(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、色味の異なる2個のLED素子を有するLED発光装置では、LED素子の取付面が平面の場合も、断面が台形状であるマウント部にLED素子が取り付けられる場合でも、2個のLED素子からの光は、LED素子を取り囲むように配置された反射枠(反射コップ)の反対側の反射面でそれぞれ反射され、直接外部(前面)に出射される。そのため、2個のLED素子からの光が十分に混色せず、光が照射される面のそれぞれの側で、一方のLED素子からの出射光の色味が強くなる。言い換えれば、異なる2個のLED素子の色味がそのまま表れるという問題があった。
【0008】
また、このようなLED発光装置では、発光していない時には、LED素子の上に配置されたレンズを通してLED素子が見えるが、2個のLED素子には異なる色の蛍光体が設けられているので、LED発光装置内に2つの色の異なる部分が見え、外観上の問題があった。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解消し、発光時の混色が良好であり、かつ非発光時の外観も均一な色に見えるLED発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
基板と、基板上に配置されたLED光源と、基板上のLED光源の側方に配置された反射枠とを備え、LED光源は、基板上に配置され、側方の反射枠に向けて光を出力する側面放射型LED素子と、側面放射型LED素子の上部に、側面放射型LED素子からの出射光の少なくとも一部を遮らないように、側面放射型LED素子を跨いで基板上に配置され、側面放射型LED素子とは異なる色の光を上方に出力する上部LED素子とを有し、反射枠は、側面放射型LED素子から出力された光を上方に反射するように配置されることを特徴とするLED発光装置が提供される。
【0011】
LED発光装置は、LED光源および反射枠の上部に配置されたレンズをさらに備え、上部LED素子はレンズに向けて光を出力し、反射枠は、側面放射型LED素子から出力された光をレンズ側に反射することが好ましい。
【0012】
側面放射型LED素子は、LED部の封止樹脂の上面に配置された反射層を有することが好ましい。
【0013】
上部LED素子は、基板上の側面放射型LED素子の両側に位置する脚部と、脚部に支持された発光部と、発光部を封止する封止樹脂とを有することが好ましい。
【0014】
さらに、上部LED素子は、2つの脚部を有し、側面放射型LED素子から側方に出射された180度異なる2方向に向かう光が反射枠により反射するか、上部LED素子は、4つの脚部を有し、側面放射型LED素子から側方に出射された互いに90度異なる4方向に向かう光が反射枠により反射することが好ましい。
【0015】
また、レンズは、側面放射型LED素子および上部LED素子に近い側に、上部LED素子から斜め上方に出射されレンズに入射する光を屈折させる第1の複数の傾斜面と、第1の複数の傾斜面による屈折光を全反射させるとともに、側面放射型LED素子から出射され反射枠により反射してレンズに入射する光を屈折させる第2の複数の傾斜面とで構成される凹凸形状を有することが好ましい。
【0016】
さらに、レンズは、側面放射型LED素子および上部LED素子とは反対側に、側面放射型LED素子および上部LED素子からの入射光を屈折させてレンズの斜め上方に出射させる複数の水平面と、入射光を屈折させてレンズの鉛直上方に出射させる第3の複数の傾斜面とで構成される第2の凹凸形状をさらに有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
上記のLED発光装置によれば、発光時の混色が良好であり、かつ非発光時の外観も均一な色に見える。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、LED発光装置およびその製造方法について説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。なお、図面においては、発明の説明を容易にするために、寸法比は実際のものと同じでないことに留意されたい。
【0020】
図1は、LED発光装置1の斜視図である。
図2は、LED発光装置1の投影図であり、(A)が上面図であり、(B)が側面図である。
【0021】
