特許第6827355号(P6827355)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827355
(24)【登録日】2021年1月21日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】電池制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20210128BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20210128BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20210128BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20210128BHJP
   B60W 10/26 20060101ALI20210128BHJP
   B60W 20/13 20160101ALI20210128BHJP
【FI】
   H02J7/00 B
   H02J7/10 B
   H02J7/10 H
   H02J7/10 L
   H01M10/48 P
   H01M10/48 301
   H01M10/44 P
   B60W10/26 900
   B60W20/13ZHV
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-67877(P2017-67877)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-170904(P2018-170904A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】505083999
【氏名又は名称】ビークルエナジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 晋
(72)【発明者】
【氏名】坂部 啓
(72)【発明者】
【氏名】マテ ファニー
(72)【発明者】
【氏名】小松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】石津 竹規
【審査官】 早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0226291(US,A1)
【文献】 特開2009−148046(JP,A)
【文献】 特開2006−304572(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/061412(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/098012(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
H01M10/42−10/48
B60L1/00−3/12
B60L7/00−13/00
B60L15/00−58/40
B60W10/00−20/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池の充放電電流を制御する制御部を備えた電池制御装置において、
前記制御部は、電池温度、及び充放電電流量に基づいて、前記蓄電池の温度上昇を予測し、温度上昇の予測結果を用いて前記蓄電池の上限温度を超えないように複数の上限充放電電流の値から1つの上限充放電電流の値を選択して充放電電流を制御するものであり、
前記制御部は、
電池温度や外気温度、電池充電状態を示すSOCの情報から、電池システムの温度と充放電電流による温度変化を予測して電流の上限値を求め、前記蓄電池の温度が上限温度を超えない範囲で電流を制御する温度対応電流制御部と、
実際に充放電している電池の電圧、電池温度、SOCの情報から上下限電圧の範囲内に留められる最大電流を演算して電流の上限値を求め、前記蓄電池の電圧が上下限電圧範囲を超えない範囲で電流を制御する上下限電圧対応電流制御部とを有し、
前記制御部は、さらに、前記蓄電池に流れる充放電電流に基づいて、前記温度対応電流制御部による上限充放電電流の値、または前記上下限電圧対応電流制御部による上限充放電電流の値のいずれかを上限充放電電流とするよう優先順位を決定するものであり、
前記優先順位を、前記温度対応電流制御部で求めた上限充放電電流の値と実際に蓄電池が充放電している充放電電流の比較に基づき決定する電池制御装置。
【請求項2】
蓄電池の充放電電流を制御する制御部を備えた電池制御装置において、
前記制御部は、電池温度、及び充放電電流量に基づいて、前記蓄電池の温度上昇を予測し、温度上昇の予測結果を用いて前記蓄電池の上限温度を超えないように複数の上限充放電電流の値から1つの上限充放電電流の値を選択して充放電電流を制御するものであり、
前記制御部は、
電池温度や外気温度、電池充電状態を示すSOCの情報から、電池システムの温度と充放電電流による温度変化を予測して電流の上限値を求め、前記蓄電池の温度が上限温度を超えない範囲で電流を制御する温度対応電流制御部と、
実際に充放電している電池の電圧、電池温度、SOCの情報から上下限電圧の範囲内に留められる最大電流を演算して電流の上限値を求め、前記蓄電池の電圧が上下限電圧範囲を超えない範囲で電流を制御する上下限電圧対応電流制御部とを有し、
