(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フランジ部は、前記フランジ部の下面が前記本体部の下面と面一となる位置、または、前記フランジ部の下面が前記本体部の下面よりも前記車体フレームの上面から離れる位置に配置されることを特徴とする請求項3から5の何れか1つに記載のミキサ車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のミキサ車では、ミキサドラムは、前方支持フレームと後方支持フレームとにより支持されており、ミキサドラム及びミキサドラムに投入された生コンクリートの重量は、前方支持フレームと後方支持フレームとを介して車体フレームに作用する。車体フレームは、一般的に、車両の前後方向に延びる長尺構造物であることから、上述のようにミキサドラムの重量が車体フレームに作用すると、前方支持フレームと後方支持フレームとの間の部分、特に車軸を支持する部分に歪みが生じ、この部分に応力が集中することとなる。このような応力集中が生じると、車体フレームが塑性変形したり、車体フレームを構成する部材間の接合箇所が損傷したりするおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ミキサ車の車体フレームの変形等を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、車体フレームに沿って前方支持フレームと後方支持フレームとの間に補強フレームが配置され、補強フレームが、締結部材を介して前方支持フレーム及び後方支持フレームに締結され
、車体フレームに接触して配置されることを特徴とする。
【0007】
第1の発明では、車体フレームに沿って前方支持フレームと後方支持フレームとの間に補強フレームが設けられる。このため、前方支持フレームと後方支持フレームとの間における車体フレームの剛性が補強フレームによって向上されるとともに、補強フレームが車体フレームに沿って設けられることで車体フレームが変形したり歪んだりすることが抑制される。
また、第1の発明では、補強フレームは、前方支持フレーム及び後方支持フレームに対して締結部材を介して容易に組み付けられる。このようにフレーム同士を結合するために溶接作業等を要しないため、補強フレームが設けられる場合であっても、ミキサ車の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0010】
第2の発明は、車体フレームに沿って前方支持フレームと後方支持フレームとの間に補強フレームが配置され、補強フレームが、前方支持フレーム及び後方支持フレームの何れか一方と一体的に形成され、前方支持フレーム及び後方支持フレームの何れか他方と締結部材を介して締結され
、車体フレームに接触して配置されることを特徴とする。
【0011】
第2の発明では、
車体フレームに沿って前方支持フレームと後方支持フレームとの間に補強フレームが設けられる。このため、前方支持フレームと後方支持フレームとの間における車体フレームの剛性が補強フレームによって向上されるとともに、補強フレームが車体フレームに沿って設けられることで車体フレームが変形したり歪んだりすることが抑制される。また、第2の発明では、補強フレームを前方支持フレームまたは後方支持フレームと一体的に形成することで、部品点数が削減される。また、補強フレームは、前方支持フレームまたは後方支持フレームに対して締結部材を介して容易に組み付けられる。このように補強フレームが設けられる場合であっても、部品点数が削減されるとともに、フレーム同士を結合するために溶接作業等を要しないため、ミキサ車の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0012】
第
3の発明は、補強フレームが、車体フレームに沿って配置される本体部と、本体部の端部に設けられ、締結部材が挿通する貫通孔が形成されるフランジ部と、を有し、貫通孔は、車体フレームが延びる方向と平行に形成されることを特徴とする。
【0013】
第
3の発明では、補強フレームは、車体フレームが延びる方向と平行に形成された貫通孔に挿入される締結部材によって、前方支持フレーム及び後方支持フレームに結合される。つまり、補強フレームは、車体フレームに対して車両の前後方向に作用する引張荷重に対抗するように、前方支持フレーム及び後方支持フレームに締結部材を介して結合される。この結果、前方支持フレームと後方支持フレームとの間において、引張荷重に起因して車体フレームが変形等することを抑制することができる。
【0014】
第
4の発明は、フランジ部が、本体部の板厚以上の厚さを有することを特徴とする。
【0015】
第
4の発明では、フランジ部の板厚は、本体部の板厚以上に設定される。このようにフランジ部の剛性を向上させることで、補強フレームは前方支持フレーム及び後方支持フレームと一体的に結合される。この結果、車体フレームに作用する荷重が均一化され、車体フレームが変形等することを抑制することができる。
【0016】
第
5の発明は、補強フレームが、車体フレームの板厚以下の板厚を有することを特徴とする。
【0017】
第
5の発明では、補強フレームの板厚は、車体フレームの板厚以下の厚さを有する。このように、補強フレームの板厚を小さくすることで補強フレームの重量は低減される。この結果、補強フレームによって車体フレームの強度を向上させつつ、積載量の低減を抑制することができる。
【0018】
第
6の発明は、フランジ部が、フランジ部の下面が本体部の下面と面一となる位置、または、フランジ部の下面が本体部の下面よりも車体フレームの上面から離れる位置に配置されることを特徴とする。
【0019】
第
