(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の害虫駆除シートにおいて、クラフト紙からなる被覆シートは、殺虫剤である薬剤が透過する通気性を備え、その薬剤を含有するポリウレタン樹脂層が布団、畳、カーペット、マットレスなど設置箇所にある周囲の物品と接触することを防ぐためのものであり、その害虫駆除シートがダニなどの害虫を死滅させる効果があったとしてもその害虫の死骸はその周囲の物品に残存したままであり、アレルギー症状を引き起こす原因であるアレルゲンとなる問題があった。
【0006】
そこで、本発明では、布団、畳、カーペット、マットレスなど設置箇所の周囲の物品中だけにおいてダニ、ノミなどの害虫を死滅させるのではなく、害虫駆除シート内部でそれら害虫を死滅させるとともにそれら害虫の死骸を内部に保持することができる害虫駆除シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔1〕すなわち、本発明は、表面及び内部に空隙が設けられ、目付が8〜45g/m
2で、厚みが20〜1200μmである害虫規制層と、殺虫成分及び誘引剤を含有する 薬剤を含浸させた薬剤保持層とを備え
、前記害虫規制層の少なくとも外縁部が前記薬剤 保持層に固定され、前記害虫規制層と前記薬剤保持層に生じた隙間を有することを特徴 とする害虫駆除シートである。
【0008】
〔2〕そして、前記薬剤保持層に、殺虫成分が0.01〜1g/m
2含浸されているこ
とを特徴とする前記〔1〕に記載の害虫駆除シートである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、布団、畳、カーペット、マットレスなど設置箇所の周囲の物品中だけにおいて、コナヒョウヒダニ,ヤケヒョウヒダニ,ケナガコナダニ,フトツメダニ,ホソ
ツメダニ,クワガタツメダニ,ミナミツメダニ等のダニ、ネコノミ,イヌノミ,ヒトノミ,ケオプスネズミノミ,ヨーロッパネズミノミ,ヤマトネズミノミ等のノミなどの害虫を死滅させるのではなく、本発明の害虫駆除シートの内部でそれら害虫を死滅させるとともにそれら害虫の死骸をシート内部に保持することができ、本発明の害虫駆除シートを取り換えることによってアレルギー症状を引き起こす原因であるアレルゲンを大幅に低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の害虫駆除シートに関する実施形態について詳しく説明する。なお、説明中における範囲を示す表記のある場合は、上限と下限を含有するものである。
【0013】
本発明の一実施形態における害虫駆除シートは、
図1に示すように、害虫規制層1を上層に、薬剤保持層2を下層に配置し、害虫規制層1と薬剤保持層2の外縁を固定部3によって固定した構造を有している。
【0014】
本発明における害虫規制層1は、その表面及び内部に空隙が設けられ、目付が8〜45g/m
2で、厚みが20〜1200μmであり、当該空隙に侵入した害虫の行動を制限する部材である。また、目付は、12〜40g/m
2であることがより好ましく、15〜30g/m
2であることが最も好ましい。さらに、厚みは50〜600μmであることがより好ましく、80〜400μmであることが最も好ましい。目付及び厚みをこの範囲とすることにより、ダニなどの害虫を侵入させて薬剤保持層2側に導入しうる隙間を確保しながらも、一旦害虫規制層1に侵入し薬剤保持層2に到達したそれら害虫が本発明の害虫駆除シートから外部に逃げることを防ぎ、本発明の害虫駆除シートの内部でそれら害虫を死滅させるとともにそれら害虫の死骸を保持することができる。
【0015】
害虫規制層1に用いる材料としては、不織布、織布など複数の細い繊維が絡みあい、表面及び内部に空隙が設けられたシート状やスポンジ状のものが好ましい。特に、網目がランダムとなりダニなどの害虫の行動を制限しやすい不織布であることが好ましい。不織布を作成するにあたり、フリースの形成方法としては、乾式法、スパンボンド法、湿式法などが好ましく、形成されたフリースの結合方法としては、サーマルボンド法などが好ましい。これらの形成方法及び結合方法であれば、所望の目付及び厚みの害虫規制層1を作成しやすい。
【0016】
害虫規制層1の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、6,6−ナイロンなどのナイロン繊維、エチレン酢酸ビニル繊維などから選ばれる1種又は2種以上を使用することが好ましい。これらの原料を用いることにより、経年劣化しにくいので、薬剤が全て揮散するまで又は全て揮散した後においても安定して害虫を本発明の害虫駆除シート内に保持し、外部に害虫が逃げることを防止することができる。具体的には、ポリプロピレンとしては、旭化成せんい社製のP03015(目付:15g/m
2)、P03020(目付:20g/m
2)、P03030(目付:30g/m
2)、P0
3040(目付:40g/m
2)、三井化学社製のPS−103(目付:16g/m
2)、PS−104(目付:20g/m
2)、PS−105(目付:25g/m
2)、PS−106(目付:30g/m
2)、PS−108(目付:40g/m
2)、PB−0126(目付:16g/m
2)、PB−0220(目付:20g/m
2)、PK−102(目付:13g/m
2)、PK−103(目付:15g/m
2)、PK−108(目付:40g/m
2)、
前田工繊社製のSPS−035E(目付:35g/m
2)、SP−1020E−WH(目
付:20g/m
2)、SP−1030E−WH(目付:30g/m
2)、SP−1040E−WH(目付:40g/m
2)、SP−1017E(目付:17g/m
2)、SP−1020E(目付:20g/m
2)、SP−1030E(目付:30g/m
2)、SP−1040E(目付:40g/m
2)などを使用することができる。また、ポリエステルとしては、
ユニチカ社製の20307WTD(目付:30g/m
