特許第6827095号(P6827095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6827095呼吸運動を検出するための検出装置および方法、コンピュータプログラム、コンピュータ可読記憶媒体および医療装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827095
(24)【登録日】2021年1月20日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】呼吸運動を検出するための検出装置および方法、コンピュータプログラム、コンピュータ可読記憶媒体および医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/08 20060101AFI20210128BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   A61B5/08
   A61B5/113
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-210453(P2019-210453)
(22)【出願日】2019年11月21日
(65)【公開番号】特開2020-96827(P2020-96827A)
(43)【公開日】2020年6月25日
【審査請求日】2020年2月17日
(31)【優先権主張番号】10 2018 221 960.5
(32)【優先日】2018年12月17日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516308401
【氏名又は名称】シーメンス ヘルスケア ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン マルティウス
【審査官】 山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第09933469(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0002331(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02659832(EP,A1)
【文献】 特開昭55−108343(JP,A)
【文献】 特開平03−046585(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0165770(US,A1)
【文献】 特開昭56−012104(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0292559(US,A1)
【文献】 米国特許第03150375(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第102683837(CN,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2006−0019443(KR,A)
【文献】 山 芳寛 他,「容量型シートセンサを用いた乳児の狭帯域心電図および呼吸情報の簡易的無拘束計測」,生体医工学,2009年 2月10日,Vol. 47、No. 1,pp. 42-50
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/08
A61B 5/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者(5)の呼吸運動を検出するための検出装置(6、7)であって、
データ処理装置(6)と、アンテナ配列(7)とを備え、
前記アンテナ配列(7)が、互いに平行に配置された2つの側部セグメントと前記2つの側部セグメントを互いに接続する底部セグメントとを有する、金属製の少なくとも実質的にU字形の、少なくともつの信号結合要素(12)を有し、前記信号結合要素(12)は、非接触で互いに入れ子型に基板(11)上に配置されており、それぞれ前記信号結合要素(12)のうちの第の信号結合要素(14)の第1および第2の側部セグメントの間に、前記第1および第2の側部セグメントに対して少なくとも実質的に平行に、前記信号結合要素(12)のうちの第の信号結合要素(13)の第の側部セグメント、および前記信号結合要素(12)のうちの第3の信号結合要素(15)の第1の側部セグメントが配置され、前記第の信号結合要素(13)の第の側部セグメント、および前記第3の信号結合要素(15)の第2の側部セグメントが、前記第の信号結合要素(14)により3つの側面で囲まれた領域の外側に配置されており、
前記データ処理装置(6)が、前記信号結合要素(12)に接続された解析電子機器(9)を有し、前記解析電子機器(9)は、送信機として機能する前記信号結合要素(12)のうちの第1の信号結合要素(13)に与えられた信号を、前記第1の信号結合要素(13)の近接場領域において、受信機として機能する前記信号結合要素(12)のうちの前記第2の信号結合要素(14)または前記第3の信号結合要素(15)に結合することにより、前記第2の信号結合要素(14)または前記第3の信号結合要素(15)において生成された受信信号の、前記呼吸運動を示唆する変化を検出するように構成され、
前記受信信号の変化が、前記信号結合要素(12)の前記第1の信号結合要素(13)の前記第2の側部セグメントと、前記信号結合要素(12)の前記第2の信号結合要素(14)の前記第1の側部セグメントとの間、または、前記第1の信号結合要素(13)の前記第2の側部セグメントと、前記第3の信号結合要素(15)の前記第1の側部セグメントとの間の静電容量の変化によって生じる、
