(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、重量物を固定するための用途部材を補強部材が装着された筐体に後付けすることは、部品点数の増加を招く上、組立工程数が増加するため、コストが増加する要因となっている。また、重量物を固定するための用途部材の場合、用途部材自体の強度を確保する必要があり、板厚を厚くすれば筐体の重量が増加し、また、曲げ加工を行うと工程数が増加してコストが増加するという問題がある。
そこで本願発明は、各種用途用の用途部材を補強部材に融合することにより、十分な強度を保持しつつ部品点数を減らし、製造工程を簡素化して、コスト削減を図ることが可能な板金筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、天板(30)と、前記天板(30)に接続される背板(10)と、前記背板(10)に接続される底板(40)と、前記天板(30)と前記背板(10)と前記底板(40)が接続される2つの側板(20)とを備え、正面が開口する板金製の遊技機筐体(筐体1)に係る。
本発明に係る遊技機筐体(1)は、スロットマシンなどの、遊技場に設置される遊技機の筐体であり、内部にリールユニットやホッパー装置などを収納し、正面開口には前扉を取り付けて遊技機を構成するものである。
【0008】
本発明に係る遊技機筐体(1)においては、
各側板(20)の正面側端部付近であってかつ対向する側板(20)側
に固定され、前記各側板(20)の高さ方向に形成された構造材(60)
と、
各構造材(60)
と一体に形成され、前扉を保持する保持部(70)
、を備え、
前記側板(20)は、平板部(21)と、前記平板部(21)の正面側を前記遊技機筐体(1)の内部側に屈曲させた屈曲部と、を含み、前記構造材(60)は、前記平板部(21)に固定される固定部(65)と、前記固定部(65)の正面側端部から前記内部側に立設する立設部(66)と、前記立設部(66)の前記内部側端部から正面側に延びる延長部と、を含み、前記側板(20)に前記構造材(60)を固定することにより、前記遊技機筐体(1)の左右の正面側端部に、
前記平板部(21)、前記屈曲部、前記立設部(66)及び前記延長部により囲まれた高さ方向に連続する中空のフレーム部(51)が形成されることを特徴とする。
【0009】
本発明における遊技機筐体(1)では、背板(10)及び2つの側板(20)がそれぞれ独立した板金で形成されており、天板(30)及び底板(40)は、例えば背板(10)と一体に形成し曲げ加工したものであってもよいし、それぞれ独立した板金で形成されているものであってもよい。
側板(20)に構造材(60)を固定することにより、側板(20)と構造材(60)との間に隙間が生じ、この隙間が、高さ方向に連続する中空のフレーム部(51)となる。このフレーム部(51)を上面視したときの形状は、側板(20)と構造材(60)の形状により、四角形状や、三角形状や、台形状など、種々の形状とすることができる。
【0010】
本発明によれば、遊技機筐体(1)の正面左右の枠部分(左枠部(1A)、右枠部(1B))にフレーム部(51)が形成されるために、遊技機筐体(1)の正面開口部の強度が補強され、前扉の荷重によるねじれや広がりを防止できる。これにより、板厚を厚くしたり、補強部材を取り付けなくても、遊技機筐体(1)の剛性を確保することができる。また、側板(20)に補強部品をあらかじめ装着した上で、前扉を保持する保持部(70)を備えた用途部材を後付する必要がないため、部品点数を削減でき、ネジ止め等が不要になり、さらには、製造工程数を削減することができる。そして、遊技機筐体(1)の重量の軽量化を図ることができる。そして、製造コストを軽減することができる。
【0011】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の特徴に加えて、前記1つの構造材(60)に形成される前記保持部(70)は、前記前扉を回動可能に保持するヒンジ部(70A)
の軸受(筒部72)であることを特徴とする。
請求項2は、保持部(70)について、前扉を回動可能に保持するヒンジ部(70A)
の軸受(筒部72)に限定したものである。
【0012】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の特徴に加えて、前記1つの構造材(60)に形成される前記保持部(70)は、前記前扉が回動しないように当該前扉を閉じた状態に保持するロック部(70B)