前記制御部は、さらに、前記蓄電池に流れる充放電電流に基づいて、前記温度対応電流制御部による上限充放電電流の値、または前記上下限電圧対応電流制御部による上限充放電電流の値のいずれかを上限充放電電流とするよう優先順位を決定するものであり、
前記制御部は、前記温度対応電流制御部による上限充放電電流の値と、前記蓄電池に流れる充放電電流を比較し、前記蓄電池に流れる充放電電流が前記温度対応電流制御部による上限充放電電流の値よりも大きい場合は前記温度対応電流制御部の上限充放電電流の値を優先し、前記温度対応電流制御部の上限値よりも小さい場合は、前記上下限電圧対応電流制御部の上限充放電電流の値を優先する電池制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
世界各地で燃費規制が強化される中、HEV(ハイブリッド自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド自動車)やEV(電池自動車)など電動走行車両の市場が拡大しつつある。これらの車両に搭載される車載用電池には、リチウムイオン二次電池が使用されている。今後の電動走行車両の普及拡大には、リチウムイオン二次電池の低価格化が求められており、その手段として自然空冷化が求められている。一方で、リチウムイオン二次電池は安全保護や劣化防止のために使用する温度範囲が決められており、充放電による発熱に伴う電池の温度変化を適切な使用範囲に制御しなくてはならず、自然空冷化する場合は、電流を制御することでそれを実現する。
【0003】
電池の充放電電流の制御の際には、電池が過放電や過充電にならないよう守るべき上下限電圧、電池システムに使用する部品の定格電流など、温度以外にも考慮すべきことがある。また、電池の温度は、電池の発熱量によって変化するため、大きな電流であっても短時間であれば温度上昇はしないか、温度上昇は微小である。
【0004】
特許文献1には、電池の温度を温度計測手段により計測し、計測された温度が上限温度を越えないように許容電流を演算して、充放電電流を制御する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−096712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、単純に温度によって一律に電流を抑制しているので、温度上昇しない短時間の電流も抑制してしまい、電動自動車の燃費悪化や運転性の低下に繋がる欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による電池制御装置は、蓄電池の充放電電流を制御する制御部を備えた電池制御装置において、前記制御部は、電池温度、及び充放電電流量に基づいて、前記蓄電池の温度上昇を予測し、温度上昇の予測結果を用いて前記蓄電池の上限温度を超えないように複数の上限充放電電流の値から1つの上限充放電電流の値を選択して充放電電流を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電池制御装置によれば、適切な温度制御が可能になり、電動車両の燃費性能や運転性能を損なうことなく、充放電制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電池システムの構成図である。
図2】電池制御装置の機能ブロック図である。
図3】温度対応電流制御部による上限電流を示す図である。
図4】上限電流選択部による上限電流の選択を示す図である。
図5】電池制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態による電池システム100の構成の一例である。電池システム100の出力電圧は、電池の残容量や出力電流等により変動する直流電圧のため、負荷111に直接電力を供給するには適さない場合がある。そこで本実施形態では上位コントローラ112により制御されるインバータ110により電池システム100の出力電圧を三相交流に変換し負荷111に供給している。負荷111に直流電圧や他の多相交流、単相交流を供給する場合も同様の構成となる。また、負荷111が電力を出力する場合はインバータ110を双方向インバータとすることにより、負荷111が出力した電力を電池システム100に蓄えることができる。また、インバータ110と並列に充電システムを電池システム100に接続することで、必要に応じ電池システム100を充電することも可能である。
【0011】
電池システム100はインバータ110や負荷111の制御に有用なSOCやSOH、流すことのできる最大充電電流、放電電流(許容電流)、電池温度、電池異常の有無等の電池状態に関する情報を上位コントローラ112に送信する。上位コントローラ112はこれらの情報に基づき、エネルギーマネージメントや異常検知等を行う。また上位コントローラ112は電池システム100をインバータ110または負荷111から切り離すべきと判断した場合は切断指示を電池システム100に対し送信する。
【0012】
電池システム100は複数個の電池からなる1台以上の電池モジュール105と、電池システム100の状態を監視、推定、および制御する電池制御装置103、電池システム100の出力を断続するリレー106、電池に流れた電流を計測する電流センサ108、電池電圧を計測する電圧センサ202、電池システム100と、例えばアースとの間の絶縁抵抗を計測する漏電センサ203、そして電池システムの出力電圧に応じ設けられる遮断器107から構成される。
【0013】