LED発光装置1は、基板11と、反射部材12Aおよび12Bと、レンズ部材13と、LED光源部20とを有する。LED発光装置1は、例えば、携帯電話のフラッシュ撮影用のLED光源、または照明用のLED光源等に利用可能な発光装置である。以下の説明では、基板11に対してレンズ部材13の位置する側(LED光源部20から見て基板10とは反対側)を上方、基板11の表面でLED光源部20に対して反射部材12Aおよび12Bの位置する側を側方と称する。
【0022】
基板11は、表面および裏面に電極および配線パターンが形成された絶縁体基板であり、例えばセラミック製またはガラスエポキシ製の基板である。反射部材12Aおよび12Bは、断面が台形の部材であり、LED光源部20を挟んで斜面同士が対向するように基板11上に配置されて、反射枠を構成する。反射部材12Aおよび12Bの対向する斜面は、LED光源部20から側方に出射される光を上方に向けて反射する高反射率の面である。反射部材12Aおよび12Bは、アルミ等の高反射率の材料で作られるか、樹脂で作られ、斜面部分に銀等の金属を蒸着する反射処理等が施される。
【0023】
レンズ部材13は、透明な材料で作られ、上側の面または下側の面または両面が例えば球面状のレンズ表面14になっており、レンズとして機能する。なお、球面レンズではなく、フレネルレンズを使用することも可能である。LED光源部20は、側面放射型LED素子30と、上部LED素子40とを有する。
【0024】
図3は、側面放射型LED素子30の投影図であり、上面図、裏面図、2つの側面図および3つの断面図を示す。側面放射型LED素子30は、電極31Aおよび31Bと、絶縁部32と、LED33と、樹脂枠34と、白色樹脂層35とを有する。
【0025】
電極31Aおよび31Bは、側面放射型LED素子30を基板11に電気的に接続するための電極である。絶縁部32は、電極31Aと電極31Bに挟まれた直線状の部材であり、電極31Aと電極31Bとを絶縁する。
【0026】
LED33は、絶縁部32を跨ぐように電極31Aと電極31Bの上に実装されている。樹脂枠34は、電極31A、電極31Bおよび絶縁部32の上面においてLED33を取り囲むように形成された矩形の枠状の部材であり、LED33からの出射光の波長を変換する蛍光体を含有する。樹脂枠34は、側面放射型LED素子30の対向する2つの側面において露出し、樹脂枠34の他の側面および上面は、白色樹脂層35によって覆われている。白色樹脂層35は、側面放射型LED素子30の上面と、樹脂枠34が露出していない2つの側面を覆うように形成されている。
【0027】
側面放射型LED素子30では、LED33で生成された光の大部分は、白色樹脂層35で反射されて蛍光体入りの樹脂枠34を通り、蛍光体により所定の色(波長)の光に変換され、樹脂枠34が露出している2つの側面から出射される。このように、側面放射型LED素子30は、側方の逆の2方向に大部分の光を出射する。LED33の発光波長および樹脂枠34に混入される蛍光体は、例えば、側面放射型LED素子30がアンバ色の光を出力(出射)するように選択される。
【0028】
図4は、側面放射型LED素子30の製造工程を示す図であり、各工程における断面図および上面図を示す。
図4を参照して、側面放射型LED素子30の製造工程について説明する。
【0029】
最初に、
図4の(A)に示すように、LED33を載置した実装基板を用意する。実装基板は、載置されるLED33に電気的に接続される2つの電極31Aおよび31Bと、その間を絶縁する絶縁部32とを有する平板である。次に、
図4の(B)に示すように、実装基板上のLED33の周囲に、蛍光体入りの樹脂を塗布し、実装基板と同じ幅になるようにLED33の周囲に樹脂枠34を形成する。さらに、
図4の(C)に示すように、LED33および樹脂枠34の上に白色樹脂層35を形成する。
【0030】
続いて、
図4の(D)に示すように、LED33の2つの対向する辺(2組のうちのどちらか一方)に沿って、ハーフ・ダイシングにより樹脂枠34および白色樹脂層35の一部を除去する。この時、加工の関係で、その2辺における樹脂枠34が若干残ってもよい。さらに、
図4の(E)に示すように、除去された樹脂枠34の部分に白色樹脂層35を形成する。この時追加される白色樹脂は元の白色樹脂層35と一体になり、コの字型の白色樹脂層35が形成される。以上のようにして、
図3に示す側面放射型LED素子30が作られる。
【0031】
図5は、上部LED素子40の投影図であり、上面図、裏面図、2つの側面図および3つの断面図を示す。上部LED素子40は、電極41Aおよび41Bと、絶縁部42と、LED43と、白色樹脂層44と、樹脂層45とを有する。