及び当該前扉が閉じた状態において当該前扉の開閉側の重量を保持する重量保持部(ガイドレール70C)であることを特徴とする。
請求項3は、保持部(70)について、前扉が回動しないように当該前扉を閉じた状態に保持するロック部(70B)
及び当該前扉が閉じた状態において当該前扉の開閉側の重量を保持する重量保持部(ガイドレール70C)に限定したものである。
【0013】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、
請求項3記載の発明の特徴に加えて、前記ロック部(70B)及び前記重量保持部(ガイドレール70C)は、前記構造材(60)を構成する金属板を折り曲げることにより形成されている。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、天板(30)と、前記天板(30)に接続される背板(10)と、前記背板(10)に接続される底板(40)と、前記天板(30)と前記背板(10)と前記底板(40)が接続される2つの側板(20)とを備え、正面が開口する板金製の遊技機筐体(筐体1)に係る。
本発明に係る遊技機筐体(1)は、上述と同様である。
【0014】
本発明に係る遊技機筐体(1)においては、前記天板(30
)の正面側端部付近であってかつ前記遊技機筐体(1)の内部側
に固定され、前記天
板の幅方向に形成された構造材(60)
と、
前記構造材(60)と一体に形成され、前記遊技機筐体(1)に装着される装置を固定する台座部(80)と
、を備え、
前記天板(30)は、平板部(31)と、前記平板部(31)の正面側を下方側に屈曲させた屈曲部と、を含み、前記構造材(60)は、前記平板部(31)に固定される固定部(65)と、前記固定部(65)の正面側端部から前記下方側に立設する立設部(66)と、前記立設部(66)の前記下方側端部から正面側に延びる延長部と、を含み、前記天板(30
)に前記構造材(60)を固定することにより、前記遊技機筐体(1)の上
部の正面側端部に、
前記平板部(31)、前記屈曲部、前記立設部(66)及び前記延長部により囲まれた幅方向に連続する中空のフレーム部(51)が形成されることを特徴とする。
【0015】
本発明における遊技機筐体(1)では、背板(10)及び2つの側板(20)がそれぞれ独立した板金で形成されており、天板(30)及び底板(40)は、例えば背板(10)と一体に形成し曲げ加工したものであってもよいし、それぞれ独立した板金で形成されているものであってもよい。
本発明における、「装置」とは例えば扉の開閉を検知するリミットスイッチ(90)の他、磁石センサ、振動・衝撃センサ、電波センサなどのセンサである。台座部(80)はこれらのセンサを固定可能に形成されている。
【0016】
天板(30)及び底板(40)に構造材(60)を固定することにより、天板(30)と構造材(60)との間又は底板(40)と構造材(60)との間に隙間が生じ、この隙間が、幅方向に連続する中空のフレーム部(51)となる。このフレーム部(51)を側面視したときの形状は、天板(30)と構造材(60)又は底板(40)と構造材(60)の形状により、四角形状や、三角形状や、台形状など、種々の形状とすることができる。
【0017】
本発明によれば、遊技機筐体(1)の正面上下の枠部分(上枠部(1C)、下枠部(1D))にフレーム部(51)が形成されるために、遊技機筐体(1)の正面開口部の強度が補強され、ねじれや広がりを防止できる。これにより、板厚を厚くしたり、補強部材を取り付けなくても、遊技機筐体(1)の剛性を確保することができる。また、天板(30)又は底板(40)に補強部品をあらかじめ装着した上で、センサを固定する台座部(80)を備えた用途部材を後付する必要がないため、部品点数を削減でき、ネジ止め等が不要になり、さらには、製造工程を簡素化することができる。そして、遊技機筐体(1)の重量の軽量化を図ることができる。そして、製造コストを軽減することができる。
【発明の効果】
【0018】
本願発明は、以上のように構成されているので、十分な強度を保持しつつ部品点数を減らし、製造工程を簡素化して、コスト削減を図ることが可能な板金筐体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。なお、本明細書において、各部材の上下左右及び前後の方向は、筐体1を正面視した場合の各方向を示す。
(筐体1)
本実施の形態における筐体1は、
図1及び
