CH2、CH3)内に含まれる前記空気が膨張された後に、前記変換チャンバが再び液体で満たされること
を特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の変換方法。
前記少なくとも1つの変換チャンバ内の前記空気の圧縮および/または前記空気の膨張が準等温であることを特徴とする、請求項15から18のいずれか一項に記載の変換方法。
【背景技術】
【0004】
電気の生成は、この時代の極めて重要な問題である。再生可能エネルギー源に基づいた生成技術は、一方でエネルギーを供給するためのエネルギー供給源を多様化するために、かつ一方では環境に優しいやり方で電気エネルギーを生成するために開発されてきた。しかしながら電気に対する消費者の要望は、再生可能エネルギー源、例えば太陽光や風力などから電気を生成することと必ずしも一致しない。電気エネルギーを配電網を経由して消費者が直接消費することができない場合、これを貯蔵する問題がこのとき生じる。現在では電気は、エネルギーの別の形態に変換された場合のみ貯蔵することができ、その後それは、配電網が電力を要求する際、配電網にそれを供給するために、放出された場合に電気に戻すように変換する必要がある。このような必須であるエネルギーの形態の変換は、エネルギーが損失しがちであり、これは最小限にするべきである。
【0005】
様々なエネルギー変換および貯蔵装置が知られており、そこでは電気エネルギーは変換され、その後圧縮空気の形態で貯蔵される。一般的に太陽光パネルまたは風力タービンから発生する電気が、一部が水中環境の水面に配置され、一部が前記水中環境の中に沈められた装置まで搬送される。電気エネルギーの変換は、この電気を、空気を圧縮するためのエネルギー源として利用して行われ、この圧縮空気は、タンクの沈められた深さに広がる静水圧のおかげでほぼ一定の圧力下に維持されるタンク内に送られる。圧縮に関して、電気モータによって直接駆動される圧縮器を利用するのではなく、充填する液体を下から汲み上げるためのシステムを利用して、圧縮すべき空気が上部に閉じ込められた変換チャンバが好ましくは使用される。圧縮のこのような様式は、準等温の利点を有する。液体は、水中環境などの外部環境から発生するか、またはタンクから発生する。閉じ込められた空気は、変換チャンバ内に液体を汲み上げ、この液体が圧縮のための液体ピストンを形成することによって所定の圧力まで圧縮される。圧縮された空気は、その後圧縮空気を貯蔵するためのタンクへと移動される。その後液体が、変換チャンバ内の低圧の空気と置き換わり、新たな変換サイクルを開始することができる。
【0006】
送電網が電気エネルギーを要求する際、圧縮空気の形態で貯蔵されたエネルギーが電気に戻るように変換される。貯蔵タンクの圧縮空気は、最初に液体によって満たされた変換チャンバへと移動される。圧縮空気は、変換チャンバ内で膨張し、送電網に電力を供給する発電機に結合された発電−水力式機械、例えばタービンの中を通るように液体を押し出す。
【0007】
しかしながらこのような装置は、効率の点で欠陥がある。ポンプと、タービンは、汲み上げ動作の開始時と、タービン作業の終了時に極めて小さい圧力差の下で作業するため、その動力が大きくなるためには極めて高いスループットを保証する必要がある。逆に、汲み上げ動作の終了時と、タービン作業の開始時には、ポンプまたはタービンの高圧と低圧の差異が大きいため、所与の電力のためのスループットはさらに低くなる。発電−水力式機械(ポンプまたはタービンまたは可逆式のポンプ−タービン)は、これらの極めて変動する作動条件の全てを最適化することはできない。
【0008】
この問題は、電気エネルギーを送電網から取り出す、または送電網に戻す作業を容易にするために、電気的な観点からできる限り変動しない一定の動力で電気エネルギーを別の形態に変換する、またはその逆を行うことに対する要望によって複雑になっている。
【0009】
Dr.Sylvain LEMOFOUETおよびAlfred RUFER教授による論文「Le stockage hydropneumatique d’energie HyPES」[Hydro−pneumatic energy storage、HyPES]、Bulletin 9/2011 Electrosuisse ページ38から42は、異なるシリンダ能力を備えた複数段を含む流体圧式システムを有する機械−空気圧変換装置を記載している。「各々の段は基本的に、可変のスループットを有する水力式モータポンプと、水力式の二方向モジュールと、一体化された熱交換器を備えた圧縮/膨張チャンバとで構成される。この装置は、多くの要素を備えており、その価格およびメンテナンスは相対的に高く、それは設置するのが複雑である。