6の発明では、本体部の下面と車体フレームの上面とが面接触した状態となる。このため、面圧が低下し、車体フレームに作用する荷重は均一化される。この結果、車体フレームに歪みが生じることを抑制することができる。
【0020】
第
7の発明は、貫通孔が、フランジ部のうち本体部より上方にある部分及び側方にある部分に設けられることを特徴とする。
【0021】
第
7の発明では、締付部材が挿通する貫通孔が、フランジ部のうち本体部より上方にある部分及び側方にある部分に設けられる。このため、補強フレームを前方支持フレーム及び後方支持フレームに結合させる際に、締付部材の締め付け作業を容易に行うことができる。
【0022】
第
8の発明は、フランジ部が、切欠部を有することを特徴とする。
【0023】
第
8の発明では、フランジ部に切欠部が形成される。このように、フランジ部に切欠部が設けられることで、フランジ部の重量を低減し、補強フレームの重量を低減させることができる。
【0024】
第
9の発明は、締結部材が、ボルトであり、車両の後方側から貫通孔に挿入されることを特徴とする。
【0025】
第
9の発明では、ボルトは、車両後方側から貫通孔に挿入される。このため、ボルトの頭部は、車両後方側に位置することとなり、車両走行中の飛び石等によってボルトの頭部が傷つくことを防止することができる。
【0026】
第
10の発明は、補強フレームが、中空のパイプ材で形成されることを特徴とする。
【0027】
第
10の発明では、補強フレームは、断面二次モーメントが比較的高いパイプ材で形成される。このように車体フレームに沿って配置される補強フレームの断面二次モーメントを高くし剛性を向上させることで、前方支持フレームと後方支持フレームとの間における剛性が向上する。この結果、車体フレームが前方支持フレームと後方支持フレームとの間で変形等することを抑制することができる。また、補強フレームは、中空であるため、補強フレームが設けられる場合であっても、ミキサ車の重量の増加を抑制することができる。
【0028】
第
11の発明は、補強フレームを車体フレームに押し付ける押付部材をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
第
11の発明では、補強フレームは、押付部材によって車体フレームに対して押し付け固定される。つまり、補強フレームは、車体フレームと一体的な構造となるため、前方支持フレームと後方支持フレームとの間における車体フレームの剛性が向上する。この結果、車体フレームが前方支持フレームと後方支持フレームとの間で変形等することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ミキサ車の車体フレームの変形等を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るミキサ車について説明する。
【0033】
<第1実施形態>
まず、
図1〜4を参照して、第1実施形態に係るミキサ車100について説明する。
図1に示されるミキサ車100は、コンクリートプラントでミキサドラム10内に投入された生コンクリート(以下、「生コン」と称する。)を運搬する車両である。ミキサ車100は、以下の説明では積載物として生コンを積載する場合について説明する。
【0034】
ミキサ車100は、生コンを積載するミキサドラム10と、ミキサドラム10を回転駆動する駆動装置12と、ミキサドラム10に生コンを供給するホッパ14と、ミキサドラム10から排出される生コンを所定位置に誘導するシュート16と、車両の前後方向に延びる車体フレーム20と、車体フレーム20上に設けられミキサドラム10の前方を支持する前方支持フレーム30と、車体フレーム20上に設けられミキサドラム10の後方を支持する後方支持フレーム40と、車体フレーム20を補強するために車体フレーム20に沿って前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間に配置される補強フレーム50と、を備える。
【0035】
ミキサドラム10は、後端が開口端として形成された円筒状部材であって、車体フレーム20上に回転自在に搭載されている。
【0036】
ミキサドラム10の前端にはミキサドラム10の回転軸心C1に沿って延在する駆動軸10aが設けられ、ミキサドラム10の後部外周には円環状のローラリング10bが設けられる。ミキサドラム10の駆動軸10aは、前方支持フレーム30に載置された駆動装置12内に設けられる油圧モータ(図示省略)にギアボックス(図示省略)を介して連結される。ミキサドラム10は、油圧モータによって正回転又は逆回転するように構成される。
【0037】
ミキサドラム10の後方側は、ローラリング10bを介して、車体フレーム20の後方に配置された後方支持フレーム40によって下方から支持される。ミキサドラム10の前方側は、駆動装置12を介して、車体フレーム20の前方に配置された前方支持フレーム30によって下方から支持される。ミキサドラム10は、前方よりも後方が上方に持ち上げられた前下がり姿勢で車体フレーム20上に配置される。
【0038】
ミキサドラム10内には、図示しないドラムブレードがドラム内壁面に沿って螺旋状に配設されている。ミキサドラム10とともに回転するドラムブレードによって、ミキサドラム10内に積載された生コンの攪拌等が行われる。
【0039】
ミキサドラム10が正回転する場合には、ドラムブレードは、ミキサドラム10内の生コンを攪拌しながら前方に移動させる。一方、ミキサドラム10が逆回転する場合には、ドラムブレードは、生コンを攪拌しながら後方に移動させる。このようにミキサドラム10を逆回転させることで、ミキサドラム10の開口端から生コンを排出することができる。ミキサドラム10から排出された生コンは、ミキサ車100の後方下部に旋回自在に設けられたシュート16を介して所定位置に誘導される。