図2に示すように、正面側が開口する略直方体形状の箱であり、背板10と、2枚の側板20と、天板30、底板40及び構造材60とを有している。背板10、側板20、天板30及び底板40を構成する鋼板の厚さは、それぞれ、厚さ0.3〜1.0ミリ程度、好ましくは0.5mmである。また、構造材60を構成する鋼板の厚さは、0.5〜2.3ミリ程度、好ましくは1.6mmである。そして、各接合部分は溶接により固定されている。本実施の形態における各部の溶接は、レーザー溶接であるが、これに限らず、スポット溶接など他の溶接手法をとることができる。
【0021】
(背板10)
背板10は、
図3に示すように、長方形状の平板部11と、平板部11の左右の端部に設けられた正面側に屈曲する側面屈曲部12とを備えている。側面屈曲部12は、
図4及び
図5に示すように、平板部11から連続する湾曲部13と、湾曲部13から連続して正面側に向かって延びる突出部14が設けられている。突出部14の突出側先端縁部には、
図3に示すように、正面側に突出する複数の舌片16が、上下方向に並んで設けられている。また、湾曲部13の内側(背板10の中心側)には、正面側に突出し先端部が外側(背板10の側面側)に折曲した鉤型の係合片15が、上下方向に並んで設けられている。係合片15は、平板部11に設けた切り欠きをプレス加工により折り曲げて形成したものである。
【0022】
(側板20)
側板20は、
図3に示すように、正面左側に位置する左側板20Aと、正面右側に位置する右側板20Bとからなる。各側板20は、正面側の辺が下方から上方に向かって上り傾斜して形成された平板部21と、平板部21の背面側端部に形成された背面屈曲部22と、平板部21の正面側端部に形成された正面屈曲部27とを備えている。また、各側板20の正面側端部付近には各側板20の高さ方向に形成された構造材60がそれぞれ固定されている。
【0023】
背面屈曲部22は、対向する側板20側に向かって側方に屈曲して形成されている。すなわち、左側板20Aの背面屈曲部22は平板部11を右側に屈曲して形成され、右側板20Bの背面屈曲部22は平板部11を左側に屈曲して形成されている。各背面屈曲部22は、
図4及び
図5に示すように、平板部21の後端部を平板部21に対して斜め後方に屈曲して形成した傾斜部23と、傾斜部23の端部を平板部21と直交する方向に屈曲して形成した折返し部24と、平板部21と傾斜部23の間に形成された、内側(筐体1の内部側となる側)に凹んだ段部25とからなる。また、段部25の平板部21との境目の折曲部25Aには、前記背板10の舌片16を差し込み可能な複数の係止孔26が、上下方向に並んで設けられている。
【0024】
正面屈曲部27は、対向する側板20側に向かって側方に屈曲して形成されている。すなわち、左側板20Aの正面屈曲部27である左正面屈曲部27Aは平板部11を右側に屈曲して形成され、右側板20Bの正面屈曲部27である右正面屈曲部27Bは平板部11を左側に屈曲して形成されている。
各側板20の構造について、さらに具体的に説明する。
【0025】
(左側板20A及び左構造材61)
左側板20Aは、
図6及び7に示すように、平板部21と、平板部21の背面側端部に形成された背面屈曲部22と、平板部21の正面側端部に形成された左正面屈曲部27Aとを備えている。また、左側板20Aの正面側端部付近には側板20の高さ方向に形成された左構造材61が固定されている。
【0026】
背面屈曲部22については、上述のとおり、平板部11を右側に屈曲して形成されている。左正面屈曲部27Aは、
図8に示すように、平板部21の正面側端部を平板部21に対して右斜め後方に屈曲して形成した左第1正面屈曲部27Cと、左第1正面屈曲部27Cの先端部を平板部21と直交する方向に屈曲して形成した左第2正面屈曲部27Dとからなる。
【0027】
左構造材61は、短冊状の平板を長手方向に沿って複数回折り曲げて形成した部材である。この左構造材61には、遊技機の前扉を保持する保持部70、具体的には前扉を開閉するためのヒンジ部70Aが形成されている。左構造材61は、
図8に示すように、左側板20Aの平板部21と平行に形成した固定部65と、固定部65の正面側端部を右側に直角に屈曲して形成した立設部66と、立設部66の右側端部を正面側に直角に屈曲して形成した平面部67と、平面部67の正面側端部を右側に直角に屈曲し、さらに正面側に直角に屈曲して形成した突出部68とを有している。
【0028】
また、
図6及び
