【課題を解決するための手段】
【0012】
問題を解決するために、本発明による円形織機は、経糸コイル装置が可動であるように設計されることによって、経糸コイル装置の走行軌道は、縦糸ボビンと共に円形無限軌道に囲まれる製織面を通して走行することが考えられる。
【0013】
1つまたは複数のシャットルは、これらの横糸ボビンと共に、例えば、機械的にまたは電磁気的に形成されてよい円形無限軌道に沿って移動することで、芯糸を中心にして、シャットルの同心の搬送または案内のための搬送または案内ラインが定められる。
【0014】
シャットル(複数可)は、経路に沿って能動的に移動可能であることで、経路は案内軌道として形成される、または、シャットル(複数可)は、経路に沿って受動的に搬送可能であることで、経路は搬送軌道を含む。
【0015】
経糸コイル装置また縦糸ボビンを通過するために使用可能である製織面は、シャットルを搬送または案内するための幾何学的に定められた円形無限軌道によって半径方向に基本的に限定され、さらに、シャットルにおける横糸の進路によって定められる。
【0016】
円形無限軌道に沿って回転するシャットルにおける横糸の偏向のない進路の場合、製織面は、円形無限軌道に囲まれ、かつ横糸が作動する円板状になる。
【0017】
円形無限軌道は好ましくは、芯糸の織軸に対して半径方向に(織軸に垂直に)配置され、これによって、円形織機は特に細く設計される。
【0018】
しかしながら、織機のある特定の適用性について、円形無限軌道を(織軸に対して90度以外の角度で)ある程度半径方向に配置することが有利である場合がある。それゆえに、このように形成される製織面は、(織軸に対して90度以外の角度で)織軸に垂直におよびある程度半径方向に配向させることができる。
【0019】
場合によって、シャットルにおける横糸は、円形無限軌道内で偏らせることができる。この場合、横糸の進路によって定められる円形無限軌道に囲まれる製織面は、平坦な円板形状から外れる。そして、製織面は、緯糸の偏向に従って偏る。
【0020】
縦糸ボビンを有する経糸コイル装置は、好ましくは、製織面の直近に、とりわけ、製織面の横に位置して、経糸コイル装置および縦糸ボビンを、短距離でほとんど労力なく製織面を通して前後に繰り返し移動させることができるようにするのに対し、シャットルの通過は、経糸コイル装置および/または縦糸ボビンの転回位置によって保証される。
【0021】
縦糸は、縦糸ボビンの位置を変更することによって交互に相対する方向に広げることができることで縦糸開口が生じるようにすることによって、縦糸は縦糸開口を通過する横糸によって波状になり、経路に沿って運搬されるシャットルの横糸ボビンから引き抜かれる。
【0022】
経糸ボビンが位置を変更する順序および動作周期に応じて、多種多様の製織パターンを生じさせることができる。
【0023】
経路に囲まれる製織面を通して経糸コイル装置または経糸ボビンを直接横方向に移動させることによって、縦糸は、シャットルの送り軌道または案内軌道を接触せずに横断することができる。シャットルの送り軌道または案内軌道は、横切る縦糸がなく、糸案内のためのいずれの凹部も必要としない。遮ることのない同種の搬送または案内軌道の結果、シャットルは、横糸の高張力を維持しながら、非常に迅速に低振動レベルで循環することができる。
【0024】
縦糸は、短い経路を介して、できるだけ偏らずに、製織点に直接送り込まれ、この箇所において、縦糸は芯糸の表面上で横糸と共に織られ(波状になり)、これによって、縦糸の糸摩損が大幅に低減され、高い糸張力が可能になる。
【0025】
縦糸を横方向に広げることは、製織面に対する縦糸ボビンを可変的に位置決めすることに影響される可能性があり、シャットルの貫通経路をもたらすことによって、製織面に対する縦糸の角度が可能な限り平坦になり(製織角度)、それによって、縦糸の糸張力は、縦糸ボビンが位置を変更する時、大部分が一定のままになるように、さらに最適化可能である。
【0026】
本発明による円形織機の幾何学的設計は、とりわけ、経糸コイル装置または経糸ボビンの位置決め軌道に対してシャットルを搬送または案内するための円形無限軌道の直径を大きくすることを可能にすることによって、製織面に対する縦糸案内の非常に小さい角度(製織角度)は、結果的に、糸張力におけるとりわけ顕著な均質性を保証するように実現可能である。