検出装置(6、7)。
【請求項2】
前記信号結合要素(12)は、それぞれ、U字形経路に沿って、16.1cm〜17.6cmの長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の検出装置(6、7)。
【請求項3】
前記信号結合要素(12)は、それぞれ、最大で50μmの厚さを有する金属層で形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の検出装置(6、7)。
【請求項4】
前記基板(11)は、プラスチック材料から形成され、前記信号結合要素(12)とは反対側の背面(22)上がメタライズされていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の検出装置(6、7)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の検出装置(6、7)を用いて患者(5)の呼吸運動を検出するための方法であって、
前記解析電子機器(9)を用いて、所与の送信信号が前記信号結合要素(12)のうちの前記第1の信号結合要素(13)に与えられ、
前記解析電子機器(9)を用いて、前記第1の信号結合要素(13)からの前記送信信号を、結合点を越えて、前記第1の信号結合要素(13)と入れ子型でその近接場領域に配置された前記第2の信号結合要素(14)または前記第3の信号結合要素(15)に結合することによって、前記第2の信号結合要素(14)または前記第3の信号結合要素(15)で結果生じる受信信号が測定され、
前記患者(5)の領域に配置された検出装置(6、7)において、患者(5)の呼吸運動に対応する前記送信信号の変化なしに発生する受信信号の変化として、前記呼吸運動が検出される、
方法。
【請求項6】
3つ以上の信号結合要素(12)を備える検出装置(6、7)を使用して、前記検出装置(6、7)において、前記信号結合要素(12)のうちの少なくとも1つの信号結合要素の2つの側部セグメントが、それぞれ、前記信号結合要素(12)のうちの他の2つの信号結合要素のそれぞれ一方の側部セグメントを側面に沿って包囲し、
それぞれ、前記信号結合要素(12)のうちの唯一の信号結合要素が、送信機として機能し、前記信号結合要素(12)のうちの前記唯一の信号結合要素に相互接続された信号結合要素が、受信機として機能し、
前記信号結合要素(12)のうちの前記送信機として機能する信号結合要素が、所与のパターンに基づいて変更される、
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
命令を含むコンピュータプログラム(1)であって、前記命令は、データ処理装置(6)による前記コンピュータプログラム(1)の実行時に、請求項5または6に記載の方法を実行するように前記データ処理装置(6)に指令する、コンピュータプログラム(1)。
【請求項8】
請求項7に記載の前記コンピュータプログラム(1)が記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体(8)。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか1項に記載の検出装置(6、7)を有する、医療装置(2)。
【請求項10】
前記患者(5)用の載置面を備えた患者台(4)を有し、前記検出装置(6、7)の前記信号結合要素(12)は、前記患者台(4)に内蔵されている、請求項9に記載の医療装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の呼吸運動を検出するための検出装置および方法に関する。さらに、本発明は、対応するコンピュータプログラムと、対応するコンピュータ可読記憶媒体と、対応する検出装置を備えた医療装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術において装置に支援された方法の多くは、今日、検査または治療される患者の正確な位置情報または動き情報を必要とし、および/または患者の位置変化または動きに妨害されやすい。これは、例えば、撮像法または撮像用途にも、例えば、腫瘍放射線治療と同様に問題となる可能性がある。腫瘍放射線治療では、腫瘍は、意図的に高レベルの放射線被曝に曝されることにより、その増殖が阻止されるか、または理想的にはさらに死滅させられる。この治療では、それぞれの腫瘍の周辺にある健康な組織は、できるだけ影響を受けないようにすべきである。それぞれの腫瘍の位置次第で、腫瘍は、処置中のそれぞれの患者の呼吸運動に起因して、特に腫瘍の処置のために意図した放射線のビーム経路または焦点から動く可能性がある。したがってその場合、周囲の健康な組織は、腫瘍の代わりにビーム経路または焦点に入り込み、所望しない様式で損傷を受ける可能性がある。したがって、損傷を避けるためには、呼吸運動に関する知見を得た場合でのみ達成できる標的化照射が必要である。
【0003】
撮像法の場合には対照的に、呼吸運動は、例えば、ぼやけたまたは不鮮明な画像をもたらす可能性があり、その場合、その画像は、正確なもしくは確実な診断または空間割当または他のデータとのレジストレーションの妨げとなる。
【0004】
