(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827161
(24)【登録日】2021年1月21日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】ゲル状カラーシャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/42 20060101AFI20210128BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20210128BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20210128BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20210128BHJP
A61K 8/04 20060101ALI20210128BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
A61K8/42
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/86
A61K8/04
A61Q5/02
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-244679(P2016-244679)
(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公開番号】特開2018-95627(P2018-95627A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(72)【発明者】
【氏名】柴橋 知明
【審査官】
田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−236929(JP,A)
【文献】
特開平08−259426(JP,A)
【文献】
特開2009−035500(JP,A)
【文献】
特表2015−507626(JP,A)
【文献】
Cosmeticos Marliou, Columbia,Red Color Shampoo,Mintel GNPD,2016年11月,ID#4399397,URL,https://portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基性染料を含有するゲル状カラーシャンプー組成物であって、
(A)両性界面活性剤
(B)アルキル硫酸またはその塩
(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル
を含有し、上記(A)成分の含有量は5.0〜20.0質量%であり、かつ(A)/(B)=2.5〜30であり、ゲル状カラーシャンプー組成物を調製後、20℃条件下で1日放置した後の粘度(P1)が5,000mPa・s〜40,000mPa・sであることを特徴とするゲル状カラーシャンプー組成物。
【請求項2】
前記(A)成分がイミダゾリン誘導体型またはアミドベタイン型両性界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載のゲル状カラーシャンプー組成物。
【請求項3】
前記(B)成分を0.4〜5.0%含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲル状カラーシャンプー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛性に優れ、垂れ落ちのない程度の粘性を有し、経時的粘度安定性が良好なゲル状カラーシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、おしゃれのために髪色のニュアンスを変えたり、加齢による白髪を隠蔽するための商品としてカラーシャンプーが知られている。カラーシャンプーとは、日常的に洗髪で連続して使用することで、徐々に染まっていくという特徴を持ち、手軽に使用できることから、一般的に多く利用されている。例えば、特許文献1および特許文献2のようなカラーシャンプー組成物が知られている。
【0003】
またシャンプー組成物としては、近年では使用性の良さ等の観点から適度な粘度を有するゲル状のシャンプー組成物が好まれている。主なシャンプー組成物の増粘法としては、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の分子間にかかる電気的な相互作用を利用して増粘作用を発現させる方法や高分子系増粘剤を添加する方法等が知られている(特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−194159号公報
【特許文献2】特開2003−226622号公報
【特許文献3】特開2003−277791号公報
