(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、
図1および
図2を参照し、パチンコ機1の機械的構成について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ機1の上下方向、左右方向、および表裏方向については、特に断りがない場合、遊技盤2の盤面の向きを基準とする。即ち、ホールに設置されたパチンコ機1で遊技を行う遊技者からパチンコ機1を見た向き(
図1に示されるパチンコ機1の向き)が基準となる。以下では便宜上、
図1紙面の表裏方向をパチンコ機1の前後方向として説明を行う。また、パチンコ機1に使用される装置や部品についても、パチンコ機1に組み付けられた場合の向きを基準に、上下方向、左右方向、および前後方向を規定するものとする。
【0013】
図1、
図2に示すように、パチンコ機1の上段側には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は略正方形であり、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護される。遊技盤2の下段側には上皿5と下皿6が設けられる。上皿5は遊技盤2の下部に設けられ、遊技球発射装置(図示略)に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられる。本実施形態の操作ボタン9は、平面視、略円形である。操作ボタン9は、例えば、大当たり判定の結果を報知する際の演出において、遊技者による操作の入力を受け付ける。遊技者が操作ボタン9を操作した場合、パチンコ機1は、例えば、操作しなかった場合に行う演出内容とは異なる演出内容に変更して演出を行う。下皿6は上皿5の直下に設けられ、上皿5から溢れたり排出されたりする賞品球を受ける。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられる。発射ハンドル7は、遊技者による回転操作を受け付ける。遊技者が発射ハンドル7を操作すると、遊技球発射装置は、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で遊技球を発射する。また、前面枠10の上部で左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられる。
【0014】
遊技盤2の前面には、一部がガイドレール3に囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に設けられる。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられる。遊技球発射装置によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4は、左領域4L、中領域4C、右領域4Rの3つの領域を含む。
【0015】
左領域4Lは、遊技領域4のうち、センター飾り8の左側において遊技球が流下可能な領域である。所定の強度未満で発射された遊技球は、例えば
図2の矢印21に示すように、左領域4Lを流下する。以下、矢印21に示すように、遊技球が左領域4Lを流下するように強度に調整して遊技球を発射することを「左打ち」という。右領域4Rは、遊技領域4のうち、センター飾り8の右側において遊技球が流下可能な領域である。所定の強度以上で発射された遊技球は、例えば
図2の矢印22に示すように、右領域4Rを流下する。なお、矢印22に示すように、遊技球が右領域4Rを流下するように強度に調整して遊技球を発射することを「右打ち」という。中領域4Cは、遊技領域4のうち、センター飾り8の内側において遊技球が流下可能な領域である。
【0016】
センター飾り8は、表示画面28、通路部材18、ステージ部32、変動メータ30、大入賞口16を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部略中央に配置される。表示画面28は、3個の7セグメント表示器を左右方向に並べて配置した構成であり、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、特に、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄(図示略)を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す演出図柄の組合せは、例えば「777」「222」等、同じ数字を示す3個の演出図柄による組合せである。また、大当たり判定の結果がはずれであることを示す演出図柄の組合せは、「767」「143」等、同じ数字を示す演出図柄が3個揃わない組合せである。
【0017】