今日の医療技術では、例えば、呼吸運動を検出するために、いわゆる胸部ベルトもしくは呼吸ベルトまたは圧力センサもしくはひずみセンサに基づく呼吸検出器の使用が既知である。このような呼吸ベルトまたは呼吸検出器は、通常、患者に巻いて固定され、それにより、それらが、例えば、ビーム経路に入り込むかまたは介入的処置を妨げるおそれがあり、それに加えて感度が制限されるため、すべての用途または個々の事例に適するわけではない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の課題は、患者の呼吸運動の改善された検出を可能にすることである。本課題は独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態および発展形態は、従属請求項、明細書および図面に明記されている。
【0006】
本発明による検出装置は、患者の呼吸運動を検出するために使用され、したがって、患者の呼吸運動を検出するために構成されている。そのために、検出装置は、金属製の少なくとも実質的にU字形の少なくとも2つの信号結合要素を有する。その場合、これらの信号結合要素は、非接触で互いに入れ子型で、すなわち互いに噛み合うように基板上に配置されているため、それぞれ、信号結合要素のうちの第1の要素の2つの側部セグメントの間に、側部セグメントに対して少なくとも実質的に平行に、信号結合要素のうちの第2の要素の第1の側部セグメントは、配置されている。その場合、第2の信号結合要素の第2の側部セグメントは、第1の信号結合要素により3つの側面で囲まれた領域の外側に配置される。
【0007】
したがって、信号結合要素のそれぞれは、互いに少なくとも実質的に平行に配置されているかまたは延びる、すなわち延在する2つの側部セグメントと、それぞれ2つの側部セグメントを互いに接続する底部セグメントと、を有する。その場合、セグメントは、例えば、それらの配置または配向によってのみ区別できるが、同様に、例えば、異なる幅および/または長さを有してもよい。個々の信号結合要素は、それぞれ一体に形成できるため、したがって、個々のセグメントを別々の部品とする必要はない。
【0008】
さらに、本発明による検出装置は、信号結合要素に接続された解析電子機器を有する。この解析電子機器は、呼吸運動を示唆する、すなわち示している、または提示している、または特徴付けている、受信信号の変化を検出するために形成および構成されている。その場合、この受信信号は、信号結合要素のうちの送信機として機能する要素に与えられた信号を、信号結合要素のうちの第2の要素に結合することにより、その第2の要素において生成される。その場合、信号結合要素のうちの第2の要素は、受信機として機能し、第1の信号結合要素の近接場領域に配置されている。後者は、特に、信号が第1の信号結合要素から第2の信号結合要素に送信または結合される結合点で、2つの信号結合要素間の距離が4λ未満またはλ/2π未満であることを意味する場合があり、λは、呼吸運動の検出のために、それぞれ信号結合要素のうちの送信機として機能する要素に与えられた信号の所与の波長である。
【0009】
波長λは、例えば、干渉を回避するための法的規制によって、または、音声アプリケーションの目的のために法律で規定されている場合があるか、もしくは確保されている場合がある周波数帯域によって、事前に決定できる。特に、信号結合要素の大きさまたは長さは、波長λに合わせられており、信号結合要素は、そのU字形の経路またはそのU字形の延長部に沿って、すなわち、1つの側部セグメント、次いで底部セグメント、次いで第2の側部セグメントに沿って、λ/2の長さを有してもよい。
【0010】
本明細書で提案された、例えば、アンテナとして解釈できる信号結合要素の配置では、少なくとも1つの結合点が、異なる信号結合要素の、隣接して配置されたそれぞれ2つの側部セグメント間に生じ、その結合点を越えて、信号結合要素のうちの1つからの信号が信号結合要素の次の要素または他の要素に結合される。したがって、結合点の領域では、それぞれ2つの信号結合要素の側部セグメントは、少なくとも区分ごとに少なくとも実質的に互いに平行に延びるため、2つの側部セグメント間、すなわち2つの信号結合要素間の信号の結合またはクロス結合または伝送は、クロストークとして理解できる。
【0011】
その場合、結合挙動または伝送挙動は、とりわけ、2つの信号結合要素、特にそれぞれの結合点を形成または包囲する2つの側部セグメントの距離に依存する可能性がある。2つの側部セグメントは、結合点の領域で少なくとも実質的に互いに平行に延びているため、この場合にはそれぞれの静電容量が生じる。この静電容量は、外部の影響、例えば、結合点の領域にもたらされる材料もしくは物体もしくは場、または対応する変化もしくは動きによって影響を受けるかまたは変更される可能性がある。このような静電容量への影響は、この場合もまた、それぞれの結合点での結合挙動または伝送挙動の変化を引き起こす。したがって、検出装置が患者の領域、例えば、患者の下側または上側に配置されている場合、患者の呼吸運動は、それぞれの結合点での静電容量または結合挙動もしくは伝送挙動の変化になり、したがって送信機として機能する信号結合要素に与えられた信号を変化させることもなく、結果生じる受信信号の変化をもたらす。
【0012】
呼吸運動を検出するため、すなわち呼吸運動によってもたらされる受信信号の変化を、例えば、他の効果または影響によって引き起こされる変化と区別するために、例えば、対応する較正を実行できる。同様に、例えば、繰り返し反転する、すなわち少なくとも実質的もしくはほぼリズミカルに、または規則的もしくは周期的に繰り返される変化のみが、呼吸運動としてまたは呼吸運動の作用として検出されることが、条件として指定されてもよい。一般的な呼吸は、厳密に数学的な意味で規則的または周期的ではないため、この場合には、例えば、対応する所与の間隔、閾値、値の範囲などによって、例えば、対応する偏差を許容してもよい。したがって、例えば、受信信号のほぼ周期的、疑似周期的または準周期的な変化は、呼吸運動として検出できる。