【0032】
電極41Aおよび41Bは、上部LED素子40を基板11に電気的に接続するための電極である。絶縁部42は、電極41Aと電極41Bに挟まれた直線状の部材であり、電極41Aと電極41Bとを絶縁する。電極41Aおよび41Bは、上部LED素子40の2つの脚部に相当する。また、電極41A、電極41Bおよび絶縁部42は、LED43の実装基板に相当し、対向する2つの側面が開口したコの字型の脚部を構成する。
【0033】
LED43は、絶縁部42を跨ぐように電極41Aと電極41Bの上に実装されている。白色樹脂層44は、LED43の四方の側面を覆い尽くすように、電極41A、電極41Bおよび絶縁部42の上面におけるLED43以外の領域に形成されている。樹脂層45は、LED43の上面を覆う平板状の部材であり、LED43からの出射光の波長を変換する蛍光体を含有する。上部LED素子40では、白色樹脂層44と樹脂層45の上面が同一平面になるように、両者の厚さが調整されている。
【0034】
上部LED素子40では、LED43の四方が反射性の白色樹脂層35で覆われているため、LED43で生成された光の大部分は、蛍光体入りの樹脂層45を通り、蛍光体により所定の色(波長)の光に変換され、樹脂層45の上面から出射される。このように、上部LED素子40は、大部分の光を上方に出射する。LED43の発光波長および樹脂層45に混入される蛍光体は、例えば、上部LED素子40が白色の光を出力(出射)するように選択される。
【0035】
上部LED素子40の製造時には、まず、LED43の実装基板を製作する。このような実装基板は、例えば、電極41Aおよび41Bと絶縁部42からなる厚い基板を中央の下部を除くように加工するか、電極41Aおよび41Bと絶縁部42からなる薄い基板に、電極41Aおよび41Bの脚部に相当する直方体を接続して製作される。次に、上記のような実装基板に、LED43を電極41Aおよび41Bと電気的に接続するように載置し、実装基板上のLED43の周囲およびLED43を薄く覆う厚さで白色樹脂層44を形成する。そして、LED43の上面の白色樹脂層44をハーフ・ダイシングにより除去し、除去した部分に蛍光体入りの樹脂層45を形成する。以上のようにして、
図5に示す上部LED素子40が作られる。
【0036】
図6は、側面放射型LED素子30とその上部に配置された上部LED素子40とを含むLED光源部20の投影図であり、上面図、裏面図、および2つの側面図を示す。側面放射型LED素子30は、
図1、
図2および
図6に示すように、上部LED素子40の電極41Aおよび41Bが形成するコの字型の空間に入るように配置される。具体的には、側面放射型LED素子30は、電極31Aおよび31Bが基板11上の対応する電極に接続されるように固定される。次に、上部LED素子40は、側面放射型LED素子30を跨ぐように、電極41Aおよび41Bが基板11上の対応する電極に接続されるように固定される。言い換えれば、上部LED素子40は、側面放射型LED素子を跨ぐように配置される。
【0037】
図2の(B)に示すように、上部LED素子40から上方に出射された光は、そのままレンズ部材13に向かい、側面放射型LED素子30から側方に出射された光は、反射部材12Aおよび12Bの斜面で反射されて上方のレンズ部材13に向かう。側面放射型LED素子30から側方の2方向に出射された光は、反射枠の反対側の面でそれぞれ反射されてレンズ表面14から出るので、左右対称な光分布で出射する。上部LED素子40からの光も上方に向けて均等に出射する。このように、側面放射型LED素子30から光と上部LED素子40からの光は、それぞれ均等な光分布で出射するので、照射面において均等な光分布、すなわち良好な混色になる。
【0038】
さらに、非発光時にレンズ表面14を介してLED光源部20を見ると、中心に上部LED素子40の蛍光体入りの樹脂層45が見え、その両側に近接して側面放射型LED素子の両側面の蛍光体入りの樹脂枠34の露出部分が見える。樹脂層45と樹脂枠34の非発光時の色は、蛍光体の種類が異なるので異なる色に見えるが、互いに近接して見える上、同じ色の2つの部分(樹脂枠34の露出部分)の間に異なる色の部分(樹脂層45)が見えるため、ほぼ均一に見える。これにより、LED発光装置の外観が改善される。
【0039】
LED光源部20では、側面放射型LED素子30は、側方の逆の2方向に光を出射したが、それ以上の数の方向に光を出射してもよい。次に説明するLED光源部21の側面放射型LED素子30は、90度ずつ異なる4方向に光を出射する。
