(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827063
(24)【登録日】2021年1月20日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】音響プラスターボードのための通音性ライニング
(51)【国際特許分類】
G10K 11/16 20060101AFI20210128BHJP
B32B 3/24 20060101ALI20210128BHJP
B32B 7/02 20190101ALI20210128BHJP
G10K 11/168 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
G10K11/16 130
B32B3/24 Z
B32B7/02
G10K11/168
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-22757(P2019-22757)
(22)【出願日】2019年2月12日
(62)【分割の表示】特願2016-565463(P2016-565463)の分割
【原出願日】2014年8月22日
(65)【公開番号】特開2019-117383(P2019-117383A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2019年3月14日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2014/001312
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516323747
【氏名又は名称】クナーフ ギプス カーゲー
【氏名又は名称原語表記】KNAUF GIPS KG
(73)【特許権者】
【識別番号】518148283
【氏名又は名称】スリーディー コーティングス ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ベルネト,クラウス−ペーター
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ,ゴットフリート
(72)【発明者】
【氏名】マルクアルト,アンドレアス
【審査官】
冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−542347(JP,A)
【文献】
米国特許第06675551(US,B1)
【文献】
特表2007−538175(JP,A)
【文献】
特開平09−279809(JP,A)
【文献】
特許第6514234(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/00−13/00
B32B 1/00−43/00
E04B 1/62−1/99
E04C 2/00−2/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響プラスターボード(2)に成形された複数の穿孔(21)を覆うための通音性ライニング(1)であって、
フリース材料の第1のプライ(12)であって、前記第1のプライ(12)を介して音が伝播できるように空気の透過を可能にする第1の気流抵抗Rs1を有するような内部構造を備える第1のプライ(12)と、
前記第1のプライ(12)上に配置され、音響プラスターボード(2)の前記通音性ライニング(1)が付与される側に形成される第2のプライ(14)であって、前記第2のプライ(14)は、第2の不透明度O2を有するとともに複数の貫通穴(141)が形成されている箔材料からなり、前記複数の貫通穴(141)は、前記第2のプライ(14)を介して音が伝播できるように空気の透過を可能にする第2の気流抵抗Rs2を前記第2のプライ(14)が有するようなサイズおよび形状である、第2のプライ(14)と
を含み、
前記第1のプライ(12)は、前記第2のプライ(14)に形成された前記貫通穴(141)が前記第1のプライ(12)を通して見えないように、かつ、前記通音性ライニング(1)が、音響プラスターボード(2)に付与された際に、該音響プラスターボード(2)に成形された複数の穿孔(21)を光学的に覆うことを可能にする総不透明度O12を有するような、第1の不透明度O1を有し、前記通音性ライニング(1)は、前記通音性ライニング(1)を介して音が伝播できるように空気の透過を可能にする総気流抵抗Rs12を有し、
前記第2のプライ(14)が、前記第1のプライ(12)に付設される側に、前記第1のプライ(12)を前記第2のプライ(14)上で光学的に反射するための光反射面(142)を備えており、
前記第2のプライ(14)がプラスチック箔であり、前記光反射面(142)が蒸着アルミニウム層を備えている、通音性ライニング(1)。
【請求項2】
前記総気流抵抗Rs12が、300Pas/m未満であり、前記総不透明度O12が、92%から98%の範囲内である、請求項1に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項3】
