特許第6827138号(P6827138)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6827138チラシ受発注仲介サーバ、チラシ発注支援サーバ及びチラシ受発注方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6827138
(24)【登録日】2021年1月20日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】チラシ受発注仲介サーバ、チラシ発注支援サーバ及びチラシ受発注方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20210128BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20210128BHJP
【FI】
   G06Q30/02 398
   G06Q30/06 312
   G06Q30/02
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-65328(P2020-65328)
(22)【出願日】2020年3月31日
【審査請求日】2020年4月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507043531
【氏名又は名称】株式会社フューチャースコープ
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本琢志
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2020−030763(JP,A)
【文献】 特開2018−180104(JP,A)
【文献】 特開2012−044262(JP,A)
【文献】 特開2018−097584(JP,A)
【文献】 特開2001−229186(JP,A)
【文献】 特開2007−219511(JP,A)
【文献】 特開2015−079295(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0274022(US,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−0555434(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チラシを発注する発注者が所有する発注者端末とチラシ頒布請負業者サーバと携帯型情報処理端末の位置と日時とが対応付けられた行動データを蓄積する行動データ蓄積サーバに対して公衆電子的通信回線網を介して接続されたチラシ受発注仲介サーバにおいて、
記発注者端末から店舗の位置に関するデータを受信する手段と、
前記受信された店舗の位置に関するデータを含む前記店舗に来店した来店者に関する行動データの取得要求を前記行動データ蓄積サーバに送信する手段と、
前記行動データ蓄積サーバから受信した前記店舗の来店者に関する行動データを記憶する手段と、
前記記憶された前記店舗の来店者に関する行動データにおいて特定の時刻又は所定の時間帯に対応付けられている位置を前記来店者が居住している居住位置として推定し、前記来店者の居住位置に関する密度分布図を生成する手段と、
前記密度分布図を地図に重ねたヒートマップに関するデータを、前記発注者が前記店舗に来店したことのある来店者が比較的多く居住する地域を前記チラシの頒布エリアとして決定するための支援情報として前記発注者端末に送信する手段と、
前記発注者端末の画面上に表示された前記ヒートマップ上で前記発注者により指定された前記頒布エリアに関するデータと前記チラシの入稿データとを含む発注データを受信する手段と、
前記発注データを前記チラシ頒布請負業者サーバに転送する手段と、を具備するチラシ受発注仲介サーバ。
【請求項2】
前記頒布エリアに関するデータを前記チラシ頒布請負業者サーバに送信する手段と、
前記チラシ頒布請負業者サーバから前記頒布エリアにチラシを頒布する費用の見積データを受信する手段と、
前記見積データを前記発注者端末に送信する手段と、をさらに具備する、請求項1記載のチラシ受発注仲介サーバ。