【0027】
その結果、高い製織品質を有する密に織られた織地は、横糸および縦糸の高い糸張力下での非常に速い循環速度で糸を破損させずに製作可能である。
【0028】
また、本発明による円形織機の動作は、より効率的になる。
【0029】
高い緯糸および経糸の張力の実現可能性により、本発明による円形織機は、密に織られる糸を変化する芯糸の輪郭に対する輪郭に忠実に置くことができるため、とりわけ、軸方向伸長における可変の断面形状を有する芯糸に適している。固定され静止した織地による起伏のある芯糸を織るために、芯糸は、この回転軸方向(芯糸軸)に、または円形織機の合同な織軸に沿って移動させることで、芯糸の完全な輪郭を移動させることができる。縦糸が、芯糸の表面上で横糸と共に織られる製織点は、芯糸の縦軸に沿って移動する。
【0030】
横糸および縦糸の慎重な案内により、異なる繊維厚のさまざまな撚り糸、リボン、または繊維材料は、過敏な炭素繊維などの横糸または縦糸として、また幅広い平坦なリボンまたは他の紡織ストランドとして使用可能である。使用される経糸ボビンおよび緯糸ボビンはまた、異なる繊維厚の異なる撚り糸、テープ、または繊維材料を備えることができる。
【0031】
最後になるが、本発明による円形織機は、繊維複合製品へのさらなる加工のために、例えば、繊維複合材料からできた車輪リムに対する織物プリフォームの製作のために、繊維からの中空形状織地プリフォームの製作に適している。
【0032】
円形織機のコンパクトな同心設計は、両側での製織面および芯糸への幅広いアクセスをもたらし、それによって、芯糸は、ハンドリングロボットなどの機械的手段によって両側から円形織機内に挿入または除去可能になる。同心設計によって提供される自由空間によって、とりわけ大きい直径を有する芯糸を使用することが可能になる。
【0033】
本発明による織機の有利な実施形態では、いくつかの円形無限軌道(搬送用軌道および/または案内軌道)は使用可能であり、この軌道のそれぞれに沿って、1つまたは複数のシャットルは搬送または案内され、該軌道のそれぞれは、縦糸ボビンが交互にかつ反復して通過する製織面を備える。組み合わせられた円形無限軌道は、異なる方向および回転周期を有するいくつかのシャットル、異なる糸、テープまたは繊維材料の並列動作を可能にすることで、多数の異なる横糸を同時に加工できるようにし、さらなる多種多様の可能な製織パターンおよび織地特性をもたらす。
【0034】
シャットルを搬送または案内するための円形無限軌道(搬送用軌道または案内軌道)は、好ましくは、互いに並列に配置可能であるが、異なる方向での整列も可能である。とりわけ、半径方向に配向された製織面、およびある程度半径方向に配向された製織面両方は、織軸に対して組み合わせ可能である。
【0035】
歪みを有するおよび有さない追加の製織面は、偏向を統合した円形無限軌道の組み合わせが提供される場合、組み合わせ可能である。
【0036】
円形織機の追加の有利な実施形態に基づいて、シャットル(複数可)を案内するための円形無限軌道は環状案内軌道(案内軌道)によって形成され、この軌道においてまたはこの上で、少なくとも1つのシャットルが案内される。
【0037】
この場合、シャットル(単数または複数)は、円形無限軌道を画定してこれに沿ってシャットル(複数可)が循環するようにする環状案内軌道(案内軌道)においてまたはこの上で、転動要素または摺動要素によって作動し、経糸コイル装置または縦糸ボビンは、シャットルが、環状案内軌道の内部によって半径方向に囲まれ、かつ、環状案内軌道内の横糸の進路によって形成される製織面を通過する前または後に、製織面を通って移動する。
【0038】
この実施形態では、経糸は、案内軌道の経路、またはシャットルの通路に決して影響を与えることなく、製織面の両側で経糸コイル装置または縦糸ボビンの位置を変更することによって交互に分離される。
【0039】
縦糸ボビンは好ましくは、製織面のこの半径方向伸長を限定する環状案内軌道の半径方向内側境界近くで製織面を横断することができる。
【0040】