【0010】
本発明の目的は、電気エネルギーを空気圧エネルギーに変換する、およびその逆も同様に行うための新規の装置によって上記に記載した問題を完璧に、またはその一部、少なくとも1つを克服することである。
【0011】
本発明の目的は、優れたコストと効率の比を有する装置を製造することである。
【0012】
本発明の別の目的は、エネルギー損失を制限することである。
【0013】
本発明の別の目的は、変換の態様による電力の変動が小さくなるように電気エネルギーを提供する装置を提案することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、部品および/または構成要素の数が減少した機械を提案することである。
【発明の概要】
【0015】
これらの目的は、電気エネルギーを空気圧エネルギーに変換し、これを圧縮空気の形態で貯蔵するためのエネルギー変換装置によって達成される。
【0016】
本発明によると、
送電網までの電力接続手段を有する発電−電気機械と、
発電−電気機械に機械的に結合された発電−水力式機械と、
一方でポンプとして作動する発電−水力式機械によって汲み上げられた液体を中に含む、または膨張器として作動する発電−水力式機械に電力を供給することが意図された液体を収容することが可能であり、かつ他方で空気を中に含むことで、チャンバ内に存在する液体が、空気を圧縮または膨張させるための液体ピストンを形成することが可能な少なくとも1つの変換チャンバと、
圧縮空気を貯蔵圧力で貯蔵するためのタンクと、
変換チャンバと貯蔵タンクとの間で二方向に圧縮空気を伝達するための密閉可能な手段とを備える、電気エネルギーを圧縮空気エネルギーに変換するまたはその逆を行い、かつ圧縮空気の形態でこれを貯蔵するための装置は、
各々の発電−水力式機械が、各々の変換チャンバの内部で段階式に、複数の前記発電−水力式機械と連続して協働して所望される貯蔵圧力まで汲み上げ動作を行う、または所望される貯蔵圧力からの水力式の膨張を行うために、その高圧の開口においてそれぞれの圧力範囲内で作動するために設けられ、該圧力範囲は、低圧と貯蔵圧力との間の差より狭くなり、かつ異なる圧力範囲内で作動するために設けられた少なくとも2つの発電−水力式機械に各々の変換チャンバを連続して接続するために分配手段が設けられることを特徴とする。
【0017】
圧力の観点から見て異なるように較正された少なくとも2つの発電−電気機械による段階式に連続した汲み上げ動作または水力式の膨張に関して、各々の発電−水力式機械をそれが作動する範囲内の圧力範囲に対して最適化することが可能である。
【0018】
一実施形態において、貯蔵タンクの圧力にほぼ一致する狭い圧力範囲内で作動するために、少なくとも1つの発電−水力式機械が設けられる。汲み上げ動作の一部と、水力式の膨張の一部が、タンクと変換チャンバとの間で移動する際ほぼ安定した圧力で行われると仮定すると、発電−水力式機械の少なくとも1つがこの圧力に対して較正されることが有利である。
【0019】
有利には、発電−水力式機械は、低圧の液体源と、少なくとも1つの変換チャンバとの間に互いに平行して水力作動式に設置される。
【0020】
貯蔵タンクは好ましくは水中にあり、水中環境から水を受け取るために下部が開放しており、タンクの浸水の深さによって規定される圧力で空気ポケットを囲んでいる。タンクは、安定した圧力を受ける極めて大きな容積を有することが可能であり、これは可動部や変形し易い壁を持たないため、簡素で信頼できるやり方で製造される。タンク内の水のレベルが、変形可能な壁として機能し、貯蔵される圧縮空気の量に応じて調節する。
【0021】
一般的には電気エネルギーの圧縮空気エネルギーへの変換およびその逆も同様に行うために、汲み上げ動作とタービンの回転動作の複数のサイクルがそれぞれ設けられ、各々のサイクルが連続する圧力範囲を通り抜ける。これにより、はるかに小さい変換チャンバ、例えば貯蔵タンクより100倍小さい変換チャンバを利用することが可能になる。
【0022】
一実施形態において、装置は、発電−水力式機械におけるエネルギーの流れを継続的に維持するために少なくとも2つの変換チャンバを備える。一方の変換チャンバがリセット段階(新たな圧縮サイクルを予測して水を排出する、または新たな膨張サイクルを予測して水で満たす)にあるとき、他方はエネルギーの観点において継続して作動状態であることができる。
【0023】