前記総不透明度O12が95%である、請求項2に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項4】
前記第1のプライ(12)が、前記第2のプライ(14)内の直径が500μm未満のサイズの前記貫通穴(141)を覆うことを可能にするように、50%から75%の間の前記第1の不透明度O1を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項5】
前記フリース材料が、合成繊維、天然繊維、および合成繊維と天然繊維との混合物を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項6】
前記フリース材料が、ポリエチレンテレフタレート繊維とセルロース繊維との混合物を有する、請求項5に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項7】
前記第1のプライ(12)が、60g/m2から130g/m2の間の面密度を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項8】
前記第1のプライ(12)が、着色顔料を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項9】
前記第2のプライ(14)が、50μm未満の厚さである、請求項1から8のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項10】
前記第2のプライ(14)が、12μm未満の厚さである、請求項9に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項11】
前記貫通穴(141)が、箔の面積当たりの前記貫通穴(141)の総断面積が0.05〜0.20cm2/cm2になるように、1cm2当たり15個超の面密度で配置され、かつ、直径が500μm未満のサイズである、請求項1から10のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項12】
前記貫通穴(141)が、1cm2当たり50個超の面密度で配置されている、請求項11に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項13】
前記第1のプライ(12)が、複数の接着剤ドット(13)により前記第2のプライ(14)に付設され、各接着剤ドット(13)が、前記複数の貫通穴(141)の各貫通穴(141)が形成される位置とは異なる前記第2のプライ(14)の位置に配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項14】
各接着剤ドット(13)が、700μm未満の直径である、請求項13に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項15】
各接着剤ドット(13)が、300μm未満の直径である、請求項13に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項16】
各接着剤ドット(13)が、熱活性化接着材料、または、感圧接着材料を含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項17】
前記熱活性化接着材料が、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、または、ポリウレタンである、請求項16に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項18】
前記感圧接着材料が、ゴム、または、UVアクリレートである、請求項16に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項19】
前記第1のプライ(12)側とは反対側の前記第2のプライ(14)上に、及び、前記通音性ライニング(1)の前記音響プラスターボード(2)に付与される側に配置される第3のプライ(15)をさらに含み、前記第3のプライ(15)が、前記音響プラスターボード(2)に付与される前記通音性ライニング(1)の接着付設を強めるために、接触層を形成することができる、請求項1から18のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の通音性ライニング(1)が付与された音響プラスターボード(2)であって、前記通音性ライニング(1)は、単一の通音性ライニング(1)が、別々の音響プラスターボード(2)に成形された複数の穿孔を覆うように付与されている、音響プラスターボード(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響プラスターボードに成形された複数の穿孔を覆うために音響プラスターボードに配置される、独立請求項のプリアンブルに記載の通音性ライニングに関する。
【背景技術】
【0002】