通路部材18は、センター飾り8において表示画面28の左下方に設けられる。通路部材18は、ワープ通路31と連絡通路33を備える。ワープ通路31と連絡通路33は、左打ちされて左領域4Lを流下する遊技球の一部を、センター飾り8の外側から内側へ案内するための通路である。ワープ通路31は、通路を通過した遊技球をステージ部32内に排出する。連絡通路33は、通路を通過した遊技球を中領域4Cへ向けて排出する。通路部材18の構造は後述する。
【0018】
ステージ部32は、ワープ通路31を通過した遊技球を左右方向と前後方向に転動可能な転動面326を備える。ステージ部32は、中領域4Cの上側に設けられ、遊技盤2の前面から後側に奥まった位置に配置される。ワープ通路31からステージ部32内に排出された遊技球は、転動面326上を左右方向に往復転動しながら前側に寄り、前部中央から中領域4Cに排出される。ステージ部32内には、遊技者に操作ボタン9の操作を促す示唆器90が設けられる。ステージ部32と示唆器90の構造は後述する。
【0019】
変動メータ30は、数字の「8」を模った電飾部材であり、センター飾り8の略中央に配置される。変動メータ30の上半分の部分は、表示画面28を取り囲む位置に設けられる。変動メータ30の下半分の部分は、ステージ部32と中領域4Cを取り囲む位置に設けられる。
【0020】
大入賞口16は、センター飾り8において表示画面28の右下方に設けられる。大入賞口16は、ソレノイドによって電気的に開閉される開閉部材161を備える。遊技球は、開閉部材161が開放された開放状態の場合にのみ、大入賞口16に入賞できる。大入賞口16の内部には、ソレノイドによって電気的に開閉される開閉部材(図示略)を備える特定領域162が設けられる。遊技球は、開閉部材161が開放された開放状態の場合にのみ、特定領域162を通過できる。大入賞口16に入賞した遊技球は、特定領域162または大入賞口16の内部に設けられた非特定領域(図示略)を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0021】
中領域4Cの略中央には、第一始動口14が設けられる。第一始動口14には、左領域4Lから連絡通路33またはワープ通路31とステージ部32を介して中領域4Cに案内された遊技球の一部が入賞できる。第一始動口14の下方には、左アウト口34と右アウト口35が設けられる。左アウト口34と右アウト口35は、それぞれ、中領域4Cの下端部の左右両側に配置される。第一始動口14に入賞せずに中領域4Cを流下する遊技球は、左アウト口34または右アウト口35を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0022】
センター飾り8の右下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられる。普通図柄作動ゲート12の左斜め下方には、第二始動口15が設けられる。第二始動口15は、普通電動役物としての開閉部材151を備える。普通電動役物は、普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物である。遊技球は、開閉部材151が開放された開放状態の場合にのみ、第二始動口15に入賞できる。開閉部材151は、ソレノイドによって電気的に開閉される。なお、第二始動口15は、開閉部材151が閉鎖された閉鎖状態においても遊技球の入賞が可能な構成であってもよい。この場合、第二始動口15は、開閉部材151が開放されることで、閉鎖状態よりも遊技球が容易に入賞できる構成であるとよい。
【0023】
遊技領域4には、上記以外に、下アウト口36、各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技釘等が設けられる。左領域4Lを流下する遊技球のうち、ワープ通路31または連絡通路33を通過せず、且つその他の入賞口のいずれにも入賞せずに、遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、下アウト口36を通過し、遊技領域4の外部へ排出される。右領域4Rを流下する遊技球のうち、第二始動口15、大入賞口16、およびその他の入賞口のいずれにも入賞せずに、遊技領域4の下部まで流下した遊技球も同様に、下アウト口36を通過し、遊技領域4の外部へ排出される。
【0024】
遊技盤2の右下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられる。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である特別図柄保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である普通図柄保留球数を表示する。
【0025】
図示しないが、パチンコ機1の背面側には、各種基板を備えた制御部が設けられる。制御部の各基板は、CPU、RAM、ROM等を備えており、パチンコ機1の各種動作を制御する。例えば、主基板は、普通当たり判定、大当たり判定等を行い、パチンコ機1の主制御を司る。中継基板は、主基板で行われた制御結果に基づいて、大入賞口16、第二始動口15等を開閉するソレノイドを駆動する。また、演出基板は、表示画面28の表示制御、変動メータ30、示唆器90等が備える電飾用のLED(図示略)等の発光制御、スピーカ48の発音制御、各種演出装置(図示略)の駆動制御等を行う。