有利には、変換チャンバ内での液体のレベルを変えるサイクルは、その段階が変換チャンバの間でずらされており、各々の発電−水力式機械が、この発電−水力式機械に相当する圧力範囲内で時間オフセットを有する複数の変換チャンバに連続して接続されている。これは、発電−水力式機械が、異なる変換チャンバに連続して協働して見かけ上永久的または永久的なやり方で作動するように行うことができる。
【0024】
一実施形態によると、少なくとも1つの変換チャンバが1つの発電−水力式機械から別の発電−水力式機械に進むとき、中断が設けられる。
【0025】
少なくとも1つの変換チャンバ内で汲み上げ動作またはタービンの回転動作を行うために、その最初の状態に液体のレベルを再調節するために水力式の再調整手段、とりわけ低圧ポンプを設けることができる。
【0026】
好ましくは装置は、発電−水力式機械より多い変換チャンバを備える。常に、いずれの発電−水力式機械にも結合されない変換チャンバはリセット段階にあってよいか、あるいは圧縮または膨張の2つの段階の間の中断段階にある場合もある。
【0027】
好ましい一実施形態において、発電−水力式機械は、ポンプとして、または逆にタービンとして作動することが可能なポンプ−タービン式である。それらはカプランまたはデリア式のポンプ−タービンであることがさらにより好ましい。
【0028】
好ましくは発電−電気機械は可逆モータ発電機であり、タンク内に圧縮空気エネルギーを貯蔵するためにモータとして作動し、圧縮空気エネルギーの貯蔵から放出する際、電気を生成するための発電機として作動する。
【0029】
有利には、圧縮の最後の段階と、膨張の最初の段階を除いて、二方向伝達手段は閉鎖される。
【0030】
本発明の第2の態様によると、電気エネルギーを空気圧エネルギーに変換し、その逆も同様に行うための方法であって、
液体が汲み上げられ、変換チャンバ内で液体ピストンを形成し、特定の量の空気が、この空気が圧縮空気貯蔵タンクの圧力に達するまで前記変換チャンバ内に貯留され、その後圧縮空気が、変換チャンバから貯蔵タンクに移動されること、および/または
圧縮空気が、特定の量の液体を中に含む変換チャンバに進入することで、液体がタービンを通るように押し出されることによって、液体がタービンを回転させる該方法は、
液体の汲み上げ動作またはタービンの回転動作が、異なる圧力範囲内で行われるように設けられた少なくとも2つの段階の汲み上げ動作またはそれぞれのタービン回転動作でそれぞれ連続して行われることを特徴とする。
【0031】
方法の好ましい一変形形態では、タービンの回転動作中で、かつ特定の量の圧縮空気を、まだ水を中に含んでいる変換チャンバに進入させた後、貯蔵タンクから発生する圧縮空気のための入口が閉鎖され、変換チャンバ内に存在する圧縮空気が膨張され、残っている液体はタービンを回転させるために押し戻される。これにより、各サイクルにおいて変換チャンバ内に通される各々の基本の量の圧縮空気を、所望されるように完璧にかつ本発明による段階的な膨張のおかげで優れたエネルギー効率で膨張させることが可能である。
好ましくは
液体は、送電網から生じる電気エネルギーによって作動する少なくとも1つの電気モータによって駆動される発電−水力式機械によって汲み上げられ、
液体は、送電網に戻される電気エネルギーを生成するために、発電機を駆動する発電−水力式機械によってタービンを回転させる。
【0032】
方法の一変形形態では、
汲み上げ動作中で、かつ圧縮空気が貯蔵タンク内に移動された後、変換チャンバ内に含まれる液体が排水され、
タービンの回転動作中で、かつ変換チャンバ内に含まれる空気が膨張された後、前記チャンバが再び液体で満たされる。
【0033】
好ましくは、少なくとも1つの変換チャンバ内での空気の圧縮および/または空気の膨張が準等温になるような構成が形成される。例えば熱導体が変換チャンバ内に垂直方向に配置され、それらが圧縮によって空気内に生成された熱量を水に移動させ、かつそれらは膨張の際に水から得た熱量を空気に移動させる。このような熱導体は、両端が開放した垂直方向の管の束であってよく、変換チャンバのほぼ高さ全体にわたって延在する。
【0034】
任意選択で装置は、装置が送電網とやりとりする電力を調整するために超コンデンサを備える場合がある。
【0035】
それは、駆動シャフト上に蓄えられた運動エネルギーを介して1つのサイクル内でエネルギーを貯蔵するために設けられる場合もある。回転機械(例えば貯蔵段階におけるモータおよびポンプ)の今ある回転において利用可能な運動エネルギーの一部を利用することが想定される。サイクル内での運動エネルギーのこのような貯蔵量を高めるために、追加のはずみクルマの集合を機械的な伝動シャフトに加えることも可能である。
