特許第6827157号(P6827157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6827157-ボックスファイル 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827157
(24)【登録日】2021年1月21日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】ボックスファイル
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/14 20060101AFI20210128BHJP
   B65D 5/462 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   B42F7/14 B
   B65D5/462 110
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-132942(P2016-132942)
(22)【出願日】2016年7月5日
(65)【公開番号】特開2018-1634(P2018-1634A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】301032735
【氏名又は名称】プラス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神蔵 順一朗
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−103097(JP,A)
【文献】 実開平06−021974(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第02484597(EP,A1)
【文献】 実開平05−074879(JP,U)
【文献】 特開平10−045122(JP,A)
【文献】 米国特許第04817861(US,A)
【文献】 実開平02−045919(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0257443(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00−23/00
B65D 5/00− 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面部と、左右の側面部と、後面部と、後面部の上端に一端が接続された蓋部とを有する蓋付きボックスファイルにおいて、前記前面部の上端に一端が連結された折り返し部と、前記蓋部には他端から延在した突出片と、前記前面部及前記突出片には対向する位置に取っ手用の開口又は開口を形成するためのスリットと、を有し、前記突出片の開口又は開口を形成するためのスリットにより形成された開口は、前記前面部の開口よりも上下方向の寸法が小さく、かつ前記突出片の端部には、前記前面部及び前記折り返し部の開口に挿入される係止片を有することを特徴とする蓋付きボックスファイル。
【請求項2】
前記側面部には、上端部から延存した側面折り返し部を有すると共に、前記蓋部の左右の端部には、前記側部の上端に接合する側端突出片を有することを特徴とする請求項1項記載の蓋付きボックスファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付きのボックスファイルに関するものであり、特に、重ね置きが可能であると共に、持ち運ぶための開口を有するボックスファイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の書類を収納し保存するために、ボックスファイルが用いられている。このボックスファイルには、上面に蓋がないタイプと、上面に蓋を有するタイプがある。
蓋がないタイプは、常時、収納した書類の出し入れがし易いように、前面上端が、後面の上端より低く設けられており、また、持ち運び用の開口が後面に設けられている。
一方、蓋があるタイプは、主に書類の保存を目的としており、上方に重ね置きができるように、前面と後面の上端は同じ高さにしてある。
この蓋があるタイプは、この蓋の端部に挿入片を有し、前面の上端に、この挿入片を挿入するためのスリットが設けられている。
また、後面には、蓋がないタイプと同様の、持ち運び用の開口が設けられている。
【0003】
更に、特許文献1に示すようなボックスファイルも知られている。
これは、書類の出し入れをする用途に使用する場合は、蓋部をボックスファイルの収容部の内側に折り込み、書類を保管する用途に使用する場合は、蓋を取り出し、ボックスの上面を覆うように配置して使用するものである。
本発明は、上記のボックスファイルの内、蓋があるタイプに関するものである。
【0004】
【特許文献1】特開平8−39980号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の蓋付きのボックスファイルは、上記の特許文献1も含めて、上方への重ね置きの際の強度と、持ち運びの際の開口の強度が十分でない。
このため、重ね置きの際は蓋が潰れて変形したり、持ち運ぶ際には、開口に亀裂が入ったりすることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1に記載するように、前面部と、左右の側面部と、後面部と、後面部の上端に一端が接続された蓋部とを有する蓋付きボックスファイルにおいて、前記前面部の上端に一端が連結された折り返し部と、前記蓋部には他端から延在した突出片と、前記前面部及前記突出片には対向する位置に取っ手用の開口又は開口を形成するためのスリットと、を有し、前記突出片の開口又は開口を形成するためのスリットにより形成された開口は、前記前面部の開口よりも上下方向の寸法が小さく、かつ前記突出片の端部には、前記前面部及び前記折り返し部の開口に挿入される係止片を有することを特徴としている。
【0007】
また請求項2に記載するように、前記側面部には、上端部から延存した側面折り返し部を有すると共に、前記蓋部の左右の端部には、前記側部の上端に接合する側端突出片を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ボックスファイルの強度が向上するため、上方に複数重ねて収納する際に、蓋が潰れて変形することを防止することが可能となる。