【特許文献4】特開2002−69485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、塩基性染料を含有するカラーシャンプー組成物を従来の方法で増粘させた場合、塩基性染料がカチオン性を示すため、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の電気的な相互作用による増粘を阻害したり、高分子系増粘剤の効果を著しく低下させる。このため、従来の増粘法でカラーシャンプー組成物を増粘させることが困難であった。さらに、多量の高分子増粘剤を添加することで一時的に十分な粘度まで増粘することは可能だが、経時的粘度安定性が極端に悪く、適度な粘度を経時的に維持することが困難であった。このため、十分な粘度を有さないカラーシャンプー組成物を使用した場合、手からカラーシャンプー組成物が垂れ落ちて周辺を汚してしまう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、塩基性染料を含有するゲル状カラーシャンプー組成物であって、(A)両性界面活性剤、(B)アルキル硫酸またはその塩、(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステルを含有し、かつ(A)/(B)=2.5〜30であり、20℃における粘度が5,000mPa・s〜40,000mPa・sであることを特徴とするゲル状カラーシャンプー組成物を提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、染毛性に優れ、垂れ落ちのない程度の粘性を有し、経時的粘度安定性が良好なゲル状カラーシャンプー組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、塩基性染料を含有するカラーシャンプー組成物であって、(A)両性界面活性剤、(B)アルキル硫酸またはその塩、(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステルを含有し、かつ(A)/(B)=2.5〜30であり、20℃における粘度が5,000mPa・s〜40,000mPa・sであることを特徴とするゲル状カラーシャンプー組成物である。
【0010】
本発明によるゲル状カラーシャンプー組成物には(A)両性界面活性剤を含有する。これにより染毛性を阻害することなく洗浄性を維持する効果がある。
【0011】
本発明で用いられる前記(A)成分としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾリン誘導体型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、カルボキシベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、ヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ホスホベタイン型両性界面活性剤、アミノカルボン酸塩型両性界面活性剤、アミドアミン型両性界面活性剤等が挙げられる。前記(A)成分は1種以上を含有してよい。
【0012】
本発明に用いられる前記(A)成分のうち、洗い流し時の指通りの観点からイミダゾリン誘導体型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤が好ましく、中でも、泡質の観点からラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好ましい。
【0013】
本発明で用いられる前記(A)成分の含有量は、好ましくは5.0〜20.0質量%、より好ましくは8.0〜15.0質量%がよい。前記(A)成分が5質量%未満の場合、組成物中の界面活性剤のアニオン性が高まるため、染毛性が低下する恐れがある。前記(A)成分が20.0質量%を超える場合、洗浄性が高まり過ぎることで染毛性が低下する恐れがある。
【0014】
本発明によるゲル状カラーシャンプー組成物には(B)アルキル硫酸またはその塩を少量含有する。これにより、染毛性を大きく阻害することなく、前記(A)成分との相互作用でカラーシャンプー組成物を増粘する効果がある。
【0015】
本発明で用いられる前記(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。前記(B)成分のうち、泡立ちの観点からラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウムが好ましい。前記(B)成分は1種以上を含有してよい。
【0016】
本発明で用いられる前記(B)成分の含有量は、カラーシャンプー組成物の染毛性に影響を与えない範囲で、好ましくは0.4〜5.0質量%、より好ましくは1.0〜3.0質量%がよい。前記(B)成分が0.4質量%未満の場合、カラーシャンプー組成物を十分に増粘できない恐れがある。前記(B)成分が5.0質量%を超える場合、染毛性が大きく低下する恐れがある。
【0017】
本発明によるゲル状カラーシャンプー組成物には、前記(A)成分と前記(B)成分とを含有するが、その含有比率(A)/(B)が、好ましくは2.5〜30、より好ましくは4〜7.5であるとき、ゲル状カラーシャンプー組成物は染毛性に優れ、垂れ落ちのない程度の粘性を有しているという効果がある。
【0018】
本発明によるゲル状カラーシャンプー組成物には(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステルを含有する。前記(A)成分と前記(B)成分との相互作用で形成した界面活性剤の構造状態に対して前記(C)成分がさらに作用することで、カラーシャンプー組成物をより増粘させ、さらに、経時的粘度安定性も向上する効果がある。
【0019】
本発明で用いられる前記(C)成分を構成するエチレンオキシドの平均付加モル数は30〜200が好ましく、より好ましくは80〜140である。平均付加モル数が30未満では、十分な増粘作用が得られない恐れがある。また、平均付加モル数が200を超える場合、配合が困難になる恐れがある。