【0036】
さらに、同量の液体を利用する他のサイクルを行うために1つのサイクルからの液体を再利用することも可能である。この特徴によって、装置によって貯留され吐出される水の体積を制限することで、より経済的なやり方でエネルギー変換を行うことが可能になる。
【0037】
本発明の他の利点および特徴は、決して限定的ではない実施形態の詳細な記載と、添付の図面を検討することで明らかになるであろう。
図1は、電気エネルギーを圧縮空気エネルギーに変換するための装置の略図化した図である。
図2は、本発明の好ましい実施形態によるエネルギー変換装置の異なる要素の接続図である。
図3は、電気エネルギーの圧縮空気エネルギーへの変換の場合のこの装置の作動の概略図である。
図4は、圧縮空気エネルギーの電気エネルギーへの変換の場合のこの装置の作動の概略図である。
図5は、好ましい一実施形態による、変換チャンバの発電−水力式機械への接続と、再調整手段への接続の時間的構成を示す表である。
図6は、第2の好ましい実施形態による、変換チャンバの発電−水力式機械への接続と、再調整手段への接続の時間的構成を示す表である。
図7は、
図6の表に相当する水力式動力に関するタイミング図である。
【0038】
これらの実施形態は決して制限的ではないため、本発明の変形形態は、この特徴の選択が、本発明に技術的利点を授ける、または最新技術に対して本発明を差別化するのに十分であるならば、記載される他の特徴とは切り離して(この特徴の選択が、他の特徴を包含する特定のフレーズの中で切り離されたとしても)、この後に記載される特徴の1つの選択のみを有するものと見なすことができる。この選択は、この一部のみが、本発明に技術的利点を授ける、または最新技術に対して本発明を差別化するのに十分であるならば、構造的詳細なしでおよび/または構造的詳細の一部のみを有して、少なくとも1つの、好ましくは機能的な特徴を含む。
【0039】
まず第1に、
図1および
図2を参照すると、電気エネルギーを圧縮空気エネルギーに変換する、およびその逆も同様に行うための装置が記載されている。好ましい実施形態の1つは、海中で電気エネルギーを変換し貯蔵するための装置である。それは、電気の余剰分を変換し圧縮空気エネルギーの形態でそれを貯蔵し、その後送電網がそれを要求する際、それを送電網に戻すために圧縮空気エネルギーを電気エネルギーに戻すように変換するために電気の余剰分を吸収する目的を有する。これら2つの作用段階において、エネルギーは、圧縮空気の形態で、水面下の、一般的には海面下の少なくとも1つの貯蔵タンク20内に貯蔵圧力で貯蔵される。
【0040】
好ましい実施形態によると、および
図1を参照すると、海面下の貯蔵タンク20は、水中環境と連通するために下部が開放しており、タンクの水のレベルより上のその上部では、タンクの浸水の深さによって規定される所望の圧力で圧縮空気のポケットを囲んでいる。好ましくはタンクは、しっかりと併せて固定された複数の隣接する隔室によって構成される。一般的にはタンクは、水の広がる底部、一般的には海底に配置される。一般的な浸水深さは、70から200mであり、好ましくは100mほどである。
【0041】
図1を参照すると、エネルギー変換装置は、浮動式のプラットフォーム10の上に配置される。浮動式プラットフォームは、電気エネルギーの空気圧(または圧縮空気とも呼ばれる)エネルギーへの変換およびその逆を可能にするために、電気機械式、水力機械式および水力空気圧式変換システムならびに対応する電気および電子システムをひとまとめにしている。装備のこれらのアイテムの主たる部品の概要が
図2に示されている。プラットフォームは、高圧の海底電力ケーブル18によって配電網に接続される。タンク20より上の海面でのプラットフォームの位置は、一セットの永久的な定着ライン19を利用して維持される。
【0042】
エネルギー変換装置は、送電系施設から生じる変換すべき電気エネルギーを取り出し、それを機械エネルギーに変換するモータとして作動する、および/またはこの機械エネルギーを、送電網に戻すべき貯蔵される電気エネルギーに変換するために、タンク20内に貯蔵された圧縮空気エネルギーから生成される機械エネルギーを利用して発電機として作動する発電−電気機械MG1、MG2、MG3を備える。好ましい一実施形態によると、発電−電気機械MG1、MG2、MG3は、可逆モータ−発電機である。
【0043】
図2の図は、純粋に水力作動式の部分に相当する点線によって囲まれた部分と、純粋に圧縮空気作動式の部分に相当するダッシュ記号の線によって囲まれた部分の2つの部分に分かれている。