また持ち運びの際に、開口に亀裂が発生することを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1の実施例の蓋付きボックスファイルの展開図である。
図2図2は、本発明の実施例の蓋付きボックスファイルの蓋を開けた状態を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の実施例の蓋付きボックスファイルの蓋を閉じた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
以下、図に沿って本発明の一実施例を説明する。
図1は本発明の一実施例の蓋付きボックスファイルの展開図である。
1はこのボックスファイルの本体、2は前面部、3は右側面部、4は左側面部、5は後面部、6は後面部の上端に一端が連結された蓋部、7は蓋部6の他端から延在した突出片、8は前面部2の上端に一端が連結された折り返し部、9は突出片7の一端に設けられた係止部、10は左右側端部の上端から延在した側面折り返し部、11は前面2に設けられた開口、12は折り返し部8に設けられた開口、13は突出片7に設けられた開口(開口を形成するためのスリットAにより形成される開口)、14は底面部である。
【0012】
本実施例では、突出片7に設けられた開口13は、開口13となる領域の3辺に設けられたスリットAにより構成されるものであり、通常の状態では、開口13は塞がれた状態となっている。
蓋部2を閉じて、ボックスファイル本体1を持ち運ぶ際に、このスリットAで囲まれた領域を他の開口11,12内方向に押し込むことで開口13が形成される。
【0013】
前面部2、折り返し部8及び、突出片7の対向する位置に設けられた開口11、12、13は、ボックスファイル本体1を持ち運ぶ際の取っ手を構成する。
また、蓋部6からの延長上にある突出片7の開口は、他の開口11,12の図中上下方向の寸法が小さく設計されており、取っ手としての適切な開口形状を形成している。
その他の開口12、13は、突出片7の端部に設けられた係止部9を挿入するため、上下方向に大きな開口となっている。
これは、開口12、13とは別に係止部9を挿入するためのスリットを設ける場合に比べ、製造工程を簡略化できると共に、デザイン性を向上されることを目的としたものである。
【0014】
前面部2の上端から延在した折り返し部8、左右側面部3,4の上端部から延存した側面折り返し部10は、夫々、上端部を折り返して2重にすることにより、このボックスファイル1を上下に重ね置きした場合の強度を向上させることを目的として設けられたものである。
【0015】
更に、蓋部7の左右端には、左右側面部3,4の上端を覆う側端突出片14が設けられている。
これは、このボックスファイル1を上下に重ね置きした場合の蓋部6の強度を向上させることを目的として設けられたものである。
この側端突出片14が、左右側面部3,4の上端に支えられるために、上方からの重量によって、蓋が変形して、ボックスファイル1の内部に落ち込むことが防止される。
従って、本実施例のボックスファイル1の場合は、上述の特許文献1に記載されたボックスファイルのように、書類を出し入れするために、蓋部をボックスファイルの収納部内に折り込むような使用はできない。
【0016】
また、前面部2、折り返し部8及び、突出片7の対向する位置に設けられた開口11、12、13によって、持ち運ぶための取っ手を形成しているため、ボックスファイル1を持ち運ぶ際の強度が向上する。
このため、開口11,12,13に亀裂が入ることが防止される。
尚、折り返し部8、及びその開口12は無くてもよい。
【0017】
底面部14は、前面部2、左右側面部3,4、及び後面部の下端部から延在した底面折り返し片15で形成される。
これらの底面折り返し片15の折り目を細線で記載している。
また、底面折り返し片15の端部には突起17が設けられており、この突起17が、前面部2の下端に設けられたスリット18に挿入されて、底面折り返し片15は固定される。
【0018】
図2図3に、本実施例の蓋付きボックスファイルの斜視図を示す。
図2には、蓋部6を開けた状態を示し、図3には、蓋部6を閉じた状態を示す。
尚、図1と同じ構成物品には、同じ番号を記している。
本実施例のボックスファイルは、A4サイズ(縦297mm、横210mm)のファイルを収容する大きさである。
また、ボックスファイル本体1は、段ボール紙によって形成されている。
【0019】
前面部2からの延在部である折り返し部8の開口12の上辺は、取っ手を構成するために、上端からの上下幅(距離)は、前面部2の開口11の上辺の上端からの上下幅とほぼ同じ大きさであり、他の辺は、各端部からの距離はやや小さめに設計されている。つまり、開口の面積としては、やや大きめに設けられているため、これらの辺が、前面部2の開口11から大きく露出して見えることはない。
これはデザイン性を考慮したものである。
図1で示した展開図の、左側面部4端部の、のり代部16と、前面部2の端部の対向する部分が、接着剤によって接合されて、ボックスファイル本体1が形成される。
【0020】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、取っ手を構成するための開口の形状、大きさ、或は、突出片や係止片等の形状、大きさ等は種々変更可能である。
特に、係止片の開口は、本実施例においては、開口となる領域の3辺に設けられたスリットAによって形成しているが、通常の開口として形成してもよい。
また、底面部の構造や、組立方法等も、上述の実施例に限定されるものではない。
また、容積もA4サイズの用紙の収容に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、上下方向への重ね置きの強度が高められると共に、持ち運びの際の強度が向上された蓋付きボックスファイルを提供するものである。
【符号の説明】
【0022】
1:ボックスファイル本体
2:前面部
3:右側面部
4:左側面部
5:後面部
6:蓋部
7:突出片
8:折り返し部
11:前面部の開口
12:折り返し部の開口
13:突出片の開口
A:開口を形成するためのスリット
図1
図2
図3