【0020】
本発明で用いられる前記(C)成分を構成する1価脂肪酸とポリオキシエチレン鎖とのエステルの数は1〜3であることが好ましい。
【0021】
本発明に用いられる前記(C)成分としては、例えば、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース(商品名:GLUCAMATE DOE−120[ルーブリゾール社製])、トリイソステアリン酸PEG−120メチルグルコース(商品名:マクビオブライトMG−120TIS[日油社製])等が挙げられる。
【0022】
本発明に用いられる前記(C)成分の含有量は、好ましくは0.05〜10.0質量%、より好ましくは0.1〜5.0質量%がよい。前記(C)成分が0.05%未満の場合、十分な増粘作用がない恐れがある。前記(C)成分が10.0%を超える場合、洗い流し時にヌルつきを感じ、使用感が悪化する恐れがある。
【0023】
本発明によるゲル状カラーシャンプー組成物には塩基性染料を含有する。これにより毛髪を染める効果がある。
【0024】
本発明で用いられる塩基性染料としては、特に限定されないが、例えば、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 75、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等から選ばれる1種以上を任意に選択して用いることができる。
【0025】
本発明で用いられる塩基性染料の含有量は、好ましくは0.01〜2.0質量%、より好ましくは0.1〜1.0質量%がよい。塩基性染料が0.01質量%未満の場合、十分な染毛効果が得られない恐れがある。塩基性染料が2.0質量%を超える場合、手や皮膚への染着が激しくなり、使用上問題を生じる恐れがある。
【0026】
塩基性染料以外の染料として、各種の直接染料を塩基性染料と組み合わせて含有しても良い。好ましい直接染料として、ニトロ染料、HC染料等が挙げられる。
【0027】
前記ニトロ染料としては、特に限定されないが、例えば、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩等から選ばれる1種以上を任意に選択して用いることができる。
【0028】
また、前記HC染料としては、特に限定されないが、例えば、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Blue No.15、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等から選ばれる1種以上を任意に選択して用いることができる。
【0029】
本発明のゲル状カラーシャンプー組成物のpHは4.0〜8.0が好ましく、より好ましくはpH5.0〜7.0である。pHが4.0未満、またはpHが8.0を超える場合、染毛性が著しく低下する恐れがある。
【0030】
本発明のゲル状カラーシャンプー組成物のゲル状とは、20℃における粘度が5,000〜40,000mPa・sであることを示す。より好ましくは、粘度は10,000〜30,000mPa・sの範囲である。粘度が5,000mPa・s未満の場合、カラーシャンプー組成物を手などにとり頭髪に塗布する際や、倒立容器等での使用の際に垂れ落ちることで、周辺を汚染してしまう恐れがある。また、粘度が40,000mPa・sを超える場合、カラーシャンプー組成物を容器から出しにくくなり、使用性が悪化する恐れがある。
【0031】
本発明のゲル状カラーシャンプー組成物の20℃における粘度はB型粘度計(東機産業株式会社製「TVB−10M」)を用いて測定する。測定条件としては、M3号ローター3rpm(回毎分)、1分間で得られる値である。
【0032】
本発明のゲル状カラーシャンプー組成物は、上記記載の成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、従来のシャンプー組成物に添加される成分を含有してもよい。添加される成分としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、コンディショニング剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、不透明剤、着色剤、香料等がある。
【0033】
以上、塩基性染料を含有するゲル状カラーシャンプー組成物であって、(A)両性界面活性剤、(B)アルキル硫酸またはその塩、(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステルを含有し、かつ(A)/(B)=2.5〜30であり、20℃における粘度が5,000mPa・s〜40,000mPa・sであることを特徴とするゲル状カラーシャンプー組成物を提供することで、それぞれ単独で含有することでは実現できない相乗効果を表し、染毛性に優れ、垂れ落ちのない程度の粘性を有し、経時的粘度安定性が良好なゲル状カラーシャンプー組成物を提供することができる。
【実施例】
【0034】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
本明細書に示す評価試験において、カラーシャンプー組成物に含まれる成分および、その含有量を種々変更しながら実施した各種の実験結果を以下に示す。ここで、カラーシャンプー組成物の各成分の含有量を示す単位は全て質量%であり、これを常法にて調製した。
【0036】
本明細書に示す評価試験において、「染毛性」、「粘度」および「経時的粘度安定性」について評価した。