【請求項3】
チラシを発注する発注者が所有する発注者端末とチラシ頒布請負業者サーバと携帯型情報処理端末の位置と日時とが対応付けられた行動データを蓄積する行動データ蓄積サーバとに対して公衆電子的通信回線網を介して接続されたチラシ発注支援サーバにおいて、
前記発注者端末から店舗の位置に関するデータを受信する手段と、
前記受信された店舗の位置に関するデータを含む前記店舗に来店した来店者に関する行動データの取得要求を前記行動データ蓄積サーバに送信する手段と、
前記行動データ蓄積サーバから受信した前記店舗の来店者に関する行動データを記憶する手段と、
前記記憶された前記店舗の来店者に関する行動データにおいて特定の時刻又は所定の時間帯に対応付けられている位置を前記来店者が居住している居住位置として推定し、前記来店者の居住位置に関する密度分布図を生成する手段と、
前記密度分布図を地図に重ねたヒートマップに関するデータを、前記発注者が前記店舗に来店したことのある来店者が比較的多く居住する地域を前記チラシの頒布エリアとして決定するための支援情報として前記発注者端末に送信する手段と、
を具備するチラシ発注支援サーバ。
【請求項4】
チラシを発注する発注者が所有する発注者端末とチラシ頒布請負業者サーバとに対して公衆電子的通信回線網を介して接続されたチラシ受発注仲介サーバにおいて、
前記発注者が指定した店舗に来店した来店者に関する、携帯型情報処理端末の位置と日時とが対応付けられた行動データから特定の時刻又は所定の時間帯に対応付けられている位置を前記来店者が居住している居住位置として推定する手段と、
前記居住位置を地図上に重ねたヒートマップを生成する手段と、
前記ヒートマップに関するデータを、前記発注者端末に送信する手段と、
前記発注者端末から、前記発注者端末の画面上に表示された前記ヒートマップ上から前記発注者により指定された前記チラシの頒布エリアに関するデータと前記チラシの入稿データとを含む発注データを受信する手段と、
前記発注データを、前記チラシ頒布請負業者サーバに転送する手段と、
を具備するチラシ受発注仲介サーバ。
【請求項5】
チラシを発注する発注者が所有する発注者端末とチラシ頒布請負業者サーバと携帯型情報処理端末の位置と日時とが対応付けられた行動データを蓄積する行動データ蓄積サーバに対して公衆電子的通信回線網を介して接続されるチラシ受発注仲介サーバが実行するチラシ受発注方法であって、
前記発注者端末から店舗の位置に関するデータを受信し、
前記受信された店舗の位置に関するデータを含む前記店舗に来店した来店者に関する行動データの取得要求を前記行動データ蓄積サーバに送信し、
前記行動データ蓄積サーバから受信した前記店舗の来店者に関する行動データにおいて特定の時刻又は所定の時間帯に対応付けられている位置を前記来店者が居住している居住位置として推定し、前記来店者の居住位置に関する密度分布図を生成し、
前記密度分布図を地図に重ねたヒートマップに関するデータを、前記発注者が前記店舗に来店したことのある来店者が比較的多く居住する地域を前記チラシの頒布エリアとして決定するための支援情報として前記発注者端末に送信し、
前記発注者端末の画面上に表示された前記ヒートマップ上で前記発注者により指定された前記頒布エリアに関するデータと前記チラシの入稿データとを含む発注データを受信し、
前記発注データを前記チラシ頒布請負業者サーバに転送する、チラシ受発注方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チラシ受発注仲介サーバ、チラシ発注支援サーバ及びチラシ受発注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットが普及した現代においても、企業の販促手段として、チラシの頒布が多く利用されている。チラシを頒布する方法としては、新聞に折り込むことでチラシを頒布する新聞折込や家庭のポストに直接投函するポスティング等がある。いずれの方法においても、店舗のチラシを発注する発注者は、新聞折込やポスティングを請け負う業者に依頼することで、チラシを頒布することができる。上記のような業者に依頼する際、発注者は、チラシの入稿データを準備するとともにチラシの頒布先を決めなければならない。