【0040】
なお、ミキサ車100の後方上部に設けられたホッパ14を介して、ミキサドラム10内へ生コンを投入する場合には、攪拌時よりもミキサドラム10を高速で正回転させて、投入された生コンを速やかにミキサドラム10の前方へ移動させる。
【0041】
車体フレーム20は、車両の前後方向に延びる一対のサイドレール21と、車両の左右方向に延び一対のサイドレール21を連結する図示しないクロスメンバと、を有する。車体フレーム20は、両端に車輪24が取り付けられた車軸22を図示しないサスペンション等を介して支持する。
図1に示されるミキサ車100は、前方の車軸が1軸であり後方の車軸22が2軸であるトラックをベース車両としている。後方の車軸22の軸数はこれに限定されず、後方の車軸が1軸または3軸以上のトラックをベース車両として採用してもよい。
【0042】
前方支持フレーム30は、車体フレーム20に沿って配置されるベース部31と、ベース部31から上方に延び駆動装置12を支持する支持部33と、を有する。ベース部31の車両後方側の端面にはフランジ部32が設けられる。フランジ部32は、後述の補強フレーム50の前方フランジ部52に接合される。
【0043】
前方支持フレーム30は、押付部材70によってベース部31が車体フレーム20に押し付けられることで車体フレーム20に対して固定される。押付部材70は、U字状ボルト72と、U字状ボルト72のねじ部が挿通する2つの貫通孔を有する固定板74と、U字状ボルト72のねじ部に螺合されるナット76と、を有する。U字状ボルト72と固定板74とによりベース部31と車体フレーム20とが包囲された状態で、U字状ボルト72にナット76が螺着されることによって、ベース部31は、車体フレーム20に押し付け固定される。押付部材70が設けられる位置や押付部材70の数は、
図1に図示される形態に限定されず、任意に設定される。
【0044】
後方支持フレーム40は、車体フレーム20に沿って配置されるベース部41と、ベース部41から上方に延びミキサドラム10のローラリング10bを支持するとともに、ホッパ14及びシュート16が組み付けられる支持部43と、を有する。ベース部41の車両前方側の端面にはフランジ部42が設けられる。フランジ部42は、後述の補強フレーム50の後方フランジ部53に接合される。
【0045】
後方支持フレーム40も、前方支持フレーム30と同様に、押付部材70によってベース部41が車体フレーム20に押し付けられることで車体フレーム20に対して固定される。
【0046】
補強フレーム50は、車体フレーム20に沿って配置される中空状の本体部51と、本体部51の車両前方側の端面に設けられる前方フランジ部52と、本体部51の車両後方側の端面に設けられる後方フランジ部53と、を有する。前方フランジ部52は、前方支持フレーム30のフランジ部32に接合され、後方フランジ部53は、後方支持フレーム40のフランジ部42に接合される。なお、接合構造については、後述する。
【0047】
補強フレーム50も、前方支持フレーム30と同様に、押付部材70によって本体部51が車体フレーム20に押し付けられることで車体フレーム20に対して固定される。このように、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間において、車体フレーム20と補強フレーム50とが一体的な構造となるため、この部分における車体フレーム20の剛性を向上させることができる。
【0048】
次に、
図2〜4を参照して、補強フレーム50と前方支持フレーム30との結合構造について説明する。
図2は、
図1のII部で示される部分を拡大して示した図である。
図3は、
図2のIII−III線に沿う断面図であり、
図4は、
図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【0049】
図2及び
図3に示されるように、補強フレーム50の前方フランジ部52は、本体部51の端面に溶接等によって接合された板状部材である。前方フランジ部52は、その下面52bが本体部51の下面51aと面一となるように、または、下面52bが本体部51の下面51aよりもサイドレール21の上面21aから離れて位置するように本体部51に接合される。つまり、前方フランジ部52は、本体部51に対して下方を除く三方に突出した鍔状に形成される。このため、本体部51の下面51aとサイドレール21の上面21aとは面接触した状態となる。なお、補強フレーム50と同様に、前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40もサイドレール21の上面21aに対して面接触している。
【0050】
前方フランジ部52には、締付部材としてのボルト60が挿通する貫通孔としての挿通孔52aが車体フレーム20の長手方向と平行に複数設けられる。接合強度の観点からは、挿通孔52aは、本体部51を囲むように四方に設けられることが好ましい。しかしながら、挿通孔52aを本体部51とサイドレール21との間に設けると、ボルト60の締め付け作業が困難となる。また、前方フランジ部52は、上述のように本体部51とサイドレール21とを面接触した状態とするための形状となっている。このため、挿通孔52aは、本体部51に対して両側方と上方とに設けられる。なお、挿通孔52aの位置や数は、
図3に示されるものに限定されず、組み立て性や接合強度等を考慮して適宜設定される。
【0051】
また、前方フランジ部52には、