室内で発生する音、例えば衝撃音または反響音は、伝播する音波のエネルギーを消滅させることによって減衰させることができる。減衰は、音響プラスターボードを含む内部乾式壁構造によって達成される。音響プラスターボードには、空気が通過可能な複数の穿孔が成形されている。この空気の通路は、音が伝播するための媒体を提供し、この伝播した音は、音響プラスターボードの後方の空間で、例えば音響プラスターボードと未加工の天井との間で減衰される。通常、そのような穿孔は、2mmから25mmの範囲の開口直径を有する。穿孔は、円形または正方形に成形され、かつ、見栄えの良い形で配置され得る。すなわち、穿孔は、直線状の、千鳥状のまたは散在した穿孔となる。
【0003】
そのような音響プラスターボードは、典型的には、内部に繊維を含み得る石膏プラスターから作成される。しかし、プラスターは、セメントを含む別の材料からなる場合もある。天井のタイプによるが、それらの音響プラスターボードは、通常、600×600mmの寸法(格天井)で、または1200×2000mmの大型のフォーマット(完全に閉じられた天井)で入手可能である。音響プラスターボードはそれぞれ、ボード間の継目が見える状態で配置され得る。あるいは、それらの継目は、充填材料によって覆われ得る。穿孔と同様に、継目は、「デザイン要素」として利用されるために、意図的に目に見えるようにされ得る。しかし、一般的な音響プラスターボードの設計は、全体的なデザイン可能性の制約となると見なされることが多い。創造的な側面を考慮すると、視覚的に知覚可能な構造を含まない閉じた表面が好ましい。
【0004】
そのような閉じた表面を提供するために、従来技術の技法では、音響プラスターボードに音響プラスターを付与することが知られている。音響プラスターは、音響プラスターボードに成形された穿孔を覆いつつ、音が音響プラスターを介して伝播することを可能にするように空気を透過することができる。音響プラスターは、音響プラスターボードにフリース層を取り付け、そのフリース層上に音響プラスターを吹き付けることにより付与される。音響プラスターは、視覚的に閉じた表面が得られるまで、複数回の吹付けサイクルで塗布される。吹付けサイクルの回数は、音が音響プラスターを介して伝播することを可能にする良好な空気透過性を維持するために、少なく抑えられる。
【0005】
フリース層の付与は、特に建設現場では困難であり、そのため、得られる仕上げ面は、見た目の質が劣ることが多い。音響プラスター加工の欠点としては、多くの場合、十分な音響特性に必要とされるプラスター層の薄い層状構造が安定的に得られないことが挙げられる。その結果、音響伝播およびそれに伴って音響特性が変化し、音響要求は満たされないことが多い。別の欠点は、音響プラスター自体が比較的粗くザラザラした構造を有することに関し、そのためデザイン面を考慮するとあまり好ましくない。さらに、複数回の吹付けサイクルでの音響プラスターの塗布は、各吹付けサイクルにおいて塗布される層が非常に薄いため、極めて時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来技術で知られている欠点を克服するか少なくとも大幅に低減する、音響プラスターボードに成形された穿孔を隠すことが可能な、音響プラスターボードに付与される通音性ライニングを提案すること、すなわち、音響プラスターボードに成形された穿孔を覆うように配置され、一貫した音質をもたらす通音性ライニングを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立請求項の特徴によって特徴付けられる通音性ライニングによって達成される。有利な実施形態は、従属請求項の特徴から明らかになる。
【0008】
具体的には、音響プラスターボードに成形された複数の穿孔を覆うための通音性ライニングである。通音性ライニングは、フリース材料の第1のプライであって、第1のプライを介して音が伝播できるように空気の透過を可能にする第1の気流抵抗R
s1を有するような内部構造を備える第1のプライと、第1のプライに付設された第2のプライであって、第1のプライと通音性ライニングが付与される音響プラスターボードとの間に配置された第2のプライとを含む。第2のプライは、第2の不透明度O
2を有するとともに複数の貫通穴が形成された箔材料からなり、複数の貫通穴は、第2のプライを介して音が伝播できるように空気の透過を可能にする第2の気流抵抗R
s2を第2のプライが有するようなサイズおよび形状である。第1のプライは、第2のプライに形成された貫通穴が第1のプライを通して見えないように、かつ、付与された通音性ライニングが、音響プラスターボードに成形された穿孔を光学的に覆うことを可能にする総不透明度O
12と、通音性ライニングを介して音が伝播できるように空気の透過を可能にする総気流抵抗R
s12とを有するように、第1の不透明度O
1を有する。
【0009】
したがって、本発明は、均一に付与することができ、また、音響プラスターボードに成形された穿孔を隠すための総不透明度O
12を有すると同時に、ライニングの総面積にわたって音波の媒体としての空気の良好な透過を可能にする総気流抵抗R
s12を有する、通音性ライニングを提供する。
【0010】
総不透明度O
12は、標準DIN53164(ISO2471に相当する)に定義されたとおりに決定することができ、標準DIN53164では、不透明度はO=R
0/R∞として%で定義される。R