2)、70200WSO(目付:2
0g/m
2)、70300WSO(目付:30g/m
2)、90303KSO(目付:30g/m
2)、90403WSO(目付:40g/m
2)、D0403WPO(目付:40g/m
2)、三井化学社製のR−011(目付:25g/m
2)、R−014(目付:35g/m
2)、R−016(目付:45g/m
2)、R−275(目付:25g/m
2)、R−
200(目付:35g/m
2)、R−214(目付:45g/m
2)などを使用することができる。
【0017】
薬剤保持層2は、ピレスロイド系化合物などの殺虫成分及び誘引剤などからなる組成物である薬剤を保持する部材である。薬剤保持層2は、内部に隙間がある網目構造を有しており、その内部に薬剤を保持している。薬剤保持層2の材質は、ポリオレフィン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維などから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。そして、薬剤保持層2は、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法などの製造方法で製造された不織布であることが好ましく、さらに折り目のつかない不織布であることが好ましい。また、薬剤保持層2における網目は、規則性を有していても不規則であってもよい。また、薬剤保持層2の本体の大きさについては、用途の目的に応じて種々変更することができる。なお、本実施形態において、薬剤保持層2は薬剤を含浸することができる単一層のシート状部材であるが、他の実施形態において、さらに薬剤漏洩防止層などを設けた二層以上の複数層とすることもでき、さらに、シート状部材をゼオライトなどのように複数の微小な孔を有する多孔質状部材としたり、薬剤に含有される誘引剤などを揮散しやすくするために立体的な網目状部材としたりすることもできる。
【0018】
そして、薬剤保持層2に保持されている薬剤は、害虫を死滅させるなどにより防除するものであり、ピレスロイド系化合物などの殺虫成分、及び誘引剤を有効成分として含有する製剤である。これらの成分であれば、ダニやノミなどの害虫に対して、薬剤保持層2に誘い寄せて殺虫による駆除効果などを有するので好ましい。
【0019】
ピレスロイド系化合物としては、20〜30℃程度の常温において揮発しにくい常温難揮発性である物質が好ましい。例えば、25℃における蒸気圧が10
-4〜10
-3Paであるピレスロイド系化合物が好ましい。具体的には、天然ピレスロイドとして、ピレトリンI<(1R,3R)−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(1S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2Z)−2,4−ペンタジエニル−2−シクロペンテン−1−イルエステル>、ピレトリンII<(1R,3R)−3−[(1E)−3−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−1−プロペニル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(1S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2Z)−2,4−ペンタジエニル−2−シクロペンテン−1−イルエステル>、シネリンI<(1R,3R)−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(1S)−3−(2Z)−(2−ブテニル)−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イルエステル>、シネリンII<(1R,3R)−3−[(1E)−3−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−1−プロペニル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(1S)−3−(2Z)−(2−ブテニル)−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イルエステル>、ジャスモリンI<(1R,3R)−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 (1S)
−2−メチル−4−オキソ−3−(2Z)−2−ペンテニル−2−シクロペンテン−1−イルエステル>、ジャスモリンII<(1R,3R)−3−[(1E)−3−メトキシ−
2−メチル−3−オキソ−1−プロペニル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (1S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2Z)−2−ペンテニル−2−シクロペ
ンテン−1−イルエステル>、合成ピレスロイドとして、アレスリンI<2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イルエステル>、アレスリンII<3−(3−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イルエステル>、フタルスリン(別名;D−テトラメトリン)<(1,3−ジオキソ−4,5,6,7−テトラヒドロイソインドリン−2−イル)メチル=2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロパ−1−エン−1−イル)シクロプロパン−1−カルボキシラート>、レスメトリン<(5−ベンジル−3−フリル)メチル=2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロパ−1−エン−1−イル)シクロプロパンカルボキシラート>、フェノトリン<3−フェノキシベンジル=2−ジメチル−3−(メチルプロペニル)シクロプロパンカルボキシラート>、ペルメトリン<3−フェノキシベンジル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート>、シフェノトリン<シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル=2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロパ−1−エン−1−イル)シクロプロパンカルボキシラート>、エトフェンプロックス<4−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)−2−オキサペンタン>、シフルトリン<シアノ(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン−1−カルボキシラート>、などが好ましい。そして、上記のうちピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ペルメトリン、フェノトリン、アレスリンI、アレスリンII、レスメトリン、エトフェンプロックスがより好ましく、さらに、フェノトリンが最も好ましい。また、上記のピレスロイド系化合物は1種類のみ、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。このように、上記ピレスロイド系化合物が上述の常温難揮発性であれば、揮発性が低いため、数十日から数か月の長期間に亘り害虫を死滅させる効果を発現させることができ、さらに、布団、畳、カーペット、マットレスなどの物品中ではなく、本発明の害虫駆除シート内部で害虫を死滅させることができる。
【0020】
ピレスロイド系化合物以外の殺虫成分としては、パラチオン、ジクロルボス、マラチオン、フェニトロチオンなどの有機リン剤、カルバリル、プロポクサー、フェノブカーブなどのカーバメート剤、硫酸ニコチンなどのニコチン剤、イミダクロプリド、アセタミプリド、ジノテフランなどのクロロニコチル剤などが好ましい。
【0021】
薬剤保持層2において、ピレスロイド系化合物などの殺虫成分は、0.01〜1g/m
2含浸されていることが好ましく、0.1〜0.4g/m
2含浸されていることがより好ましい。
【0022】
薬剤保持層2に保持されている誘引剤は、ダニなどの害虫を誘い寄せる化合物又は混合物である。誘引剤としては、炭素数6から18である飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸であり、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、γ−リノレン酸などが好ましい。上記の誘引剤は、1種類のみ又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0023】
そして、薬剤保持層2における誘引剤は、0.00001〜0.01g/m
2含浸され
ていることが好ましく、0.0001〜0.005g/m
2含浸されていることがより好
ましい。誘引剤がこの範囲で含浸されていると、害虫が害虫規制層1を通過して薬剤保持層2に到達し易くすることで害虫を死滅させるためのピレスロイド系化合物などの殺虫成分の配合量を削減することができ、さらに、害虫規制層1及び薬剤保持層2において死滅
した害虫を保持することができる。
【0024】
また、薬剤におけるピレスロイド系化合物などの殺虫成分及び誘引剤以外の成分としては、有機溶剤、界面活性剤、共力剤、殺菌剤、防黴剤、水、香料などを用いることができる。
【0025】
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル化合物、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル化合物、アルキルアリールエーテル化合物のポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル化合物、多価アルコールエステル化合物から選ばれる1種類のみ、又は2種類以上組み合わせて用いられることが好ましい。
【0026】
共力剤としては、例えばビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル(S−421)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(商品名:MGK−264)、α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン(ピペロニルブトキシド)、IBTA(チオシアノ酢酸イソボルニル)及びN−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2,2,2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(商品名:サイネピリン500)などが好ましい。
【0027】
また、本発明の害虫駆除シートを作成するときに、害虫規制層1と薬剤保持層2に隙間が生じるよう害虫規制層1の少なくとも外縁部を薬剤保持層2に固定部3を介して固定することが好ましい。固定部3としては、具体的には害虫規制層1及び薬剤保持層2を溶融して得られる害虫規制層1と薬剤保持層2の材料の溶融物や、接着剤であることが好ましい。このように構成することにより、害虫規制層1の中央部近傍が薬剤保持層2と密着していないために害虫規制層1の中央部近傍と薬剤保持層2との間に生じた隙間により、害虫を害虫規制層1から薬剤保持層2へ導入しやすくなり、そして、その隙間に害虫を停滞させやすくなる。また、溶着の方法としては、高周波溶着、加熱溶着などの方法が用いられる。また、適宜薬剤保持層2及び害虫規制層1を区画するように正方形状、長方形状などの形状となるように害虫規制層1の外縁部以外の部分を薬剤保持層2に接着、溶着させるなどして固定することもできる。