【0013】
本発明の特定の利点は、本明細書において提案された配置によって検出装置の特にコンパクトな構成が可能になることである。特に、例えば、単純な長方形パッチアンテナなどの他のタイプのアンテナと比較して、特に入れ子型配置によって空間密度が特に高い複数の結合点を実現できる。したがって、複数の信号結合要素を対応して、したがって、チェーンまたはシーケンスとして、入れ子型で配置できる。これにより有利には、呼吸運動の検出における空間分解能が可能になる。その場合、検出に使用される信号の所与の波長または周波数に対して本発明を用いて達成可能な、有利に特に高い結合点の空間密度によって、有利には、検出装置によってカバーされる表面領域の特に精細な走査またはセンシング、すなわち検出された呼吸運動の特に高い空間分解能を達成できる。
【0014】
本発明のさらなる利点は、例えば、患者の胸部の周りに配置される従来の呼吸ベルトと比較して、検出装置を特に平坦に省スペースで構築できることである。例えば、信号結合要素からなる配置は、それぞれの患者が横になる患者ベッドまたは患者台に内蔵できる。したがって、そのようにして外部センサなしで、したがって、患者の検査または治療に対する影響または妨害なしに、呼吸運動を検出できる。電子信号生成、信号検出および信号処理の分野で近年および数十年に行われた進歩により、特に達成可能な精度ならびに時間分解能および周波数分解能により、電子測定原理に基づく本発明は、有利には、特に、例えば、少なくとも部分的に機械的原理に基づく場合がある前述の呼吸ベルトと比較して、呼吸運動を大幅に改善された精度および感度で検出できる。
【0015】
本発明の有利な実施形態では、信号結合要素は、それぞれ、そのU字形経路またはそのU字形延長部に沿って測定すると、16.1cm〜17.6cmの長さであり、好ましくは16.82cmである。この場合、これらの数値の許容値は、例えば、5%であってもよい。したがって、これらの長さは、信号結合要素が曲げられた場合であったならば、つまり、そのU字形形状の代わりに直線形状を有した場合であったならば、それぞれの信号結合要素の一端から長手方向の反対側の端までの長さに相当する。信号結合要素は、前述のようにアンテナとして機能できるまたはアンテナとして捕らえることができ、その長さは、好ましい送信信号または受信信号の波長の半分に相当し、本明細書で提案する信号結合要素の長さは、約930MHz〜約853MHz、好ましくは約892MHzの信号周波数に対応する。これにより、異なる適切な周波数帯域、特に915MHz前後の周波数だけではなく868MHz前後の周波数でもまた、信号結合要素を使用できるようになる。これは、本発明による検出装置が、有利には世界中で特に柔軟に使用できることを、この場合にもまた意味する。
【0016】
本発明のさらに有利な実施形態では、信号結合要素はそれぞれ、最大で50μm、好ましくは25μm未満の厚さを有する金属層から形成されている。その場合、この意味での厚さは、実際の金属信号結合要素の、それぞれのその主延在面に対して垂直な材料厚さ、したがって基板の主延在面または主延在方向に対して垂直であることにも相当する材料厚さを意味する。実際の適用事例について、信号結合要素は、例えば、アルミニウム、銅、または対応する合金または同様の金属材料製の厚さ約17μmの層から作製されてもよい。これにより、有利に非常に薄く、したがって検出装置のそれぞれ個々の空間要件に特に容易に適合できる構成を可能にするだけではなく、信号結合要素をX線に対して少なくとも実質的に透明にすることもできる。それにより、本発明による検出装置は、例えば、ビーム強度または結果生じる画質を損なうことなく、X線に基づく医療装置で有利に使用できる。特に好ましくは、基板は、検出装置のアンテナシステム、すなわち基板、信号結合要素、および、場合により存在する基板の他の機能層もしくはコーティングの総厚または総高さが最大で0.5mmになるように形成されている。したがって、検出装置またはアンテナシステムは、有利には、例えば、医療装置の患者台に特に簡単に内蔵することができ、したがって、いつでも利用可能であり、一貫して動作可能または使用可能であり、損傷から保護される。
【0017】
本発明のさらに有利な実施形態では、基板は、プラスチック材料から形成され、信号結合要素とは反対側の背面がメタライズされている。したがって、換言すれば、信号結合要素は、背面と対向するの基板の上面に配置または取り付けることができる。そのため、この上面を患者に向けて配置できる。その場合、患者の反対側に向けて配置できる基板のメタライズされた、すなわち金属コーティングされた背面は、信号結合要素、結合点、または、対応する周囲の空間領域もしくは表面領域の電気的特性への望ましくない影響を防止または低減できる。例えば、今日広く普及している医療装置の患者台または患者ベッドは、炭素繊維で作製されているか、または炭素繊維が使用されていることが多く、その炭素繊維は、基板の背面の連続した、好ましくは全面的なメタライゼーションなしで、例えば、信号結合要素の送信特性および/または受信特性を変更できるため、検出装置の機能の低下につながるおそれがある。しかし、本発明によれば、そのような影響は、背面メタライゼーションによって防止またはできるだけ最小化または制限されるため、本発明による検出装置が対応する患者台上またはそのような患者台の表面の近くに一体化して配置されて操作される場合、本発明による検出装置の機能は、損なわれないかまたはほとんど損なわれない。その場合、プラスチック材料、例えば、ガラス繊維強化プラスチックからの基板の製造は、確立された製造方法で検出装置を費用対効果の高い方法で製造する手段をもたらすだけでなく、有利には、信号結合要素と背面メタライゼーションと間の電気絶縁を設けることもできる。