0は、サンプルの反射であり、これは、サンプルで反射した光の、標準白色体(DIN5033では硫酸バリウム粉末のタブレットとして白色標準が与えられる)で反射した光に対する比率である。R∞は、不透明サンプルの反射であり、この不透明サンプルは、不透明であるのに十分な厚さすなわち、サンプルの数を倍増することにより積層体の厚さを増大させても測定される反射が変化しないのに十分な厚さのサンプルの積層体として提供することができる。概して、総不透明度O
12は、第1の不透明度O
1および第2の不透明度O
2によって決定され、ここで、第1の不透明度O
1は、音響プラスターボードの穿孔を隠すように選択され、第2の不透明度O
2は、第2のプライの穿孔を隠すように選択される。
【0011】
総気流抵抗R
s12は、通音性ライニングの音響透過性、換言すれば、その音響特性を決定する。標準DIN EN29053「音響用途用材料−気流抵抗の測定(Materialien fur akustische Anwendungen-Bestimmung des Stromungswiderstandes)」は、サンプルを透過する空気体積流[m
3/s]にかかる圧力のサンプル両側における差圧[Pa]の比率である気流抵抗R
sを決定するための測定法(直流気流法、交流気流法)を定義している。この材料は、本明細書においては、表面積(m
2)当たりの気流抵抗である特定の気流抵抗[Pam]によって説明される。
【0012】
本発明の好ましい態様によれば、総気流抵抗R
s12は、300Pas/m未満であり、総不透明度O
12は、92%から98%の範囲内である。標準的なフリース(80g/m
2の面重量を有する、ポリエステルから作成されたスパンボンドフリース)と標準的な箔(12μmの厚さで、片面が金属化されたポリエステル箔)との組合せの総不透明度O
12は、95%である。
【0013】
有利には、第1のプライは、ライニングが音響天井に付与されたときに直径が500μmよりも小さいサイズの第2のプライの貫通穴を覆うことを可能にするように、50%から75%の間の第1の不透明度O
1を有する。
【0014】
フリース材料が合成繊維、天然繊維、および合成繊維と天然繊維との混合物を有する場合には、特に有利であることが示されている。特に有利なのは、ポリエチレンテレフタレート繊維とセルロース繊維との混合物である。繊維は、フリースを形成するために様々な方法で固着され得る。繊維は、乾燥時に重合または硬化する結合材を使用することにより、化学的に固着されてもよい。繊維は、繊維が互いに融合するようにスパイクローラーにより局所的に圧力および熱を付与することにより、熱的に固着されてもよい。第3の方法は、粉砕、プレス、および/または編み込み(intermesh)により、繊維を機械的に固着させる。
【0015】
フリース材料が60g/m
2から130g/m
2の間の面密度を有することが、ライニングの付与および良好な音の伝達に有利であることが示されている。80g/m
2未満の面密度は、音響天井にライニングをしっかりと固着するために通音性ライニングの総重量を少なく保つので、好ましい。
【0016】
様々なデザインの選択肢を提供するために、好ましい態様では、第1のプライは着色顔料を含み、該着色顔料は、25g/m
2から35g/m
2の量で加えられ得る。
【0017】
特に有利な態様によれば、第2のプライは、第1のプライに付設される側に光反射面を備えており、それによってその光反射面で第1のプライを光学的に反射することを可能にする。具体例では、第2のプライは、蒸着によりアルミニウム層が付与されるプラスチック箔である。貫通穴を光学的に覆う第1のプライが第2のプライで反射されるため、反射層は、第1のプライの視覚的なマスキング効果を高める。
【0018】
有利には、箔材料は、50μm未満の厚さである。12μm未満の箔直径は、良好な取扱い特性を有する。
【0019】
特に有利な音響特性は、箔の面積当たりの貫通穴の総断面積が0.05から0.20cm
2/cm
2になるように、貫通穴が、1cm
2当たり15個超、特に1cm
2当たり50個超の面密度で配置され、かつ、直径が500μm未満のサイズであることにより、達成され得る。
【0020】
第1のプライは、複数の接着剤ドットにより第2のプライに付設されることが好ましい。各接着剤ドットは、複数の貫通穴の各貫通穴が形成される位置とは異なる第2のプライの位置に配置される。このことにより、貫通穴の目詰まりを防止することが可能になり、したがって、音響性能の低下を防止することが可能になる。具体例では、各接着剤ドットは、700μm未満の直径であり、より好ましくは、300μm未満の直径である。
【0021】
有利には、各接着剤ドットは、熱活性化接着材料、特にポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、もしくはポリウレタンを含み、または、感圧接着材料、特にゴムもしくはUVアクリレートを含む。
【0022】