電池モジュール105は複数個の単位電池を有し、電池モジュール105内部の温度や各電池の電圧を計測し、また必要に応じ単電池単位での充放電を行う。これにより単電池単位での電圧監視や電圧調整が可能となり、また温度に応じて特性が変化する電池の状態推定に必要な温度情報を計測可能となる。詳細は後述する。
【0014】
電池モジュール105には電流センサ108とリレー106を電池モジュール105に直列に接続する。これにより電池モジュール105の状態を監視、および推定するために必要な電流値が計測可能となり、また電池システム100の出力を上位コントローラ112の指令に基づき断続可能となる。電池モジュール105が、例えば100V以上の高電圧となる場合は、手動により電池システム100への電力入出力を遮断するための遮断器107を追加することがある。遮断器107を用いて強制的に遮断を行うことで、電池システム100の組み立て時や解体時や、電池システム100を搭載した装置の事故対応時に、感電事故や短絡事故の発生を防ぐことが可能となる。なお、電池モジュール105が複数台並列に接続されている場合は、各列にリレー106、遮断器107、電流センサ108を設けてもよいし、電池システム100の出力部分にのみリレー106、遮断器107、電流センサ108を設けてもよい。また、各列および電池システム100の出力部の両方にリレー106、遮断器107、電流センサ108を設けてもよい。
【0015】
リレー106は1台のリレーで構成してもよいし、メインリレーとプリチャージリレー、抵抗の組で構成してもよい。後者の構成ではプリチャージリレーと直列に抵抗を配置し、これらをメインリレーと並列接続する。そしてリレー106を接続する場合、まずプリチャージリレーを接続する。プリチャージリレーを流れる電流は直列接続した抵抗により制限されるため、前者の構成で生じうる突入電流を制限することができる。そしてプリチャージリレーを流れる電流が十分小さくなったのちにメインリレーを接続する。メインリレー接続のタイミングはプリチャージリレーを流れる電流を基準にしてもよいし、抵抗にかかる電圧やメインリレーの端子間電圧を基準にしてもよく、またプリチャージリレーを接続してから経過した時間を基準にしてもよい。
【0016】
電圧センサ202は、1台または複数台の電池モジュール105、または電池モジュール105の各1直列に対し並列に接続され、電池モジュール105の状態監視、および推定に必要な電圧値を計測する。また、電池モジュール105には漏電センサ203が接続され、漏電が生じる前に漏電が生じうる状態、すなわち絶縁抵抗が低下した状態を検知し、事故の発生を予防可能とする。
【0017】
電池モジュール105、電流センサ108、電圧センサ202、漏電センサ203が計測した値は、電池制御装置103に送信され、電池制御装置103はこれを元に電池の状態監視や推定、および制御を行う。ここで制御とは、例えば各単位電池の電圧を均等化するための単位電池毎の充放電や、各センサの電源制御、センサのアドレッシング、電池制御装置103に接続されたリレー106の制御等を指す。電池の状態監視や推定、および制御に必要な演算はCPU201が行う。電池制御装置103は電圧センサ202や漏電センサ203を内蔵してもよい。このようにすることで個別のセンサを用意する場合にくらべハーネス本数を減らし、センサ取り付けの手間も削減できる。ただしセンサを内蔵することで電池制御装置103が対応可能な電池システム100の規模(最大出力電圧、電流等)が限定されてしまうため、あえて電圧センサ202や漏電センサ203を電池制御装置103とは別部品とすることで自由度を持たせてもよい。また、図1には記載はしないが、電池モジュール105および106内には電池の温度や外気の温度を計測する温度センサまたはサーミスタが内蔵されている。
【0018】
図2は電池制御装置103内で各種演算を実施するCPU201において、電池システムの充放電電流の上限値を決定する上限電流選択の機能を実現する機能ブロック図である。この機能ブロック図で示す各機能はCPU201とそのソフトウエアにより実現される。温度対応電流制御部204は、電池温度や外気温度、電池充電状態を示すSOCなどの情報から、電池システムの温度と充放電電流による温度変化を予測して電流の上限値を求める。上下限電圧対応電流制御部205は、電池の電圧、電池温度、SOCなどの情報から上下限電圧の範囲内に留められる最大電流を演算して電流の上限値を求める。上限電流選択部206は、実際に充放電されている充放電電流に基づいて、温度対応電流制御部204の上限値、または上下限電圧対応電流制御部205の上限値による上限電流を選択する。
【0019】
図3に、温度対応電流制御部204での上限電流の決定方法の一例を示す。図3(a)では、現時点tから所定の電流i1、il、iqを流した際の時刻Δt1、Δtl、Δtq先の到達温度を予測する。図3(b)は図3(a)の次の制御周期を示している。例えば、図3(b)で、i1の電流を流した際にΔt1以内に温度が上限値を超えることが予想される場合は、Δtl秒後を予測した上限電流に切り替える。さらに図3(c)でも同様に、Δtl以内に温度が上限値を超えることが予想された場合には、iqに電流値を変化させる。このように特定時間先の電池の到達温度を予測し、上限温度を超えないように電流を制御する。
【0020】
上下限電圧対応電流制御部205は、リチウム電池では上下限電圧範囲を維持するよう電流を制御するものであり、この技術は公知技術であり、本実施形態ではこの技術を用いることで実現する。