図7に示すように、突出部68の上下2箇所には、ヒンジ部70Aが形成されている。このヒンジ部70Aは、突出部68の正面側端部を左側に直角に屈曲し、さらに先端部を反時計回りに巻いて筒状に形成した筒部72と、筒部72に挿入され、かつ上端部が筒部72から突出している固定ピン73とからなる。一方、前扉の左側後端部付近の2箇所には、筒部72とほぼ同じ内径を有する筒状部材が設けられており、固定ピン73に筒状部材を挿入することにより、前扉は筐体1に回動可能に保持される。
【0029】
ところで、左構造材61を左側板20Aに固定する際は、
図8に示すように固定部65を平板部21に、突出部68の立設部66との平行面を左第2正面屈曲部27Dに、それぞれ当接させる。そして、双方の当接部分を溶接することにより、左構造材61は左側板20Aに固定される。この状態で、左側板20Aと左構造材61の断面を上面視したとき、左側板20Aの平板部21及び左第1正面屈曲部27Cの2辺、並びに左構造材61の立設部66及び平面部67の2辺からなる台形型の間隙が生じるものとなる。そして、この間隙が筐体1の左枠部1A(
図1参照)に形成された、高さ方向に連続する中空のフレーム部51となる。このフレーム部51があることにより、上側からの荷重に対して強度が増すとともに、前扉の荷重による筐体1の開口部の変形(ねじれや広がり)を防止できる。
【0030】
(右側板20B及び右構造材62)
右側板20Bは、
図9及び
図10に示すように、平板部21と、平板部21の背面側端部に形成された背面屈曲部22と、平板部21の正面側端部に形成された右正面屈曲部27Bとを備えている。また、右側板20Bの正面側端部付近には側板20の高さ方向に形成された右構造材62が固定されている。
【0031】
背面屈曲部22については、上述のとおり、平板部11を左側に屈曲して形成されている。右正面屈曲部27Bは、
図11に示すように、平板部21の正面側端部を左側に直角に折曲して形成した右第1正面屈曲部27Eと、右第1正面屈曲部27Eの先端部を正面側に直角に折曲して形成した右第2正面屈曲部27Fとからなる。
【0032】
右構造材62は、短冊状の平板を長手方向に沿って複数回折り曲げて形成された部材である。この右構造材62には、遊技機の前扉を保持する複数の保持部70、具体的には前扉が回動しないように前扉を閉じた状態に保持する2個のロック部70Bと、前扉が閉じた状態において前扉の開閉側の重量を保持する1個のガイドレール70Cが形成されている。右構造材62は、
図11に示すように、右側板20Bの平板部21と平行に形成した固定部65と、固定部65の正面側端部を左側に直角に屈曲して形成した立設部66と、立設部66の左側端部を正面側に直角に屈曲して形成した平面部67とを有している。
【0033】
また、
図9及び
図10に示すように、平面部67の上下2箇所には、ロック部70Bが形成されている。このロック部70Bは、
図11に示すように、立設部66に固定される板状部材であって、立設部66から左側に延出し、その後正面側に直角に屈曲しているピン保持部75と、平面部67に立設した円柱状のピンであって、ピン保持部75の屈曲した板面部にピンの先端面が溶接されているロックピン76とからなる。一方、前扉のロック部70Bに対応する位置には、図示しないフックが設けられている。前扉を完全に閉めたときは、このフックがロック部70Bのロックピン76と係合し前扉は固定される。
【0034】
また、平面部67のロック部70Bの下方には、ガイドレール70Cが形成されている。このガイドレール70Cは、
図10に示すように、底板40と略平行に設けられた平坦部77と、この平坦部77の前方側に連設され、かつ前方に向かうにつれて高さが低くなる勾配部78とからなる。一方、前扉のガイドレール70Cに対応する位置には、図示しないガイドローラが設けられている。前扉を閉じる際は、まず、ガイドローラがガイドレール70Cの勾配部78に接し勾配部78を上り、そして、平坦部77に達すると前扉はロック部70Bにより固定される。この時、ガイドレール70Cは、前扉の右側の重量を保持することとなる。
【0035】
ところで、右構造材62を右側板20Bに固定する際は、
図11に示すように固定部65を平板部21に、平面部67を右第2正面屈曲部27Fに、それぞれ当接させる。そして、双方の当接部分を溶接することにより、右構造材62は右側板20Bに固定される。この状態で、右側板20Bと右構造材62の断面を上面視したとき、右側板20Bの平板部21及び右第1正面屈曲部27Eの2辺、並びに右構造材62の立設部66及び平面部67の2辺からなる長方形型の間隙が生じるものとなる。そして、この間隙が筐体1の右枠部1B(