【0040】
図7は、LED光源部21の斜視図である。
図7では、LED光源部20と同じ部分には同じ参照符号を付している。LED光源部21は、上部LED素子40の脚部の形状と側面放射型LED素子30の光の出射方向がLED光源部20とは異なるが、それ以外の点ではLED光源部20と同じ構成を有する。
【0041】
上部LED素子40は、
図7に示す脚部41AA,41ABおよび41BAならびに図示しないもう1本の脚部を有する。すなわち、上部LED素子40の脚部は、コの字型ではなく4脚である。したがって、上部LED素子40の脚部は、側面放射型LED素子30から側方の全方位に出射された光のうち、互いに90度異なる4つの方向に向かう光を通過させる。上部LED素子40の作成方法は、LED光源部20と同じであり、脚部の形状を変更するだけである。
【0042】
側面放射型LED素子30は、側方の2方向でなく全方向に光を出射する。このような側面放射型LED素子30を作成するには、例えば、
図4の(D)および(E)の工程を行わず、LED33の周囲の樹脂枠34をそのまま残せばよい。
【0043】
LED光源部21を使用するLED発光装置では、例えば、反射部材12Aおよび12Bと同様の4つの反射部材が、互いに90度異なる4方向に設けられる。この場合、反射部材を四角錐体の一部として一体に形成し、その傾斜面を反射面としてもよい。また、反射部材を円錐体の一部として形成してもよい。
【0044】
LED光源部21を使用するLED発光装置では、上部LED素子40から上方に出射された光は、LED発光装置1と同様にレンズ部材13に向かい、側面放射型LED素子30からは、側方の4方向に出射された光が反射部材の反射面でそれぞれ反射されてレンズ部材13に向かう。このため、出射される光の分布がより一層均質になり、照射面における光分布、すなわち混色が一層改善される。LED発光装置の外観の改善についても、LED発光装置1の場合と同様である。
【0045】
図8は、LED発光装置2の斜視図である。
図9は、LED発光装置2の破断斜視図である。LED発光装置2は、基板11と、反射部材12と、LED光源部20と、レンズ部材50とを有する。このうち、基板11とLED光源部20は、LED発光装置1のものと同じである。LED発光装置2のLED光源部20も、上記した側面放射型LED素子30と上部LED素子40の2種類で構成される。また、LED発光装置2では、上記した反射部材12Aおよび12Bと同様の反射面を有する反射部材(反射枠)12が、LED光源部20の周囲全体を取り囲むように配置され、反射部材12とLED光源部20の上に、レンズ部材50が配置される。
【0046】
レンズ部材50は、縦横の長さが基板11と同じ平板状の基台部51と、基台部51よりも水平方向の大きさが小さく、基台部51の中央に中心を合わせて配置された円形部52とを有する。基台部51と円形部52は一体に形成されている。また、レンズ部材50は、LED光源部20からの光の入射面である基台部51の下面側(側面放射型LED素子30および上部LED素子40に近い側)に、同心円状の凹凸形状53を有するフレネルレンズである。
【0047】
図10は、レンズ部材50の部分拡大断面図である。
図10に示すレンズ部材50の上側は円形部52の上面に、下側は基台部51の下面に、それぞれ相当する。また、
図10では、左側がLED発光装置2の中央部(上部LED素子40の直上)に近く、右側がLED発光装置2の外周部(反射部材12の直上)に近い。
【0048】
レンズ部材50の凹凸形状53は、交互に形成された複数の傾斜面61および62で構成される。一方、レンズ部材50の上面は、水平面65である。傾斜面61は、第1の複数の傾斜面の一例であり、上部LED素子40からの光が入射できるように、レンズ部材50の下側に向かうほどLED発光装置2の中央側から外周側に傾斜している。傾斜面61は、上部LED素子40から斜め上方に出射されレンズ部材50に入射する光を屈折させる。また、傾斜面62は、第2の複数の傾斜面の一例であり、側面放射型LED素子30からの光が入射できるように、レンズ部材50の下側に向かうほどLED発光装置2の外周側から中央側(すなわち、傾斜面61とは反対側)に傾斜している。傾斜面62は、傾斜面61による屈折光を全反射させるとともに、側面放射型LED素子30から出射され反射部材12により反射してレンズ部材50に入射する光を屈折させる。
【0049】
例えば、