【0026】
図3を参照し、通路部材18の構造を説明する。前述したように、通路部材18は、左領域4Lを流下する遊技球の一部をセンター飾り8の外側から内側へ案内する2つの通路を備えた部材である。通路部材18は、正面視、左斜め上方から右斜め下方へ向けて延びるワープ通路31と連絡通路33を有する。ワープ通路31と連絡通路33は、連絡通路33をワープ通路31の前側にして、前後方向に並列に配置する。
【0027】
通路部材18は、左端部181の前壁に球受部80を有する。球受部80は前方に突出する箱状に形成される。球受部80内は左右方向においてそれぞれ遊技球略1個分の大きさを有する3つの部屋に仕切られる。各部屋は上部に開口部を有する。球受部80の左右の部屋は、それぞれ連絡通路33に接続する。左右の部屋の開口部は、それぞれ、遊技球を連絡通路33に導入する進入口331,332である。球受部80の真ん中の部屋は、ワープ通路31に接続する。真ん中の部屋の開口部は、遊技球をワープ通路31に導入するワープ入口311である。
【0028】
通路部材18は、右端部182の前壁と右壁にそれぞれ開口部を有する。前壁の開口部は放出口333である。放出口333は連絡通路33に接続し、連絡通路33を通過する遊技球を排出する。通路部材18がパチンコ機1に組み付けられたとき、放出口333は、中領域4C内に配置される(
図2参照)。連絡通路33を通過し、放出口333から排出される遊技球は、中領域4Cの左上角部分に現出する。右壁の開口部はワープ出口313である。ワープ出口313はワープ通路31に接続し、ワープ通路31を通過する遊技球を排出する。通路部材18がパチンコ機1に組み付けられたとき、ワープ出口313は、ステージ部32の左端上部後壁寄りの位置に接続する。ワープ通路31を通過し、ワープ出口313から排出される遊技球は、転動面326の左端部後側の角部に現出する。
【0029】
図4〜
図6を参照し、ステージ部32と示唆器90について説明する。ステージ部32は、筐体321と転動台325を備える。筐体321は、正面視、上部が矩形状で下部が台形状をなす略六角形状の箱状体であり、前面が開放する。筐体321は、左壁の上部後壁寄りの位置に開口部322を有する。開口部322には、通路部材18のワープ出口313が接続する(
図3参照)。筐体321の後壁前面と上壁下面には、放射状に延びる凹凸形状の表面加工が施される。筐体321の上壁前端部の2カ所と下壁前端部の2カ所には、それぞれ、ねじ穴が形成された2つの固定部323が設けられる。遊技盤2の背面に固定部323がねじ留めされることによって、ステージ部32は、中領域4Cの上側の位置に固定される。筐体321内は、盤面の後側に凹む空間部分を形成する。
【0030】
転動台325は、前後方向および左右方向に延びる板状で、透明な樹脂材料によって形成される。転動台325の後端部325Bは、上方へ向けて弧状に屈曲する。転動台325は、後端部325Bを筐体321の後壁の前面に当接させた状態で、筐体321内に組み付けられる。転動台325の上面は、転動面326である。転動面326は、左右方向において左右両側の部分が中央部分へ向けて下向きに傾斜し、且つ中央部分が前後方向において後側から前側にかけて下向きに傾斜する。転動面326は、筐体321内で、上下方向の略中央よりも下側に配置される。転動面326の左端部後側の角部は、筐体321の開口部322の直下に配置される。
【0031】
転動台325は、前後方向の前側略1/3の部分が、筐体321よりも前方に突出する。転動台325の前端部325A、左端部325C、右端部325Dは、それぞれ転動面326から下方へ向けて延びる。前端部325Aの左右両側の縁部は、それぞれ、左端部325Cと右端部325Dの前側の縁部に接続する。左端部325Cの下端は筐体321内で左壁と下壁の間の角部に当接し、右端部325Dの下端は筐体321内で右壁と下壁の間の角部に当接する。転動台325の下面と、筐体321の下壁の上面との間には、間隙が形成される。
【0032】
転動台325の前端部325Aには、左右方向の中央部分を除き、転動面326の上側に突出するガード部327が形成される。ガード部327は、転動面326を転動する遊技球が、左右方向の左右両側の部分から中領域4Cに転落するのを防止する。即ち、転動面326を転動する遊技球は、転動面326の左右方向の中央部分において前端部325A側へ転がり、中領域4Cに排出される。
【0033】
示唆器90は、ステージ部32内に設けられる。示唆器90は、転動台325の下面と、筐体321の下壁の上面との間に形成された間隙内に配置される。示唆器90は、示唆灯カバー91、演出灯カバー92、電飾基板93、基板ガード94を備える。示唆灯カバー91は、操作ボタン9の形態を模し、着色された透明な光透過部材である。本実施形態の示唆灯カバー91は、平面視、略円形である。示唆灯カバー91の色には、操作ボタン9の色と同じ色(例えば赤色)、もしくは近い色が選択される。示唆灯カバー91の上面には、操作ボタン9の上面と同じ文字、記号、図形等(図示略)が印刷または立体成形されている。