【0044】
図2を参照すると、装置は、それぞれ水を汲み上げるまたは水でタービンを回転させるための発電−水力式機械PT1、PT2およびPT3を備える。非制限的ではあるが好ましい例では、発電−水力式機械PT1、PT2およびPT3は、ポンプとして、とりわけターボポンプとして作動する、または膨張器として、とりわけタービンとして作動することが可能な可逆式機械である。しかしながら本発明は、汲み上げ動作および膨張のそれぞれに固有の機械を利用して適用することもできる。
【0045】
参照番号21によって示されるように、各々の発電−水力式機械PT1、PT2およびPT3のシャフトは、発電−電気機械MG1、MG2、MG3のそれぞれの1つのシャフトに結合される。汲み上げモードで作動中の発電−水力式機械は、取り囲む水中環境の水などの供給源から引き込んだ液体を汲み上げることによって、モータとして作動する発電−電気機械からの機械エネルギーを水力エネルギーに変換し、汲み上げ動作によって増大した圧力でこの液体を排出開口16へと押し出すことを可能にする。水力式膨張器として作動中の、詳細にはタービンの回転動作中の発電−水力式機械は、特定の圧力下で高圧開口16に到達し、タンクに戻るために、詳細には取り囲む水中環境に戻るためにその低圧開口14を通って発電−水力式機械を出て行く液体でタービンを回転させることによって、水力エネルギーを、発電機として作動する発電−水力式機械のシャフトのところに提供される機械エネルギーに変換することを可能にする。
【0046】
好ましくは発電−水力式機械は、カプランまたはデリア式のポンプ−タービンであってよい。このようなポンプとタービンは、そのスループットを一定の速度で変更することを可能にし、このことは、空気の圧縮中の圧力の変動にも関わらず、動力の安定化に役立ち、これにより電気機械によって被る電力の変動を制限することを可能にする。
【0047】
装置は、変換チャンバCH1、CH2、CH3、CH4、CH5、CH6を備えており、各々が、分配ゲート弁17のシステムを介して発電−水力式機械PT1、PT2、PT3の高圧開口16に接続することが可能な下部開口と、タンク20との二方向伝達のためにゲート弁11を介して配管13に接続することが可能な上部開口と、ゲート弁12および充填/排水配管22を介して開放空気に接続することが可能な上部開口とを有する。一般に各々の変換チャンバは、上部に空気を含み、作業液体、一般的には水中環境からの水を下部に含んでいる。チャンバの下部にある水が、空気を圧縮または膨張させるための液体ピストンを形成する。変換チャンバは、水力エネルギーを空気圧エネルギーに変換し、その逆も同様に行うことを可能にする。空気の圧縮と膨張は、変換チャンバの内部で行われる。好ましくは、少なくとも1つの変換チャンバが水で満たされている、またはその水を排水している段階にあるとき、エネルギーの流れを一様に継続して維持するために十分な数の変換チャンバが設けられる。詳細には、装置は、ポンプとして作動することが可能である発電−水力式機械PT1、PT2、PT3より多くの変換チャンバを備え、水力式膨張器として作動することが可能な発電−水力式機械PT1、PT2、PT3より多くの変換チャンバを備える。この特徴は、少なくとも1つの変換チャンバの充填中または排水中でも、そのケースに応じてポンプとして、またはタービンとして作動する発電−水力式機械の全ての活動を一様に維持することを可能にする。この例では、発電−水力式機械より2倍多い変換チャンバが存在しており、これにより、より具体的には3つの可逆式発電−水力式機械PT1、PT2、PT3に対して6つの変換チャンバCH1〜CH6が存在する。
【0048】
装置はまた、変換チャンバ内で汲み上げ動作またはタービンの回転動作を行うために、液体のレベルをその最初の状態に再調整するために水力式の再調整手段P1、P2、P3を備える。それらは、発電−水力式機械PT1、PT2、PT3と同じ供給源から、この例では取り囲む水中環境から液体を取りこみ、この液体を前記供給源に戻す。好ましくは再調整手段は、水頭損失、および供給源のレベルに対する変換チャンバ内の水のレベルから生じる何らかの静水圧の差を相殺するのに足るだけの小さい圧力差で作動するポンプ(P1、P2およびP3)である。好ましくは再調整手段は、変換チャンバを圧縮サイクルの前に空気で満たす必要がある場合、それを排水させることが可能である、またはこの排水作業を促進させることが可能な二方向ポンプである。分配手段17は、各々の変換チャンバCH1〜CH6の再調整ポンプP1、P2またはP3への選択的な接続も保証するように設計される。