チラシの頒布先の決定は、チラシによる販促効果を左右する重要な要素である。発注者の店舗に全く興味のない消費者にチラシを届けるよりも、店舗に来店歴がある消費者や周辺の競合店舗に来店歴がある消費者などの、その店舗に一定の興味がある、いわゆる見込み客にチラシを届けた方が、チラシによる宣伝効果は高く、無駄なチラシの頒布を抑えられる。しかしながら、発注者は、何となく自店舗周辺のエリアを頒布エリアとして指定するにとどまっている。そのため、見込み客が少ないエリアにチラシを頒布してしまい、チラシによる宣伝効果が小さい場合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、チラシの頒布効果を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係るチラシ受発注仲介サーバは、チラシ発注者端末とチラシ頒布請負業者サーバとに対して公衆電子的通信回線網を介して接続される。チラシ受発注仲介サーバは、携帯型情報処理端末の位置と日時とが対応付けられた行動データを記憶する手段と、発注者端末から店舗の位置に関するデータを受信する手段と、店舗の来店者の居住位置に関する密度分布図を行動データに基づいて生成する手段と、密度分布図に関するデータを発注者端末に送信する手段と、発注者端末からチラシの頒布エリアに関するデータとチラシの入稿データとを含む発注データを受信する手段と、発注データをチラシ頒布請負業者サーバに転送する手段と、を具備する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、チラシの頒布による店舗の宣伝効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態に係るチラシ受発注仲介サーバを含むチラシ頒布システムの構成を示す図である。
図2】本実施形態に係るチラシ受発注仲介サーバの構成を示すブロック図である。
図3図2の記憶部に記憶される発注者管理表を示す図である。
図4図1の発注者端末に表示されるチラシ発注画面の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係るチラシ受発注仲介サーバのチラシ受発注処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本実施形態に係るチラシ受発注仲介サーバは、チラシを発注する発注者と新聞の折込チラシの印刷、頒布を請け負うチラシ頒布請負業者との間を仲介するサーバであって、発注者が所有する発注者端末からチラシの注文を受信し、チラシ頒布請負業者が所有する請負業者サーバに注文を送信するための各種機能を備える。チラシ受発注仲介サーバの1つの特徴は、チラシの注文に際し、発注者によるチラシの頒布先の決定を支援する機能を備えることにある。それにより、チラシの頒布効果を向上させることができる。
【0008】
以下、図面を参照して本実施形態に係るチラシ受発注仲介サーバ10を説明する。
(チラシ受発注仲介サーバ10を含む全体システムの構成)
図1に示すように、チラシ受発注仲介サーバ10は、チラシ発注者が所有する発注者端末20、携帯型情報処理端末の行動データを蓄積する行動データ蓄積サーバ40、チラシの印刷、頒布を請け負うチラシ頒布請負業者サーバ30に対して、インターネットを含む公衆電子的通信回線網(ネットワーク)100を介して通信可能に接続されている。
【0009】
発注者端末20は、例えばスマートフォン、携帯電話機、モバイルPC(Personal Computer)、タブレット端末など、無線通信機能が搭載された情報処理端末である。発注者は、発注者端末20を介して、チラシ発注サイトにID、パスワードを使ってログインし、その画面上の操作によりチラシを発注することできる。
【0010】
チラシ頒布請負業者サーバ30は、チラシを頒布する新聞社が所有する新聞社サーバ50、印刷したチラシを新聞販売店に配送する印刷業者が所有する印刷会社サーバ60に対して、インターネットを含むネットワーク100を介して通信可能に接続されている。チラシ頒布請負業者サーバ30は、新聞社毎の顧客リストを保持する。この顧客リストは、予め新聞社サーバ50から受信したものであって、少なくとも契約顧客の氏名、住所を含む。