図3に示されるように、前方フランジ部52に対して近接して車両に組み付けられるフェンダ25との干渉を避けるために、切欠部52cが形成される。切欠部52cは、前方フランジ部52の外側面の一部をL字状に切り欠いて形成される。なお、切欠部52cの形状は、上記形状に限定されず、近接する車両部品の形状に合わせて適宜変更され、例えば、ミキサ車用の配線や配管が挿通する貫通孔であってもよい。また、切欠部52cは、挿通孔52aが設けられる部分を避けて前方フランジ部52に形成される孔等の肉抜き部であってもよい。このように、前方フランジ部52に切欠部52cを設けることで、前方フランジ部52の重量を低減させることができる。さらに、切欠部52cを設けることによって、前方フランジ部52に近接して設けられる車両部品の配置の自由度を向上させることができる。
【0052】
前方フランジ部52の板厚Taは、本体部51の板厚Tb以上に設定される。このように前方フランジ部52の剛性を向上させることで、結合部において変形が生じることが抑制される。このため、前方フランジ部52とフランジ部32とを結合させることで補強フレーム50と前方支持フレーム30とは一体的な構造となる。
【0053】
前方支持フレーム30のフランジ部32は、補強フレーム50の前方フランジ部52と同様の形状を有する。フランジ部32には、前方フランジ部52の挿通孔52aに対応して複数の挿通孔32aが設けられる。
【0054】
ボルト60は、車両後方側である補強フレーム50側から挿通孔52a及び挿通孔32aに挿入され、前方支持フレーム30側に設けられたナット62と螺合する。ボルト60とナット62とが所定の締め付けトルクで締め付けられることで、補強フレーム50と前方支持フレーム30とは接合される。ここで、ボルト60の頭部が車両走行中の飛び石等によって傷付くとボルト60の取り外しが困難となる。本実施形態では、ボルト60は、上述のように、車両後方側から挿通孔52a及び挿通孔32aに挿入される。このため、ボルト60の頭部は、車両後方側に位置することとなり、車両走行中の飛び石等によってボルト60の頭部が傷つくことを防止することができる。ナット62は、フランジ部32に溶接固定された溶接ナットであってもよい。あるいは、挿通孔32aに代えて、フランジ部32に雌ネジ孔を形成し、ナット62を廃止してもよい。
【0055】
なお、補強フレーム50は、左右のサイドレール21上にそれぞれ配置されるため、左右で補強フレーム50の長さが異なると、一方のフランジ部32と前方フランジ部52との間に隙間が形成されるおそれがある。このため、フランジ部32と前方フランジ部52との間に隙間を埋めるスペーサを差し込んでもよい。
【0056】
補強フレーム50の本体部51は、
図4に示されるように、サイドレール21の板厚Tc以上の板厚Tbを有する四つ角が丸い角パイプにより形成される。本体部51の断面積が大きいほど断面二次モーメントが大きくなり補強フレーム50の剛性は向上される。一方で、断面積が大きいほど重量が重くなり、積載可能な生コン重量が低下してしまう。したがって、重量と断面二次モーメントとのバランスを考慮し、十分な剛性が確保されるようであれば、本体部51の板厚Tbは、サイドレール21の板厚Tc以下とすることが好ましい。本体部51の板厚Tbを小さくするほど補強フレーム50の重量が低減されるため、補強フレーム50によって車体フレーム20の強度を向上させつつ、積載量の低減を抑制することができる。なお、本体部51は、角パイプに限定されず、例えば、断面二次モーメントが比較的高い円形パイプであってもよい。また、補強フレーム50と車体フレーム20とを一体的な構造とするという観点からは、角パイプのようにサイドレール21と接する平面部を有する断面形状とする方が好ましい。
【0057】
補強フレーム50と後方支持フレーム40とは、補強フレーム50と前方支持フレーム30と同様にして結合される。このため、その説明を省略する。
【0058】
上記構成のミキサ車100では、ミキサドラム10は、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40とにより支持されており、ミキサドラム10及びミキサドラム10に投入された生コンの重量は、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40とを介して車体フレーム20に作用する。車体フレーム20は、車両の前後方向に延びる長尺構造物であることから、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40とを介してミキサドラム10の重量が車体フレーム20に作用すると、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間の部分、特に車軸22を支持する部分が上方に湾曲するように歪み、この部分に応力が集中することとなる。このような応力集中が生じると、車体フレーム20を構成するサイドレール21が塑性変形したり、サイドレール21に対して溶接やリベットによって接合されるクロスメンバの接合部位が損傷したりするおそれがある。
【0059】
具体的には、車体フレーム20には、車体フレーム20の下方から車軸22を介して車両全体を上方に向けて支持する力と、車体フレーム20上に搭載される前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40を介して下方に向かう力、主としてミキサドラム10及びミキサドラム10に投入された生コンの荷重が作用する。このように車体フレーム20に上下方向の力が作用した状態で路面を走行すると、路面から受ける振動などによって、車体フレーム20には部分的に歪みが生じることとなる。車軸22の位置に対する前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40の位置は、車両の長さや搭載されるミキサドラム10の大きさ等によって異なるため、車体フレーム20に生じる歪みの生じ方も異なる。例えば、後方支持フレーム40が車軸22よりも車両後方に配置される場合、車体フレーム20は、車軸22から車両後方に向かって垂れ下がるように湾曲することとなる。