【0018】
本発明のさらなる態様は、本発明による検出装置を用いて患者の呼吸運動を検出するための方法である。本方法では、解析電子機器を用いて、所与の、好ましくは連続的な送信信号は、信号結合要素のうちの唯一の第1の要素に与えられる。そのために、解析電子機器は、例えば、対応する信号発生器、増幅器および/または同様のものを有してもよい。さらに、本発明の方法では、解析電子機器を用いて、第1の信号結合要素からの送信信号を、結合点を越えて、第1の信号結合要素と入れ子型でその近接場領域に配置された、信号結合要素のうちの第2の要素に結合することにより、第2の要素において結果生じるまたは誘導された受信信号が測定される。
【0019】
本発明による方法のさらなるプロセスステップでは、患者の領域に配置された検出装置の場合には、呼吸運動は、送信信号の対応する変化なしに発生する、特に繰り返し反転する受信信号の変化として検出される。これは、呼吸運動により、受信信号が患者の呼吸リズムに対応して、それぞれ中間にある信号増大を伴って、例えば、繰り返し減衰する可能性があることを意味する。したがってこの場合、受信信号の変化の方向または符号は、対応して繰り返し反転する。これは、特に、それぞれ送信機として機能する信号結合要素からそれぞれ受信機として機能する信号結合要素への送信信号の結合または伝送が、それぞれの結合点で影響を受けるか、または結合点のもしくは結合点での静電容量に依存することによって引き起こされている。この静電容量は、この場合もまた、特に環境中または結合点の領域に存在する水分子によって影響を受ける可能性がある。患者の呼吸運動中、患者の含水組織領域は、結合点に対して移動する、すなわち信号結合要素および検出装置に対して移動する。これは、静電容量の変化、したがって結合点での結合挙動または伝送挙動の変化をもたらし、したがって、受信信号の電子的に検出可能な変化をもたらす。その場合、受信信号のこの変化は、送信信号の変化とは特に相関していない。送信信号は、例えば、一定であるか、または所与の手法で可変であるか、変調されている可能性がある。ただし、送信信号のそのような時間的変化または変調は、特にさらなる外部の影響なしで、常に直接または予測可能な手法で、受信信号の対応する時間的変化または変調に相当するかまたは相関していたならば、呼吸運動によって引き起こされる、受信信号の追加の変化またはその検出は、影響を受けない。
【0020】
特に好ましくは、解析電子機器は、受信信号の変化を解析することにより、それぞれの現在の呼吸フェーズ、すなわち呼吸運動または呼吸サイクルのフェーズまたはセグメントを決定するように構成できる。自動的に決定または検出できるそのような呼吸フェーズは、例えば、吸気および呼気である。さらに、例えば、使用する検出装置の感度に応じて、および/または、例えば、検出装置に対する患者の配置に応じて、吸気ならびに/もしくは呼気のそれぞれの開始または最初のサブセグメントならびに/もしくはそれぞれの終了または最後のサブセグメント、および/または、例えば、それぞれの呼吸サイクルの時間的中間点、および/または、例えば、検出装置に対する患者の少なくとも一部領域の動き方向が、例えば、吸気と呼気との間で反転する反転点などの、さらなる呼吸フェーズを自動的に決定または検出できる。
【0021】
特に好ましくは、本発明により検出された呼吸運動または呼吸フェーズに応じて、例えば、対応する医療装置を制御できる。例えば、医療装置が放射線装置である場合、放射線は、パルス化され、検出された呼吸運動または呼吸フェーズと自動的に同期できるため、照射は、常に同じ呼吸フェーズまたは呼吸サイクルの同じ点で、したがって、好ましくはそれぞれ患者の同じ場所または位置において行われる。したがって、例えば、腫瘍組織に特に確実かつ標的化して当てることができる。それに対応して、例えば、撮像医療装置がそれぞれ同じ呼吸フェーズで、または呼吸サイクル内で同じ時点に単一画像を撮影するように、撮像医療装置は、本発明により検出される呼吸運動または呼吸フェーズに応じて、そのために自動的に同期されて制御される。これは、有利には、モーションブラーの低減および単一画像の相互の単純化された重ね合わせ性またはレジストレーションをもたらし、したがって、最終的に改善された画像品質をもたらす。
【0022】
本発明のさらに有利な実施形態では、本発明による3つ以上の信号結合要素を備える検出装置は、その検出装置において、信号結合要素のうちの少なくとも1つの要素の2つの側部セグメントは、それぞれ、信号結合要素のうちの他の2つの要素の唯一の側部セグメントを側面に沿って包囲する。言い換えれば、したがって、複数の信号結合要素は、縦方向または蛇行パターンで接触することなく入れ子型でまたは連結して配置される。例えば、8個の信号結合要素を長手方向に配置することができ、縦方向は、例えば、信号結合要素の側部セグメントの縦伸長部に対して少なくとも実質的に垂直に延びることができる。
【0023】
複数の信号結合要素をそのような列状に配置することにより、対応するより広い表面領域をカバーすることができるため、その表面領域において検出装置を用いて呼吸運動を検出できる。この場合同様に、長手方向に入れ子型に配置された信号結合要素の複数のそのような列を設けることができ、横方向に、すなわち長手方向に対して横向きに、対応してより広い表面領域をカバーすることもまたでき、呼吸運動の検出において対応する空間分解能を達成する。
【0024】