【0011】
行動データ蓄積サーバ40は、行動データを記憶する。行動データは、例えば携帯型情報処理端末を識別することができる固有の端末IDに、携帯型情報処理端末の位置(例えば、緯度経度)を示す位置情報と、位置情報が取得された時刻を示すタイムスタンプとが関連付けられたデータである。
【0012】
典型的には、行動データは、10分等の一定の間隔(取得間隔)で周期的に取得されている。このように、携帯型情報処理端末の位置情報が周期的に取得された行動データから、携帯型情報処理端末を所有する所有者の移動経路を推定することができる。例えば、同じ位置を示す位置情報が連続して取得されている場合には、その位置情報が示す位置に携帯型情報処理端末(携帯型情報処理端末を所持している所有者)が滞在していることを判別することができる。携帯型情報処理端末が滞在している位置が、営業時間帯の特定の店舗の店舗位置であれば、携帯型情報処理端末を所持している所有者が、その特定の店舗に来店したことを推定することができる。携帯型情報処理端末が滞在している時間帯が、一般的な睡眠時間帯であれば、その位置情報が示す位置が、携帯型情報処理端末を所持している所有者の居住地であると推定することができる。なお、携帯型情報処理端末の位置情報は、端末IDに関連付けされているものであって、その携帯型情報処理端末を所有する所有者個人を特定する情報は関連付けされていない。それにより、携帯型情報処理端末の所有者のプライベートは確保し得る。
【0013】
(チラシ受発注仲介サーバ10の構成)
図2に示すように、チラシ受発注仲介サーバ10は、制御部11、記憶部13、入力部15、表示部17及び通信部19を備える。制御部11は、プロセッサ(CPU)やメモリを含み、メモリに記憶されたプログラムを実行することで各種の制御を行なう。制御部11により、チラシ受発注仲介プログラムが実行されることで、チラシ受発注の仲介に関わる各種機能が実現される。記憶部13には、発注者管理表のデータが記憶される。図3に示すように、発注者管理表では、発注者を特定する発注者IDに対して、自店舗に関する店舗情報(店舗名、位置情報)と競合店舗に関する店舗情報(店舗名、位置情報)が関連付けされている。また、記憶部13には、行動データ蓄積サーバ40から受信した行動データが記憶されている。この行動データは、発注者管理表において登録された店舗に来店した来店者に関するものである。なお、処理負荷は大きくなるが、記憶部13には、不特定多数の行動データが記憶されていてもよい。入力部15は、サーバ管理者等が各種情報を入力するための入力デバイス(キーボード、マウス等)を有する。表示部17は、制御部11の制御に従って、チラシ受発注処理に関連する設定画面等を表示する。通信部19は、制御部11の制御に従って、行動データ蓄積サーバ40、発注者端末20、チラシ頒布請負業者サーバ30等とデータの送受信を行う。発注者端末20との間のデータの送受信は、チラシ発注サイトを介して行われる。このチラシ発注サイトは、チラシ受発注仲介業者が管理するサイトである。このチラシ受発注仲介業者はチラシ受発注仲介サーバ10を管理している。
【0014】
(チラシ発注画面)
チラシ発注サイトにアクセスした発注者端末20には、図4に示すようなチラシ発注画面が表示される。チラシ発注画面には、ヒートマップ21、店舗選択リスト22、来店者条件リスト23、新聞社リスト24、見積結果25、入稿データ選択ボックス26及び発注ボタン27が含まれる。
【0015】
ヒートマップ21は、発注者により選択された店舗の来店者の居住位置に関する居住密度分布図を地図に位置整合して重ねたものである。例えば、居住密度分布図は、地図上で予め規定された格子状のエリア毎に来店者の居住数を集計し、エリア毎を居住数に応じた態様(色の濃淡、色の種類、ハッチング等)で表示したものである。例えば、図4に表示されたヒートマップ21において、エリア21c、21dは、来店者が居住している地域であることを示し、エリア21dはエリア21cよりも来店者の居住数が多いことを示している。
【0016】
ヒートマップ21には円形状の枠21aと店舗アイコン21bが重ねて表示される。この枠21a内に収まる地域がチラシの頒布エリアに対応する。もちろん、枠21aは1つである必要がなく、発注者の操作により複数の枠21aが表示させることもできる。また、枠21aは円形状に限定されることはなく、四角などの任意形状に発注者が指定することができる。店舗アイコン21bは、ヒートマップ21で表されている居住密度分布図の作成元となる来店者が来店した店舗の店舗位置を示す。発注者は、ヒートマップ21上で枠21aを移動させ、また拡大縮小しながら、店舗アイコン21bの位置を参考にしながら、チラシの頒布エリアを適宜変更することができる。なお、ヒートマップ21には、新聞を配達する新聞販売店の位置、新聞販売店の配達エリアが分かるように表示されていてもよい。この場合、発注者は、上記のような枠21aではなく、ヒートマップ21上に表示された新聞販売店を選択することで、頒布エリアを指定することができる。
【0017】
店舗選択リスト22及び来店者条件リスト23は、ヒートマップ21の作成元となる行動データの抽出条件を発注者が変更するために使用される。店舗選択リスト22には、発注者が予め登録していた店舗が含まれる。発注者により店舗Aが選択されたとき、店舗Aの来店者の行動データに基づいて、ヒートマップ21が作成され、作成されたヒートマップ21上には店舗Aの店舗位置に店舗アイコン21bが重ねられる。来店者条件リスト23には、最新の来店履歴、来店頻度などが含まれる。この他にも、特定の日にち、特定の曜日、特定の週などを含んでもよい。発注者により来店頻度「1回」が選択されたとき、店舗Aに月に1回以上来店した来店者の行動データに基づいてヒートマップ21が作成される。
【0018】
新聞社リスト24は、チラシの折り込み先の新聞社を発注者が選択するためのリストである。新聞を契約している顧客層及び契約数は新聞社毎に異なる。したがって、同じエリアを頒布エリアとして指定していても、折り込み先の新聞社が異なれば、頒布戸数は変動する。発注者は、チラシのターゲットとなる顧客を意識した上で、予算を考慮しながら、新聞社を選択することができる。見積結果25には、チラシの頒布戸数、見積額が含まれる。見積結果25は、発注者により指定された頒布エリア、発注者により選択された新聞社によって変動する。
【0019】
発注者は、頒布エリアの指定、折り込み先の新聞社の選択が完了した後、入稿データ選択ボックス26の操作により入稿データを入力し、発注ボタン27をクリックする。それにより、チラシの発注操作が完了され、発注者端末20からチラシ受発注仲介サーバ10に頒布エリア情報、新聞社情報及び入稿データを含む発注データが送信される。
【0020】
(チラシ受発注処理)
以下、図5を参照して、チラシ受発注仲介サーバ10によるチラシ受発注処理を説明する。
チラシ発注サイトの店舗登録画面上の発注者の操作により、対象となる店舗が登録されると、発注者端末20からチラシ受発注仲介サーバ10に店舗情報(店舗A,店舗B、店舗C)が送信される。チラシ受発注仲介サーバ10は、発注者端末20から店舗情報(店舗A,店舗B、店舗C)を受信すると、受信した店舗情報を図3に示す発注者管理表に登録する(S11)。そして、行動データ蓄積サーバ40に対して行動データ取得条件を設定する。行動データ蓄積サーバ40は、チラシ受発注仲介サーバ10から受信した行動データ取得条件を登録する。行動データ取得条件は、少なくとも「店舗情報(店舗名、位置情報)」を含む。この他にも、「行動データの必要期間」、「行動データの提供時刻」などが含まれてもよい。行動データ蓄積サーバ40は、行動データ取得条件に従って、行動データをチラシ受発注仲介サーバ10に送信する。例えば、「店舗情報」として「店舗A」、「店舗B」、「店舗C」が入力され、「行動データの必要期間」として「24時間」が入力され、「行動データの提供時刻」として「午前10時」が入力される。上記行動データ取得条件の下、行動データ蓄積サーバ40は、毎日午前10時に店舗Aの来店者の24時間(前日の午前10時から当日の午前10時まで)分の行動データ、店舗Bの来店者の24時間分の行動データ、店舗Cの来店者の24時間分の行動データをチラシ受発注仲介サーバ10に送信する。
【0021】