図10に示す光線L1およびL2は、上部LED素子40から傾斜面61でレンズ部材50に直接入射するとともに屈折し、傾斜面62で全反射してレンズ部材50の内部を伝播し、上側の水平面65で再び屈折して、レンズ部材50から斜め上方へ出射される。また、光線L3およびL4は、側面放射型LED素子30から出射され、反射部材12で反射して、傾斜面62でレンズ部材50に入射するとともに屈折し、レンズ部材50の内部を伝播した後、上側の水平面65で再び屈折して、レンズ部材50から斜め上方へ出射される。
【0050】
このように、レンズ部材50の入射面は、上部LED素子40からの光が入射する傾斜面61と、側面放射型LED素子30からの光が入射する傾斜面62とを有する。レンズ部材50の入射面をフレネル形状とすることにより、LED発光装置2は、1つのレンズ部材50を、側面放射型LED素子30と上部LED素子40の両方に対応した屈折レンズ兼TIRレンズとして使用する。
【0051】
レンズ部材50の出射面は平坦な水平面65であるため、レンズ部材50からの出射光は斜め上方に広がる。例えば、フラッシュ撮影用の光源では、正面だけでなく、その外周部も明るく照射できることが求められる。LED発光装置2では、レンズ部材50を通した出射光が斜め上方にも広がるため、こうしたフラッシュ撮影用のLED光源としての使用にも適している。
【0052】
図11は、LED発光装置3の斜視図である。
図12は、LED発光装置3の破断斜視図である。レンズ部材の凹凸形状以外の点では、LED発光装置3の構成は、LED発光装置2のものと同じである。
【0053】
LED発光装置3のレンズ部材50’は、LED発光装置2のレンズ部材50と同様に下面側に凹凸形状53’を有するが、凹凸形状53’は、同心円状ではなく、基板11の1辺に平行な直線状に形成されている。すなわち、レンズ部材50’は、LED光源部20からの光の入射面である基台部51の下面側に、直線状の凹凸形状53’を有するリニアフレネルレンズである。レンズ部材50’は、凹凸形状が同心円状か直線状かという違いを除けば、その断面は
図10に示したレンズ部材50のものと同様である。凹凸形状53’も、
図10に示した傾斜面61および62と同様の傾斜面により構成される。また、LED光源部20からの光の経路も、
図10について説明したものと同様である。レンズ部材50’のように、凹凸形状は同心円状のものに限らず、直線状であってもよい。
【0054】
図13は、レンズ部材50’’の部分拡大断面図である。レンズ部材50’’は、側面放射型LED素子30および上部LED素子40に近い下面側に同心円状の凹凸形状53を、側面放射型LED素子30および上部LED素子40とは反対の上面側に同心円状の凹凸形状54を、それぞれ有するフレネルレンズである。上記のレンズ部材50および50’は下面側にのみ凹凸形状を有しているが、LED発光装置のレンズ部材は、レンズ部材50’’のように、上面側と下面側の両方に凹凸形状を有してもよい。なお、
図13でも、
図10と同様に、左側がLED発光装置の中央部(上部LED素子40の直上)に近く、右側がLED発光装置の外周部(反射部材12の直上)に近い。
【0055】
凹凸形状53は、レンズ部材50のものと同じであり、交互に形成された複数の傾斜面61および62で構成される。また、凹凸形状54は、第2の凹凸形状の一例であり、傾斜面63、傾斜面64および水平面65の繰り返しで構成される。傾斜面63は、第3の複数の傾斜面の一例であり、レンズ部材50’’の下側に向かうほどLED発光装置の中央側から外周側に傾斜している。傾斜面64は、第3の複数の傾斜面の一例であり、レンズ部材50’’の下側に向かうほどLED発光装置の外周側から中央側(すなわち、傾斜面63とは反対側)に傾斜している。傾斜面63および64は、側面放射型LED素子30および上部LED素子40から入射しレンズ部材50の内部を伝播した光を屈折させて、レンズ部材50’’の鉛直上方に出射させる。水平面66は、レンズ部材50’’に入射しその内部を伝播した光を屈折させて、レンズ部材50’’の斜め上方に出射させる。
【0056】
例えば、
図13に示す光線L1は、上部LED素子40から傾斜面61でレンズ部材50’’に直接入射するとともに屈折し、傾斜面62で全反射してレンズ部材50’’の内部を伝播し、上側の傾斜面63で再び屈折して、レンズ部材50’’の鉛直上方に出射される。また、光線L3は、側面放射型LED素子30から出射され、反射部材12で反射して、傾斜面62でレンズ部材50’’に入射するとともに屈折し、レンズ部材50’’の内部を伝播した後、上側の傾斜面64で再び屈折して、レンズ部材50’’の鉛直上方に出射される。