案内軌道は、例えば、シャットル(複数可)が、案内軌道によって半径方向に境界される円形無限軌道内で、ひいては製織面内で循環する内部ロータ軌道として設計可能である。案内軌道はまた、シャットル(複数可)が、案内軌道によって半径方向に境界される円形無限軌道外で、ひいては製織面外で回転する外部ロータ軌道として設計可能である。シャットル(複数可)が案内軌道内で統合されるため、製織面では循環しない実施形態も考えられる。
【0041】
全ての場合において、案内軌道は、連続的な途切れない走路を供給し、これによって、シャットルは、一様に高い糸張力によって振動なく循環できるため、速い製織速度で均質の製織動作が達成される。
【0042】
回転するシャットルが円形無限軌道および製織面外で移動する外部摺動軌道として案内軌道が設計される場合、製織面を、横糸ボビンの横糸のみが通過するため、縦糸ボビンを含む経糸コイル装置は製織面のより近くに置かれ得る。これによって、円形織機はさらに一層コンパクトになる。他方では、製織面に対する縦糸の最大製織角度は一層小さくなるため、糸張力の均質性はさらに改善される。最後に、縦糸ボビンの移行経路はまた、一層短くなることで、より速い製織速度が生じる。
【0043】
案内軌道は複数の副軌道を備えるという有利点を有する。
【0044】
この場合、シャットルは、2つ以上の副軌道からなる複部構成案内軌道によるこの円形無限軌道(案内軌道)に沿って案内され、それによって、シャットルの案内は改善されるため、シャットルは大部分が振動および雑音なく走行できるようになる。間隔をあけた軌道間の空間は、例えば、横糸を、外部ロータ案内軌道を通過させることができる、または、例えば、シャットル駆動装置のアクセスを可能にする。
【0045】
1つの有利な実施形態に基づいて、シャットル(複数可)はそれぞれ、直接駆動によって、ひいては個々に駆動される。案内軌道においてまたはこの上で回転するシャットル(案内軌道)は、特殊設計される製織パターンを形成するために個々に制御可能であるため、互いに独立して、および一時的に異なる速度および方向で作動できる、または一時的に停止させてよい。
【0046】
代替的には、シャットル、好ましくはいくつかのシャットルは、回転可能に装着された被動運搬装置によって、個々にまたは共に駆動可能である。このタイプの駆動によって、案内軌道に沿って作動するシャットル(案内軌道)は、運搬装置のさまざまな運搬要素によって駆動可能である。これによって、いくつかのシャットルは、同時に、互いから一定の距離で循環可能となることで、直接駆動と比較して、シャットル駆動に必要とされる設計努力および空間は最小限に抑えられる。運搬装置は、リング状運搬リングとして設計可能である。
【0047】
本発明による円形織機の代替的で有利な実施形態に基づいて、シャットル(複数可)を案内するための円形無限軌道は、好ましくは機枠に回転可能に装着される環状ロータ(搬送経路)によって形成され、このロータに、少なくとも1つのシャットルは装着されるため、ロータによって搬送可能である。
【0048】
この実施形態では、環状ロータ(ロータリング)に取り付けられる1つまたは複数のシャットルは、ロータリングによって定められる共通の円形無限軌道に沿って搬送される。案内軌道を有する実施形態と違って、シャットルは、経路(案内軌道)に沿って能動的に案内されないが、経路(搬送軌道)との固定された連結で受動的に搬送される。
【0049】
経糸コイル装置または縦糸ボビンは、製織面を半径方向に限定するロータリングの内部を通過することによって、縦糸は、ロータリングまたはシュータの回転に決して影響を与えることなくロータリング内の横糸の進路によって定められる製織面の両側の縦糸ボビンの位置を反復的に変更することによって、交互に分離される。
【0050】
経糸コイル装置または縦糸ボビンは、好ましくは、製織面を半径方向に限定するロータリングの半径方向内側境界近くで製織面を横断できる。
【0051】
ロータリングは、全ての装着されたシャットルを案内しかつ駆動させるように、一方では案内として、他方では駆動機構として機能する。別個の案内軌道および駆動を必要としないことで、設計努力が小さくて済む。
【0052】
ロータリングは、枠に付けられるモータによって中央でまたは分散して駆動可能である。
【0053】
とりわけ、均質の振動のない製織動作は、シャットルがいずれの転がりまたは摺動抵抗もなく回転する状況により、速い回転速度で達成される。