チラシ受発注仲介サーバ10は、受信した行動データを店舗毎に解析し、各店舗の来店者の居住位置を推定し、推定した来店者の居住位置を特定のエリア、例えば、地図中に既定されている格子状のエリア毎に集計する(S12)。来店者が確実に家に滞在していると思われる時刻、例えば午前2時に取得された携帯型情報処理端末の位置情報が示す位置を、その来店者の居住位置として推定することができる。もちろん、来店者がその時刻に少しの時間だけ外出している可能性もあることから、所定の時間帯、例えば午前1時から午前4時までの3時間の間に所定の間隔で繰り返し取得された携帯型情報処理端末の位置情報のうち、最も頻度の高い位置情報が示す位置を、その来店者の居住位置として推定するようにしてもよい。また、来店者がその日に外泊している可能性もあることから、過去数日分、例えば過去7日分において、上記のいずれかの処理により、その日の来店者の居住位置として推定した位置のうち、最も頻度の高い位置を、その来店者の居住地として推定するようにしてもよい。なお、上記の処理では、必ずしも店舗の来店者の24時間分の行動データは必要ではなく、少なくとも居住位置の推定に使用する分だけの行動データが記憶部13に記憶されていればよい。したがって、チラシ受発注仲介サーバ10は、居住位置の推定に使用する分だけの行動データを取得できるように、行動データ取得条件を設定すればよい。
【0022】
チラシ受発注仲介サーバ10は、図4に示すチラシ発注画面上の発注者による操作により選択された店舗Aに関する店舗選択情報を発注者端末20から受信すると、店舗Aの来店者の居住位置の集計結果に基づいて、店舗Aの来店者の居住密度分布図を作成し、作成した居住密度分布図を地図に重ねたヒートマップ21を作成する(S13)。作成された店舗Aの来店者の居住位置に関するヒートマップ21は、発注者端末20のチラシ発注画面上に表示される(図4参照)。
【0023】
チラシ受発注仲介サーバ10は、チラシ発注画面上の発注者による操作により選択された新聞社の新聞社情報(新聞社A)と頒布エリア情報とを発注者端末20から受信すると、記憶部に記憶されている行動データから、頒布エリア内に居住する店舗Aの来店者(厳密には来店者が所持していた携帯型情報処理端末)の居住位置を特定し(S14)、特定した店舗Aの来店者の居住位置を示す位置情報と、新聞社情報を含む見積要求をチラシ頒布請負業者サーバ30に送信する。
【0024】
チラシ頒布請負業者サーバ30は、新聞社情報が示す新聞社Aの顧客リストに対して、チラシ受発注仲介サーバ10から受信した店舗Aの来店者の居住位置を示す位置情報を照合する。それにより、店舗Aの来店者であって、新聞社Aの新聞を契約している契約者を特定し、頒布戸数を集計する。この集計した頒布戸数に基づいて、見積額を算出する。そして、チラシ頒布請負業者サーバ30は、チラシ受発注仲介サーバ10の見積要求に対する応答として、頒布戸数と見積額とを含む見積情報を送信する。
【0025】
チラシ受発注仲介サーバ10は、チラシ頒布請負業者サーバ30から受信した見積情報に従って、頒布戸数、見積額を更新する(S15)。それにより、発注者端末20のチラシ発注画面に表示されている頒布戸数、見積額が更新される。発注者は、見積額、頒布戸数を確認して、最終的な発注を判断する。チラシ発注画面に表示された見積額、頒布戸数は、発注者により選択された新聞社、頒布エリアに応じて随時更新される。発注者は、見積額、頒布戸数を確認しながら、チラシを折り込む先の新聞社やチラシを頒布する頒布エリアを決めることができる。
【0026】
チラシ発注画面に表示された発注ボタン27が押されると、発注者端末20からチラシ受発注仲介サーバ10に、新聞社情報(新聞社A)、頒布エリア情報及び入稿データを含む発注データが送信される。チラシ受発注仲介サーバ10は、発注者端末20から受信した発注データをチラシ頒布請負業者サーバ30に転送する。このとき、頒布エリアに居住する店舗Aの来店者に関する位置情報がチラシ頒布エリア情報とともにチラシ頒布請負業者サーバ30に送信される。チラシ頒布請負業者サーバ30は、チラシ受発注仲介サーバ10から受信したチラシの発注データに従って、チラシの折り込み先の新聞社Aの新聞社サーバ50に頒布エリアに関する情報を、頒布エリアに居住する店舗Aの来店者に関する位置情報とともに送信し、印刷会社サーバ60に入稿データを送信する。新聞社サーバ50は、チラシ頒布請負業者サーバ30から受信した頒布エリアを担当する新聞販売店に関する情報を印刷会社サーバ60に送信する。印刷会社サーバ60は、チラシ頒布請負業者サーバ30から受信した入稿データに従って、チラシを印刷する。印刷会社のスタッフは、新聞社サーバ50から受信した新聞販売店に関する情報が示す新聞販売店に、印刷したチラシを配送する手配を行う。発注者により発注されたチラシは新聞販売店において新聞に折り込まれ、発注者が指定した頒布エリアに居住する店舗Aの来店者に届けられる。