【0057】
一方、
図13に示す光線L2は、光線L1と同様に上部LED素子40から傾斜面61でレンズ部材50’’に入射し、傾斜面62で全反射するが、その後、上側の水平面66で再び屈折して、レンズ部材50’’から斜め上方へ出射される。また、光線L4は、光線L2と同様に側面放射型LED素子30から出射され、反射部材12で反射し、傾斜面62でレンズ部材50’’に入射するが、その後、上側の水平面66で再び屈折して、レンズ部材50’’から斜め上方へ出射される。
【0058】
レンズ部材50’’は、出射面に凹凸形状54を有するため、出射光を鉛直上方に向かうものと斜め上方に向かうものに分けることができる。したがって、レンズ部材50’’を用いたLED発光装置では、正面とその外周部の両方を明るく照射することができる。凹凸形状54の形状を調整することにより、所望の方向に光を出射させることが可能である。
【0059】
図13において、鉛直方向を角度の基準(0度)とし、図の右側に傾斜した場合の角度を正の値とし、図の左側に傾斜した場合の角度を負の値とする。角度の値をこのように定義すると、一例として、
図13に示したレンズ部材50’’では、傾斜面61〜64は、それぞれ、−20度、+45度、−58度、+58度の大きさを有する。すなわち、傾斜面61と傾斜面62では、傾斜面62の方が鉛直方向に対する角度の絶対値が大きく、傾斜が緩やかである。また、傾斜面63と傾斜面64の傾斜の大きさは同じである。
【0060】
レンズ部材50’’を用いたLED発光装置では、光が所望の方向に出射されるように反射部材12の反射面の角度が調整される。例えば、レンズ部材50’’から0度と±37.5度の方向に出射される光が必要であるとする。この場合、上部LED素子40からの光線L1およびL2が45度で傾斜面61に入射し、側面放射型LED素子30から出射され反射部材12で反射した光線L3およびL4が−11度で傾斜面62に入射し、各光線がレンズ部材50’’内を±23.7度で伝播すればよい。そこで、光線L3およびL4が−11度でレンズ部材50’’に入射するように、反射部材12の反射面の角度が調整される。すなわち、上部LED素子40から入射するTIR光と、側面放射型LED素子30から入射する屈折光とが、レンズ部材50’’内で鉛直方向(法線方向)に対して同じ大きさの角度だけ傾いた方向に伝播するように、屈折光の入射角度が調整される。
【0061】
LED発光装置2および3、ならびにレンズ部材50’’を用いたLED発光装置でも、LED発光装置1と同様に、出射光の分布が均質になり発光時の混色が改善され、かつ非発光時の外観も均一な色に見えるという効果がある。また、上部LED素子40が側面放射型LED素子30を跨いで配置されているため、2つの素子を有していても、これらを水平方向に並べて配置した場合と比べて、発光領域の大きさが小さくなるという効果もある。
【0062】
図14は、LED発光装置4の斜視図である。LED発光装置4は、今まで説明してきたLED発光装置とは異なりレンズ部材を有していないが、それ以外の点では、LED発光装置1と同じ構成を有する。LED発光装置4のように、LED発光装置は必ずしもレンズ部材を有していなくてもよい。LED発光装置4では、上部LED素子40からの光は、そのまま上方に向かい、均等に出射する。また、側面放射型LED素子30からの光は、反射部材12Aおよび12Bの斜面で反射されて上方に向かい、左右対称な光分布で出射する。LED発光装置4でも、反射部材12Aおよび12BならびにLED光源部20の構成がLED発光装置1のものと同じであるため、LED発光装置1と同様に、照射面において均等な光分布、すなわち良好な混色になる。また、LED発光装置4の外観の改善についても、LED発光装置1の場合と同様である。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、各種の変形例があり得るのは言うまでもない。例えば、
図7のLED光源部21における側面放射型LED素子30では、側面の全周にわたって樹脂枠34を露出させるのではなく、4つの角部に白色樹脂層35を設けて、その間の4方向にのみ樹脂枠34を露出させてもよい。また、
図11のレンズ部材50’の上面に、
図13のレンズ部材50’’の凹凸形状54と同様の凹凸形状を設けてもよい。また、LED光源部21を有するLED発光装置に、レンズ部材50,50’および50’’のいずれかを取り付けてもよい。