【0054】
とりわけ大きい緯糸ボビンは、ロータリングへのシャットルの安定的な取り付けの観点から使用可能である。
【0055】
シャットル(単数または複数)は、ロータリング内に半径方向に配置可能であるため、ロータリングによって境界される製織面内で循環できる。この場合、経糸コイル装置または経糸ボビンは、製織面において回転するシャットルの循環空間を考慮して、製織面の横に位置決め可能である。
【0056】
シャットル(単数または複数)はまた、ロータリングの外部に半径方向に配置可能であるため、ロータリングによって境界される製織面外で循環できる。
【0057】
シャットルのこの実施形態では、例えば、横糸は、それぞれのロータリングにおける糸道を通して内方に、かつ製織面内に送り込み可能である。
【0058】
シャットルがロータリングの外側に半径方向に配置され、その後、円形無限軌道によって境界される製織面外に移動する場合、外部ロータ案内軌道を有する設計に類似した製織面は、横糸ボビン自体の横糸を通過させるのみであるため、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置を、シャットルの回転空間を考慮に入れる必要なく、製織面の隣りに直接置くことができる。これによって、本明細書に言及される外部ロータ案内軌道を有するものと同じ利点がもたらされる。
【0059】
ロータリング上のまたはこれにおけるシャットル(複数可)の横方向または一体的配置も考えられ、これによって、シャットル(複数可)はさらに、製織面において循環しない。
【0060】
シャットル上の緯糸ボビンの配置の好ましい実施形態では、緯糸ボビンの回転軸は、シャットルの回転方向における織軸を中心にして配置される。換言すれば、緯糸ボビンの回転軸は、シャットルの回転の接線方向にある。シャットルの循環はそのように、円形織機全体がよりコンパクトに作られ得るように空間効率が良い。
【0061】
代替的には、織軸に垂直に緯糸ボビンの回転軸を配置することによって、緯糸ボビンが通過する時、緯糸ボビンと、経糸コイル装置または経糸ボビンとの重複が小さくなるようにし、かつ、経糸コイル装置および/または経糸ボビンの位置変更に対してより大きい空間および時間はそのままにすることは、有利である場合がある。
【0062】
使用される紡織材料および所望の製織結果に応じて、経糸ボビンの回転軸を、織軸に実質的に平行に(ひいては、製織面に実質的に垂直に)、または、織軸に対して実質的に接線方向に(ひいては、製織面に実質的に平行に)配置することは、有利である場合がある。これらの実施形態において、縦糸は、経糸ボビンから接線方向に、ひいては、いずれの偏向もなく引き抜かれ、このことは、高弾性率炭素繊維などの非常にもろい繊維を使用する時に有利点となる。
【0063】
円形織機の1つの有利な実施形態は、経糸ボビンを有する経糸コイル装置の走行路が、製織面を通して一定の半径による円弧の形で設計されるように設計される。
【0064】
経糸ボビンを有する経糸コイル装置の製織面を通るこのような移動は、縦糸ボビンの走行距離全体にわたって、縦糸ボビンから製織点までの縦糸の長さを一定に維持することで、縦糸ボビンの送り出しまたは受け入れ中の糸張力におけるいずれの変動も、縦糸を広げる時に回避可能である。これによって、とりわけ、均質のしっかりとした織地を作り出すことができる。
【0065】
円形織機の1つのとりわけ有利な実施形態は、経糸ボビンを有する経糸コイル装置が、製織面の側部へ走行路に沿って移動可能であるように設計される。
【0066】
円形織機のこの実施形態に基づいて、経糸ボビンを有する経糸コイル装置は、製織面を通って、および、製織面のそばで、好ましくは、製織面に平行に移動可能である。
【0067】
経糸ボビン(複数可)を有する1つまたは複数の経糸コイル装置は、一部分でまたは完全に、循環的にまたは連続的に、反復するようにまたは交互に、および、互いからかつ織軸から可変の距離で、円形織機の周囲に案内可能である。
【0068】
これによって、織軸に対する縦糸のいずれの可変の進行も生じさせることができ、これによって、円形織機によって達成できる織地構造および織地パターンの可能な変化が大幅に拡がる。
【0069】