【0060】
これに対して本実施形態では、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間に補強フレーム50が配置されることによって、上述のように車体フレーム20に歪みが生じることを抑制することができる。
【0061】
具体的には、補強フレーム50は、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間の車体フレーム20に変形が生じやすい部分に沿って配置されている。このため、この部分における車体フレーム20の剛性が補強フレーム50によって向上されるとともに、補強フレーム50が車体フレーム20に沿って設けられることで車体フレーム20が変形しにくくなる。例えば、上述のように車体フレーム20を湾曲させる力が車体フレーム20に作用したとしても、補強フレーム50が車体フレーム20上に沿って接触配置されているため、車体フレーム20が湾曲することは抑制される。このように、車体フレーム20が前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間で変形等することは補強フレーム50を設けることで抑制される。
【0062】
また、補強フレーム50は、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間に結合して配置されるため、ミキサドラム10及びミキサドラム10に投入された生コンの荷重は、車体フレーム20に対して補強フレーム50,前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40を介して作用することになる。つまり、車体フレーム20に作用する荷重は、前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40のみを介して作用する場合よりも車両前後方向において平均化される。このように、車体フレーム20に作用する荷重を均一化することで、荷重が不均一であることによって生じていた車体フレーム20の歪みは抑制される。また、補強フレーム50,前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40は、車体フレーム20に対して面接触しているため、面圧が低下し、車体フレーム20に作用する荷重はさらに均一化される。この結果、車体フレーム20に歪みが生じることを抑制することができる。
【0063】
また、補強フレーム50は、前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40に対して、車体フレーム20の長手方向に沿って配置された複数のボルト60により結合されている。つまり、補強フレーム50は、車体フレーム20に対して長手方向に作用する引張荷重に対抗するように前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40にボルト60を介して結合されている。ボルト60は引張荷重に対する許容値が大きいため、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間において車体フレーム20に長手方向の引張荷重が作用したとしても、ボルト60を含む補強フレーム50がこの荷重に抗することとなり、車体フレーム20は伸びにくくなる。このように、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間で引張荷重に起因して車体フレーム20が変形等することは補強フレーム50を設けることで抑制される。
【0064】
さらに、補強フレーム50は、押付部材70によって車体フレーム20に対して押し付け固定されている。つまり、補強フレーム50は、車体フレーム20と一体的な構造となるため、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間における車体フレーム20の剛性が向上される。このように車体フレーム20の剛性が向上されることで、車体フレーム20が前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間で変形等することは抑制される。
【0065】
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0066】
ミキサ車100では、車体フレーム20に沿って前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間に補強フレーム50が配置される。このため、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間における車体フレーム20の剛性が補強フレーム50によって向上されるとともに、補強フレーム50が車体フレーム20に沿って設けられることで車体フレーム20が変形したり歪んだりしにくくなる。この結果、車体フレーム20が前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間で変形等することを抑制することができる。
【0067】