【0034】
演出灯カバー92は、左右方向に延びる着色された透明な板状の光透過部材である。演出灯カバー92の上面には、放射状に延びる凹凸形状の表面加工が施される。演出灯カバー92は、転動台325の下面、前端部325Aの後面、左端部325Cの右面、右端部325Dの左面に囲まれる空間部分に収納される。従って遊技者は、転動台325を介して演出灯カバー92上面の凹凸形状を認識できる。示唆灯カバー91は、演出灯カバー92の略中央に配置される。
【0035】
電飾基板93は、演出灯カバー92の下側に設けられる。電飾基板93は、左右方向に延びる板状に形成される。電飾基板93の上面には、複数のLED93A,93Bが設けられる。LED93Aは、電飾基板93上面の中央部分に配置され、示唆灯カバー91に対応する。示唆灯カバー91は、LED93Aの発光によって照明される。LED93Bは、電飾基板93上面の左右両側部分に配置され、演出灯カバー92に対応する。演出灯カバー92は、LED93Bの発光によって照明される。
【0036】
基板ガード94は、電飾基板93と略同形状の板状体である。基板ガード94は電飾基板93にねじ留めされ、電飾基板93の下面を覆う。基板ガード94は、電飾基板93を下側から支え、電飾基板93の撓りを防ぐ。
【0037】
示唆器90は、示唆灯カバー91と基板ガード94の間に演出灯カバー92と電飾基板93を挟み、基板ガード94の下面側から示唆灯カバー91をねじ留めすることによって組み立てられる。示唆器90は、前側を下向きに傾斜させた状態で、ステージ部32の筐体321にねじ留めされる。転動台325は、示唆器90の前側と上側を覆い、筐体321に組み付けられる。示唆器90はステージ部32内に設けられるが、転動台325が透明な部材であるので、ステージ部32の前側から転動台325の下側に位置する示唆灯カバー91と演出灯カバー92を認識することができる。従って遊技者は、パチンコ機1の正面から示唆器90の示唆灯カバー91の上面と演出灯カバー92の上面を視野に捉えることができる。
【0038】
遊技者は、例えば通常遊技状態では、パチンコ機1の発射ハンドル7を操作して左打ちし、遊技球を左領域4Lにおいて流下させる。進入口331,332に進入した遊技球は、連絡通路33を通過し、放出口333から中領域4Cに排出され、中領域4Cを流下する。ワープ入口311に進入した遊技球は、ワープ通路31を通過し、ワープ出口313からステージ部32内に排出される。遊技球はステージ部32の転動面326を転がり、左右方向の中央部分から中領域4Cに排出される。遊技球は、遊技釘に衝突してランダムに跳ねながら中領域4Cを流下する。一部の遊技球は、中領域4Cに設けられた第一始動口14に入賞する。遊技球の第一始動口14への入賞を契機に、主基板のCPUは普通当たり判定、大当たり判定等を行う。
【0039】
演出基板のCPUは、普通当たり判定、大当たり判定等の結果に基づいて演出内容を決定し、演出に係る各種制御を行う。遊技者による操作ボタン9の操作を受け付ける演出を行う場合、演出基板のCPUは、示唆器90の電飾基板93のLED93Aを所定のパターンに従って点灯または点滅させる。また、演出基板のCPUは、演出内容に応じ、電飾基板93のLED93Bを点灯または点滅させてもよい。示唆器90は表示画面28の下方に位置し、さらに上面を前方下向きに傾斜する。ゆえに遊技者は、表示画面28に視線を向けたままでも示唆器90を認識しやすい。さらに示唆器90は、表示画面28の下方に位置し、遊技球の行方を追って遊技者が注目しやすいステージ部32内に設けられているので、発光時に遊技者に認識されやすい。また、示唆灯カバー91が操作ボタン9の形態を模しているので、遊技者は、示唆器90の発光が操作ボタン9の操作を示唆するものであると気付きやすい。遊技者が示唆器90の発光に合わせて操作ボタン9を操作した場合、演出基板のCPUは、例えば演出内容を、操作ボタン9が操作されなかった場合とは異なる内容に変更し、演出に係る各種制御を行う。
【0040】
以上説明したように、表示画面28が例えば7セグメント表示器のように表示制限がある場合、表示画面28は、操作ボタン9の操作を促す表示を行うことが難しい。このような場合でも、パチンコ機1は、表示画面28とは別体に設けた示唆器90で、操作ボタン9の操作を促す演出を行うことができる。
【0041】
示唆器90の示唆灯カバー91は、操作ボタン9の形態を模している。このため遊技者は、示唆器90による演出が、操作ボタン9の操作を示唆することに気付きやすい。
【0042】
示唆器90を表示画面28の下方に設けたことで、遊技者は、表示画面28に視線を向けたままでも示唆器90による演出に気付きやすい。
【0043】
ステージ部32は、表示画面28の下方の位置に設けられる。ゆえに遊技者は、表示画面28に視線を向けたままでもステージ部32内部に設けた示唆器90による演出に気付きやすい。また、示唆器90を既存のステージ部32の内部に設けることで、パチンコ機1は、示唆器90を設けるためのスペースを新たに確保する必要がない。