図2参照)に形成された、高さ方向に連続する中空のフレーム部51となる。このフレーム部51があることにより、上側からの荷重に対して強度が増すとともに、前扉の荷重による筐体1の開口部の変形(ねじれや広がり)を防止できる。
【0036】
(天板30及び上構造材63)
天板30は、平板状の部材であり、
図1及び
図2に示すように、背面側の辺が背板10に、左右の辺が側板20に固定されるものである。天板30は、
図12及び
図13に示すように、平板部31と、平板部31の正面側端部に形成された上部屈曲部32とを備えている。また、天板30の正面側端部付近には天板30の幅方向に形成された上構造材63が固定されている。
【0037】
上部屈曲部32は、
図14に示すように、平板部31の正面側端部を平板部31に対して斜め下方に屈曲して形成した第1上部屈曲部32Aと、第1上部屈曲部32Aの先端部を正面側に直角に屈曲して形成した第2上部屈曲部32Bとからなる。
上構造材63は、短冊状の平板を長手方向に沿って複数回折り曲げて形成された部材である。上構造材63は、
図14に示すように、天板30の平板部31と平行に形成した固定部65と、固定部65の正面側端部を下側に直角に屈曲して形成した立設部66と、立設部66の下側端部を正面側に直角に屈曲して形成した平面部67とを有している。
【0038】
また、
図15に示すように、上構造材63には、右側端部にリミットスイッチ90を固定するための台座部80が形成されている。この台座部80は、上構造材63と一体形成されたものであり、平面部67を右側に延出し下側に直角に屈曲させるとともに、当該屈曲させた部分の背面側端部をさらに正面側に屈曲させたものである。そして、当該台座部80の前扉と対向する部分に形成された孔に前方からリミットスイッチ90を通すことにより、裏側で取り付けることができる。
【0039】
ところで、上構造材63を天板30に固定する際は、
図14に示すように固定部65を平板部31に、平面部67を第2上部屈曲部32Bに、それぞれ当接させる。そして、双方の当接部分を溶接することにより、上構造材63は天板30に固定される。この状態で、天板30と上構造材63の断面を側面視したとき、天板30の平板部31及び第1上部屈曲部32Aの2辺、並びに上構造材63の立設部66及び平面部67の2辺からなる台形型の間隙が生じるものとなる。そして、この間隙が筐体1の上枠部1C(
図2参照)に形成された、幅方向に連続する中空のフレーム部51となる。このフレーム部51があることにより、側方からの荷重に対して強度が増すとともに、前扉の荷重による筐体1の開口部の変形(ねじれや広がり)を防止できる。
【0040】
(底板40及び下構造材64)
底板40は、平板状の部材であり、
図1及び
図2に示すように、背面側の辺が背板10に、左右の辺が側板20に固定されるものである。また、底板40はその上面を底板カバー43に覆われている。底板40は、
図16及び
図17に示すように、平板部41と、平板部41の正面側端部に形成された下部屈曲部42とを備えている。また、底板40の正面側端部付近には底板40の幅方向に形成された下構造材64が固定されている。
【0041】
下部屈曲部42は、
図18に示すように、平板部41の正面側端部を上側に垂直に屈曲して形成した第1下部屈曲部42Aと、第1下部屈曲部42Aの先端部を正面側に直角に屈曲して形成した第2下部屈曲部42Bとからなる。
下構造材64は、短冊状の平板を長手方向に沿って複数回折り曲げて形成された部材である。下構造材64は、
図18に示すように、底板40の平板部41と平行に形成した平面部67と、平面部67の正面側端部及び背面側端部を下側に直角に屈曲して形成した立設部66と、背面側の立設部66はその下側端部を背面側に、また、正面側の立設部66はその下側端部を正面側に、それぞれ直角に屈曲して形成した固定部65とを有している。
【0042】
また、前述のとおり、底板40はその上面を底板カバー43に覆われているが、この底板カバー43はその平面部分が底板40の第2下部屈曲部42B及び下構造材64の平面部67に当接するように底板40及び下構造材64を覆っている。