【0049】
本発明によると、汲み上げおよび水力式膨張のための発電−水力式手段は、機械PT1、PT2、PT3を備え、これらは、その高圧開口16において作動中に測定されるそれぞれの圧力範囲によって互いと異なっており、かつそれらはその最大流量によっても異なっている。
【0050】
少なくとも2つの発電−水力式機械が存在しており、一方は、汲み上げ動作の開始時の比較的低い圧力と、高い流量のためであり、他方は、汲み上げ動作のより進んだ段階またはタービンの回転動作の初期段階におけるより高い圧力と、より低い流量のためである。
【0051】
示される例では、3つの異なる機械が存在しており、すなわち
汲み上げ動作中の圧力の上昇の開始時、およびタービンの回転動作中の圧力降下の終了時のためであり、比較的低い圧力範囲でかつ高い流量範囲で作動する機械PT1と、
汲み上げ動作中の圧力の上昇の終了時と、タービンの回転動作中の圧力降下の開始時のためであり、高い圧力範囲でかつ中程度の流量範囲で作動する機械PT2と、
貯蔵サイクルの終了時に圧縮空気をタンク20内に押し出し、放出サイクルの開始時に圧縮空
気が変換チャンバに入ることを可能にするためであり、タンク20の圧力に近い狭い圧力範囲内およびこれに対応する狭い流量範囲内で作動する機械PT3である。
【0052】
それはまた、変換チャンバCH1〜CH6のそれぞれのサイクルの段階をずらすことで、変換チャンバの一方または他方が、そのとき対応する圧力範囲内である状態で、発電−水力式機械および関連する発電−電気機械が進行中の変換作業を継続するために設けられる。
【0053】
装置の作動が次に説明されるが、それと同時に装置および方法の記載は完了する。
【0054】
貯蔵段階
図3を参照すると、変換チャンバCH1における電気エネルギーを圧縮空気エネルギーに変換する際の装置の作動が記載される。
図3は、変換チャンバに関する貯蔵段階の特徴的な段階を示す3つの窓3a、3b、3cそれぞれを含んでいる。窓3aおよび3bは、生成段階に相当し、窓3cは、非生成段階に相当し、これは再設定段階と呼ばれる場合もある。
【0055】
開始時(窓3a)、変換チャンバCH1は、大気圧で空気で満たされており、水は最小レベルである。二方向伝達ゲート弁11と、ベントゲート弁12が閉じられることで、空気で占められた変換チャンバの上部が気密式に密閉される。貯蔵すべき電気エネルギーが、発電−水力式機械PT1に結合された発電−電気機械MG1に動力を供給し、この発電−水力式機械が比較的低い圧力下で水を変換チャンバCH1内に汲み上げる。
【0056】
発電−水力式機械PT1が設けられる最大圧力にほぼ対応する、変換チャンバCH1を水で満たす特定の中間段階において、分配手段17が変換チャンバCH1と発電−水力式機械PT1の結合を遮断し、変換チャンバの、発電−電気機械MG2に結合された発電−水力式機械PT2の高圧開口16への接続を確立する。貯蔵すべき電気エネルギーが、発電−水力式機械PT2に結合された発電−電気機械MG2に動力を供給し、この発電−水力式機械PT2が、増大した圧力下で変換チャンバCH1内に水を汲み上げる。
【0057】
発電−水力式機械PT2が設けられる最大圧力にほぼ対応する、変換チャンバCH1を水で満たす別の中間段階にその後到達したとき、分配手段17が変換チャンバCH1と発電−水力式機械PT2の結合を遮断し、変換チャンバの、発電−電気機械MG3に結合された発電−水力式機械PT3の高圧開口16への接続を確立する。同時に、ゲート弁11が開放する(
図3の窓3b)。貯蔵すべき電気エネルギーが、発電−水力式機械PT3に結合された発電−電気機械MG3に動力を供給し、この発電−水力式機械が、変換チャンバCH1内に存在する圧縮空気のほぼ全てがタンク20の中に押し出されるまで、貯蔵タンク20の圧力下で変換チャンバCH1内に水を汲み上げる。
【0058】
発電−水力式手段のおかげで、液体、一般的には水中環境からの水が汲み出され、特定の量の空気が貯留された変換チャンバ内に液体ピストンを形成する。
図3aおよび
図3bを参照すると、水/空気の境界面は、変換チャンバの底部から頂部へと移動し、変換チャンバ内に貯留された空気が貯蔵タンク内に広がる圧力に達するまで、この空気を圧縮するピストンを形成する。
【0059】