構造的に有利な設計によって、経糸コイル装置が位置決め装置によって経糸ボビンと共に移動可能になり、かつ画定された交互位置に位置決め可能になる。位置決め装置は、側部を交互に変更し、かつ縦糸を分割するために、所定の走行路に沿って、かつ異なるように調節可能な交互位置へと、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置を移動させる。
【0070】
位置決め装置は、例えば、搬送または案内軌道の枠において、円形織機の機械ハウジングの枠に固定可能である、または、該枠に移動可能に取り付けもできる。位置決め装置は、経糸コイル装置または縦糸ボビンを移動させかつ位置決めするための手段を有する。
【0071】
位置決め装置の実際的な実施形態では、該装置は、少なくとも1つの可動型ボビングリッパおよび1つの静止型ボビングリッパを有する。この場合、可動型ボビングリッパは、1つの変更位置から別の変更位置までの縦糸ボビンの交互移行に役立ち、静止型ボビングリッパは、変更位置のうちの1つにおいて、縦糸ボビンを一時的に固定またはロックする。
【0072】
可動型ボビングリッパは、例えば、アクチュエータによって駆動される案内歯車ロッド(案内ロッド)によって、移動可能である。これによって、製織面の両側での経糸ボビンの位置の直線的で迅速な変更が可能になる。
【0073】
1つのとりわけ有利な実施形態では、位置決め装置は、代替的には、少なくとも2つの可動型ボビングリッパを有する。これは、両方の経糸ボビンが1つの変更位置から移行可能であり、かつ経糸ボビンが、走行路に沿って他の変更位置に同時にかつ途中まで移行可能あり、逆もまた同様であることを意味する。可動型ボビングリッパは、縦糸ボビンの送り出し/受け入れのために互いの方へ移動することで、それぞれの可動型ボビングリッパが及ぶ距離、ひいては走行時間は半分に低減される。その結果、シャットルの循環路に必要とされる時間は、縦糸ボビンを通過するボビングリッパを介して短くなり、これによって、シャットルの回転速度またはシャットルを循環させる回数を増加させることができる。
【0074】
2つの可動型ボビングリッパと静止型ボビングリッパとの組み合わせおよび相互作用において、縦糸ボビンは、例えば、互いに隣り合わせて配置される2つの円形無限軌道(搬送軌道および/または案内軌道)を有する設計における2つの製織面間の中間位置への送り出しまたは受け入れといった、一部分での送り出しまたは受け入れが可能である。
【0075】
縦糸ボビンを有する経糸コイル装置を位置決めするための位置決め装置の設計を、いくつかの可動型ボビングリッパおよびいくつかの静止型ボビングリッパによって拡張することができる。
【0076】
円形織機のとりわけ有利な実施形態において、位置決め装置は、ハンドリングロボットを有する、または、ハンドリングロボット上に配置される。
【0077】
位置決め装置がハンドリングロボットを有する場合、ボビングリッパ、ひいては、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置を案内および位置決めするために、全ての自由度が使用可能である。
【0078】
位置決め装置がハンドリングロボット上に配置される場合、位置決め装置の可動型ボビングリッパの製織面を通る直線運動は、製織面に対して横方向の位置決め装置に対する、自由に選択可能な走行または位置変更と組み合わせ可能であることで、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置に対するかなり多くの走行路の組み合わせが生じる。
【0079】
円形織機の別の有利な実施形態では、位置決め装置は、織軸を中心に回転するように装着される経糸ボビンリング上に配置される。これによって、位置決め装置は、簡易な方法を使用して、織軸を中心にして画定された半径に沿って製織面に対して横方向に回転可能となる。
【0080】
いくつかの位置決め装置を、経糸ボビンリング上に置くことができ、かつ互いに対しておよび織軸に対して固定された距離で同時に移動可能である。
【0081】
経糸ボビンリング、ひいては縦糸ボビンを有する経糸コイル装置の移動は、駆動装置によって時計回りまたは反時計回りに、連続的にまたは不連続的に調節可能である。
【0082】