本発明の本実施形態によれば、所与のリズムに従って、送信機として機能する信号結合要素を所与のスキームに基づいて交替することが提供される。言い換えれば、すなわち第1の時点では、信号結合要素のうちの第1の要素は、送信機として機能できる。この信号結合要素を用いて送信または伝送された信号が対応する受信信号として測定された後、その後の第2の時点では、信号結合要素のうちの別の要素が送信機として機能できるか、または切り替えることができる。特に、それぞれ、送信および受信または測定からなるそのようなステップでは、それぞれ先行するステップにおいて受信機として機能した信号結合要素の同じ要素を、送信機として使用できる。これは、信号結合要素のうちの現在のステップにおいて受信機として機能する要素が、信号結合要素からなる配列の末端となるまでの長さで継続できる。その後、信号結合要素からなる配列は、例えば、逆方向に、または所与のパターンに従って、送信機として機能するそれぞれの信号結合要素を適切に交替することにより、新たに掃引できる。これにより、有利には、空間領域または表面領域を走査またはセンシングでき、したがって、呼吸運動が空間分解されて検出される。さらに、この手順により、呼吸運動の検出が患者と検出装置との相対的配置に関して影響を受けにくくなり、場合により呼吸フェーズのより正確なもしくは確実な決定または識別が可能になるのは、呼吸運動中、特に呼吸サイクル内、特に異なる呼吸フェーズにおいて、患者の様々な領域が別々に動く可能性があるからである。したがって、呼吸運動が特に正確かつ空間分解されて検出できるのは、例えば、患者が非対称である場合、呼吸運動が非対称である場合、および/または信号結合要素に対する患者の不正確もしくは未確認の配置または配向の場合である。
【0025】
本発明のさらなる態様は、データ処理装置によって、特に医療装置のデータ処理装置によってコンピュータプログラムが実行される場合、本発明による方法の少なくとも1つの実施形態を特に自動的または半自動的に実行するようにデータ処理装置に指令する命令または制御命令を含む、コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品である。したがって、本発明による方法は、言い換えれば、本発明による方法のプロセスステップをコード化してもよいか、または表現してもよい。
【0026】
本発明のさらなる態様は、本発明によるコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品のうちの少なくとも1つの実施形態が記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体である。
【0027】
本発明のさらなる態様は、本発明による検出装置の少なくとも1つの実施形態を有する医療装置である。本発明による医療装置は、例えば、照射装置または撮像装置であってもよい。本発明による医療装置は、特に本発明による方法を実施または実行するために形成および構成されている。そのために、本発明による医療撮像装置は、例えば、解析電子機器の一部として、本発明によるコンピュータ可読記憶媒体と、コンピュータ可読記憶媒体に記憶された本発明によるコンピュータプログラムを実行するためにコンピュータ可読記憶媒体に接続されたプロセッサ装置、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロチップまたはマイクロコントローラと、を有する。したがって、本発明による医療装置は、特に、本発明による方法に関連して言及された医療装置であってもよい。したがって、本発明による医療装置は、本発明による方法に関連して言及された特性および/または構成要素のうちの1つ、いくつかまたはすべてを含むことができる。
【0028】
本発明のさらに有利な実施形態では、医療装置は、患者台または患者用の載置面を備えた患者ベッドを有し、検出装置の信号結合要素は、患者台に、好ましくは載置面に内蔵されている。信号結合要素の損傷を避けるために、信号結合要素は、例えば、非導電性の、特に電気透過性の保護層で覆われていてもよいため、この保護層は、患者台の表面、特に載置面の表面を形成できる。したがって、信号結合要素を表面の非常に近くに配置することができるため、患者と同時に直接接触することなく、呼吸運動を特に正確かつ特に確実に検出できる。これにより、前述の損傷だけでなく、例えば、信号結合要素の短絡も同様に回避できる。
【0029】
本発明による検出装置、本発明による方法、本発明によるコンピュータプログラム、本発明によるコンピュータ可読記憶媒体および本発明による医療装置の、上述ならびに後述する特徴およびさらなる発展形態は、本発明のこれらの態様の間で相互に適用可能である。したがって、本発明は、本明細書において不必要な重複を避けるために、それぞれの組み合わせにおいてまたは本発明の態様のそれぞれについて別個に説明されていない実施形態を有する、本発明による検出装置、本発明による方法、本発明によるコンピュータプログラム、本発明によるコンピュータ可読記憶媒体および本発明による医療装置のそのような発展形態も含む。
【0030】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、好ましい実施形態の以下の説明および図面を参照して明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】患者の呼吸運動を検出するための方法の例示的な概略フロー図である。
図2】患者の呼吸運動を検出するための検出装置を備えた医療装置の概略図である。
図3】呼吸運動を検出するための検出装置のアンテナシステムの概略平面図である。