【0027】
なお、新聞販売店において、店舗来店者とそれ以外の契約者とを区別して配達できない場合では、チラシ受発注仲介サーバ10によるステップS14の処理は省略され、チラシ受発注仲介サーバ10は、頒布エリア情報をチラシ頒布請負業者サーバ30に送信する。チラシ頒布請負業者サーバ30は、チラシ受発注仲介サーバ10から受信した頒布エリア情報が示す頒布エリアに対応する配達エリアを特定し、その配達エリア内の契約者数を頒布戸数として集計し、見積額を算出する。そして、発注者により発注されたチラシは、配送先の新聞販売店が担当する配達エリアの各契約者に届けられる。このような場合であっても、店舗の来店者が多く居住するエリアにチラシを頒布することができるため、チラシの頒布効果は高い。
【0028】
以上説明した本実施形態に係るチラシ受発注仲介サーバ10によれば、発注者は、チラシの印刷、頒布を請け負うチラシ頒布請負業者に提供する発注データを、チラシ受発注仲介サーバ10が提供するチラシ発注画面上の操作により揃え、チラシ頒布請負業者サーバ30に送信することができる。
【0029】
チラシ発注画面には、発注者による頒布エリアの決定を支援する情報として、各店舗(自店舗、競合店舗)の来店者の居住位置に関するヒートマップ21が表示される。例えば、チラシを発注するに際し、発注者は、自店舗の来店者の居住位置に関するヒートマップ21を参考にしながら、実際に自店舗に来店したことのある来店者が多く居住する地域をチラシの頒布エリアとして指定することができる。特に、遠方からの来店者が見込める大型スーパー、大型ホームセンター、百貨店などにおいては、必ずしも店舗周辺の地域にチラシによる集客効果が見込める見込み客が居住しているとは限らない。上記のように、実際に自店舗を来店したことのある来店者が多く居住するエリアをヒートマップ21で確認しながら、枠21aを移動させたり、拡大縮小したりして、最も頒布効果が高い頒布エリアを決めることができる。それにより、その店舗に興味のある見込み客が多く居住するエリアにチラシを頒布することができるため、チラシの無駄を抑えられ、チラシによる宣伝効果を高めることができ、チラシを見て来店する人を増やすことができる。
【0030】
また、発注者は、競合店舗の来店者に関するヒートマップ21を参考にしながら、競合店舗の来店者が多く居住するエリアをチラシの頒布エリアとして指定することができる。これは、新規に店舗を開店するような、過去に来店した来店者に関する行動データを取得できない場合や競合店舗よりも明らかに来店者が目を引くようなサービス、価格を設定した場合に効果的である。競合店舗の来店者は、新規開店した店舗の来店見込みのある顧客でもあるため、競合店舗の来店者が多く居住する地域にチラシを頒布することで、新規開店した店舗への興味の有無が不明な人に対してチラシを頒布するよりも、チラシの頒布効果は高く、チラシを見て来店する人を増やすことができる。
【0031】
チラシ発注画面に表示されるヒートマップ21は、発注者が選択した来店者条件に合致した来店者の行動データに基づいて作成される。この来店者条件には、最新の来店履歴、来店頻度などが含まれる。例えば、発注者は、来店者条件を選択することで、来店頻度の高い、いわゆるリピーターが居住する地域や、来店頻度は低いが、最近来店した来店者が居住する地域をチラシの頒布エリアに指定することができる。それにより、チラシの宣伝効果を高められる。この他にも、チラシを頒布する曜日が決まっているのであれば、その曜日に来店したことのある来店者が居住する地域にチラシを頒布することでもチラシの宣伝効果を高められる。
【0032】