下構造材64を底板40に固定する際は、2箇所の固定部65を平板部41にそれぞれ当接させる。この際、正面側の固定部65の前端は第1下部屈曲部42Aに接している。そして、双方の当接部分を溶接することにより、下構造材64は底板40に固定される。この状態で、底板40と下構造材64の断面を側面視したとき、底板40の平板部41の1辺、並びに下構造材64の2つの立設部66及び平面部67の3辺からなる長方形型の間隙が生じるものとなる。そして、この間隙が筐体1の下枠部1D(
図1参照)に形成された、幅方向に連続する中空のフレーム部51となる。このフレーム部51があることにより、側方からの荷重に対して強度が増すとともに、前扉の荷重による筐体1の開口部の変形(ねじれや広がり)を防止できる。
【0043】
(各構成部材の組立て)
上記構成を有する背板10及び側板20は、
図4に示すように、側板20の背面屈曲部22を背板10の側面屈曲部12の内側に重ねて配置される。そして、
図4のE−E線断面図である
図5(A)に示すように、背板10の舌片16を側板20の係止孔26に差し込んで接合させると、段部25の外側と突出部14の内側が当接するようになっている。また、このとき、側板20の折返し部24が背板10の平板部11に当接し、
図4のF−F線断面図である
図5(B)に示すように、背板10の係合片15が側板20の折返し部24を挟み込むようになっている。そして、この状態で、湾曲部13と傾斜部23の間には、上面視したとき、頂点がアール形状である三角形の間隙が生じるものとなる。そして、この間隙が、筐体1の背面角部1Eに形成された、高さ方向に連続する中空の柱状部50となる。
【0044】
前記柱状部50があることにより、上側からの荷重に対して強度が増すとともに、背板10と側板20とにかかる荷重による変形(ねじれや広がり)を防止できる。
なお、背板10と側板20は、舌片16と係止孔26との係合部分(
図5(A)参照)、及び折返し部24と係合片15を形成した際の開口部(
図5(B)参照)、及びその周辺を溶接により固定する。舌片16と係止孔26、折返し部24と係合片15とが噛み合っているために、十分な強度を維持できる。
上記構成を有する筐体1は、内部に仕切り板や部品取り付け部などを設け、回転リールを備えたリールユニットや、ホッパー装置や、電源装置などを収納固定し、正面には開口部を開閉自在な前扉を取り付けることにより、スロットマシンを構成するものとなる。
【0045】
(変形例)
本実施の形態の変形例として、右構造材62並びに右構造材62に形成されるロック部70B及びガイドレール70Cを1枚の鋼板から製造した例を
図19に示す。
図19(A)に示すように、右構造材62には、前扉が回動しないように前扉を閉じた状態に保持する2個のロック部70Bと、前扉が閉じた状態において前扉の開閉側の重量を保持する1個のガイドレール70Cが形成されている。
図19(B)は、下方のロック部70Bと、このロック部70Bの下に形成されたガイドレール70Cの拡大図である。
【0046】
ロック部70Bは、平面部67の略中央の位置から左側に直角に屈曲し、この屈曲した端部を背面側に直角に屈曲し、さらに屈曲した端部を立設部66と面が同じになるよう右側に直角に屈曲し、最後に固定部65と面が同じになるよう背面側に直角に屈曲して形成している。
ガイドレール70Cは、固定部65の背面側に突出した板部を左側に直角に屈曲し、この屈曲した部分の上端側の突出部分をさらに正面側に直角に屈曲して平坦部77を形成するとともに、平坦部77の先端部を下方に軽く屈曲して勾配部78を形成している。
本実施の形態の変形例によれば、右構造材62にロック部70B及びガイドレール70Cを一括して製造することができる。
【0047】
(他の変形例)
上記した例では、背板10の側面屈曲部12の内側(筐体1内部側)に、側板20の背面屈曲部22が位置する構成となっていたが、
図20に示すように、側板20の背面屈曲部22を上記した背板10の側面屈曲部12と同様の形状にし、背板10の側面屈曲部12を上記した側板20の背面屈曲部22と同様の形状にして、背面屈曲部22の内側に側面屈曲部12位置する構成としてもよい。
【0048】
また、柱状部50の形状は、上記したものに限られない。例えば、
図21(A)に示すように、背板10の側面屈曲部12として、平板部11から正面側に直角に折れ曲がる折部曲17を設け、上面視三角形状の柱状部50を形成するようにしてもよい。また、
図21(B)に示すように、
図21(A)の折部曲17の角を面取りして、上面視台形状の柱状部50を形成するようにしてもよい。あるいは、