液体ピストンは、従来の剛体のピストン圧縮器と比べて摩擦によるエネルギーの損失を制限するという利点を有する。加えて、液体ピストンの利用によって、熱の損失を制限する、すなわち圧縮による加熱を制限することを可能にし、このことが理由でこれは準等温である。準等温であるこの特徴を強化するために、変換チャンバは好ましくは、変換チャンバ内で空気と液体を熱的に結合する熱導体を中に含む。これらの熱導体は、例えば垂直方向の金属管の束であり、両端が開放し、各々のチャンバのほぼ全体の高さにわたって延在する。このような熱導体は、圧縮サイクルにおいて空気の圧縮の熱を水中に吐き出すことで、圧縮に必要される作業量を軽減させ、膨張サイクルにおいて水から発生する熱によって空気を再加熱することで、空気の膨張によって行われる作業量を増やす。
【0060】
例えば、深さ100メートルのところに配置され、それ故およそ1.1MPaの絶対静水圧を受ける貯蔵タンクの中に空気を貯蔵する場合、発電−水力式機械PT1は、低い圧力範囲(大気圧0.3または0.4MPa)の範囲内で作動し、発電−水力式機械PT2は、中間の圧力範囲(0.3から0.4MPa、1.1MPaまで)の範囲内で作動し、発電−水力式機械PT3は、1.1MPa前後の狭い範囲内で作動する。
【0061】
そして
図3の窓3cを参照すると、非生産時間によって、このチャンバ内で再び貯蔵サイクルを開始することができるように変換チャンバCH1内に含まれる水を排水することを可能にする。二方向伝達ゲート弁11がこのとき閉鎖され、ベントゲート弁12が開放される。その水のほとんど全てが空になるまで変換チャンバから排水させるために、水力式の再調整手段が作動される。
【0062】
このようにして、変換装置は数回の汲み上げサイクルを実行し、各々のサイクルは、連続する圧力範囲を通過する。1つのサイクルの継続時間は、30秒から5分の間に行われる。
【0063】
放出段階
図4を参照すると、空気圧エネルギーを電気エネルギーに変換する際の装置の作動が記載される。
図4は、変換チャンバCH1に関する放出段階の特徴的な段階を示す3つの窓4a、4b、4cそれぞれを含む。窓4aおよび4bは生成段階に相当し、窓4cは、非生成段階または再設定段階に相当する。
【0064】
開始時(窓4a)において、変換チャンバは、水で満たされている。ベント手段12が閉鎖される。放出するために、二方向伝達ゲート弁11が開放されることで、貯蔵タンク20内にある圧縮空気の一部分が変換チャンバCH1へと移動され、変換チャンバ内に含まれる水の一部が、発電機として作動する発電−電気機械MG3を駆動するタービンとして作動する高圧発電−水力式機械PT3を通過するように押し出される。
変換チャンバCH1内にある空気の量が、この空気が大気圧まで膨張した場合、変換チャンバの全容積を占めることが可能であるように、二方向伝達ゲート弁11が閉鎖される(
図4の窓4b)。同時に、分配手段17が、変換チャンバCH1と発電−水力式機械PT3の結合を遮断し、変換チャンバと発電−水力式機械PT2の結合を確立する。空気は準等温式に膨張し、継続して水を押し出すが、このときもっぱら中間圧力用の発電−水力式機械PT2を通過し、その後分配手段17によって作動される新たな切り替えの後、もっぱら比較的低い圧力用の発電−水力式機械PT1を通る。
【0065】
それは、特定の物理的な変動要素(例えば機械の回転速度、ブレードの角度、分配器の位置など)の動的の変化を可能にするために発電−水力式機械に対して作用するために設けられる。これにより、関連する発電−電気機械が一定の動力で作動するために、発電−水力式機械の流量を調整することが可能になる。このような調整は、装置の出力の安定性を改善し、故に装置と配電網との間でやりとりする電力の変動を制限するという利点を有する。
【0066】
その後
図4の窓4cを参照すると、非生産的または再調整時間によって、再度放出サイクルを開始するために、変換チャンバを水で満たすことを可能にする。二方向伝達ゲート弁11がこのとき閉鎖され、ベント用のゲート弁12が開放されて、水を追加することを可能にする。変換チャンバを水で満たすために、水力式再調整手段P1が分配手段17を介して変換チャンバCH1に接続される。
【0067】
このようにして、変換装置は、数回のタービンの回転サイクルを行い、各々のサイクルは、連続する圧力範囲を通過する。1つのサイクルの継続時間は、30秒から5分の間に行われる。
【0068】
発電−水力式機械と変換チャンバの接続の時間的構成
図5から
図7を参照すると、各々の変換チャンバの汲み上げサイクルまたはタービン回転動作サイクルは、時間的にずらされることで、各々の所与の瞬間において、各々の発電−水力式機械は、対応する汲み上げ段階またはタービン回転動作段階にある変換チャンバに接続される。換言すると3つの圧力範囲を有する例では常に、1つが比較的低い圧力範囲内にあり、別のものが中間の圧力範囲内にあり、3番目のものが上位の圧力範囲内にある3つの変換チャンバが存在しており、この最後のものが貯蔵タンク20と連通している。