【0044】
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは言うまでもない。演出基板のCPUは、遊技者が右打ちすることによって右領域4Rを流下する遊技球が、大入賞口16、第二始動口15に入賞した時、普通図柄作動ゲート12を通過した時などに行う演出においても操作ボタン9の操作を受け付ける演出を行い、示唆器90の発光制御を行ってもよい。また、演出基板のCPUは、大入賞口16、第一始動口14、第二始動口15への入賞が一定時間なかった場合に示唆器90の発光制御を行ってもよい。この場合、演出基板のCPUは、操作ボタン9を用い、例えばスピーカ48から発音する音量の調整、電飾用のLEDが発光する光量の調整等、パチンコ機1の演出における設定を変更する操作を受け付けてもよい。
【0045】
本実施形態の表示画面28は7セグメント表示器を用いたが、例えば、ドット表示器を用いてもよい。また、表示画面28は液晶画面であってもよく、操作ボタン9の操作を示唆する表示を液晶画面で行いつつ示唆器90による示唆を行ってもよいし、液晶画面への表示を行わずに示唆器90による示唆を行ってもよい。
【0046】
本実施形態の示唆器90は、LED93A,93Bの点灯または点滅によって示唆を行った。これに限らず、例えば示唆灯カバー91が押下げ方向に移動する機構を備え、示唆灯カバー91の動作によって操作ボタン9の操作を示唆してもよい。示唆灯カバー91の動作による示唆の形態は、前後左右上下方向への移動であってもよいし、例えば示唆灯カバー91が振動してもよい。もちろん、示唆器90全体が移動等の動作を行って、操作ボタン9の操作を示唆してもよい。また、例えば、示唆灯カバー91の側方にキャラクターや手などの演出体を配置し、演出体が示唆灯カバー91を押下する動作を行うことで、操作ボタン9の操作を示唆してもよい。
【0047】
示唆灯カバー91は、操作ボタン9の形態を模していなくてもよい。示唆器90として、例えば、「ボタンを押せ!」等の文字を表示する演出体を設けてもよい。この場合、操作ボタン9の操作を示唆する際に、演出体を遊技者が認識できるように、例えばセンター飾り8内に露出させてもよい。
【0048】
示唆器90は表示画面28の下方に位置するステージ部32内に設けたが、これに限らず、例えば、表示画面28の側方、操作ボタン9の側方、センター飾り8内、センター飾り8の左右など、パチンコ機1の任意の部位に設けてもよい。操作ボタン9は内部にLED等を配置し、LED等の発光によって文字、記号、図形等を操作ボタン9の上面に表示してもよい。この場合、示唆器90のLED93Aも、同様の文字、記号、図形等を表示可能に構成してもよい。
【0049】
転動台325、示唆灯カバー91、演出灯カバー92はそれぞれ透明な部材で形成したが、LED93A,93Bの光を透過できれば半透明な部材で形成してもよい。
【0050】
演出基板のCPUは、操作ボタン9の操作を受け付ける演出を行っている間、示唆器90を継続して点灯または点滅させてもよいし、操作ボタン9の押下が検知された場合に、示唆器90を消灯させてもよい。あるいは、CPUは、操作ボタン9の押下が検知された場合に、示唆器90を別の色で発光させて、操作ボタン9の操作が受け付けられたことを遊技者により分かりやすく報知する構成であってもよい。また、CPUは、操作ボタン9の操作の受け付けを行っていないときに操作ボタン9が操作された場合、操作ボタン9が操作されている間、示唆器90を点灯または点滅させてもよい。また、CPUは、大当たりの期待度が通常より高いことを表すチャンスアップ演出の際に、示唆器90の点灯、点滅、または消灯を行ってもよい。この場合、CPUは、例えば、示唆器90を通常の演出時とは異なる色で発光させたり、通常の演出時であれば操作ボタン9の操作を示唆するタイミングにおいて示唆器90の発光を行わなかったりする等、示唆器90の発行形態をチャンスアップ演出の演出内容に含めてもよい。
【0051】
本実施形態では、通過領域の一例として第一始動口14を挙げたが、通過領域は遊技球の入賞口に限らず、例えば遊技球の通過を検知する単なるゲートであってもよい。当否判定は、大当たり判定に限らず、例えば普通当り判定であってもよい。
【0052】
特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、表示装置、普通電動役物、図柄作動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、各要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【0053】
なお、本発明においては、パチンコ機1が「遊技機」に相当する。第一始動口14が「通過領域」に相当する。表示画面28が「表示手段」に相当する。操作ボタン9が「操作手段」に相当する。示唆器90が「演出手段」に相当する。