この設計によって、例えば、いくつかの位置決め装置の可動型ボビングリッパの製織面を通る直線運動を、製織面に対して横方向の位置決め装置の回転運動と組み合わせることができ、それによってまた、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置に対する多数の案内軌道の組み合わせが生じる。
【0083】
追加の設計に基づいて、交互位置において、織軸からの、縦糸巻きを有する経糸コイル装置の外側輪郭の半径方向距離および/または位置決め装置の外側輪郭の半径方向距離は、織軸からのシャットルの内側輪郭の半径方向距離より小さくなってよい。
【0084】
製織面における緯糸ボビンを中心として周転するシャットルが縦糸ボビンを有する経糸コイル装置および/または位置決め装置より大きい半径によって織軸から分離されるという、互いに対する機械要素のこの配置では、シャットルと、縦糸ボビンを有する経糸コイル装置および/または位置決め装置との間のサイズおよび距離は、横糸ボビンの必要な回転空間を妨害せずに、互いに影響を与えることなく選択可能である。
【0085】
この件において、例えば、緯糸ボビンのサイズは、大部分が、縦糸ボビンまたは位置決め装置によって必要とされる空間とは無関係に選択可能であり、逆もまた同様である。さらに一層大きい直径を有する緯糸ボビンは、経糸コイル装置と経糸ボビンとの間の横方向距離、または位置決め装置と製織面との間の横方向距離を増大させる必要なく使用可能である。大きい緯糸ボビンおよび縦糸ボビンによって、途切れない製織時間を増大させることができる。
【0086】
逆に、機械要素は、とりわけ、コンパクトで場所を取らないように配置されるが、これは、経糸コイル装置または経糸ボビンが、緯糸が通過する製織面の隣りに直接位置決め可能であるからである。
【0087】
経糸コイル装置または縦糸ボビンに対する、結果として短くなった移行経路、および、ボビングリッパに対して、関連して短くなった移行時間はまた、製織速度を増大させることができる。
【0088】
さらに、これによって、製織面に対する縦糸のとりわけ小さい製織角度が生じ、これによって、縦糸ボビンの位置を変更する時にほぼ一定の糸張力が保証され、また、均質のピンと張った織地が作り出される。
【0089】
代替的には、シャットルの外側輪郭の織軸からの半径方向距離は、経糸コイル装置の内側輪郭と縦糸ボビンとの間の半径方向距離、および/または位置決め装置の内側輪郭の織軸からの半径方向距離より小さくてよい。
【0090】
これによって、機械要素の互いに対する場所を取らないコンパクトな配置に関する別の有利な変型がもたらされる。
【0091】
例えば、緯糸ボビンと共に製織面において回転するシャットルは、円形無限軌道から半径方向に間隔をあけることが可能であり、この軌道に沿って、シャットルは伸長支持部によって案内または搬送されることで、経糸ボビンを有する経糸コイル装置または位置決め装置は、円形無限軌道とシャットルとの間の製織面の半径方向領域において動作可能である。
【0092】
経糸ボビンを有する経糸コイル装置または位置決め装置は、よって、製織面において回転するシャットル保持部の通し送りに対して適度の空間が残されるように、および、縦糸の杼口の広がりにより、シャットルの通し送りに対して適度の空間が残されるように製織面の近くに位置決め可能である。
【0093】
この配置において、シャットルは、とりわけ、より低い遠心力を受ける。これは、円形織機が、より速いシャットル速度、ひいてはより速い製織速度と同時に、より少ない振動で動作可能であることを意味する。さらに、機枠は、低減した遠心力により、より軽量に作られ得る。低減した遠心力はまた、繊維材料のずれを防止する。
【0094】
円形織機の追加の有利な実施形態によると、緯糸ボビンはハンドリングロボットによって任意のシャットル上に配置可能である。これによって、緯糸ボビンの自動化交換、とりわけ、織地を製作する時の異なるシャットル上での横糸を有する緯糸ボビンの随意の位置決めが可能になる。
【0095】
これによって、円形織機の動作がさらに一層効率的になり、製作可能である製織パターンおよび織地特性の多様性がさらに増大する。
【0096】
好ましくは、芯糸は軸方向に移動可能および/または回転可能である。