また、フレームの接合は一般的に溶接によって行われるが、車体フレーム20上で溶接作業を行うと周囲にスパッタが飛散することになる。スパッタが車体や車体フレーム20上に搭載される装置等に付着すると、塗装不良の原因となったり、装置の作動不良の原因となったりする。さらに、ミキサ車100の組み立て工程において溶接工程があると、スパッタが飛散することによって、周辺で組み立てられる装置等に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0068】
これに対して、ミキサ車100では、補強フレーム50は、ボルト60を締め付けるだけで前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40に対して容易に組み付けられる。このようにフレーム同士を接合するために、作業工数が多く作業雰囲気にも注意が必要である溶接作業を要しないため、補強フレーム50が設けられる場合であっても、組立性、作業性を悪化させることがない。この結果、ミキサ車100の製造コストの上昇を抑制することができるとともにミキサ車100の品質を向上させることができる。また、溶接作業を要しないことで、ミキサ車100の組み立て工程における作業雰囲気が改善され、周辺で組み立てられる装置等の品質も向上させることができる。
【0069】
続いて、上記第1実施形態の変形例について説明する。
【0070】
上記第1実施形態では、補強フレーム50は、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40とは別体で形成されている。これに代えて、補強フレーム50は、前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40の何れか一方と一体的に形成されてもよい。この場合、補強フレーム50は、前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40の何れか他方とボルト60によって結合される。また、補強フレーム50を例えば長手方向の中間点で分割し、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40とのそれぞれに分割された補強フレーム50を一体的に形成してもよい。
【0071】
また、上記第1実施形態では、締付部材としてボルト60が用いられている。これに代えて、締付部材として、挿通孔52a及び挿通孔32aに挿入されるリベットを採用してもよい。
【0072】
<第2実施形態>
次に、
図5〜7を参照して、本発明の第2実施形態に係るミキサ車200について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付し説明を省略する。
【0073】
図5に示されるように、ミキサ車200の基本的な構成は、第1実施形態に係るミキサ車100と同様である。ミキサ車200は、前方支持フレーム130及び後方支持フレーム140に補強フレーム150が挿入されて締結される点でミキサ車100と相違する。
【0074】
前方支持フレーム130は、車体フレーム20に沿って配置されるベース部131と、ベース部131から上方に延び駆動装置12を支持する支持部133と、を有する。ベース部131の車両後方側の端部には補強フレーム150が挿入される被挿入部132が設けられる。ベース部131は、上記第1実施形態と同様に、押付部材70によって車体フレーム20に押し付け固定される。
【0075】
後方支持フレーム140は、車体フレーム20に沿って配置されるベース部141と、ベース部141から上方に延びミキサドラム10のローラリング10bを支持するとともに、ホッパ14及びシュート16が組み付けられる支持部143と、を有する。ベース部141の車両前方側の端部には補強フレーム150が挿入される被挿入部142が設けられる。ベース部141は、上記第1実施形態と同様に、押付部材70によって車体フレーム20に押し付け固定される。
【0076】
補強フレーム150は、車体フレーム20に沿って配置される中空状の本体部151と、本体部151の車両前方側に設けられる前方挿入部152と、本体部151の車両後方側に設けられる後方挿入部153と、を有する。前方挿入部152は、前方支持フレーム130の被挿入部132に挿入され、後方挿入部153は、後方支持フレーム140の被挿入部142に挿入される。本体部151は、上記第1実施形態と同様に、押付部材70によって車体フレーム20に押し付け固定される。
【0077】
次に、
図6及び
図7を参照して、補強フレーム150と前方支持フレーム130との結合構造について説明する。
図6は、
図5のVI部で示される部分を拡大して示した図である。
図7は、
図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【0078】
補強フレーム150の前方挿入部152には、締付部材としてのボルト160が挿通する挿通孔152aが複数設けられる。挿通孔152aは、車体フレーム20が延びる方向と直交する方向に設けられる。また、前方挿入部152の内部には、挿通孔152a毎にナット162が溶接固定される。
【0079】
前方支持フレーム130の被挿入部132には、前方挿入部152の挿通孔152aに対応して複数の挿通孔132aが設けられる。
【0080】
ボルト160は、被挿入部132の外側から挿通孔132a及び挿通孔152aに挿入され、前方挿入部152内に設けられたナット162と螺合する。ボルト160が所定の締め付けトルクで締め付けられることで、補強フレーム150と前方支持フレーム130とは結合される。なお、補強フレーム150が前方支持フレーム130に挿入される構成に代えて、前方支持フレーム130が補強フレーム150に挿入される構成としてもよい。
【0081】
補強フレーム150と後方支持フレーム140とは、補強フレーム150と前方支持フレーム130と同様にして結合される。このため、その説明を省略する。