図21(C)に示すように、側板20の背面屈曲部22として、平板部11から側面側に直角に折れ曲がりその先端がさらに背面側に直角に折れ曲かったアングル部を設け、上面視四角形状の柱状部50を形成するようにしてもよい。上記した場合において、
図20に示すように、側面屈曲部12と背面屈曲部22の形状及び位置関係を逆にしてもよい。
【0049】
さらに、本発明に係る柱状部50の構造は、筐体1の背板10及び側板20の接合部分だけでなく、背板10と天板30、底板40との接合部分や、側板20と天板30、底板40との接合部分に設けてもよいものである。
【0050】
(総括)
本実施の形態のように、板金製筐体1を採用することにより次の利点がある。
すなわち、背板10、側板20、天板30及び底板40を構成する鋼板の厚さは木製筐体のものに比べて薄いため、筐体内部の有効体積を大きく取ることができる。特に遊技機器の演出は年々凝ったものとなっており、求められる電源容量・基板サイズや、取り回すハーネス量も増加しているため、有効体積の拡大は有効である。
【0051】
また、木製筐体のように、筐体1と金属製の用途部材100との間に隙間が生ずることがないため、筐体側からの異物の侵入を防ぐことができる。
また、板金製筐体1は、電磁波を遮蔽することが可能である。従来の木製の筐体1はシールド塗装や、シールド処理を行う必要があったが、板金による筐体1はこれらの対策を施すことなく、電磁波を遮蔽することが可能である。さらに、板金製筐体1は静電対策にも優れている。
【0052】
また、筐体内部は70℃になることもあるが、板金製の筐体は素材による放熱効果が優れているため、制御用プログラムが熱により誤作動を起こすことを防止することができる。また、制御基板を含む各電気部品の耐熱グレードを下げることもできる。
本実施の形態では、筐体1のパーツを複数に分割しているので、大型機械によらず製造可能であるとともに、板金を型どりする際の歩留まりを向上させることができる。
【0053】
また、強度的に優れているうえ、湿気などによる表面劣化にも強いため、変形が少なく長期間形状を維持できるのでリユースに適している。さらに、筐体内部のブラケットを変えることで、取り付けパーツの模様替えができる点もリユースに適したものとなっている。さらに、回転リール等の樹脂製部品を外せば残るのは板金のみなので、リサイクルに適している。
【0054】
そして、本実施の形態のように各種用途用の用途部材100を補強部材である構造材60に融合することにより、得られる利点は以下のとおりである。
本実施の形態によれば、筐体1の正面の枠部分にフレーム部51を形成することにより、正面開口部の強度が補強され、前扉や重量のあるセンサ類によるねじれや広がりを防止できる。このフレーム部51の強度は構造材60の形状によって調整することが可能である。
【0055】
特許文献1のような従来の板金製の筐体1の場合、用途部材100に固定する物の重量に応じて補強部材及び用途部材100はそれぞれの強度を検討して設計する必要があった。一方、本実施の形態によれば、構造材60のみ強度を検討して設計すれば足りる。例えば、構造材60の立設部66や平面部67にさらに曲げ加工を施すことにより、断面二次モーメントが増加するため、フレーム部51の強度を向上させることができる。そして、フレーム部51で枠部分の強度を確保するため、構造材60の板厚を厚くすることなく、保持部70や台座部80を強固に保持することができる。これにより、前扉を保持するための保持部70やセンサ取付用の台座部80などの各種用途用の用途部材100を補強部材である構造材60に融合することができる。
【0056】
また、特許文献1のような従来の板金製の筐体1に前扉用のヒンジ部やロック部、ガイドレールなどの保持部70を直接固定する場合、保持部70を筐体1にネジ止めする際は、固定位置のズレを考慮する必要がある。すなわち固定位置を微調整できるように保持部70の固定用の穴を長穴に加工することがある。そして前扉のような重量物を支える場合、固定位置を調整可能にすると、長期使用によりネジ穴の変形やズレの発生により、前扉の開閉不良やロック不良を起こすことがある。これに対し、本実施の形態ではヒンジ部70Aなどの保持部70は構造材60と一体的に形成されているため、前扉の固定位置の誤差は構造材60の一般公差内で収まることになる。すなわち、前扉の固定位置の精度を高くすることができる。また、長期使用による前扉のズレが発生しにくいため品質が安定することになる。品質の安定は、メンテナンスの簡略化につながり、保守性が向上することになる。
【0057】