好ましくは、通音性ライニングは、第2のプライと通音性ライニングが付与される音響プラスターボードとの間に配置される第3のプライをさらに含む。第3のプライは、音響プラスターボードに付与される通音性ライニングの接着付設を強めるために、接触層を形成することができる。第3のプライは、例えば、第1のプライに類似し、かつ、第2のプライの箔と通音性ライニングが付与される音響プラスターボードとの間の接触を強めることを可能にする、フリース層である。第3のプライは、第1のプライと同一の不透明度および気流抵抗を有することができる。
【0023】
本発明の別の有利な態様は、上記の通音性ライニングが付設された音響プラスターボードに関する。通音性ライニングは、単一の通音性ライニングが、別々の音響プラスターボードに成形された複数の穿孔を覆うように付与される。
【0024】
本発明による通音性ライニングのさらなる有利な態様は、図面を用いて特定の実施形態に関して以下に詳細に説明することによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1の実施形態による付与された通音性ライニングの斜視図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態による通音性ライニングの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態による付与された通音性ライニング1の斜視図を示す。第1の実施形態は第3のプライを含まず、そのため、第2のプライ14は、音響プラスターボード2(例えば、Knauf Cleaneo plasterboard)に直接付与される。音響プラスターボード2の図示された部分は、隣接して取り付けられた複数の音響プラスターボード2を含む、任意の音響天井乾式壁構造を表すものであり、プラスターボード2には、複数の穿孔21が成形されている。このような乾式壁構造では、音響プラスターボード2は、吊り具(例えば、Knauf Nonius Hanger)を使用することにより、未加工の天井に所定の距離を隔てて輪郭を介して取り付けられる。通音性ライニング1は、壁紙と同じように、取り付けられた音響プラスターボード2に付与される。
【0027】
通音性ライニング1は、スパンボンド式ポリエステルフリース材料の第1のプライ12、および第2のプライ14としてのプラスチック(すなわち、ポリエステル)箔を含む。プラスチック箔14は、蒸着アルミニウムを含む反射面142を備え、かつ、複数の貫通穴141が形成されている。各貫通穴141は、500μmの直径を有する。接着層15は、プラスチック箔14を音響プラスターボード2に固着する。フリース12は、印刷ステップにおいて複数の接着剤ドット13によりプラスチック箔14に付設される。接着剤ドット13は、熱活性化材料からなり、700μmの直径を有する。概して、接着剤ドット13は、貫通穴141が形成される位置とは異なるプラスチック箔14上の位置に配置される。フリース12は、80g/m
2の面密度および50%の不透明度を有する材料からなる。プラスチック箔14とフリース12との組合せは、約95%の総不透明度O
12を有する。ライニング1は、300Pas/mの総気流抵抗R
s12を有する。
【0028】
図2、および
図2の拡大図である
図3は、
図1の通音性ライニングの側面図である。通音性ライニング1は、音響プラスターボード2に付与することができ、壁紙に類似する。総不透明度O
12は、天井が形成された室内において穿孔21が下から人に見えないように、音響プラスターボード2に成形された穿孔21を隠すことを可能にする。総気流抵抗R
s12は、音波の媒体としての空気の良好な透過を可能にする。概して、通音性ライニングが付与された音響プラスターボードで作成された天井システムの音響係数は、α
w=50から80(DIN EN ISO11654)の範囲であることが測定されている。音響プラスターボード2には、貫通開口21を形成する穿孔21が成形されており、音が伝播するための媒体としての空気は、貫通開口21を通って音響プラスターボードを透過することができる。通音性ライニング1は下から付設され、このとき、通音性ライニング1は、複数の接着剤ドット13によって互いに固着されたフリース12および多孔プラスチック箔14を(下から上に)有している。穿孔は、そこに形成された複数の貫通穴141を備えており、貫通穴141は、音の媒体としての空気がプラスチック箔1を貫通することを可能にする。概して、これらの貫通穴141は、針がプラスチック箔12を貫通するように表面に沿って転動されるニードルローラーによって形成され得る。貫通穴141の直径は、貫通穴141の総面積がプラスチック箔12の5%から20%になるような直径が好ましい。別の例(図示せず)によれば、貫通穴は、対をなして配置(形成)され得る。
【0029】
図4は、本発明の第2の実施形態による通音性ライニング1の側面図であり、この第2の実施形態によれば、通音性ライニング1は、第3のプライ15をさらに含む。この例では、第3のプライは、音響プラスターボード2に固着され得る追加のフリース15であり、また、第3のプライには、第2のプライを形成する多孔プラスチック箔14が付設される。多孔プラスチック箔14は、さらなる複数の接着剤ドット13により、追加のフリース15に付設される。有利には、第3のプライを音響プラスターボードに固着するための接着剤は、追加のフリース15の上面総体にわたって付与され得る。