【0082】
以上の第2実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0083】
ミキサ車200では、車体フレーム20に沿って前方支持フレーム130と後方支持フレーム140との間に補強フレーム150が配置される。このため、前方支持フレーム130と後方支持フレーム140との間における車体フレーム20の剛性が補強フレーム150によって向上されるとともに、補強フレーム150が車体フレーム20に沿って設けられることで車体フレーム20が変形したり歪んだりしにくくなる。この結果、車体フレーム20が前方支持フレーム130と後方支持フレーム140との間で変形等することを抑制することができる。
【0084】
また、補強フレーム150は、前方支持フレーム130と後方支持フレーム140とに差し込まれた後、ボルト160を締め付けるだけで容易に組み付けられる。このようにフレーム同士を結合するために、作業工数が多く作業雰囲気にも注意が必要である溶接作業等を要しないため、補強フレーム150が設けられる場合であっても、組立性、作業性を悪化させることがない。この結果、ミキサ車200の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0085】
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0086】
ミキサ車100,200は、車両の前後方向に延びる車体フレーム20と、車体フレーム20に設けられミキサドラム10の前方を支持する前方支持フレーム30,130と、車体フレーム20に設けられミキサドラム10の後方を支持する後方支持フレーム40,140と、車体フレーム20に沿って前方支持フレーム30,130と後方支持フレーム40,140との間に配置される補強フレーム50,150と、を備えることを特徴とする。
【0087】
この構成では、車体フレーム20に沿って前方支持フレーム30,130と後方支持フレーム40,140との間に補強フレーム50,150が配置される。このため、前方支持フレーム30,130と後方支持フレーム40,140との間における車体フレーム20の剛性が補強フレーム50,150によって向上されるとともに、補強フレーム50,150が車体フレーム20に沿って設けられることで車体フレーム20が変形したり歪んだりしにくくなる。この結果、車体フレーム20が前方支持フレーム30,130と後方支持フレーム40,140との間で変形等することを抑制することができる。
【0088】
また、補強フレーム50,150は、ボルト60,160を介して前方支持フレーム30,130及び後方支持フレーム40,140に締結されることを特徴とする。
【0089】
この構成では、補強フレーム50,150は、ボルト60,160を締め付けるだけで前方支持フレーム30,130及び後方支持フレーム40,140に対して容易に組み付けられる。このようにフレーム同士を結合するために、作業工数が多く作業雰囲気にも注意が必要である溶接作業等を要しないため、補強フレーム50,150が設けられる場合であっても、組立性、作業性を悪化させることがない。この結果、ミキサ車100,200の製造コストの上昇を抑制することができる。さらに、補強フレーム50,150を前方支持フレーム30,130及び後方支持フレーム40,140とは別体とすることで、前方支持フレーム30,130及び後方支持フレーム40,140の大きさが極端に大きくなることが避けられる。このため、各フレームをカチオン塗装する際、従来の電着槽をそのまま利用することができるとともに、フレームの保管スペースを大幅に拡張することなく各フレームを保管することができる。
【0090】
また、補強フレーム50,150は、前方支持フレーム30,130及び後方支持フレーム40,140の何れか一方と一体的に形成され、前方支持フレーム30,130及び後方支持フレーム40,140の何れか他方とボルト60,160を介して締結されることを特徴とする。
【0091】
この構成では、補強フレーム50,150を前方支持フレーム30,130または後方支持フレーム40,140と一体的に形成することで、部品点数が削減される。また、補強フレーム50,150は、ボルト60,160を締め付けるだけで前方支持フレーム30,130または後方支持フレーム40,140に対して容易に組み付けられる。このように補強フレーム50,150が設けられる場合であっても、部品点数が削減されるとともに、フレーム同士を結合するために溶接作業等を要しないため、ミキサ車100,200の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0092】
また、補強フレーム50は、車体フレーム20に沿って配置される本体部51と、本体部51の端部に設けられ、ボルト60が挿通する挿通孔52aが形成されるフランジ部52,53と、を有し、挿通孔52aは、車体フレーム20が延びる方向と平行に形成されることを特徴とする。
【0093】
この構成では、補強フレーム50は、車体フレーム20が延びる方向と平行に配置されたボルト60によって、前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40に結合される。つまり、補強フレーム50は、車体フレーム20に対して長手方向に作用する引張荷重に対抗するように、前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40にボルト60を介して結合されている。一般的に、ボルト60は引張荷重に対する許容値が大きいため、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間において車体フレーム20に長手方向の引張荷重が作用したとしても、ボルト60を含む補強フレーム50がこの荷重に抗することとなり、車体フレーム20は伸びにくくなる。この結果、前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間において、引張荷重に起因して車体フレーム20が変形等することを抑制することができる。