さらに、本実施の形態では筐体1の形状を自由に変更することができるとともに、剛性を確保することができる。ここで本実施の形態では、各部位ごとに以下の特徴がある。
左枠部1Aには、前扉を回動可能に固定するヒンジ部70Aを設ける必要があるが、ヒンジ部70Aを左構造材61と一体に形成するようにしたので、左構造材61を左側板20Aに固定することにより、左枠部1Aにヒンジ部70Aを形成するのと同時に、フレーム部51を形成することができる。特に、重量のある前扉を保持するに際し、補強部品によることなく、また、板金の厚さを厚くすることなく筐体1の剛性を確保することができる。また、左側板20Aに補強部品をあらかじめ固定した上で、ヒンジ部70Aを備えた用途部材100を後付する必要がないため、部品点数を削減でき、ネジ止め等が不要になり、さらには、製造工程数を削減することができる。そして、筐体1の重量の軽量化を図ることができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、左構造材61の2箇所にヒンジ部70Aを設けているが、これに限らない。前扉の大きさや重量に応じて3箇所以上にヒンジ部70Aを設けてもよい。
右枠部1Bには、前扉が回動しないように当該前扉を閉じた状態に保持するロック部70Bや、前扉が閉じた状態において前扉の右側の重量を保持するガイドレール70Cを設ける必要があるが、ロック部70B及びガイドレール70Cを右構造材62と一体に形成するようにしたので、右構造材62を右側板20Bに固定することにより、右枠部1Bにロック部70B及びガイドレール70Cを取り付けると同時に、フレーム部51を形成することができる。特に、重量のある前扉を保持するに際し、補強部品によることなく、また、板金の厚さを厚くすることなく筐体1の剛性を確保することができる。また、右側板20Bに補強部品をあらかじめ固定した上で、ロック部70Bやガイドレール70Cを備えた用途部材100を後付する必要がないため、部品点数を削減でき、ネジ止め等が不要になり、さらには、製造工程数を削減することができる。そして、筐体1の重量の軽量化を図ることができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、右構造材62の2箇所にロック部70Bを、1箇所にガイドレール70Cを設けているが、これに限らない。前扉の大きさや重量に応じて設置箇所を増やすことができる。
上枠部1Cには、リミットスイッチ90を設ける必要があるが、リミットスイッチ90を取り付ける台座部80を上構造材63と一体に形成するようにしたので、上構造材63を天板30に固定することにより、上枠部1Cに台座部80を取り付けると同時に、フレーム部51を形成することができる。なお、台座部80に固定可能なセンサはリミットスイッチ90に限らない。本実施の形態によれば、補強部品によることなく、また、板金の厚さを厚くすることなく筐体1の剛性を確保することができるため、重量のあるセンサ類も固定することが可能である。さらに、上側板20Cに補強部品をあらかじめ固定した上で、センサを装着用の台座部80を備えた用途部材100を後付する必要がないため、部品点数を削減でき、ネジ止め等が不要になり、さらには、製造工程数を削減することができる。そして、筐体1の重量の軽量化を図ることができる。
【0060】
なお、本実施の形態では、上構造材63の右側端部1箇所に台座部80を設けているが、これに限らない。リミットスイッチ90の他にも、磁石センサ、振動・衝撃センサ、あるいは電波センサなど、各センサ用に複数個の台座部80を設けることができる。
下枠部1Dにおいては、下構造材64を底板40に固定することにより、下枠部1Dにフレーム部51を形成することができる。なお、この下構造材64にも台座部80を形成することができる。そして、下構造材64に台座部80を形成した場合、上構造材63と同様の効果を奏する。
【0061】
一方、背面角部1Eにおいては、背板10及び側板20の係合部分の形状により柱状部50を形成することができる。これにより、パーツを分割したことによる強度の低下を、補強部品によることなく、また、板金の厚さを厚くすることなく、カバーすることができる。また、筐体1の重量の軽量化を図ることができる。さらに、補強部材の役割を果たす柱状部50は、背板10及び側板20の組み立て過程において形成されるので、背板10と側板20を溶接した後に補強部材を取り付ける手間が無く、これにより、製造工程の簡素化を図ることができる。