【0028】
本発明の害虫駆除シートは、カーペット・マット・じゅうたん・畳等の下、マットレス・敷き布団・クッション等の下、又は押入れ等の床上に設置して使用することができる。また、本発明の害虫駆除シートを使用することで、前記設置箇所において1ヶ月〜36ヶ月程度、好ましくは3ヶ月〜24ヶ月程度、さらに好ましくは6〜12ヶ月程度の長期間に渡り、コナヒョウヒダニ,ヤケヒョウヒダニ,ケナガコナダニ,フトツメダニ,ホソツメダニ,クワガタツメダニ,ミナミツメダニ等のダニ、ネコノミ,イヌノミ,ヒトノミ,ケオプスネズミノミ,ヨーロッパネズミノミ,ヤマトネズミノミ等のノミなどの害虫の駆除効果を得ることができる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】
〔参考例1〕
まず、ポリプロピレンのみからなる害虫規制層1について、ダニなどの害虫を侵入させて薬剤保持層2側に導入するために、どの程度の目付であることが好ましいかを確認した。具体的には、害虫規制層1として、スパンボンド法で形成された5cm四方の正方形状の不織布(旭化成せんい社製)を、12g/m
2(厚み:85μm)、15g/m
2(厚み
:150μm)、20g/m
2(厚み:190μm)、30g/m
2(厚み:250μm)、40g/m
2(厚み:310μm)、50g/m
2(厚み:380μm)、70g/m
2
(厚み:460μm)の7種類用意した。そして、各不織布を用いて、ダニの誘引剤として0.1重量%カプリル酸溶液を含浸させて、カプリル酸の含浸量を0.001252g/m
2とした5cm四方の正方形状の濾紙を覆い試験体を作成した。そして、それぞれの
試験体に対してコナヒョウヒダニ500匹を供試した。それぞれ温度25±2℃、湿度75±5%RHの条件下で24時間静置し、不織布へ侵入し濾紙に移行したダニの個体数を測定した。それぞれ試験体に対して同じ試験を3回繰り返しその平均を求めた。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
〔参考例2〕
また、ポリエチレンテレフタレートのみからなる害虫規制層1について、ダニなどの害虫を侵入させて薬剤保持層2側に導入するために、スパンボンド法で形成された5cm四方の正方形状の不織布(ユニチカ社製、マリックス(登録商標))を、20g/m
2(厚み
:140μm)、30g/m
2(厚み:160μm)、50g/m
2(厚み:180μm)、60g/m
2(厚み:190μm)の4種類用意して、参考例1と同様に試験を行った
。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
表1及び表2の結果から、不織布と誘引剤含浸濾紙からなる試験体にダニを捕獲できた
目付は、12〜40g/m
2の範囲であることが好ましく、特に15〜30g/m
2であることが好ましいことが分かった。目付が50g/m
2以上となると、不織布を構成する網
目による空隙が狭くなりダニが中にほとんど侵入することができないことが示唆され、一方、15g/m
2近傍をピークに小さくなるにつれて不織布を構成する網目による空隙が
広くなりダニが侵入しやすくなる一方で外部に逃避しやすくなっていることが示唆された。これにより、ダニを試験体に留めておくためには、目付を所定の範囲に設計する必要があることが理解できる。
【0035】
〔試験例〕
そして、次に、ポリプロピレンのみからなる害虫規制層1と薬剤保持層2側を積層させて作成した害虫駆除シートの効力を確認した。具体的には、フェノトリンが20重量%、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(商品名:MGK−264)が60重量%、誘引剤としてカプリル酸が0.1重量%及び溶剤が残余として配合された薬剤を作成し、その薬剤を不織布に0.1g/m
2(フェノトリン:0.02g/m
2、カプリル酸:0.0001g/m
2)、0.5g
/m
2(フェノトリン:0.1g/m
2、カプリル酸:0.0005g/m
2)、1g/m
2(フェノトリン:0.2g/m
2、カプリル酸:0.001g/m
2)、1.5g/m
2(
フェノトリン:0.3g/m
2、カプリル酸:0.0015g/m
2)となる量を含浸させて薬剤保持層2を4種類作成した。そして、目付が12g/m
2(厚み:85μm)、1
5g/m
2(厚み:150μm)、50g/m
2(厚み:380μm)である参考例1で使用したものと同じ不織布からなる害虫規制層1を3種類作成した。それぞれの薬剤保持層2に対して、それぞれの害虫規制層1を覆い、害虫規制層1の外縁部のみを溶着し、合計12種類の害虫駆除シートを作成した。
【0036】
これらの害虫駆除シートに対してコナヒョウヒダニ500匹を供試した。それぞれ温度25±2℃、湿度75±5%RHの条件下で24時間静置し、害虫規制層1へ侵入し薬剤保持層2において死滅したダニの個体数を測定した。それぞれ試験体に対して同じ試験を3回繰り返しその平均を求めた。その結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
表3の結果から、害虫駆除剤シートとしては、害虫規制層1の目付が50g/m
2以上
となると、不織布を構成する網目による空隙が狭くなりダニが中に全く侵入することができないため全くダニを死滅させることができなかった。参考例も併せて考察すると、害虫規制層1の目付は、12〜40g/m
2が好ましく、さらに15〜30g/m
2がより好ましいことが分かった。また、薬剤保持層2における殺虫成分の含浸量については、害虫規制層1の目付が12g/m
2、15g/m
2のときは、0.02〜0.3g/m
2の範囲で
はいずれも死滅させて害虫駆除シートに死滅したダニを保持することができた。