図4】様々な周波数における図3のアンテナシステムの電気的挙動を説明するための減衰曲線である。
【0032】
以下に説明する例示的な実施例は、本発明の好ましい実施形態である。実施例では、実施形態の説明された構成要素はそれぞれ、互いに独立して考慮されるべき本発明の個々の特徴を表しており、それぞれまた独立して本発明をさらに発展させ、したがってまた個別にまたは示した組み合わせとは異なる別の組み合わせにおいて、本発明の一部と見なすべきである。さらに、説明された実施形態は、既に説明された本発明の特徴のさらなる特徴によって補足することもできる。
【0033】
図において、同一の、機能的に同一のまたは相互に対応する要素は、それぞれ同じ参照番号が付与されている。
【0034】
図1は、患者5(図2を参照)の呼吸運動を検出するための方法の例示的な概略フロー図1を示す。この方法は、例えば、図2に概略的に示された医療装置2を用いて実施できる。この場合、医療装置2は、例えば、Cアームとして形成された可動ホルダ3を備え、その可動ホルダ3上に、例えば、照射目的または撮像のための放射線源を配置できる。さらに、医療装置2は、患者台4を備え、本発明ではその患者台4上で、患者5は、医療装置2の、特に例えば、その放射線源の影響領域に配置されている。
【0035】
さらに、医療装置2は、患者台4に内蔵されたアンテナ配列7に結合されているデータ処理装置6を有する。本発明では、データ処理装置およびアンテナ配列7は共に、患者5の呼吸運動を検出するための検出装置を形成する。そのために、データ処理装置6は、例えば、アンテナ配列7に電気信号を与え、アンテナ配列7を用いて測定または受信された信号を測定および解析するために、信号生成装置、すなわち信号発生器と、解析電子機器と、を備えてもよい。
【0036】
そのために、すなわち図1で概略的に説明された方法を実行するために、本発明では、データ処理装置6は、コンピュータ可読記憶媒体8およびコンピュータ可読記憶媒体8に接続されたプロセッサ装置9を有する。記憶媒体8には、フロー図1による方法のプロセスステップをコードするコンピュータプログラムが記憶されており、したがって、コンピュータプログラムがプロセッサ装置9を用いて実行されると、方法の実行を引き起こす。したがって、方法、すなわちフロー図1のプロセスステップは、コンピュータプログラムのプログラムモジュールもしくは機能モジュールまたはコードブロックであってもよいか、またはそれらを表現してもよい。
【0037】
さらにこの場合、データ処理装置6に接続されている表示装置10が設けられている。表示装置10を用いて、例えば、検出された呼吸運動または呼吸フェーズは、例えば、呼吸曲線の形で、および/または呼吸フェーズの対応する表示として出力または視覚化できる。データ処理装置6は、同様に医療装置2の他の装置に接続されてもよく、例えば、これらの装置用の制御装置、例えば、上記放射線源として機能してもよい、すなわち構成されてもよい。
【0038】
世界中で、そのような検出装置が規則に従って動作できるまたは動作してもよい、すなわち操作できるまたは操作してもよい、様々な周波数帯域が存在する。本発明では、検出装置またはアンテナ配列7は、対応するすべての周波数帯域を可能な限りカバーしなければならない。さらに、可能な限り簡易かつ柔軟な位置決めのために、アンテナ配列7の構造体高さは、可能な限り低く、例えば、最大0.5mmにしなければならない。さらに、アンテナ配列7は、X線に対して可能な限り透過性があると同時に、可能な限りコンパクトにしなければならない。
【0039】
患者5の呼吸運動を検出でき、同時に上記要件を満たすために、アンテナ配列7は、本発明では図3に概略的に示すように、プラスチック材料から作製された基板11上に配置された複数の金属製信号結合要素12からなる入れ子型配置を有する。本発明では、信号結合要素は、例えば、第1の信号結合要素13、第2の信号結合要素14、第3の信号結合要素15および第4の信号結合要素16である。信号結合要素12は、この場合はそれぞれ、互いに少なくとも実質的に平行に配置された2つの側部セグメント17と、2つのそれぞれの側部セグメント17を互いに接続する底部セグメント18と、を有する。側部セグメント17および底部セグメント18は、この場合は、明確にするために、第1の信号結合要素13においてのみマーキングされている。
【0040】
信号結合要素12の入れ子型配置により、複数の結合点19において、信号結合要素12のうちの異なる要素の2つの側部セグメント17は、それぞれ領域ごとに互いに少なくとも実質的に平行に延びる。この結合点19を介して、送信信号は、信号結合要素12のうちの送信機として機能する要素から、信号結合要素12のうちのそれぞれの結合点19にそれぞれ隣接する要素に伝送されるため、その要素は、それに対応して受信機として機能する。例えば、送信信号が第1の信号結合要素13に与えられる場合、送信信号を、例えば、第2の信号結合要素14に結合することにより、第2の信号結合要素14において対応する受信信号を取り出すことができる。追加的または代替的に、受信信号は、例えば、第3の信号結合要素15において取り出すことができる。
【0041】
信号結合要素12のうちのそれぞれ送信機として使用される要素に送信信号を与えるため、および対応する受信信号を測定または取り出すために、信号結合要素12は、本発明では、それぞれの接続線20によってデータ処理装置6に電気的に接続されている。
【0042】