【0069】
図5の表は、3つのポンプおよび/またはタービンと、6つの変換チャンバの例での1つのサイクルにわたる発電−水力式機械と変換チャンバの時間的構成の一例を示している。各々の変換チャンバ(CH1、CH2、CH3、CH4、CH5、CH6)は、再調整手段P1、P2またはP3のうちの1つに結合される前に、3つの発電−水力式機械PT1、PT2、PT3に連続して結合される(汲み上げの例では)。完全なサイクル(1つのチャンバに関して圧縮または膨張の継続時間の倍)がそこに示されており、その各々の列は、このサイクルの1/6の継続時間を表している。この構成では、各々のポンプおよび/またはタービンは、このチャンバに対してその作業を同時に行う。1つのチャンバから別のチャンバへのその切り替えもまた、同時に行われる。この構成は、変換装置と、送電網との間でやりとりする電力の変動を制限するのに貢献している。さらにこれにより熱形態のエネルギー損失を制限することが可能になる。
【0070】
別の実施形態によって、ならびに
図6および
図7を参照すると、チャンバ内で1つのポンプ−タービンから別のものへと進む時間の間に段階のずれを取り入れることが提案されることで、停電に相当する水力式の切り替えはもはや同時に起こらない。
図6の表は、各々のポンプおよび/またはタービン間の1つのサイクルの継続時間の段階の1/18のずれの一例を示している。ポンプおよび/またはタービンのほぼ継続する作動が保持されるが、各々のチャンバに対して、および各々の変換チャンバ内での1つのポンプおよび/またはタービンから別のものへの通過に対してここでは中断が設けられている。同じ数の変換チャンバが保持されるため、チャンバをその最初の状態に戻す(P1、P2またはP3によって)のに利用できる時間は、作り出された中断の継続時間によって短縮される。
【0071】
このようにして、動力の変動がさらに制限される。
図7を参照すると、3つのポンプ(その最後のものは、一定の圧力と動力のみで作動する)を有する装置に関して予想される圧縮水力式の動力に関するタイミング図の一例が示される。ポンプ1とポンプ2および3との間にサイクルの段階の1/12のずれが存在する。ポンプ1および2によって、貯蔵圧力に到達することが可能になり、ポンプ3によってタンクに圧縮空気を押し出すことが可能になる。ポンプの切り替え作業の段階をずらすことによって、結果として生じる全体の水力式動力の変動を制限することが可能になり、それ故全体の電力の変動も制限することが可能になる。
【0072】
当然のことながら、本発明は、直前に記載した例に限定されるものではなく、本発明の範囲を超えることなく、このような例に多くの修正を行うことができる。
【0073】
当然のことながら、異なる特徴、形態、変形形態および本発明の実施形態は、それらが互いに調和しなかったり、相互に矛盾しなければ、種々の組み合わせで一緒に組み合わせることができる。詳細には、これまでに記載した変形形態および実施形態の全ては一緒に組み合わせることができる。
【0074】
実施形態の例は、3つの発電−水力式機械PT1、PT2およびPT3を有するように示されてきたが、3つの別のポンプと、3つの別のタービンである場合、あるいは3つのポンプ−タービンである場合もある。装置は、3つ以外のいくつかのポンプおよび/またはタービンを備える場合もある。本発明の実施形態によると、それは、異なる数のポンプと膨張器が存在するように実現される。
【0075】
消費される(または放出するために提供される)電力を平滑化するために、1つまたは複数の追加のシステム、例えば電気コンデンサが追加される場合もある。
【0076】
同様に変換チャンバの数は、この例で指摘されるものと異なる場合もある。しかしながらポンプまたはタービンの数より少なくとも1つ以上多く有することが望ましい。チャンバの数は、ポンプおよび/またはタービンの数の倍数である必要はない。
【0077】
再調整手段に関して、変換チャンバの充填または排水作業を行うために1つまたは複数の他の技術を組み合わせてまたは組み合わせずに利用することも想定することができる。とりわけ水力式の排出装置の利用、自然な重力の利用または別のチャンバ内に存在する潜在的なエネルギーの回収を挙げることができる。
【0078】
二方向伝達手段は、貯蔵タンク20へと進む空気と、貯蔵タンク20から入ってくる空気のために別々の経路を有することができ、任意選択で各々1つが共通のゲート弁11の代わりにそのゲート弁を有する。