このように、チラシ受発注仲介サーバ10は、発注者とチラシ頒布請負業者との間を仲介する機能を有し、発注者は、チラシ発注画面に表示されたヒートマップ21を参考にしながら、そのヒートマップ21上で指定したエリア21aを頒布エリアとして決めることができ、さらにチラシ発注画面に表示された発注ボタン27をクリックすることでチラシの頒布をチラシ頒布請負業者に発注することができる。しかしながら、チラシ受発注仲介サーバ10は、発注者とチラシ頒布請負業者との間を仲介するのではなく、発注者による頒布エリアの決定を支援するだけの装置(チラシ発注支援サーバ)として利用することもできる。チラシ発注支援サーバは、少なくともヒートマップ21を発注者に提供する処理(図5中のステップS11〜ステップS13)を実行できればよい。
【0033】
また、チラシ発注画面において、地図上に居住密度分布図を重ねたヒートマップ21を表示することで、発注者は直感的に頒布エリアを指定することができる。これに比べて利便性は低下するものの、チラシ発注画面には、ヒートマップ21ではなく、店舗の来店者の居住位置に関する居住密度分布図だけを表示するようにしてもよい。このとき、居住密度分布図は、地図を模して表示するようにしてもよいし、各種グラフにして表示してもよい。また、どの地域にどれくらいの店舗来店者が居住しているのかが分かればよく、例えば、地域名とその地域に居住する店舗の来店者数とを関連付けて表示するようにしてもよい。
【0034】
また、本実施形態に係るチラシ受発注仲介サーバ10は、新聞の折込チラシの受発注の仲介だけではなく、チラシを家のポストに直接投函するポスティング用のチラシの受発注の仲介にも適用することができる。
【0035】
以上、具体例に基づき、本実施形態に係るチラシ受発注仲介サーバ10を説明したが、本発明の実施形態としては、上述した一連の処理を実現する方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。チラシ受発注仲介サーバ10に実装されるコンピュータは、記録媒体に記憶されたプログラムをインストールし、このプログラムを制御部(CPU)11により実行することで、前述した各種処理(機能)を実現することができる。
【0036】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0037】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装されたCPUやDSPによってその全部または一部が実施される構成とすることもできる。
【0038】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0039】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、又は類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0040】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0041】
10…チラシ受発注仲介サーバ、20…発注者端末、30…チラシ頒布請負業者サーバ、40…行動データ蓄積サーバ、50…新聞社サーバ、60…印刷会社サーバ、100…ネットワーク。
【要約】
【課題】目的はチラシの頒布効果を向上することにある。
【解決手段】 本発明の一態様に係るチラシ受発注仲介サーバ10は、チラシ発注者端末20とチラシ頒布請負業者サーバ30とに対して公衆電子的通信回線網100を介して接続される。チラシ受発注仲介サーバは、携帯型情報処理端末の位置と日時とが対応付けられた行動データを記憶する手段13と、発注者端末から店舗の位置に関するデータを受信する手段19と、店舗の来店者の居住位置に関する密度分布図を行動データに基づいて生成する手段11と、密度分布図に関するデータを発注者端末に送信する手段19と、発注者端末からチラシの頒布エリアに関するデータとチラシの入稿データとを含む発注データを受信する手段19と、発注データをチラシ頒布請負業者サーバに転送する手段19と、を具備する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5