【0021】
次に、上限電流選択部206での上限電流の選択の一例について、図4を用いて説明する。横軸は温度対応電流制御部204による上限値、縦軸は実際に電池が充放電している充放電電流を示している。図中の破線は温度対応電流制御部204による上限値と充放電電流が一致している点を示している。このため、破線よりも上の領域では、温度対応電流制御部204による上限値よりも大きな電流が充放電されていることを示しており、下の領域では同上限値よりも小さな電流が充放電されている。従って、破線よりも上の領域で充放電された場合は、電池温度が上限温度に到達または、現在の温度の上限温度に対する余裕が小さくなっていく傾向となるため、このような領域では温度対応電流制御部204による上限値を選択する。一方、破線よりも下の領域で使用されている場合には、電池温度が低下または、上限温度に対する余裕が大きくなっていく傾向となるため、上下限電圧対応電流制御部205による上限値を選択する。
【0022】
図5は、電池制御装置103の動作を示すフローチャートである。S500で本実施形態に関する制御処理がスタートすると、S501で制御処理に必要な電池電圧、充放電電流、電池温度を検出する。なお、検出する情報は一例であり、これらのパラメータの他にも、電池の電圧、電流、温度に関する情報を推定できるパラメータを使用しても良い。S502では、検出されたデータから、それぞれ温度対応電流制御部204による電流の上限値、および上下限電圧対応電流制御部205による電流の上限値を演算する。S503では、上限値の初期値として上下限電圧対応電流制御部205の上限値を設定する。なお、初期値の値はこの値に限定するものではなく、任意の値を設定して良い。S504では実際に充放電されている充放電電流と、温度対応電流制御部204による充放電電流の上限値を比較する。充放電電流の方が大きい場合はS505へ進み、温度対応電流制御部204による上限値を優先して本制御の上限値として採用し、充放電電流の方が小さい場合はS506へ進み、上下限電圧対応電流制御部205による上限値を優先して採用して充放電電流を制御する。さらに、S507では電池制御装置のシャットダウン処理など、本制御処理に関する終了信号の有無を確認し、信号が無い場合はS504からS507を繰り返し、終了信号があれば本制御を終了する。
【0023】
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電池制御装置103は、蓄電池105の充放電電流を制御する制御部を備え、制御部は、電池温度、及び充放電電流量に基づいて、蓄電池105の温度上昇を予測し、温度上昇の予測結果を用いて蓄電池105の上限温度を超えないように複数の上限充放電電流の値から1つの上限充放電電流の値を選択して充放電電流を制御する。これにより、適切な温度制御が可能になり、電動車両の燃費性能や運転性能を損なうことなく、充放電制御を行うことができる。
(2)電池制御装置103の制御部は、蓄電池105の温度が上限温度を超えない範囲で電流を制御する温度対応電流制御部204と、蓄電池105の電圧が上下限電圧範囲を超えない範囲で電流を制御する上下限電圧対応電流制御部205とを有し、制御部は、さらに、蓄電池105に流れる充放電電流に基づいて、温度対応電流制御部204による上限充放電電流の値、または上下限電圧対応電流制御部205による上限充放電電流の値のいずれかを上限充放電電流とするよう優先順位を決定する。これにより、上限充放電電流を決定し、電動車両の燃費性能や運転性能を損なうことなく、充放電制御を行うことができる。
(3)電池制御装置103の制御部は、優先順位を、温度対応電流制御部204で求めた上限充放電電流の値と実際に蓄電池105が充放電している充放電電流の比較に基づき決定する。これにより、上限充放電電流を適切に決定し、電動車両の燃費性能や運転性能を損なうことなく、充放電制御を行うことができる。
(4)電池制御装置103の制御部は、温度対応電流制御部204による上限充放電電流の値と、蓄電池105に流れる充放電電流を比較し、蓄電池105に流れる充放電電流が温度対応電流制御部204による上限充放電電流の値よりも大きい場合は温度対応電流制御部204の上限充放電電流の値を優先し、温度対応電流制御部204の上限値よりも小さい場合は、上下限電圧対応電流制御部205の上限充放電電流の値を優先する。これにより、上限充放電電流を適切に決定し、電動車両の燃費性能や運転性能を損なうことなく、充放電制御を行うことができる。
(5)電池制御装置103において、温度対応電流制御部204は、蓄電池105の温度、及び充放電電流量に基づいて、蓄電池105の温度上昇予測を算出し、蓄電池105の上限温度を超えない温度上昇予測の条件に基づいて上限充放電電流を制御する。これにより、上限充放電電流を適切に制御し、電動車両の燃費性能や運転性能を損なうことなく、充放電制御を行うことができる。
【0024】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限り、本発明の技術思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0025】
100 電池システム
103 電池制御装置
105 電池モジュール
106 リレー
107 遮断器
108 電流センサ
110 インバータ
111 負荷
112 上位コントローラ
201 CPU
202 電圧センサ
203 漏電センサ
図1
図2
図3
図4
図5