【0094】
また、フランジ部52,53は、本体部51の板厚Tb以上の厚さTaを有することを特徴とする。
【0095】
この構成では、フランジ部52,53の板厚Taは、本体部51の板厚Tb以上に設定される。このようにフランジ部52,53の剛性を向上させることで、補強フレーム50を前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40に結合させる際に、結合部において変形が生じることが抑制される。このため、前方支持フレーム30,後方支持フレーム40及び補強フレーム50は、一体的な構成となり、車体フレーム20に作用する荷重は、前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40のみを介して作用する場合よりも車両前後方向において平均化される。このように、車体フレーム20に作用する荷重を均一化することで、車体フレーム20が前方支持フレーム30と後方支持フレーム40との間で変形等することを抑制することができる。
【0096】
また、補強フレーム50,150は、車体フレーム20の板厚Tc以下の板厚Tbを有することを特徴とする。
【0097】
この構成では、補強フレーム50,150の板厚Tbは、車体フレーム20の板厚Tc以下の厚さを有する。このように、本体部51の板厚Tbを小さくすることで補強フレーム50,150の重量は低減される。この結果、補強フレーム50によって車体フレーム20の強度を向上させつつ、積載量の低減を抑制することができる。
【0098】
また、フランジ部52,53は、フランジ部52,53の下面52bが本体部51の下面51aと面一となる位置、または、フランジ部52,53の下面52bが本体部51の下面51aよりも車体フレーム20の上面21aから離れる位置に配置されることを特徴とする。
【0099】
この構成では、本体部51の下面51aとサイドレール21の上面21aとは面接触した状態となる。このため、面圧が低下し、車体フレーム20に作用する荷重は均一化される。この結果、車体フレーム20に歪みが生じることを抑制することができる。
【0100】
また、挿通孔52aは、フランジ部52,53のうち本体部51より上方にある部分及び側方にある部分に設けられることを特徴とする。
【0101】
接合強度の観点からは、挿通孔52aは、本体部51を囲むように四方に設けられることが好ましい。しかしながら、挿通孔52aを本体部51とサイドレール21との間に設けると、ボルト60の締め付け作業が困難となる。このため、この構成では、挿通孔52aは、本体部51に対して両側方と上方とに設けられる。この結果、補強フレーム50を前方支持フレーム30及び後方支持フレーム40に結合させる際に、ボルト60の締め付け作業を容易に行うことができる。
【0102】
また、フランジ部52,53は、切欠部52cを有することを特徴とする。
【0103】
この構成では、フランジ部52,53に切欠部52cが形成される。このように、フランジ部52、53に切欠部52cを設けることで、フランジ部52,53の重量を低減し、補強フレーム50の重量を低減させることができる。さらに、切欠部52cを設けることによって、フランジ部52,53に近接して設けられる車両部品の配置の自由度を向上させることができる。
【0104】
また、締結部材は、ボルト60であり、車両の後方側から挿通孔52aに挿入されることを特徴とする。
【0105】
この構成では、ボルト60は、車両後方側から挿通孔52aに挿入される。このため、ボルト60の頭部は、車両後方側に位置することとなり、車両走行中の飛び石等によってボルト60の頭部が傷つくことを防止することができる。この結果、ボルト60を容易に取り外すことが可能となる。
【0106】
また、補強フレーム50,150は、中空のパイプ材で形成されることを特徴とする。
【0107】
この構成では、補強フレーム50,150は、断面二次モーメントが比較的高いパイプ材で形成される。このように補強フレーム50,150の断面二次モーメントを高くし剛性を向上させることで、前方支持フレーム30,130と後方支持フレーム40,140との間における剛性が向上する。この結果、車体フレーム20が前方支持フレーム30,130と後方支持フレーム40,140との間で変形等することを抑制することができる。また、補強フレーム50,150は、中空であるため、補強フレーム50,150が設けられる場合であっても、ミキサ車100,200の重量の増加を抑制することができる。
【0108】
また、ミキサ車100,200は、補強フレーム50,150を車体フレーム20に押し付ける押付部材70をさらに備えることを特徴とする。
【0109】
この構成によれば、補強フレーム50,150は、押付部材70によって車体フレーム20に対して押し付け固定される。つまり、補強フレーム50,150は、車体フレーム20と一体的な構造となるため、前方支持フレーム30,130と後方支持フレーム40,140との間における車体フレーム20の剛性が向上する。この結果、車体フレーム20が前方支持フレーム30,130と後方支持フレーム40,140との間で変形等することを抑制することができる。
【0110】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。