【0097】
軸方向に移動可能な設計の場合、芯糸は、この芯糸軸、または製織点に対する円形織機の織軸に沿って移動可能であることで、芯糸上にとどまる布帛を作り出すことができる。これは、布帛が、現状技術を使用する従来のホース除去の場合のように、芯糸によって搬送されることなく、静止するように芯糸に加えられることを意味する。製織後、仕上げられた織地は、芯糸から除去可能である、または、芯糸を有する円形織機から除去可能である。これによって、それぞれの場合に使用される芯糸に従って設計される個々の中空形状タイプの織物製品を製作することが可能になる。
【0098】
組み合わせた実施形態の場合、芯糸はまた、芯糸上での織軸に対する縦糸(および横糸)の対応する角度位置をもたらすように軸方向運動中に回転可能であり、このことは、ねじり応力を受ける織地または構成要素の荷重負担能力に対して、とりわけ好適である。
【0099】
追加の実施形態によると、芯糸が可変の断面形状を有することになることが考えられる。織地における高く一様な糸張力を達成することによって、個々の中空形状織物製品は、芯糸の断面輪郭に対して密になる織地で製作可能である。最後に、芯糸は、製織品の所望の形状を正確に対応付けるように使用できる。
【0100】
芯糸が複部構成である場合、仕上げられた織地、とりわけ、可変の断面輪郭を有する織地は、芯糸からより容易に除去可能である。
【0101】
装置要件のうちの1つに従って円形織機によって中空形状織地を製作するための方法はまた、本発明に従って提供されて定められた課題を解決することで、上述される装置の有利点を対応する手順の有利点に変える。
【0102】
方法の有利な実施形態に基づいて、芯糸は、連続的にまたは不連続的に、この芯糸軸の方向で軸方向に、または円形織機の合同な織軸に沿って移動させる、および/または、この芯糸軸を中心として、または製織工程中の織軸を中心にして回転させる。言及される芯糸の軸方向および回転運動はまた、対応する、相対する後方運動を含む。
【0103】
前述に基づいて、芯糸に対する製織点の位置決めは、広範囲に可変であるため、芯糸に沿った織り糸の、密度、織地の層、および配向は変えることができ、異なる織地の密度、織地の層、および織地の構造を有するある特定の織地を製作することができる。
【0104】
方法の好ましい実施形態に基づいて、芯糸は、円形織機の両側から挿入および除去可能である。円形織機の一貫して同心の設計の結果として、この範囲は、円形織機に対する芯糸の連続的なまたは不連続的な送り込みおよび解放のために、円形織機の両側で使用可能である。移動についてのこのオプションは、芯糸に対して変更工程を自動化するために有益な条件を提供する。
【0105】
これは、円形織機において移動させる芯糸が、自動インライン工程または戻りライン工程のどちらかで変更可能であることを意味する。
【0106】
方法の1つの実施形態によると、型、および強化芯として芯糸を使用することは、技術的に有利である場合がある。
【0107】
この目的のために、製作される中空形状織地は、さらなる加工のために芯糸上に残され、円形織機からの芯糸の除去後、芯糸と共にさらなる加工が即刻行われる。
【0108】
さらなる加工は、樹脂による製作された織地の含浸、および、含浸された織地のさらなる強化を含むことができ、これによって、芯糸は続けて型および強化芯としての役割を果たす。このさらなる処理が行われて初めて、芯糸から離型された、硬化した中空形状織地製品が仕上がる。
【0109】
代替的には、製作された織地を、芯糸から除去される前に少なくとも本質的に安定した状態にすることができ、かつ、中空形状織地製品になるように、本質的に安定した中空形状織地プリフォームとしてさらに加工することができる。織地プリフォームの本質的な安定性は、例えば、織られる糸を共に結合する結合剤を加えかつ溶融することによって達成可能である。
【0110】
特許請求の範囲、代表的な実施形態の説明、および図面からもたらされるこれらのおよび他の特徴は、本明細書において保護が求められる本発明の有利な実施形態として、個々にまたは組み合わせて実現可能である。
【0111】
本発明による装置について、代表的な実施形態によって以下に詳細に説明する。概略的に表す関連図面は以下の図を示している。