図3に示す4つの信号結合要素12からなるアレイでは、結合点19において、それぞれの側部セグメント17は、例えば、互いに約7mm間隔で配置してもよく、それに対して、個々の結合点19は、例えば、互いに30mm間隔で配置してもよい。したがって、本明細書において提案されるアンテナ配列7の実施形態は、例えば、対応する結合点の距離が、例えば、100mmであり得る同じ周波数に適した二重パッチアンテナからなるアレイと比べて、結合点19の特にコンパクトな配置および特に高い空間密度を可能にする。したがって、アンテナ配列7または信号結合要素12の本発明の配置またはアンテナ形状を用いて、有利には、他のアンテナタイプよりも密に配置された結合点19を実現できる。それにより有利には、アンテナ配列7の上に横になっている患者5のより精細な走査が可能である。
【0043】
この場合、患者5の方向に可能な限り効率的に出力を放射すること、または患者5から受信することが、アンテナ配列7の課題である。アンテナ配列7が内蔵されている患者台4は、本発明では、例えば、カーボン、すなわち炭素繊維からなる場合があるため、患者台4は、アンテナ配列7、特に信号結合要素12の電気特性、すなわち送信および/または受信の特性または特徴に、望ましくない様式で影響するおそれがある。この問題を回避または最小化するために、本発明では、信号結合要素12は、患者5に面する基板11の上面21に配置され、上面21の反対側の基板11の背面22は、連続してメタライズされている。その場合、メタライズされた背面22は、患者5の呼吸運動によらずに引き起こされる、結合点19での信号伝送挙動への影響に対して、信号結合要素12用の電気シールドまたは電磁シールドとして機能する。
【0044】
本発明では、個々の信号結合要素12は、信号結合要素12のそれぞれのU字形経路に沿って測定すると、16〜18cmの長さであり、本発明では、例えば、16.82cmである。したがって、信号結合要素は、915MHz前後の信号だけではなく、868MHz前後の信号にも適しているため、世界中で柔軟に使用できる。図4は、x軸23に周波数を、y軸24に減衰をプロットしたグラフを概略的に示す。このグラフに示されるアンテナ配列7の減衰曲線25、または信号結合要素12のそのような配置の対応する具体的な実現例は、本発明では、例えば、900MHz〜908MHzの範囲で明確な最小値を示す。したがって、そのようなアンテナ配列7が、それでもやはり、患者5の呼吸運動を検出するために、国際的に通例の、図4に示された2つの周波数f1=868MHzおよびf2=915MHzにおいて適切かつ動作可能であるのは、信号結合要素12を、したがって信号結合要素12の減衰曲線25を、対応して調整または適合することによって、減衰は、周波数f1、f2において依然として十分に少ないからである。したがって、好ましくは、信号結合要素12の長さは、周波数f1とf2とのちょうど中間である892MHzの中心周波数に対応する、λair=336mmの波長の信号に対してλ/2として設定できる。
【0045】
任意選択的なプロセスステップS1では、例えば、患者台4が空の場合、すなわち患者5がいない場合、アンテナ配列7の伝送特性は、すべての結合点19にわたる基準として測定できる。そのために、例えば、所与の送信信号を信号結合要素12のうちの1つの要素にそれぞれ順番に与え、結果生じる受信信号を基準信号として測定してもよい。
【0046】
あるいは、そのような基準信号は、患者台4上に既に配置された患者5において測定してもよく、患者は、例えば、1つ以上の異なる呼吸フェーズで自身の呼吸を止めてもよい。このようにして、それぞれの患者について検出装置の較正を実施できるため、患者の呼吸運動または呼吸フェーズを特に正確かつ確実に検出できる。
【0047】
プロセスステップS3では、呼吸運動または呼吸フェーズを検出するために患者5が患者台4に配置された場合、所与の送信信号が信号結合要素12のうちの1つの要素、例えば、第1の信号結合要素13に与えられる。次いで、プロセスステップS4では、結果生じる受信信号は、信号結合要素12のうちの別の要素、例えば、第2の信号結合要素14で測定される。
【0048】
次いで、プロセスステップS5では、呼吸運動または呼吸フェーズを検出または決定するために、受信信号が解析される。その場合、特に、連続的な送信信号の場合に発生し、繰り返し反転する受信信号の変化は、呼吸運動として検出できる。したがって、呼吸運動または呼吸フェーズを決定するために、受信信号もしくは送信信号に対する受信信号の変化または偏差を解析してもよい。そのために、同様に受信信号もしくは送信信号に対する受信信号の変化または偏差を、その前に記録された基準信号または送信信号に対する基準信号の偏差と比較してもよい。
【0049】
この場合ループ状プログラムパスP1によって概略的に示されるように、送信信号は、アンテナ配列7に規則的に繰り返して、または連続的に与えることができ、呼吸運動または呼吸フェーズは、規則的に繰り返すまたは連続的な対応する解析によって監視できる。同様に、信号結合要素12のうちの送信機として機能する要素は、プロセスステップS3〜S5およびプログラムパスP1のそれぞれの掃引において交替できる。したがって、例えば、第2の掃引では、例えば、所与の期間の後、送信信号は、その前に受信機として機能していた第2の信号結合要素14に与えることができる。そのためその場合、受信信号は、例えば、第3の信号結合要素15で測定または取り出すことなどができる。このようにして、呼吸運動または呼吸フェーズを検出するために、信号結合要素12は、アンテナ配列7によってカバーされる表面領域全体をセンシングするために順番に掃引されてもよい。それにより、呼吸フェーズの誤検出を特に確実に回避できる。
【0050】
全体として、説明されている実施例は、呼吸検出にU字形パッチアンテナを使用できる方法を示す。
図1
図2
図3
図4