【0037】
本明細書に示す評価試験において、「染毛性」は、専門パネラー1名が水道水で10%に希釈したカラーシャンプー組成物を25℃条件下で、毛束(株式会社ビューラックス社製「1g、10cm白髪100%毛束BM−W−A」)に1gを泡立てながら均一に塗布し、5分放置後、温水にてすすいだ後、毛束を乾燥する。この工程を1回とし、3回繰り返した。この染毛色を目視にて確認し、下記の評価基準のように評価した。
【0038】
「染毛性」の評価基準
5:染毛性が特に良好
4:染毛性が良好
3:染毛性が感じられ、問題ない程度
2:染毛性がやや悪い
1:染毛性が悪い
【0039】
本明細書に示す評価試験において、「粘度」はカラーシャンプー組成物を調製後、20℃条件下で1日放置した後、20℃でB型粘度計(東機産業株式会社製「TVB−10M」)を用いて測定する。測定条件としては、M3号ローター3rpm(回毎分)、1分間で得られる値である。前記条件で測定不能の場合、M4号ローター6rpm(回毎分)、1分間の条件で測定する。この数値をP1とする。
【0040】
本明細書に示す評価試験において、「経時的粘度安定性」はカラーシャンプー組成物を40℃条件下で30日間放置し、その後カラーシャンプー組成物を20℃条件下で1日放置した後、B型粘度計(東機産業株式会社製「TVB−10M」)を用いて測定する。測定条件としては、M3号ローター3rpm(回毎分)、1分間で得られる値である。前記条件で測定不能の場合、M4号ローター6rpm(回毎分)、1分間の条件で測定する。この数値をP30とする。これらの数値を元に粘度変化率を算出し、下記の評価基準のように評価した。
【0041】
「経時的粘度安定性評価基準」
粘度変化率(P)(%)=P30/P1×100
5:±0%以上〜20%未満
4:±20%以上〜40%未満
3:±40%以上〜60%未満
2:±60%以上〜80%未満
1:±80%以上〜100%未満
【0042】
(第1評価試験)
第1評価試験では、(A)両性界面活性剤の含有量を様々に代えたカラーシャンプー組成物に関して評価した。表1にカラーシャンプー組成物の成分、含有量、物性および、評価結果を示す。
【0043】
【表1】
【0044】
(第2評価試験)
第2評価試験では、(B)アルキル硫酸またはその塩の含有量および、他の様々なアニオン性界面活性剤に代えたカラーシャンプー組成物に関して評価した。表2にカラーシャンプー組成物の成分、含有量、物性および、評価結果を示す。
【0045】
【表2】
【0046】
(第3評価試験)
第3評価試験では、(C)ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステルの含有量を様々に代えたカラーシャンプー組成物に関して評価した。表3にカラーシャンプー組成物の成分、含有量、物性および、評価結果を示す。
【0047】
【表3】
【0048】
表1〜3に示す実施例1〜14から、「染毛性」、「粘度」および「経時的粘度安定性」について良好な結果が得られた。
【0049】
以下に当該組成物の処方例を列挙する。以下の処方例により得られた組成物は、「染毛性」、「粘度」および「経時的粘度安定性」に関して良好な結果を得た。
【0050】
(実施例15)
成分 含有量(質量%)
(A)ラウロアンホ酢酸Na 7.50
(A)ラウリン酸アミドプロピルベタイン 4.50
(B)ラウリル硫酸トリエタノールアミン 2.20
(C)ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース 0.50
Basic Blue 99 0.12
Basic Brown 16 0.24
4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール 0.04
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.10
エデト酸二ナトリウム 0.30
安息香酸ナトリウム 0.30
クエン酸 0.10
ポリクオタニウム−7 0.10
ポリクオタニウム−10 0.40
ポリクオタニウム−22 0.20
加水分解ダイズタンパク 0.10
ヒバマタエキス 0.10
精製水 81.20
【0051】
(実施例16)
成分 含有量(質量%)
(A)ラウロアンホ酢酸Na 7.50
(A)ラウリン酸アミドプロピルベタイン 4.50
(B)ラウリル硫酸ナトリウム 2.20
(C)ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース 0.30
Basic Blue 75 0.05
Basic Brown 16 0.25
HC Blue No.2 0.20
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.10
エデト酸二ナトリウム 0.30
安息香酸ナトリウム 0.30
クエン酸 0.10
ポリクオタニウム−7 0.10
ポリクオタニウム−10 0.40
ポリクオタニウム−22 0.20
加水分解ダイズタンパク 0.10
ヒバマタエキス 0.10
精製水 81.30
【0052】
実施例15および16の結果から、本発明のゲル状カラーシャンプー組成物について各種試験を行っても「染毛性」、「粘度」および「経時的粘度安定性」について良好な結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、染毛性に優れ、垂れ落ちのない程度の粘性を有し、経時的粘度安定性が良好なゲル状シャンプー組成物を提供することができる。